今年のG1戦線もいよいよ大詰め。北九州メディアドーム小倉競輪場を舞台に、第60回競輪祭が11月20日〜25日の日程で行われる。今年は初となるG1ナイター開催で、6日間開催を復活させてのロングランシリーズ。勝ち上がり方式も一次予選はポイント制で、二次予選からトーナメントに変更。タイトル争い、そして年末のKEIRINグランプリ2018の出場権をかけた賞金争いもここで決着する。さらに、今年からガールズケイリンも合わせて開催。年末のガールズグランプリ行きのチケットを賭けて、激しいトライアルレースが行われる。男子、女子ともに、熾烈を極める戦いから目が離せない。
勝ち上がりに有利な初日特選がなくなっても、シリーズの一大勢力を誇る近畿勢の優位は揺るがない。2月全日本選抜こそ新田祐大のまくりに屈したが、ダービーからは三谷竜生、脇本雄太でGⅠを4連覇。オールスター、寛仁親王牌とGⅠを連覇した脇本は今や輪界最強の選手になった。ナショナルチームで磨きをかけたスピードは対戦相手のみならず、ラインを固める味方選手にとっても脅威。競輪祭は過去に一度も決勝に勝ち上がったことのない唯一のGⅠだが、今年は準決勝の壁をあっさりと破って優勝争いをリードするだろう。他にも近畿勢は三谷、古性優作に稲垣裕之と優勝争いに加われる自力タイプが目白押し。ここに義弘、博幸の村上兄弟や南修二、稲川翔も加われば今回も決勝戦で強固なラインが完成しそう。村上義は賞金ランクでグランプリの安全圏だが、村上博、古性はここが正念場。6日間で全てが決まる。
地区最多、S班3名を擁する関東勢。平原康多、武田豊樹の2人で過去に競輪祭を5回優勝するなど、この大会との相性のよさは見逃せない。平原は新田、脇本らが作ったスピード競輪の流れに対応するべく試行錯誤した成果が共同通信社杯で結果として表れた。8月の連続落車から立ち直りを見せていた武田だったが、寛仁親王牌の最終日に再び落車。ここまでにどれだけ状態を戻せるかだ。賞金ランク下位の選手も激しく巻き返してきているが、5年連続のグランプリ出場へ勝負強さを発揮したい。関東勢は吉澤純平、吉田拓矢ら若手機動型の成長もあり、自在な木暮安由もいる。そして忘れてはならないのが諸橋愛の存在だ。落車、失格が続き、今年は流れをつかめないまま終盤を迎えたが、泣いても笑ってもこれが今年最後のGⅠ戦。鋭い差し脚で意地を見せる。