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たちかわ競輪

TACHIKAWA KEIRIN

28#

検車場レポート

  • 12/27 Fri.  (前検日)
  • 12/28 Sat.  (1日目)
  • 12/29 Sun.  (2日目)

1R

選手の写真です。
吉田茂生選手
 吉田茂生(写真)は前回広島で3カ月ぶりの記念参戦。一次予選は先行策で3着に粘った。
 「広島記念の感触は悪くなかったです。まくりは多くなっているけど、最近はまた先行もしてます。けっこう間隔が空いたので、練習はしっかりやってきました。隅田(洋介)さんもいるけど、行けるタイミングが来たらしっかり仕掛けます」
 隅田洋介はS級点確保へ勝負駆けだ。
 「前回の広島記念は体調不良でダメだったけど、しっかり治して、練習はしてきました。点数は上げるしかないので、初日が勝負ですね。磯田(旭)君とは一緒に練習してきたので、後ろを信じて出し切る競走をするだけです」

2R

選手の写真です。
長島大介選手
 長島大介(写真)は前回奈良FIで5カ月ぶりの優出。今シリーズは新フレームを投入する。
 「最近はレースをうまく作れてないんですけど、脚自体はいいです。今回から新車です。平原さんからアドバイスをもらって作った平原さん仕様のフレームです。練習で乗ってる感じは悪くないので、走りながら上積みしていければいいですね」
 木村幸希は前回の伊東記念で敗者戦ながら3度の確定板入りを果たした。
 「前回はいいメンバーの中で、しっかり結果を残せたと思います。中2日なんで状態は変わらないですね。グランプリシリーズを走るのは初めてなんで頑張りたいです。長島(大介)さんが強いので、長島さんが仕掛ける前に仕掛けたいですね」

3R

選手の写真です。
川村晃司選手
 川村晃司(写真)は直前の久留米FIで準優勝。決勝は藤井昭吾の先行に乗って番手まくりを打った。
 「前回は前が頑張ってくれたおかげです。最近は良かったり、悪かったりの繰り返しですね。毎回、感触が違うんですよ。久留米の最終日にここの追加をもらいました。中2日なんで疲れを取る感じで来ました。しっかりラインで決まるように頑張ります」
 坂本周輝は目立った活躍こそないが、表情は明るい。
 「最近は着はそんなに良くないんですけど、自分でしっかり動けているし、感触は悪くないですね。伊東記念を補充で走って、中2日なんで、ちょっと乗ったくらいです。かみ合ってくれればいいんですけどね」

4R

選手の写真です。
谷口遼平選手
 谷口遼平(写真)は直前の広島レインボーカップA級ファイナルで3着に入って、S級特別昇級を決めた。
 「A級はしっかり結果を残せました。レインボーカップも何とかですね。ここの追加は入ると思って準備してました。初日は細切れなんでチャンスはあると思います。積極的にしっかりとしたレースをしたいですね」
 取鳥雄吾は12月広島記念で3度の確定板入り。ここは点数最上位の意地を見せる。
 「最近はしっかり動けています。広島記念は悪い中でもしっかり走れたと思います。終わってからは普通に練習して、体のケアもしてきました」

5R

選手の写真です。
林大悟選手
 林大吾(写真)は徹底先行のスタイルで着実にパワーアップしている。
 「佐世保記念のあとに体調を崩して、膝と腰に痛みが出たので、1本欠場させてもらいました。治ってから練習はしっかりできたので大丈夫です。立川は初めてです。片折(亮太)さんが相手でちょっとやりづらいですけど、自分の持ち味をしっかり出し切って勝ち上がりたいです」
 片折亮太は大敗が目立つ近況だ。
 「脚が落ちてきているっていうのはありますね。前回の豊橋が終わってからけっこう空いたので、ゆっくりして、それなりに練習もできました。タイミングを逃さずに仕掛けたいですね」

6R

選手の写真です。
吉武信太朗選手
 吉武信太朗(写真)は前回の地元松山FIで今期初優出。準決勝はロングまくりで金星を挙げた。
 「特に変わったことはしてないんですけど、松山はうまくかみ合った感じですね。準決勝も組み立てやすいメンバーだったので。終わってからここに向けては、いつも通り練習してきました。今回の初日も戦いやすいメンバーなんで、しっかり仕掛けます」
 近藤夏樹はいまひとつ波に乗れていないが、毎場所コンスタントに勝ち星を挙げている。
 「広島記念は体調がそんなに良くなかったです。終わって治してから練習しました。グランプリシリーズを走るのは初めてなんですけど、人の多さに驚いてます。いつも通りしっかり頑張ります」

