シリーズリーダーは平原康多が務める。オールスターでは昨年と同様に落車の憂き目も、幸い大事に至らず。続く富山記念ではVこそならなかったが、日毎に状態を上げて3112着のオール確定板入りを果たした。共同杯でも初日にまくりが届かず4着に終わると、二次予選からきっちり修正して優出。さらに、決勝は超細切れ戦を流れに乗って攻略し、1年7カ月ぶりのビッグ制覇を成し遂げた。「怪我もそうですけど、いろいろ試行錯誤して失敗の繰り返しだったんですけど、そんな中で結果がひとつ残せて良かったと思ってます」。スピード競輪に対応するため、地道な努力を積み重ねてさらなるレベルアップに成功。当所でも、巧みなレース運び、強烈なタテ攻撃を武器にライバル達を圧倒しよう。平原の番手を回るのは芦澤大輔。派手さこそないが、的確な番手技術は関東指折り。8月函館で落車したが、続く立川、四日市を連続で準Vと状態に不安はなさそう。連係回数の多い平原をきっちりと追走し、白熱のゴール前勝負を演じる。他にも、神山雄一郎、横山尚則ら実力者たちが関東勢を盛り立てる。
地元地区の九州勢は総力を結集して迎え撃つ。その中心を担うのは中川誠一郎だ。S班を陥落した今年は、5月名古屋記念の準Vから反撃を開始。6月宇都宮記念では初日にバンクレコードを更新すると、決勝は持ち前の高速まくりで制覇。さらには、7月福井記念を準V、続く松戸記念を制すなど勢い衰えず。共同杯は初日で敗退したが、自力、番手と立ち回って8111着と3勝をマークした。気合いの入る地元記念は、山田英明や山崎賢人、地元勢との連係で牙城を守る。山田は全日本を優出と、18年のスタートダッシュに成功。宮杯では2日目に深谷知から白星を奪うなど3125着の活躍。共同杯も決勝に進出と、今や九州をけん引する選手までに成長した。当所でも、与えられた位置から持てる余りの力を発揮する。山崎は初G1となったオールスターでいきなり決勝に進出。さらに、共同杯は連日バックを取って無傷優出と快進撃を見せている。ここでも大暴れに期待したい。
古性優作も侮れない存在だ。オールスターの準決では、好位を確保して浅井康太らに先着。1526着で、今年2度目のG1ファイナリストに名を連ねた。共同杯は準決で敗退こそしたが、最終日を白星で締めてシリーズ2勝。キレあるタテ脚に加え、ヨコの動きにも磨きがかかっている。石塚輪太郎、中西大ら先行意欲旺盛な機動型を足場に、チャンスをつかむ。
S班の桑原大志は、7月福井記念の優出を皮切りに成績が上昇。9月岐阜記念では、松浦悠士の番手から記念を初Vとキメ脚が戻ってきている。阿竹智史、小倉竜二らと息の合った連係で牙をむく。
中村浩士、根田空史の千葉師弟コンビに、桐山敬太郎、堀内俊介と粒ぞろいの南関勢も軽視できない勢力。北日本勢も新山響平を筆頭に、佐藤慎太郎、飯野祐太、和田圭と駒数が揃う。中部勢は柴崎淳の仕上がりが鍵。デキ良好なら、坂口晃輔とのワンツーも。
平原康VS揃った九州勢
-
平原康多
-
中川誠一郎
-
古性優作