後ろ攻めの伊早坂駿一が、突っ張り気味に踏んだ根田空史を赤板前で強引に押さえる。そのままジワジワとペースを上げて、隊列を一本棒にして風を切る。別線の反撃に備えていた平原康多(写真)は、根田のまくりに合わせて最終バックの手前から番手まくり。そのまま押し切って、きっちり人気に応えた。
「彼(伊早坂)にしかできないレースをしてくれたし、その気持ちを汲んで(前に踏んだ)。根田に飲み込まれるわけにはいかなかったので。難しい判断でしたけどね。キツかったですよ。伊早坂君が強い上に、根田がそのスピードを引き上げているから。決勝は茨栃勢の間に入れてもらって恐縮ですけど、そういう思いも背負って走ります」
目標の根田が外に浮くと、和田圭(写真)は関東勢にスイッチ。芦澤大輔の後ろから、直線で伸びて2着に食い込んだ。
「根田君のおかげですよ。前の方にいれたし、展開です。ただ、最後は余裕がありました。(フレームを換えて)感触は前回(寛仁親王牌)よりも全然良いです」
平原を追走した芦澤大輔が3着。ワンツーを決められずに悔しさを滲ませた。
「あんなオッズ(平原とのワンツーで車単1.8倍)なのに申し訳ないです。感じは良かったけど、最後は力の差が出てしまったと思う。まだまだなので、後ろにも前にも貢献できるレースをしたい」
根田空史は中団からまくるも、余力が残っていなかった。
「詰まったし、平原さんが見ていなかったから仕掛けたけど。脚がいっぱいでした。仕掛けるふりをして、(平原を)追い出してもよかったかも。先行だけではないってところも見せたかった。まくれる脚を付けるしかないですね」
〈6Rエボリューション〉
小川真太郎は前回の別府FIを優出するなど、徐々に調子が上向き。取り戻した機動力で人気に応えよう。
「まだ(折れた鎖骨は)痛いには痛いですけど。オールスターが一番痛かったので、それに比べたら全然大丈夫です。練習も普通にやれているし、ちょっとずつ良くなっています。カーボンフレームは普段あまり乗らないから、わからないですね。でも、ここまでに1回乗ったけど、鉄のフレームとあまり変わらなかったです」
山本伸一は、昨年の12月別府記念で行われたケイリンエボリューションを先行で制覇。再び積極的な走りでライバル撃破を狙う。
「カーボンフレームは普段の練習でも使っています。乗り心地は悪いけど、めちゃくちゃ乗りにくいってこともいないですね。ここまでもしっかり練習をしてきました。本番はドカンと仕掛けたいです」
佐々木豪は、前回の寛仁親王牌で2勝をマーク。レベルアップしたパワーで激戦を制するか。
「寛仁親王牌での2勝は嬉しかったですね。初日、2日目と99着してしまったんですけど、調子は良かったんですよ。普段からカーボンフレームは乗っています。いつも街道で練習して、仕上げはカーボンに乗ってバンク練習。やっと、ケイリンエボリューションに呼んでもらえたし、積極的にいきたい」
競輪でも一発を秘める高橋和也も軽視はできない。
「去年の(中部)地区プロのケイリンで優勝しています。エボリューション自体は初めて出るけど、カーボンでの練習もちょこちょこやってます」
//= nl2br($race['content']) ?>