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たちかわ競輪

TACHIKAWA KEIRIN

28#

検車場レポート

  • 1/3 Fri.  (前検日)
  • 1/4 Sat.  (1日目)
  • 1/5 Sun.  (2日目)
  • 1/6 Mon.  (3日目)

1R

 昨年12月の松戸FIでは上々の動きを見せていた佐々木豪だったが、その後はアクシデントに見舞われ1カ月近くを棒に振った。
 「松戸は調子が良かったんですよね。そのあと陸トレ(陸上トレーニング)をやってたら足のスネをぶつけてしまった。状態としては7割くらいだと思います。(自転車に乗ってると)まだ違和感があるんですけど、松戸の時は仕上がってたんで、その気持ちでいきたい」
 前期A級でもケレン味のない仕掛けを披露していた佐川翔吾が、S級にカムバック。
 「それほど結果が出なかったけど、(A級では)いろいろやれたと思います。A級では勝ちたいというよりも、もっと上(のクラス)で戦うことを意識してやっていた。成績が出ればいいけど、自分では成績以上に(感じが)いいかと思います」

2R

選手の写真です。
佐藤博紀選手
 佐藤博紀(写真)は昨年11月の久留米FIの最終日に落車。前回の大宮FIの922着が復帰場所だった。
 「そこまで状態が悪くはないと思うんですけど、まだ戻り切ってはいない。練習はほとんど室内ですし、(冬場で)この時期をしっかりとしのぎ切っていきたい。体調的には問題ないですね」
 前回の小倉FIを683着の村上直久は、一次予選のメンバーをにらんで力を入れる。
 「前回は展開もあるんで、自分では(成績を)そんなに気にしてない。ちょっと腰が心配で、練習は軽めにやってきました。(一次予選は)もっとキツいメンバーに入れられるかと思ってたんで頑張りたい」

3R

選手の写真です。
柴田洋輔選手
 昨年ラストは伊東記念を67着で途中欠場と不本意に終わった柴田洋輔(写真)が、地元シリーズに気持ちを切り替える。
 「前回はちょっと気持ち的に折れたところもあった。それでここでしっかり仕上げようと。いろいろといじって、自転車も前に使っているのに換えた。自転車の流れが良くなって、マイナスにはなってない。地元記念だし、(今期)一発目だから気持ちを入れて」
 九州ラインの先頭を務める津村洸次郎は、前回の小倉FIの351着の状態を維持しているようだ。
 「(前回から)普通に練習して少し休んだ。変わらずに悪くないと思います。(一次予選は)後手を踏まないで、積極的に行こうと思ってます」

4R

 昨年の競輪祭では5走連続のシンガリに沈んだ近藤隆司だが、その後は別府記念、松山FI、前橋FIの3場所で4勝をマークした。
 「去年はいろいろ考えてしまったり、筋トレで怪我をしたり、自分で悪くしてしまったところもある。そういうのをなくしていきたい。(前回から)地べたで乗ってないんで、その分がどうかなっていうのがあります。ただ、痛めていた首と腰がだいぶ良くなって不安感がなくなった」
 前々回の広島記念を決勝進出の3133着、前回の奈良FIでは予選、準決を連勝。福田知也がリズム良く今年の初場所を迎える。
 「(昨年11月の)川崎から自転車を換えたんですけど、それがいいですね。去年は落車して骨折もしたんで、今年はまずは落車をしないように。ここまではしっかりと練習をして休むところは休んできた」

5R

選手の写真です。
吉本卓仁選手
 吉本卓仁(写真)は、前回の武雄FIから2週間以上空いてゆとりのローテで仕上がりも良さそうだ。
 「久々の仕上がりですね、自分では結構手応えがあった。実は自分は回転系だから、(冬場が)苦手ですけど(笑)。紫原(政文)さんが付いてくれるし、頑張ります」
 勝ち星のない直近の3場所では優出も逃している林巨人が、こう打ち明ける。
 「練習はしてるんですけど、結果につながっていかない。思い当たることは、(昨年の)4月から一宮が使えなくなって、それで街道中心に練習を変えた。それですね。練習方法を変えたので良かったり、悪かったりなんですけど…」

