KEIRIN EXPRESS

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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

検車場レポート

  • 11/17 Wed.  (前検日)
  • 11/18 Thu.  (1日目)
  • 11/19 Fri.  (2日目)
  • 11/20 Sat.  (3日目)
  • 11/21 Sun.  (4日目)
  • 11/22 Mon.  (5日目)

1R

選手の写真です。
町田太我選手
 8月のオールスターに次いで2度目のGIも、オープニングの1番車。シリーズ開幕の“顔”の町田太我(写真)が気を引き締める。
 「(1レースの1番車に)選ばれたのは光栄です。(前回の防府記念1192着は)全体的に感触が良かったです。力を出し切れているし、仕上がりもいいと思います。自分は調整とかもあんまりしないので、(練習は)いつも通りの感じです。しっかりと主導権を取れるように自力でやります」
 10月の前橋GIIIを1131着で制した宿口陽一は、そこから1カ月近く空いて今シリーズを迎える。
 「ウエートトレーニングで腰を痛めたんで、大事をとって(宇都宮FIを)欠場した。でも、もう大丈夫です。結構、期間が空いたのでケアもしつつ、ハードなトレーニングもできた。あとは疲れが取れれば大丈夫かなっていうのがあります」

2R

選手の写真です。
古性優作選手
 8月のオールスターでタイトルを奪取した古性優作(写真)は、前回の四日市記念を6417着。万全といえる状態ではなかったなかで、現状を冷静に振り返る。
 「GIを獲らせてもらったけど、(周りは)本当に強い選手しかいない。自分はまだまだだなって感じます。(前回は疲れもあり)どうしようもなかった。(そのあとは)疲れを取ることはもちろん、自分が気になるところがあったんでトレーニングをしてきました」
 9月共同通信社杯の最終日に落車失格を喫した眞杉匠は、復帰場所の前回の伊東FIを716着。
 「伊東は新車が届いて3日くらいしかなかったので、それよりは(今回の方が)いいと思います。伊東は(強い選手ばかりで)メンバーがFIじゃなかった(笑)。(決勝は)後ろに同期(福永大智)も付いてくれたんで風切ろうっていうのがあった。(今年は日本選手権で決勝に進出して)去年と比べたら全然いい。フレームを換えたのもいい方向にいってると思います」

3R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 獲得賞金ランク11位(11月17日現在)の吉田拓矢(写真)は、今シリーズ次第では優勝がなくても決勝進出して上位着なら、初のグランプリ出場が見えてくる。
 「(グランプリ出場は)相当厳しいけど、もちろん目指して頑張るだけです。(前回のあとは)やりたい練習がそこまでできたってわけじゃないけど、練習はやれました。(今回は)新車です。(前回は)しっくりこなかったけど、自転車も違う。小倉は好きなバンクだし、勝負どころを逃さないように」
 佐藤慎太郎は、獲得賞金ランク7位で3年連続7回目のグランプリ出場圏内にいる。が、自身にプレッシャーをかけて、ラストGIに臨む。
 「自分は(グランプリの)ボーダーにいるつもり。ラストチャンスのつもりです。グランプリっていうのもあるけど、GIに出ているからには、そこを勝ちたいっていうのもあるんで一戦、一戦ですね。めちゃくちゃ調子がいいとかはないけど、気持ちは乗ってきている。(前回から)そんなに日にちがないので、どこまで上積みがあるかはわからないけど。(前回の)四日市よりはいいかなと」

4R

選手の写真です。
清水裕友選手
 清水裕友(写真)は、前回の地元、防府記念を優勝。地元記念4連覇の偉業を遂げて、弾みをつけた。
 「(前回の優勝は)すごくうれしかった。(防府に)入る前から4連覇って口に出して言ってたんで、有言実行できて良かった。(今年は)優勝とかそんなにできてないけど、安定して決勝に乗れていたからいつかはチャンスが来るだろうと。けど、決勝になると力の差を感じることが多かった。前回はラインの力で勝てたんで、これで流れが変わってくれればいいですね」
 浅井康太は前回の地元、四日市記念を2122着のオール連対。単騎の決勝は僅差で坂井洋に交わされたものの、8番手からのまくりで南関勢、古性優作を沈めた脚は目を引いた。
 「(前回の感触に関しては)見ていただいた通りですね。(そのあとは)デビューしてから、ずっといつも通りの練習をしてきました。(獲得賞金ランク10位ですが)グランプリに対してはとくに強い気持ちもないので、いまできることをすべてやりたい。(小倉は)ドームっていうところで走り方が難しくなると思うけど、その場の対応がしっかりできれば。(まずは初日1走した)感触でコンディションを調整したい」

5R

選手の写真です。
新田祐大選手
 今年に延期された東京五輪に日本代表として出場。五輪後、8月のオールスターで競輪に復帰した新田祐大(写真)は、競輪の出場機会が少なく、グランプリに出場するには優勝しかない。
 「力を出すレースができると問題ないですね。ただ、変に競輪らしくしようとすると、自分のレースができてない感じがあります。(状態は)悪くないです。(グランプリには)もう優勝しかないので、今回優勝をして出られるように全力で頑張るだけです」
 長島大介は前回の平FIを311着。決勝は逃げ粘る根田空史を3番手からの追い込みでとらえた。
 「(前回は)連日、感触が良かったです。そのあとはいつも通り調整をして、状態は上がってると思います。(今年好調なのは)いままでやってきたことがかみ合ってきたんだと思います」

6R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 5月に日本選手権を制してグランプリ出場を決めている松浦悠士(写真)は、獲得賞金ランクでもトップを独走状態。今シリーズは、日本選手権、サマーナイトフェスティバルに次ぐ、今年3度目のビッグ制覇で年末を迎えたい。
 「(前回の防府は)最終日が一番感触が良かった。ハンドルを修正してもらったのが一番ですね。体の状態は今年の前半と変わらなかったけど、物足りなさを感じていた。自転車も進まなかった。でも、防府でそれが解消された。昨日、一昨日の感触がすごく良くて、このデキなら楽しみですね」
 渡部幸訓にとって当所は、昨年2月にS級初優勝を飾った相性のいいバンク。初めての競輪祭にも期待は膨らむ。
 「(今年は)FIでも優勝できたし、(3月に宇都宮で)トラック支援でGIIIも優勝できた。自分のなかではかなりいい成績を残せました。一年ほど前からバンクメインから室内練習メインにしたのが、この成績につながっているかなと。(前回の四日市記念は)調子はイマイチだったけど、自転車が伸びてくれた。そのあとはここに向けて仕上げてきたつもりです」

7R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は、前回の四日市記念を5123着。初日特選、二次予選では自力で好感触を得た。
 「(前回は)しっかり自力も出せたし、自分で動くぶんには問題ない。あとは人の後ろに付いた時ですね。そこの状況判断とかが物足りない。状態はいつも通りなんで、しっかりと気を引き締めて走って、グランプリに弾みをつけたい」
 前回の防府記念を8446着の村上義弘だが、成績以上の手応えをつかんでいるようだ。
 「(防府は)多少、疲れを感じたけど、それ以上に数字よりも踏めてたかなと。今回は新車を使うつもりなので、そこに体をしっかりなじませるように練習をしてきました。(感触は)悪くなかった。(小倉は)タイムが上がる時はかなりハイピッチになると思うので、その辺を意識していきたいです」

8R

選手の写真です。
平原康多選手
 平原康多(写真)は、寬仁親王牌で17年2月以来の久々のGI優勝。その後は四日市記念を欠場して、中3週間以上のローテーションで競輪祭に臨む。
 「(四日市記念は)体調を崩してしまい、大事をとって欠場しました。GIを目指してやってるんで、寬仁親王牌が終わったあとはすぐに競輪祭に気持ちを切り替えてます。(今回は)わりと強めに練習をやってきた。正直、(小倉が)得意とかはないけど、結果がいいってことの方が多いですね」
 前回の寬仁親王牌2284着から3週間以上空いた太田竜馬のコンディションはどうか。
 「(防府記念は)風邪を引いて休みました。(寬仁親王牌は)もうちょっとかなという感じです。もう少し余裕があれば決勝に乗れたかなっていうのがあります。いつも通り練習して悪くない。前回よりはむしろ、いい気がします」

9R

選手の写真です。
尾方真生選手
 昨年は決勝にコマを進めている尾方真生(写真)は、前々回の松山FIIから新車を投入。今年は獲得賞金ランク6位と好位置にいる。
 「2場所前の松山から新型に乗り換えて、(前回は)うまく慣れて乗れたかなと。昨日までは普通にモガいてきました。一番いい時に比べたらいいとはいえないけど、しっかりと自分の力を出し切れるように。(グランプリ出場に関しては)前回までは賞金を上乗せすることを意識して走ってきたけど、今回はなにも考えずに走りたい」
 先行の決まり手こそない小林莉子だが、まくり、追い込みで高いレベルで安定している。
 「今年は本当に動きたい時に動けているんで、充実していたと思う。でも、前回はレースの読みもそうだけど、良くなかった。そこをしっかりと修正してきた。シューズを新しくしたんですけど、また(換えて)新しいのにしました」

10R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 児玉碧衣(写真)は前回の広島FIを3連勝の完全V。7月の静岡FIIから負けなしの25連勝で、ガールズケイリンの連勝記録を更新した。
 「広島の決勝はここ最近で一番緊張した。25連勝できてすごくうれしいです。(静岡の前の)サマーナイトフェスティバルがすごくショッキングで、その時の負けがいまにつながっているんだと思います。(アメジストに大久保花梨と尾方真生の同門2人がいて)かなり緊張はしているけど、グランプリの出場が決まっているぶん、気持ちが楽に走れると思う。3日間、自分らしい走りができるように」
 柳原真緒は前回の富山FIを113着。尾方真生にまくりを合わされた決勝をこう振り返る。
 「(富山の決勝は)単純に尾方真生ちゃんより前で戦えなかったのが敗因だと思います。(今回は)富山より状態良く入れたのでいいと思います。ドームなのでディスク(ホイール)が使えるので、いつもより早めの仕掛けが必要かなと思ってます」

