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松山競輪

MATSUYAMA KEIRIN

75#

検車場レポート

  • 3/6 Wed.  (前検日)
  • 3/7 Thu.  (1日目)
  • 3/8 Fri.  (2日目)
  • 3/9 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 1月の大垣FI、松阪記念で連続落車に見舞われた佐々木豪(写真)だったが、その後は岸和田FIで2勝、続く前回の西武園FIで2連対。


 「(2場所続けて)コケたんで、ちょっとコンディションもモチベーションも落としていた時があった。(前回から日にちが)空いてたんで、気持ちを戻して(準備を)万端にしてきた。しっかり(やるべきことを)やってきたっていう事実があるんで、それを信じてやりたい」


 直近の3場所のFIシリーズでは未勝利も、成績をまとめている長尾拳太の気配は上々だ。


 「(最終)バックも取れているし、自分のレースはしっかりとできていると思う。練習も普通にやってきたんで、続けてしっかり動ければ」


 

2R

 前回の地元、静岡記念を1493着で終えた萩原孝之は、そこから中1週間。山賀雅仁の番手で、前回に続く好スタートを切りたい。


 「疲れとかはそんなにない。(静岡記念が)終わってからは、雨が多かったんで、そんなに自転車に乗れなかった。それでも悪くはないと思います」


 水谷好宏は前回の静岡記念を3784着も、レースでの反応は悪くなかった。


 「(体の)治療をしながらですけど、(調子は)そんなに悪くないと思います。焦ってもしょうがないし、焦るとかえって失敗することの方が多いんで。前向きにとらえられるように、やっていきたい」

3R

 昨年12月に佐世保記念を制した五十嵐力は、その後優出から遠ざかっている。しかしながら、コンスタントに勝ち星は挙げている。


 「ここまでかなり(22日間)空きました。練習もやってきて感じも悪くない。それまで(配分が)が詰まってたんで、休むこともできた。あとは(実戦が)久しぶりなんで、その辺だけです」


 野口大誠は、玉野記念2449着から中2日での今シリーズ。コンディションはどうか。


 「普通に練習もやってきたんで、(状態は)全然普通です。前回の玉野も落ち着いて走れた。もう(組み立てを)どうしたらいいのかって、わからない時期じゃない。自分の力をどうやって出そうかって考えて走れている」

4R

 今シリーズ新車を投入する池田良は、例によって淡々としたもの。


 「前回(川崎)はそんなに良くなかった。ただ、今回は新車なんですよ。ガラッと変えたんで、それがどう出るか。練習でセッティングも出してきた。それでもダメなようなら、もう1台あるんで考えます」


 坂本周輝は前回の静岡記念を2719着。久々に白星を挙げて、上々の手応えをつかんでいる。


 「(静岡記念が終ってから)普通に練習してきたけど、直前は雨が降ってたんで乗れなかった。(中)1周間だったし、それが逆にいいくらいじゃないですか。あとは欲を出さずに、欲を出すと(レースが)小さくなってダメになるんで」


 

5R

選手の写真です。
横山尚則選手

 横山尚則(写真)は、1カ月以上ぶりの実戦だった前回の名古屋FIが294着。ここは上積みが望めそうだ。


 「インフルエンザで1週間くらい寝込んで、咳が止まらなかった。それで休みました。病み上がりはめちゃくちゃ苦しかった。(名古屋は)復帰戦はなかなか思うような成績を残せなかった。それでも走っていくしかないし、前回よりは今回よりの気持ちで挑めれば。それで良くなって欲しいですね」


 「ボチボチですね」とは、ベテランの紫原政文。前々回の地元、久留米FIを優出。前回の小倉FIでも1勝をマークした。


 「(練習仲間の田中誠に)鍛えてもらってますから(笑)。1、2着を狙いたい。それがダメでもどこか突っ込んでいきたい」


 

6R

 前々回の地元、奈良記念では2、3日目で連続落車に見舞われた三谷政史は、前回の小倉FIを544着。


 「(小倉は)思ったより大丈夫だった。そこ(地元の奈良記念)に向けて仕上げてきたのもあったのか、(落車しても)体の方はなんとかなりました。動けているんで、あとはかみ合っていけば。(奈良記念の)初日みたいに1着が取れると思う」


 和田禎嗣は、前回の静岡記念3938着と乱高下。


 「練習もやってきたし、疲れは大丈夫ですね。最初からガンガン(先行して)いってももたないから、自分がもつところから仕掛けたい。脚の方は悪くないんで」


 