6R

 昨年の立川グランプリシリーズを961着だった上原龍は、中3日も前回より状態は良さそうだ。
 「前回は展開もそうだったけど、(12月の佐世保記念の)落車の影響があった感じがします。それでも最終日は自力で1着が取れたし、今回はいいと思う。自信をもっていきたい」
 高橋和也は前回の防府FIを552着。最終日は逃げて2着に粘り込んだ。
 「(防府の)初日、2日目は消化不良だったけど、最終日は次につながりそうな感じがあった。33バンクなりに攻めていって、逃げてっていうのができた。(一次予選はラインが)3車だし、ああいう走りができれば」

7R

選手の写真です。
河村雅章選手
 昨年10月の京王閣記念では1224着。決勝は平原康多と連係した河村雅章(写真)が、ホームバンクの記念に静かに闘志を燃やす。
 「前回は(状態が)イマイチだった。それで無理して走ってもと。そこからは練習して疲れを取ってっていう感じです。重馬場が苦手なんで、毎年この時期は…。ただそういうことも言ってられない。(京王閣記念の)あの時はデキがすごく良かったし、ここは気持ちでカバーですね」
 前回の松山FIでは最終日にまくりで勝ち星を挙げている小森貴大だが、近況の成績は振るわない。
 「ちょっと故障してから良くなかった。それでも少しずつ戻ってきているし、もう練習では全然大丈夫。(一次予選は)積極的に。野原雅也と一緒に練習をしているし、自分も負けずにと思っています」

8R

 01、07年と自身も2度のグランプリ制覇の経験がある伏見俊昭が、同県の後輩、佐藤慎太郎のグランプリ優勝に多大な刺激を受けた。
 「(佐藤)慎太郎は同年代だし、高校の時から知っている。ソツがないし、やっぱり追い込みの技術がすごい。自分もいいモチベーションを保ちつつ、ひとつ、ひとつをしっかりと。それで点数を上げていきたい。直前の練習は悪くなかった」
 機動力を駆使しながらも結果の伴わない近況に猪俣康一が、厳しい表情をする。
 「ついつい攻めのスタイルでいってしまって。いまの僕(の力)を認めないと。いい時はその感覚で仕掛けてもいいんでしょうけど…。なにか考えないと」

9R

 競輪祭後のFIの3場所をすべて優出し、優勝、準Vがそれぞれ1回の山本伸一は、試行錯誤のなかで方向性を見出した。
 「自転車を戻したり、シューズを換えたり、いろいろとやってみた。答えっていうのではないけど、これでやっていこうっていうのはある。(前回から)練習はできた。でも、(年末年始の影響で)ケアの部分でできてないところもある」
 一昨年7月にデビューした佐伯亮輔は、先行主体の走りでS級に舞台を移す。
 「S級ではそう簡単に(先行)させてくれないかもしれない。それでも負けじと先行して、3着以内に残れるように。S級でもそのスタイルは変えないでいきます。自分はチャレンジャーなんで緊張もない。ワクワクしてます」

10R

選手の写真です。
河合佑弥選手
 昨年末のヤンググランプリではV獲りにいった結果7着に敗れた河合佑弥(写真)が、地元記念から20年のスタートを切る。
 「去年は記念で準決までしかいけてないし。GIも出られてない。ひとつ、ひとつレベルを上げるために、まずは記念で決勝に乗れるように。そのためにまずは一次予選。(ヤンググランプリは)自分で動いた結果なんで後悔はしていない。今年はデビュー3年目に入る。学校では3年でいる位置が、自分の位置だって言われてたんで、そこを意識していく。今年は大事な年です」
 「S級に定着したい」と、菅田和宏は機動力を失うことなく、S級に戻ってきた。
 「自分は長い時間休んだし、転ぶ前と比べたらまだ感じが良くない。もうちょっと良くなると思う。いつも通り、(積極的な)戦い方でいきたい」

11R

選手の写真です。
島川将貴選手
 島川将貴(写真)は、直近のFIの2場所をオール連対。持ち前のスピードに磨きがかかり、ゴール前の粘りも増している。
 「練習のタイムがちょっと上がったけど、自分としてはそんなに脚が上がっている感じはない。ただ、自転車の乗り心地は良くなった。そこは乗り方の問題だと思う。最後まで踏み切れている感じがある。点数、着がどうとかより、せっかく練習をしてるんだから力を出してと。それで負けたらしょうがないと思ってます」
 およそ1カ月ぶりとなる大澤雄大の状態はどうか。
 「(前回の)川崎のあと1本、喘息(ぜんそく)で欠場したんですよ。冬で出ちゃったんですけど、そのあとは薬ものんで練習もできた」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 昨年、10度目のグランプリが3着だった平原康多(写真)は、中3日でさらなる進化を求めて、グランプリとは違う自転車で20年を始動する。
 「グランプリではその時のベストと思って、あの自転車を使った。ただ、ナショナルチームの人たちの話を聞いて、自分の固定概念が覆されることもある。単純にタテで速く走るっていうことでは、間違いないことをやっている。だから、そこから得るものを自分がうまく合わせていければと思っている。今回の自転車ももうちょっと良くなると思う」
 昨年は6度の優勝を飾った和田健太郎は、前回の前橋FIでV締め。
 「去年は(優勝で終わって)いい形、申し分ない。GIの決勝も乗って、次は優勝というより表彰台を見据えながら。去年も言ったんですけど、やっぱりFI、GIIIがあって、その次(ビッグ)がある。だからひとつ、ひとつはしっかりっていうのは変わらない」

