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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

検車場レポート

  • 11/21 Mon.  (前検日)
  • 11/22 Tue.  (1日目)
  • 11/23 Wed.  (2日目)
  • 11/24 Thu.  (3日目)
  • 11/25 Fri.  (4日目)
  • 11/26 Sat.  (5日目)

1R

選手の写真です。
守澤太志選手
 守澤太志(写真)は、現在の獲得賞金ランク5位。3年連続3回目のグランプリ出場を濃厚にしていて、前回の四日市記念ではGIII初制覇。勢いに乗ってオープニングレースに臨む。
 「(今年の)前半は本当に不甲斐なくて、SSとして恥ずかしい走りだった。でも、ダービー(決勝3着)くらいからなんとか盛り返せたかなと。(去年の落車で)鎖骨を折って、肩が上がらなかった。そこを修正して、試行錯誤しながらやっているのがいい方向にいっているのかなと。前回もそうだったけど、(セッティングが)まったく固まってない。(前回が終わってからは)セッティングを一気に変えたので、それをなじませるようにやってきた」
 前回の寬仁親王牌1991着からおよそ1カ月ぶりとなる山崎賢人は、いつも通りナショナルチームでのトレーニングを積んできた。
 「寬仁親王牌から伊豆に戻って、(ナショナルチームは)1週間オフがあった。そこからまた伊豆でしっかりと練習をしてきました。(前回も)調子は良かったと思います。着が追いつかなかったけど、自分の調子は良かった。いまも(状態は)いいと思います」

2R

選手の写真です。
山田庸平選手
 8月オールスター、9月共同通信社杯、前回の防府記念決勝と近況で3回の落車に見舞われている佐藤慎太郎だけに回復具合が気になるところだ。
 「(防府記念の落車で)体のダメージはありました。1週間くらいは練習ができなかった。頭部、腰の打撲で骨折とかはなかった。そのあと(練習ができたのは)1週間くらいですね。上積みはないけど、前回(の落車する前)くらいには戻っているかなと。ただ、(落車が)3連発なんで、その痛みでトレーニングができない期間が長くなって、それで脚をロスしているかなと」
 山田庸平(写真)は、獲得賞金ランク10位。初のグランプリには今シリーズの決勝進出が絶対条件になってくる。
 「(京王閣は)体調を崩して欠場しました。その前の取手(完全V)は、結構、自分のなかで感覚が良かった。寬仁親王牌、玉野よりも感覚が良かったし、自信になったと思います。(グランプリに出場できる可能性がある決勝)3着以内に入れたらいいなと」

3R

選手の写真です。
清水裕友選手
 前回の防府記念で優勝した清水裕友(写真)は、前人未到の地元記念5連覇。獲得賞金ランクも9位でグランプリに正念場のシリーズになる。
 「(今年はここまで)あんまりいいところがなかった。地元記念5連覇ができたのは良かった。それだけですね。夏場くらいから気持ちを入れ直して、9月くらいから状態が上向いてきた。(直前は防府で深谷知広らと練習をして)味わうことのなかったスピード味わってプラスになった。(今年)前半が不甲斐なかったのに、(獲得賞金ランク9位で)よくこの位置でいられたなと。あとはなるようにしかならないので、この5走を頑張りたい」
 怪我の影響もあり、昨年はGIに一度も出場できなかった吉澤純平が、2年ぶりにこの舞台に戻ってきた。
 「去年はGIに出られなかった。今年は(2月の)全日本選抜から出られて、戦えているところもあれば、まだまだのところもある。ここ1年くらいは番手も増えて、自分の力だけじゃないところもある。(前回の小田原の)決勝は良くなかったけど、距離も踏めてたんで、明日(一次予選)の自力にもいい感じでつながるかなと思います」

4R

選手の写真です。
平原康多選手
 前回の四日市記念では、67着で3日目以降を欠場。久しぶりに大きい数字が並んだ平原康多(写真)だが、仕上がりは悪くなさそうだ。
 「(獲得賞金ランク7位だけど)グランプリのことはなにも気にしていない。とにかく競輪祭を頑張りたいなと。寬仁親王牌が終わったあとにワッキー(脇本雄太)との練習で坐骨神経痛が出て、違和感があった。(四日市記念を)欠場して、ケアをしっかりとやれたと思う」
 犬伏湧也は、前回の取手FIを125着。8月の当所の完全V以来となる決勝進出。中10日以上空いてのローテーションで競輪祭を迎える。
 「(今年は)あんまり波に乗れていない感じもある。落車もして、ちょっと調子を落としたところもあるけど。しっかりと立て直してこられたので、今回は楽しみです。まだまだ力不足のところもあるけど、ひたむきに頑張っていけたらと思います」

5R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 獲得賞金ランク2位。今年はGIの優勝がない松浦悠士(写真)は、そのなかで1億4千万円以上を稼ぎ、4年連続4回目のグランプリ出場を確定。前検日の11月21日には、32歳のバースデーを迎えた。
 「(32歳になって)グランプリを獲りたい。(今年は)去年よりも比較的、安定してるかなと。勝ち切れないところは(2月の)全日本選抜(準V)から始まっているのかと。決勝は迷いながらというか、思い切りのないレースが増えている。それが結果に出ている。(前回の防府記念は)4日間、感触は良かった」
 坂井洋は、前々回の京王閣記念、前回の四日市記念と続けて優出。高いレベルで安定した走りを続けている。
 「(6月の)富山の落車から調子が悪かった。けど、後半戻ってきて、いい感じです。四日市は初日、2日目が新車だった。全然、感触が良くなかったので、3日目から戻して感じが良かった。最終日も着は良くなかったけど、力は出し切れました」

6R

選手の写真です。
古性優作選手
 前回の四日市記念3225着のあとは、近畿の地区プロのケイリン種目で2位。タイトなスケジュールの古性優作(写真)が、2月の全日本選抜、6月の高松宮記念杯に次ぐ、今年3度目のGI制覇を見据える。
 「四日市の感触はあんまり良くなかった。そのあとに地区プロがあって、脇本(雄太)さんを倒すのにだいぶ力を使った。それでしっかりと休んできました。小倉は日本で一番苦手なバンクですけど、ここ2年くらいは克服できているのかなと。(克服する前と比べて)乗り方もセッティングも変えているのもあるのかと」
 新山響平は、昨年の競輪祭で準V。同期の吉田拓矢に優勝をさらわれたものの、先行策から粘り込んだ。
 「小倉は走りやすくて、成績も悪くないので、なんとか結果を残したいですね。(昨年は)GIの優勝もみえたんで、それをしっかりと思い出して走りたい。(ナショナルチームから退いて)今後は競輪に専念です。いまはナショナルチームでやってきた(トレーニング)メニューをアレンジしてやっている。それで、どう結果が出るか楽しみです」

7R

選手の写真です。
園田匠選手
 前回の防府記念決勝で落車失格を喫した園田匠(写真)は、そこから2週間空いた。昨年の競輪祭では決勝3着だっただけに、それ以上の結果が欲しい。
 「(落車の)怪我の状態は良くなっていると思います。擦過傷とかがあったけど、問題はないです。ここに向けてケアと練習をしっかりとやってきました。あとは気持ちで走ろうと。競輪祭に向けていろいろやってきたことが、全部裏目に出たので、初心に返った。去年は悔しい思いをしたので、今年はと思っている」
 獲得賞金ランク6位の郡司浩平は、年末の地元、平塚グランプリ出場に向けて視界良好。しかしながら、前回の防府記念決勝で落車に見舞われた。
 「(落車して)何日間かケアと治療に専念しました。そこから練習をして、ここ来る前は普段通りの練習ができた。そこの不安はないと思います。体うんぬんより、自転車とシューズの細かいところの微調整かなと」

8R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 前々回の向日町記念、前回の福井FIをともに完全優勝。今年2度のGI出場機会のなかで2度のV奪取をしている脇本雄太(写真)の年間3冠の可能性は十分だろう。
 「(2回GIを優勝しているが)全部のGIに出ているわけじゃないので、正直、なんとも言えない。それでも自分なりに動けている1年だったかなと。(前回は)良くも悪くもなかった。自分の調子を上げるのは厳しいのかなと、あとはどれだけ現状を維持できるかですね。先週、地区プロとかがあって、思ったような調整ができなかった。けど、走れる状態ではあるかなと」
 小松崎大地は、前回の四日市記念2日目に落車。状態面は気がかりだが、今年は3度のGI決勝進出と今シリーズも目が離せない存在だ。
 「(今年は)GIの優出が多いけど、FI、GIIIでは思ったような成績を残せていない。その辺りが課題かなと思います。(落車で)擦過傷と首を痛めた。普段通りに体を動かせるように治療に専念して、だいぶいい状態なったかなと」

9R

選手の写真です。
奥井迪選手
 奥井迪(写真)は獲得賞金ランク3位。19年以来のグランプリ出場がみえている。
 「今年始まる前にバックを取る競走を、もう1回しっかりとやろうって。それが、(ここまでの)この結果につながったのかと。ただ、普段の優勝回数も多くないし、上で戦うには決勝でどう勝つかですね。先月くらいから自転車の感覚がすごく悪くて、(前回の)京王閣くらいからそれを脱した。(決勝も)良くはなかったけど、レーススタイルを崩せずにできたのは良かった」
 獲得賞金ランク7位の尾方真生にとっては、勝負の地元シリーズ。4場所連続Vで波に乗り、大一番を迎える。
 「去年よりは気持ちも強くなっているかなと。レースも積極的に走れていると思います。(グランプリ出場の)賞金を争っているんで、(直近は)しっかりと勝ちにこだわる走りができた。いつも変わらずしっかりと練習もできました。体の疲れも取れているかなと思います」

10R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 ここまでビッグレース制覇のない今年だが、児玉碧衣(写真)は獲得賞金ランクトップ。目標に掲げたスタイルで賞金を着実に積み重ねている。
 「今年の目標は目の前のレース1個、1個にっていうことだった。だから大きいレースを獲れていないのかと。そのなかで(獲得賞金ランクが)1、2位を争っているのはいいのかなと。ここは地元なのでお客さんの声援も多いと思う。だから、期待に応えられる走りをしたい。ここ何カ月かお腹に力が入らなかった。セッティングを変えたわけじゃないけど、前回の小田原で少し感じをつかめた。もっと良くなると思うんですけど。いつも通りいけば問題ないと思います」
 山原さくらは、16年以来のグランプリ出場がかかる今シリーズ。獲得賞金ランク5位はうれしい誤算でもあったようだ。
 「まさかグランプリ争いに混ざれるようになるとは。まだ今年は終わってないけど、よく頑張ってこられたかなと。こういう気持ちで競輪祭に臨むのも初めてです。(獲得賞金ランク)5位なんでいろんな気持ちが混ざりあっている。でも、平常心で走ることが大事かなと」