7R

選手の写真です。
大石剣士選手
 大石剣士(写真)は直前の伊東記念で2勝。2場所前の富山FIで落車した影響はもうない。
 「落車の怪我は腰の打撲くらい。前々回の名古屋は少し影響があったけど、もう大丈夫です。地元の伊東記念は万全ではなかったんですが、しっかり走れたと思います。ここの追加はけっこう前に受けたので問題ないです」
 畑段嵐士は自力勝負を増やして、上昇ムードだ。
 「最近は自分がラインの先頭の時は自力を出すようにしてます。広島記念の感触は悪くなかったけど、体調を崩したので、治してから練習しました。初日はしっかり自力を出してラインで決めたいですね」

8R

選手の写真です。
北津留翼選手
 北津留翼(写真)は11月防府のブロックセブン、小松島FIで連続優勝。その後も変わりなく順調に過ごしている。
 「前回の松戸からけっこう空いたんですけど、練習はいつも通り普通にやってきました。何も変わったことはないですね。レース勘はちょっと心配です。ここの記念を獲ったのは3年前くらいです。1番車なんで車番を生かして、ラインで決まるように頑張ります」
 染谷幸喜はここ3場所で3勝、2着2回と成績を上げている。
 「前回の伊東記念は補充だったんですが、良かったのはタマタマだと思います。ここの追加はけっこう前にもらいました。走るのが楽しみです。中2日なんで疲れを取る感じでやってきました。いつも通り自力で頑張ります」

9R

選手の写真です。
植原琢也選手
 植原琢也(写真)は8月和歌山FIでS級初優勝。その後もFIシリーズではコンスタントにV争いを演じている。
 「最近の成績はそんなに良くないんですけど、最低限の走りはできているかなって思います。今回はすごいいいメンバーですね。ヤンググランプリに森田(優弥)が出るんで、自分が結果を出して、いい流れを作れるように頑張ります」
 栗山俊介は10月四日市FIで落車負傷。今シリーズが復帰戦になる。
 「左手の小指を骨折して手術しました。最初はハンドルを強く握れなかったんですけど、いまは大丈夫です。練習の感じでは脚はそんなに落ちてないと思います。あとはレース勘ですね」

10R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
 前回の地元、伊東記念を8123着の渡邉雄太(写真)は、そこから中2日で今シリーズを迎える。初日特選は南関4車の先頭を務める。
 「(伊東記念の決勝は)組み立て的にはいいと思うんで、(結果は)しょうがないですね。伊藤(裕貴)さんが逃げるのかわからなかったし、自分のなかでは逃げるのは三谷(竜生)さんかと。疲れも大丈夫だと思う。地元をやり切って、ここはそのまま(の勢いで)やろうっていう感じです」
 鈴木竜士とタッグを組む渡部哲男は、前回の地元、松山FIが436着と一息の成績に終わった。
 「(3場所前の)競輪祭の落車(の影響)がボロボロ出てきて、松山もデキが良くなかった。そのなかで何かできることはと思って、1週間やってきた。今年に関してはいい1年だったと思います。(中四国地区の)若手が強いので、なんとしても付いていかないとっていうのがあった。それで日々、トレーニングをしていたのが良かった」

11R

選手の写真です。
小林優香選手
 ガールズのトップ7人による頂上決戦。小林優香(写真)はワールドカップ第3戦のケイリンで銅メダルを獲得するなど世界の舞台で活躍している。
 「ワールドカップが終わってからもずっと練習してました。またこの舞台に戻ってきて走れるのはすごい意味があることだし、自分の成長につながると思っているので、しっかり結果を残せるように頑張ります」
 児玉碧衣は今年の賞金ランク1位。史上初のガールズグランプリ連覇に挑戦する。
 「最近は寒いわりに練習のタイムもしっかり出ています。武雄も寒かったんですけど、対策をしっかりして慣れてきました。周りからは(小林)優香さんとの対決を言われるんですが、そもそも戦法が違うし、同じタイミングで仕掛けることもないですからね。みなさんが思ってるほと意識はしてないです。しっかり自分のレースをするだけだと思ってます」
 石井貴子は万全の状態で大一番を迎えることができた。
 「去年(のガールズグランプリ)と比較して違うのは、ちゃんと練習できて、今年1番いい状態で迎えられたことですね。チャンスを逃さないように自分のできることをしっかりやります」