1R

選手の写真です。
佐々木豪選手
 北日本勢の主導権。7番手の佐々木豪は木村弘がペースを緩めたところを見逃さず、打鐘の2センターから踏み込む。佐々木が木村を叩いて先行策。番手の山中貴雄が楽に佐々木を差し切った。
 「記念の初日の1着は久々ですね。佐川(翔吾)君が(佐々木を)意識してたんで行きづらいかなと思った。でも、(佐々木が)しっかり仕掛けてくれたし良かった」
 怪我明けだっただけに不安もあった佐々木豪(写真)は、自然と笑みがこぼれる。
 「新年一発目だし(ラインでの)ワンツーで十分(笑)。(怪我をする前まで)調子が良かったんで、その貯金ですね。最後まで踏み切れてないけど、(昨年の)調子は悪い時に比べたら良かった」

2R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 打鐘の4コーナーから佐藤博紀が持ち前のダッシュを生かして仕掛ける。逃げる村上直久を最終1センター過ぎに佐藤がとらえて、北日本の3車が出切る。番手の佐々木雄一(写真)が余裕の差し切り勝ち。
 「(佐藤の)一番得意なパターンでやってくれればと思ってた。あれが一番得意なパターンだし、(村上に)踏まれればまくりでもいい。自分は室内でしか(練習を)やってないから寒かったですけどね(笑)」
 ラインでの上位独占に佐藤博紀は、胸をなでおろす。
 「ホッとしました。村上さんが結構、踏んでる感じもあった。(仕掛けて)行きたかったけど、波もあって…。(出切ってからは)僕はキツかったんですけど、(佐々木は)すごい余裕でしたね」

3R

選手の写真です。
山田庸平選手
 打鐘手前で格清洋介が主導権を握り、そのままペースを上げる。フタをされた津村洸次郎だったが、すかさず巻き返して逃げる格清をねじ伏せる。大塚健一郎は離れるが、津村にきっちり続いた山田庸平(写真)が後続との間合いを計り直線で抜け出した。およそ3カ月ぶりの実戦を山田が振り返る。
 「(久々の実戦で)いつもより緊張しました。(津村)洸次郎が行ってくれたし、大塚さんが番手を回してくれて1着が取れた。楽に付いていけたけど、ジャンからのスピードが速く感じました。特別(GI)でもあんなに速かったかなっていう感じだった。(練習は)休まないで1日、1日コツコツとやってました。(2日目の)二次予選Aはメンバーがいいんで、そこでどこまで力を出せるかですね」
 最終2コーナー過ぎに山田の後ろにスイッチした成清貴之が2着。
 「(格清が)すごかった、いい選手ですね。気持ちが伝わってきたし、頼もしい。自分はあれを抜けてたら100点だけど、(2着なので)95点くらいです」

4R

 赤板を目がけて一気にスピードを上げた近藤隆司が先頭に立つ。追い上げた三登誉哲は中団を奪えず、再び7番手まで下げて隊列は一本棒に。中団争いを制した高橋築が最終2コーナーからまくり上げると、福田知也はこれをブロックしながら前に踏む。両者のモガき合いを三登が豪快にまくり切った。
 「ジャンで中団を決め切れなかったのはミス。でも7番手はいつもの位置なので(笑)。しかも前回のグランプリシリーズでVコースがわかっていたので、7番手に下げても落ち着いていました。ブロックに注意して、最終2センターではいけると思った。(記念が)この制度になって二次予選は初めて」
 中団から先にまくった高橋築は、番手まくりの福田に踏み勝って2着。
 「地元で人がいっぱいいたし、しっかり勝ち上がりたいとは思っていた。中団が取れたことで落ち着いていけました。(まくってからは)福田さんが合わせて出てきたからキツかった。去年は二次予選までだったので、今回は準決に上がれるよう頑張りたい」

