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ひらつか競輪

HIRATSUKA KEIRIN

35#

検車場レポート

  • 12/27 Sun.  (前検日)
  • 12/28 Mon.  (1日目)
  • 12/29 Tue.  (2日目)

1R

選手の写真です。
伊原克彦選手
 前回の松戸FIの2日目には逃げ切りで白星を挙げている伊原克彦(写真)が、地元トリオとオープニングでぶつかる。
 「感触自体は悪くないけど、人の後ろに付いた時の自分の判断が難しい。そこが課題ですね。(前回からは)普通に地元で練習してました。室内だったけど問題はない」
 9月の岐阜FIから白星が遠ざかっている鷲田佳史だが、前回の奈良FIでも432着。成績はまとまっている。
 「今月に入ってから感触が良くなりました。10月が本当に悪くて、11月1日から練習を変えた。それが早く(効果として)出たのかと」

2R

選手の写真です。
伏見俊昭選手
 平塚が舞台だった01年、一度目のグランプリを制した伏見俊昭(写真)が思い出のバンクを振り返る。
 「2001年だったんで、もう19年前ですかね。もちろんここはいいイメージだし、走りやすい。(前回からも)普通に練習をしていつも通りの感じだと思います」
 師匠の武田豊樹とセットの小原唯志が、手応えをつかんでいる。
 「最近はバックの数も増えているし、点数も上がってきているんで、いいと思います。師匠の武田さんといい練習ができました。自分は7車よりも9車の方が好きですね」

3R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 前回の川崎FIは最終日に自転車を戻して勝ち星を挙げた宿口陽一(写真)が、今回は新しいシューズを投入する。
 「(新しいシューズで)練習ではやっていたんで感触が良かった。前回の川崎は新車でいったけど、あんまり良くなくて最終日に(戻して)いつもので走った。今回もそれですね」
 レインボーカップファイナルで特進した佐藤一伸の番手になった鹿内翔のシャープな差し脚には注意したい。
 「前回(高松)は久々に軽く感じて、着をまとめられました。その前の松戸は重かったんですけどね。今は冬期移動先の競輪学校で坂本(貴史)君や(渡辺)一成さん、守澤(太志)君たちといい練習ができているので、その成果がやっと出てきた感じですね」

4R

選手の写真です。
坂本貴史選手
 前回の平FIが473着と一息だった坂本貴史(写真)だが、成績以上に手応えをつかんでいるようだ。
 「調子自体もそこまで悪くはない。動けていたし、それほど気にはしてません。グランプリに出る守澤(太志)さんとかといい練習ができました」
 柏野智典は競輪祭、別府記念、佐世保記念とグレードレースでコンスタントに勝ち星を挙げている。
 「前回は感触があまり良くなかったので、競輪祭で使っていたものに(自転車を)戻します。練習の感じとしては、ここまで順調でした」

5R

選手の写真です。
大石剣士選手
 このメンバーでは先行力で一枚上の存在の大石剣士(写真)が、地元の佐藤龍二、石毛克幸を連れて積極的な仕掛けを見せてくれそうだ。
 「(前回の高松の)前検日はかなり悪い感じだったけど、日を追うごとに良くなっていった。そこから中3日だったんで、次の日に追い込んで練習をしてあとの2日間は休んだ感じです」
 福岡のベテラン加倉正義は、来年の5月にいよいよ50歳を迎える。中3日でしっかりとケアをしてきた。
 「前回はそこそこ感じは良かったですけど、展開が向いてくれたのが大きいですね。今回は中3日でバタバタしましたけど、ケアをして疲れを残さないように」

6R

選手の写真です。
川口聖二選手
 岐阜コンビは川口聖二(写真)が前でタッグを組む。川口は前回の松戸GIIIから約2週間のローテーション。
 「(前回は)最近では一番感触が良かったかもしれない。そのあともしっかり練習をしてきました。(不破将登とは)何度か連係がある。僕が前でやります」
 11月の福井、12月の西武園とFIを連続優勝の不破将登は、続く佐世保記念を2154着。
 「前回は感じ良く走れていたので、悪くはないですね。今年は前半が良くなかったんですけど、後半から自転車の違和感がなくなってきてレースに集中できるようになったのが大きい。いろいろとかみ合ってきた感じです」