2日目11Rヤンググランプリ2019
 次世代を担うスピードスターが激突する。松井宏佑はワールドカップ第一戦のケイリンで銅メダルを獲得。11月別府では記念初優勝を飾るなど最高のムードで大一番を迎えた。
 「別府記念が終わってから3日くらい休んで、それからしっかり練習してきました。いい流れで迎えられたので、この流れでヤングも獲っちゃいたいなって思ってます。みんな自力なんで、脚だけではどうにもならないかなっていうのはあるんですけど、あんまり深く考えずに直感で走りたいと思います」
 113期勢は今年がラストチャンス。松本貴治はフレームを元に戻して戦う。
 「(12月の)高松、松山の2場所は新車を使ったんですが、あんまり感触が良くなかったので元に戻します。調子は問題ないし、ここに向けてしっかり練習して、脚は仕上がっていると思います。全員、単騎なんで、前のほうにいて、行けるところで仕掛けられればと思ってます」
 南潤は12月広島記念で敗者戦ながら3連対。ようやく復調のきっかけをつかんだ。
 「この1年間はあまり良くなかったので、最後いい形で締められればと思ってます。今回は新車です。乗ってみて感触は悪くなかったです。自力でしっかり力を出し切ります」


最終日11RKEIRINグランプリ2019
 ナショナルチームの活動で競輪の出走機会が限られている脇本雄太は、8月のオールスター以来の競輪。今月中旬に競技での海外遠征から帰国し、昨年に続き2年連続でのグランプリに臨む。
 「(最近のワールドカップでの競技は)常に結果を出せるとは思ってない。大事なのは世界選で結果を出すことなんで。大きな問題かって言われたら、そうではないと思います。去年(のグランプリ)とはメンバーも違いますし、日本の競輪が4カ月ぶりでなにもつかんでいるものがない。だから、まずは前検日に乗ってみてつかみたいですね」
 念願のタイトル獲得こそならなかった今年の清水裕友だが、ダービー、競輪祭と2度のGI準V。ハイレベルな走りを披露して、初出場の昨年に続きグランプリチケットをつかみ取った。
 「ここまでは松浦(悠士)さんが防府に来て一緒に練習をしました。松浦さんが相変わらずすごかった。自分は競輪祭が終わってから競走用のフレームに乗ってないんで、前検日に合わせたい。でも、(優勝した11月の)防府記念でもセッティングは出ていたんで大丈夫だと思います」
 「走れるだけでうれしい。それに走る以上は」と、口を開くのは郡司浩平。一昨年のグランプリ次点の悔しさを糧に、今年は初出場にこぎつけた。
 「(前回落車でも)体調は大丈夫なんで、自分の力を出して、恥ずかしくないレースをしたい。(何度も対戦している)相手のこともわかっているんで、あとは自分との戦いじゃないけど、勇気をもって仕掛けられるように。単騎も嫌いじゃないですね」



1R

選手の写真です。
磯田旭選手
 中団を三登誉哲と併走していた隅田洋介は、内からこじ開けるように三登を張って赤板2コーナーで踏み込みレースを支配する。4番手の吉田茂生がまくって出ると、磯田旭(写真)は番手から自力に転じる。吉田を合わせ切った磯田が、番手まくりで1着。
 「隅田さんのおかげですね。今日はそれだけです」
 吉田が合わされると、最終3コーナーで宮下貴之をキメるようにソツない立ち回りを見せた坂上樹大が2着に追い込んだ。
 「久々のレースというのもあると思うんだけど重かった。それでも吉田君が頑張ってくれたおかげですね。(最終)4コーナーで少しコースを迷ってしまった…。1着が良かったですね」

