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久留米競輪

KURUME KEIRIN

83#

検車場レポート

  • 9/30 Wed.  (前検日)
  • 10/1 Thu.  (1日目)
  • 10/2 Fri.  (2日目)
  • 10/3 Sat.  (3日目)

1R

 オープニングレースで1番車の藤根俊貴は、オールスターで右鎖骨を骨折。今回が復帰戦だ。
 「初めて鎖骨を折りました。手術をして2日後には腕は上がったし、パワーマックスに乗って心拍は鍛えていました。普通の練習も2週間くらいはしっかりできました」
 前回の共同通信社杯は失格となった佐藤友和だが、8月高知FIと続く取手FIは連続で決勝にコマを進めている。
 「前回は失格だったけど、感触は良くなっているし納得の走りはできました。(弟子の藤根)俊貴とは練習でも一緒にやっているし、問題ないですね。久留米は冬季移動で6年くらいお世話になったので、ホームバンクと言っても過言ではない。青森よりもこっちの方が練習している時間は長いです」

2R

選手の写真です。
森山智徳選手
 地元のトップバッターを務める森山智徳(写真)は、近況、優出こそないが随所で好走を見せている。
 「前回の別府は(準決勝で)飛んでしまったけど、しっかり仕掛けられれば大丈夫なレースでした。練習はできているので、それがどう出るかですね。気負い過ぎると練習をやり過ぎてしまうので、いつも通りにやってきました。地元で一番手なので、良いスタートを切れるように、楽しみながら走りたいです」
 オールスターで落車した東龍之介は、9月京王閣FIで復帰。2戦目の共同通信社杯では準決勝へ進んだ。
 「オールスターは肋骨骨折の診断だったけど、地元に帰って再検査をしたら大丈夫だってことだったんで、そこからは吹っ切れて普通に練習できました。痛みに反して体は動いていたので。前回(共同通信社杯)よりは、体的にも気持ち的にも良いんじゃないかなって思います。練習もケアもできました」

3R

 今期S級に返り咲いた地元の松岡孝高は、ここまでに3勝を挙げている。
 「今回は思いつく限りのことをやってきたので楽しみですね。別の競技からトレーニングを取り入れたりして、それが良い方に出るのか分からないですけど、納得できるトレーニングはできました。自分はA級でも仕掛けられるところはしっかり仕掛けて、タイミングを逃さないようにやってきたので、それはS級でもしっかりやっていきたいと思っています。やってきたことをしっかり出したいです」
 ウィナーズカップで左手首を骨折した植原琢也は、前回の小田原FIで復帰後初優出を果たした。
 「オールスターまでに戻したいと思っていたんですけどね…。手首を折ってバランスが悪くなり過ぎでしまって、自転車に乗っているのがキツかったんですけど、最近は練習で数値が戻ってきているし、今年中にはなんとかって思っています。メンバーが良いので胸を借りるつもりで走りたいです」

4R

選手の写真です。
湊聖二選手
 松本貴治は共同通信社杯の最終日に白星をゲット。目標の島川将貴は不発となったが、自ら追い上げて勝利をつかんだ。
 「共同通信社杯からフレームを新しくしました。今までと形とかは一緒なので、特に変わったことはないんですけど。(最終日は)内容は良くはないですけど、1着だったんで気持ち的には良いですね。9車立てはタイミングが取りやすいので、7車立てより好きです」
 7月当所で優勝した湊聖二(写真)が、松本をマークして差し切りを狙う。
 「約1カ月間(中27日)空いたので、強弱を付けて練習してきました。強の時は、ものすごい重たいギアを使ってウエイトみたいな練習ですね。間は空いたけど、レース勘とかは全く問題ないと思います。練習の方がよっぽどキツイことをしているので」

5R

 7月富山FIでVをつかんだ山田久徳は、前々回の松戸記念で決勝進出を果たしている。
 「感触は悪くないかなと思います。7車立てだったり、9車立てだったりでレース勘とか、おかしいところはありますけど。今回は9車立てなので、スピード感に気を付けたいです。(中5日は)普通にいつも通り練習できましたし、疲れも大丈夫です」
 澤田義和はサマーナイトフェスティバル、福井記念、オールスターを欠場。今回が復帰3場所目となる。
 「サマーナイトは体調を崩してしまって、時期が時期だったんで休みました。オールスターは練習中の落車で。肋骨と肩甲骨の骨折は思ったほど痛くなかったから、オールスターは走りたかったんですけど、擦過傷が酷かったので欠場しました。まだ完ぺきに骨はくっついてないと思うけど、もう大丈夫です。復帰してから使っている新車は、スカスカするので今回から元のフレームに戻します」