11R

選手の写真です。
石井寛子選手
 獲得賞金ランクでトップの石井寛子(写真)は、昨年のトライアルが551着、一昨年が555着。小倉バンクとの相性は悪くないものの、競輪祭が“鬼門”になっている。
 「(今年は)やっと練習の成果が出て充実した1年です。(今回は)いつもよりも疲れを抜いて、調整ができたんじゃないかと。(状態は)いつも通りです。小倉のドームはとても好きですけど、競輪祭は苦手な大会。(小倉は)いいはずなんですけど、競輪祭だけはダメなんですよね」
 高木真備は3場所連続の完全Vで獲得賞金を上積みして、中2日の強行軍で今シリーズを迎える。
 「(配分が)詰まっているなかでも勝ち切れているので、調子はいいのかなと。そのあとはケア中心にしっかりとやってきたので問題はないです。この大会では優勝したことがないので、(今回)優勝してイメージのいい競輪祭にしたい」

12R

選手の写真です。
小林優香選手
 東京五輪後は17走して15勝の小林優香(写真)。3年後のパリ五輪まで競技の継続を決意して、これからもナショナルチームの活動との両立をさせていく。
 「3年後を目指しながらも、ガールズケイリンは自分の職業ですし、すごく大切にしているものです。先行回数を増やしていくことで、しっかりと競技にもつながっていくと思う。(今回もナショナル)チームとしての競技に徹して練習をして、そのなかで競輪につながることもやってきた。調子はいいと思います」
 山原さくらは、前回の富山FIの初日レース後にアクシデント。2日目からの欠場を余儀なくされた。
 「初日が(走り)終わって、そのあとにねん挫をしてしまって、走れないと思って(欠場した)。歩けなくてヤバいなっていう感じだったけど、1週間くらいあったんで戻せた。自転車に乗っている方が楽ですね。競輪祭は絶対に出たかったので良かった。なんとか間に合いました」

1R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 根田空史にフタをした町田太我が、赤板2コーナー手前からダッシュを利かせて仕掛ける。3番手の宿口陽一(写真)も合わせて踏むが、町田が強引に叩いて主導権を奪う。園田匠は付け切れない。町田後位に宿口が入り、園田は3番手、山田久徳が4番手で最終周回。8番手からまくった根田は前が遠く、番手から追い込んだ宿口が1着。
 「今回はぶっつけ本番で新車にしました。町田君があんなにけん制をすると思っていなかった。(山田に)踏み勝てるように精いっぱいいきました。先に行かないとバッティングしてしまうのがあった。杉森(輝大)さんと連係が外れてしまったのは残念でしたけどわからなかった。ああなったら先行しようと思っていました。でも、ちょっと見たら園田さんがいなかったので、そこは冷静に。でも、その気持ちがなければ、あのレースはできなかったと思う」
 町田との連結を外した園田匠だったが、3番手から宿口にタイヤ差まで迫った。
 「宿口君があんなにやる気だったとは誤算でしたね。突っ張るのかって思って、位置を確保しようとしたんですけど…。町田君にも合志(正臣)さんにも迷惑を掛けてしまった。難しい判断でしたけど、僕の責任ですね。町田君が勝手に残っただけで、今日(初日)は反省しかない」

2R

選手の写真です。
和田圭選手
 眞杉匠が押さえる前にアクションを起こしていた小松崎大地が、打鐘過ぎに出て先行策に出る。3番手に眞杉が入り、古性優作は5番手。小松崎は落ち着いて最終ホームからペースを上げる。番手で車間を空けた和田圭(写真)が、けん制して眞杉はタイミングを逸する。古性が2コーナー過ぎからまくる。が、番手絶好の和田が、後続のスピードを見極めて追い込んだ。
 「眞杉君の後ろから叩くか、最初に切るかと。ヤバいかなと思ったけど。(小松崎)大地さんは先行争いもあるかと思ったけど、行ってくれて眞杉も出させてくれた。それで展開が向いた。脚の余裕はあったけど、古性君が見えて、ビックリして踏んでしまった。ビビって踏んでワンツーを決められなかったのが反省点です」
 マークした眞杉の余力を確かめた木暮安由が、最終3コーナーからインを突いて僅差の2着争いを制した。
 「(古性が来ても)余裕をもってコースを見れていますね。(最終)バックで余裕があるので、今開催はおもしろいと思う。3着だと思っていたけど2着でうれしい。ドームでいい競走ができた。修正はないですね」

3R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 打鐘で先頭に立った野原雅也を絶妙なスピードで叩いて出た吉田拓矢が主導権。それほど脚力を消耗することなく3車のラインで出切った吉田拓のペース。中団が野原と吉田敏洋で併走になり、門田凌のまくりは不発。別線の出番はなく、番手の佐藤慎太郎(写真)が吉田拓を交わした。
 「ヨシタク(吉田)が自分1人で全部やってくれた感じですね。踏み直しもしっかりしてたし、出ていくスピードも良かった。ヨシタクが強かった。自分もヨシタクがペースで駆けているなかで交わせているのでいいのかと」
 吉田拓矢が主導権を握り、ラインの3車で上位を独占。逃げて2着でまずまずのスタートを切った。
 「(周回中に)前中団を取ったら先行でいくって決めていた。(主導権を握る時に)脚を使わずにあそこを行けたのが良かった。一番の勝負どころだと思っていたんで。あとは後ろを信頼して駆けるだけだった。新車にしていいと思ったけど、最後は抜かれているのでもうちょっとなのかなと。ただ、こういう気持ちで走れれば、いい結果が付いてくると思う。出し惜しみをしないように」

4R

選手の写真です。
浅井康太選手
 浅井康太(写真)が切った上を菊池岳仁が押さえて出るが、すかさず踏み込んだ高橋晋也が主導権を握る。高橋の先行で一本棒の隊列になり、清水裕友は7番手に置かれる。打鐘の4コーナーから清水が反撃に出て、菊池が3番手から合わせてまくる。が、大槻寛徳のブロックで菊池が落車して、清水も巻き込まれる。最終2コーナーからインを進出した浅井が、逃げる高橋後位で踏み勝って直線で余裕をもって抜け出した。
 「展開的には厳しくなりましたけど、見ての通り内が空いて突っ込んだ。ギリギリを攻めて番手が取れた。ハンドルさばきも脚の感じも悪くない。(前回の)四日市の時にペダリングがわかったという感触をつかんだ。地区プロ、練習でここに向けて仕上げてきた。地区プロで感触をつかんで、四日市よりもいい感覚で入れたかなと思ってます。(GIを)獲る獲らないじゃなくて、自分のパフォーマンスを出せれば、結果がついてくる可能性があると思う」
 最終3コーナーでは逃げる高橋の後ろが浅井、松谷秀幸、大槻寛徳で併走。村上博幸、は冷静な判断から浅井に続いて2着。
 「(落車のアクシデントもあったが)しっかり対応して、次に脚が余っていた。浅井君が内へ行った時に外も考えましたけど、中本(匠栄)君も行ったので併走になってコースを探し待ちでした。前回は地区プロの疲労感が残っていて調整ミスっていうか、いままで以上に響いてくると思った。でも、今回は慎重に調整してきた」

5R

選手の写真です。
新田祐大選手
 初手で前中団に位置した新田祐大(写真)は、山本伸一、石原颯が次々上がって来るのに合わせて前々に踏み込んで行こうとするが、ごちゃつく展開に無理せず7番手に下がっていく。石原がケレン味なく駆けていき、一本棒の状態で最終2コーナーに入ったところから新田は反撃を開始。次元の違うダッシュ、スピードで駆け上がっていった新田は直線入り口で前団をまくり切り期待に応えた。
 「まず、初日をクリアしてホッとしている。自分たちの考えているスタートとは違ったけど、こうなるであろう、最悪の状態よりもいい位置からのスタートでした。組み立てはあまりにもぬるい展開になった。並んでしまったし、それが中途半端だったけど、それでレースも動いたので、残り1周が力勝負だなと。踏んだり止めたりの繰り返しはしていたけど、見え方としては、2コーナーだったのかなと思う。メンタルは上昇志向で常に1着を意識して強い気持ちでいる。フィジカルは見ての通り、問題ないです」
 新田の踏み出しから口が空いた鈴木裕だったが、自らの脚でクリアー。新田を目がけて懸命に踏んで伸びていき、最後は2分の1車身差の2着でゴールした。
 「(新田は)ずっとニュートラルに入っているのか、いつ行くかなと思っていました。(自分が)2コーナー手前で内に差してしまっていて、(新田が)すごいスピードで行って離れました。(2着にきたのは)全部、自分の力のおかげ(笑)。体調はすごくいいが、前が強すぎたのでわからないですね。世界のダッシュだった」