2R

選手の写真です。
小林大介選手
 赤板過ぎに先頭に立った木村幸希を坂木田雄介が打鐘で押さえる。すかさず反撃に出た谷口明正を坂木田が突っ張るが、前団がもつれたところを見逃さずに長島大介がスパート。バック前に出切って関東両者のマッチレース。最後は小林大介(写真)が鋭く差し切った。
 「長島が頑張ってくれたおかげ。出切っちゃえばもう大丈夫かなって。インフルエンザで練習ができてなかったので、状態はあんまり良くないですね。自分がイメージしているより重く感じました」
 豪快にまくった長島大介は2着。新フレームの手応えは上々だ。
 「余裕はあって、いつでも行ける感じでしたね。楽に行けました。あとは小林さんとの勝負かなって。新しいフレームで結果が出たんで良かったです。悪くない感じです」

3R

選手の写真です。
川村晃司選手
 赤板過ぎに切った川村晃司(写真)を、坂本周輝が押さえて先行態勢を取る。前受けから後方まで下げた守谷陽介が打鐘から巻き返しを狙ったが、坂本がペースを上げて出させない。3番手以下がもつれて大きく離される形になったが、後方に置かれた川村が2コーナーからまくって猛追。直線で粘る坂本を一気に抜き去った。
 「風が強くて組み立てが難しかった。仕掛けたのは(最終)2コーナーからですね。遠かったですけど、前も風でスピードが落ちていたので。北野(武史)さんと年寄りコンビで決まって良かった」
 北野武史がしぶとく2着に流れ込み、中近コンビで連を独占した。
 「この風で逃げ切るのは相当キツいと思いますよ。川村君も(まくりを)狙っていたわけじゃないと思うけど、結果的に良かった。もうヘロヘロですよ。決勝に乗りたい」

4R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 谷口遼平が打鐘で主導権を握り、前受けから下げた取鳥雄吾(写真)は一本棒の6番手に置かれる。しかしながら、慌てることなく落ち着いて構えた取鳥は、最終2コーナー手前から踏み出して一気。合わせてまくる上原龍、逃げる谷口らを楽にのみ込んだ。
 「新車だったし、セッティングも微妙だったんですけど。なんとかですね。この風(強風)が味方してくれた。変に小細工をするよりっていうのもあった。上原さんよりも先に仕掛けられたのも良かった。(まくりは)出が悪かったけど、伸びていった。でも、まだまだ(新車の)ポテンシャルが出てない」
 最終3コーナーから取鳥に置いていかれ4車身ちぎられた戸田洋平は、岡山ワンツーも苦笑い。
 「(取鳥は)強かった。ヨシ、付けたって思ったら、もうひと加速した。この前は島川(将貴)の後ろも回ったし、せっかくいい位置があるのに離れてたらしょうがない」

5R

選手の写真です。
飯野祐太選手
 打鐘過ぎに飯野祐太(写真)を押さえた片折亮太は、そのままペースを上げて先行策。巻き返す林大悟を出させない。4番手で脚を溜めた飯野は、林、松尾信太郎にかぶって仕掛けられない。最終4コーナーでようやく外が空いた飯野が、シャープに伸びて1着。
 「片折君の先行はないと思って、踏ませてから林君が叩いたところをと思っていた。まさかの展開だったし、林君が簡単には飛ばないから難しかった。結局出切れたけど、あの競走では3番手に付いてくれた人に申し訳ない。脚は問題ないです」
 飯野マークの内藤宣彦が、中のコースを踏んで飯野に迫った。
 「あの展開は想定外だったね。片折君が先行とは…。でも、おかげで展開が向いたところはあったと思う。片折君がすんなり駆けたら、キツいって思っていたけど、飯野君は力があったしそのおかげ」

6R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 後ろ攻めから動いた吉武信太朗が赤板の2コーナーで前に出る。渡辺正光が4番手に収まり、近藤夏樹は7番手まで下げる。吉武は後続の動きを確認してからペースを上げる。最終2コーナーからまくった渡辺は車がほとんど出ない。バック前から番手まくりを打った阿竹智史(写真)が、そのまま後続の追撃を振り切った。
 「(吉武が)頑張ってくれた。(渡辺の)まくりは出てなかったけど、近藤が見えてなくて。まぁ最低限かなっていう感じです。直線が長いし、朝よりも風が出ているみたいで、ちょっと重かったです」
 四国コンビの後位を選択した原田礼が2着に流れ込んだ。
 「前の2人のおかげですね。90期同期(阿竹)が頑張ってくれました。自分は何もしてない。展開1本ですね。気持ち良く今年を終われそうです」