5R

 後ろ攻めの小嶋敬二が切り、その上を吉本卓仁が切って待つ。正攻法の構えから引いて態勢を整えた鈴木謙二が打鐘で叩いて先行態勢に。すかさず巻き返しを狙った小嶋と鈴木で激しくモガき合う。前団のもつれを吉本が最終2コーナーから豪快にまくって前団をのみ込んだ。
 「本当は前受けが良かったんですけど、中団になったので。切って脚を使ってしまうと次の脚はないかなって。前がモガき合ってくれたおかげですね。きれいに踏み込めていないし加速もイマイチ。今日(初日)は展開ですね」
 吉本に続いた紫原政文が、2着をキープして胸をなでおろす。
 「付いていくぶんには余裕はありましたけど、交わしにいっても出なかった。でも(吉本)卓仁に付け切れたので。首は大丈夫ですね」

6R

 赤板2コーナー手前から踏み込んだ高橋和也が、押さえて出て先行態勢を取る。打鐘過ぎに佐藤一伸が仕掛けるが、高橋は突っ張って逃げる。今度は日野博幸も反撃に出るが、高橋の掛かりがいい。車間を空けた近藤龍徳が直線で迫るが、高橋が二の足で押し切った。2着の近藤は反省の弁。
 「濱口(高彰)さんのところに(佐藤が)降りたのも見えたし、あれでジカ(真後ろから)で来られたらっていうのがあった。それでギリギリまで待ってから抜きにいったけど、(高橋)和也さんに踏み直された。自分も余裕があったんで、もうワンテンポ早く踏んでも良かったかな…。そこはミスですね」
 高橋に突っ張られた佐藤一伸は、最終ホームで濱口をキメて3番手を奪取して流れ込んだ。
 「(高橋と)踏み合いになってもしょうがないと思って、(仕掛けを)見ちゃった。それでああなった。古川(宗行)さんのところか濱口さんのところかと。あとは(最終)3コーナーで無理に仕掛けても合わされちゃうし、(近藤)龍徳が踏み込んだらそれに乗ってと思ってた」

7R

選手の写真です。
小森貴大選手
 後ろ攻めの河村雅章が赤板過ぎに切るが、中団から合わせて動いていた小森貴大(写真)がすかさず押さえて出る。小森との連結を外していた鈴木幸紀は打鐘で内をすくって河村をどかしにかかる。もつれたところを酒井雄多が後方から一気にスパート。最終ホームで叩き切った酒井にマークの荻原尚人は離れて、小森が後位にはまる。追い付きざまに2コーナーからまくった小森が後続を突き放して白星をゲットした。
 「初手の並びを含めて意外だった。それでも自分はしっかり前々に踏もうと。(酒井が)一人できているのは見えていたが、出させようとしてなかったのでそこは反省。明日(2日目)は相手が強くなるのでしっかりと走れるように頑張りたい」
 番手にはまった小森にまくられた酒井雄多だが、2着に踏ん張った。
 「河村さんが(初手で)後方なのはビックリした。出切ってから、(小森が入ったのは)わかったがすぐ行かれてしまったのはショック。誰かが(小森を)追ってくるだろうと思っていたが、踏んでいて良かった」

8R

選手の写真です。
伏見俊昭選手
 才迫開、桜井雄太の順で切って打鐘で緩んだところを逃さずにダッシュ良く巻き返した藤根俊貴が最終ホーム手前から逃げる。後方に置かれた才迫が2コーナーからまくるが、車は進まない。藤根の番手で絶好となった伏見俊昭(写真)が余裕を持って抜け出した。
 「藤根君がすぐに行ってくれたし、強いですね。バックで誰も来る気配はなかったので。前半の掛かりは良かったけど、バックの向かい風を(藤根は)2度も受けてたので、いつも通り(車間を)空けてと思って。しっかりラインで決まって良かった」
 3着の藤根俊貴は自慢のスピードを誇示して、ラインを上位独占に導いた。 「桜井さんが出切ってそのまま踏めば構えたけど、流したのでいきました。スゲー久々のまともな先行をしたからキツかった。バックからの踏み直しができていないですね。意識的にも(体を)使えなかった。でも、今回はこうやって思い切ったレースをしていきたい」