6R

選手の写真です。
神田紘輔選手
 高松宮記念杯での落車はあったが、復帰後も8月大垣からFI戦を3場所連続で優出している神田紘輔(写真)は、好調をキープしている。
 「最近、やっと調子が上がってきました。練習のメニューを少し変えたのが良いんですかね。今回の追加は前回(岐阜)の前検日に来ました。中2日ですけど疲れは大丈夫です。この後もレースが詰まっているけど、走りっぱなしは嫌いじゃないので」
 神田に前を任された高久保雄介も、近況のFI戦は手堅く決勝にコマを進めている。
 「決勝に上がれているから調子は悪くないと思っているんですけど、人の後ろが多いのでなんとも言えないですね。(前回の)松阪からは疲れがあったので、疲れを取るのに必死でした。(神田は)同期で同い年なんで2人で決めたいですね」

7R

選手の写真です。
松川高大選手
 地元の松川高大(写真)は、前々回の防府FIから新車を導入している。
 「新車は特別良いっていう感じでもないけど、問題ないかなと思います。(共同通信社杯は)みんな強すぎてタイムもすごかったですね。9車立ては道中の動きがあるから、何回も脚を使ってキツイですけど、僕みたいに位置を取る選手は9車立ての方が勝ち目はありそう。(初日に連係する上田尭弥は)レースで練習の強さを出せてないですよ。あの強さを出せればGIの常連くらいの強さはあると思います」
 上田尭弥は今回が2度目の地元記念。持ち前の機動力でラインを上位に導けるか。
 「今年は決勝を目標にして頑張りたいですね。松川さんとはバンクで練習はしていますけど、レースで一緒に走るのは初めてです。前回の岐阜記念からは、玉野の追加も来たんですけど、そこは断って熊本記念を意識して練習してきました。末脚が足りないなと思うので、もうひと踏ん張りできれば戦えるのかなと思っています」

8R

 6月青森GIIIから好調を維持している長島大介は、前回の弥彦FIで今年初Vを果たした。
 「今回はしっかり疲れを抜いてきました。前回は練習をやり過ぎていたから、今回の方が調子は良いと思います。久留米は(17年の)記念優勝以来、走ってないですね。良いイメージはあります」
 芦澤辰弘は前々回の平FIで準V。前回の共同通信社杯では最終日に連対を果たした。
 「共同通信社杯の最終日の感覚が良かったんで、その感覚を維持できるようにしてきました。その感覚で(長島と)ゴール前勝負ができれば良いかなと思います。記念を走るのは久々ですね。7車立てのポイント制の記念も走ってみたかったけど、一回も走れなかったです」

9R

 向日町記念と共同通信社杯を連続で失格している三谷竜生だが、調子自体は悪くなさそうだ。
 「自分の中では、一番厳しい時は脱したかなと思っていて、連続で失格していますけど、動きは悪くないと思います。肩鎖関節の骨折は長引くみたいで、肩とか張っている部分もありますけど、それは言い訳にもならないので。練習はいつも通り、毎日やってきました」
 7月富山記念以降は優出がない元砂勇雪だが、前々回の向日町記念でオール確定板入りを果たすなど、好調ムードだ。
 「デキは悪くないんですけど、成績はパッとしないですね。4コーナーからの末が甘いかなと思うので、そこを意識して走りたいです。追加は1週間くらい前に来たので、練習もできていますし、問題ないです」

10R

選手の写真です。
野口裕史選手
 前回の弥彦FIを無傷で優出した野口裕史(写真)は、今回が6月青森以来の9車立てレースとなる。
 「7車立てで脚を使う場所と、9車立てで脚を使う場所は違う気がしますね。ペースも違う感じがするし。でも自分には先行しかないので、9車立てでも自分のスタイルで走ります。前回からは、結構練習してきたので疲れはあるかもしれないです」
 1月奈良FIの落車以降は大敗も目立った高木翔だが、近況は徐々に白星が増えている。
 「コロナ期間のあとくらいから、だいぶ調子は良くなってきていると思います。久留米は冬季移動で来させてもらっているので、走り慣れていますね。(昨年2月に)優勝もあるバンクです。自分には100パーセント、9車立てが合っているので頑張りたいです」

11R

選手の写真です。
坂井洋選手
 近況、グレードレースを走ることが多い坂井洋(写真)は、やや点数を落とし気味だが、持ち味のスピードは健在だ。
 「共同通信社杯の結果は散々でしたけど、得るものはありましたし、毎開催しっかりレースを振り返っています。練習もしっかりやっているので、脚は大丈夫ですね。佐々木(雄一)さんとは何度か連係はありますけど、毎回差されています(苦笑)」
 その佐々木雄一は、8月福井FIでVを達成。差し脚が冴えている。
 「6月に落車をしたけど、体も練習の数値も落車する前くらいまで戻ってきていると思います。前回(弥彦FI)からは1日休んで、昨日(前検日前日)まで練習してきました。最近の坂井は強いので、まずはしっかり付いて行くことを意識して走ります」

