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久留米競輪

KURUME KEIRIN

83#

検車場レポート

  • 4/25 Thu.  (前検日)
  • 4/26 Fri.  (1日目)
  • 4/27 Sat.  (2日目)

7R

選手の写真です。
中野咲選手
 中野咲(写真)は、通算12回の優勝のうち、10回の優勝が昨年と今年に挙げたもの。自力を多用するようになって、急激な成長曲線を描いてきた。GIの舞台でも、攻める姿勢は変えない。
 「今年に入ってからは、思ったほど成績が上がらなくて苦しいんですけど、しっかり自力は出せていると思います。決勝でヒヨって早めに動けない時が多いので、今回は挑戦者のつもりで自分から動いてレースを作りたいです。久留米はタイムが出る高速バンクなので、自分には合っていると思います。緊張してしまうと思うけど、気負わずに走りたいです」
 那須萌美は、昨年のパールカップで決勝に進出。上昇気流に乗っていたが、12月奈良FIIの落車で歯車が狂ってしまった。3月平塚FIでも落車してしまったが、新車を投入する今節から、また勢いに乗っていきたい。
 「(平塚FIの落車は)ケガ自体は軽傷で影響はなかったんですけど、(落車明けだった次の函館FIIは)奈良の落車の影響だったと思います。奈良の落車でフレーム以外が全部壊れて、シューズも駄目になった。セッティングを出し直して、調子が悪い中で走ってたけど、よくなかったです。今回から新車にします。鹿児島バンクで乗ってみたけど、練習の感触は良かったですし、周りからも良い感じだって言ってもらえたので、今回はそのフレームで走ります」

8R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 鈴木美教(写真)は、今年初優勝を2月西武園FIIで決めると、3月小倉FIIでは小林莉子を破って2V目をゲット。気合十分で今年最初のGIに挑む。
 「今年はしっかり安定して戦えていますね。(3月)小倉では、小林莉子さんが自分の真後ろにいても、頭を使って勝てた。脚は問題ないし、気持ちも入ってます。練習は室内でやってきました。普段はバンクで乗ることが多いんですけど、今回は室内でパワーマックスだけ。いつもと違う仕上げ方をしてきました。めちゃめちゃ気合は入ってるので、気持ちで走りたいです。去年の松戸オールガールズでは、全然戦えなかったけど、その時よりも脚は仕上がっているし、気持ちが違うので今年は戦えると思います」
 3月岐阜FI、続く4月福井FIIを連続完全Vと、細田愛未の勢いが増している。好調の要因は明確で、表情にも自信が垣間見える。
 「(昨年11月に)欠場してから、復帰しても良くなくて。師匠(太田真一)にセッティングを見てもらってから良くなりました。体調とかよりも、セッティングが大きいですね。前回の決勝も、差されたけど積極的に動けたので良かった。ここ2、3カ月は調子が良いままで来れているので、そのまま今回も決勝に乗れるように頑張りたい」

9R

選手の写真です。
當銘直美選手
 當銘直美(写真)は、3月玉野FIから3連続優勝中と、まさに絶好調。脚力アップは明らかで、GIの舞台でいきなり台頭してきてもおかしくない。
 「3連続優勝は初めてだし、こんなに高い点数をキープできているのも初めてです。今までは自分の意見を押し通した練習をしていたんですけど、最近は先輩方のアドバイスや、指示を聞いて練習するようになって、良い方向に出てきました。いろんな引き出しが増えましたね。位置取りにしろ、展開にしろ、いろんなことに対応できる幅が広がりました。今までに出た大きなレースの中で、今回が一番仕上がった状態で走れるので、楽しみです」
 1月名古屋FIから6連続優勝を飾るなど、小林莉子は今年も一線級の活躍。だが、成績とは裏腹に、本人の感触は絶好調とは言えないようだ。
 「今年に入ってから、練習の調子はそんなに良くないんですけど、レースでの成績は安定してますね。ただ、ここに来てどっと疲れが出た感じはします。強めに練習してきて体は疲れているけど、良い練習が出来たので気持ち的には上がっている。GIで戦えるようにと思ってずっと走ってきたし、今年一本目のGIなんで気持ちを引き締めて。内に詰まったりはしないようにしたい」

