大阪・関西万博協賛競輪(G3)。ダービー直前の開催なので一線級は少ないが、逆に多くの選手にとってはチャンスのシリーズだ。決勝3着以内に入れば競輪祭の優先出走権を得られるので勝ち上がりから激戦の連続となろう。そのV争いの中心となるのは村上博幸、南修二とビッグネームをそろえる近畿勢だ。昨年の怪我による長欠があってダービーには出走ならなかった村上だが、戦える状態を整えて復帰しただけに格が違う。昨年10月当所での熊本記念ではあわやの準Vだったようにグレード戦でもVを争う脚だし、F1戦ではVラッシュ。ヨコの厳しさで誰もが恐れる南まで控える近畿ラインに逆らえる勢力が果たして出て来るか。3月取手でVなど安定している小森貴大と、直近4カ月の3連対率は56%と同じく安定感では負けていない中井太祐。さらに酒井拳蔵をはじめ2班にもイキのいい機動型が近畿にはそろっている。その番手、3番手で睨みを利かせながら村上、南が優位にレースを進める。
地元九州勢も吉本卓仁を軸に結束して是が非でも優勝者を出したい。2月宇都宮で準V、3月福井でVなど吉本は動きが軽快。狙いすましてのまくりに威力があるだけに、若手の番手を回っても鋭く伸びてくるし、レースの組み立ての幅は広い。ブレずに先行勝負を貫く林大悟を坂本亮馬とともに盛り立てながら、ゴール前で抜け出すのが理想だろう。怪我から低空飛行が続く中川誠一郎はかみ合った時には別格のタテ攻撃を見せるのでまだまだ見捨てられない。当所で代替開催された熊本記念では3度の優勝歴がある中川にとっては庭みたいな走路。ファンを魅了する一撃が飛び出すか。
菅田壱道、嵯峨昇喜郎ら北勢にも魅力的な面子がそろう。当所記念、当所G3を制した実績がある菅田は今回も有力なV候補となろう。北の選手のVに数々貢献している嵯峨の番手がVへの一番の近道となるが、昨年後期には7月福井記念を含めて4Vをマークしている菅田は自分でやっても強い。仕掛けは早くないが、踏み出してからのキレは強烈だ。
松本貴治も負けていない。2月伊東でV、3月松山記念の準Vと練習量を増やした効果も出て改めて能力の高さを示したばかり。山根将太、池田良ら中国勢と別線になると援軍は手薄になるものの、松山記念の決勝も単騎戦であわやVだったので不安はない。冷静に流れに乗っていっての自力攻撃で強敵をあっさり撃破も。
強い兄弟子を追って着実に売り出してきている佐々木眞也の動向も気になる。前々自在戦もこなすが、番手戦が基本で2月静岡記念で決勝に乗るヒットも飛ばしている。根田空史、大石剣士と頼れる機動型との連係から勝機を見い出す。
復調ムードの小林泰正、ビッグレース裏のG3開催に強い山岸佳太ら関東の曲者にも警戒。吉田敏洋も好目標があるか展開が向けば確実にモノにできる状態だ。