12R

選手の写真です。
山田英明選手
 共同通信社杯は決勝で1着入線も、失格と判定された山田英明(写真)。賞金争いも終盤に差し掛かっているだけに、気持ちを入れ直してシリーズを戦い抜く。
 「もっと気持ちが強くならないとS級S班になっても通用しないと思うので、しっかり立て直していきたいですね。とにかくやるしかないですし、今年はGIでもFIでも一戦、一戦、大切に走って行くことを課題にやっているので、コツコツ走ります。(共同通信社杯の決勝は)ラインでそれぞれの仕事はできたんですけど、僕はお客さんに迷惑をかけて申し訳ない気持ちがあるので、レースで返していけるように頑張ります」
 山田の失格で中本匠栄が繰り上がりのGII初優勝を飾った。今回の初日特選は、九州4車の先頭で風を切る。
 「山田さんにはいつもお世話になっているし、前で頑張りたい気持ちがありました。一戦、一戦、できることをやっていくしかないですね。前回からここまでは、疲れを取ながらやってきました。地元から優勝者がでるように頑張りたいです」
 S班の郡司浩平は、前々回の岐阜で今年3度目の記念Vをゲット。共同通信社杯は二次予選で敗れるも、シリーズ3勝と力を発揮した。
 「調子は変わらずです。1着が増えているのは良い兆しですね。特に何かを変えたとかはないんですけど、長い距離を踏めるようになって、先行もできるようになってきたので、幅は広がったと思います。感覚的なものはいつも意識していて、イメージ通りに走れているので、そこさえ崩れなければ成績も崩れないだろうと思っています」

1R

選手の写真です。
門田凌選手
 赤板の2コーナー8番手から仕掛けた伊藤稔真だったが、佐藤友和のブロックで失速。中団で脚を溜めた門田凌(写真)は、最終2コーナー手前からまくり出し、逃げる藤根俊貴を一気に抜き去ってオープニングレースを制した。
 「何もせずに終わるのは嫌だったので、最低でも中団は確保しないとって思っていました。自分のレースとしては問題ないです。風がバックからホームまで向かっているような感じで、風速の数値よりも強く感じたので、藤根君もタレてくるだろうと。中団だったので9車立てでどうこうはないけど、1着スタートなので感じは良いと思う。右手首は痛いけど、レースに支障はないです」
 門田をマークした池田憲昭は離れ気味になりながらも懸命に追いかけて2着を確保した。
 「門田が強かったです。正直あそこまで車が出るとは思わなかった。全く期待してなくて(苦笑)。恵まれました」

2R

選手の写真です。
菊池竣太朗選手
 打鐘の3コーナーで吉川起也が菊池竣太朗(写真)を叩いて先制。後方になった森山智徳はすぐさま反撃に出るが、菊池との外併走で力尽きて後退する。単独の3番手となった菊池は最終2センターから踏み出すと、直線で鋭く伸びて通算100勝を達成した。
 「吉川さんがカカっていて車間が空いてしまって、森山さんとの位置取りで脚を使ってしまいました。森山さんが踏むのを止めて、どこからまくりに行こうかなって思っていたけど、山内(卓也)さんのけん制がすごくてなかなか行けなかったです。ずっと99勝で止まっていたけど、やっと100勝できたので、もっと上のステージに行けるように頑張ります」
 先行した吉川の番手から抜け出した山内卓也が2着でゴールした。
 「(吉川は)風が強い中、頑張ってくれました。作戦通りでしたね。(自分は)仕事ができたかは分からないけど、なんとかです。感触は良くはないけど、すごい悪いわけでもない。ただ、風が気になり過ぎて重い感じはしました」

3R

 先頭に立っていた吉田茂生が、別線の仕掛けを警戒しながらペースを握る。5番手の植原琢也が打鐘の4コーナーで仕掛けると、吉田もペース上げて植原後位の神山雄一郎が遅れる。植原がロングまくりでとらえて、吉田が番手に飛び付く。吉田マークから山口泰生が、直線で外を突き抜けた。
 「まさかの展開でした。後手になる展開もあると思ったけど、シゲ(吉田)の押さえるスピードが速かったから、誰も切り替えてこれなかったんじゃないですか。(最終)ホームで植原君の気配を感じて、神山さんがちぎれたのが見えたので吉田が入ればと。中を割って(吉田の)邪魔をしないように、外を踏みました」
 別線の吉田に番手に入られながらも、ロングまくりの植原琢也が2着に踏ん張った。
 「(別線が)切って切ってのジャン先行かなと思ったけど、そうならなくて…。テンポを一つずらして行ったけど、掛かり切らなくてモコモコしていた。波もつくられてしまったし、もっとキレが良かったらラインで出切れていたと思う。自分の体と頭が一致していない。今は脚が落ちているし、末もないけど、最近の中では一番良いレースができたと思う。ここから(脚を)戻していきたい」