7R

選手の写真です。
井上昌己選手
 単騎だった08年の平塚グランプリで優勝を遂げた井上昌己(写真)は、前回の地元、佐世保記念を1352着。
 「(前回は)そんなに悪くなかった。そのあともいつも通りに練習をやってきました。状態は普通です。(グランプリを制したのは)もう何年前でしたかね」
 ようやく復調ムードの福田知也は、地元シリーズが今年の最終場所。
 「(前回は)自分的にはだいぶ良かった。(最終日に)1着も取れたし、練習の感じはほぼほぼ戻っている。成績以上に自分の感触はいい」

8R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 前回の松戸FIでも初日予選、準決を連勝。競輪祭でのGI初優出のあとも鈴木庸之(写真)が、高いレベルで安定をしている。
 「(前々回の)伊東の感じが良くなかったんですけど、(前回は)ペダリングとか戻っている感じがあった。今年は(GIとか)いろいろ決勝に乗せてもらったおかげで、だいぶ見えてきたものがあった。あとはそこを煮詰めていければ」
 海老根恵太は追加配分だった前回の地元、松戸GIIIの1635着から約2週間。状態はどうか。
 「(松戸は)追加だったんですけど、ケアとかがあまりできてないわりにそこそこ走れたかなと。冬場なんで練習でもそんなにタイムは出ないけど、(感じは)そんなに悪くない」

9R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 前回の奈良FIでは3日間主導権を握って121着で優勝を飾った寺崎浩平(写真)が、予選のトリを務める。
 「(決勝は)展開も良かったけど、しっかりと1周半前に切って駆けられた。少しは自信なった。今年は(GIで)準決止まりだったんで、(来年は)決勝に乗れるように。自分は寒いのが苦手なんで、(平塚は)奈良よりも暖かそうなのでいいですね」
 前回の松戸GIIIで決勝までコマを進めた近藤龍徳だが、慎重なコメントに終始する。
 「(前回は)まったく良くない。なぜ決勝に乗れたのっていうくらいですね。そこからも変わらずで上積みはないと思います。寺崎君が強いので、しっかりと付いていきたい」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 前回の佐世保記念を8111着。2日目からは3連勝の吉田拓矢(写真)が、デビュー6年目で記念初制覇を飾った。
 「(記念優勝は)1つの目標だったので、そこが達成できてうれしい。ただ、GIを目標としているので、通過点とは思っている。(佐世保が)終わってから2日後くらいに追加が来て、走りたいと思ったんで受けました」
 柴崎淳は9月の共同通信社杯の落車で長期欠場を強いられて、今シリーズが3カ月以上ぶりの実戦。
 「落車で第一腰椎を骨折しました。この部位は位置的に何もできないようなので自然治癒を待つ感じでした。でも、意外に動けたので入院はそんなにしなかったですね。最初は苦しかったですけど思ったよりも回復が早くて、ゴーサインが出たので。競輪祭のあとから練習を始めて3、4週間は練習できました。でも、バンクが改修で使えなかったので街道でした。久々の実戦なので感覚的な部分も鈍っていると思いますし、以前とは体がまったく違うと思う。体重は6キロくらい増えました。自信よりも不安の方が大きいですね」

11R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 昨年、史上初のガールズグランプリ連覇を遂げた児玉碧衣(写真)が、再びこの大舞台に戻ってきた。3連覇で新たな輪史の扉を開く。
 「(今年を振り返って)総合的に自分で自分を褒めてあげたいなっていう成績でした。1月のコレクショントライアルのときに7着を取ったことでプレッシャーから解放されたというか、自分で勝たなきゃいけないと思い込むことがなくなったのがこういう成績につがったのかなと思います。もちろん、3連覇したいって気持ちは強くあるんですけど、そこを考え過ぎると消極的なレースになって何もできずに終わるパターンが多い。だから、まずは自分の力を出し切ることだけを考えたい。そこに3連覇という結果がついてきたらなと思います」
 2年連続のグランプリ準Vの石井貴子は、“出げいこ”で平塚バンクの感触も確かめて大一番に臨む。
 「(ガールズグランプリトライアルのあとは)まとまった期間、約1カ月のトレーニング期間をいただけるのは一年の中でもこの時期だけ。キツいトレーニングや重たい環境でもしっかり踏めるようにしっかりやってきた。平塚にもお邪魔して何回か練習させていただいたし、計画的にやって来られた。4番車という車番は非常にやりやすいなという風に感じています」