7R

選手の写真です。
畑段嵐士選手
 赤板の1コーナーで先頭に立った畑段嵐士(写真)が、中団取りに動くが堀兼壽にすくわれる。その堀が大石剣士ラインを受けて畑段は6番手。最終2コーナー手前からまくった畑段は、ブロックした大塚英伸の内から抜けて勝ち切った。
 「バックの風がキツかったですね。まくっていく時に脚はいっぱいだった。それでもレースは見えていました」
 大石ライン3番手の山田幸司が、直線の入り口で大石の内を踏んで2着に伸びた。
 「自分はコースが空けば突っ込もうと思っていました。畑段君が強引に来たんで避けながらになってしまった」

8R

選手の写真です。
北津留翼選手
 後ろ攻めから動いた藤田勝也は、中団の染谷幸喜にしばらくフタをしてから打鐘で踏み込んで主導権を握る。前受けから合わせて踏んだ北津留翼(写真)は3番手の絶好ポジションを確保。車間を詰める勢いで最終2コーナーから一気にまくって快勝した。
 「西川(親幸)さんが後ろで仕事をしてくれたおかげです。4番手かと思ったら3番手だったんで。いい位置が取れました。バックの風はキツかったけど、何とか勝てて良かったです」
 復帰戦の西川親幸が懸命に続いて2着。九州ワンツーが決まった。
 「結果的に良かったです。これが(北津留)翼ですから。脚を使ってでも中団をしっかり取れたのが良かった。この風で付いていけるか心配だったんですけどね。でも最後は抜かないとですね」

9R

選手の写真です。
植原琢也選手
 植原琢也(写真)にフタをした栗山俊介が打鐘過ぎに主導権を握るが、植原もすかさず反撃に出る。全開で合わせる栗山を植原がねじ伏せて主導権を奪取する。3番手に飛び付いた栗山が岡田征陽をさばいて迫るが、植原が振り切った。
 「余裕はあったしペースで踏めたけど、バックの風で止まってしまった。自分がもっと踏み続けていれば、岡田さんが絡まれることはなかったと思うので申し訳ない」
 何度も脚を使いながらも、瞬時の判断が光った栗山俊介は、岡田を内からさばいて追い込んだ。
 「自分的には結構踏んでいたのに気づいたら、(植原が)もう横まで来てましたね。(最終)バックで詰まったというか、内が空いたのが見えて申し訳ないですけど入らせてもらいました。最後は差せなかったけど、あそこまで迫れているので復帰戦のわりには踏めていると思います」

10R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 4車で結束した南関ラインの先頭を担った渡邉雄太が、赤板2コーナーで勢いよく飛び出して主導権。一度は稲毛健太が5番手を確保するが、打鐘の2センターで鈴木竜士がすくって5番手を奪い最終ホームを通過する。逃げる渡邉の掛かりが良く一本棒の隊列。8番手まくりの稲毛は不発で、バック過ぎから鈴木竜がまくり追い込む。渡邉ラインの3番手の鈴木裕(写真)は、鈴木竜をけん制しながら踏み込んでおよそ2カ月ぶりの復帰戦で白星を挙げた。
 「僕が(3番手で)車間を切った方が、岡村(潤)さんも仕事がしやすいだろうと。ただ、自分は(踏んでいて)手応えはなかった。それでも伸びてるんでいいんでしょうね。(バンクが)重いんで、(復帰戦の)自分にはちょうどいいかもしれない」
 番手の岡村潤は、鈴木裕との伸び比べに負けて2着。
 「(渡邉が)うまく駆けてくれて、後ろの2人が仕事をしてくれてるのもわかりました。僕はなにもしてないので申し訳ない。もうちょっと車間を切れれば良かったんですけど…」