4R

選手の写真です。
松本貴治選手
 田頭寛之が打鐘手前で松本貴治(写真)を押さえて主導権。すんなり中団を確保した松本は最終1センター過ぎから仕掛けると、豪快に前団を飲み込んで快勝した。
 「イン切ってすんなり中団すぎて、普段あんまりやらないことなんで緊張したというか、バタバタしてしまった。でも、五十嵐(力)さんのけん制も乗り越えられたし、出た感じは悪くなかったですね。走る前は緊張しましたけど、(感触は)悪くないと思います」
 松本マークの湊聖二が2着で四国ワンツーが決まった。
 「一言で言うと抜けません(笑)。(松本は)まくって行く時も焦っとる感じはなく。もう半周あっても抜けんかったやろうね。付いて行くのは全然、楽でした。勝ち上がれたのはホッとしています」

5R

 打鐘で飛び出した曽我圭佑が先制。3番手の坂本周輝は、車間を詰める勢いで最終2コーナーから仕掛ける。しかし、7番手でジッと脚を溜めていた山田久徳が大外を豪快に飲み込んで白星を挙げた。
 「ホームで行こうと思ったけど、前も踏み上がっていたし、前まですごく遠く感じたので無理やり仕掛けたらごちゃつくと思いました。(ライン3番手の)佐藤(成人)さんには迷惑かけましたね。脚の感じはすごく良かったので、踏み出した瞬間にイケると思った。吸い込まれていったし、(澤田義和と)ワンツーが決まって良かったです」
 山田を巧追した澤田義和が2着に続いた。
 「山田が伸びて行きました。山田は点数を一番持っているし、一番強い。離れないようにだけ気をつけて集中していました。ここ2場所は新車を使っていたけど、前回(共同通信社杯)がダメだったので、今回からフレームを元に戻した。戻して正解でした。あの山田のまくりを抜くにはもう一段ギアが欲しいね」

6R

選手の写真です。
神田紘輔選手
 赤板の1コーナーで高久保雄介が先頭に立つと、中近ラインに乗った才迫開は林慶次郎をキメて中団を確保する。林は打鐘の2センターから反撃に出るが、最終バックの神田紘輔(写真)のブロックで後退。最後は絶好の展開となった神田がきっちり抜け出した。
 「いつも焦って持っていってしまう癖があるんですけど、今日(初日)は我慢して我慢して、ブロックすることができました。高久保もカカっていたので、そこまでしなくても(林は)止まっていた感じだったけど、誰かが来るかもしれないんで一発。(自分の)調子は良いですね」
 別線を完封した高久保雄介が2着に粘った。
 「作戦に先行はなかったんですけどね…。(才迫が林をキメたのが)見えたので俺が先行かと。7番(林)はすぐに仕掛けて来れないだろうと思ったので、ペースで踏んで行きました。自分的にはカカっている感じはなかったんですけど、残れているので悪くはないですね」

7R

 佐藤雅春が押さえて出て、7番手になった上田尭弥は赤板2コーナー過ぎから反撃に出る。3車のラインで出切って難なく主導権を奪った上田が、後続を一本棒にして駆ける。結局、別線は仕掛けられず、番手で車間を空けた松川高大がきっちり差し切った。
 「(上田は)初連係だったけど、いつも練習で一緒にやっているから大丈夫。練習の方が強いですよ(笑)。結構、掛かっていた。人の後ろの方が楽だけど緊張しますね。今回は自力でもやれるくらいの仕上がりはあります」
 持ち前のスピードを披露して別線を完封した上田尭弥は2着。
 「(初手は)前か中団から組み立てて、後方へ引いて自分のタイミングで行こうと思っていた。佐藤さんが引いてくれて、出切ってから自分のペースに入れられました。風がキツかったです。松川さんとは練習もしているし、信用していますから。(ラインでの)ワンツースリーが決まってベストだし、うれしいです」