7R

 直近の2場所の初日で勝ち星を挙げている佐藤幸治は、気温の上昇とともに成績も上がってきているようだ。


 「これから気温も上がってきて(バンクが)軽くなってくれば、自分の得意の季節になる。(前回の)平は寒くてキツかったです。そのあとは2週間以上空いたんで、ハードにガッツリ練習をやってきた」


 追加配分の今シリーズ、齊藤竜也は中2日で調整法を変えて初日を迎える。


 「いつもだと前検日の前の日も練習をするんですけど、今回はケアしかしてない。そういう調整を1回やってみたかった。もう歳も歳なんで(笑)。いつもは疲れて入ってたんで、それと比べると体がゆるんじゃってる。この2日間、ケアしかしてないんでね」


 

8R

選手の写真です。
吉武信太朗選手

 あっ旋しない処置で2月を棒に振った吉武信太朗(写真)は、復帰戦の今シリーズが初の地元記念。


 「組み立てはそんなに悪くないと思うんですけど、(別線に)まくられたり、ごっそり行かれたり…。負ける時はハデにやってるけど、(S級で)やっていけそうな感じはあります。(2月が)止まってたんで、練習はやってきました。1カ月のなかで期間に分けて、しっかりやってこられたと思います」


 前回の静岡記念最終日のブロックセブンはシンガリ負けも、長島大介の近況の動きは悪くない。


 「(静岡記念は)7着だった。(まくりで逃げた野原雅也より)肩が出てたんですけどね。(野原に張られて)油断ですね。ああいうところが競輪力がないって自分で思います。そういう脚以外に直していかないといけないところがある。小さいところを突き詰めていかないと。(初日は)3車のラインなんで、僕的には先行の可能性が広がりますね」


 

9R

選手の写真です。
山田英明選手

 直近の競走得点は111点超を有している山田英明(写真)は、初日の予選回りにも悲観することなく気持ちを込める。


 「地元の選手の前なんで気合を入れます。(1月に優勝した)岸和田のあとにインフルエンザになって、いろいろあって体調管理ができてなかった。それが(不調になった)原因ですね。全日本選抜の前からちょっとずつ戻ってきている感じがある。全日本選抜ではまだ戦える手応えがある感じじゃなかったけど。気持ちを切らさずに、自分のできることはやった。(初日に)特選に乗れないのは悔しいけど、しっかりはい上がっていきます」


 前回の名古屋FIの初日に山田とのタッグでワンツーを決めている地元の橋本強は、「前回、連係できているのは大きい」と口を開く。


 「名古屋はオーバーワークで入って疲れがあったんで、(終わってからは)疲労を抜きながら練習をしてきた。(オーバーワークの名古屋より)体は大丈夫です」

10R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 力をつけてきた111期の吉田昌司もいるが、ここでは柴崎淳(写真)の機動力が別線と比較して一枚上だ。


 「(前回も)ほぼほぼ調整なしだし、今回もそうです。普通に練習をやってきた。春先(ダービー)に出てくれればっていうので、(いま練習を)やっている。松山は1着ばっかりだし、走りやすい」


 巴直也は今年まだ1勝。近況はFIながらも4場所勝ち星がない。


 「あんまり良くないですね。(自転車の)出が悪くて、いろいろハンドル周りとか試したんですけど…。今回は元に戻してみます。それがうまくいけば。練習はできたんで感覚はいいです」


 

11R

選手の写真です。
渡部哲男選手

 地元のエース、渡部哲男(写真)は、10番手で一次予選スタートとなってしまった。全日本選抜はインフルエンザで途中欠場も、ここへ向けてしっかりと立て直してきた。


 「治ってから1週間ぐらいはしんどかった。でも、時間はあったので2週間ぐらいは練習できました。松本(貴治)は最近調子良さそうですからね。僕も直前の仕上がりは良かったし、決勝に勝ち上がれるように頑張りたい」


 前回の静岡記念で久々に勝ち星を挙げた飯野祐太も自信がありそうだ。


 「静岡記念からセッティングとか乗り方を変えたけど、競走の感覚も良かったし、来る前の練習でもいい感じだった。変えたと言っても昔のペダリングの位置に戻した感じ。自分がそれを忘れてただけなんで。出し惜しみせず、しっかり自力を出したい」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 浅井康太(写真)は単騎を選択した。全日本選抜の落車、失格から復帰戦となった静岡記念での動きも良かったし、そこからここまでにやってきたことを自力で試したい気持ちが強いのだろう。


 「(落車の怪我は)悪くなってはないですよ。痛みもなくなってきてる。乗車フォームとか自分のなかで試したいことがあるので、それが出てくれればいいかな。しっかりトレーニングはやってるので、あとは開催中に修正点を修正できるか。競走で戻していくのが自分のスタイルなので」