9R

選手の写真です。
山本伸一選手
 佐伯亮輔に合わせて中団から動いた山本伸一を、前受けの藤田大輔が突っ張る。藤田は打鐘過ぎに佐伯ラインを受けて4番手を確保、山本は7番手からの立て直しを余儀なくされる。藤田は動けず、最終2コーナーから山本がまくりを打つ。山本マークの渡辺十夢は、直線で外に持ち出し計ったように僅差のゴール勝負を制した。
 「立川は直線が長いんで、それに救われた。(山本)伸一が強いのはわかってるんで、信じて我慢して踏んだ。人気にもなってたんで、なにがなんでもと。フォームもへったくれもなかった(笑)」
 7番手からの出直しを強いられた山本伸一(写真)だったが、力の違いでラインでのワンツーに持ち込んだ。
 「2つのラインが僕を後方に置くっていう感じでしたね。(7番手になって)とりあえず仕掛けないとっていうのがあった。あれで藤田君が先に仕掛けてくれれば良かったんですけどキツかった。今回みたいな展開をどうしのぐかっていうのが課題だったんで、そこが修正というか、できたのは大きい」

10R

 河合佑弥は初手中団から動かず、後方の菅田和宏が押さえたことで後方に。打鐘前には大きく車間が空いての7番手になるが、そこから詰める勢いで仕掛ける。河合は4コーナーの山降ろしを使いさらに加速すると、最終1コーナーでは菅田を叩き切った。朝倉佳弘が続いてゴール前はマッチレースになるも最後まで踏み切り、初の立川記念で白星スタートを切った。
 「菅田さんの抵抗はあると思ったので、しっかりと力を出し切ろうと。出切ってからは大丈夫かなと思うような感じだったが、最後まで粘れましたね。一走して気持ちがフワフワした感じが引き締まりました」
 河合を追った朝倉佳弘は、直線で詰め寄っての2着で地元ワンツー。
 「詰まったところを行けているし、河合君が強かった。最終4コーナーまでリズムよく踏んでいたし、あれを抜けないのが現状。調整してあれを抜けるようにしていきたい」

11R

 赤板の1コーナーで押さえて出た島川将貴は、落ち着いて九州コンビを受けて絶好の3番手をキープ。最終1センターから早めのまくりで勝ち星を挙げた。
 「前を取らされるかなって思っていたので、まさかの後ろ攻めでした。(前田を)突っ張ろうか迷ったんですけど、2車だったので出させてと。でも、阿部(大樹)さんもいるので、来る前に早く仕掛けようと思いました。本当は得意な展開じゃないですけど勝てて良かった」
 直線で差を詰めた柏野智典は、4分の1輪まで島川に迫ったところがゴール。
 「正直、自分が思っていたよりは良かったんですけど、スピード感というか前との距離感というかがつかめていなかった。でも、一走してなんとなくわかったので徐々に良くなっていくと思う」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 3車の吉田拓矢が大方の予想通り主導権を握る。しかしながら、打鐘の2センターで8番手から清水裕友が巻き返す。逃げる吉田の番手で車間を空けた平原康多は、最終2コーナー手前で清水を大きく外に振る。それでも清水は止められず、平原が踏み込んで番手まくりを断行。関東勢に飛び付いていた郡司浩平(写真)が、直線で外を伸びて1着。
 「しっかりと動いて位置を取って、あとはどこで(仕掛けて)行くかでした。でも、かぶっちゃったんで様子を見ながらでした。(諸橋愛に)ちょっと引っかかってしまったけど、うまく避けながらいけた。(新年の1着スタートは)本当に大きい」
 「残念、(郡司が)一枚上手だったね」とは、諸橋愛。直線半ばで外の郡司をけん制して追い込むも2着。
 「(郡司に)当たれれば、僕が勝ってると思うけど。気づいたみたいで、避けられた。(平原)康多はバックを踏んでスピードを殺しちゃってた。もうちょっとシンプルに仕掛けた方が良かったかもしれないね」
 和田健太郎は、平原と諸橋の間を強襲した。
 「諸橋さんが郡司をけん制したけど、平原も寄ってきてた。それで自分も怯んだ。でも、4着くらいかと思ったんで良かった」