11R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 打鐘を過ぎても隊列は変わらず、前受けの奥井迪がそのまま先行態勢に入る。児玉碧衣(写真)は6番手から最終ホームで前の佐藤水菜が内を空けたところをすくって5番手を確保。2コーナーから4番手の小林優香が仕掛けるが、負けじと児玉もまくり出る。児玉が小林の上を進み、半車身出た3コーナー付近で内の梅川風子と石井寛子が落車。アクシデントにも動じず、児玉が先頭でゴールを駆け抜け、ガールズグランプリ史上初の連覇を達成した。
 「(初手は)3、4番手が欲しかったけど、6番手だったのでどうしようかと。(最終ホームで)佐藤さんが内を空けたのですくって、(小林)優香さんより先に踏もうと思ってその通りに。(落車は)締めたつもりがなくて、(対象になっていたので)審議はヤバイかなと思ったけど、なんとかセーフで良かったです。来年は大きいレースを全部優勝することとグランプリ3連覇を目指して頑張ります」
 石井貴子は2年連続のグランプリ準優勝。最後方から落車を避けて追い込んだが、優勝に手が届かなかった。
 「もう本当に悔しくて…。今回は自力選手が多くて、組み立てが難しかったですね。後方になって前が(児玉)碧衣ちゃんだったので、昨年のリベンジと思って信じて付いていけば良かったのかな。外を踏んで戻って中途半端でした。落車に巻き込まれそうになって、そのあとに必死に踏んだけど2着まででした。碧衣ちゃんが本当に強かったです。まだまだ頑張れって神様に言われたということですね」
 小林優香は児玉との力勝負に敗れて3着。人気に応えることはできなかった。
 「自分の動く位置とか間の取り方が下手くそでした。展開の読みが甘かったです。言いわけできるならいくつかあるけど、これが本職で車券を買ってくれている人もいるので、しっかり結果を出さないといけなかった。このあとは世界選に向けてトレーニングします。(日本のレースは)次にいつ走れるかわからないけど出直します」


≪29日11R「ヤンググランプリ2019(GII)」≫
 森田優弥は直前の地元、大宮FIで3度目のS級優勝を飾った。
 「9月に初めて落車して、それからあんまり良くなかったんですが、やっと戻ってきた感じですね。フレームを換えて、いい方向に向かってます。ここに向けては、いつも通りやってきました。全員が単騎で難しいけど、しっかり力を出し切りたいですね。楽しんで走ります」
 宮本隼輔は終盤戦に入って成績が急降下。スランプにあえいでいる。
 「最近は成績が悪くて、ここに向けてというよりも、どうやったら走れる状態に戻せるかを考えて、自転車にはほとんど乗らずに体のケアを中心にすごしてきました。いまは探り探りでやってるけど、やる時はやるんで。優勝を狙って走ります」
 野口裕史はメンバー最年長だが、自力でしっかり見せ場は作る。
 「前回の松山は自分の持ち味が発揮できなくて悔しい結果だったんですが、終わってから軽いギアで回転を出すような練習をして、結構仕上がったと思います。全員が単騎で競輪学校の競走訓練のようなスタイルですね。その時のイメージとして、後ろにいては勝負にならないことは痛感してます。出たとこ勝負ですけど、緩んだところではしっかり仕掛けたいですね」


≪30日11R「KEIRINグランプリ2019(GP)」≫
 今年最初のGI、2月の全日本選抜を単騎の大ガマシで優勝した中川誠一郎は、6月の高松宮記念杯を脇本雄太の番手から追い込みV。グランプリに出場する9選手のなかでただひとり、今年2度のGI制覇を飾っている。
 「(10月の)地元記念で頑張りすぎたのもあって、競輪祭の時は(状態が)だいぶ落ちていた。戻すのに時間がかかったけど、(グランプリの)前夜祭あたりでは戻っている感じがあった。(一番最初にグランプリの出場権を獲得して)そこから長かった。待ちくたびれた(笑)。でも、地元記念が終わってからは、もうグランプリモードです」
 03年から4年連続でグランプリに出場した佐藤慎太郎は、13年ぶりに年末の大舞台に返り咲いた。
 「13年ぶりだから、初出場のようなものです。前に出た時とは気持ち的に違う。当時は獲りたい気持ちはもちろん、“佐藤慎太郎”っていうのをアピールしたいっていうのもあった。いまは変なプレッシャーもないし、勝手に(気持ちが)入ってくると思う。そこらへんが年齢を重ねているところですね。今年はずっと詰めてレースを走ってたんで、こんだけ空いてどうかなっていうのはあります」
 初日の全レースが終了し5時過ぎに始まった夕方の指定練習で清水裕友、ヤンググランプリに出場する宮本隼輔と感触を確かめた松浦悠士は、練習を終えると自転車の調整に余念がない。
 「乗ってる感じは良かったけど、ダッシュした時に自分の感覚と違った。それで自転車をいじりました。(ハンドルの)ポジションを変えます。(初出場のグランプリでも)いつも通りっていうか、普段と同じ感じですね」