10R

選手の写真です。
奥井迪選手
 今年はまだ優勝のない奥井迪(写真)だが、持ち味の先行力は健在。前回4月四日市FIIでは決勝で坂口楓華に力負けを喫したが、その中で得るものがあったようだ。
 「前回坂口さんと走って、違いを感じました。自分の横を通る時のスピードが全然違くて、勉強になりました。そこから自分なりに課題が見つかって、考えながら良い練習をやってこれました。久しぶりに良い状態だと思います。自分の走り方や、スタイルをGIで見せたいって気持ちを持っているので、そういう走りがしたい。久留米はバンクが軽いし、先行してもチャンスはあると思います」
 尾崎睦は、2月京王閣FIIから4連続完全優勝。練習を見直して、好調時の勢いを取り戻した。
 「去年の暮れぐらいから練習を見つめ直して、そこからだんだん自転車に乗っている感覚が良くなりました。最初は練習の量を増やして、やっていくうちに質も上がってきました。今は自転車に乗っている感覚が良いし、単純に楽しくなってきました。GIなんで、今回は調整も入れてきました。久留米は癖のないバンクですし、練習でお世話になったこともあるバンクです」

11R

選手の写真です。
小林優香選手
 小林優香(写真)は、2月高松FIIで落車して1カ月以上欠場。だが復帰戦だった4月小倉FIIでは完全Vを飾っている。状態面はどこまで戻してきているか。地元GIに、並々ならぬ思いで臨む。
 「(前回の小倉は)ケガをしている割にはしっかり走れたなと。痛いとかは言ってられないと思って走りました。ケガをしてからは、計画的に治療と、練習をやれました。小倉が終わった後も詰めて練習をできました。(状態が)上昇している感じはあります。地元の大一番なんで、頑張りたい。地元は特別ですね。私の競技人生はここからスタートして、ここから目標とか、夢を叶えてきた。なので、地元のお客さんの前で優勝したいって気持ちは大きいです」
 今年は先行主体の走りを見せている日野未来。2月松戸FIIでは逃げ切り優勝を飾るなど、内容ある走りに結果も付いてきた。
 「今年はファンの人の気持ちを考えるようになって、どうしたら自分の脚力を出し切れるかと考えたんです。そこから先行するように意識しました。移動中もダイジェストを見たり、強い人の先行の上がりタイムや、一周のタイムをノートに書いて研究したり。その結果逃げ切りで優勝できて、成長できたなと感じてます」

12R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 選考順位1位は地元の児玉碧衣(写真)だ。3月別府FIで体調不良から復帰したが、本来の姿には程遠く、ガールズコレクションでも7着大敗。それでも、4月玉野FIからは2連続完全優勝を決めて、地元GIには「間に合った」と前向きな言葉が飛び出した。
 「玉野の優勝はイマイチだったんです。その後に自転車を久留米に持ち帰って、(師匠の藤田)剣次さんにセッティングを見てもらいました。サドル周りとか、ハンドル周りがズレてて、見てもらってからは違和感がなくなりました。久留米でのGIは最初で最後かもしれない。今年の一発目のGIですし、優勝して早めにグランプリを決めたい気持ちもある。初日から出し切るレースをしたいです」
 坂口楓華は、ガールズコレクションを初制覇。積み重ねてきた努力が、ついに実を結んだ。この勢いのままに、GI初優勝を目指す。
 「一昨年の11月から市田佳寿浩さんに練習メニューを組んでもらって、思ったよりも早く結果が出ました。市田さんのおかげです。1カ月前くらいから、感覚のズレがあって、不安があったんですけど、福井で合宿してきて、セッティングを見てもらって不安もなくなりました。ガルコレを獲ったからって、気持ちは変わらないです。レベルの高い競輪界で、この位置にいられることが嬉しいです。注目されて、やりづらくても、自分のレースを貫いて、リラックスして頑張りたい」
 石井寛子は、昨年でガールズグランプリの連続出場記録が10でストップ。それでも気持ちは切らさずに、今年はすでに7度の優勝を飾っている。ガールズグランプリ返り咲きに向けて、今年最初のGIに集中力を高める。
 「(ガールズグランプリ出場を逃し)悔し過ぎて死ぬかと思いました。でも、まだまだ競輪は続くし、諦めてはいられないと思って、気持ちを切らさずに来れています。久留米は、差しに行くタイミングが難しいバンク。丸いイメージがあります」

