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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

レース展望

壮絶なサバイバル戦

  • 脇本雄太

  • 平原康多

  • 武田豊樹

今年のG1戦線もいよいよ大詰め。北九州メディアドーム小倉競輪場を舞台に、第60回競輪祭が11月20日〜25日の日程で行われる。今年は初となるG1ナイター開催で、6日間開催を復活させてのロングランシリーズ。勝ち上がり方式も一次予選はポイント制で、二次予選からトーナメントに変更。タイトル争い、そして年末のKEIRINグランプリ2018の出場権をかけた賞金争いもここで決着する。さらに、今年からガールズケイリンも合わせて開催。年末のガールズグランプリ行きのチケットを賭けて、激しいトライアルレースが行われる。男子、女子ともに、熾烈を極める戦いから目が離せない。


勝ち上がりに有利な初日特選がなくなっても、シリーズの一大勢力を誇る近畿勢の優位は揺るがない。2月全日本選抜こそ新田祐大のまくりに屈したが、ダービーからは三谷竜生、脇本雄太でGⅠを4連覇。オールスター、寛仁親王牌とGⅠを連覇した脇本は今や輪界最強の選手になった。ナショナルチームで磨きをかけたスピードは対戦相手のみならず、ラインを固める味方選手にとっても脅威。競輪祭は過去に一度も決勝に勝ち上がったことのない唯一のGⅠだが、今年は準決勝の壁をあっさりと破って優勝争いをリードするだろう。他にも近畿勢は三谷、古性優作に稲垣裕之と優勝争いに加われる自力タイプが目白押し。ここに義弘、博幸の村上兄弟や南修二、稲川翔も加われば今回も決勝戦で強固なラインが完成しそう。村上義は賞金ランクでグランプリの安全圏だが、村上博、古性はここが正念場。6日間で全てが決まる。

地区最多、S班3名を擁する関東勢。平原康多、武田豊樹の2人で過去に競輪祭を5回優勝するなど、この大会との相性のよさは見逃せない。平原は新田、脇本らが作ったスピード競輪の流れに対応するべく試行錯誤した成果が共同通信社杯で結果として表れた。8月の連続落車から立ち直りを見せていた武田だったが、寛仁親王牌の最終日に再び落車。ここまでにどれだけ状態を戻せるかだ。賞金ランク下位の選手も激しく巻き返してきているが、5年連続のグランプリ出場へ勝負強さを発揮したい。関東勢は吉澤純平、吉田拓矢ら若手機動型の成長もあり、自在な木暮安由もいる。そして忘れてはならないのが諸橋愛の存在だ。落車、失格が続き、今年は流れをつかめないまま終盤を迎えたが、泣いても笑ってもこれが今年最後のGⅠ戦。鋭い差し脚で意地を見せる。 

  • 浅井康太

  • 郡司浩平

  • 渡辺一成

一昨年の近藤隆司、昨年の山中秀将と最近は毎年のように南関の機動型が競輪祭の決勝に勝ち上がっている。今年も近藤、山中をはじめ、自力選手は他地区にも負けない陣営だ。8月小田原記念の優勝から一気にムードが好転した郡司浩平。渡邉雄太、和田真久留はビッグ初優出もありそうな近況の動きだ。中村浩士、和田健太郎の追い込み陣も健在で、決勝でもしっかりとしたラインが作れれば52回大会の海老根恵太以来となる南関勢からの優勝者を出せるだろう。

総勢10名の中部勢だが浅井康太の存在感は際立っている。今年はここまでビッグ優勝こそないが、6月久留米、8月富山と記念を制し、オールスターでは決勝2着。今年も抜群の安定感をみせて獲得賞金でグランプリの安全圏につけている。浅井の強みは開催中の調整や修正能力。6日間の長丁場なら、最終日に合わせて調子をピークに持ってくるはずだ。竹内雄作、金子貴志は寛仁親王牌で落車。吉田敏洋も8月に腰痛が出た影響で本調子とは言えない。この3人がどこまで状態を戻してくるかで地区全体のムードが変わってくるだろう。