6R

選手の写真です。
三上佳孝選手
 赤板の1コーナーから一気に仕掛けた片折亮太に地元の岡田征陽は離れてしまう。前受けから踏み上げた太刀川一成が片折後位に収まる。ピッチを緩めた片折に岡田が最終ホームで追い上げるが、太刀川に競り負けて後退。前団がもつれたところをまくり上げた吉田茂生も不発に終わる。最後は太刀川マークの三上佳孝(写真)が中を割って突き抜けた。
 「こんな展開になるとは思ってなかったです。でも、全部、太刀川さんに任せていたんで。恵まれました。太刀川さんが頑張ってくれたおかげです」
 前々に攻めた単騎の荻野哲は、結果的に最終ホームから千葉コンビを追走する形に。直線で外を伸びて2着に入った。
 「別線だったけど、結果的に南関ワンツースリーになったね。前々に踏んで太刀川との併走だけは避けようと思ってました。展開は意外だったけど、あの位置でいいかなって。最後に外を踏んで伸びてるんでデキは悪くない。競走を走りっぱなしで、脚がついてきているのかもしれないですね」

8R

選手の写真です。
岡村潤選手
 鈴木裕、阿竹智史の順で切ったうえを打鐘で長島大介が出てペースを緩める。そこを稲毛健太が一気に仕掛けて主導権を握る。すかさず反撃に出た鈴木が厳しいと判断するや岡村潤(写真)が最終2コーナーで内に切り込んで稲毛の番手を奪取。粘る稲毛を直線で鋭く差し切った。
 「スタートの場所が悪かったんですけど、しっかりキック(鈴木)が動いてくれたんで。あんなに頑張ってくれたのに申し訳ないですね。川村(晃司)さんが内を空けていたんでたん入ったけど、もう少し待っても良かったかな。キックに悪いことをしました。そのあとも阿竹が来ちゃったんで。感触のほうは全然、問題ないです」
 先行でしっかり長い距離を踏んだ稲毛健太が2着に粘った。
 「昨日(初日)のことがあったので、負けても風を切ろうと思ってました。長かったですね。もうちょっと楽に出られたら良かったんですけど、しっかり踏めていたとは思います」
 後方からまくり上げた阿竹智史は、3着に入るのが精いっぱいだった。
 「3番手が欲しかった。長島がうまかったですね。車の出は悪くなかったけど、もう少し伸びが欲しい。セッティングを修正します」

9R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 打鐘手前で出た渡邉雄太が先行態勢を取るが、8番手の取鳥雄吾が3コーナーから仕掛ける。最終ホーム過ぎに渡邉を叩いた取鳥が主導権を奪取。後続の間合いを計った渡部哲男(写真)が、番手からきっちり抜け出した。
 「渡邉君は前受けかなって思ってたので、後ろは予想外でしたね。(取鳥は)サラ脚でカマす形になった。でも、3番手に畑段(嵐士)君が追い上げてきていたのでやっぱり内、外が気になりました。風はないけどちょっと重かった。バンクも重かったり軽かったりで、調子のせいなのかわからないですね」
 3番手に飛び付いた渡邉だったが、畑段にかぶって万事休す。冷静なコース選択から大塚玲が2着に強襲した。
 「いやぁ、調子いい(笑)。(渡邉は)畑段君に締め込まれてキツそうだったけど、自分は余裕がありましたね。待ってから踏んだし、コースも見えている」

10R

選手の写真です。
園田匠選手
 植原琢也が赤板2コーナーで先頭に立ち、鈴木竜士、小林大介の関東3車が出切って後続も一本棒。植原が最終ホーム手前からペース上げて駆ける。番手の鈴木は車間を空けて、7番手からまくった北津留翼を大きくけん制する。北津留は不発も乗った園田匠(写真)が、中のコースをシャープに伸びた。
 「(北津留)翼は気心が知れてるし、(仕掛ける)タイミングもわかってるんで安心して付いていられる。(北津留が)仕掛けてくれたんで、それで(自分は)イケると思った。翼には申し訳ないけど、あれでバックに入れてしまうとね。それでそのまま踏ませてもらいました。デキも悪くない」
 鈴木のブロックにも助けられた植原琢也が、2着に粘り込んだ。
 「脚がなさすぎ…。自分がもう少し踏めてれば、鈴木竜士さんが1着で自分が3着くらいだったと思う。ちょっと焦って、ビビッて踏みすぎて、それで最後は脚がなかった」