11R

選手の写真です。
小林優香選手
 7月のガールズケイリンフェスティバルを途中欠場の小林優香(写真)は、その後に長期欠場を余儀なくされた。10月の佐世保で復帰して3場所を走り2V。地元に向けて状態も悪くなさそうだ。
 「今年は賞金が足りないし、このラストチャンスにかける思いは強い。この開催は私にとってすごい特別なもの。2度優勝しているので、特別なものがある。久留米の先輩方がサポートもしてくれて、しっかりと仕上げてきました」
 3場所連続V中の小林莉子だが、9月名古屋の落車の影響が尾を引いてたようで、慎重にコメントする。
 「名古屋で落車して、調子を良かったころに戻すのに、いっぱいいっぱいのところがあります。正直、キツいなと思ってます。(獲得賞金ランク8位で)いつもギリギリのところで入ってくるので、精神的にもキツい。ここが頑張りどころなので、しっかりと走りたい」

12R

選手の写真です。
佐藤水菜選手
 世界選手権の2年連続での銀メダル、アジア選手権で金メダル獲得と今年は競技のケイリン種目で充実の一途の佐藤水菜(写真)。ガールズケイリンでも、もちろんV候補の筆頭だ。
 「ガールズケイリンに出られるのは、今年はすごく少なかったけど、そのなかで車券には貢献できたかなと思います。オールスター(ドリームレース)でも1着と取って、ファンのみなさんに恩返しができた。自分の成長を感じられる1年でした。(前回の)松戸では初めてギアが軽いなって感じた。それで初日は不安を感じたけど、2、3日目はしっかりと修正ができた。今回は(初日から)そんなことのないようにと思ってます」
 獲得賞金ランク2位の石井寛子は、10年連続でのグランプリ出場を確実なものにしている。それでも気を緩めることなく、今シリーズに臨む。
 「(今年は3月のガールズコレクション優勝で)波に乗るかと思ったけど、苦しい時期がずっと続いた。それが10、11月でまた上位に食い込めてきました。競輪祭は苦手な開催なので、それを払しょくできるように気合十分できました。小倉自体は悪くないです」

1R

選手の写真です。
守澤太志選手
 赤板1コーナーで松井宏佑が、押さえて出て先行態勢を取る。前受けの山田諒が3番手に収まり、吉田有希は5番手で後方の山崎賢人を警戒しながら車間を空けてタイミングを取る。吉田は打鐘手前から仕掛けて主導権を奪取するが、吉田ラインを追いかけた山崎が襲い掛かる。最終ホームでの守澤太志(写真)のけん制を乗り越えて、山崎が出切る。山下一輝は付け切れず、山崎、小倉竜二で出切り、バックで守澤が切り替える。守澤がスイッチした勢いで、そのまま追い込んで突き抜けた。
 「(1レースは)ここ何年も走っていないので、アップとか調整できて良かった。山崎君を後方に置きたかったけど、ああいう風に付いてこられるとキツいですね。(吉田は初連係だったが)しっかり組み立ててくれて上手だなって。山崎君はああいう展開が得意で、行かれてしまって、難しい判断でした。(山崎が)仕掛けてくる影が見えて、踏ませてもらった。調子がいいとは言えないが、流れが良くて吉田君が行ってくれた。1着を取らないと申し訳ないなと」
 山崎の強烈な踏み出しに付け切った小倉竜二が、最後にわずかに山崎を交わした。
 「(山崎は)吉田君が行った上を8割で出切るのは、余裕があるんでしょうね。(以前に)ウィナーズカップで連係した時はちぎれたと思うが、今日(初日)は付いていけた感じがした。脚をためて、抜けると思ったけど、ギリギリでした。感覚はわからずに、フワフワしたまま5周してあっという間でした」

2R

選手の写真です。
眞杉匠選手
 岩本俊介、嘉永泰斗の順番で切ったところを、赤板2コーナー過ぎの眞杉匠(写真)が踏み込む。嘉永の抵抗もなく眞杉が楽に主導権を握り、佐藤慎太郎まで出る。嘉永は3番手で粘るが、佐々木雄一がキメて確保する。叩きに出た原田研太朗だったが、最終ホーム過ぎに力尽きる。眞杉がリズム良く駆けて、4番手に久米良が入る。原田にかぶった嘉永は仕掛けられず、山田庸平は2コーナー過ぎに自力に転じてまくるが、眞杉の掛かりがいい。直線に入り番手から追い込む佐藤だが、なかなか詰まらない。眞杉がラインを上位独占に導く先行で押し切った。
 「みんな脚を使ってから出られた。今日(初日)は指定練習から良かったので、その感じでいけました。(原田が)来たのがわかったので、いっぱいでしたけど押し切れて良かったです。今日は1回も後ろを確認する余裕はなかったんですけど、後ろは(佐藤)慎太郎さんだったので。(ラインの)3人で決まって良かったです。前々回の取手くらいまでは良くなかったんですけど、(前回は)優勝してこられた」
 1周半を駆けた眞杉を4分の3車身詰めて流れ込んだ佐藤慎太郎は、上がりタイムを確認しながら眞杉を称える。
 「(初手の位置取りから)理想的というか、主導権が取れるなって感じでしたね。眞杉君のペースだったので、あとは原田君が来るか来ないかだったんですけど、来たので振ったんですけど必要なかったですね。(眞杉は)上がり11秒4ですからね。自分が弱かったというより眞杉君が強かった。落車のダメージというよりは、練習の上積みがないのが痛いですね。レースを通じてなにか得るものがあれば」

3R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 打鐘手前で阿部拓真が勢い良く飛び出して、そのまま駆ける。3番手を渡邉雄太がキープして、清水裕友は一本棒の5番手。吉澤純平が後方に置かれて最終ホームを通過する。渡邉は2コーナー手前からまくりを打つ。番手で渡邉をけん制した山崎芳仁(写真)は、止め切れず合わせて番手まくり。一度は渡邉に出られた山崎だったが、3コーナーで盛り返して勝ち切った
 「(阿部は)意外とすんなり先行できたんで、3番手から来なければいい勝負ができるかなっていうのがあった。けど、(渡邉)雄太君が来たんで張りながらだった。そしたら半車くらい出られた。それでもう踏んでいくしかないと。最近は自力も出ているんで、体調面は大丈夫です。(感じとしては)前回と同じくらいですかね」
 絶好の3番手を確保した渡邉雄太は、5番手の同期、清水に注意を払い先に仕掛ける。結果、山崎には合わされたが、2着で上々のスタートを切った。
 「8割くらい先行かなと思ってたんですけど、(先頭に立ってから)ペースに入れたら阿部さんが来たんで入れた。そこからは清水より先に行かないと、行かれるっていうのがあった。(山崎に)合わされました。乗り越えたと思ったんですけど、(山崎が)強かったです。自分も(調子は)悪くないと思います」

4R

選手の写真です。
平原康多選手
 赤板1コーナーで犬伏湧也を押さえて、高橋晋也が先頭に立つ。福島コンビに続いた平原康多(写真)が3番手に入り、前受けの犬伏は8番手まで下げて打鐘を迎える。犬伏が3コーナーから仕掛けて、高橋もペースも上げて逃げる。それでも犬伏がスピードの違いで高橋をとらえる。柏野智典は付け切れない。平原は冷静に犬伏にスイッチして、余裕をもって直線半ばで抜け出した。
 「この歳で特別競輪で(87期の)3人で並ぶのはワクワクして、いい思い出になった。和田(健太郎)さんとは久々の連係だったけど、心強かったですね。(犬伏の仕掛けに反応したところは)すんなりいけるカマシのスピードではなく、まくっている感じで飛び付いて死ぬ気で踏んでいった。(座骨神経痛は)左足がしびれてストレッチもできなかったけど、8割、9割伸ばせるようになって可動域も広がった。最終日に向けていい状態になるように調整していきたい。(今回は)新車を煮詰めてやってきた。そのままいこうと思います」
 3番手の五十嵐力は8着も、87期のワンツーで車単は1番人気。和田健太郎が、平原の立ち回りに危なげなく反応した。
 「(犬伏の後ろに入った平原の動きは)映像で見るよりも、平原の動きがいい。ちょっとした選手だと、遅れて入られますからね。平原君に離れずに付いていけたし、悪くない。前の選手と後ろの選手の頑張りに尽きる」

5R

選手の写真です。
坂井洋選手
 誘導を残した坂井洋(写真)が赤板前に下げ始めて、松浦悠士は3番手から先に切って出る。そこを和田真久留、坂本貴史と出て、松浦が5番手でペースは落ち着く。打鐘4コーナーから坂本が徐々に上げて駆けるが、最終ホーム手前で松浦もスパート。後方の坂井は2コーナーからまくる。松浦がまくり切るが、坂井が2センター付近で荒井崇博に並ぶ。直線で松浦に迫りゴール寸前で坂井が突き抜けて、19年のデビューから通算100勝目を挙げた。
 「(通算100勝は)忘れていました、気にしていなかったんで。眞杉(匠)がプレッシャーをかけるから緊張しました。車番が悪かったので前からでした。(赤板で)ちょっと油断してしまって、松浦さんが一気に来てしまった。そこは反省ですね。(最終)2コーナーから行こうと思っていたんですけど、先に行かれてしまったので追走していって、そこから全開でいきました。松浦さんのスピードも良かったんですけど、1着まで行けているので調子はいいですね」
 反応は悪くなかった松浦悠士は、ロングまくりで2着。白星スタートこそならなかったものの、手ごたえをつかんでいるようで、こう口を開く。
 「(和田が)緩めれば突っ張ってとも思ったんですけど、しっかり踏んでいったので5番手まで引き切ってって感じでした。それで坂井君が行く前にと。デキもかなり良かったと思うんですけど、それ以上に坂井君が強かったですね。もうこれは(別線に)いかれないだろうと思ったんですけど。今回、体の使い方を変えているので、それがどういう風に影響するかですね」