8R

選手の写真です。
長島大介選手
 赤板の2コーナーで岡崎景介が津村洸次郎を突っ張ったところを、長島大介(写真)が叩いて先行態勢に入る。快調に逃げる長島に、別線は反撃できないまま最終バックを通過。最後までスピードが落ちなかった長島は、番手の芦澤辰弘を振り切って白星スタートを切った。
 「(津村と岡崎が)併走していたので叩きやすかったです。あそこから駆けて、どのくらい行けるかっていう感じだったんですけど、1着を取れるとは思ってなかったですね。(17年の久留米記念で優勝しているし)走りやすいので気持ちの面もあるかもしれないです。前回(弥彦FI)より感じが良いんで、明日(2日目)も頑張ります」
 長島に続いた芦澤辰弘が2着で関東ワンツーが決まった。
 「(長島)大介はあのタイミングで行ってくれたので、調子は良いんだろうけど、自分はホームの向い風で余裕がなくなりました。ペースにはまっちゃった感じで、いっぱいになりましたね。バックの流れるところで大介がカカっていったから、車間が勝手に空いてしまって、その車間を詰めることしかできなかったです」

9R

 佐伯辰哉が打鐘の3コーナーで吉田昌司を叩いて先制。7番手になった元砂勇雪は4コーナーから巻き返すが、山下一輝のけん制もあって最終バックで力尽きる。それでも三谷竜生は2センターから外を踏み出して、直線で鋭く突き抜けた。
 「今日(初日)は風もキツかったし、スタートで前を取ってからの巻き返しかなって思っていました。元砂が行けるかどうかでしたけど、このメンバーなら行き切って欲しかったですね。僕は余裕があったので、元砂の動きを見て、合わされて終わってから踏んで行きました。あの位置から1着まで届いているので良いと思う」
 佐伯を援護した山下一輝が2着に入った。
 「佐伯君のお陰です。三谷さんを止めるのは難しかったですね。佐伯君が良いペースで行っていたし、自分も落ち着いて周りが見えていました。余裕は終始ありました」

10R

選手の写真です。
松谷秀幸選手
 前受けから7番手まで下げた野口裕史が打鐘から踏み出すと、5番手の小笹隼人が合わせるように仕掛けて先に上野優太を叩く。冷静に反撃のタイミングを計った野口は、最終ホームから再び加速して小笹を抜き去り、最後は絶好の展開で4コーナーを回った松谷秀幸(写真)がきっちり野口を差し切った。
 「(野口は)あそこから行ったら、いつもの負けパターンでヤバいかと思ったけど、1回休む感じで行ってくれたので大丈夫でしたね。(自分の)脚は問題ないです。オッズを見て、野口を抜けなかったらどうしようって思ってしまいました(苦笑)」
 冷静に仕掛けた野口裕史が2着に逃げ粘った。
 「突っ張ることも考えたんですけど、松谷さんに落ち着いて行けって言われていたので、落ち着いて行きました。いつもの負けパターンは、前から引いて、すぐ仕掛けて、合わされて浮いてしまうっていうのが分かっていたんで、今日(初日)は冷静に走れました。朝、起きた時に昨日(前検日)より状態は良いなって思ったし、感じも良かったです」

11R

 堀僚介が出た上を打鐘の3コーナーで押さえた坂井洋が、そのまま先行策に出る。粘った堀をキメて番手をキープした佐々木雄一が、余裕をもって坂井を交わして人気のワンツー。
 「坂井君には好きに走ってくれって感じでした。ちょっと粘られたのは想定外でしたけど、特に問題はなかった。坂井君もライン4車だったし、気を遣ってくれたと思う。付いていて楽だったけど、楽って言っちゃダメでしょ。付いているだけで何もせずでしたよ。坂井君は勝手に残った感じ」
 坂井洋がペースで駆けて、月森亮輔のまくりも中団まで。坂井が2着に逃げ粘った。
 「(自分たちのラインの)車番が悪かったし、前か後ろになるなって思っていた。全部引かずに切って切っての流れに乗って、仕掛けていけました。調子は悪くないけど、もっと慣れが必要。なかなか練習通りにはいかないですね」

12R

選手の写真です。
山田英明選手
 赤板の2コーナー手前で中本匠栄が郡司浩平を押さえて主導権。5番手になった郡司は打鐘の2センターからスパートして中本を叩くが、次は後方から清水裕友が襲い掛かる。郡司マークの南修二が最終2センターで清水をけん制すると、橋本強が落車。さらに、南と松岡貴久も接触して落車する。中本から切り替えて南の後ろに付けていた山田英明(写真)は、直線で郡司を交わして初日特選を制した。
 「郡司君のスピードが想像を超えていてビックリしました。1回見て、2回目見た時には並ばれていたので対応できなかったです。落車があっての1着なんで内容は…。(中本から)スイッチしてからは、脚との折り合いで仕掛けたかったですけど、仕掛けられなかったです」
 郡司ラインを追った小松崎大地は、最終1センターで外に浮く形になったが、山田の後ろで立て直して2着に入った。
 「(初手は)郡司が前に出たんで、そこからにしようと思って出ていきました。タイミングがあれば行きたかったですけど、郡司がすごかったです。(中本が)カカっているところで仕掛けて行ったんで、行けるのかなっていう部分があって、山田君にやられちゃったんで、そこが反省です」
 郡司浩平が3着に粘った。
 「ちょっと位置を取るのに脚を使ってしまいましたね。出切ったところでマックスだったから、今日(初日)はニュートラルっていう感覚はなかったです。攻めるレースはできたかなと思います。でも、自分の距離にしては長かったですね」