6R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 後方から上がってきた皿屋豊が赤板で前団を押さえる。この動きに松浦悠士も続いてくるが、前受けから引いた岩本俊介が阻んで3番手が併走に。なおも踏まない皿屋を打鐘で松浦が叩きに行き、そのまま松浦が駆けていく流れになるかに、最終ホーム手前で山崎芳仁がさらに叩いて先行勝負に出る。これで8番手に置かれた岩本は1センターからまくりで反撃を開始。結局、岩本は3番手の松浦の外で失速してしまうが、内の香川雄介を制して松浦後位に割り込んだ内藤秀久(写真)が直線では松浦より内のコースを伸びて1着を奪った。
 「ラスト2周で皿屋君が来るのが遅いなって。でも自分は岩本君の動きに合わせないといけないので。案の定、赤信号が点滅しましたね。でも仕掛けてくれたのでスピードをもらってコースを突けました。結果オーライなんですけどね。岩本君も反省点があると思うので。松浦君が張りながらまくっていく感じだったのでその外は無理なんで。渡部(幸訓)君の内か外か両面待ちでしたね。予測、予測でアドリブですけど感覚は良かった。いつもドームの初日はペダリングが三角になってしまうんですけど、初日からバッチリ合っていましたね」
 前々に踏んで好位を確保した松浦悠士は、岩本を引き付けて最終3コーナーから踏み出す。山崎の番手を回った渡部幸訓の抵抗を受けた分、伸びを欠いて2着に。
 「脚の感触は良くて外併走でも良かったんですけど皿屋さんが流したので押し出される形で。でも前の方にいた方がいいのかなって。もう腹を決めてペースで駆けようと思ったら来られた感じだったので出させて3番手になりましたね。2コーナーですかさずまくれば良かったですね。脚はかなり良いので、自信を持っていけるように。9月、10月とは違うって理解して走らないと調子の良さを生かせないと思うので」

7R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 赤板過ぎに先頭に立った三谷竜生は、郡司浩平を突っ張ってから中四国ラインを受ける。打鐘手前で取鳥雄吾が主導権を握り、3番手に三谷。しかしながら、佐々木悠葵がインを進出して3番手を奪取する。郡司は三谷にかぶり、最終1センターで村上義弘に大きく張られる。中団のもつれをしり目に取鳥が快調に飛ばす。番手の阿竹智史(写真)が勝機をモノにした。
 「(取鳥が)落ち着いて走ってくれた。僕は余裕がないけど、(取鳥)雄吾が(最終)2コーナーからもうひと加速して、最後まで踏み切ってくれた。雄吾のおかげ、展開だけですね。正直、そこ(共同通信社杯の途中欠場)からあんまり良くない。(前回の3勝も)前が頑張ってくれたからです。ドームが独特なんで自分の思ったところと感じが違いました。脚はあんまり良くない」
 大好きな小倉バンクで別線をシャットアウトした取鳥雄吾は、汗をぬぐい納得の表情で振り返る。
 「初手の並びが思った以上に良くなったので、落ち着いて思い切りいければと。(三谷)竜生さんが切ってくれて、郡司さんがもう1回切ってもらえればと思っていた。でも、あの距離ならなんとかなるかなと。落ち着いて(最終)1センター過ぎから目いっぱい踏んだ。後ろを確認する余裕はなかった。でも、阿竹さんとワンツーができたんで、少しホッとしてます。小倉はめちゃくちゃ好きなんで、いいですね」

8R

選手の写真です。
和田真久留選手
 互いにけん制し合って動きは遅くなったが、前受けの渡邉雄太を打鐘で太田竜馬が叩いて先頭に立つ。追って上がってきた竹内雄作がさらに叩いて先行勝負に出ようとしたが、太田は突っ張って出させない。結局、竹内は出切れずに下がるが、今度は平原康多が襲い掛かる。最終2コーナーで平原は太田をまくるが、成田和也ら後続は離れてしまい、中団にいた渡邉が平原の番手に飛び付く。内に詰まっていた和田真久留(写真)はこの動きに続けず、成田が3番手に入り、和田はその後位の4番手に。直線に入ると平原は失速し、渡邉が抜け出すが、大外を伸びた和田が逆転。
 「ちょっと落車でひるんでしまって連結を外したのでなんとかワンツーを決めなければという思いでした。番手戦だったのでなんとも言えないですけど、悪くはなかったと思います。自力でも戦える雰囲気だったと思います。車番的に初手は難しかったですけど、(渡邉が)うまく立ち回ってくれました。気持ちの余裕もありましたし2走目も1着を目指して頑張りたい」
 俊敏に平原の後位を奪った渡邉雄太は2着にも手応えをつかんだ様子だ。
 「和田さんとワンツーだったので調子は良いと思います。思ったよりも体は動いてくれているなって。外を平原さんが行ったのが見えたんですけど、あそこまで行けると思っていなかったしいいと思います。2走目に繋がったと思うので頑張ります」

9R

選手の写真です。
尾方真生選手
 赤板1センターから尾方真生(写真)が、ゆっくりと進出を開始する。尾方は前団のペースを見極めて、3番手の外併走から打鐘の2センターでスパート。最終ホームで主導権を握る。2番手に続いた小林莉子、尾崎睦のまくり、さらに外から迫った大久保花梨を退けた尾方が逃げ切り勝ち。
 「しっかりと自分の力を出し切れた。周回中はどの位置でも(打鐘の)4コーナーから仕掛けようと思った。踏んだ感触は悪くない。しっかりと、3コーナーで踏んで、直線に入ってからも踏み切れた。脚は変わらずにいいと思います」
 3番手外併走からまくりを打った尾崎の外をまくった大久保花梨は、不発の尾崎を越えて尾方に4分の3車輪差まで詰め寄った。
 「尾方真生が駆けると思った。それより先にいこうと思ったけど、真生の方が、ダッシュ良くて格上でした。それからは後ろからいこうと思った。いい車番をもらって、いい位置から組み立てようと。うまく踏めたけど、真生が最後まで踏めて、(尾崎)睦さんも内側にいて危なかったけどなんとか粘れました」

10R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 6番手の児玉碧衣(写真)は、赤板2コーナーで内から1車押し上げる。外に浮いた柳原真緒が、打鐘過ぎから仕掛けて先行策に出る。永禮美瑠が2番手に飛び付いて、児玉は6番手のままで最終ホームを通過する。1コーナーから踏み上げた児玉は、ロングまくりであっさりとのみ込んで1着。連勝記録を26に伸ばした。
 「自分で動く選手が多かったので、誰か動いたら、それに乗って行こうかと。でも、柳原さんの行くタイミングには反応できず、(最終)ホームくらいで誰か行くかと思ったら、誰も行かなくて…。このまま待つと3コーナーで渋滞するから、1コーナーが上りだけど自分で行った方が“安パイ”かなと。このまま連勝記録を伸ばしていきたいですね。明日(2日目)も自分らしいレースをして、27連勝の記録をつくっていきたいです」
 打鐘の4コーナー手前で先頭に立った柳原真緒は、結果的に児玉にはまくられたものの、あとの5人を完封して逃げ残った。
 「(仕掛けが)ちょっと早すぎたかなと思いました。思ったより(距離が)長かったので、1回ペースで流しました。あとは児玉さんがいつ来るのかわからなかったので、早めに上げていきました。児玉さんは絶対に来ると思った。力出し切って児玉さんに勝てたらいいなって思いもありました。いっつも1日目がいいと流れがいいので、今日(初日)は集中していこうと」

11R

選手の写真です。
高木真備選手
 誘導が退避してペースを握った石井寛子が緩めると、高木真備(写真)は6番手でタイミングを取り打鐘の4コーナーから一気に踏み込む。高木に南円佳まで続いて出切り、3番手に石井が飛び付く。4番手に鈴木美教。細田愛未が内に入り、坂口楓華もまくり4番手がもつれる。最終4コーナーで石井に接触した鈴木が落車して、坂口も巻き込まれ落車する。石井はスピードが鈍り、高木が逃げ切った。
 「誰も行く気配がなければ、先行も考えていた。(仕掛けた感触は)ペースに入れる先行になったので、もう少し前半で踏んでも良かった。(配分の間隔が詰まっていたけど)ケアをしてきているので、体調はいいですね」
 周回中から高木の後ろにポジションを取った南円佳が、高木に続いて2着。
 「自力を出せるところは考えていたけど、展開に恵まれてしっかり脚をためていった。自力自在に立ち回ろうと考えていたんですけど、道中は脚をためて追い込もうと考えていた。思ったよりは伸びていないですね。ただ、競輪祭に向けてきたので、セッティングは合ってきました」

12R

選手の写真です。
小林優香選手
 前受けの奥井迪が、そのままペースを上げて先行策。4番手の梅川風子が後方の小林優香(写真)を警戒しながら、最終ホーム手前から仕掛ける。2番手の土屋珠里も外に持ち出してまくり合戦になるが、梅川に乗った小林が一枚上のスピードで前団をのみ込んだ。
 「先に仕掛けられなかったし、合わせられたところがたくさんあった。けど、どうにか1着でこられました。(梅川だけではなくて)奥井さん、山原(さくら)さんもいて自力型が多かった。それで先に仕掛けないとって思ってました。脚の方は問題ないけど、併走で苦しかったです」
 結果的に小林をマークする形になった石井貴子が、梅川に踏み勝ち2着も反省まじりに振り返る。
 「強力な自力型の選手がそろっていたんで、まくり合戦になったらマズいなっていうのがあった。それでできるだけ前の方と思っていたけど、(位置を)取りっぱぐれて、一番後ろに下げたのが小林さんの後ろでした。なんとかタイミングを取りながらと思ったけど、付いているだけでした。いっぱい、いっぱいという言葉しか出ないです。展開に恵まれただけですね」

1R

選手の写真です。
北津留翼選手
 山口拳矢、森田優弥の順番で出て野口裕史の主導権かに思われたが、野口は赤板2コーナー手前でインに切り込んで詰まる。結果的に森田の主導権で打鐘を通過する。3番手の外併走から仕掛けた野口は不発で、山口は永澤剛とからむ。もつれを冷静に見極めた北津留翼(写真)が、最終1センターから踏み上げる。スピードの違いであっさり前団を仕留めた北津留が、地元で白星スタートを切った。
 「前を取って(仕掛けて)行けるタイミングがあったら行こうと。野口選手の先行だと思っていたので、そこは考えと違いましたね。自転車は流れたけど、前検日にサドルを下げてのが気になったので、下げた分との間くらいにしたいです。すごい声援をいただいて力になりました。脚は変わらずに普通です」
 北津留の加速力に置いていかれた橋本強だったが、吸い込まれるように2車身差で2着をキープした。
 「野口さんがいるので、他のラインの動きがあって、3番手争いになるんじゃないかっていうのはドンピシャでした。(北津留)翼が踏んだりやめたりしてタイミングが合わなかったので、半ち切れでしたね。ち切れてから我慢できたけど、きっちり付いていきたい」