6R

選手の写真です。
新山響平選手
 石原颯は新山響平(写真)にフタをして、併せ込んだまま赤板を通過する。1センターから踏んだ石原が、古性優作を押さえて先行策。すかさず叩きに出た新山だったが、石原の突っ張りに外に浮く。空いた3番手に降りかけた新山だったが、古性が内を盛り返すと最終ホームから再度発進。新山が石原をとらえるが、佐藤友和は連結を外す。新山後位は切り替えた岩津裕介と巻き返した阿部将大で併走。その後ろで古性が、様子をうかがう。3コーナー過ぎに岩津が阿部をさばいて、古性も追い込むが、新山が押し切った。
 「(周回中は)一番後ろか、後ろ中団が良かった。そこは作戦通りでした。(石原に)フタをされるのも想定していたんで、(石原ラインに)付いていってしっかりと叩こうと。そしたら(打鐘の)3コーナーの上りでスピードが合ってしまった。古性さんのところが空いていたんで、そこをと思ったけど。このままだとしゃくり返されるんで、そこで踏み込みました。ゴールまでもったのは計算外でした。後ろが付きにくいヘタクソなレースだった。もうちょっとうまいレースをしたい。正直、走る前までの気持ちの高ぶりは、いつもみたいになかった。久しぶりの競走だったからか、(2走目以降は)もうちょっとテンションを上げていきたい」
 積極策に出た石原を目標に、岩津裕介がソツのない立ち回りで2着。結果的にロングまくりで1人で出切った新山に、切り替え流れ込んだ。
 「(石原が新山を)1回合わせたんで、一息つけるかと思った。そしたらまたすぐに(新山が)来た。新山君がいい反応だったんで、僕たちはキツかった。古性君も見えたんで、まくりごろになるかなっていうのもありました。(今回が落車明けで)今年は3回骨折しているんで、脚的にはしんどいなっていうのがある。なんとか落ち着いて走れました」

7R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 打鐘手前で主導権を握った町田太我との息を合わず、園田匠は遅れ気味で飛び付いた金子幸央をさばいて最終周回。抜かりなく好位を確保していた郡司浩平(写真)は、3番手で別線との間合いを計り、2コーナーからまくり上げる。逃げる町田をとらえた郡司が1着。
 「金子君と踏み合いになって、ジャンで脚を削った。けど、その中で行こうって気持ちを出せたのは、明日(2日目)以降につながる。出切るのは簡単ではなかったけど、出切ったあとは最後まで踏み直すことができた。シューズは微調整が必要なので、万全で臨めるようにしたい」
 交わすことはできなかった成田和也だが、郡司マークを外すことなく2着に入った。 
 「(郡司は)赤板から結構、踏んでいたのでどうかと思ったが、やっぱり強かった。さすがだなって。(自分は)郡司君が下がってきた時と(3コーナーの)園田君のところを対応できた。(直線は)詰まってはいかなかった。(脚は)変わらずですね。いい刺激が入りました」

8R

選手の写真です。
杉森輝大選手
 3連単で58万円超の配当が飛び出した。スローペースのまま脇本雄太は7番手。赤板2コーナー過ぎに脇本が踏み込むと、前で誘導との車間を空けていた長島大介もスパート。3番手にいた伊藤颯馬に張られて、脇本のスピードが鈍る。長島の先行で最終周回。脇本は5番手に下げて小松崎大地と併走になる。再度踏み込んだ脇本に合わせて、伊藤もまくる。さらに杉森輝大(写真)が番手発進。別線の追撃を振り切った杉森が大金星を挙げた。
 「(長島が)攻めてくれた結果ですね。(最終)ホームで脇本君が来ているのが見えて、伊藤君も真後ろから来ていたので、タテに踏むしかなかったですね。長島君の頑張りをムダにはできないと思った。いいスタートが切れたので気持ちを切らさず頑張りたい」
 伊藤颯馬の俊敏な立ち回りが、ジャイアントキリングを起こした。3番手で脇本をけん制すると、今度は合わせてまくりを打って2着。
 「流れ次第だったんですけど。ジャンのところは出るつもりで踏んだ。けど、脇本さんの出が悪かったので、位置を確保する感じになりました。(最終)バックで仕掛け切れれば良かった。自力を出せてはいないんですけど、悪くはないと思います」

9R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 柳原真緒(写真)は、2番手で當銘直美と併走のまま打鐘を通過する。しかしながら、外の當銘が遅れて、最終ホームでは逃げる奥井迪の後位、2番手を単独でキープ。2コーナーまくりで奥井を仕留めた柳原が、人気に応えた。
 「1番車だったので、(奥井の)番手に誰も入れないようにと。(併走は)誰か来ると思ったが、引かなくていいと判断しました。尾方(真生)さんが仕掛けて来ると思ったので、警戒しながらで踏みごたえが悪かった。脚の状態を見たくて、早めに仕掛けたくて、思ったところで行きました。出だしは悪くて、伸びも悪かったけど踏み切れた。ゴール線までしっかり踏めたのは良かった」
 柳原が2番手単独の時に尾方真生は、4番手のポジショニング。最終4コーナーから外に持ち出すも2着が精いっぱい。
 「(スタートは)前の方に行ったけど、スタートが遅いので失敗した。奥井さんは前に行くと思ったけど、(柳原)真緒さんより前にいたかった。今日(初日)はアップの時に脚の感じが良かった。それで自信をもって走ったけど、レース内容は失敗でした。(最終)3コーナーで行けたらと思ったけど、飛んだらどうしようて消極的になった。アップの調子はすごい良かったし、お腹に力も入ったので、明日(2日目)に向けてしっかりとケアをしたい」

10R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 赤板1コーナーで7番手の坂口楓華がジワリと上昇を始めて、児玉碧衣(写真)は打鐘で6番手になる。3番手にいた山原さくらが4コーナー手前から仕掛けて、坂口と踏み合いになる。山原は合わせ切って主導権も、そこを児玉がまくりで襲い掛かる。児玉があっさりととらえて、追い込む鈴木美教を半車輪、振り切った。
 「(山原)さくらさんを一番警戒していた、2車前にいる形だったので、さくらさん次第で、自分がどう動くかでした。そのあとは(坂口)楓華が行って踏み合いになったので、自分のタイミングで行く形になった。けど、ちょっとキツいところで行ったのが反省点です。あれだとミスにつながるので、(2走目以降は)仕掛けるポイントをもうちょっと考えないといけない。前回の小田原みたいに、お腹を意識して踏むことができた。完ぺきじゃないけど、徐々に良くなっていると思います」
 周回中から児玉後位にいた鈴木美教は、最終3コーナーでの上りにも遅れることなくゴール勝負を演じた。
 「決勝に乗るためには、初日からすごい大事だった。展開に恵まれて2着にいけました。(前にいた児玉が)どこから踏むのか、踏み出しにしっかりと集中して離れないように。(最終)3角で3車併走になった時に上った。ギリギリで事故があってもいけないですし。最後に追い込めなかったので、まだまだですね。状態は変わらずにいいです」

11R

選手の写真です。
太田りゆ選手
 打鐘2センターで隊列が短くなったところを、最後方にいた梅川風子がカマす。梅川が山口真未を叩いて主導権を奪う。3番手の小林優香、4番手の太田りゆ(写真)の2人が、ほぼ同時に最終2コーナー手前から仕掛ける。まくり合戦は外の太田に軍配。後続をちぎって太田が快勝。
 「包まれた状態で梅川風子選手が行った時はドキドキしたけど。焦らずに自分の行けるところから行けたのは良かった。小林優香選手と仕掛けるタイミングが一緒でヤバいと思った。そこは全開で踏んだ。(上がり11秒5ですが)タイムが出ている感じはなくて、1着を目指して全力でやった。(状態は)すごくいいわけでも悪いわけでもなく、普通の状態だと思います。気をつけることはこの1着で浮かれること。喜ぶのはここで最後にして、ガールズグランプリをつかむことが目的なので、気を引き締めていきたい」
 小林優香は、太田のまくりにかぶることなく踏んで2着。
 「メンバーを見て、早めの展開になるのは予想していた。前の方の位置も想定内です。ワンテンポ早く行けば、また違ったのかなって。いい車間だったし、詰める勢いで行こうと。そのテンポで行けば、1着を取れたかも。2着スタートだし、体調は問題ない。ここに向けて練習をしてきて、メンタルもケアもしてきた」

12R

選手の写真です。
佐藤水菜選手
 周回中は4番手にいた佐藤水菜(写真)は、最後方から動いた高橋朋恵を送り出して5番手でタイミングを取る。前との車間を空けた佐藤は、石井寛子の追い上げを確認するように、最終ホーム手前で踏み込む。抜群のダッシュでスピードに乗せた佐藤が、まくり一気。付ける石井を振り切って、世界の脚を披露した。
 「1周が400メートルもあるので、落ち着いて走れました。悪くないかなっていうのが1つと、ゴール前もしっかりと踏み直すことができたので状態は仕上がっているのかなと。1戦走ってみて、不安は消えました。(2日目以降も)とにかく1着を目指して頑張ります」
 打鐘3コーナー過ぎに動き出した石井寛子は、佐藤に外に振られて一瞬、ヒヤリとさせられたが、佐藤のダッシュに食い下がる。さすがのテクニックで佐藤を追いかけて、2着に流れ込み2日目につなげた。
 「ナショナルチームのメンバーと戦えるので、いつもと違う戦法をって思ってました。ナショナルチームの必勝法を探しているところです。佐藤選手のスピードを体感してみたかった。いつも一緒に練習する男子選手みたいな感じでした。男子選手を抜けるようにならないと、佐藤選手には勝てないのかなと。(自分の感じは)バッチリでした」

1R

選手の写真です。
浅井康太選手
 赤板過ぎに押さえて出た北津留翼だったが、その上を浅井康太(写真)に切られて河端朋之が打鐘から先行策。北津留は7番手に置かれる。5番手の森田優弥が、最終1センターから仕掛ける。さらに北津留もまくり上げるが中団まで。逃げる河端の番手で大きく車間を空けた隅田洋介が、詰めながらけん制する。3番手にいた浅井は岡山コンビの間を突いて、直線でシャープに抜け出した。
 「やっぱりスタートが、重要になるなっていうのはあった。雨谷(一樹)君が取りに行くイメージがあったので、森田君ラインの後ろから攻めようと思いました。河端君も自分が切った上を叩きたいんだろうなって思った。北津留君は引くタイミングが遅れたと思いますし、森田君が来ると思っていたんですけど。外をまくり切らないといけないんですけど、脚が残っていなかったですね。隅田君は(森田を)もっていくだろうなって思ったので、そのタイミングで内か外かコースを見てタテに踏みました」
 河端の積極策を利した隅田洋介と森田優弥が2着同着。外のまくりを警戒していた隅田は、浅井に内を突かれ、立て直して追い込んだ。
 「結果的には河端さんの行きたい感じの先行になったと思うんですけど。外しか見ていなかったら、(浅井に)内をこられましたね。バックを踏んでって感じでしたけど、まだ下手です。(ラインが)2車なので思いっきり振るより、小さな動きでとは思っていたんですけど。外すとああなりますよね…」
 5番手からまくった森田優弥は、最終4コーナーでスピードが止まったように見えたが、直線で再度盛り返した。
 「雨谷さんはスタートが早いので、全面的に信頼していました。ジャンのところでヤバいかなって思ったんですけど、最低限の位置は確保できたと思う。(自転車の進みは)全然良くなかったので、しっかり休んで修正したい」

