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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

レース展望

今年最後のG1戦

  • 平原康多

  • 松浦悠士

  • 浅井康太

 19年のビッグ戦線もいよいよ大詰め。第61回競輪祭が11月19日、北九州メディアドーム小倉競輪場で幕を開ける。昨年に続き、ナイターの6日制シリーズ。昨年と同じ概定で一次予選は2走のポイント制、5日目にファイナル進出をかけた準決勝3個レースが行われる。今年ラストのG1タイトルと年末の立川グランプリ出場権をかけた賞金争いもこの大会でピリオドが打たれる。また前半の3日間はガールズグランプリトライアル2019のトパーズ、アメジストが争われる。


 究極のオールラウンダー、平原康多がV争いの中心だ。今年も前半戦から安定していた。前期の最終戦の6月久留米記念で今年初優勝を飾ると、そこから波に乗った。9月の共同通信社杯は決勝3着で表彰台入り。賞金ランクを一気に押し上げて、7年連続のグランプリ出場に大きく近づいた。10月前橋寛仁親王牌は準決勝で敗退したが、競輪祭は抜群の相性を誇る大会。3年ぶり4度目の大会制覇で最強を証明する。諸橋愛も後半戦に入って、エンジンがかかっている。8月オールスター、9月共同通信社杯とビッグ連続優出。2年ぶりのグランプリへ、まずはしっかり決勝まで勝ち進む。吉田拓矢に鈴木竜士ら若手機動型が関東ラインを引っ張る。武田豊樹は9月岐阜記念の落車で鎖骨、肋骨骨折に肺気胸の重傷。この一戦に間に合わせて出し切る。寛仁親王牌で優出した木暮安由も侮れない。

 地区的に最も勢いがあるのは中四国勢だ。S班の清水裕友に、松浦悠士、太田竜馬、原田研太朗ら戦力は充実している。清水は寛仁親王牌で決勝3着に入って表彰台入り。賞金ランキング5位でグランプリ出場はほぼ当確と言っていいだろう。賞金ランキング9位でボーダー上にいる松浦は一戦一戦が勝負になる。太田はスランプを乗り越え、9月岐阜で復活の記念制覇。自慢のパワーで高速バンクを駆け抜ける。ほかにも大会2Vの小倉竜二や昨年大会で優出した香川雄介、成長著しい宮本隼輔など注目株が目白押し。

 昨年大会の覇者、浅井康太にとっては正念場だ。今年は落車や失格が多く、流れに乗れていない。それでも寛仁親王牌は今年初のG1優出を果たした。9年連続のグランプリ出場に向けて、この大会で結果を出すしかない。柴崎淳は昨年大会で浅井とともに勝ち上がって初のG1ファイナルを経験した。9月共同通信社杯では地元から唯一の優出と意地を見せた。金子貴志も共同通信社杯では柴崎と一緒に決勝に乗っている。鋭いタテ脚はまだまだ健在だ。

  • 渡辺一成

  • 郡司浩平

  • 中川誠一郎

 北日本勢は渡邉一成の気配がいい。今年はここまでビッグレースで3度の優出。調子の上昇に比例するように、成績は上がっている。このバンクなら持ち味のダッシュ、スピードを最大限に発揮できる。佐藤慎太郎は安定感抜群だ。寛仁親王牌を走り終えて賞金ランキングは3位。13年ぶりのグランプリ出場が確実になっている。ここで好成績を残して、気持ちよくグランプリに向かう。大会2Vの実績がある山崎芳仁も忘れてはならない。

 南関勢はエースの郡司浩平を主軸に結束する。郡司は8月小田原記念、9月共同通信社杯で連続優勝。鎖骨骨折の大ケガを強じんな精神力で乗り越え、さらに強くなって戻ってきた。初のグランプリ出場へ、最後まで集中力は切らさない。渡邉雄太に、和田真久留、岩本俊介らほかにもスピードスターがそろっている。和田健太郎、中村浩士、松谷秀幸は与えられた位置で、しっかり役割を果たす。

 地元地区の九州勢は一致団結して他地区の強豪を迎え撃つ。今年G12冠の中川誠一郎は寛仁親王牌でも優出。精神的に余裕を持って走れている。グランプリに弾みをつけるためにも重要なシリーズだ。地元ホームの園田匠は展開不問の差し脚が魅力。どんな展開でも諦めずに突っ込んでくる。勝負強い井上昌己の走りも見逃せない。

 近畿勢は村上博幸が寛仁親王牌で5年ぶりのG1制覇。これで停滞ムードを一気に吹き飛ばした。三谷竜生が寛仁親王牌の決勝で村上とワンツー。今年は落車続きで結果を残せていなかったが、ここに来て急復調している。万全の状態で迎えて、ラストチャンスにかける。村上義弘はケガや病気の影響で、今年のVは宇都宮記念のみ。今年ラストのG1に持てる力と技のすべてをぶつける。古性優作は強気の自在戦で奮闘している。稲垣裕之も流れが向けば勝ち負けできる。

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注目選手

  • 藤原憲征

    新潟 ・85 期・S2

    藤原憲征

     7年ぶりのG1出場だ。今年7月に不惑を迎え、輝きを増している。9月の地元弥彦F1は無傷の3連勝で今年初優勝を飾った。決勝はライン3番手から直線一気に追い込んで、番手の諸橋愛を逆転した。磨きをかけた決め脚で暴れまわる。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    107.90 0 9 5 1 7
  • 不破将登

    岐阜 ・94 期・S1

    不破将登

     9月名古屋F1はオール連対で今年初優勝。連日、バックを取る内容も素晴らしかった。8月の落車から立ち直り、本来のパワーが戻っている。競輪祭は初出場だが、7月の当地F1では準Vと好走するなど、バンクとの相性は申し分がない。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    109.08 9 9 3 4 8
  • 中本匠栄

    熊本 ・97 期・S1

    中本匠栄

     今年に入って2度の記念優出。G1初出場となった8月のオールスターは一次予選で敗退したものの、敗者戦で2連対と健闘した。心身ともにこの1年間で大きく成長している。地元地区のビッグレースを走るのは今回が初めて。存在感を示す。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    109.89 4 7 3 7 12
  • 藤根俊貴

    岩手 ・113 期・S2

    藤根俊貴

     9月青森では記念初優出を果たした。ビッグ初挑戦となった同月の共同通信社杯は大敗を喫したが、トップクラスの強さを肌で感じることできた。敗戦を糧に、さらなる進化を遂げる。ドームの高速バンクは脚質にもマッチしている。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    105.58 11 2 5 0 10