6R

選手の写真です。
阿部大樹選手
 一度は下げかけた武田憲祐が番手に押し上げて、押さえて出た森山智徳後位がもつれる。前団の様子をじっとうかがっていた阿部大樹(写真)は、森山の死角になった打鐘4コーナーから仕掛けて主導権を奪取。そのまま逃げ切った。
 「自分が(最終)4コーナーまで踏めれば、後ろ(ライン)が決まるかなと思った。だから1着は超ラッキー。バックはめちゃくちゃ風が強かったんで、そこを乗り越えたら(別線は)来られないと思った。ガムシャラだったけど、練習では長いっ距離も踏んでるんであとは気持ちだけと」
 「(流れが)来ましたね」とは、流れ込んだ柴田洋輔。阿部とのワンツーでそろって準決進出を決めた。
 「武田さんが1回引いてまた粘りに行ったから、こっちに展開が向きました。練習は腐らずにやってたけど。地元のいいメンバー(の記念)で準決にいけるとは思わなかった」

7R

選手の写真です。
上原龍選手
 後ろ攻めの佐藤一伸が、赤板過ぎに押さえて先頭に立つ。前受けの津村洸次郎は中団の内で粘ろうとするが、結局7番手まで下げる。緩めていた佐藤は最終ホーム手前から一気にペースを上げるが、中団をキープしていた上原龍(写真)が2コーナーから鮮やかにまくって快勝。関東ラインで上位独占を決めた。
 「前受けが良かったけど、中団が取れたので。中団を回って仕掛ける作戦だったので良かった。(バックは風が強かったが)タイミングを計って、自分のタイミングで行けた。佐藤君も掛かり切ってなかったのかな、それもあって(まくれた)。ちゃんと踏み込めたし、状態は良くなってきている」
 上原の仕掛けにピタリと続いた大澤雄大が、準決の権利を獲得した。
 「前で頑張ってくれた上原君とスタートで出てくれた小沼(良)さんのおかげ。津村君が引いてくれたのはラッキーだったし、これで決まったなと。あとは集中して付け切りました。2着をキープしつつ、抜きに行ったがダメだった。でも、練習の成果で脚はいいです」

8R

選手の写真です。
竹村勇祐選手
 中団から先に動いて切った吉本哲郎を木村弘が打鐘で押さえて先行態勢を取る。赤板で有賀高士に割り込まれた竹村勇祐(写真)は打鐘で内をすくって番手を奪い返す。この時に佐藤慎太郎が追突して落車。藤田竜矢が乗り上げて7人に。ペースを上げて軽快に風を切った木村の番手で絶好となった竹村が直線で鋭く抜け出した。
 「有賀さんにやられたけど、切る時に絶対に内が空くと思って。でも、そのせいで(佐藤)慎太郎さんに迷惑を掛けてしまった。木村君も残せる先行だったのに失敗しました。次に連係する時に返したい」
 藤田が落車して4番手に追い上げた山崎充央との連結も外してしまった兵藤一也だったが、後方で脚をためて2着に突っ込んだ。
 「藤田も落車しちゃって山崎さんもいなくなって。でもこの風でしょ? 下手に脚を使うよりも溜めた方がいいと思って。最後団子になるだろうから、一発にかけました」

9R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 赤板の2コーナー過ぎに小森貴大を押さえた吉田拓矢が先行態勢を取るが、藤根俊貴が打鐘過ぎに巻き返す。藤根が主導権を奪い、吉田は4番手に入る。吉田が小森を合わせるようにまくりを打つと、逃げる藤根の番手の佐々木雄一は吉田を張りながら早めに踏み込んで抜け出した。
 「(吉田のまくりを)止められれば一番良かったんだけど、申し訳ないですね。1回振ったら、もう藤根に引っかかっちゃってた。でも、残さないと…」
 4番手からまくった吉田拓矢(写真)は、佐々木に合わされながらも踏ん張って3着。
 「あのタイミングだったので(北日本勢を受けた)。1回(最終)2コーナーでバックを踏んで、それでモタついた感じがある。バック踏まずに(まくって)行ってれば…。スタートでなかなか追いつかなくて、息が上がった状態だった。それで弱気になってしまったのもある。まだかみ合ってない感じもあったんで、セッティングを修正すればもうちょっと良くなると思います」