2R

選手の写真です。
深谷知広選手
 押さえて出た寺崎浩平が、先行態勢を取る。後方の深谷知広(写真)は赤板2コーナーから山降ろしで踏み込むが、寺崎もスパート。深谷は冷静に打鐘で空いた4番手に入る。深谷後位は小川真太郎と諸橋愛の併走で最終周回。深谷が1センター過ぎに踏み上げると、後ろは付いていけない。逃げる寺崎をとらえた深谷が、そのまま後続を寄せつけず1着。
 「カマシに行く感覚だったが、踏み出しが悪くて、寺崎の踏み込みも良かった。なんとか後ろ(4番手)に入れた。そこからは(最終)3コーナーで合わされないように、早めに踏んで勝負をした。抜群に良くはないが、悪くないので調整したい。(上がりタイムは10秒9だが)あの形なら、もうちょっとタイムが欲しい」
 深谷に主導権を握らせず、寺崎が果敢に駆ける。番手の山田久徳は深谷のまくりに切り替えて、外の渡邉一成、宮本隼輔らを退けた。
 「全部(寺崎に)任せていました。ジャンで深谷が見えて(寺崎が)合わせたと思ったら、姿が消えて4番手に入っていた。嫌なところで来られましたね。もっていっても効果がないところでした。全部行かれてしまったら、元も子もないと思って踏ませてもらった。調子は悪くないですけど、人の後ろですからね」

3R

選手の写真です。
新田祐大選手
 武藤龍生の当日欠場で8車立て。赤板2コーナー手前で島川将貴が先頭に立つと、続いた菊池岳仁が一人で押さえて出る。島川は後位に収まるが、新田祐大(写真)が打鐘で踏み上げる。菊池も合わせて踏んで、後ろが島川と新田で取り合い。菊池の先行で最終周回を迎える。番手を取り切った新田は、野原雅也の反撃に合わせてまくりを打つ。逃げる菊池も抵抗するが、新田が追い込んだ。
 「(武藤の当日欠場があったけど)菊池君の積極性はわかっていたので、そのタイミングだけは逃さないようにと。(逃げた菊池の番手を取り切ったあとは)野原君が来たのもわかったので踏んだけど、菊池君も伸びていった。セッティングとか体の具合とか全然、思っていた感じじゃない。根性でもぎ取った1着っていう感じですね。レース前はすごく集中できて、戦う気持ちになれたのが、結果につながったんだと思う。ただ、ママチャリに乗っているみたいな感じだったので、(セッティングを)直します」
 武藤の欠場でラインを失った菊池岳仁は、想定外の先行策で2着。持ち前の機動力をアピールした。
 「とりあえず前々にいかないと、単騎の8番手はキツいなと。でも、先行になるとは思ってなかったんで、結構キツかったです。(島川と新田で)後ろが併走していたんで、(先行の)腹をくくりました。体の状態自体は、すごくいいかなと思います」

4R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 松本貴治の上を山口拳矢が切ってペースが緩む。5番手の吉田拓矢(写真)が、打鐘の3コーナーで仕掛けて先頭に立つ。吉田ラインを追うように、岩谷拓磨がそこに襲い掛かる。が、山田英明が連結を外す。吉田は1人になった岩谷を確認するように番手に収まる。外に浮いた山田との間合いを計りながら、岩谷との車間を詰めた吉田が追い込んで1着。
 「山口と松本さんがあんなに踏むと思っていなかったんですけど、ジャンのところで行かないと後方になっちゃうなって思った。出切ってペースに入れて、岩谷君が一人で来たので入れた。それでももう1回行けるなって思った。とっさの判断でした。余裕もありましたし落ち着いて走れました」
 ホームバンクの小倉では初めてのGI出場。岩谷拓磨がスピードを生かして2着に粘り込んだ。
 「吉田さんが叩いたところを行けたけど、(その前に)後方になってしまった。レース内容的には煮詰めないとなっていうか、反省かなって思いました。後ろを確認する余裕はなかったんですけど、行けるところまでしっかり踏もうと思った。脚の感じは仕上げてきているので、完ぺきだと思います」

5R

選手の写真です。
南修二選手
 金子幸央、嘉永泰斗の順番で出て、そこを町田太我が叩いて打鐘の3コーナーで主導権を握る。前受けを余儀なくされた古性優作は、7番手に置かれる。しかしながら、古性は構えることなく最終ホームから巻き返す。グングンと加速する古性が、圧巻のまくりで逃げる町田をあっさりととらえる。ライン3車が出切り、大阪コンビのゴール勝負は番手の南修二(写真)が1着。
 「(古性が)すごく強かった。なんとかいい形でゴールできて良かった。ちぎれなくて良かった。(1走目と比べて)変わらないですね。しっかりとクールダウンをして(2走目以降に)備えたい」
 ラインを上位独占に導くさすがの仕掛けを見せた古性優作は、2走目に新車を投入して好感触を得た。
 「連日、前は取りたくないけど、1番車ですし前からになっている。(展開は)想定内だったけど、なんとかでしたね。レースは良かったと思うけど、末は甘かったです。(2走目から)グランプリで使いたかった新車に換えました。流れてくれたけど、セッティングは気になったので微調整したい」

6R

選手の写真です。
平原康多選手
 赤板2コーナー過ぎに石原颯が出て、四国コンビの主導権。3番手が岩本俊介(イン)と伊藤颯馬の併走になり、前々に踏んだ平原康多(写真)だったが、別線の動きを見極めて後方に下げる。井上昌己をすくって6番手になった平原が、最終2コーナーで踏み込む。岩本と伊藤の決着がつかず、平原を合わせるように、松坂洋平が自力に転じる。松坂のまくりに付け直した平原が、ゴール寸前で交わした。
 「あの並びになったら1回は切らないとなって思ったんですけど。切らせてもらえなかったですね。踏んだりやめたりで、頭もゴチャゴチャになった。松坂君に見られてしまって合ってしまって、その上を行けなかった。悔しい部分はありますね。正直、初日(1走目)の方が良かったんですけど、展開もまったく違う。まだ修正するところはある。もう少しマッチングが良くできたらなっていうのがあります」
 岩本とタッグを組んだ松坂洋平は、岩本の余力と展開を判断してまくりに転じた。
 「(岩本は)先行するラインの後ろが欲しそうな感じで、前々に踏んでくれた感じでした。まだ岩本君も併走していたので、自分は(着を)取りにいかないとって思った。だいぶ鎖骨の怪我も完治してきて、力が入るようにはなってきている」

7R

選手の写真です。
渡部幸訓選手
 九州勢に合わせるように、郡司浩平が動いて切って出る。そこを松岡辰泰が押さえるが、緩んだところを小松崎大地が仕掛けて打鐘過ぎに主導権を奪う。さらに原田研太朗も反撃に出て、目まぐるしくレースが動く。原田は出切れず3番手の松岡とからんで、郡司が最終1センターからまくり上げる。外に浮いた原田の外をう回したロスもあり、郡司は前が遠い。番手絶好の渡部幸訓(写真)が、郡司をけん制して僅差の勝負を制した。
 「小松崎さんがいいポイントで仕掛けてくれて、タイミングが向いた。原田君が来て、郡司君も外々だった。それでコーナーに入れば、自分たちで決まると思った。ただ、郡司君が伸びてきて、最後は無我夢中で踏んだ。初日よりも2日目の方が体調は良かった」
 別線の踏み合いを抜かりなく仕掛けた郡司浩平だったが、大外を回されたことが響いてタイヤ差の2着。
 「仕掛けるところはあそこしかなかったですし、原田君を目標に行けばと思っていたけど、外に浮いてきた。そこで内に切り込めれば、楽になったと思う。でも、それができなくて、自分を苦しめた。レースの流れはつかめている。判断、反応は悪くない。(落車後だが)気持ちと、ハンドルまわり、シューズのサンを微調整して、かみ合えば十分に戦える」

8R

選手の写真です。
中本匠栄選手
 細切れで別線に順番に切られた松浦悠士は、7番手で打鐘を通過する。高橋晋也がペースを握り、三谷竜生は3番手を確保。松浦は車間を詰める勢いで、4コーナー手前で踏み込む。前団に襲い掛かった松浦は、山崎芳仁にけん制を受けるもねじ伏せる。番手の中本匠栄(写真)は、三谷に振られるも連結を外すことなくチャンスをモノにした。
 「(松浦は)レースもうまいし、脚力も間違いないので、すべて安心してました。(三谷)竜生にからまれて、山崎さんのところも難しい形だった。最後は僕の技量不足と判断ミスでああなった。内、外を確認していくべきでした。ただ、難しい展開をしのげてはいる。あとは判断をもっと煮詰めていかないと」
 松浦ライン3番手の園田匠は、直線で外を踏んで2着。2走目での上積みも感じながらポイントを稼いだ。
 「全部、松浦君に任せていた。絶対に仕掛けるので安心してました。さすがでしたね、あそこしかないタイミングで(行ってくれた)。(ラインの)3人で決めるために、無理やり踏んでくれた。自分は初日がいままでにないくらい最悪だった。いじってだいぶ良くなりました。エース(の自転車)がつぶれて(今シリーズから)新車になった。それでセッティングが出てなかった。初日より体になじんだと思います」

