KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

いわき平競輪

IWAKI TAIRA KEIRIN

13#

決勝戦レポート

高木真備(東京・106期)

思い出の平で高木真備が優勝

 号砲が鳴るとスタートで見合ってけん制。結果的には枠なりの隊列ができあがり、高木真備が1番車の児玉碧衣後位に入った。
「児玉さんのSが想定外だったけど、落ち着いてできたと思います。(作戦では)先まくりかカマシを考えた。でも、(あの展開で)しっかり脚を溜めて最後にチャンスを狙ってました」
打鐘まで一本棒が崩れることなく通過。梅川風子が2センター過ぎから仕掛けて主導権を握ると、俊敏に動いた石井貴子が2番手。児玉が3番手に入って、高木はじっと脚力を温存した。
「最終バックであの位置だったので、慌てて行くよりも脚を溜めてました」
3番手の児玉は最終3コーナーからまくるが、2番手の石井が外に持ち出してけん制。児玉にいつものスピードがない。児玉の外、イエローライン付近に進路を定めた高木が、こん身の力で追い込む。児玉を退けた石井を1輪、高木がとらえたところがゴールだった。
「前回平で優勝した時よりも確信がありました。去年(のガールズケイリンフェスティバル)は(2日目に)落車して最終日まで走れなかった。最近はビッグレースでもいい成績が取れてなかったので、今年はビッグレースで優勝をしてグランプリにと思ってました」
17年のオールスターでガールズドリームを制した平でのビッグレース制覇。優勝賞金を加えて、ガールズケイリンではただひとり今年の獲得賞金を1千万円台にのせ、4度目のグランプリ出場にグッと近づいた。
「去年、悔しかった分、今年は頑張ろうと。今回は限られたお客さんでしたけど、声援が力になりました」
事前抽選による限定入場ながらも、再び福島のファンの前で優勝を遂げた高木。昨年のグランプリに出られなかった悔しさを力に変えて、後半戦もこの勢いを加速させていく。
惜しくも2着の石井貴子は悔しそう。
「梅川さんが行きそうな感じで。少し反応が遅れてしまいましたけどなんとか。児玉さんに合わせて踏んでって感じでしたけど、すごい勢いで高木さんがきて。今回で上位とのタイム差は把握できたのでまた練習してきます」
連勝記録の更新がかかっていた児玉碧衣は3着まで。
「初手で前になると思っていなくて…。本当は中団が良かったけどこういうレースにも対応しないとですね。飛び付いて追いつくのでいっぱいでしたね。最後一緒に石井さんにも踏まれて厳しかった」

  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です

レース経過

 ゆっくりとしたスタートから最内の児玉碧衣が誘導員を追い、周回は児玉、高木真備、石井貴子、梅川風子、鈴木美教、小林優香、小林莉子の並び。
 打鐘前に誘導員が退避。3コーナーから小林優が上昇すると、合わせるように4コーナーから梅川が踏み上げて主導権を握る。下から飛び付く形になった児玉は口が空き、梅川の仕掛けに俊敏に反応した石井が児玉の前に。鈴木に上昇を阻まれた小林優は6番手に置かれてしまう。3番手で車間を空けた児玉はしきりに後ろを確認。小林優の2コーナーまくりに合わせるようにバック過ぎから外に持ち出すが思いのほか車は出ない。梅川後位から踏み込んだ石井が児玉との争いを制して大会連覇かと思われたが、児玉の仕掛けに乗った高木が2人の外を一気に突き抜けた。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 2 高木 真備 東京 106期 L1 12 追込み
2 3 石井 貴子 千葉 106期 L1 1W 12.2 追込み
3 1 児玉 碧衣 福岡 108期 L1 3/4W 12.2 捲残
4 4 梅川 風子 東京 112期 L1 1/2W 12.5 H B
5 6 小林 優香 福岡 106期 L1 1/4W 12
6 7 小林 莉子 東京 102期 L1 3/4B 12
7 5 鈴木 美教 静岡 112期 L1 1B 12.1

清水裕友(山口・105期)