 インフルエンザで静岡記念を欠場した平原康多だが、元気いっぱいにここから復帰。松山は昨年のウィナーズカップ決勝で武田豊樹とワンツー。13年には全日本選抜を制すなど、相性のいいバンクだ。


 「新しい薬が良かったみたいで、インフルエンザは2日ぐらいで治った。(ここまでに)やれることはできました。全日本選抜は3日目までイマイチだったけど、セッティングを修正したら最終日は思うように自転車が出た。まだ自分が思うレベルではなかったですけどね。松山は結構、いい思い出が多いし、今回も気持ち良く帰れるようにですね」


 郡司浩平は、千葉師弟コンビの間に入る形で番手回りとなった。


 「前回(川崎FI)はインフルエンザで欠場。1週間ぐらい休んでから徐々にはじめていった感じ。思ったよりダメージがあって、やっと戻った感じですね。去年ここのFI(初日特選)では僕が前だったけど、根田さんが前の方が多いですね。(全日本選抜を振り返って)力的には問題ないと思うけど、戦い方ですね。準決は経験の差が出た」


 

1R

 赤板で長尾拳太が佐々木豪に併せ込み中団が併走。2コーナーで誘導を交わした岸澤賢太が、突っ張るように先行態勢を取る。4番手で包まれていた佐々木は、打鐘の3コーナー過ぎに岸澤が空けたインを突いて主導権を奪う。最終ホームで3車が落車するアクシデントがあったが、地元の佐々木が逃げ切りでオープニングを制した。


 「あそこ(4番手)でいつもは引いてしまうけど、フタをされても位置にこだわるんだってとこを見せたかった。1レース、1番車っていうのは、誰でももらえるものでもないんで、その期待に応えられていい弾みになりました」


 佐々木が進出したインが閉まって、外から追い上げる格好になった湊聖二は2着に汗をぬぐう。


 「抜いたと思ったら、2(着)でしたね。ゴール後ですか、恥ずかしい。(3場所前の)高松記念は初日(7着で)飛んでるから、めっちゃうれしい」

2R

 後ろ攻めから打鐘前で先頭に立った片岡迪之がペースを緩めると、8番手の水谷好宏が3コーナーから一気のカマシ先行。俊敏に3番手に飛び付いた山賀雅仁は内をすくって水谷の番手を奪うと、直線鋭く抜け出した。


 「ここで行けば二次予選には乗れるからと思って、カマしに行ったところで水谷が来たんですよ。前回(大垣FI)の最終日にカマして2着に残ってたから、あそこで行けばと思ってた。(カマされて)ヤベーなと思ったけど、そこからは1車でも前にっていう感じで。もうワンテンポ早く行けたら、三住(博昭)さんとラインで決まってたと思うし、反省点は多いですね」


 山賀マークの萩原孝之だったが逆転はならず。


 「山賀はカマシに行ってるところを先にカマされた感じだったけど、前々に踏んでくれたからね。(調子は)いいっすね。いいと言うか(結果が)良かった。差せれば良かったけど、悪くはない」

3R

選手の写真です。
小川祐司選手

 地元の小川祐司(写真)は前受けになったものの、早めに巻き返す順番が回ってきて赤板の2コーナーで先頭に立つ。野口大誠が4番手を手に入れて、小埜正義は一本棒の7番手。落ち着いてペースを上げた小川が、北村信明の追い込みも振り切り2カ月ぶりの実戦で幸先いいスタートを切った。


 「(雨が降ったりして)重いぶん、自分に有利かなっていうのはあった。(先行態勢に入って中バンクには)上がりたくなかったけど、(中団が)併走になればってうのもありました。しんどいというより、もう緊張で…。それが結果1着で感謝しかないです」


 野口のまくりをけん制した北村信明は、空いた車間を詰めながら懸命に追い込むが4分1輪届かず。


 「小川さんがただ強かった。(最終)バックでも伸びてたし、自分は恵まれただけです…」

4R

選手の写真です。
佐伯辰哉選手

 坂本周輝が佐伯辰哉(写真)にフタをしてギリギリまで引きつけると、前受けの藤田竜矢は腹を固めて突っ張る。打鐘から藤田、坂本で叩き合い。反撃のタイミングをうかがっていた佐伯が、最終ホーム手前からのロングまくりで1着。


 「(池田)良さんが後ろだったんで安心していました。清水(裕友)さんにアドバイスをもらってハンドルを狭めて伸ばしました。それでスピードが出ました。前だと背中が丸まっていたけどフォームも変わった。ウエートトレーニングなどしていた成果も出てきた。初日の1着は久々だし記念なので大きいですね」