9R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 周回中から7番手の最後方にいた柳原真緒(写真)は、最終ホームでも慌てることなく我慢。岩崎ゆみこの先行を久米詩がのみ込み、さらに山原さくらがまくりで襲い掛かる。山原、鈴木美教を追いかけた柳原は、最終バックでも7番手。直線で大外を踏んだ柳原が、鈴木、山原をまとめてのみ込んだ。
 「最後尾になるとは思ってなかったんですけど、なってからはすごい前も見えてたんで良かったと思います。昨日(初日)よりすごい踏めてたし、すごい伸びたのでいいと思います」
 打鐘の2センターで山原を前においた鈴木美教は、最終2コーナー過ぎからまくった山原に続く。柳原には交わされたが、山原は交わして2着に入った。
 「(山原)さくらさんが前に来たので、しっかりそこはこだわりました。来なければ自分で前から組み立てようと。(山原を追走して)あとは自分の持ち味を出すだけだなと思っていた。1着は取れていないですけど、しっかり決勝に上がることを目標にしていたので良かった」

10R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 奥井迪が3番手のポジションで打鐘を通過する。4コーナーで奥井がスパートして主導権。続いた尾方真生は飛び付いた太田瑛美と併走。尾方も最終2コーナー手前から踏み上げるが、その外を児玉碧衣(写真)があっさりとまくって連勝のゴール。
 「(尾方)真生の後ろを取れて、真生が奥井さんの後ろを取る形になった。自分が後ろにいるってわかったら真生は、たぶん1周行かないだろうなと思った。あとは真生より先にまくって(最終)3コーナーでは出切っておきたかった。そこはしっかり踏めたので良かったと思います。連日キツいところで(仕掛けて)行っているんですけど、そんななかで今日(2日目)は11秒7が出たのでいいのかなと」
 周回中から児玉の後ろを取った坂口楓華が、児玉のまくりに食い下がり流れ込んだ。
 「3番車がきた時点でチャンスをいただけたなと思った。たくさん考えて、いい位置を取ってと。そこからも考えていて、結果的に児玉さんの後ろが取れた。脚は全然、問題ないです。しっかり上半身と下半身がつながって走れている」

11R

選手の写真です。
太田りゆ選手
 3番手の梅川風子が前との車間を大きく空けて、打鐘を通過する。5番手の太田りゆ(写真)が最終ホーム手前から踏み出すと、梅川も合わせて反応する。逃げる太田美穂を梅川がとらえて、梅川後位に入った太田りがすんなりと続く。押し切り図る梅川を太田りが追い込んだ。
 「(連勝は)上デキすぎて、明日(決勝)が不安です(笑)。慌てずに梅川風子選手の動きを見ていこうという感じだった。結構、落ち着いていたと思います。(梅川に仕掛けて)行ってもらいたくて、狙っていました。珍しくシビアにできたと思います。脚は自分の感覚としては、めちゃくちゃいいなという感じではないですけど、レース内容はいいと思います」
 3番手で前団を射程圏に入れながらの梅川風子は、難しいポジショニングではあったが、爆発力のあるまくりでゴール勝負に持ち込んだ。
 「 太田(りゆ)選手の動きをしっかり把握しながら、レースをしたかった。けど、したかったことの半分もできていなかったと思います。(太田りの)少しリズムを崩したいというのはあったんですけど、最後の最後で見失っている部分があった。正直タイムも良くないですし、脚の状態もいいとは言えないです」

12R

選手の写真です。
佐藤水菜選手
 3番手の小林優香が前との車間を空けて、4番手の佐藤水菜(写真)も同様に小林優との間合いを取る。そのまま打鐘で誘導が退避して、飯田風音のペースは上がらない。意を決した小林優が4コーナーから仕掛ける。最終ホームで出切った小林優を目標に、佐藤がスパート。2コーナーで小林優をとらえた佐藤が、ピッタリマークの小林莉子を退けた。
 「自分の目の前が小林優香さんだったので、好きなタイミングで仕掛けようと考えていた。(小林優が)先に仕掛けたので、その上を行くような形でした。(脚の感じは)悪くはないと思います。(上がりタイムは11秒9だったが)いいんじゃないですか。あまり流れがあったわけでもないですし、自分で立ち上げたという感覚もなくて、1周を平均的なペースで駆けられた感じはあった。そのなかであの上がりタイムならば、明日(決勝)に向けていいイメージがついたかなと思います。番手に小林莉子さんがいたので、そこはしっかり差されないようにと一生懸命踏みました」
 思惑通り佐藤の後ろを周回中に手に入れた小林莉子は、追い込むも半車身まで。
 「一番強いのは佐藤さんなので、シンプルにその後ろが欲しいと思っていました。位置取りは良かったのかなと。ゴール前しっかり踏み直されちゃって抜けなかった。そこはちょっと修正が必要かなと思います。佐藤さんはやっぱり強いですね。(2走した感じは)すごく良くはないですけど、この状態で勝負するしかない」

1R

選手の写真です。
新山響平選手
 前受けの新山響平(写真)は、空けていた誘導との車間を詰めながら赤板で吉田有希を突っ張る。吉田は7番手に戻り、新山がレースを支配して打鐘を迎える。4番手の河端朋之、吉田ともに動きはなく、新山が最終ホーム目がけてペースを上げる。バック手前からまくった吉田は進まない。3コーナーから河端も踏み込むが、新山の掛かりがいい。直線もスピードは衰えず、新山が二の足で振り切った。
 「もうあの形でした。(吉田を突っ張ることは)決めていました。あとは河端さんの動きを警戒しながらでしたけど、来なかったのでペースで踏ませてもらいました。(逃げ切りは)上デキですね。脚の状態は変わらずいいんですけど、1走目で後ろに迷惑を掛けてしまったので、その反省を生かせたと思う」
 新山マークの内藤秀久は、直線でいっぱい。3番手から伸びた小原太樹が2着。
 「(新山の掛かりが)すごく良かったですね。自分も車間を切って仕事をしようと思っていました。河端さんが来たのが見えて、うまく対応できたと思います。内藤さんを見たらキツそうだったので、外を踏ませてもらいました」

2R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 切って出た小川真太郎を押さえて、寺崎浩平が打鐘過ぎに主導権を握る。しかしながら、山崎賢人の反応も早く、すぐに巻き返す。最終ホームでは両者の壮絶な叩き合い。後続はもつれて出切った寺崎後位に山崎が入り、山田英明。後方の渡邉一成(写真)は、別線の消耗戦を見極めて2コーナーから踏み出す。目の覚めるようなまくりで渡邉が快勝した。
 「メンバー的に昨日(1走目)と同じようになると思って、手応えがあって走れた。ジャン前の踏み出しに遅れると、そのあとが厳しいので良かったです。(脚は)いいと思います。落ち着いて走れていますね。レースの緊張感はないけど、昨日、今日の結果で自分に期待をしてしまうので、プレッシャーをかけないようにしたい」
 渡邉の加速に遅れ気味になった菊地圭尚だったが、スピードの違う渡邉に吸い込まれるように4車身差で流れ込んだ。
 「いつも通りに(渡邉)一成のタイミングっていうレースだったけど。離れてしまった。一成の状態はいいと思う。自分は物足りなさが残る。ナショナルチームの選手が多くて、いい緊張感で走れた」

3R

選手の写真です。
北津留翼選手
 周回中は5番手にいた北津留翼(写真)は、青板4コーナーで前受けの深谷知広が誘導との車間を空けながら上がると内を進出。赤板手前で先頭に出る。上昇した山口拳矢を警戒するように、北津留がじわりとペースを上げて先行態勢に入る。山口が4番手で、6番手の菊池岳仁が打鐘から仕掛ける。北津留も誘導を交わして逃げる。北津留が突っ張り切り、菊池は不発。最終2コーナー手前から深谷が仕掛けるが、北津留もスピードに乗せて駆ける。深谷は北津留ラインを脅かすまでに至らず、小倉竜二を振り切った地元の北津留が1着。
 「(赤板前に)みんな上に上がっていて、内へ差し込んでしまった。それで前までいかないとなって。どうしようかなって思ったら、(山口)拳矢君が(4番手の位置に)降りたので先行していいんですかって感じだった。もう腹をくくっていこうかなと。(ラインが)3車だったので、後ろはお願いしますって感じで踏んでいきました」
 上がりタイム11秒1の逃げ切りに、すんなりマークの小倉竜二も流れ込みまで。
 「内が空いて誘導も残っていたので、(北津留は)練習みたいな感じでいいペースで駆けていきましたね。ヨコまでこれる感じじゃなかったですし、来たら止める準備はしていましたけど。抜けたら良かったんですけど、全力でいって抜けていないんで強かったですね」

4R

選手の写真です。
清水裕友選手
 赤板1コーナーで押さえて出た阿部将大は、そのまま緩めず踏んでいく。清水裕友(写真)は、九州勢に続くようにすんなりと3番手を確保する。一本棒の8番手から眞杉匠が、打鐘3コーナーで反撃に出る。6番手の坂本貴史も合わせて出て最終周回へ。坂本が迫り、逃げる阿部の番手の瓜生崇智は2コーナー過ぎから出る。瓜生に続いた清水が直線で抜け出した。
 「(自分が)そのまま(九州勢)を切って、眞杉君が来るかどうかと思った。そしたら阿部君がブンブンいってたんで、3番手に入ってからになった。先に仕掛けられたら良かった。でも、瓜生君も動いていたし、自分自身は脚がフワフワして落ち着かない感じがあった。瓜生君のハコまくりで展開向いたけど、脚がフワフワする感じがある。1走目よりは力が入る感じで、良くなってはいる」
 果敢に攻めて主導権を握った阿部の心意気をムダにすることなく、瓜生崇智が番手まくりを打った。
 「阿部君が切って、(別線を)出させるかは任せていた。(そのままペースを上げて先行した)阿部君の熱い気持ちに感謝したい。(最終)ホームで坂本(貴史)さんが見えて、(清水)裕友も仕掛けてきたのが見えたので、行かせてもらいました。脚の状態は悪くない。番手から出られて、2着まで残れているんで悪くないと思います」

5R

選手の写真です。
守澤太志選手
 赤板2コーナー手前で地元の岩谷拓磨が主導権を握り、単騎の野田源一が3番手に続く。松井宏佑は後方で構えることなく、すかさず仕掛けて出る。打鐘過ぎから岩谷と松井の主導権争いになり、松井が意地で叩き切る。野田は切り替えるように、最終2コーナーからまくる。守澤太志(写真)は、野田を張りながら、松井の余力を確かめるように早めの追い込みで勝ち切った。
 「松井君がしっかり行ってくれたけど、岩谷君も先行意欲があって、出切るのに脚を使って厳しかったですね。岩谷君が引いてくるか、見ていてた。気づいたら(野田が)横に来ていて、止められなくて番手から出る形になった。申し訳なかった。今日(2走目)から新車にしたけど、イマイチなので、調整をしたい」
 単騎の野田源一は、松井と岩谷の決着がつくと十八番のまくりを披露した。
 「(岩谷は)いいペースで踏んでいたし、まだ来ないと思っていた。そしたら思ったよりも(松井の)巻き返しが早かった。ペースになってから余裕があったので、(松井に)行かれたあとの対処を考えていた。野原君が来るとかぶってしまうので、詰める勢いで行った。けど、山を乗り越えられなかったですね」

