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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

レース展望

今年ラストのG1戦

  • 新田祐大

  • 平原康多

  • 武田豊樹

 今年最後のG1戦、第59回競輪祭が11月23日〜26日の4日間、北九州メディアドーム小倉競輪場で開催される。タイトル争いはもちろんのこと、年末の大一番、平塚で行われるKEIRINグランプリ2017の出場権をかけた賞金争いも今大会が最終戦となる。熾烈を極める頂上決戦から目が離せない。


北日本勢はスピードスターがズラリ。G1を連覇している渡邉一成は負傷欠場となったが、新田祐大は健在だ。競技との両立が本業の競輪で相乗効果を生んでいる。ナショナルチームのハードな練習によってスピードがさらに強化された印象だ。6月高松宮記念杯、7月サマーナイトフェスティバルとビッグレースを連覇。後半戦に入ってからのパフォーマンスは非の打ちどころがない。ドームの高速バンクは2人の持ち味を最大限に発揮できる舞台だ。成田和也はケガを乗り越え、切れが戻ってきた。10月寛仁親王牌では決勝3着と好走。久々のタイトルも見えてきた。山崎芳仁は過去に2度、競輪祭を制した実績がある。8月のオールスターでは1年ぶりのG1優出。流れが向けば勝負できる。昨年の競輪祭を優出した新山響平、安定した戦いぶりが光る佐藤慎太郎も見逃せない。

 競輪祭の決勝で3年連続のワンツーを決めている平原康多、武田豊樹の最強コンビが今年も主役の座を譲らない。平原は2月取手の全日本選抜を制して、早々にグランプリ出場を決めた。その後は度重なる落車に苦しみながらも奮戦。9月共同通信社杯では準Vと好走するなど競技のトレーニングを新たに取り入れたとで、さらに進化している。8月オールスターの落車で骨盤骨折の大ケガを負った武田は10月寛仁親王牌で復帰。まだ復調途上の段階だが、最終日に白星を挙げた。獲得賞金額でグランプリの出場圏内とはいえ、最後まで気を抜かずに走り抜く。勝負駆けの諸橋愛にとっては大事な4日間だ。夏場以降の成績は驚異的。9月共同通信社杯でビッグ初制覇。続く同月の松戸記念でも鋭い決め脚で優勝を飾っている。今シリーズもシビアな走りで初のグランプリチケットをつかむ。
 木暮安由は落車のケガから立ち直り、本来のスピードが戻っている。吉田拓矢は10月寛仁親王牌で一次予選敗退。それでも敗者戦は3連勝と圧巻の走りを見せた。今大会は関東ラインの先頭で迷わず攻める。

  • 郡司浩平

  • 深谷知広

  • 浅井康太

 南関勢は総勢22名と最大の勢力を誇る。そのなかでグランプリ出場に一番近い位置にいるのは郡司浩平だ。今年は3月高松のウィナーズカップでビッグ初制覇。その後は落車続きで、8月平オールスターを走り終えてから欠場。1カ月半の充電期間を経て、心身ともにリフレッシュすることができた。G1タイトル奪取で地元平塚のグランプリチケットを手に入れる。郡司の他にも石井秀治、山中秀将、根田空史、松谷秀幸が初日特選からスタートできる。山中はまくりのスペシャリスト。勝ちパターンに持ち込んだときのスピードは目を見張る。根田は相変わらず成績の波は激しいものの、ツボにはまったときのパワーはケタ違いだ。石井は10月寛仁親王牌の二次予選で落車。3日目から欠場しており、ケガの回復にまずは努める。松谷は9月の共同通信社杯では待望のビッグ初優出を果たした。
 一次予選組では岡村潤に注目だ。10月寛仁親王牌でG1初の決勝進出。追い込みとして、着実にランクを上げている。差し脚好調な和田健太郎や復調気配の近藤隆司も侮れない。

  中部勢は少数精鋭の布陣だ。10月の寛仁親王牌は4人が決勝まで勝ち進んだ。S班の浅井康太は今年の獲得賞金額が7千万円台。グランプリ出場は当確だろう。深谷知広は3年ぶりのグランプリ出場へ、賞金ランクで圏内に入っている。今年はビッグレースで4度の優出。ナショナルチームに入ったことでパワーアップしている。3年ぶりのタイトル奪取でグランプリの舞台に返り咲く。金子貴志は後半戦に入って自力を多用。それに比例するように成績も上昇している。抜群の相性を誇る大会で一発逆転にかける。竹内雄作は8月オールスターで決勝進出。10月寛仁親王牌は準決勝で敗退したものの、4日間バックを取る力強いレース内容だった。今シリーズもパワフルな走りでファンを魅了する。吉田敏洋は6月高松宮記念杯の落車で鎖骨骨折の大ケガを負ったが、7月に復帰してからは順調に回復している。悲願の初タイトル獲得へ全身全霊をかけて挑む。10月寛仁親王牌では久々のG1優出を果たした。坂口晃輔は8月オールスターでファイナル進出。貴重な経験を積んだ。ラインの中で役割を全うする。