2R

選手の写真です。
深谷知広選手
 赤板1コーナーで藤井侑吾が勢い良く出て、前受けの深谷知広(写真)が4番手に入る。6番手に山田英明、渡邉一成が8番手でレースは流れる。前団との車間を空けた深谷は、藤井のペースを見極めて打鐘の3コーナーから仕掛ける。最終ホームで叩いた深谷が主導権を奪う。離れ気味の諸橋愛がなんとか付け切り続く。深谷ラインを追って3番手から追い込む山田英明を深谷が振り切った。
 「想定外の場所になりましたけど、そこで落ち着くことなく自分の距離で仕掛けられたのは良かった。相手が同じタイミングで踏み出したのはわかりました。でも、しっかりと踏み切れた。まだ完ぺきじゃないですけど、後ろを確認しながら余裕をもって踏めました。最後は抜かれたかなって思いましたので、押し切れているのでいいと思います」
 最終ホームで俊敏な立ち回りを見せた山田英明が、3番手から伸びて2着。
 「あのスピードで追い上げるのは厳しいと思った。位置は悪くなりましたけど、あそこで勝負かなって。深谷君は絶対に仕掛けると思ったし、行かなければ追い上げてもと。でも、(深谷は)やっぱりさすがでしたね、強いなって。自分が一番脚を使っていなかった。なかなかチャンスはないと思うので1着を取りたかったですけど」

3R

選手の写真です。
守澤太志選手
 稲垣裕之が3番手をキープして、黒沢征治が先行策に出る。松井宏佑を後方に置いて、中川誠一郎が5番手でタイミングを取る。最終1コーナーから中川がロングまくりを放つ。バックで前団をとらえて、続いた小倉竜二が松井をブロックする。空いた中川と小倉の間を*守澤太志(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「黒沢君も掛かっていたし、先まくりの中川さんの上を(松井が)行こうとしていたんでピリピリしてました。自分に余裕というより(松井の)あの外は絶対に踏めない。小倉さんがブロックしたんで、すかさず内に行った。今日(1走目)ちょっとセッティングを変えて乗ったんですけど、まだ改善点がある」
 逃げる黒沢の掛かりも悪くなかったが、中川誠一郎が持ち前の力でねじ伏せて前団をのみ込んだ。
 「(5番手から)あそこで行かないと松井君が来ると思ったので、とりあえず(最終1コーナーで)行きました。(感触は)まずまずかなと。(練習での環境の変化もあり)不安はかなりありましたけど。なんとか走り切れたので、ちょっとは解消はしました」

4R

選手の写真です。
山田庸平選手
 赤板の1コーナーで先頭に立った新山響平は、近畿勢を受けると続いた山田庸平(写真)ラインも出させて5番手まで下げる。寺崎浩平が駆けて、一本棒で最終ホームを迎える。3番手の山田は別線の仕掛けを待つことなく、2コーナー手前からまくる。稲川翔のけん制を乗り越えた山田が、直線で抜け出して2着以下をちぎってゴールした。
 「すんなりと3番手を取れて、そこから早めに仕掛けいこうと。思い描いていた通りにできた。(稲川のけん制が)来るのはわかっていたので、タイミングを取りながらいきました。共同通信社杯からフレームを換えて、そこから1回落車をしたけど修正に出して使っている。踏み出しは良くないけど、後半の伸びがいい。その特性を生かせました」
 山田マークの柏野智典は、最終3コーナーでインを突くが詰まって出られない。まくり追い込んだ新山響平が2着に入った。
 「ヨコが強くないので、脚を使って位置を取ろうと考えていた、欲をいえば、(山田)庸平さんのところから欲しかったですね。(山田が)あそこで仕掛けていなかったら、僕が踏み込んでと思っていた。付いていったあとは、雑になって外に浮いた感じだった。それで後ろが付きづらかったのかなと」

5R

選手の写真です。
古性優作選手
 誘導との距離を取っていた町田太我が、赤板で山崎芳仁を突っ張って前受けからそのまま先行態勢に入る。3番手を古性優作(写真)がキープして、単騎の鈴木裕は打鐘の2センターで内から1車押し上げて5番手。古性は最終2コーナーからまくると、阿竹智史も大きく外に振る。阿竹を内に押し込めるようにしのいだ古性が、直線で逃げる町田をとらえた。
 「(仕掛けたのは最終)1センター、2コーナーですかね。阿竹さんのブロックでちょっとバランスを崩してしまって失速しましたけど、最後にもう一度冷静に踏めた。(前回の)四日市の感じだったらダメだったと思う。(町田が)突っ張らなくても、思っていた展開はありましたし、展開が一番良くなっただけで、ああならなくても自信はありました。近藤(龍徳)君まで決められれば良かったんですけどね」
 町田の逃げを利した阿竹に踏み勝った村上義弘が流れ込んで、近畿ラインのワンツー。
 「もうなにからなにまで古性君がやってくれたので、なんとか追走して2着をキープできて良かった。町田君がかなりハイピッチで古性君はスンナリといってもキツかったと思いますし、強引に行ってくれた。阿竹君がいいタイミングでブロックして、内に気配を感じて締めにいった。なんとかしのげて良かったです」

6R

選手の写真です。
園田匠選手
 打鐘手前で根田空史が主導権を握るが、7番手の松浦悠士も素早く反応する。反撃に出た松浦は、いったん3番手の長島大介の外まで進出。外併走から最終ホームでまくりを打つ。松谷秀幸がイエローラインを超えてブロック。空いた内を踏んだ園田匠(写真)が、逃げる根田の番手に入り早めに追い込んだ。
 「松浦君が全部やってくれたおかげです。引いたらすぐに行くっていう感じだったのでダッシュに集中していた。(松谷の)1回目のブロックでも((松浦は)乗り越えると思っていたけど、2回目で前輪が掛かってしまったのでいくしかないと。行ったら松浦君がが後ろにいるのはわかってたんで、早めに抜きにいこうと。(4日目のダイヤモンドレース進出は)気にせずに一戦、一戦、戦ってるんで、余裕はない。どこでも一戦、一戦、上向くように頑張るだけです」
 猛ブロックの松谷は押し上げで失格。松浦悠士は、なんとかこらえて園田後位に付け直して流れ込んだ。
 「自信をもって仕掛けようと思ってた。いい時はスイッチしてそのまままくれている。そのイメージで行ったけど、松谷さんの厳しいブロックがあった。それで園田さんが内にいったのが見えたので、早めに踏んでくれと。行き切れなかったけど、(ラインでの)ワンツーが決まったんで良かった。状態はすごく良かったんで修正点はない。ブロックとかあおりを受けても体のバランスが崩れたりとか(ダメージは)なかったので、しっかりと(3日目の1日を)休んで備えたい」

7R

選手の写真です。
新田祐大選手
 先行態勢を取った渡邉雄太のペースを判断して、打鐘の3コーナーから新田祐大(写真)が叩きに出る。さすがのダッシュ力で主導権を奪った新田が駆けて、木暮安由の追走。3番手の渡邉は動けず、中団で山田久徳と香川雄介がからむ。新田は直線でもうひと踏ん張りして、逃げ切りで連勝のゴール。
 「スタートは取れた位置からでした。予想よりも仕掛けた時にスピードが上がっていた。木暮さんはわかったけど、その後ろはわからなかった。自分の仕事をして、あとは後ろに任せて走ったのが、あの結果につながった。今日(2日目)みたいな早い展開で主導権っていうのを今シーズンはやってきた。昨日よりも、今日のようなレースをやってきていた。自分の中で気持ちを前向きにしてレースを組み立てられている」
 中割りの岡村潤はゴール前で落車。新田マークの木暮安由が2着に入った。
 「(新田の)踏み出しが強烈で追走でいっぱいだった。駆け出しはここでいくのかと不意を突かれた。周りを確認する余裕はありました。(最終)4コーナーで新田君が振ったので、岡村さんが突っ込んできたのもわかった」

8R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 単騎の櫻井正孝だけが誘導を追いかけて、2番手の山本伸一が車間を大きく切る。赤板2コーナー手前から踏んだ皿屋豊が打鐘の2センターで先頭に立つが、その上を取鳥雄吾(写真)がカマす。小川勇介が懸命に取鳥のダッシュに食らいついて、3番手は飛び付いた皿屋と平原康多の併走。取鳥は直線に入ってもスピードが鈍ることなく、平原の猛追を振り切った。
 「(打鐘の)3コーナーでいこうとしたけど、落ち着いて緩んだところを目いっぱい行った。デキすぎで怖いですね。やっと自分の思うようにモガけるようになった。小倉はすごい(相性が)いいですね。大好きです」
 最終バック手前で併走する皿屋をキメた平原康多は、直線勝負で2着。
 「(初日と違うシューズにして)感触はいいと思う。考えているレースにはならなかったけど、臨機応変に対応しました。取鳥君が強いはもちろんだけど、皿屋君との併走で、キメるまでに仕掛けるタイミングが狂った。もっとタイミングを取れていたら、(最終)2コーナーでいけていたんじゃないかな。感触はいいと思うけど、スタートけん制もあって、みんなが苦しかったと思う」