6R

選手の写真です。
森田優弥選手
 吉澤純平の当日欠場で8車立て。松本貴治、渡邉雄太の順番で出ると、関東1人になった森田優弥(写真)が南関勢に続いて3番手に入る。渡邉の主導権。6番手の新田祐大はタイミングを取り、詰める勢いで打鐘4コーナーから仕掛ける。松谷秀幸のけん制を乗り越えた新田が、最終バックで出切る。森田は脚をためて、3コーナー過ぎからまくり気味に追い込んで突き抜けた。
 「(吉澤純平が欠場と1人になったが)直前まで考えず、体は動けると思っていた。初手だけはあそこ(南関勢の後ろ)の場所と決めていました。普段、動いている分、脚はたまっていました。松谷さんの内へいくか、でも新田さんは乗り越えると思ったので冷静に見ていました。脚の感じは1走目よりも良かったです」
 森田には交わされた新田祐大だが、渡邉の抵抗をねじ伏せるロングまくりの内容は悪くない。
 「たぶんこうなるだろうっていう感じで、あとはタイミングだけでしたね。自分のなかでというか、みんな行かないだろうなっていうところで行っちゃった。(最終)ホームを目掛けて行く感じだったんですけど、もう1個手前か、もう少しあとか。ちょっと待ちすぎちゃったんですけど、気持ちが先に出てああいう形になりました。タイミングはさておき、先頭には出られたので良かったと思います」

7R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 7番手から上昇した吉田拓矢(写真)は、山田諒の突っ張りを察知し、赤板1コーナーで3番手の犬伏湧也をキメて中近勢の後ろに入る。和田真久留が6番手で、8番手まで引いた犬伏は打鐘から踏み込む。山田庸平が連結を外して、一人で出切った犬伏に吉田は俊敏にスイッチする。後方から敢然とまくった和田は、吉田マークの成田和也がブロック。吉田が追い込んで1着。
 「(周回中は)前はないっていう作戦で組み立てていたんで、前以外ならどこでも良かった。(山田諒が)突っ張る雰囲気だったんで、あそこ(3番手)に降りた。そのあとは(犬伏が)1人っていうのも確認できたんで、ああなりました。(番手に切り替えて)余裕があったんで、(仕掛けて)行ければ良かったけど大事にいきすぎました。(最終)バックで(犬伏が)流してたんで、(和田)真久留さんも来てたのかと。体の方は問題ない。(1走目のあと)自転車を少しだけいじって、それでさらにいい方向にいった」
 最終2センター五十嵐力、山田庸がインを突く。成田和也は瞬時の判断で内を締め込んで、中のコースを伸びた。
 「山田(諒)君が前を取れば、ああなるだろうなと。あとはどこから犬伏君が来るかなって。自分はしっかりと吉田君を見て走れている。本当は外を踏みたかったけど、(最終2センターで)内に入ってきた選手がいた。それで中を割るような感じになってしまった。(1日空いて)初日よりだいぶいい感じで臨めました」

8R

選手の写真です。
山田久徳選手
 結果的に前受けになった脇本雄太が、赤板前から誘導との車間を大きく空ける。坂井洋を突っ張り、脇本がそのまま先行態勢。坂井は、和田健太郎に迎え入れられて6番手に入り打鐘を迎える。坂井が、再度4コーナーから襲い掛かる。最終1センター過ぎに山田久徳(写真)が、坂井を張って阻む。坂井は3番手に降りて、神田紘輔に踏み勝つ。別線に出番はなく、脇本と山田の勝負。最後は、山田が差し切った。
 「脇本に付いていって抜けたのは自信になる。赤板前に突っ張る雰囲気があったので仕事をしようと。(坂井を)もっていった時に離れかけて焦った。(一次予選の2走は)人の後ろですけど、脚の感じは悪くない。(最終)バック目がけてすごかったし、坂井をもっていくときに口が空いたのでそこは修正をしないと」
 一次予選1では3着に敗れた脇本雄太は、突っ張り先行で別線に隙を与えない。山田の交わされての2着も、ラインでのワンツーで力をアピールした。
 「阿部(拓真)君のスタイルがどうあれ、中団は好ましくなかった。それで前受けでと。(突っ張ったところは)ここで引いても間に合わないと。(状態は)自分のなかではどういう判断か、下せない。(脚の感じも)自分の思ったレースではないので、わからない」

11R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 児玉碧衣(写真)が、4番手で打鐘を迎える。6番手にいた柳原真緒を警戒しながら、前の3車を射程圏に入れてタイミングを計る。妹弟子の尾方真生が風を切り、児玉は最終1センターから満を持して発進。次元の違う加速で合わせる鈴木美教をあっさりとらえる。後ろからまくりで迫る柳原だが、並ぶところまではいかず、そのまま児玉碧衣が優勝。3年連続でトライアルを制した。
 「めちゃめちゃうれしいの言葉しか出てこない。優勝すると、本当に気持ちがいい。大きいレースをなかなか勝てなくて、ガッカリさせることが多かったけど、有言実行の完全優勝ができてうれしい。ヤナギ(柳原)は半周勝負と思っていました。やっぱり一番警戒していた。前が駆けてからは、(尾方)真生も自力があって、(山原)さくらさんも強いので、ヤナギの動きよりは、前に踏むだけだった。ヤナギの前輪が見えて、意地になって踏みました。音も聞こえたし、自転車も見えた。前に出切れてからは、あとは抜かれるか、抜かれないか。抜かれたたら、また練習をしようって。やっと本来の自分のフォーム、踏み方に戻ってきている。不安は今日(決勝)で取り除けた。元女王っていうのは聞き飽きたので、(グランプリ優勝で女王に)返り咲けるように」
 6番手の柳原真緒は、ラストの一撃にかけてじっと我慢。最終3コーナー過ぎに児玉をとらえにいったが、合わされて2着。力差を痛感した。
 「あの位置は思った感じで想定内でした。初日、2日目と児玉さんは自分以上の強い走りだったので、早めに仕掛けるっていう選択肢はなかった。追いかける感じになったけど、思ったより、青木(美保)さんも内に残っていました。吸い込まれる感じだったけど、ああいうところは自分が弱い。児玉さんが強くて、自分は弱い。それだけですね」
 尾方の先行。鈴木美教は、思惑通り2番手。V獲りの2角まくりで“決め打ち”に出たが、後続にのみ込まれて3着。
 「想定通りすぎて、めちゃくちゃ緊張しました。(最終)2コーナーでは行くって決めていた。出なくても、行こうと。先に仕掛けて、その上を行かれたので、力不足でした。連日、差しだったので、今日(決勝)は強い人より前にと思っていた。悔しいは悔しいけど、やることはやりました」

12R

選手の写真です。
佐藤水菜選手
 連日、圧巻のレースを披露していた佐藤水菜(写真)は前受け。打鐘3コーナーで太田美穂を送り出して、佐藤は2番手に入る。今度は5番手の梅川風子が、最終ホーム手前からアタック。梅川のスピードを冷静に見極めた佐藤が、梅川を追いかける。さすがのスピードを披露した梅川だったが、佐藤が車間を詰めながら直線の入口で並びかける。抜け出した佐藤が、3連勝で優勝。地元、平塚のグランプリチケットをワンチャンスで手に入れた。
 「(このトライアルを優勝した)2年前と変わらず勝ちたいっていう気持ちでした。(ナショナルチームでの活動もあり、競技で実績も残して)激動の2年でした。この大会で優勝しないと、グランプリの出場権がなかったので勝たなきゃいけないっていう気持ちで挑んでいました。(勝てて)素直にうれしいです。正直、どの位置でもキツいレースだって思ってた。極力脚を使わず、冷静に考えられる時間が長く欲しかった。それで(周回中は)前にいきました。太田(美)選手の少しあとに、梅川選手が駆けているのが見えた。梅川選手に切り替えて後ろを警戒して、行けるところで行きました。みんなが来ているのもわかったので、前を譲らないように必死でした。12月8日が前検日の別府を走って、ちょっと練習してグランプリっていう感じです。明日から、別府、グランプリに向けての練習が始まる。(競技では)パリオリンピックでケイリンで金メダル獲ること。どの種目もですけど、チームスプリントで表彰台にのることを目標に頑張っています」
 6番手の小林優香は、前の梅川の仕掛けに反応できない。結果的に自分で踏み上げる苦しい流れになったが、太田りゆに踏み勝ち2着で底力を見せた。
 「初手は、理想の位置でした。(太田)美穂さんが先に仕掛けて、彼女(梅川)が仕掛けた時に待ってしまった。そこがひとつの敗因かなと。キツい位置から2着まで来られたので、(最終)ホームの仕掛けで(付いていって梅川の)番手に入れていればおもしろかった。この状態のなかで(3日間)232着は、ある程度まとめられた。来年は、この時期(トライアルが始まる前)にグランプリを決めていられるようにしたいです」
 最終ホームで7番手の太田りゆは、最終2コーナーから外を仕掛ける。佐藤は遠かったが、小林優に迫る3着。
 「前の様子が全然わからなかった。落ち着いて行けるところから、自分は自分の仕掛けをしようと。優勝こそできなかったけど、納得はしてます。3日間、いいレースができたし、競輪選手としてステップアップできた。みんな強かったなかで、あんだけできたのは実りのある開催だった」