11R

選手の写真です。
松本貴治選手
 全員が単騎となったヤンググランプリ。河合佑弥が8番手から先に動いて赤板過ぎに先頭に立つ。2コーナーから一気に踏み上げた野口裕史が打鐘で主導権を取る。合わせて踏んだ森田優弥が番手に収まり、最終ホームを通過。逃げる野口と森田の車間は大きく空いた状態で、詰め寄り始めたのは3コーナーから。その勢いで4コーナーから抜きにかかるが、河合を最終バック過ぎにすくった松本貴治(写真)が直線で森田に伸び勝ってラストチャンスをつかみ取った。
 「南(潤)が何かしらすると思ってたんで、その後ろにいられて最初はいい位置が取れたなと思ってました。(レースが動き出した)あの時は野口さんが一切緩めずに目いっぱい踏んでたんで、とりあえず詰める勢いでという感じでした。それで(最終)バックら辺で後ろもまだ来てない感じだったんで、最後の直線も長いので、ためてためてって感じでしたね。ずっと軽い感じはしてました。一発レースを勝てたのは自信になりました。来年はしっかりと四国の先輩に信頼してもらえるような選手になりたい」
 先行した野口裕史の番手に入って絶好かと思われた森田優弥だったが、松本に伸び負けた。
 「先行も考えていたんですけど、踏み合ってはダメですからね。自分でも踏んで行ったんですが、野口さんが来てくれたんで。完全にたまたまですね。詰めるというよりも、自分が楽だと思う位置で回してました。まくっていこうかと思ったんですけどキツかったです。余裕はあったんですが、知らないうちに脚を使ってました」
 3位入線の上田尭弥は内側追い抜きにより失格。後方からまくり上げた松井宏佑が3着に繰り上がった。
 「見すぎちゃいましたね。結果、行ってしまえば良かったです。ダメですね…。調子は悪くなかっただけにもったいない。脚は余っていたけど、自分のレースに持ち込めなかった。ファンの方々には申し訳ない。獲れたレースだから悔しい」


≪30日11R「KEIRINグランプリ2019(GP)」≫
 新田祐大は、直前のナショナルチームの海外遠征、ワールドカップのスプリントで銅、チームスプリントで2個(ニュージーランド、オーストラリア)の金メダルを獲得した。競輪では優勝を飾った8月のオールスター以来となるが、リズムは良好だ。
 「今回のワールドカップっていうのは、ナショナルチームの目指す形であったし、僕たちが求めていかないといけないもの。みんさんが求めている結果を出せたんじゃないかと。僕たちがやってきたことが間違いではなかった。(グランプリは)臆することなく自分たちの力を披露する絶好の場だと思う。たくさんの人たちの前で自分たちのパフォーマンスが披露できるっていうのは、(来年の東京)オリンピックまで味わえないかもしれない。だからオリンピックを意識して楽しんでこいと、(ナショナルチームの)コーチにも言われました」
 初日の夕方の指定練習ではバンクに出ることがなかった平原康多は、2日目の夕方にバンクに登場し、勝負フレームとのマッチングを入念に確かめた。
 「過去(にグランプリに出場した)9回は初日に乗って、2日目は(夕方にバンクに入らないで)ゆっくりした。だから、2日目に乗ったのは初めてだと思う。ただ、いままでそれで勝ったことがないから、(2日目に)乗ってみました。(自分が選んだフレームは)納得してもってきてるし、(やることを)やってきている。あとは少しでも体とマッチさせるために乗った」
 「ワクワクしますね」と、今年と同じ立川が舞台の10年にグランプリを制している村上博幸は、円熟味を増して流れる濃密な時間を楽しむようにこう続ける。
 「この歳になったら、止まったら終わりですから。常にためになることをやりながら、今年は頑張ってきた。仕上がってると思う」