6R

選手の写真です。
東龍之介選手
 赤板の2コーナーで野口裕史が坂本周輝を押さえて主導権を握る。隊列を一本棒にして逃げる野口に、8番手の松本貴治は最終2コーナー手前から反撃開始。良いスピードで前団に迫ったが、2センターの東龍之介のけん制で失速し、逃げた野口がそのまま力強く押し切った。
 「(最終)3コーナーまで行けば、東がどうにかしてくれるだろうと思って行きました。9車立てでライン3車だから、そういう走りができますね。7車立てよりも、まくりは出にくいと思うし。前検日より体は軽くなっています」
 松本を止めた東龍之介(写真)が2着で、南関ワンツーが決まった。
 「(野口と)前回、連係した時は上手くいかなかったんですけど、今回のが良い経験になったというか、参考になりました。自分の出番になったら、しっかり仕事をしないとなとは思っていました。余裕はあったけど、(野口の)踏み直しもすごかった。(自分の感触は)もうちょっと良くなりそうな感じはします」

7R

選手の写真です。
坂井洋選手
 中団の小松崎大地にフタをした坂井洋(写真)はしびれを切らせて突っ張ろうとする神田龍を強引に叩いて最終1コーナーで先頭に。様子を見ていた芦澤辰弘が追い上げてドッキングすると、小松崎の巻き返しは届かず。坂井が押し切って、栃茨ワンツーが決まった。
 「車番が悪かったので後ろ攻めでいいやって。やれることをやってと思っていたけど、一人だったら逃げ切れなかった。ラインのおかげです。外々を踏んでいたのでキツかったけど、バックが向かい風なのでその辺も考えていました」
 何とか坂井にドッキングした芦澤辰弘だったが逆転はならず。
 「小松崎さんが中団なら、ギリギリまで押さえてって作戦でしたけど…。そりゃ神田君も突っ張るよなって。必死にホームで追い掛けていきました。本線を抑え込むって難しいですね。結果的に逃げ切れたけど紙一重です。自分はちょっといっぱいでした」

8R

選手の写真です。
中本匠栄選手
 松川高大が打鐘手前で三谷竜生を叩いて主導権。後方になった佐伯辰哉はすぎさま反撃に出るが、松川自らのけん制で力尽きて後退する。そこへ最終2コーナーからまくった三谷が迫るも、中本匠栄(写真)が2センターで三谷を止めて、直線で鋭く抜け出した。
 「佐伯のところは(松川に)任せて、三谷が来るだろうと思っていたから、自分はそこをしっかり。松川は良いペースで駆けていたと思います。良い緊張感で走れていますね。万全の状態ではないから、自分にできることは限られていますけど、やれることをしっかりやります」
 別線を完封した松川高大が2着に粘った。
 「先行(と位置取り)は半々くらいで考えていました。(初日が)番手で(2日目が)先行だから、むちゃくちゃキツかったです。重たかったんですけど、残れているし大丈夫かなと思います」

9R

選手の写真です。
合志正臣選手
 長島大介が最終ホームで月森亮輔を叩く。後方に置かれた山田英明はすかさず反応して仕掛けると、3コーナーで長島をとらえ、続いた合志正臣とワンツーを決めた。
 「荒井(崇博)さん、井上(昌己)さん、合志さんに憧れて特別競輪を目指していったので、その合志さんとの連係だったし、強い気持ちで走りました。長島君も調子がいいし、ナメてたらヤバいなって。ホームからすかさず行って、力でねじ伏せるようなレースになりました。新車がまだ正直馴染んでいないので、もっと煮詰めていきたい」
 合志正臣(写真)が山田の仕掛けにピタリと続いて2着を確保した。
 「ヒデ(山田)が早めに行ってくれて良かった。あれだけ(山田が)強いと周りが焦って動いてくれる。ヒデは落ち着いてすぐに反応してくれました。2場所前から換えたフレームはいいですよ」