 危なげなく同県の後輩に続いた池田良だったが、佐伯を交わせずの広島ワンツー。


 「(佐伯)辰哉が頑張ってくれた。でも、差さないといけないですよね。新車は追走しているぶんにはいいけど、セッティングをいじってみます」

5R

選手の写真です。
黒田淳選手

 打鐘で松岡孝高、2センターで小酒大勇が切った上を横山尚則が叩いて最終ホームから主導権を握る。黒田淳(写真)は6番手外併走からバックで踏み上げると、粘る横山を直線でとらえた。


 「(後方になって)ちょっと不安はあったけど良かったです。ホームで追っ掛けたときに小酒君とバッティングしそうだったので無理に前に行かず回してた。変なタイミングで行っても浮いちゃうんでね。そこからここしかないなと思って行った。小酒君のところで合いかけたけど、締めながら伸びたんで良かった」


 黒田と好相性の三宅伸がきっちりと続いて岡山ワンツーが決まった。


 「踏んだり止めたりだったからね。50(歳)近くになって、余裕がある時とない時の差があるから。初日は良く伸びたし、余裕があったのでうれしいな。でも水ものなんで、2日目もジャンが鳴るまでわからない」

6R

選手の写真です。
岡崎智哉選手

 打鐘過ぎに岡崎智哉を押さえた松坂洋平が主導権。しかしながら、3番手に入った岡崎は、外の桑原亮をけん制しながら、最終ホーム手前で反撃に出る。合わせる松坂との踏み合いを岡崎が制すが、三谷政史が山田幸司にさばかれる。岡崎を松坂、山田で追いかけて、直線で山田が外を突き抜けた。


 「(松坂が)しっかり動いてくれたんで、ああいう展開になった。三谷君はしぶといから、あそこで仕上げておかないとっていうのはありました。自分も余裕はあったし、悪くないですよ」


 神奈川コンビに交わされて3着に沈んだ岡崎智哉(写真)だが、最終ホーム手前からの早い巻き返しと上々の動きを見せた。


 「体は反応してるんですけど、練習の方が全然いいですね。あそこからひとりでも逃げ切れないと。練習とレース(での感覚)が違いすぎる。ただ、いつもなら(まくりに)構えるんですけど、体が先に動いている。そこは練習の調子が出たんだと思う。あとは修正点を探します」

7R

選手の写真です。
今野大輔選手

 今野大輔(写真)が赤板からじわりと上昇すると、早坂秀悟は前受けから突っ張ってそのまま先行策。浮いた今野だったがラインの援護もあって、4番手で立て直す。最終2コーナーからのまくりで前団を仕留めた。


 「一番やっちゃいけない展開だったけど、(米澤に)中団を取ってもらったおかげですね。脚は悪くはないけど、まだしっくりきてはいない。キレが欲しい。走る前は緊張して心臓が飛び出そうだった。地元で1着はうれしい」


 米澤大輔が今野に付きけれず、早坂を利した齊藤竜也が2着に追い込んだ。


 「(早坂)秀悟を残せずに申し訳なかった。車間を切って気配をうかがっていたけど、(今野の)まくりのスピードが良くて、肩が出られてしまった」

8R

選手の写真です。
岡光良選手

 打鐘で前に出た吉武信太朗がペースを落とした隙を逃さず、長島大介は2センターから踏み上げて主導権。別線の巻き返しはかなわず、番手絶好の岡光良(写真)が直線で抜け出した。


 「長島君がいいところで行ってくれて、僕は抜いただけ。残したかったけど、山崎(充央)さんの脚が思った以上にあって、しっかり付いて来てましたね。ちょっと抜いたのも早めだったかな。いいスタートが切れて良かった。1着取れたんで感じはいいです」


 逃げた長島大介は3着にも納得の表情。


 「あんだけ緩んでたんでね。自分も出切る前からペースに入れすぎた。2着に入りたかったけど、先行だと末が甘い。(前検日に)セッティングをイジったけど、もうちょっとやってみます。脚自体は悪くないです」

9R

 赤板の2コーナーから踏み込んだ近藤夏樹ラインを受けて、山田英明が3番手に入る。遅れながらも南関勢を追いかけるように仕掛けた日当泰之を、山田が阻んで好位を確保。最終2コーナー手前からまくりを打って、橋本強とのゴール勝負も余裕をもって押し切った。


