KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

久留米競輪

KURUME KEIRIN

83#

決勝戦レポート

長島大介(栃木・96期)

繰り上がりで長島大介が記念初制覇

 「繰り上がりですけど、それでもかなりうれしいです」
 渾身の番手まくりを稲垣裕之に交わされたところがゴールだった。2度目の記念優出で大魚を逃したが、1位入線の稲垣が失格。記念初制覇が長島大介に転がり込んだ。
 「もう全部、横山(尚則)のおかげです。(最終)ホームで落車があったのがわかって、後ろに稲垣さんが入っているのもわかりました。あとは稲垣さんに合わせればなんとかなるかなと。(稲垣が)来た時点で自分も行くしかないと。ただ、最後は差されて負けたと思いました」
 初日特選に次いで横山尚則とは、今シリーズ2度目のタッグ。埼玉勢と別線になった横山が迷いなくレースを支配した。初めてつかんだ記念Vのシリーズは、ラインの絆を感じずにはいられない4日間だっただろう。
 「今回は本当に前の選手のおかげです。今度は自分が前でしっかり戦えるようにしたい」と、振り返るが、2日目は先行で魅せた。
 2日目の優秀では平原康多、後閑信一の前を買って出て、ビッグネーム2人のワンツーを演出。準決では山岸佳太の男気溢れる先行の意をくんで、番手まくりで決勝にコマを進めた。
 「実感がないですけど、これで(競輪祭出場で初日特選が有力なのは)大きいですね。ビッグレースには毎月出られるんで、まだ勝ち上がってないんで。今度は勝ち上がれるように」
 今年初めてダービー出場を果たした長島は、6月に高松宮記念杯にも出場。オールスター、寬仁親王牌、そして競輪祭と続くGIロードを見据えながら、ラインの絆を大事にさらなる成長を約束する。
 
 打鐘手前から仕掛けた平原だったが、稲垣と絡んで落車。山田義彦も乗り上げる。埼玉コンビの後ろにポジションを取っていた岩津裕介は、落車を避けると稲垣後位まで踏み上げる。澤田義和をキメて稲垣を追って2着に入った。
 「(落車を)避けたあとはあそこにいても勝機がないんで、行けるところまでと思って踏んでいった。そしたら稲垣さんの後ろでスピードが合った感じでした」
 
 赤板の2コーナーで近畿勢の後ろを確保した単騎の林雄一は、最終バックで澤田と岩津の動きを落ち着いて見極めて3着に追い込んだ。
 「今日は前で脚を溜めてと思っていた。坂本(亮馬)君のところは引けなかったですね。あれで澤田さんのところまで行こうかと思ったけど、いまの脚だともう…」
 
 坂本亮馬は最終2コーナーからまくり断行も前は遠く4着まで。
 「チャンスはあったんだけどなぁ…。落車があった時にもう1車前にいられたら面白かった。立て直したら一番後ろだったんで。決勝は出し切れたんですけど、地元なんで結果が欲しかった。九州勢にとっては連日、厳しい勝負でした」
 
 2車でも臆することなく先行策に打って出た横山尚則の誤算は、単騎の3車の動き。こう口を開いて汗をぬぐう。
 「先行態勢に入って、あとは単騎の方々がどれだけ付いてきてくれるかと。そしたら連日の自分の動きから、(誰も)付いてきてくれなかった。もう少しラインが長くなってくれれば…」
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です

レース経過

 号砲が鳴ると、単騎の林雄一が飛び出して正攻法の位置へ。以下隊列は、平原康多-山田義彦、岩津裕介、稲垣裕之-澤田義和、坂本亮馬、横山尚則-長島大介で周回を重ねる。
 レースが動いたのは青板の2センターから。稲垣が上昇して平原の横で併走すると、その上を横山が押さえて主導権。稲垣は3番手を確保し、林、坂本も続く。平原は後方に車を下げると、態勢を立て直して赤板の2コーナーを立ち直ったところから反撃に出る。打鐘の2センターで3番手に追い上げるも、最終ホームで稲垣の後輪に接触して落車。山田も巻き込まれるアクシデントが発生する。番手の長島は車間を切って別線の反撃に備えると、バックから発進。一旦は外を踏んだ稲垣は、この動きに続くと、最後はゴール寸前で差し切った。しかし、平原を落車させたとして蛇行で失格。長島が繰り上がりで記念を初制覇した。落車を避けた岩津は、外々に浮かされる苦しい展開をしのいで2着。直線で中のコースを追い込んだ林が3着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 8 長島 大介 栃木 96期 S1 11.1 まくり
2 9 岩津 裕介 岡山 87期 SS 4B 11.3 追込み
3 4  雄一 神奈川 83期 S1 3/4B 11.3 マーク
4 1 坂本 亮馬 福岡 90期 S1 1W 11.3
5 3 沢田 義和 兵庫 69期 S1 4B 11.8
6 5 横山 尚則 茨城 100期 S1 2B 12.3 H B
2 平原 康多 埼玉 87期 SS 0
6 山田 義彦 埼玉 92期 S2 0
7 稲垣 裕之 京都 86期 SS 0