10R

選手の写真です。
山田久徳選手
 打鐘を7番手で迎えた清水裕友は、2センターから一気にスパート。3番手から合わせて踏んだ山田久徳(写真)の上を豪快に飲み込む。しかし、番手の湊聖二は離れてしまい、清水を追いかける形になった山田がゴール手前で清水を交わした。
 「清水は巻き返しが早いから、自分もカマすくらいの感じで準備をしていて、それが合った感じです。強い選手は巻き返しが早いんで、ジャンくらいから構えていました。7車立てと9車立ての組み立てはちょっと違いますけど、7車立てで先行して、たまに残ってたりしていたので、その辺は少し自信になっているのかなと思います」
 山田に先着を許した清水裕友だったが、ロングまくりで2着に入った。
 「脚は軽いんですけど、末が足りてないですね。粘れる感じがちょっとないです。でも、やれることをやっとけば、その内1着も取れると思うので。何を変えれば良いのか迷うけど、明日(3日目)に向けて微調整します」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 赤板の2コーナー手前で先頭に立った門田凌がスピードを上げると、7番手の郡司浩平は打鐘の2センターから仕掛けて、最終2コーナーで門田を飲み込む。ライン3車で出切って郡司が快調に駆けると、最後は番手の佐々木雄一が鋭く差し切った。
 「緊張しました。郡司も距離が長かったですからね。流石ですよね。あのパターンになるだろうし、緩んだら行きますってことだったので離れちゃいけないし、後輪だけ見ていました。連日、番組に恵まれていますね。初日よりも体は軽いです」
 郡司浩平(写真)は2着に粘って準決勝進出を決めた。
 「受ける立場として組み立てないとって思っていました。緩めばすかさずに行くって言っていたので良かったです。感覚としては出てからの楽さはない。今日(2日目)も、昨日(初日)もゴール前の踏み直しができていないです。今回に関しては、この状態で多少のズレがあるので、その中でも上手く戦っていきたい。レース自体は作れているし、仕掛けどころは逃さず行けている」

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 吉田昌司が切った上を、高久保雄介が打鐘の2センターで叩いて先制。7番手でジッと脚を溜めた上田尭弥は4コーナーから反撃に出ると、最終3コーナーで高久保をとらえて先頭に立つ。番手の中川誠一郎(写真)は、きっちり上田に続いて絶好の展開をモノにした。
 「(最終3コーナーで山口泰生が)切り替えてきそうだったので、そこだけ半車身、前に差せたので余裕はあったかなと思います。(上田は)最初もたついていたから、大丈夫かな?って思ったけど、しっかり出切ってくれました。踏み出しがもうちょっとガッと行けたら、もっとトップで戦えると思うんですけどね」
 上田尭弥が2着で熊本ワンツーが決まった。
 「ジャンでハイペースだったので、無理やり行くんじゃなくて、カマしに行こうと思いました。高久保さんがカカっていたし、あおりもあったからキツかったですね。準決勝は4着が最高なので、今回は決勝に乗りたいです」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手
選手の写真です。
中本匠栄選手
 赤板でハナに立った山田久徳は、打鐘から仕掛けて先制の野口裕史に合わせて踏み上げて、伏見俊昭から野口の番手を奪取する。だが、後方で脚を溜めていた清水裕友(写真)が最終ホームから一気にスパート。前団を豪快に飲み込んで、決勝一番乗りを決めた。
 「(スタートけん制があって)前を取ったら7番手になることは分かっていたので、取りたくはなかったんですけど、誰も出なかったので。(野口の番手で山田)久徳さんが粘ってくれたんで、隊列が短くなった時に行けたら良かったんですけど、見てからになってしまいました。乗り越えられるなとは思いましたけど、スカスカする感じはしますね。でも(中本)匠栄さんに差されてないんで、悪くはないかなと思います」
 清水をマークした地元の中本匠栄(写真)が2着に続いた。
 「(清水が)強かったですね。付いて行くのでいっぱいでした。あれでも、前を見ながらまくって行ってる感じだったから、全開ではなかったんでしょうね。どうにか清水と、前を回してくれた合志(正臣)さんのお陰で決勝に上がれました」
 最終2コーナーで中本の後ろに切り替えた佐藤雅春が殊勲の3着に入った。
 「記念の準決勝が初めてだったし、決勝ももちろん初めて。直前控室とかも、S班とかGIの常連ばかりで緊張しました。でもその分、集中して走れたのかなと思います。夢中だったので、横を何人通過したかとかも全然分からなかったです」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
松川高大選手
 赤板の1センター過ぎで、上田尭弥が小松崎大地を押さえて主導権を握る。5番手の郡司浩平(写真)は最終ホームから反撃に出ると、松川高大の強烈なけん制を乗り越えて4コーナーで先頭に。巧追した東龍之介を振り切って白星を挙げた。
 「冷静にレースは見えていた。植原(琢也)君が仕掛けてきたら合わせて行こうと思ったけど、来なかったので落ち着いてあの位置でと。1コーナーくらいで踏み出して、2コーナーにうまく入って下りを使って伸びていけた。力は出ているが、楽に踏み込めていないのでそこは次回までの課題。出切ったあとはニュートラルにならない感じです。初日、2日目よりは踏む距離も短かかったので楽でした」
 郡司マークの東龍之介が2着を確保。
 「ジャンくらいから浩平が仕掛けるモーションに入っていたので落ち着かなかった。付いていけたので良かったです。加速は凄いし、松川さんのブロックは強烈だったけど、集中して付いていけた。状態は良いんじゃないかな。決勝も自分の仕事をしっかりする」
 3着入線の松川高大(写真)は神奈川コンビは止められずも、無事に地元記念で決勝進出を果たしてホッと一息。
 「タテに踏んでも勝負できないと思ったので止めに行ったけど、郡司のスピードが違いました。最後は意地です。熊本記念の決勝は初めて。状態はかなり仕上がっています」