 「地元が後ろだし、(橋本)強とは同期で特別(GI)でもやっている。だから気持ちが高まった部分があります。(日当が行って)その上を川口(公太朗)君に行かれると、後手後手になってしまう。それだったら、ああやって自分が行けるところをと思いました。覚悟を決めて走って、横綱相撲じゃないけど、そうやっていくしかないと。あんまり変に(意識を)するよりはと」


 3番手以下が大きく離れて、番手の橋本強は2着流れ込み。同期の山田を素直に称える。


 「(山田は)さすがですね、交わせなかった。もうちょっといい勝負がしたかった。脚は問題ないし感覚もいいんで、2日目以降修正していきたい」

10R

 巴直也が切ったところを吉田昌司が出て主導権を握る。一本棒の7番手に置かれた人気の柴崎淳だったが、巻き返しが早い。最終ホームから踏み込んでスピードの違いで前団をのみ込む。続いた志智俊夫が鋭く追い込んで、柴崎を交わした。


 「調子はいいと思います。踏み出しは自分のここっていう雰囲気があって、そことはタイミングがズレましたけどね。(柴崎を)抜けたのは自分が風を受けていないからですよ」


 柴崎淳が力の違いを見せて、ロングまくりで中部ワンツーをメイクした。


 「どうなっても7番手になると思ったし、それで遅い仕掛けはないですよ。9番(矢口啓一郎)が番手から出る雰囲気があって、そこを乗り越えるときに脚を使った」


 

11R

 打鐘で前に出た元砂勇雪をすかさず松本貴治が叩いて最終ホームから主導権を握る。4番手で元砂と絡んだ飯野祐太は巻き返すことができず。出切ってペースに持ち込んだ松本の番手から渡部哲男が抜け出した。


 「緊張した…。風が強くて元砂君にも抵抗されて松本もキツかったと思う。松本が出るには出ると思ったんで、あとは飯野がどこから来るか。でもかかりも良かったし、風が味方してくれたと思う。(インフルエンザで全日本選抜を途中欠場したが)そんな影響はないと思います。とりあえずホッとしました」


 逃げて2着に粘った松本貴治は、ラインで上位独占の結果を素直に喜んだ。


 「元砂さんはそんなにダッシュがないんで、自分のペースで踏んだら行けるなと思ってた。外を踏んだぶん、しんどいですね。でも、作戦通り。出てからペースだったし、踏み直すところを踏み直したら飯野さんもすぐには来ないかなと。風がキツかったし、全部風があった感じ。(ラインで)ワンツースリー決まったのが良かったし、初の地元記念でもいつも通り走れました。また二次予選頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 赤板の1コーナーで武田豊樹が落車。アクシデントを避けて態勢を整えた根田空史は、2コーナーから一気に踏み込んで主導権を握る。根田に郡司浩平(写真)、中村浩士と出切り、山田久徳が4番手に飛び付く。7番手になった浅井康太がまくりを打って前団に迫ると、郡司がけん制して直線で抜け出した。


 「僕もそんなに余裕がなかった。バンクが重かったのもあったし、根田さんが強かった。(浅井のまくりは)勢いが止まっている感じがあった。ただ、1回振って戻った時に中村さんが詰まってた。車間の感覚とか、振るタイミングとかやることがたくさんありますね」


 武田の落車で平原の後ろに収まった浅井康太だったが、好スピードのまくりを披露して2着に入った。


 「武田さんの落車で予想外に平原さんの後ろになった。平原さんの仕掛けを見てからっていうのもあったんですけど。そこからもピッタリ付きすぎて、無理やり持ち出して(まくって)行った。そのわりにあそこまで行けて、なんとか連に絡めた。脚自体は少しずつ良くなっている。だた、1着を取りたかったんで、そういう点では修正するところがあるのかと」


 平原康多は、浅井のまくりを追いかけて直線で外を踏んで3着。


 「先に浅井が来たんでタイミングが狂った。そこからはどこまでいけるかだったし、根田の掛かりも良かった。これだけのメンバーで立て直してから3着来れたのは、自信になりますね」

6R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 吉田昌司が打鐘手前で先行態勢を取るが、その上を竹山陵太がすかさず叩いて主導権。吉田ラインを追走していた単騎の吉永和生が切り替えるようにまくると、竹山の番手の飯野祐太(写真)が最終バックから自力に転じて1着。


 「(最終)1コーナーで竹山が結構掛かってたんで、残るかなって思ったんですけど。水谷(好宏)さんが(まくって)来てるのもわかったし、その間に誰か来てると思ったら吉永さんだったんですね。自分の感じは悪くないというか、むしろ抜群でした。ただ自分のタイミングじゃなかったし、竹山が頑張ってくれて柳谷(崇)さんがいてくれたおかげです。自分だけの力じゃないんで」