≪2日目11R「ヤンググランプリ2020(GII)」≫
 今年は競輪祭でGI優出。大きく成長した松井宏佑が、昨年の忘れ物を地元で獲りにきた。
 「(競輪祭で決勝に乗って)もっと漢字の方の競輪も好きになったというか、面白かったです。競技も競輪も両方大事です。競輪祭に乗ってからも、この1年を振り返ってみてもいい流れで来てるかなという感じです。(平塚は)最近はナショナルチームの方でずっと練習してるので、あまりこちらでは走っていないんですけど。競輪学校に入る前とかもずっとお世話になったバンクなので1着を取って恩返ししたい気持ちでいます。去年、単騎で全然積極的に行けなかったので、今年はホームバンクということもありますし、しっかり力を出し切るようなレースをして優勝を目指したいと思います」
 今年はGIに3度の出場。オールスター、仁親王牌では白星も挙げている坂井洋のスピードは脅威だ。
 「 (前回からは)いつも通り練習しました。順調に来ていると思います。(平塚バンクは)相性はいいと思います。自分は自力と決めていたし、(小林)泰正が付いてくれるので、2人で一発狙ってワンツーを決められるようにしたいです」


≪最終日11レース「KEIRINグランプリ2020(GP)」≫
 8年連続11回目、9人のなかでは最多出場となる平原康多が、グランプリ初制覇に脇本雄太後位を選択した。
 「脇本君と連係するかはしないかは、本当にギリギリまで迷いました。今の脇本は世界の1、2を争う選手。もちろん前から強かったですけど、このタイミングでしか地区を超えて付きたいとは思わなかったかもしれない。ちょうどお互いに単騎でしたし、自分たちの連係を見てみたいって言うファンの声も聞こえてきて、それが後押しになった。チャンスがある位置ですけど、付けるのは初めてですからね。正直なところ、まだイメージは見えてこない。でも、何度もやられてきた脇本の強さを味方として味わってみたい。結果を考えず邪念を捨てて、脇本君の強さを楽しみたい」
 郡司浩平とともにこの一年を歩んできた和田健太郎は、迷うことなく今年最後の大勝負も郡司に委ねる。
 「(競輪祭のあと松戸GIIIを)走って良かったところもある。お客さんの期待には応えきれなかったけど、普段味わえない緊張感もあった。(地元の南関地区のグランプリを)郡司一人にしなくて良かった。自分が出られるのは9割以上、ほぼ郡司の頑張りですから」
 獲得賞金でグランプリ最後の椅子に滑り込んだ*守澤太志は、北日本ラインを固める。
 「今年の1年はあれよあれよで来た感じです。でも、1年間しっかりと走れた。(競輪祭は)いままで体験したことのない緊張感があった。すごい貴重な体験でした。(グランプリは最終)4コーナーからが僕の勝負。最後の突っ込みを(お客さんには)見て欲しいです」

1R

選手の写真です。
鷲田佳史選手
 後方から上昇した伊原克彦を植原琢也が突っ張り主導権。今度は打鐘手前で菅原大也も仕掛けるが、植原がペースを上げて合わせる。菅原が不発で嶋津拓弥は、自力に転じてまくり上げる。伊原に乗った鷲田佳史(写真)は、直線で嶋津と川口直人の中を割って突き抜けた。
 「結果的に植原君がめちゃくちゃヤル気で(伊原を)出させてくれなかった。ただ(別線が)踏み合ってくれたんで中団が取れた。(まくった)伊原さんがのみ込む感じだったら外だったんですけど。最後の最後まで待ちました。7車が苦手というか…。(それで11月から始めた)7車用の練習が実を結んでいる感じです。春先くらいにはと思ってたんですけど」
 菅原の余力を見極めてまくりを打った嶋津拓弥が悔やむ。
 「(植原が)強かったですね。自分も思ったより(菅原の)後ろで脚を使ったのか、(自分でまくって)出ていった時に重かった。(直線で)僕が内に降りちゃってるし、まっすぐ走ってれば(ラインで)ワンツーが決まったのかなと。川口(直人)さんに迷惑を掛けた」