9R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 4番手の尾方真生が後続を警戒しながら、打鐘の2センターからスパートする。尾方が最終1コーナーで主導権を握ると、後ろは2、3番手までが併走になり隊列が短くなる。じっくりとためた柳原真緒(写真)は、2コーナーからまくり一気。スピードの違いで尾方をとらえた。
 「尾方さんよりも前で戦いたいっていうのもあったんですけど。太田さん、尾方さんがスタートを出たので、レース展開が早くなるかと思って後ろに構えました。車間を切らないとまくり切れないかなっていうのがあったんで、車間を切って冷静に走れました。踏み出した感じからまくり切れると思いました。昨日(初日)の疲れがちょっとあったけど、調子もしっかりと上げられた。明日はもっと良くなるかなと」
 尾方真生は連日の先行策。柳原にのみ込まれたが、あとの5人を退けて2着に残った。
 「(周回中の)あの位置なら自分で仕掛けるしかないかなと。(自分の感じは)初日と変わらずに普通だと思います。ちょっと(柳原が)強かった。1人にいかれたけど、あとは冷静に最後の4コーナーから踏むだけだと。そこはしっかりと踏めました」

10R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 6番手の吉岡詩織が打鐘の3コーナーから仕掛ける。中嶋里美が続くが、合わせて踏んだ児玉碧衣(写真)が、2番手を奪取する。その後もスピードを殺すことなく、スムーズに最終2コーナーからまくってひとり旅。力の違いを見せた。
 「吉岡詩織さんが駆けるだろうと思って踏み出したら、それに合わせて番手を取る感じで駆けようと。(最終)ホームで踏んだり、やめたりを繰り返して余力が残っていなかった。まくりにいった時に脚にきていたのが反省ですね。昨日(初日)と比べて重たい感じがする。疲れが取れてくれば、もっとタイムも出るかな。今日は長めにケアをしたい」
 周回中に児玉後位にいた小林莉子だったが、最終ホームで児玉を追い切れない。それでも冷静な立ち回りで、大久保花梨との併走から2着に伸びた。
 「初日が5着だったんで今日は(決勝進出するには)2着以内なので、一番いい位置を狙おうと。児玉さんが踏んでいって付いていって、3車併走のなで危なかった。一瞬の隙を突いて、位置を取り直しました。児玉さんの力が抜けすぎていて、自分がいいか、悪いか、わからない。すごくいいわけではないが、徐々に良くなっている」

11R

選手の写真です。
梅川風子選手
 打鐘を過ぎても動きは見られず、5番手にいた高木真備を警戒しながら、3番手の梅川風子(写真)が4コーナーから踏み出す。果敢に風を切った梅川は追走した石井貴子、まくる高木を完封しての逃げ切り勝ち。
 「(初手の位置は)どこからでも考えていたけど、やりやすい位置だった。自分の感覚とタイムがかなり差がある。小倉バンク特有かなっていうのもあるんで、その辺も考えて(決勝を)走りたい。今日(2日目)の方が感覚は良かった。自分の練習してきたことをレースで出すっていうのが、最低限の目標だった。それができたことは良かった」
 最終2コーナーからまくった高木真備は、好スピードで梅川に迫るも、梅川の踏み直しに2着が精いっぱい。
 「昨日(初日)と同じ感覚で、(周りが)行かないなら行く準備をしていた。(そしたら梅川が)行ったのでまくりに構えました。ちょっとキレがなかった。明日、ひとつ修正できるところがあると思っているので、そこにかけて臨みたい。チェーンまわりですね」

12R

選手の写真です。
奥井迪選手
 4番手でタイミングをうかがっていた小林優香が、打鐘の4コーナーからダッシュを利かせて踏み込む。2番手で車間を取っていた奥井迪(写真)も、合わせて出る。しかしながら、小林がスピードの違いで先頭に立ち駆ける。奥井は狭いコースを怯むことなく踏んで、小林の番手に飛び付く。2番手で石井寛子と併走になった奥井は、最終3コーナーで小林が空けたインをまくって勝負駆けで勝ち星を挙げた。
 「車間を詰める勢いで(最終)ホームで行こうと思ってたんですけど、一瞬ちゅうちょして(小林)優香さんに行かれた。焦ってしまった。そこしか行けなかったので、しっかりと(小林の)番手に飛び付こうと思った。(そのあとは)意外と余裕があって、自分でもそこはビックリしてます。一瞬、空いたところを行けたので、落ち着いて走れているのかなと。内に行ってからも自転車の流れもすごく良かった。脚の感じは悪くないのかと」
 先行の腹を固めていた小林優香は、積極策でレースを支配したが、インを空けたことが大きく響いた。
 「今日(2日目)はしっかりと先行しようって決めていたので、プラン通りいったと思います。踏み出しも良かった。けど、踏み上がり切るところで、内からすくわれてしまった。その点は反省もあります。昨日がまくりで、今日は先行して、脚の感触を確かめて1、2着でこられている。(決勝は)しっかりと修正して1着を取りたい」

1R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
 前受けの眞杉匠が上昇した中川誠一郎を阻んで先行態勢を取る。3番手を三谷竜生をキープして、深谷知広はいったん5番手に入り打鐘の2センターからスパートする。近畿勢のあおりもあって、佐々木雄一は付け切れない。車間が空いた番手で、眞杉が深谷を追いかける。逃げる深谷との距離を詰めた眞杉の外を伸びた鈴木竜士(写真)が、わずかに交わして1着。
 「もうジャンからヒィーヒィーでしたけど、全部気持ちでカバーしました。いまは人の後ろで頑張りたいって気持ちでいるので。流れはいいですね。1着が取れたのは素直にうれしいですし、自信になります」
 深谷に主導権を奪われた眞杉匠だったが、スピードを上げて番手に飛び付く冷静な立ち回り。後続との間合いを計り、車間を詰めて追い込んだ。
 「初日の感じが良くなかったので、今日(2走目)はいつも通りの競走をしようと思っていました。1回(打鐘の)バックでモニターを見てペースに入れた。突っ張ろうと思っていたんですけど、気づいた時には(深谷が)横まで来ていましたね。相当、掛かっていました。詰めていくつもりでしたけど。初日はセッティングが全然、出ていなくて、昨日(2日目)ずっといじっていて今日は良かった。でも、もう少し煮詰めていきたい」

2R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 主導権を握った野口裕史は、赤板2コーナー手前から寺崎浩平が襲い掛かるとペースを上げる。寺崎は3番手の山田英明の再三のけん制で、最終2コーナーで力尽きる。後方で脚をためていた宿口陽一(写真)がまくり、山田も懸命に合わせるが宿口のスピードが断然。4コーナーで逃げる野口をとらえた宿口が一次予選を連勝。
 「車番が悪かったので、ちゃんと切ってから山田さんを出させてからでしたね。それがはまった。野口さんと寺崎君が思った以上にやり合ってくれた。あとは仕掛けどころを逃さないように山田さんとのまくり勝負で踏み勝てて良かった。(連勝は)素直にうれしいですね」
 武藤龍生が流れ込んで埼玉ワンツー。汗をぬぐい、同県の先輩をたたえる。
 「前が(宿口)陽一で信頼しかなかった。すべてお任せです。後ろから見ていて余裕がありそうだったので、自分が離れなければいけるかなと。連日、森田(優弥)、陽一さん(と一緒)だったので、同県で良かったなと。今年最後のGIなので1走1走、全力で頑張りたい」

3R

選手の写真です。
新山響平選手
 黒沢征治が叩いて主導権。新山響平は3番手に引いて、黒沢ラインを追うのをやめた浅井康太は一本棒の7番手。後方に置かれた浅井は、最終ホーム手前から踏み上げて前団に襲い掛かる。3番手から新山が合わせて出ると、浅井は冷静な判断で北日本勢に付け直して直線でシャープに追い込んだ。
 「(赤板の)ホームでちょっと見てしまった感じです。しっかりと中団を取り切って、黒沢君に付いていって、新山君の横で勝負するという自在の走りをすれば良かった。けど、(黒沢が)合わされたかなというペースで踏んでいったんで、浮いたらダメだし、無駄脚を使うよりはと思って引いた。太田(竜馬)君がすんなり中団で厳しいかと思ったけど、太田君の動きを見て早めに仕掛けようと思った。新山君の動きを見てまくりにいって、新山君がいいスピードでまくったので切り替えてもう1回、直線勝負の形をとりました」
 先行争いも十分に考えられたメンバー構成だったが、新山響平(写真)は3番手からのまくりで2着。
 「(黒沢を出させてから)1回緩んだので後ろを確認したら、浅井さんの影が見えて焦って踏んだ感じですね。タイミングを取れていなくて、本当は(最終)2コーナーから行ければ良かったんですけど。なんとかギリギリ前に出られて良かった。浅井さんの自力がすごかったですね」

4R

選手の写真です。
金子幸央選手
 赤板手前で佐々木悠葵に押し込まれた岩本俊介は、7番手に下げて立て直す。岩本が2コーナー手前から仕掛けて、佐々木も合わせる。2人の踏み合いになったが、金子幸央(写真)は連結を外す。主導権を握った佐々木に岩本、守澤太志が続く。最終ホーム過ぎに反撃に出た山口拳矢だったが、守澤のけん制で落車。佐々木の番手から岩本が出て、金子は3番手で車間を空ける。間合いを取った金子は、4コーナーから踏み込んで突き抜けた。
 「(佐々木との連係を外したのは)僕の追走技術の甘さだったり、弱い部分ですね。佐々木君に付いていかないといけないけど、口が空いてしまった。反省してます。佐々木君が前で頑張っていたんで、どうにか車間を空けてと思ってたんですけど。佐々木君もキツそうだった。後ろが来るんじゃないかと焦ってしまった。脚にはある程度、余裕がありました。(2走して)GIはすごくレベルが高いなって感じる。でも、今日(3日目)1着を取れたので自信になります」
 単騎の福島武士は終始、関東勢をマーク。金子に流れ込んで2着でポイントを加算して二次予選Bに進出した。
 「(最終)ホームでバックを踏んでキツかった。あとは金子君が後ろを確認していたので、早く行ってくれって思ってました。(補充以外でのGIは)初めてです。補充とは違う緊張感がありますね。動きが全然、FIと違うので、そこをちゃんと対処していきたい」