 7番手に置かれた水谷好宏だったが、吉永の上をさらにまくって2着に入った。


 「(最終)ホームで迷ったんですよね。吉永さんが気になってしまった。柳谷さん目がけて行っていれば。脚は問題ないんですけど、タイミングのズレっていうのが成績につながっている。どうしても長いかなっていうのがあって…。距離が長くても行けてれば。あそこの反応がもう一段階戻ってくるといいんですけど」


 

7R

選手の写真です。
元砂勇雪選手

 元砂勇雪(写真)が、打鐘の3コーナー過ぎに岸澤賢太を叩いて先行策。後続を一本棒にして、絶妙なペースで別線を酔わせる。4番手の岸澤は動けず、後方の小埜正義も不発。直線でもうひと踏ん張りした元砂が、昨年6月以来、久々の勝ち星を挙げた。


 「前期は1回も1着を取っていないので久々ですよ。これがいいキッカケになれば。初手で後方だったけど早めにレースを動かせたし、出切ってからも良く流れていた。ある程度ペースが上がれば、回せることがわかった」


 半車輪差まで詰めた米澤大輔が、2着で準決権利を手に入れた。


 「元砂君が自信を持って行ってくれましたね。あそこしかないところで行ってくれたし、とにかく強かった。完封でしたね」


 

8R

選手の写真です。
矢口啓一郎選手

 野口大誠、藤田勝也の順に動いた上を川口公太朗が打鐘前から切ると、そこを横山尚則が一気に叩いて主導権を握る。横山を受けた3番手から川口が巻き返すが、矢口啓一郎(写真)の横でいっぱいに。矢口がそのまま直線で抜け出し1着だったが、横山を6着に沈めてしまい表情は硬い。


 「もっと残したかった。そこだけですね。踏み込んで張って、戻った時に(車輪が)重なった。少し踏み込みを弱くして、けん制しても戻れるようにしないといけなかったですね。自分自身(の感じ)は悪くないけど、後ろを回ったら回ったで課題がありますね」


 川口が不発に終わると、矢口後位に切り替えた三宅裕武が2着で準決進出を決めた。


 「記念の方が相性ええね、やっぱり。ハム(川口)が頑張ってくれた。前々に攻めてくれてね。(最終)2コーナーは仕掛けられんかなと思ったけど、仕掛けてくれたので。前のおかげ。展開だけです、ホンマに」


 

9R

選手の写真です。
松本貴治選手

 赤板の1センター過ぎに誘導後位に入った松本貴治(写真)は、誘導を降ろして襲い掛かる岡崎智哉を突っ張り先行の腹を固める。最終ホーム手前で浮いた岡崎と大坪功一が、4番手で絡んで落車のアクシデント。避けた根田空史は仕掛けられず、松本が軽快に逃げる。3番手の山田英明は前との車間が大きく空いて、根田のまくりは不発。松本が二の足で後続を振り切った。


 「もうあの場所だったら絶対に(岡崎を)出させないつもりでした。そのあと落車があったのがわかって、もしかしたら(橋本)強さんなのかなっていうのも…。(1着で勝ち上がって)めっちゃうれしいですね。(地元記念はバンクが)走り慣れてるから、自然と走れている感じがあります」


 橋本は2着キープがいっぱい。3番手から車間を詰めた山田英明も、地元コンビを交わせずの3着。


 「(二次予選Aの勝ち上がりが)5着上がりなんで、変な仕掛けになったり空回りをしないように落ち着いてと思っていた。松本君は(橋本)強が付いてたんで行くだろうって予想はしていた。松本君が思いのほか強くて、車間を詰めるのがキツかった」

10R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 先行態勢に入った長島大介は、打鐘手前から襲い掛かる太田竜馬をフルアクセルで突っ張る。が、太田のスピードが良く、出切られる。渡部哲男が連結を外して、長島は番手に飛び付く。最終2センターから長島が太田を交わしにかかると、武田豊樹は2人の間のコースを選択。その後ろの岡光良が直線で外を踏んで連勝のゴールを遂げた。


 「いい展開でしたね。(最終)バックでは内をすくわれないようにだけ気をつけてた。武田さんが内にいって、自分は外を踏んだら伸びましたね。練習でも普通だし、脚ではなく流れです。記念を連勝で勝ち上がれたのはうれしい」


