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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

レース展望

GPかけた最後のGⅠ

  • 脇本雄太

  • 新田祐大

  • 佐藤慎太郎

今年は新型コロナウイルスの影響により、5月の日本選手権が中止を余儀なくされた。例年通りこの競輪祭が、今年最後のGになる。日本選手権中止も相まって、年末のグランプリシートを巡る賞金争いも、さらに激しさを増している。6日間シリーズのナイターGは、初日から見逃すことはできない。


東京五輪の延期により、大幅なスケジュールの変更があった日本代表に内定している脇本雄太、新田祐大のナショナルチーム2人。脇本は昨年、準Vのグランプリ以来となった6月の高松宮記念杯を4連勝の完全優勝で制覇。完全Vだった昨年の日本選手権に次ぐ4度目のタイトル獲得で、五輪メダル候補が競輪でもナンバーワン健在をアピールした。高松宮記念杯のあとも7月福井記念を無傷の優勝。オールスター1812着。決勝は松浦悠士との壮絶なデッドヒートを演じたが、テクニックの差で松浦に軍配が上がった。が、負けてなお強しを印象づけた。昨年、ナショナルチームの活動により不出場となった競輪祭。一昨年の準Vの分まで、ここは優勝で弾みをつけてグランプリを向かえたいだろう。同じく近畿地区のS班の村上博幸は、地元の向日町記念欠場、共同通信社杯は途中欠場と状態面が心配される。ただ、これまでもたび重なる苦難を乗り越えてきただけに、競輪祭の大一番までに仕上げてくると信じたい。自力でもタイトルを獲れるだけの機動力を有している古性優作も、脇本との連係から初戴冠をもくろむ。近況、調子を戻している三谷竜生は、過去、脇本とのタッグで2度のGとグランプリを獲っているように相性は抜群。決勝に勝ち上がってくればチャンスも十分にある。

 

脇本と同じくグランプリからおよそ半年ぶりの実戦となった新田は、その高松宮記念杯から徐々に競輪の感覚を取り戻してきている。9月の共同通信社杯では無傷の優出。決勝では山田英明(失格)の押し上げで4着も、アクシデントがなければまくりで前団をのみ込んでいた勢いだった。近況は先行策も辞さず、勝負どころを逃さない反応の良さが目を引く。青森記念では同県の高橋晋也を目標に、ぬかりなくチャンスをモノにした。新山響平、高橋と同地区には前を任せられる若手がいて、佐藤慎太郎をはじめとした追い込み選手もそろい北日本勢は層が厚い。ラインで強固な布陣を築いて、17年以来2度目の競輪祭のタイトルを手に入れる。

  • 松浦悠士

  • 郡司浩平

  • 平原康多

昨年の当Gでタイトルホルダーの仲間入りを果たした松浦。脇本、新田不在の中でのG初制覇となったが、今年8月のオールスターではその2人が参戦してのタイトル奪取だった。決勝は持てる力を駆使して、脇本を打ち破った価値ある優勝。獲得賞金もすでに1億円を軽く超えて賞金ランクトップをひた走っている。昨年の競輪祭で松浦に初タイトルをもたらした清水裕友は、近況乱調ムード。しかしながら、底力もあり2月全日本選抜を制してグランプリ出場を決めていて精神面でのアドバンテージもある。長いスパンで競輪祭に向けて仕上げてくれば、松浦とのタッグで別線を完封するシーンがある。

地元、平塚でのグランプリの出場権を是が非でも手に入れたい郡司浩平は、高いレベルで安定している。10月久留米で今年4回目となる記念制覇。獲得賞金ランクでも好位置をキープしている。まくりの破壊力は言うに及ばずだが、逃げても強い郡司は別線にとっては脅威だ。

平原康多は091416年と3度の優勝を誇る〝競輪祭男。落車禍に見舞われながらもグレードレースでしっかりと成績を残している。自力はもちろんだが、番手もこなせて、メンバーに左右されない強みがある。獲得賞金でのグランプリ出場も確定的だが、タイトル奪取に余念がない平原が狙うのは優勝だ。

九州勢は、08年の井上昌己以来の地元地区にタイトルをもたらすために結束して立ち向かう。共同通信社杯は1位入線も残念ながら失格の山田だったが、山崎賢人、中本匠栄、園田匠と4車でのライン形成で別線に流れを渡さなかった経験は大きな糧だ。初のグランプリ出場には賞金の加算が必要で、シリーズの一戦、一戦が大事になってくる。

中部勢は浅井康太と深谷知広が中心になってシリーズの流れをつくりたい。とくに浅井に弾むような走りが戻ってきたのは、同地区にとっては朗報。

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注目選手

  • 中本匠栄

    熊本 ・97 期・S1

    中本匠栄

     鎖骨骨折の怪我から8月のオールスターで復帰。脚力が完全に戻り切っていないなかで、9月の共同通信社杯を繰り上がりのV。ビッグ初制覇を飾った。戦法の幅もあり、シリーズ次第ではグランプリ出場も現実味を帯びてくる。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    111.96 2 5 8 3 9
  • 高橋晋也

    福島 ・115 期・S2

    高橋晋也

     今年3月、初のビッグ出場となったウィナーズカップではいきなり決勝に進出して、3着と見せ場をつくった。近況はリズムに乗れていない印象も、ビッグではコンスタントに白星を挙げている。期待の若手が北日本浮沈のキーマンとなりそうだ。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    106.86 12 2 6 2 12
  • 鈴木庸之

    新潟 ・92 期・S2

    鈴木庸之

     昨年は腰椎のヘルニアにより長期の戦線離脱を強いられた。12月の復帰後は勝ち星を挙げるまでに時間が掛かったものの、8月の函館で5年以上ぶりとなるGⅢ制覇。ビッグレースが遠ざかってはいるが、大舞台で見劣りすることはない。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    109.11 7 8 4 5 1
  • 寺崎浩平

    福井 ・117 期・S2

    寺崎浩平

     昨年12月に早期卒業を果たしたスーパールーキー。18連勝でS級に特進し、S級でも3場所連続の優勝を遂げた。GⅠ初出場となったオールスターでは準決に進出し、持ち前のスピードをアピール。GⅠ優出も力的には、何ら不思議はない。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    110.95 11 10 3 1 8