5R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 稲川翔が打鐘手前で切って出た上を中部勢が出て、竹内雄作の先行策。6番手の吉田拓矢(写真)は、車間を詰めながら最終バック手前からまくる。柴崎淳も2センターから踏み込む。が、外の吉田が伸び切って1着。
 「打鐘で稲川さんを出させて6番手でキツいと思ったが、自転車が進んでくれて1着を取れた。とりあえず1回出させて、北津留(翼)さんより先に仕掛けていけたので良かった。踏み込んだのは(最終)2コーナーで詰める勢いでした。自転車がいいのか、道中も楽だった。新車がいいし、今年のなかでも上位に入る状態です」
 竹内の先行を利した柴崎淳は、後続を引きつけて踏み込むも2着。吉田には踏み負けた。
 「僕は前回、(竹内)雄作は今回落車していて本調子ではないライン。車番も悪くて、前からがベストだと思って、前を取れて結果、正解なのかな。雄作もタレてきたし、音もしたので踏んだ。本調子ではないけど、競輪祭は昨年出ることができなかったし、今年は出ようと走るからには強い気持ちで来た」

6R

選手の写真です。
森田優弥選手
 藤井侑吾が主導権を握って、3番手に森田優弥(写真)、4番手が和田真久留と単騎の2人が続く。一度、5番手まで押し上げた清水裕友が打鐘の4コーナーから仕掛ける。しかしながら、森田に合わされて不発。抜群のスピードでまくり切った森田が後続をちぎって快勝。
 「先行ラインがそこ(中近勢)だと思ったので、リスクはありますけどそこにいようと。踏み出しは思い切っていって、三谷(将太)さんにやられないようにと。気持ちの面でも、脚の面でもすごくいいと思います」
 三谷のけん制もあって、森田に遅れた和田真久留は、ブロックを乗り越えて2着に入った。
 「初手は近畿の後ろが良かったんですけど、森田君も車番的にそこが良かったみたいでその後ろからという形になりました。要所、要所での判断が遅れて、迷ってしまって無駄脚を使ってしまいました。基本的に自分で仕掛けようと思ったんですけど。森田君も反応できるのかなって感じでしたし。初日より1日休んで重い感じがしました」

7R

選手の写真です。
柏野智典選手
 スタートけん制が大きく響いて隊列が整ってすぐに赤板を迎える。先行態勢の菊池岳仁を小川真太郎が打鐘の2センターで叩いて駆ける。中四国ラインに神山拓弥が切り替えて、野原雅也のまくりは柏野智典(写真)の横まで。柏野が野原をけん制して追い込んだ。
 「(後ろに神山が入ったのは)わかってました。だから、(野原を)あんまり大きくもっていくと、神山君が入ってくるかと。(スタートけん制で)みんなキツかったと思うけど、そのなかで僕らも脚を使っているようで、(あまり)使わないで先頭に立てた。昨日(1走目)は連係を外したんですけど、ちぎれたというより自分の判断ミスだった。今日(3日目)はラインでしっかりと走りたいっていうのがありました。自転車と体は問題ないです」
 菊池が叩かれて、神山拓弥は中四国勢後位にスイッチする。直線では狭いコースを踏んで2着。
 「菊池君は気持ちも入ってましたし、これからの選手ですから。いろんな舞台を経験していけば、もっと強くなると思います。菊池君も(小川に)行かれてるなかで突っ張ってたんで、迎えれてもキツいかなと。(3番手に切り替えるのは)シビアな判断でしたけど。柏野さんの後ろに入ってからは余裕はありましたけど、外は…。柏野さんも動いていたんで、もう(踏むコースは)中かなと」

8R

選手の写真です。
山田庸平選手
 橋本強との息が合わず石原颯が、ひとりで福島勢を叩いて先行策に出る。番手に高橋晋也がはまるも、4番手の郡司浩平が最終ホームから仕掛ける。郡司が2コーナーで出切るが、後方からまくった山田庸平(写真)のスピードがいい。山田がゴール前で郡司をとらえた。
 「(仕掛けたのは最終)1コーナー、1センターくらいですね。3番手が空いていたのでなんとかなるかなって。踏み出しは半信半疑でしたけど、バックを踏まずに外を踏んで力勝負ができた。昨日(1走目)も今日(3日目)も後半が伸びてくれているのでいい感じですね」
 郡司浩平は、最終ホームからのロングまくりで二次予選Aに進んだ。
 「ジャンで石原君が1人でいった。高橋君が追いつく前に仕掛けたかったですね。(渡邉)一成さんがタテに踏むのが嫌だった。1走目は力を出せず大敗したので。今日はしっかりと仕掛けようと。2着で人気には応えられなかったですけど、勝ち上がることを前提に」

11R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 1番車の児玉碧衣(写真)だったが、周回中は最後方にポジショニング。慌てることなく6番手の尾方真生の仕掛けに続く。尾方と2番手から出た大久保花梨で踏み合いになると、児玉は2コーナーからまくって、3車併走のさらに外を力の違いでのみ込んでV。記録を更新を続ける連勝を28まで伸ばして、完全Vでシリーズを締めた。
 「柳原さんか、(尾方)真生が仕掛けるっていうのを頭に入れていて、その2人が自分の前にいた。それで2人がやり合うのを見て、隙を見て動ことうと決めていた。3日間、(上がりタイム)11秒台っていうのは自信になった。連勝はかなり意識をしていて、次の武雄を3連勝して、グランプリを勝って4連覇での400勝がハッキリとした目標。それをかなえるために、頑張ります」
 勝負どころでかぶった柳原真緒は、最終1センターで児玉後位を追走する。直線で追い込んで半車輪まで詰め寄ったところがゴールだった。
 「(周回中は)尾方さんよりも前にいたかった。後ろは見ないように合わせて出たかったけど、立ちこぎして進まなかったですね。自力を出し切れなかった部分があります。普段、差しをしない分が出たのかな。踏まずに車間を切って詰める勢いでいきたかった。(児玉)碧衣さんが強かったです」

12R

選手の写真です。
小林優香選手
 東京五輪にも出場して、ナショナルチームの活動でガールズケイリンの出場機会が少なかった小林優香(写真)は、獲得賞金でのグランプリ出場の望みはない。ここで勝つしかなかった小林が、4番手からのまくりで逃げる奥井迪をとらえて優勝。一昨年以来、4回目のグランプリ出場を決めた。
 「とくに今回のメンバーは自力型が多かったので、立ち遅れないようにということで中団(3番手)の位置が取れたのは作戦通りです。前と車間をたもちながら、(打鐘の4コーナーで仕掛けた)奥井さんのスピードを一気にもらいながら行けたのが勝因だと思います。今日は落ち着いてレースに臨んでましたし、周りの動きがしっかりと見えたなかでいい走りができたんじゃないかと。後ろに(高木)真備だったり、(梅川)風子さんがいたのもわかったんですけど、最後までスピードを落とすことなく踏めました。地元ですし、優勝を決めたいっていう思いで臨んでたんでゴールまでしっかりと踏み切ろうと。今年は競技の日程がないので、しっかりグランプリに向けて仕上げたいのと、グランプリのチケットが取れたのはうれしいです。2021年、1つの大きなイベント(東京五輪)が終わって、悔しいままで2021年を終えるのは本当に嫌でした。このチャンスをモノにして2021年のグランプリを勝って、2021年が本当に良かったって締めくくれるように。まずは出場権をもらったので、しっかりグランプリに向けて頑張りたいです」
 打鐘の4コーナーで7番手から仕掛けた高木真備は、小林のまくりにスイッチして追いかける。追い込み勝負で逆転を狙ったが、小林を脅かすまでには至らなかった。
 「後ろになっていまいましけど、前も仕掛けていくと思った。そこは冷静に周りを見られていたと思います。(小林)優香さんを追いかける感じになって、最後に追い込めたら良かったんですけど強かったです。(グランプリまで)あと1ヵ月あるのでしっかりと練習して、リベンジできるように頑張ります」

6R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 赤板1コーナーで3車の福島ラインがじわりと出て、柴崎淳が4番手、中川誠一郎が6番手に続いて、前受けの松井宏佑が後方まで下げる。先行態勢を取っていた高橋晋也は、松井が巻き返した打鐘の3コーナーから合わせて踏み上げる。松井は不発。中団の柴崎が最終2コーナー手前で外に持ち出すが車は出ず、村上博幸がインを進出する。番手で絶好の*渡邉一成(写真)は、3コーナーから踏み上げて1着も反省の弁で振り返る。
 「(高橋が)駆け出すまでは、踏み出しに集中していました。松井君が踏んでいるのが見えましたけど、(高橋)晋也君の掛かりが良かった。その気持ちを無駄にしないようにしないといけなかった。けど、自分の技術不足でバックを踏んでしまって、村上さんに入られてしまいました。1着ですけど本当に反省しかない」
 柴崎の余力を確かめて最終2コーナーで内に進路を取った村上博幸は、山崎芳仁を内からさばいて2着に追い込んだ。
 「昨日(3日目)の落車は左半身の打撲と軽い擦過傷でしたね。フレームが潰れてしまったのが痛いですね。練習で使っていた新車に換えたんですけど違和感しかなかった。柴崎君が一番スピードがつくところでいってくれましたけど、行けないと判断した時にもう踏むしかなかった。4番手にスイッチしようと思ったら内が空いた」