 中を突いた武田豊樹(写真)は僅差の2着。


 「長島君が頑張ってくれたおかげで展開が向いた。最初から番手に入ろうとかは思っていないから、ああなるんだろうと。僕は中を踏んだけど、外の方が伸びましたね。初日に落車をしているし、やっぱりそれは影響している。これからまた積み重ねていいモノをつくり上げていって、一戦一戦やっていきたい」

11R

選手の写真です。
中村浩士選手

 後ろ攻めから動いた佐々木豪に対し、柴崎淳は誘導を残して赤板ホームで車を下げる。打鐘前から仕掛けた郡司浩平は、合わせて踏み込む佐々木を強引に叩いて打鐘過ぎから先行態勢に。2センターから柴崎が仕掛けるが、ホームで佐々木とからんで落車。番手の浅井康太も乗り上げてしまう。落車を避けてそのまままくった佐伯辰哉だったが、萩原孝之の外まで。郡司マークの中村浩士(写真)がゴール寸前で逆転した。


 「(郡司は)自力に関しては南関一だし、レース勘というか、(ラインの)軸となって動ける強みがある。誰がコケたのかわからなかったけど、3人は大丈夫だったので。ラインで決まったのがうれしいです。先導役がしっかり走ってくれるとラインで決まる。(調子は)絶好調とは言えないけど、安定したとこにはいる。でも軽く踏めてる感じではないので、もうちょっとしっかりしたい」


 郡司浩平は打鐘からの思い切った仕掛けでラインを上位独占に導いた。


 「初日は番手だったし、感触を確かめる意味でも自力を出せたのは良かった。佐々木君に踏まれたけど、やめずに出切るまでは踏んどかないと。出てから考えようと思ってました。もし柴崎さんに行かれても3番手だし、判断の余裕はあった。最後まで余力を残せたし、状況判断も問題ない」


 

12R

選手の写真です。
和田圭選手

 赤板の1センターで今野大輔が押さえるが、単騎の佐藤幸治がその上を切って出る。6番手の平原康多は、ペースが緩んだ打鐘の3コーナー過ぎにカマシを敢行。主導権を握った平原の番手の和田圭(写真)にとっては、絶好の流れが訪れる。逃げた平原も直線半ばでいっぱいで、和田が抜け出した。


 「平原さんは完ぺきなレースをしたけど、僕がヘタクソでした。平原さんは強いイメージしかないし、(平原が)踏み直してちょうどかなと思った。でも、ちょっと(踏むのが)早かったですね。自分が極度の緊張で余裕がなかった」


 平原ラインに乗った黒田淳は、飛び付く今野を抑えて3番手を確保。外を踏んで横一線の2着争いを制した。


 「詰まってたし、僕も1周くらいなら(先行を)考えてた。でも、平原さんが行ったんで、それに乗っかった。3番手に入ってからは後ろの様子を気にかけながら、(ラインの池田良と)2人で準決に乗れるようにと思ってた」


 さすがのレースぶりの平原康多だが、最後は失速して4着。


 「自分の位置では、緩んだのがあそこだった。予想していたより仕掛けが早くなったんで、もつ距離よりも長かった。最後はバタバタしました。行けるところでは(反応して)行ってるけど、修正が必要なところもある」

10R

選手の写真です。
太田竜馬選手
選手の写真です。
橋本強選手

 赤板の2コーナーで押さえて出た山田久徳が先行態勢に入ると、3番手は佐伯辰哉と太田竜馬(写真)で併走。外でタイミングを取った太田は、打鐘の2センターから仕掛けて主導権を奪う。そこからは別線に反撃の隙を与えず、通算100勝のメモリアルの逃げ切り。


 「100勝は気にしていなかったけど、節目ですからね。とりえあず決勝に乗れてホッとした。出切るまでが勝負で出切ってからは流れていた。疲れはあるけど体は問題ない。自分のタイミングで行けたのが良かったと思う」


 踏み出しで太田との車間がわずかに空いた橋本強(写真)だったが、懸命に食らいついて3走オール2着で優出。


 「太田君は以前に付いた時よりも強くなっている。回して回してグイっといくので踏み方がわかっていて良かった。最近の太田君が強すぎるし、付いていけるか不安はあった。でも、付いていけて自信になった」


 3番手に飛び付いた山田は前の2人との車間がなかなか詰まらない。直線で山田の外を踏んだ村上博幸が3着。


 「(山田)久徳が前々に踏んでくれたおかげ。自分はあんまり調子が良くないけど、内、外を来られてスイッチが入った。練習の疲れが大きいし、筋肉は緩んでいるけど、筋張っている感じがある」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
山田英明選手