10R

選手の写真です。
福田知也選手
 後ろ攻めの古性優作が赤板過ぎに切ってペースを緩める。中団に収まった郡司浩平が様子をうかがっていると、2コーナーの山降ろしを使って7番手から一気に仕掛けた高橋築が打鐘の3コーナーで主導権を奪う。叩かれた古性は3番手をさばいて最終2コーナーからまくり出るが、7番手からまくり上げた郡司のスピードが違った。最終バック過ぎに古性をのみ込み、ライン3車で出切って南関勢で上位独占の態勢。最後は福田知也(写真)が、粘る郡司を鋭く差し切った。
 「古性君のヨコを通過する時だけ構えたけど、からまれずにすんだね。(郡司の)スピードが良かったおかげ。S班を抜ければ、これが決勝とかなら記念が獲れる。気持ちが入りますからね」
 ラインを上位独占に導いた郡司浩平はS級S班の力を示した。
 「風が強いバンクコンディションだったので、本当は切るべきだったけど、古性君を泳がせた。重たいなかでは踏めているし、普段とは違う組み立てだったけど悪くはない。あとはセッティングを微調整したい」

11R

選手の写真です。
河村雅章選手
 後ろ攻めから赤板過ぎに切った清水裕友を和田健太郎が押さえるが、内をすくって山田庸平が前に出る。河合佑弥がタイミング良くライン3車で飛び出して打鐘で主導権を握る。7番手まで下げて態勢を整えた清水は最終2コーナーからまくり発進。柏野智典をちぎるほどのスピードで豪快に前団をのみ込んだ。
 「前は取りたくなかったけど、後ろ攻めは想定していなかった。風が強過ぎて自分の自転車が進んでいるのか、前が止まっているのかわからない感じでしたね。組み立ても難しかったです。脚は悪くないんですけど、気持ちのスイッチが入っていない。やっぱりグランプリの疲れなのか、頭が疲れている。そこの切り替えがうまくいけばもう少し戦える」
 河合の先行を利した河村雅章(写真)が2着に入った。
 「河合君の掛かりは良かったけど、清水君のスピードが違い過ぎて止められませんでしたね。最後も河合君が勝手に残った感じ」
 和田健太郎は打鐘で山田にすくわれて5番手の位置となったが、最終3コーナーから外を懸命に踏み込んで3着。
 「山田君が車間を空けているから仕掛けるのかなって思ったら、先に清水君が行っちゃって。待たずに自分から仕掛ければ良かったですね。失敗です。でも、この風のなかで自分で動いて位置を取って仕掛けられているので悪くない」

12R

選手の写真です。
村上義弘選手
 先行態勢を取った酒井雄多のペースは上がらず、最終ホーム手前で山本伸一が叩いて主導権。村上義弘(写真)が続き、紫原政文は連結を外して村上の後ろは平原康多。最終1センターで後方からまくり上げた佐々木豪のスピードがいい。佐々木が逃げる山本をとらえて、村上義弘が切り替える。佐々木を交わして直線半ばで抜け出した村上が、平原を抑えて1着。
 「(佐々木が最終)2コーナーを山降ろし気味に来たので、一気にのみ込まれると思った。自分の状態自体は昨年の暮れとあまり変わらないけど、しっかり集中していきたい」
 結果的に村上に流れ込む形になった平原康多は、息を切らせて振り返る。
 「(北日本勢を受けて)3番手かと思ったら、ヤマシン(山本)が来たんで、そこを簡単に出させてしまうとっていうのがあった。自分は(村上の後ろに)切り替えてかなり脚を使ってた。(最終)2コーナーでまくりに行ければ良かったけど、まだ整ってなかった。風がキツくて2回くらいムダ脚を使ってしまった」

10R

選手の写真です。
佐々木豪選手
選手の写真です。
吉田拓矢選手
 佐々木豪(写真)が後方からゆっくり上昇して赤板過ぎに押さえる。その動きに続いて切った郡司浩平を吉田拓矢が叩きに出る。打鐘過ぎに吉田の後位に飛び付こうとした郡司が落車。ラインの和田健太郎、近藤保が乗り上げ大量落車に。吉田は関東4車が付いているのを確認して、最終ホームからペースに入れようとするが、そこで佐々木が反撃に出る。波をつくって合わせようとする吉田の抵抗を佐々木が力ずくで飲み込んだ。
 「(仕掛けて)行こうとしたところで、アクシデントが起こった。踏み込もうとしたのを避けるので気持ちが弱くなりそうだったけど。そのままの勢いで行ってしまおうと。吉田君相手に出切れたのは運ですよ」
 佐々木にまくられた吉田拓矢(写真)だったが、柏野智典が遅れたことで後位にはまり猛追するも届かず。
 「落ち着いて出切ってから考えようとしたら、(郡司の)飛び付きが。自分が落ち着き過ぎたから、粘りの形になったのかも。ラインを生かすためには合わせるべきでしたね。状態は昨日(2日目)よりもいいし、あとは気持ちですね」
 吉田を追走した朝倉佳弘は、柏野にからまれながらも3着をキープした。
 「(郡司の飛び付きは)踏み込もうとしたところを飛び付いてきたので避けれた。(柏野にからまれたところは)吉田の掛かり具合を前回の松山の連係でわかっていたので。信じて付け切ることに集中した結果。勝ち上がれて良かったです」