12R

選手の写真です。
松本貴治選手
選手の写真です。
三谷竜生選手
 打鐘で先頭に立った三谷竜生がスピードを緩めたところを、4コーナーで坂井洋が一気にカマす。マークの神山雄一郎は苦しくなり、坂井は後続を千切って逃げまくるが、三谷をすくって3番手を確保した松本貴治(写真)が、最終バックからまくり出し、4コーナーで坂井をとらえて押し切った。
 「(三谷)竜生さんは、あんまり内を気にしてなかったので、良いところでいけました。顔見せの時は重たく感じたけど、いざ走ってみると大丈夫でした。決勝は(清水)裕友の後ろで。共同通信社杯は2日間、人の後ろでドキドキしてましたけど、裕友はもっとトリッキーだと思うから、しっかり付いていきたいです」
 松本を追い掛けた三谷竜生(写真)が2着でゴール。
 「後ろから来なかったら駆けるしかないと思っていたし、来たら誰かによってと考えていました。(松本に)内から行かれて、タイミングが狂ってしまいました。でも、ジャンのところとか、要所、要所では動けているので問題ないかなと思います」
 三谷マークの山口泰生が3着に続いた。
 「気合を入れて走りました。真剣に練習をやり始めて、成果が出てきていると思います。ホームで4番(松本)が来た時に、すぐ内を閉めて(三谷を)迎え入れられたし、ヒデ(山田英明)に3コーナーで一発、ポンっと入れられたので、仕事はできたのかなと思います。最後は中を割ろうかと思ったら、コースが空きました。3日間、展開も良いし、それに伴って状態も良いと思います」

【6R 競輪ルーキーシリーズ2020】
 117回生から始まった「ルーキーシリーズ」。そこで優秀な成績を残した7選手を集めた企画レースの「競輪ルーキーシリーズ2020プラス」。各地で旋風を巻き起こしているスーパーエリート集団だけに、この一戦もハイレベルな争いになることは必至だ。
 中でも注目は町田太我だ。史上初の3連続ゴールデンキャップの偉業を成し遂げた町田はデビューするや無敵の快進撃。負けなしでチャレンジを卒業すると、1・2班戦でもストレートで8連勝してS級特進に王手を懸けた。だが、残り1勝と迫った小倉FII決勝はあまりに条件が悪かった。単騎戦で7番手に置かれたところから猛然とロングスパートで巻き返したが、ドーム走路を味方に完全に掛かり切ってしまった晝田宗を超えられず選手になって初の敗戦。S級戦士となって出場する夢はかなわなかったが、ここから再進撃を開始する。
 「(特進に失敗したが)気持ちは切り替えられました。今は広島のバンクが使えなくて、街道メインでやっているので、思うような練習はできてないです。今の課題はダッシュ力。7番手からでも出切れるようにならないと。体調は問題ないです」
 強すぎる町田に、九州勢は結束して立ち向かう。先導役を買って出たのは青柳靖起だ。卒業記念チャンピオンもデビュー直後は順調だったが、チャレンジで6連勝したところでまさかの病欠。2カ月休んでの復帰戦は211着で2班への特班に失敗してしまった。出遅れた悔しさをこの一戦にぶつける。
 「状態はあまり良くないけど、力を出し切るレースがしたいと思っています。2ヵ月くらいレースが空いたので、レース勘は微妙ですけど、今はずっと練習しているので、少しずつ良くはなっていると思います。(レースの並びは)自分が先頭で、九州の中から優勝者を出せればなと思います」
 松岡辰泰は負けなしで上がった1・2班戦でも評価はうなぎ上りだ。3戦してまだ連を外していない。ラインで決める積極策が売りだが、同期対決、しかも地元での一戦は勝ちを優先した走りに徹する。
 「最近はレースに調子が合わなかったけど、今回は直前まで練習をして感触は良かったです。今回は熊本記念なので、譲れないですね。優勝したいです。(レースの並びは)青柳が頑張りたいってことなんで、自分は番手に。レースで番手は初めてですけど、練習で人の後ろは走っているので問題ないです」