渡邉一成はオールスターの決勝3着、寛仁親王牌の決勝4着で賞金ランクを10位(10月23日現在)にまで上げてきた。残されたレースはここだけ。ボーダー付近にいるライバルに比べると条件は厳しいが、後半戦の集中力には鬼気迫るものがある。まずは決勝に勝ち上がって、最後のチャンスにかけたい。新山響平、菅田壱道に寛仁親王牌で優出した小松崎大地と北日本の機動型には好調な選手がそろっている。山崎芳仁、佐藤慎太郎と実績のある選手も多く、この戦力がうまく融合すれば近畿や関東勢と互角の勝負に持ち込めるだろう。

  • 山崎賢人

  • 山田英明

  • 太田竜馬

迎え撃つ九州勢は山崎賢人の登場で活気が出てきた。準決勝で脇本のまくりに屈した寛仁親王牌だったが、終わってみればシリーズ3勝。オールスター、共同通信社杯でビッグ連続優出した力は本物だ。グランプリ初出場を狙う山田英明は今度こそ山崎の番手で男になるか。中川誠一郎は自慢のスピードでドームを攻略。一方、地元の園田匠や井上昌己は寛仁親王牌で落車の影響が気がかりだ。

中四国勢にはビッグ連続優出の清水裕友に原田研太朗、太田竜馬、小川真太郎と若手機動型がズラリ。桑原大志、渡部哲男に香川雄介と追い込み陣が相次いで寛仁親王牌で落車したが、総勢18名が参戦する層の厚さは他地区にも見劣りしない。4名が優出した3月ウィナーズカップの再現があっても不思議ない、可能性を秘めた布陣だ。

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注目選手

  • 渡辺雄太

    静岡 ・105 期・S1

    渡辺雄太

     7月高知F1での落車で調子を落としたが、共同杯では3度の確定板入り。さらに、続く青森記念は1413着と状態を上げている。先行を基本とした強気な攻めで、地元グランプリ出場へ一発逆転を狙う。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    111.93 10 12 3 5 13
  • 岩津裕介

    岡山 ・87 期・S1

    岩津裕介

     怪我から復帰した9月向日町記念では、「初日を走ったあとに戦える手応えがあった」と決勝3着。状態の不安さえなければ、豊富な若手機動型を目標に勝ち上がってくるだろう。鋭いキメ脚を大舞台で見せる。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    110.64 0 0 0 9 5
  • 清水裕友

    山口 ・105 期・S1

    清水裕友

     8月小田原で記念を初優出すると、共同杯はあわやの準V。続く向日町記念でも決勝に進出と快進撃を続けている。キレのある走りは、上位にも引けを取らない。今年最後の大舞台でも暴れ回る。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    117.00 9 8 5 2 9
  • 南潤

    和歌山 ・111 期・S2

    南潤

     初G1となったオールスターでは、749着で強制帰郷。岐阜記念も準決で敗れ、「競輪を知らなさすぎる」と経験不足を実感した。それでも、その後のビッグレースを走って多くの経験値を得ているだろう。その成果を当大会で発揮する。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    108.75 21 6 3 2 13
  • 稲垣裕之

    京都 ・86 期・S1

    稲垣裕之

     9月向日町記念は優出こそ逃したが、2日目に約4ケぶりの白星。「レース形態が変わって出遅れたけど、段々と手応えはつかめてきた」。スピード競輪の波に飲まれることなく、対策を講じている。進化した走りで再び輝こう。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    111.34 3 4 7 0 12
  • 吉田拓矢

    茨城 ・107 期・S1

    吉田拓矢

     武田豊樹の助言を受けて、積極性が復活。比例するように、成績も徐々に上向いてきた。9月青森記念の準決は裸逃げとなるも、後続を突き放して圧勝。今回も、スケールの大きい走りで関東勢を盛り立てよう。

    ■直近4ヶ月成績(*4/25現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    111.28 14 9 4 0 12