第76回日本選手権競輪は、ゴールデンウイークの5月3日~8日の日程で、いわき平競輪場に於いて開催される。輪界のG1では最も格式の高い大会に相応しく全国各地から強豪が集結。6日間に渡る空中バンクでの覇権争いから目が離せない。
強い脇本雄太が帰ってきた。過度の疲労による腸骨骨折のため、昨年10月から約4カ月の戦線離脱を余儀なくされていた。2月奈良記念から復帰後は勝ち星を積み重ねてはいたものの、Gレースの決勝となると中四国勢の連係の前にしてやられていた。だが、3月玉野記念の決勝では、ついに中国勢の連係を粉砕。ジャンの3コーナーから仕掛けて中国勢に襲い掛かると、番手を回っていた松浦悠のけん制を凌ぎ、更に番手まくりもねじ伏せた。自信も取り戻したはずで、19年の松戸以来となるダービー2V目に向けて視界は良好だ。タッグを組む古性優作は順調そのもの。全日本選抜を制して早々と暮れのグランプリ出場権を手中に収めると、ウイナーズカップは危なげなく決勝に乗っている。昨年は当所で開催されたオールスターで脇本の逃げを差して初タイトルをゲットしており、この再現は大いにありそう。
地元勢は強大な勢力を誇る。中でも新田祐大はワールドクラスのスピードで別線をねじ伏せている。昨年の当所オールスター決勝は、脇本に主導権を握られて不発に終わっただけに雪辱に闘志を燃やす。佐藤慎太郎は相変わらず高いレベルで成績をまとめている。チャンスがめぐってくればものにできる状態だ。成田和也も今年は念頭から伸びがいい。1月大宮記念で準Vと好スタートを切ると、全日本選抜、ウイナーズカップとビッグレースで続けて決勝に乗っている。