6R

選手の写真です。
浅井康太選手
 渡邉雄太、山崎芳仁の順番で切って出て、先頭に立った山崎はペースを緩める。タイミングを取った6番手の伊藤颯馬が、打鐘3コーナーから仕掛ける。最終ホームで九州コンビが出切り、続いた浅井康太(写真)と飛び付いた山崎で3番手が併走になる。後方からまくった渡邉が一歩ずつ前団に迫ると、逃げる伊藤の番手の小川勇介が3コーナーから前に踏み込む。山崎との併走で直線を迎えた浅井が、鋭く伸びてゴール前で小川を交わした。
 「スタートは、誰が前にいっても中団からって考えてました。伊藤君は先行力があるので、そのラインを選んで前に入れた感じです。(伊藤が仕掛けたあとは)3番手を取りにいくっていうレースを想定していた。(山崎との併走になった)あそこが勝負どころだった。自分も引けないし、直線勝負にもっていけたのが大きかった。(最終)1コーナーで併走したくらいで、しっかりとまくりにいけば良かったけど。伊藤君も掛かっていた。それで外併走で勝負して、(小川)勇介を見ての判断でした。脚の感じは少し良くなっています」
 最終ホーム手前で伊藤が主導権を奪取。地元の小川勇介は、後位の併走、さらに後ろから襲い掛かる渡邉との間合いを取って追い込んだ。
 「(伊藤が)気持ちの入ったレースをしてくれました。浅井が見えて、あとは渡邉君だけ注意しながらだった。あんまり早くいきすぎても、後ろを連れてくるんで難しい判断だった。ちゅうちょしたら食われるくらいのメンバーだった。(伊藤が)あそこまで連れていってくれたら、勝ち上がらないと。(ゴールした時には)感じは2着だったし、出し切れたんで悔いはなかった。着通り、(調子は)しり上がりです」

7R

選手の写真です。
山田庸平選手
 押さえて待っていた山口拳矢の上を、岩谷拓磨が打鐘過ぎに出て先行策。岩谷がダッシュを利かせて駆けて、3番手の山口は車間が空いて最終ホームを通過する。5番手に入っていた岩本俊介は、バック手前からまくる。番手絶好の山田庸平(写真)が、岩本にかぶる前に踏み込んで直線で抜け出した。
 「(岩谷が)出切るまでに、脚を使っていなかったですね。(岩谷は)掛かっていました。自分に余裕がなくて、いっぱい、いっぱいで、前に踏むしかなかったです。初日、昨日(2走目)よりも良かったと思います。だいぶ戻ってきているなって感じです。ここまできたら、なるようにしかならないですけど、頑張ります」
 番手まくりの山田には並べなかった岩本俊介だが、ゴール前で強襲する後続を振り切って2着を確保した。
 「山口君に切らせて、前から3つ目(のライン)でしたけど、仕掛けて良く車が出たなって感じです。詰まったところで行けたのは良かったです。感覚的にもベストのところで行けたと思います。一次予選(の2走)は我慢のレースが続いたんですけど、今日(4日目)は外を踏んで伸びているなっていうのがあった。最後も踏ん張り切れたので良かったです」

8R

選手の写真です。
香川雄介選手
 犬伏湧也の上昇に中団から小松崎大地もアクションを起こすが、前の和田真久留も踏み上げる。犬伏ラインが押さえてペースを握り、4番手を和田がキープする。一本棒の7番手の小松崎が、打鐘3コーナーから反撃に出る。犬伏が合わせて最終周回。番手に降りた小松崎だったが、香川雄介(写真)が守り切る。2コーナー過ぎからまくった和田は、浮いた小松崎のあおりもあり届かない。逃げる犬伏を利した香川が追い込んで1着。2場所連続での落車で満身創いでの今シリーズだっただけに、自然と笑みがこぼれる。
 「(犬伏は)強かったし、キツかった。とらえられるか、わからなかったけど、ギリギリでした。(前回も落車しているが)ここに来て良かった。痛みはないです」
 四国ライン3車で上位を独占。2着に流れ込んだ橋本強が、準決に進んだ。
 「(犬伏が)小松崎さんを合わせてくれて、僕は(佐藤)慎太郎さんとの勝負と。そこをしのげてなんとか伸びた。犬伏も内でいっぱいそうだったので、外を勝負と。目いいっぱい踏んだ。昨日(走らなかった3日目)の1日で、体が軽くなったので大丈夫だと」

9R

選手の写真です。
北津留翼選手
 坂井洋が、赤板1センターで古性優作を押さえて出る。そこを仕掛けて、打鐘過ぎに出た北津留翼(写真)が主導権。坂井は飛び付いて、園田匠をさばいて番手を奪う。逃げる北津留に坂井、成田和也、古性で最終ホームを通過する。2コーナー手前で4番手の古性がまくるが、坂井が空いた車間を詰めて、古性と成田がからむ。3番手で両者が大きくもつれて、直線は前の2人の勝負。詰め寄る坂井を振り切った地元の北津留が逃げ切りで連勝を飾った。
 「(周回中は)前以外で中団から展開が組み立てられたらいいなと。それで1回叩こうと。坂井選手に本気を出されたら合わされると思って、ドキドキしていました。出させてくれたんで逃げようと。昨日(2走目)はドカンと行って回す感じだったけど、今日(4日目)は要所、要所で加速しないとなっていう感じでした。(調子の方は)あんまりいいのか、わるいのか、わかりません」
 持ち前のダッシュを利かせて、遅れ気味の園田を打鐘の2センターで張った坂井洋が、北津留の番手を奪い絶好のポジション。直線で交わしにかかるも、北津留の強じんな粘りに2着。
 「今日(4日目)は番手にハマったのに差せなくて、悔しいですね。(北津留が来るのが)早ければ出すことも想定していた。遅ければタイミングでと。中途半端だったんで、そこ(番手飛び付き)しかないなと。(自分が番手を踏み勝って)北津留さんもペースに入れてたんで、行った瞬間に合わされるだろうし落ち着いてと。脚の感触はいいと思います」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 渡邉一成に併せ込まれた深谷知広が、赤板過ぎに8番手まで下げる。3番手に入った渡邉は、インを進出した松浦悠士(写真)と同時に仕掛けて打鐘で主導権。深谷の巻き返しは不発。北日本3車を受けた松浦は、外に浮いた南関勢にかぶる。そこを最終2コーナーで野田源一がまくる。中本匠栄は連結を外して、野田は1人。コースが開けた松浦が野田にスイッチして、横一線のゴール勝負でわずかに前に出た。
 「相手なりに展開は、つくれたのかなって思います。和田(健太郎)さんが降りてきたので入られないようにしていたら、踏んだりやめたりで脚はたまらなかった。(その前に)渡部(幸訓)さんが遅れて来たけど入れてしまったのが反省点ですね。(最終)2コーナーから行こうと思って準備はしていたんですけど。慌てて踏もうとしたので、スムーズさはなかったですね。(1着まで届いている感覚は)全然なかったですね」
 浮いた深谷の外をまくり、ロスのあった野田源一だったが、和田圭のブロックをこらえて直線でも伸びた。
 「思った展開ではなかったですけど、どういう展開になっても力を出すことには変わりはなかった。渡邉君がヤル気だったので、自分的にはいい展開になりました。行けるかどうかはわからなかったですけど、行くしかない感じでした」

11R

選手の写真です。
杉森輝大選手
 誘導を残したまま、脇本雄太は早めに8番手まで下げる。眞杉匠が先行態勢に入り、4番手に隅田洋介、山崎賢人は6番手の一本棒。眞杉は打鐘2センターから徐々にペースを上げて駆ける。最終2コーナーで隅田がまくりを打つ。杉森輝大(写真)は、3コーナーで隅田を張り、脇本はまだそこでも8番手。大外強襲の脇本は届かず、杉森が追い込んだ。
 「山崎君、隅田君が仕掛けてくると思って、車間を空けていたんですけどね。(眞杉が失格で)素直に喜べない。初日、2日目と体の課題があって、それを修正ました。もう少し道中で余裕をもちたいですね。ペダリングを修正したい」
 まくった隅田が阻まれると、岩津裕介は冷静にコースを探して2着に伸びた。
 「誘導を使っての先行で眞杉は強いし、いいペースのなかで(隅田は)よくあそこまで行けたなと。(前回の京王閣で落車したあとで)状態は良くないけど、隅田が頑張ってくれてチャンスがでた。(隅田の頑張りが)うれしかったですね。初日、2日目としんどいレースで、(3日目に)1日休んで状態は少し戻った。ラインに恵まれていますね」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 単騎が3人いて、実質的には北日本と関東の3車ラインのバトル。北日本勢が前団に構える。5番手の森田優弥は青板前から動き出して、誘導後位の新山響平に体を並べる。赤板過ぎのダッシュ勝負は、インの新山が踏み勝ち先頭を譲らない。周回中から4番手にいた郡司浩平(写真)が、そのポジションをキープする。5番手から最終ホームで森田が再発進。森田は1車しか進まず、浮いた2コーナーで接触した吉田拓矢が落車。2コーナー過ぎから郡司がまくり、、番手から新田祐大も出る。守澤太志に当たられながらも、新田を追った郡司がゴール寸前でとらえて1着。
 「1番車だったので、先手ラインの後ろと思ってました。新田さんがスタートを取ったので、それで(北日本勢の)後ろだなと。(周りが)早めに動いたので、ドキドキしながら見てました。少しでも隙を見せると入られたり、しゃくられたりしてしまうので、入られないようにと。あとは4番手でどこから仕掛けるかでした。森田のタイミングだったり、落車もあってタイミングとしては、いいタイミングじゃなかった。でも、あそこで仕掛けないと1着はないし、判断は良かったのかなと。(新田に合わされて)守澤さんにだけもってこられないように。(最終)3コーナーから休みながら、あとは新田さんとの勝負かなと。(3走して)感触としては、良くも悪くもないけど。結果が出ているので、いいクスリにはなりますね」
 新山が関東勢を突っ張り、新田祐大が後続との間合いを取る。番手まくりで郡司に応戦したが、勝ち切れずにこう振り返る。
 「若い選手たちのヤル気を感じたレースだった。新山君は連日いいレースをしている。末脚もいい感じだったので、いいところまで勝負してくれるだろうなと。新山君の掛かりも良くて、うまくゴール前勝負までもっていけるかなと。バシャンって(落車の音が)したんで確認した時に郡司君が来たのが見えた。それで焦って踏んでしまった。末脚がなくて、ゴール前差し込まれた。新山君が頑張ってくれたのに、結果につながらなかった」
 最終2コーナーの落車にも冷静に対処した平原康多が、内に進路を取って郡司の後ろに入る。まくった郡司を追いかけて外を踏んだが、その前の脚力消耗が響いて3着まで。
 「関東勢としては、ちょっと後味が悪い感じになってしまった。(事故が起こりそうな)感じはしました。3周前から外併走だったんで、自分もだいぶ脚が削られてからの勝負だった。落車を避けて、だいぶいっぱいでした」