7R

選手の写真です。
石井貴子選手
 5番手から動き出した高橋梨香が、打鐘過ぎに石井貴子(写真)を押さえる。高橋が前に出ると、7番手から下条未悠がカマして、最終ホームで主導権を奪う。下条の掛かりが良く、2番手からまくりを狙った高橋は車が前に進まない。3番手から3コーナーでまくり上げた石井が、直線で鋭く伸びて1着スタートを切った。
 「(打鐘では)突っ張るというか、結構、高橋さんがいいスピードで来ていたので、1車行かれてからまくりに構えようと思った。下条さんが来て、高橋さんが追っていったのでそこはお任せしようと。落ち着いて見ながらいこうと思いました。高橋さんが番手から出ていったので、脚をためていこうと。周りが見えていないので、そこは修正したい」
 太田瑛美は、最終バックで6番手の位置取り。前の那須萌美が3コーナーで内のコースを選択し、太田は外のコースを踏む。中野咲をタイヤ差でとらえて、2着に食い込んだ。
 「動く選手が2人いて、石井さんはSを取ると思ったので、下条さんよりは前にいようと思った。高橋さんが切りにいったのは意外でした。でも、石井さんが強いし、(最終)ホームでは落ち着いて走れた。このバンクは3コーナーまでにまくり切らないとキツいって教わったけど、みんな同じタイミングで踏んでいたので、落ち着いて直線勝負をしようと。今開催は、姉(美穂)と一緒に準決勝に乗ろうと思って来ました。落ち着いて走れているし、脚の感じもいいです」

8R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 2番手の鈴木美教(写真)が、前の加瀬加奈子と車間を切って後ろの出方をうかがう。打鐘過ぎに最後方から廣木まこが仕掛けて、その後ろには野口諭実可がスイッチ。鈴木は廣木に合わせて踏み上げて、最終ホームで3番手の位置に飛び付く。野口は最終バック手前から仕掛けて、2番手から廣木をまくる。鈴木は野口と若干車間を空けて追走し、ゴール前で鋭く差し切った。
 「スタートをしっかり出て、組み立てようと思ってました。加瀬さんがちょっと緩めていたので、そこで止まっているよりも前々にいようと思って前に行きました。後ろが来たら踏まないとって思ってたけど、野口さんが後ろを確認せずに踏んでて、これは(仕掛けて)行くだろうと思って付いていって、吉岡(詩織)さんが見えたので追い込みました。抜けるなと思ったし、脚の状態はいいです。久留米はめっちゃ軽いですね。集中して、気持ちで誰にも負けないようにしたい」
 廣木を追って、まくった野口諭実可が2着。3月の体調不良から調子を落としていたが、まずまずの手応えを得た。
 「とにかく自在に、人を頼らずに自分で行けるところから行ってみようと思ってました。吉岡さんが閉じ込められていたので、自分で仕掛けるしかないかなと思ったら、たまたま廣木さんが仕掛けた。そこにスイッチして、前に行ったのは正解でしたね。徐々に調子は戻っている感じはあります。まだまだ本調子じゃないけど、3月(松山)の復帰戦に比べるとだいぶ戻ったと思います」