7R

選手の写真です。
稲川翔選手

稲川翔選手
 赤板2コーナーで先頭に立った野原雅也は、すかさず反撃に出た岩本俊介を突っ張って駆ける。村上義弘が遅れて、3番手に入った阿部力也、竹内智彦の追走で岩本は最終ホーム過ぎに後退。6番手の野田源一が2コーナーからまくると、稲川翔(写真)は3コーナー過ぎから早めに追い込んで1着。
 「後ろを確認して村上さんじゃないのはわかったが、(野原)雅也がしんどそうだった。村上さんにもチャンスがあるように、1着を取れるように踏んだ。自分だけになったのは、判断が悪かったんだと思う。(一次予選2を自分でやって)状態を確認できた。それをふまえたレースをしていかないと。押し切れて1着はホッとしたというか、そこは明日(準決)につながる」
 岩本が合わされ、阿部力也は竹内のアシストもあって稲川後位に入る。野田に乗った小倉竜二が切り込むと、阿部は直線で内を踏んで2着。
 「(岩本が)いいスピードだったけど、野原君が強かった。先に降りようと思ったら、タイミングがずれて竹内さんに入れてもらう形になった。入れてもらったし、仕掛けられれば良かった。けど、稲川さんの後ろで仕掛けられずに、内しかないって感じでした。今日(4日目)は恵まれました。自分は何もしていないけど、余裕はあったし脚は悪くない」

8R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 前受けの関東勢は、赤板過ぎにまずは吉田敏洋を突っ張り、眞杉匠は誰も出させる気配がない。町田太我は7番手。5番手の三谷竜生が打鐘過ぎから仕掛ける。三谷のさらに上を叩きに出た町田は、最終1センターでいっぱい。眞杉が主導権をキープして、三谷は番手の佐々木悠葵(写真)を押し込むが、佐々木がしのいて眞杉に続く。最後は吉田のまくりも退けて、関東コンビが上位を独占。佐々木が眞杉を交わしてGI初勝利を飾った。
 「(番手だったので)すごい緊張しました。(三谷とからんだところは)どうかなって感じがあったんですけど、(ラインの)3番手がいないので受ける形になりました。(GI初勝利は)もう眞杉君のおかげです。セッティングもやっとちゃんと出てきた感じです」
 細切れの4分戦で2車のラインながらも、眞杉匠は前受けから3つのラインすべてをシャットアウト。抜群のレース内容で2着に粘り込んだ。
 「昨日(3日目)突っ張り切れなかったんで、今日こそと思ってました。もう残り1周からは前しか見てなかったです。昨日のレースと比べて、反省点をしっかりと修正できているかなと。ハンドルとサドルを微調整して走ってみて、それでワンツーだったんでいいかなと。初日の感じだとどうなっちゃうんだろうと思ったけど、今日の感じだと大丈夫です」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 打鐘で松浦悠士が渡邉雄太を押さえて出る。小松崎大地(写真)はちゅうちょすることなくその上を踏み上げると、松浦は小松崎ラインを出させて3番手をキープする。小松崎の先行で最終回。好位を確保した松浦が絶好かに思われたが、逃げる小松崎がスピードに乗せて風を切る。番手の和田圭が大きく車間を空けて、松浦はタイミングを逸する。直線を迎えてもリードを保っていた小松崎が逃げ切った。
 「結局、松浦君がつくったレースの流れに乗れて、しっかり仕掛けられて、いい結果が出たうれしい。あの展開、あのペースで踏めているし、悪くないない。(準決も)精いっぱい、力を出し切れるように頑張ります」
 シリーズ2度目のタッグとなった和田圭は、小松崎との大きく空けた車間を直線で懸命に詰めて2着。一次予選でかなわなかったワンツーを決めた。
 「松浦君ももうワンテンポ(小松崎の仕掛けが)遅かったら、突っ張っていたと思うんで、行けてなかったかなと。ただ、今度は(車間を)切りすぎてダメでした。先輩が先行をしているので、自分もやることをやらないとっていうのがありました」

10R

選手の写真です。
新山響平選手
 先頭に立った森田優弥が、大きな波をつくってレースを支配する。4番手に郡司浩平、新山響平(写真)は7番手に置かれて打鐘を迎える。新山が反撃できないままレースは流れて、郡司が最終2コーナーからまくりを打つ。郡司は鈴木竜士のけん制もあって、思うように進まない。それでも郡司が抜け出すが、さらに外をまくった新山がゴール寸前でとらえた。
 「1つ目のミスは赤板で引き切って、森田君にペースを上げられて反応が遅れました。そのあとのジャンの4コーナーではカマすタイミングで郡司さんに合わされるんじゃないかって、消極的になっちゃいました。後ろの2人に勝負権のないようなレースをしてしまって、仕事をしてくれる2人だったのに申し訳ないです。(まくりは最終)3コーナーを上った時にマズいなと思って、内を空けないように締め気味に踏んだら最後は伸びました」
 中団を手に入れた郡司浩平ではあったものの、逃げる森田、後方の新山を気にかけるあまり、まくりにいつものキレが見られなかった。
 「(7番手にいた新山が)いつ来るかいつ来るか警戒しながら、森田君のペースにはまっちゃいました。(まくりは)道中、余裕がなかったので出なかった。僕がすんなり(最終)バックでまくり切れていたら、内藤(秀久)さんも連れていけたかなと。あとは体だったり、気持ちのもっていき方だったり、そういうところだと思います」

11R

選手の写真です。
北津留翼選手
 深谷知広は誘導を残したまま下げて、北津留翼(写真)が先頭に立ってペースを握る。単騎の山田久徳が4番手に切り替えて、平原康多は5番手。打鐘から徐々にペースを上げた北津留が駆けて、後続は一本棒で最終周回を迎える。バック手前からまくった平原を山田英明がけん制する。直線に入っても北津留は踏ん張って、4車横一線のゴール勝負を制した。
 「(先頭に立って)誘導が残っていたので、スピードをもらいながらいって、腹をくくる展開になりました。残り1周でキツかったけど、声援もあったし、前のレース(9R)で小松崎さんが逃げ切っていて、後ろはヒデさん(山田英)なので、残してくれると。(橋本)強さんまで付いてくれたんでラインのおかげです」
 北津留をとらえ切れずも、平原康多はソツない組み立てからまくりを打って2着に入った。
 「切りたかったが、誘導を残していたので、すごいピッチになって深谷もいけなかったんだと思う。駆けているのが、(北津留)翼で、番手が(山田)英明なので、厳しいのはわかっていた。けど、後ろに2人付いてもらって、行かないと、格好もつかないので意地でいった。(違うシューズを使った)初日でシューズの感覚がズレて、ぺダリング、体の使い方を修正して日に日に良くなってきている」

12R

選手の写真です。
園田匠選手
 前受けの吉田拓矢も突っ張り気味に踏むが、取鳥雄吾が出て山田庸平、園田匠(写真)の九州勢が続く。吉田は単騎の古性優作まで受けて5番手まで下げる。しかしながら、ワンテンポ遅れてきた新田祐大は入れず、吉田と新田の併走で打鐘。新田は外併走から最終ホーム手前で仕掛ける。逃げる取鳥の番手の山田は、新田を張りながら2コーナーから自力に転じる。山田が合わせ切り、園田、古性で直線へ。園田が外の古性に踏み勝って、ホームバンクでのダイヤモンドレースを制した。
 「取鳥君がジャンで叩いた時に流さなかったんで、そのおかで主導権が取れた。(山田との)ワンツーが良かったんですけど、お客さんの声援も暖かくて、そのおかげで勝てました。(3日目が1日休みで)自分は走っていた方がいいんですけど、(一次予選の)1、2走の内容が良くなくて、(3日目に)セッティングの見直しとかをやりました。それで今日(4日目)のセッティングで勝てているんでいいと思います」
 追い込み勝負でハンドル投げに持ち込んだ古性優作だったが2着。単騎でも仕掛けるスタイルだけに、納得の競走ではなかったようだ。
 「(4番手に入って最終)ホームで自分の間合いをつくって、あとは仕掛けようと思った。そしたらそのタイミングで新田さんが来たんでかぶってしまった。いい感じで間合いをつくれたんで、外に(仕掛けて)行きたかったんですけど。近畿の選手として、レースで外を踏みたかった。でも、めちゃくちゃ掛かってました。感触的には2走目の方が良かったかもしれないけど、今日で刺激が入りました。前回よりは全然いい。あとは(自転車との)一体感がもう少しかなと」
 取鳥が主導権。山田庸平は、さすがのセンスで新田との間合いを計り番手まくりを敢行した。
 「(取鳥は)気持ちがすごい伝わってきた。誰も出さないような気迫が伝わってきました。1回タイミングを取って、それでも(別線に)行かれそうだったら前に踏もうと。昨日(3日目)に続いて、(感触は)良かったと思います」

5R

選手の写真です。
長島大介選手
 前受けの町田太我は誘導との距離をとって、赤板過ぎに高橋晋也を突っ張る。櫻井正孝のアシストで高橋が4番手に入り、長島大介(写真)は冷静に6番手に下げて態勢を整える。高橋が最終1センターから仕掛けるが一息。その外を長島がまくって前団に迫る。長島が直線で逃げる町田をとらえて、4日目からの連勝を遂げた。
 「(中団で)変に櫻井さんと勝負するよりも、(町田と高橋で)踏み合ってくれればと。それで(北日本を入れて6番手まで)下げました。あとは自分のタイミングで行こうっていう意識でした。高橋君が早めにいったんで、見てからになりました。(まくりは)加速が良かったけど、細かいところが納得いってない。フォームだったり、そこを修正すれば、かなり良くなると思います」
 長島に一瞬、置いていかれた田中晴基だったが、終わってみれば4分の3車身差の2着でワンツー。
 「もう(長島に)すべてお任せしてました。自分は付いているだけでした。(長島のまくりのスピードが)すごかった。(最終)バックで長島君、バイバイって感じでした(笑)。(浮いた)高橋君のあおりをもらってたんで、それで長島君に追いついた」