2R

選手の写真です。
石川雅望選手
 後ろ攻めから押さえた永井清史を小原丈一郎が叩いて打鐘前から主導権を握る。小原唯志が中団の外まで追い上げて残り1周。小原丈をリードした伏見俊昭が車間を空けて援護して3番手の荻原尚人が小原唯のまくりを張ると、石川雅望(写真)が空いたコースを突き抜けた。
 「小原唯志さんが2コーナーの立ち上がりから仕掛けたので、ちょうど3コーナーにかかるなって。小原唯志さんは乗り越えても自分のところでもってこられるだろうと思ったので内を狙っていました。この1着は大きいですね。これでS級点は大丈夫だと思いますけど、残り2日も気を抜かずに」
 番手絶好の伏見俊昭は、ゴール寸前で勝利を逃して2着に。
 「(小原)丈一郎が頑張ってくれましたね。小原(唯志)が止まったのが見えたのでワンテンポ待ってから踏んだらいかれてしまいましたね。自分とオギ(荻原)で内を空ければいかれちゃいますよね。1着の展開だったし、もう少しやりようはあったのかな」

3R

選手の写真です。
中西大選手
 中西大(写真)にフタをした片折亮太が、再度踏み込んで先頭に立つ。が、中西の巻き返しも早い。打鐘手前から踏み込んで、逃げる片折を最終1センターでとらえる。三谷政史が離れて、片折が追いかけるが車間が詰まらない。直線ではいっぱいも中西が、そのまま押し切った。
 「(前回の)佐世保記念の初日に早坂(秀悟)さんと走って同じような展開だった。だから、(片折が)すかさず行ったところをスイッチしてカマそうと。(出るのに)脚を使ってたんで、あとは(三谷)政史さんに仕事をしてもらってどこまでと思ってた。そしたら(最終)2コーナーくらいから(後ろの)気配がなくてどうなっているのかと。自分はもう4コーナーからバタついて、あとはなんとかでした」
 番手で中西を追った片折だったがなかなか詰まらない。最終2センターで踏み込んだ宿口陽一は、鋭く追い込むも2着。
 「三谷さんが離れるとは思ってなかったけど、いい形にはなった。片折君も番手に入ったんで追えるかと思ったけど遠かった。地元の柴田(功一郎)さんも付いてくれたんで踏んだけど、結果届かなかったんで判断ミスですね」

4R

選手の写真です。
坂本貴史選手
 後ろ攻めから押さえた門田凌を小堺浩二が押さえて先行態勢に。中団の外に追い上げた坂本貴史(写真)がタイミングを取って最終2コーナーからまくり上げると、中部勢を一気にのみ込んだ。
 「車番的に前か後ろだと思ったので、だったら脚を使わない前かなって。自分のなかで小堺さんは点数以上に力があるし、あれぐらい踏んで出られないなら外併走でもいいかなと。今日(初日)はアップ中から前回の平よりも比べものにならないくらい良かったのでいけると思った」
 目標の門田が内に包まれる窮地にも、格上の柏野智典はコースを探して2着に強襲。
 「自分が坂本君の後ろをさばければ良かったんですけど、うまくタイミングが合わなかった。(予選は)2着権利だったので3コーナーからあと2、3人抜かないとなって。外は届かないので空いたコースと思って踏みました」

5R

選手の写真です。
大石剣士選手
 赤板過ぎに佐藤幸治が押さえて出ると、前受けの大石剣士は7番手まで下げて一本棒の隊列。反撃のタイミングをうかがっていた大石だったが、佐藤がペースを上げてまくりに構える。中団から先まくりの小酒大勇は1車しか進まず、最終2コーナー手前から踏み上げた大石がスピードの違いでのみ込んだ。
 「内容はともかく1着で上がれたんで良かった。(仕掛けて)行こうと踏み出したと同時に佐藤さんに踏まれた。タイミングがバッチリすぎて見ちゃいました。調子は問題ないし、(佐藤)龍二さんにも抜かれなかったんで感触的にも良かった」
 直線に入っても大石のスピードは鈍らず、地元の佐藤龍二は流れ込みの2着。
 「(大石は)あそこ(打鐘過ぎ)で行ってたら、もっと楽だったかもしれない。まくりだとやっぱりラインで決まらないリスクが高まるんで。でも、彼が力でねじ伏せてくれた。強い後輩がいると心強いです」