4R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 赤板の2コーナー手前で石原颯が、主導権を握る。打鐘では4番手で嘉永泰斗と松井宏佑が併走になり、野原雅也が後方で脚をためる。外併走の松井は、2センターから再アタック。さらにその上を野原雅也が一気にまくる。最終2コーナー手前で野原が逃げる石原をとらえるが、坂口晃輔は遅れ気味。切り替えた渡部哲男(写真)が、離れながらも追いかける坂口に続く。野原が直線半ばで失速して、渡部が外を突き抜けた。
 「(石原は)走る前からすごい先行意欲だったので、松井君と2周をモガき合いになっても、僕も腹をくくらなきゃって思ってました。1周以上駆けたあとに松井君を合わせたんで(石原は)強かった。野原君はかぶっていたところで対処ができなかった。久米(良)君のおかげで、3番手に入れたんで、行けるところまでと思って踏みました」
 野原のダッシュに置いていかれた坂口晃輔は、直線の入口で追いついて踏み込むも、渡部に交わされて2着。息を整えながら、こう振り返る。
 「すごい掛かっているところで、(野原が仕掛けて)あのスピードで追走しきれなかった。限界でした。下手な追いかけ方になってしまいました。(渡部)哲男さんを楽にして、連れてきてしまった。野原君に迷惑を掛けたらアカンていう思いで踏んだら、意外と追いついた。余裕がなかったですね」

7R

選手の写真です。
深谷知広選手
 押さえて出た山崎賢人が主導権を握り、3番手に単騎の諸橋愛が続く。4番手が宮本隼輔と山口拳矢でもつれたところを、打鐘手前から深谷知広(写真)が仕掛ける。山崎が合わせてペースを上げて、深谷は落ち着いてスペースができた4番手に入り最終周回を迎える。8番手の山口が2コーナーでまくりを打つ。深谷は車間を詰めながら、山口に合わせてまくり追い込む。山崎目標から追い込む瓜生崇智をとらえた深谷が1着。
 「先行しようと思っているんですけど、1個1個、反応が遅れてしまっていますね。普段なら見ない内のスペースを見てしまっていますし…。(まくりは)後ろは気にせず行ったんですけど、本来なら(最終)バックを目掛けて行かないとなんですけど。反応が遅れていますね。ガムシャラに踏んだので伸びていっている感覚はない。でも、そのなかで1着を取れているんで、体の仕上がり自体は悪くないと思っている」
 8番手からまくった山口拳矢は、合わされたものの佐藤慎太郎のコースを塞ぐように中のコースを伸びた。
 「(打鐘手前では)隊列が短かくなってしまったので、ここで深谷さんに行かれたらヤバいと思って整えようとした。けど、結果的には粘るべきでした。連日、仕掛けられていなかったので、しっかりいこうと。深谷さんもまだ踏んでいなかったので、いいところまではいけるかなって。(佐藤)慎太郎さんもギリギリだったので見ながらでした」

9R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 周回中は4番手に位置した脇本雄太(写真)だったが、南関勢の上昇に早めに引いて7番手で態勢を整える。渡邉一成も、脇本を警戒しながらペースを握る。脇本は、赤板2コーナー過ぎからスパート。渡邉が持ち前のダッシュで懸命に合わせるが、脇本がねじ伏せてとらえる。3番手の村田雅一は続けずも、東口善朋が流れ込んで近畿ワンツー。脇本がシリーズ4走目にして白星を挙げた。
 「早い段階で7番手に構えられたのがポイントだった。(渡邉)一成さんとのダッシュ勝負は分が悪いので、地脚で乗り越えようと。乗り越えられたのは大きかった。できるだけ早く(前のラインを)通り過ぎたかったけど、一成さんのダッシュがいいので、外にいる時間が長かったのが反省点ですね。(ラインの東口と)ワンツーだったので、最低限、戦えているかなと」
 前団のあおりもあり、マークした東口善朋にとっては厳しい流れになったが、脇本のロングまくりに連結を外すことはなかった。
 「(脇本は)どこから仕掛けるのかっていうのはあったけど、しっかりと食らいついていこうと。(脇本は)とんでもないスピードだったし、何度も踏み返すので、これまでの経験が生きた。ずっといいピッチだったので、交わせないと思ったけど、しっかりと付いていけた」

10R

選手の写真です。
荒井崇博選手
 赤板過ぎに中団の松浦悠士から切って出て、その上を吉田拓矢が押さえる。荒井崇博(写真)は、茨城勢を追走して3番手。一本棒の7番手で新田祐大は動かず、吉田のペースは上がらない。打鐘4コーナーで踏み込んだ新田はインを進出。合わせるように松浦は、最終ホームから仕掛ける。1センターで吉田、松浦、杉森輝大が接触して3人が落車。荒井は狙いすましたインまくりで先頭に立ち、落車を避けた新田もまくり上げる。しかしながら、荒井が合わせ切って、そのまま押し切った。
 「もうあれしか狙っていなかった。先手(ライン)に付いていって、(最終)1コーナーで空けって。完ぺきに決まりましたね。もうそれしか勝つ方法が思いつかなかった。空かなかったら終わっていましたけど。もう出切ってからはわけがわからなかった。ゴールがどこだっていう感じでした」
 荒井に合わせられた新田祐大だったが、アクシデントもあり後ろの成田和也も車間が空く。荒井後位に入り直すように新田は2着に入った。
 「松浦君が押さえに来て、その上を吉田君が行ったんですけど。自分のなかでタイミングを見すぎてしまった。ああいう展開にしてしまったのかなって思ってます。行くべきところで行けなくて、マズいと思って焦って内へ行ってしまった。落車は避けられましたけど、普通なら詰まってしまうと。後ろには迷惑を掛けました。とりあえず落車を避けることに集中して、絶対に(荒井を)抜きにいってやろって思った。けど、荒井さんが伸びていきましたね。(自分も)悪くないはずなのに、荒井さんの仕上がりがすごい」
 新田同様に内に避けた成田和也は、新田に離れながらも前に踏み込む。直線では新田を8分の1輪まで詰めて、3着で決勝に進んだ。
 「(新田が)引き切っていつ行くのかなって感じで見てましたけど、(最終)ホームで内にすごいスピードで行った。閉まってしまったらどうなるんだろうなって思いましたけど、そこまでは冷静に見ていました。ちょっと落車を避けたところでバックを踏んだので、新田君と車間が空いてしまった。必死に追い掛けたんですけどね」

11R

選手の写真です。
山田庸平選手
 赤板を迎えても隊列に変化はなく、7番手の新山響平は1センター過ぎからカマしを敢行する。新山がスピード良く出切り、守澤太志、菊地圭尚も続く。山田庸平は4番手に飛び付いて、最終ホームを通過する。郡司浩平(写真)が、6番手から1センターでまくる。逃げる新山の掛かりもいいが、郡司が守澤のけん制を乗り越えて直線で新山をとらえた。
 「(山田)庸平さんが前に出たので、(自分に)切らせない作戦だなと。同型ですし。赤板で(新山が)来ていなくて、思い切って切るか、どうかだけでした。あの位置なら庸平さんが踏むだろうなと。いい組み立てとはいえないなかで、(最終)3コーナーの前に行き切りたいとあそこから仕掛けた。(今シリーズの)4走で(準決の)今日が一番感触が良かった。出脚が良かったので、守澤さんにもってこられても交わせるようにと。その分、岩本さんがからまれて引き連れられなかったのは、力量不足ですね」
 郡司に続いた岩本俊介を守澤がブロック。新山響平は2着に粘り込んで、準Vの昨年に続いて3度目の競輪祭ファイナルのキップをつかんだ。
 「後ろ2人のおかげで決勝に乗れた。(出脚は)あんまり良くなかったけど、踏み切れた。鋭いダッシュはないので、上の方を走って守澤さん、(菊地)圭尚さんは付いてきてくれると。結構、踏めてたから(郡司がまくりに来た時は)守澤さんの番手まくりかと思った(笑)。そしたら郡司さんでメチャクチャ強かった」
 守澤太志は、新山との間合いを取って郡司をけん制。郡司は阻めずも、岩本を止めて3着。
 「(別線の)飛び付きは思っていて、新山君が(ラインで)出切れるようにしっかり踏んでくれた。郡司君は強いし、最悪、行かれても岩本さんをさばこうと思っていた。圭尚さんもいい仕事をしてくれてありがたい。ああなったら、2人で上がらないと。差せないのは力不足。(脚は)日に日に良くなっていると思う」

12R

選手の写真です。
小原太樹選手
 前受けの坂井洋が、清水裕友の上昇を阻んで突っ張る。突っ張られた清水は、4番手の外で北津留翼と併走して打鐘を通過する。レースを支配した坂井は、落ち着いて別線の動向を見極める。清水が2センターから踏み込んで、坂井はペースアップ。最終ホームで清水は平原康多をキメにかかるが、番手は平原が守る。バックで清水は力尽き、北津留は香川雄介にかぶったまま。最後方から園田匠がまくるが前は遠い。直線は坂井を含めたライン3人の勝負。3番手の小原太樹(写真)が、前の2人を僅差でまとめて交わした。
 「(2度目のGI決勝進出は)うれしいですね。(坂井は)全然、同地区でもないのに、突っ張って先行してくれて展開が向きました。3番手は正直、厳しいかなと思ったけど、(決勝に)乗れて良かったです。(初めてGI決勝に乗った19年と比べて)戦法をチェンジして、また乗れたのは大きいです」
 ゴールは、平原康多を真ん中に挟んで横一線。平原はタイヤ差の2着。
 「(仕掛けて来た清水が自分のところに降りてきて)やっぱり清水は横は強いですね。あとは紫色(9番車の北津留)が見えたら、どれだけできるかと。(ラインで)ワンツースリーでなによりです。(坂井とは)練習もよく一緒にするし、お互いにすごくうれしかった。(脚の感じは)普通じゃないですか。良くなかったら、清水に競り落とされてたかもしれない」
 前受けから別線に一度もハナを譲らなかった坂井洋が、ラインを上位独占に導いてGI優出を果たした。
 「(ビッグ初優出は)うれしいですね。(平原との優出は)めちゃくちゃうれしい。全部、後ろのおかげです。自分はしっかり力を出し切るだけでした。北津留さんが内に行ったのも見えたんで、作戦通りだった。あとは落ち着いて走りました。昨日まで(の3走)は全部人任せで上がってきた。今日(5日目)は自力で上がれたんで良かったです。運良く上がってきた感じのレースばかりです。脚の感じはローラーから軽くて、感触はいいです」