清水裕友が2度目のビッグ制覇

 2月全日本選抜では、のちに東京五輪代表に内定した脇本雄太、新田祐大が競技に専念していたために不在。そのなかで初タイトルに輝いた清水裕友は、「(今回は)脇本さんも新田さんもいますし、高松宮記念杯で正直、勝てんやろって思ってしまったてんで、うれしいですね」。G2ながらもシリーズに2人が参戦していただけに、2度目のビッグ制覇は喜びもひとしお。全日本選抜に続いて、松浦悠士との連係から“夜王”に輝いた。
 レースは押さえて先頭に立った郡司浩平がペースを握る。が、4番手の松浦が、打鐘の3コーナーで叩きに出て主導権を奪った。最終ホーム手前で絡んだ岩津裕介と内藤秀久が落車のアクシデント。落車を避けた新田はそのまま踏み上げると、驚異のスピードで中国勢に襲い掛かった。
「ジャンで中団が取れてたんで、(松浦は)そのまま溜めるかなって思った。そしたらすかさず行ってくれたんで、ありがたかったです。でも、ちょっと口が空きかけました。なんとか付いていけましたけど、ちぎれたかと思いました。(最終ホームで)誰がこけたかまではわからなかったんですけど、音がしたあと振り返った時に、新田さんが外を結構、う回しているように見えたので、来ないだろうなと思った。そしたらすごいスピードで来たんで、ちょっと対応しきれなかったですね」
 佐藤慎太郎が新田を追いきれず、清水が切り替える。直線半ばで新田のスピードが鈍ると、清水が楽に交わしてゴールを駆け抜けた。
「(切り替えて)新田さんを目標に踏みました。(最後は)抜いたなっていうのはありました。今年あと約半年ですけど、こうやって下半期の頭で優勝することができたんで、しっかりと中四国で盛り上げていけるように頑張ります」
すでに年末のグランプリ出場の権利を獲得している清水は、賞金面でも松浦に迫り中国地区のS班2人が獲得賞金1、2位を独占している。
「半年後にはグランプリがあるので、そこに向けてちょっとでも自分自身レベルアップできたらなと思います」
 今年も松浦とタッグで臨むグランプリ。自信を深めた清水に慢心はない。
 ゴール前でわずかに末を欠いた新田祐大は、冷静にレースを振り返る。
「出切ったスピードは良かったんですけどね。(佐藤)慎太郎さんがいるかいないかはわからなかった。踏み込んで踏み込んでゴールまで全力でした。でも良くも悪くも全力だったのかなって。もっと冷静に踏めれば良かった。でも今回は調子が良かった頃のパワーの出し方、スピードの出し方ができた。今年7走目にしてやっと思い出してきた感じですね」
 3着には単騎の稲川翔が強襲した。
「初手の位置は決めていなかったですけど、最終的に主導権を取るラインにって考えていました。優勝するには前に踏むしかないなって。一人で走るときのほうが強気なレースをしないといけないと思っているので。精いっぱいやりきりましたけど、スピードが全然違いましたね」

  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です

レース経過

 スタートで佐藤慎太郎が前に出るが、その前に清水裕友が入って、松浦悠士-清水-岩津裕介の中国トリオが前受け。以下、新田祐大-佐藤-稲川翔-郡司浩平-内藤秀久-吉澤純平の並びで周回は進む。
 青板の1センターから上昇した郡司は2センターで松浦に並びかけると、赤板過ぎに誘導員を下ろす。この動きに続くかに見えた吉澤だが、新田を押し込みながら7番手に。新田は8番手に車を下げる。郡司がペースを緩めると、打鐘過ぎ3コーナーから松浦が一気のカマシ。3番手で口が空いた岩津が内藤を締め込むと、この2人が最終ホームで落車してしまう。これを外に避けた新田は間髪入れずに5番手から巻き返すが、番手の佐藤が付け切れない。新田はバック過ぎに前団をとらえたが、すかさず清水がこれにスイッチ。粘る新田をゴール前でとらえた。落車を避けて郡司後位に入った稲川は3コーナーで内に切り込んで郡司を飛ばすと、すかさず内に入ってきた佐藤の侵入も封じて、し烈な3着争いを制した。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 9 清水 裕友 山口 105期 SS 10.9 追込み
2 7 新田 祐大 福島 90期 SS 1B 11.1 捲残 B
3 5 稲川  大阪 90期 S1 2B 11 追込み
4 8 吉沢 純平 茨城 101期 S1 2B 11
5 1 佐藤 慎太郎 福島 78期 SS 3/4B 11.2
6 3 松浦 悠士 広島 98期 SS 3/4B 11.7 H
7 2 郡司 浩平 神奈川 99期 SS 6B 12.1
6 内藤 秀久 神奈川 89期 S1 0
4 岩津 裕介 岡山 87期 S1 0