9R

選手の写真です。
當銘直美選手
 周回中に2番手の青木美保が、打鐘4コーナーで西島叶子を押さえる。太田美穂は、青木が切った上を真後ろから叩いて最終ホームで先行態勢に入る。青木は2番手に飛び付きを狙うが、太田を追った小林莉子が外で踏み勝って2番手を確保。3番手は外の當銘直美(写真)と、青木で併走になる。青木が内を踏んで並びかけるが、小林が4コーナーから追い込む。その外を當銘も勢い良く伸びていく。ゴール前は両者のハンドルの投げ合いになり、タイヤ差で伸び勝った當銘が1着だった。
 「こういうGIで1着を取れたのは、大きな収穫。気持ちで負けるんではなく強い気持ちで走った。(ゴール前で)伸ばせる腕は、全部伸ばしました。位置が悪くない限り、小林さんの後ろに行こうと決めていました。併走は苦しかったけど、しっかり踏み込むしかないと。焦らずしっかり踏めば、準決はあるかなって。このメンバーを相手に1着だし、(状態は)いいと思う」
 思惑通りに2番手を確保した小林莉子だったが、脚力の消耗が響いた。最後は伸び比べに敗れて2着。
 「ここまできたらみんな仕上がっているし、判断を誤らないようにと。併走で脚を削られちゃいました。位置取りは良かったけど、しのいで、しのいでだったのでキツかった。ゴール前は内(に青木)も来ていたし、自分の伸びが悪かった。太田さんが強かったし、スピードも良かった。もうちょい修正が必要だなって思う」

10R

選手の写真です。
飯田風音選手
 7番手から増田夕華が動き出して、奥井迪が追いかける。先頭の渡口まりあは、増田を打鐘3コーナーで突っ張り、増田は2番手の位置に降りる。すかさず奥井は渡口を叩いて最終ホームで先頭に立つ。増田に1車入られた飯田風音(写真)だったが、外の奥井に俊敏にスイッチしてリカバリーに成功。奥井が逃げて、他の仕掛けはバックを過ぎてもない。絶好の位置を回った飯田は、2センターから外に持ち出して、直線で抜け出した。
 「(スタートは)1番車(奥井)と、2番車(尾崎睦)が遅めで、それを見ていたら遅れちゃった。前に上がりたくて、入れるところをうかがっていた感じです。(奥井に)合わせて出ようと思ったんですけど、(奥井の仕掛けが)早かったんで遅れました。結果的に展開が良かったです。久留米は今まで決勝に乗れていないし、今日(初日)は展開です」
 飯田の後ろに追い上げて3番手を確保した尾崎睦だったが、そこからの仕掛けは見られない。飯田を追って流れ込みの2着で、連勝は12でストップした。
 「奥井さんのスタートを見てから出ようと思ってたけど、あの並びになるなら自分で出ちゃえば良かった。理想の並びを作れなかった。もう1車前にいられたら良かった。勝ち上がりなので、着狙いというか、大事にいっちゃった。(最終)バックの詰まったところで、行ければ良かったんですけど。連勝は意識していないし、そこに関しては悲観してないですけど。組み立てとか、甘い部分が出た。もう少し体調を整えて、考えながら過ごしたい」

11R

選手の写真です。
吉村早耶香選手
 打鐘過ぎに誘導が退避するが、隊列に大きな動きはない。4コーナーから6番手の山原さくらが勢い良く仕掛けると、日野未来は2番手から合わせて踏み上げて先頭に出る。山原と日野の肩が並ぶが、日野が内から合わせ切って主導権を握る。周回中から日野の後ろにいた吉村早耶香(写真)が2番手の位置取り。小林優香は最終2コーナー過ぎからまくり上げるが、外を回されたロスと日野の掛かりが良く進みはいまひとつ。日野が懸命に踏み直すが、絶好の位置を回った吉村がゴール前で差し切って、好展開をモノにした。
 「どうなるか予想してなかったけど、日野さんが来たので付いていこうと。日野さんが逃げるだろうなって頭があった。道中は楽ではなかったです。(日野に)仕掛けて欲しいなって思っていました。余裕はなかったけど、(最終ホームの)あそこは譲れなくて付いていけて良かった。4コーナーからは車が進んでくれて良かった。展開も向いたし、モノにできて良かった」
 日野未来は、山原や、小林を封じて2着に逃げ粘る好内容のレースで勝ち上がりに成功した。
 「自分で踏み切ったレースなので、2着だけど、自分のレースはできた。誰が番手にいても一緒だと思っていたし、踏み切れたので良かった。(最終)ホームからは誰も出させないつもりで走った。ドンってカマすか迷ったけど、まくられたら意味がないのでペースで踏みました。余裕はまったくなくて、ずっと全力で脚を使っていました。ゴール前はいっぱい、いっぱいでした。ここに向けて仕上げてきていたので、確定板に乗れて良かったです」