6R

選手の写真です。
不破将登選手
 後ろ攻めの才迫開が赤板の1コーナーで押さえて先頭に立つ。小林令が中団に収まり、前受けの川口聖二は7番手まで下げて打鐘、ホームを一本棒で通過。中団から早めにまくろうとした小林は、車が進まず元の位置に戻る。戦況を見極めていた川口が最終2コーナーから一気にまくると、続いた不破将登(写真)がゴール前で逆転した。
 「川口君の好きなように走ってもらうつもりでした。2コーナーから仕掛けていった時がすごい掛かりだったので、のみ込むだろうなって。最近は川口君だったり、後輩が頑張ってくれていますけど、基本自力で戦う準備はできている」
 後方7番手から豪快にまくった川口聖二が、2着で予選を突破した。
 「小林君が中団から仕掛けたけどすぐに戻ったので、あれって感じでしたけどね。自分は踏み込んだ感じも良かったし、状態はいいと思う」

7R

選手の写真です。
井上昌己選手
 地元の村上直久が切ったところを九州ラインが出て主導権。林大悟が後続を一本棒にして風を切る。車間を空けた4番手の村上が最終2コーナーからまくるが、井上昌己(写真)が外に張って村上を阻む。直線で落ち着いて踏んだ井上が1着で人気に応えた。
 「(林)大悟が落ち着いて駆けてくれました。(打鐘の)4コーナーから駆け降ろして踏み上がっていった。これなら別線はまくって来られないと思ってたら、村上君が来た。(村上は)調子がいいんじゃないですか。自分は重かったけど(1着で)良かった」
 逃げる林と井上の間のコースを踏んだ塚本大樹が2着に入った。
 「動きはいいのなかと。流れに恵まれているところもありますけど、(S級で)だいぶ戦えるなっていう感じがあります」

8R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 赤板過ぎに切った近藤隆司を小川祐司が打鐘前に押さえて逃げる。前受けから7番手まで下げた鈴木庸之(写真)は、最終1コーナーから反撃に出る。中団からまくった近藤に合わされかけた鈴木だが、二の足を使って外を突き抜けた。
 「近藤さんにずっと見られてたので難しかったですね。でも1コーナーから行けば何とかなると思ったので。タイミング的に近藤さんに合ったので海老根(恵太)さんを決めようと思ったけど、決められなくて外を踏みました。近藤さんが3コーナーで止まったら自分も終わってましたね。キツかったけどなんとかです」
 三宅伸の援護を受けた小川祐司が、2着に逃げ粘り高配当を演出した。
 「鈴木君は受けてくれると思ったので自分のタイミングで先行できればと思っていました。前回最終日の7着が悔しくて、力をつけられるような練習をしてきた。体の使い方とか意識も変えた」

9R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 吉武信太朗、引地正人の順で押さえて出て、人気の寺崎浩平(写真)は赤板2コーナーで7番手。打鐘の2センターから反撃に出た寺崎が踏み込むと、引地も合わせてペースを上げるがスピードが違いすぎる。中近ライン3車で出切って、別線には出番がない。番手の近藤龍徳も寄せつけず、寺崎が危なげなく押し切った。
 「(仕掛けて)行く場所を決めていたんで、前に関係なく行きました。気温も上がってますし、バンクも軽かった。だから、しっかり先行すれば残れると思って自信をもって行った。ラインでワンツースリーだったんで、それも自信になりました。2020年最後の開催でしっかり優勝で締めくくれるようにしたい」
 寺崎マークから2着に流れ込んだ近藤龍徳は、寺崎を手放しでほめる。
 「(寺崎は)距離が長いかなって思っても、行くところいく選手ですからね。敵だと怖いけど、味方だと本当にありがたい。自分はなんとか付いていってる。いい時が10なら、まだ2とか3ですね」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 赤板手前から上昇してきた吉田拓矢(写真)にフタをされた島川将貴は空いた内を判断良くすくって打鐘前に先頭に立つ。吉田も素早く反応して4番手へスイッチ。稲毛健太と柴崎淳は立ち遅れてしまう。そのまま島川がピッチを上げるが、最終2コーナーからまくった吉田が小川真太郎のブロックを乗り越えて、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「とりあえず島川さんを警戒しながら前々へ行く作戦でしたけど、内から行かれてしまったので自分も付いていこうと。うまく反応できたと思います。仕掛けるタイミングを待ち過ぎず、あの位置から行けて小川さんを乗り越えられたので良かった。踏んだ感じも良かったです」
 2着には椎木尾拓哉がコースを探して突っ込んだ。
 「バンクも軽かったですし、うまくいいコースも踏めたと思います。調子自体は前回の奈良から変わらずいいと思うので、準決勝もしっかりと頑張りたい」