 赤板1センターで元砂勇雪をドカして長島大介を叩いた山田英明が元砂の打鐘過ぎ先行を受ける。3番手を取った山田は車間を詰めた勢いで最終バックから持ち出すと中近コンビを飲み込んだが、2コーナー、8番手からまくった郡司浩平(写真)が前を行く2車を鋭くとらえた。


 「しっかり位置を取んなきゃなってレースだった。(最終)ホームで長島さんが仕掛けてくれたんでね。行かなきゃ自分が早めに行かなきゃと思ってた。長島さんが止まって、その勢いでうまくまくりに行った感じです。感じうんぬんより2日目に長い距離を駆けたぶん、準決は楽でした。1着なんで失礼かもしれないけど、まだもっとイケるっていうのがある。自転車の微調整とか体の細かい部分をやってですね」


 渡部哲男は2着で7年ぶりの地元記念優出を決めた。


 「(打鐘前で山田が切った)あれがひとつ勝因だったね。作戦で後ろ(攻め)はなかったし、どうするかと思ったけど、ヒデ(山田)がいい判断をしてくれた。郡司はまくり追い込みだし、スピードが違ったからね。決勝は(優勝を)あんまり意識せずに流れに乗れるように」


 判断良く動いた山田英明(写真)は地元の渡部と決勝進出を決められたことにホッと胸をなで下ろす。


 「(渡部)哲男さんが地元で一番のメインの選手だし、前を任されたのはありがたかった。(責任が)重たかったけど、いい刺激をもらった。それだけですね。自分のレースをして勝ち上がるってことだけでした。ワンツーを決めたかったけど、郡司君が強かったですね」


 

12R

選手の写真です。
中村浩士選手
選手の写真です。
平原康多選手

 松本貴治を7番手に置いて、根田空史が赤板の2コーナーから山降ろしで踏み込む。打鐘手前で主導権を握った根田が緩めることなく逃げて、3番手が平原康多と松本で重なる。最終1センターで外の松本が力尽き、3番手を取った平原がまくりを打つ。平原を止めた中村浩士(写真)は、返す刀で内の岡光良も阻んで追い込んだ。


 「(根田を)残せるかと思ったけど、自分の力不足です。あれでもう1回来れる平原君っていうのは、やっぱりSSですね、違いますよ。(岡が)入ってきたし、内はあんまり空けられないと思ってた。根田が強かったし、また一緒に頑張りたい」


 「最悪の展開だった。けど、あきらめなかった」とは、中村のブロックでまくりが止まった平原康多(写真)。直線では湊聖二と絡みながらも、しぶとく2着に入った。


 「松本君をさばくのに結構、脚を使った。3番手から無理やり仕掛けてまくったけど。悪いタイミングで(中村を)押しちゃった。よくリカバリーできた。内容は微妙だけど、感覚的に準決が一番良かった」


 中村が振ったインを突いた岡光良だが、締め込まれて3着がやっと。


 「中村さんの2回目(のブロック)で平原もキツいだろうと。あの外は絶対に着がないんで、ああなりました。どのタイミングで入っていくか余裕はあった。調子はいいですね」


 


 


≪最終日9R「第113回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」≫


 5人いるS級のなかでも、同期の中で一番乗りを果たしている松井宏佑は、いつものナショナルチームでのトレーニングメニューをこなしての参戦。


 「(世界選が終わって)ナショナルチームのトレーニングはないけど、自分はこのルーキーチャンピオンがあるんで、普通にいままで通りやってきました。いつもの流れを崩したくなかったし、今回のためというよりパワーアップするためですね。疲れはいつもよりないくらい。直前までカーボン(の自転車)で練習をやってたんで、(指定練習で)こっち(競輪用)の自転車でちょっと慣れさせたい」


 昨年末に3場所連続の完全Vで特進した宮本隼輔は、S級の壁にぶつかることなくFIシリーズを連続優出。しかしながら、続く前回の広島FIは521着と初日予選で敗退した。


 「ここまではしっかり追い込んで練習をしてました。前回の広島では自分のなかで調子が落ちてた部分があるんで、しっかり気を引き締めてやりたい。(後ろは)曽我(圭佑)に任せて、あとは信じて走ります」


 前回の西武園でS級特進を決めた藤根俊貴は、S級選手としてこれが初のレース。


 「(追加が)入るかと思ったんですけど、来なかったですね。練習はボチボチやってきました。A級では決勝以外はちゃんと(ラインを)連れて来れるようにってやってました。(ルーキーチャンピオン出場の同期で)S級の選手を多くしたいっていうのがあったし、失敗している人もいた。だから、(前回の西武園での特進は)俺が頑張らなきゃっていうのはありました」