12R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 3番手の坂口楓華は、打鐘で前と車間を切って後ろの仕掛けに備える。5番手で仕掛けのタイミングをうかがった児玉碧衣(写真)は、4コーナーから一気にスパート。反応した坂口の上をスピードの違いでまくり上げる。最終ホームを目がけてダッシュした尾方真生の逃げを、児玉はバック手前で乗り越える。力強く先頭に立った児玉は、そのまま2着に1車身のセーフティーリードを保ったままゴール。地元GIを最高の形でスタートさせて、完全復活を強く印象づけた。
 「今までで一番なんじゃないかってくらい声援がすごくて、力になりました。(周回中は)3、4番手が欲しかったけど、5番手になったので、誰も動かなければカマシになるなと思った。誰かが動けばまくりで、今の(坂口)楓華にどれくらい迫れるかと思ってました。自分がいい時は、やっぱり自分のレースができている時。(坂口が車間を空けていて)マジかと思ったけど、自分を信じて行きました。(最終)4コーナーを回って、直線で力んで肩が上がってるのが自分でわかったので、そこは修正点ですね。これでグランプリが決まってくれってぐらいいい勝ち方ができた。優勝したかと思うぐらいの声援でした。体調と、脚力を戻すためにすごい練習をしてきて、それをやってきて良かったなと思えました」
 吉川美穂は、周回中に坂口の後ろで4番手の位置取り。児玉の後ろに追い上げた坂口を追って、直線で鋭い伸びを見せて2着に入った。
 「楓華の後ろに入れたので、楓華だけを見て踏もうと思ってました。いつも他力本願のレースばっかりで情けないんですけど、楓華がまくってたら自分(が1着)の展開だったかなとは思う。でも、自力がないことが1着を取れなかった原因だと思う。(最終)4コーナーで思ったよりも伸びたので、自分が思っているよりもしっかり走れていると思います」
 坂口楓華は、児玉に上を行かれて仕掛けのタイミングを逃してしまう。児玉の後位に飛び付くようにして追い上げて、結果的には石井寛子と併走。流れ込みでの3着の結果では、自身も満足できない。
 「尾方さんが駆けて(石井)寛子さんがその後ろにいるのは予想通りだった。けど、(児玉)碧衣さんよりも先に行かないと勝てないと思っていたのに。自分が行きたいタイミングで碧衣さんが来たので、さすがだなって。いつも初日が一番重いんですけど、今回は特に疲労を感じる。セッティングは(前回のあとに合宿した)福井で修正して、ガルコレの時よりもいいので、あとは仕掛けどころの選択が遅れないようにしたい」

7R

選手の写真です。
杉浦菜留選手
 打鐘3コーナーから6番手の又多風緑が動き出す。又多が最終ホームで増田夕華を叩いて先行態勢に入ると、すかさず野本怜菜が反撃を開始。野本の後ろを板根茜弥、杉浦菜留(写真)の順で追う。2コーナー過ぎに野本が又多をとらえ、その上を杉浦がまくり上げる。スピードに乗った杉浦は、直線で野本を抜き去って1着を手にした。
 「昨日(初日)よりは落ち着いて走れました。自分もバックから仕掛けたかったので、(野本の)上を行けて良かった。勝ちたかったので、気持ちでまくれました。状態は良いと思うので、レースで出せたら良いと思っていたけど、初日は何もできずに終わった。久留米で練習をしていたので、結果を出したかったのが空回りしちゃった。切り替えて、今日は平常心でいけました」
 初手から野本を追った板根茜弥は、杉浦には上を行かれたが、野本は交わして2着でゴール。
 「レースプランはイメージ通りいった。(3コーナーで)外に持ち出しているとこにハウスった。途中で1着だと思って、勝ちたい気持ちと前に行きたい気持ちが合わなかった。道中は余裕がありました。落車しなくて良かったし、巻き込まなくて良かった」