  • 村上義弘

  • 岩津裕介

  • 中川誠一郎

 近畿勢は三谷竜生が5月京王閣の日本選手権を制覇。グランプリ初出場を決めているが、村上義弘、稲垣裕之のS班2名は正念場を迎えている。両者とも10月寛仁親王牌は準決勝で敗退。競輪祭で結果を出さなければグランプリへの道は見えてこない。村上は今年に入って度重なるケガに苦しんでいる。満身創痍の状態でも持てる技と力をすべて出し尽くして、ラストチャンスにかける。稲垣は今年に入って優勝こそないものの、戦歴は高いレベルで安定している。昨年の競輪祭は決勝3着。今年はそれ以上の成績を狙う。
 脇本雄太は8月オールスターで久々のG1優出。ナショナルチームのハードな練習がようやく実を結び始めている。初日特選の権利を持っている今大会は勝ち上がりも有利だ。古性優作は事故点の累積により、あっせんがなかった8月、9月の2カ月間で、充実したトレーニングができた。復帰戦の10月寛仁親王牌は準決勝で失格したが、動きは冴えていた。寛仁親王牌でG1初優出を果たした椎木尾拓哉に稲川翔、村上博幸もVを狙える実力者だ。

 新興勢力の台頭によって、他地区に対抗できる戦力が整いつつある。ラインの核になるのはS班の岩津裕介だろう。今年はここまで優勝ゼロ。ビッグ戦線でも戦果を挙げられていないが、流れさえ向けばいつでも獲れる準備はできている。桑原大志は獲得賞金額で初のグランプリ出場を狙える位置につけている。ここで結果を残さなければ厳しい情勢だが、まずは決勝進出を目指して、一次予選から高い集中力で臨む。
 機動型では原田研太朗の存在感が光る。今年はビッグレースで3度の優出。大敗も多いが、爆発力は輪界トップクラスだ。昨年の競輪祭では3勝を挙げるなど、バンクとの相性も申し分がない。初タイトルへ初日特選からパワー全開だ。河端朋之はナショナルチームで鍛えられ、ダッシュ力とスピードに一段と磨きをかけた。ドームの高速バンクは脚質にも合っている。太田竜馬は四国のニュースターだ。未完の大器は一戦ごとに進化している。初の競輪祭でも見せ場はしっかり作る。小倉竜二は8月向日町で久々の記念制覇。太田の存在が大きな刺激になっている。

 九州勢は10名がエントリー。そのうち中川誠一郎、北津留翼、荒井崇博、松岡貴久の4名が初日特選に名を連ねる。中川は2月奈良記念の落車で鎖骨を骨折。復帰後は思うような成績を残せていないが、10月寛仁親王牌の二次予選Bは目標不発の展開から自力に転じて圧勝するなど、状態は確実に上向いている。今年ラストのG1でS班の意地を見せる。松岡は後半戦に入って落車3回。それでも攻めのスタイルは変わらない。
 井上昌己は過去に競輪祭を制した実績がある。10月寛仁親王牌では2連対。大舞台での勝負強さは健在だ。一次予選からのスタートでも侮れない。山田英明はこの1年間で大きく飛躍。2度のG1優出でタイトル戦線に名乗りを上げた。坂本亮馬は度重なるケガを乗り越え、10月前橋の寛仁親王牌では準決勝に進出。今シリーズも変幻自在な攻めで戦い抜く。底力ある園田匠、大塚健一郎、合志正臣の追い込み陣も見逃せない。

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注目選手

  • 新山響平

    青森 ・107 期・S1

    新山響平

     今年はここまで優勝ゼロ。強烈なインパクトを残したデビュー当時に比べると物足りないが、吉田拓矢らハイレベルな同期の選手たちと切磋琢磨しながら成長している。昨年、G1初優出を果たした大会で再び輝く。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    109.90 17 4 7 3 16
  • 吉田拓矢

    茨城 ・107 期・S1

    吉田拓矢

     6月岸和田の高松宮記念杯でG1決勝の舞台を初めて経験。その後もスケールの大きな走りで関東ラインをけん引している。10月前橋の寛仁親王牌は一次予選で敗退。その悔しさを今年最後のG1にぶつける。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    113.48 13 7 4 4 12
  • 三谷竜生

    奈良 ・101 期・S1

    三谷竜生

     5月京王閣の日本選手権でG1初制覇を遂げた。その後は度重なる落車に苦しんでいるが、状態は確実に上向き。そろそろ結果がほしい。年末のグランプリへ近畿の仲間をひとりでも多く送り込むことも重要だ。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    112.55 6 6 2 1 11
  • 太田竜馬

    徳島 ・109 期・S2

    太田竜馬

     109期の出世争いをリードする存在として、各地で大暴れしている。6月青森は3連勝でS級初優勝を飾った。記念開催でもすでに3度の優出経験がある。4度目のビッグレース参戦で台風の目と化すか。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    112.66 17 13 6 2 8
  • 北津留翼

    福岡 ・90 期・S1

    北津留翼

     今年は1月立川、5月宇都宮で2度の記念制覇。スピードはトップクラスに見劣りしない。地元の大一番へ、きっちり仕上げてくるだろう。仕掛けどころを熟知しているホームバンクで一撃を見舞う。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    105.05 2 5 1 1 14
  • 山田英明

    佐賀 ・89 期・S1

    山田英明

     今年は5月京王閣の日本選手権で待望のG1初優出。6月岸和田の高松宮記念杯は決勝3着で表彰台に上がった。その後は落車、失格に苦しみながらも奮闘を続けている。タイトル奪取も視界に入ってきた。

    ■直近4ヶ月成績(*11/29現在)
    競走得点 BS 1着 2着 3着 着外
    111.08 1 2 1 0 9