8R

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和田健太郎選手
 打鐘で7番手に置かれた渡邉雄太だったが、2センターから内をすくって中川誠一郎から中団を奪取する。逃げる森田優弥の掛かりも良く、渡邉は最終2センターから外に持ち出して追い込む。渡邉マークの和田健太郎(写真)は、中のコースを冷静に探して、諸橋愛と神山拓弥の間がわずかに空くと鋭く突き抜けた。
 「(打鐘では)予定では中団を(渡邉)雄太が取り切っているところだったですけど。そのあと予想外のなかで雄太が臨機応変ににやってくれた。赤板で脚を使ってたんで、(中団を取っても)すぐには行けないなと思っていました。内藤(秀久)君には悪かったけど、あそこは外に開いても伸びないっていうのがあって、あのコースでした。もうちょっといい判断ができたのかなっていう反省点もあります」
 アクシデントもあった渡邉雄太だったが、中団確保から追い込んで2着。
 「(中川)誠一郎さんが来た時に前輪を接触して、バックを踏んで整うのに脚を使ってしまった。森田君も掛かってたんで、いつもの伸びるところからになりました。一瞬、合わされたかなと思った。(脚の感じは)いいんで、あとは走り方ですね」

9R

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木暮安由選手
 赤板過ぎに野田源一が切った上を叩いて、金子幸央が打鐘から先行勝負に出る。前受けから引いた深谷知広はすぐさま巻き返しに出ようとするが、5、6番手を占めた吉田敏洋-坂口晃輔の執拗なけん制に阻まれる。一本棒で最終ホームを通過し、2コーナーに入ったところで野田が3番手から先まくり。金子の番手を回った木暮安由(写真)がブロックしながら合わせて出て行って両者で踏み合って直線へ。互いに譲らずゴール前勝負に持ち込まれたが、踏み勝った木暮がシリーズ3連対目を果たす勝利を飾った。
 「(初手は)深谷の後ろにいれば、チャンスはあるなと。金子君が気持ちの入ったレースでした。先行力はあるから、力を出し切ればと。源さんがどれくらいのスピードかわからず、いいタイミングでこられた。1着が取れれば、勝ちグセが付きますね。(今回は)新田(祐大)と連係してナショナルチームのオリンピック選手に自分も付いていけるんだなと、刺激をもらったし、課題も増えた」
 最終3コーナーからようやく踏み出した深谷、その後位から伸びた佐藤慎太郎は及ばず4着、3着。2分の1輪差で木暮に及ばなかったが、野田源一も最後まで力強く踏み切って2着に入った。
 「深谷君に前を取らせて、(自分が)押さえたところを吉田君か、金子君に先行してもらって、とにかく深谷君を後方に置きたかった。後ろを見る余裕はなかったけど、詰まったら行こうと思っていた。(桑原大志と)ワンツーを決めたかったが、力不足ですね。ここに向けてやってきたけど、2場所前の落車で歯車が狂った。力は出せているが、できれば、準決勝に乗て勝負したかった。まだ1着を取れていないので、最終日は頑張りたい」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 赤板1コーナーで郡司浩平が先頭に立つと、取鳥雄吾はタイミングを取って2コーナーからスパートする。取鳥が主導権を握り、松浦悠士(写真)まで出切る。郡司は3番手に飛び付いて、中国勢に続いた単騎の山田英明と併走になる。後位は内を突いた古性優作と和田真久留でもつれる。最後方から佐々木悠葵がまくって、好スピードで前団に襲い掛かる。逃げる取鳥との車間を空けた松浦が、佐々木をけん制してきっちりと抜け出した。
 「自分の後ろが併走だったので、もうちょっと空けたかったんですけど。ちょっとヒデさん(山田)に追い上げられてっていうのも。みんなが内に詰まってくれたらなと思っていた。でも、(最終)バックから佐々木君が来た。(踏むのを)ギリギリまで待ったんですけど。状態は今日(5日目)が一番良かったです。(取鳥)雄吾の頑張りで脚力消耗もそんなにしてないですし、明日(決勝)はしっかり自分の力を出せるデキかなと思います」
 最終3コーナーでようやく山田に踏み勝った郡司浩平は、直線で松浦の内から追い込んで2着。
 「(決勝は)南関の勝ち上がりが少なかったなかで最低限ですね。先に僕がハナを切れたんで、あとは雄吾がどこから来るのかなと。雄吾もジャンから思い切りフカしていくというよりは、出切ってちょっとペースに入れてって感じだった。そこで合ったところが3番手だったので、そこは譲れないなと。ヒデさんをキメれずに併走が長引いちゃったんで、仕掛けどころを逃がしてしまいました」
 松浦、郡司に遅れを取った古性優作に焦りがあったようで、前々に攻めて3着に入ったものの、その表情は険しい。
 「自分の判断が全部、すごく遅かったと思います。総力戦で戦おうとは思っていたんですけど、(周回中の)並び自体もああなると思っていなかったので、難しかったですね。松浦君と郡司君がすんなりと出た段階で自分が一番脚ないですから、なかなかレース展開が難しくなると思った。今日までの4走は、全部内容が良くない。自分だけ(勝ち)上がっても意味ないですし、本当に反省しかないです」

11R

 上昇した山田庸平を阻んで、前受けの吉田拓矢が突っ張る。両者の踏み合いを後方で冷静に見極めた新山響平(写真)は、赤板2コーナーから仕掛ける。新山がスピードに乗せて主導権を奪い、渡邉一成の追走。3番手に飛び付いた吉田は大きく車間が空いて最終ホームを通過する。6番手の浅井康太は2コーナーから内を踏んで詰まり、山田も前が遠い。直線で車間を詰める渡邉を振り切った新山が圧巻の逃走劇を完結させた。
 「長い距離ではあったんですけど、前が踏み合って力を使っていた。(吉田)拓矢も器用だし、中団取りだなと考えていた。それでタイミング良く前に出られた。(渡邉)一成さんとワンツーできたのはうれしいですね。今日(準決)は逃げイチみたいなメンバーだったので、ここで逃げないとこの先厳しいかなっていうのがあった。出切ってからも踏みすぎることなくペースで回せました」
 別線を警戒しながら番手で車間を空けた渡邉一成は、直線での猛追及ばず2着。同地区の後輩を絶賛する。
 「(吉田が突っ張ったあとに)ペースも落ちて、そのタイミングで新山君がものすごい勢いでいって。そこからの1周半のラップは今まで経験したことないスピードでしたね。(新山は)最後の最後まで加速してて抜けなかったです。(2人で決勝に乗れたのは)新山君の力が90パーセント、残りの10パーセントは自分の努力もあってかなと思うので本当にうれしい」
 3番手に飛び付いた吉田拓矢は、結果的に車間を詰めての流れ込み。ラインを固めてくれた埼玉コンビには申し訳なさそうに振り返る。
 「後ろに迷惑を掛けちゃったなと。思いの外(山田)庸平さんとのあれが長引いて、新山さんにいい形で出切られた。追いつくのにも時間が掛かったし、新山さんも掛かっていたので行けなかった。(グランプリ出場とGI制覇の)チャンスをいただいたので、もちろん優勝を目指して頑張るだけです」

12R

選手の写真です。
園田匠選手
 眞杉匠に突っ張られた北津留翼は園田匠(写真)の援護で中団に迎えられるが、新田祐大に割り込まれて7番手で打鐘を迎える。4番手の新田は最終ホーム手前から早めのスパート。逃げる眞杉を2コーナーでとらえる。しかしながら、北津留翼がその上を襲い掛かる。北津留が新田をとらえて、園田がゴール前で交わした。
 「(北津留が突っ張られて位置を確保しにいって)山田(久徳)君を押さえたら引いてくれたので、あの1車は大きかった。それで(北津留)翼が落ち着いて仕掛けられたと思う。(新田に入られて北津留は7番手の)結局いつもの位置に戻っただけです。信頼していました。(北津留がまくって新田ラインを乗り越えていった時は)興奮していました。脚の感触よりも気持ちです。お客さんがあんだけ暖かいので翼と気持ちだけで走っていたと思います」
 打鐘で7番手に置かれて万事休すかに思われた北津留翼は、4番手の新田が早めに仕掛けてチャンスが生まれた。まくりで強襲も最後は新田に当たられてスピードが鈍ったものの、地元ワンツーをメイクした。
 「先輩の前だったんでちょっと緊張しましたけど、なんとかワンツーできて良かったです。(周回中は)前から2番目からの組み立てだったんですけど、それか前かで…。早くも失敗して、3回失敗しちゃいました。切りにいって突っ張られて、園田さんが中団を取ってくれたんですけど、それを見送ってしまい…。もうバランバランでした。(まくりで前団に迫り)最後に新田君とぶつかって失速したんですけど、なんとか耐えることができました」
 単騎の山田久徳は、不本意な9番手。が、結果的にそれが功を奏して、GI初優出を決めた。
 「園田さんが降りてきて、行けるかどうかわらなかった。ちょっとビビッてバック踏んで一番後ろになりました。(最終)ホームで北津留さんが行く気配がしてたんで、信頼して付いてました。もし北津留さんが止まったら、内に行けばいいやと思っていた。単騎で9番手なんで、その辺は反省点です。でも、しっかり付いていけて良かった。目標にしていたGIの決勝に乗れたのでとりあえず一区切りというか、明日(決勝)はしっかり古性(優作)君に付いていきたい」