8R

選手の写真です。
奥井迪選手
 打鐘4コーナーで、5番手から吉岡詩織が一気にスパートする。それを追った奥井迪(写真)は、吉岡が最終ホーム過ぎに出切ったタイミングで、真後ろからすかさず仕掛ける。力ずくでまくった奥井がバックで先頭に立ち、そのまま後続も振り切って1着。
 「吉岡さんがすごい気合が入ってたし、落ち着いて行こうと思いました。(吉岡が出切って)すかさず行ったんですけど、出切るのに脚を使ったので最後はきつかったです。練習は良い感じで来れたのに、それをレースで出せている感じがない。レースで練習の感じを出すのは難しいですし、メンタルの問題もあるので強いメンバーで戦う中で出すのは難しい。でも、一歩ずつ前進して、また明日(最終日)良い形で終わりたいです」
 西島叶子は、周回中から奥井の後ろで7番手の位置取り。奥井の仕掛けをけん命に追って、2着に入った。
 「本当は前の方にいたかったけど、後ろになっちゃったと思ったら、3(吉岡)、1(奥井)で並んでて。奥井さんが動くかなと思ったし、もうその後ろで踏ん張って付いて行くしかないなと。高橋(梨香)さんとか、那須(萌美)さんの飛び付きに負けずに付いて行けたけど、奥井さんが強くて追い込めなかった。昨日(初日)は何もできずに内に詰まって終わって、悔しさすらなかった。今日はなんとか確定板に乗ろうと頑張りました」

9R

選手の写真です。
山原さくら選手
 打鐘過ぎに誘導が退避するが、レースはスローペースのまま。5番手の岩崎ゆみこは、腹を決めて4コーナーからホーム目掛けてカマして先頭の加瀬加奈子を叩く。廣木まこが車間が空きながらも岩崎を追いかけ、その後ろには山原さくら(写真)が控える。最終2コーナーで岩崎に追いついた廣木が、その勢いのままにまくり上げるが、両者の上を山原がまとめてまくっていく。バックで前をのみ込んだ山原が、前夜のうっ憤を晴らすかのように後ろを千切って圧勝した。
 「落ち着いて走ろうと思ってました。みんなどこからでも仕掛けられるメンバーだったので、動きを見て行ける所から行くつもりでした。仕掛けた手応えは良かったです。昨日(初日)よりは今日の方が体は動いていた。状態は悪くないと思います」
 岩崎に叩かれた加瀬加奈子は、一車下げて態勢を整える。岩崎と廣木で踏み合う外を、直線で伸びて2着。
 「次はないと思って走っているGIなので、無事に走って1着を取れたらいいなと思っていた。ジャンで見てて先まくりを打とうと思ったら被った。ああって思ったけど、最後は伸びました」

10R

選手の写真です。
吉川美穂選手
 周回中に7番手の吉村早耶香が、打鐘目掛けて勢いよく動いて久米詩を叩く。鈴木美教が追い上げて、3番手は外に鈴木、内に吉川美穂(写真)で併走になる。久米が最終2コーナーからまくって出て、その後ろは吉川が踏み勝ってキープ。4コーナーから追い込んだ吉川が鋭く抜け出して、決勝一番乗りを決めた。
 「(周回中の隊列は)一番理想通りの形になりました。(打鐘から)外に(鈴木が)いたけど、自分が出られるスペースはあったので、危機感なく、落ち着いて走れました。前回の向日町は決勝4着だったんですけど、感じは良かったし、今回も感じは良いです。4コーナーから伸びたし、踏み込んでから気持ちよくスピードに乗っていく感覚があった。GIの1着は、パールカップの一般戦以来で、勝ち上がりの1着は初めて。自分が思っているよりも調子は上向きだと思うので、この勢いで優勝を目指したいです」
 小林莉子は、周回中に久米、吉川の後ろで3番手の位置取り。終始吉川を追走して、2着で決勝進出。
 「2番(久米)、1番(吉川)で並ぶだろうと思ったけど、久米さんのスタートが早かったですね。その2人が並ぶよりは前にいたかったんですけど。(周回中の時点で)内に詰まるだろうなと思った。勢いよく吉村さんが来て、久米さんが出したので、アンコになるなと思った。でも、前が伸びていったんで、落ち着いて付いてました。外か、内か迷ったのはあるけど、伸びが悪かったと思う。落ち着いてはいたけど、GIとなると難しいです」
 2番手で落ち着くことなく、自ら仕掛けた久米詩。3着で決勝に滑り込んだ。
 「最初から、Sを取って、誰か来ても突っ張るつもりでした。(吉川が)隣枠だったので、近くになると思ったけど、気にせずに自分らしい走りをしようと思った。(2番手に入ってから)被る前に出る準備をしていたし、気持ちを強く持っていました。タイムが良くないので、思っているよりも状態は良くない。でも、その中で気持ちを入れて走れたのは収穫です」

