松本貴治を7番手に置いて、根田空史が赤板の2コーナーから山降ろしで踏み込む。打鐘手前で主導権を握った根田が緩めることなく逃げて、3番手が平原康多と松本で重なる。最終1センターで外の松本が力尽き、3番手を取った平原がまくりを打つ。平原を止めた中村浩士(写真)は、返す刀で内の岡光良も阻んで追い込んだ。
「(根田を)残せるかと思ったけど、自分の力不足です。あれでもう1回来れる平原君っていうのは、やっぱりSSですね、違いますよ。(岡が)入ってきたし、内はあんまり空けられないと思ってた。根田が強かったし、また一緒に頑張りたい」
「最悪の展開だった。けど、あきらめなかった」とは、中村のブロックでまくりが止まった平原康多(写真)。直線では湊聖二と絡みながらも、しぶとく2着に入った。
「松本君をさばくのに結構、脚を使った。3番手から無理やり仕掛けてまくったけど。悪いタイミングで(中村を)押しちゃった。よくリカバリーできた。内容は微妙だけど、感覚的に準決が一番良かった」
中村が振ったインを突いた岡光良だが、締め込まれて3着がやっと。
「中村さんの2回目(のブロック)で平原もキツいだろうと。あの外は絶対に着がないんで、ああなりました。どのタイミングで入っていくか余裕はあった。調子はいいですね」
≪最終日9R「第113回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」≫
5人いるS級のなかでも、同期の中で一番乗りを果たしている松井宏佑は、いつものナショナルチームでのトレーニングメニューをこなしての参戦。
「(世界選が終わって)ナショナルチームのトレーニングはないけど、自分はこのルーキーチャンピオンがあるんで、普通にいままで通りやってきました。いつもの流れを崩したくなかったし、今回のためというよりパワーアップするためですね。疲れはいつもよりないくらい。直前までカーボン(の自転車)で練習をやってたんで、(指定練習で)こっち(競輪用)の自転車でちょっと慣れさせたい」
昨年末に3場所連続の完全Vで特進した宮本隼輔は、S級の壁にぶつかることなくFIシリーズを連続優出。しかしながら、続く前回の広島FIは521着と初日予選で敗退した。
「ここまではしっかり追い込んで練習をしてました。前回の広島では自分のなかで調子が落ちてた部分があるんで、しっかり気を引き締めてやりたい。(後ろは)曽我(圭佑)に任せて、あとは信じて走ります」
前回の西武園でS級特進を決めた藤根俊貴は、S級選手としてこれが初のレース。
「(追加が)入るかと思ったんですけど、来なかったですね。練習はボチボチやってきました。A級では決勝以外はちゃんと(ラインを)連れて来れるようにってやってました。(ルーキーチャンピオン出場の同期で)S級の選手を多くしたいっていうのがあったし、失敗している人もいた。だから、(前回の西武園での特進は)俺が頑張らなきゃっていうのはありました」
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