11R

選手の写真です。
河村雅章選手
選手の写真です。
清水裕友選手
 竹村勇祐、古性優作の順で切ったうえを、阿部大樹が打鐘前に押さえて先行態勢に入る。前受けから下げた清水裕友は、8番手に構える。ペースを上げる阿部に対し、6番手の竹村が最終ホームから仕掛けるが、あっさり外に浮いてしまう。最終1コーナーから反撃に出た清水は大外を豪快に踏み込んだが、3コーナーで古性に強烈なブロックをもらって伸びを欠く。阿部の番手から自力に転じていた河村雅章(写真)が、内から盛り返して先頭でゴールを駆け抜けた。
 「(阿部の)掛かりも良かったけど、やっぱり(別線が)来ますよね。行かれちゃったと思ったけど、古性君が清水君を仕上げてくれて内も空いた。運がありますね」
 古性のブロックを耐えた清水裕友(写真)が2着に入った。
 「かなり外をう回してキツかったですね。古性さんが来るのはわかったので構えていましたけど、それでもダメージは食らいました。やっと気持ちが入った。やっぱり緊張しないと力が入らないんで」
 最終2コーナーから内へもぐり込んだ佐々木雄一が、清水を追いかける形で外を踏んで決勝進出を決めた。
 「最終ホームで終わったと思ったけどね。園田(匠)が離れてくれたからチャンスができた。なんとか外を踏んで3着なので。悪くないですね」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
諸橋愛選手
 赤板過ぎに三登誉哲を突っ張った河合佑弥は、2コーナーから踏み込んだ小森貴大を出させて4番手に入る。主導権を握った小森はそのまま全開。河合がまくりを打つと、番手から村上義弘が合わせて出る。最終バックでは、両者の踏み合い。冷静にその動きを見ていた平原康多(写真)は、3コーナーで自ら踏んで抜け出した。
 「河合はすごいいいピッチで踏んでいたし、もうちょっと力があれば決勝に乗れたんじゃないですか。発進するだけじゃなくて、自分を見せての4着だから価値がある。自分は自転車とのフィーリングが日に日に良くなっている。初日の感じだったら、あれは乗り越えられなかったかもしれない。かなり修正できました」
 危なげなく平原に続いた諸橋愛(写真)が、こう振り返る。
 「(平原)康多の伸びも良かったし強かった。でも、僕も悪くない。あとは自分が最終日にベストコンディションにもっていく」
 近畿勢に付けた福田知也は、直線で外を踏んで3着に入った。
 「(関東勢が)前を取ったんで不安はあったんですけど、小森君のダッシュが良かった。自分もキツかった。(河合と村上が)モガき合って、どっち(が勝つ)かと。そしたらもう(最終)4コーナーが来たんで外を踏んだ。まだ踏みシロもあると思うし、そこらへんは練習の成果ですね」


≪ 最終日6R「S級ブロックセブン」 ≫

 昨年10月に3場所連続の完全優勝でS級に特進した坂井洋は、S級2場所目の平塚FIで優勝を遂げた。記念の経験こそないが、コンスタントに勝ち星を挙げて順風満帆。しかしながら、坂井は先を見据え課題を口にする。
 「(S級に)特進できて良かったけど、上で戦うにはまだまだ力不足ですね。自分のもっている力すら出させてもらえない。手も足も出ない。経験もそうですが、もっともっと勉強をしてかないと。そのために1走、1走を大切にしたい。自力でやっている以上は、ねじ伏せるような力がないと。ブロックセブンで記念の雰囲気を味わいたい」
 昨年ラストの奈良FIで2勝をマークした伊藤信は、そこから2週間空いて新年の一発目を迎える。
 「久しぶりに空いたんでトレーニングができた。体調を崩したりもしたけど、熱もすぐに下がったんで大丈夫。今年もタイムだとか数値とかをもっともっと上げていきたい。そうすれば結果もついてくると思うんで。7車は苦にならないし大歓迎です」