11R

選手の写真です。
尾崎睦選手
 各車が見合ってスタートけん制が入るが、しびれを切らした當銘直美が誘導を追い、最終的に小林優香が當銘の前に入って隊列が整う。打鐘で誘導が退避しても動きはなく、先頭の小林が最終ホームからスパートしてペースが上がる。4番手で前と車間を切った尾崎睦(写真)が2コーナーから仕掛けると、合わせて當銘も2番手から仕掛ける。後方からは坂口楓華も踏み上げるが、外を回されてかなり苦しい。3コーナーで當銘に並んだ尾崎は、4コーナーの下りで再加速。直線で當銘をねじ伏せて、会心の勝利を手に入れた。
 「スタートが一番大事だと思っていました。一番前はいらないと思っていた。あとは坂口さんが後ろにいたので、その仕掛けだけ見てと。小林さんが駆けるとは思わず、口が空いたので、車間だけは空き過ぎないようにと。あとは自分を信じてまくっていった。昨日(初日)より体調は良くなっているし、力も入っていた。男子選手がGIを走っていて羨ましいなって思っていたし、やっと(ガールズも)GIという形になったので(決勝は)チャンスをモノにできるように」
 周回中に5番手の柳原真緒は、目の前の尾崎に先に仕掛けられてタイミングがなくなってしまう。そのまま尾崎を追って、なんとか2着はキープ。
 「ちょっと、前は取りたくないっていうのがあった。けん制もあったので、あまり踏み過ぎないようにと。ここって所で行ければいいなって思っていた。3着だと思っていたので、2着で良かった。昨日(初日)よりはしっかり踏めている感じがあったし、もう2段階くらい踏める感じがあった。決勝に乗らないとグランプリの権利は始まらないので、決勝(に乗るのは)は絶対だと思っていた」

12R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 7番手から野口諭実可が動いて、3番手の児玉碧衣(写真)の後ろに追い上げる。2番手の日野未来は、後ろを確認してから最終ホームでスパートして主導権を握る。児玉は日野を追って、2コーナー過ぎから猛スピードでまくる。バックで日野をとらえて、そこからさらに加速。ゴールまで一切失速することなく、連勝のゴールを駆け抜けた。
 「決勝に乗らないと話にならないので、まずは決勝に乗れてホッとしています。2月に体調を崩して、なかなか勝てなかったんですけど、前回の松山で急に良くなって、そこから練習してさらに良くなった。地元ってこともあって、力を出し切れているなと思います。中団からスタートしたくて、3番手からになったんですけど、(尾方)真生がどこから来るのかっていうのと、(日野)未来さんのダッシュがすごいので離れないようにと考えてました。口が空いたんですけど、2コーナーからしっかり踏めたので良いのかな。今日(2日目)の方が緊張しました」
 追い上げた野口諭実可は、外併走から児玉の後ろを奪取。猛烈な加速にも食らい付いて、2着で決勝に進出。
 「強い人の後ろを取れたら、とにかくへばりついて行こうと思ってました。久々に児玉さんの後ろに付いたら、バイク誘導に付いているみたいで、死にました(笑)。3月は病み上がりで苦戦したんですけど、こんなに力が戻ると思ってなかったです。今が一番良いと思います」