11R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 それぞれの思惑が交錯して隊列が落ち着いたところで赤板を迎える。5番手で打鐘を通過した児玉碧衣(写真)が、4コーナーから踏み込むと2番手にいた高木真備も合わせて出る。児玉は冷静に高木を追いかける。その外からカマした佐藤水菜が先頭に立ち、高木は2番手に入るが、児玉がその上をまくる。スピードの違いで前団を仕留めた児玉が、そのまま後続に1車身半の差をつけて余裕のゴール。グランプリ史上初となる3連覇で賞金女王の座に就いた。
 「誰も動かなかったら1周駆けるつもりでいた。カマそうかなって思ったら、(高木)真備さんが自分と合わせる感じで出てきたんで、真備さんも結構踏むような感じだった。それでいったん真備さんの後ろに収まって、そのまままくりに行くような感じでした。けっこう冷静に見れてたと思います。3連覇してちょっとひと安心している気持ちのほうが大きい。来年の目標はって聞かれたら、まだはっきりは言えないんで、今年中はちょっとゆっくりして来年、また考えたいなって思います」
 勝負どころでは外の児玉にかぶった梅川風子は、最終2コーナーで外に出して児玉を追ったが脅かすまでには至らなかった。
 「いい位置は取れたかなって。後ろを気にして脚を使うよりも、前の石井さんと高木さんに任せて自分はフリーでいようという判断は悪くなかったと思う。でも、児玉さんが外に持ち出すのが思っているよりも早くて、内に包まれてしまいましたね。そこがミス。児玉さんが予想以上に強かったです」
 佐藤のカマシに飛び付いた高木真備だったが、児玉のまくりに反応しきれず3連覇を許した。
 「前の方からと思っていました。あそこから仕掛けようと思っていたんですが、(佐藤が)すかさず来たので追いかけた。本当は先まくりが良かったんですけど、児玉さんのスピードが良くて出られてしまいました。番手にハマってからすぐに行ければもう少し違ったのかなって思いますけど、今の力では及ばない感じでした」


≪2日目11R「ヤンググランプリ2020(GII)」≫
 単騎だった昨年のヤンググランプリは惜しくも準Vだった森田優弥が、今年は同県同期の黒沢征治とタッグ。番手からV奪取にかける。
 「もちろん自分が前で戦う気持ちもありましたけど、それ以上に黒沢さんの気持ちが強かったので自分が番手を回ります。番手を回るのは人生で初めてですね。寬仁親王牌から硬めのシューズに換えて道中の脚の溜まりが変わった。このシューズなら番手戦にも向いているはず。今年で最後のヤンググランプリなので、自分の可能性にかけて頑張ってみます」
 ビッグ初出場だった3月のウィナーズカップでいきなりの優出で決勝は3着。そのウィナーズカップを含めて今年は6度ビッグを経験している高橋晋也は、北日本ラインで小原佑太に託す。
 「(前回の)高松は自分のなかでは結構良かったと思います。高松終わってからちょっと調子が悪くはなったんですけど、しっかり調子を上げてこられたと思います。(平塚は)初めてですけど、(指定練習で乗って)すごいきれいで走りやすいなって思いました。僕は小原君に任せて、しっかり後ろで自分のできることをして、優勝を狙っていきたいと思います」


≪最終日11レース「KEIRINグランプリ2020(GP)」≫
 11月の競輪祭で落車に見舞われた脇本雄太は状態が気になるものの、機動力では他の追随を許さない存在。平原との“夢”のタッグでブレることなく先行でのグランプリ初制覇を目論む。
 「(落車の怪我は)小指の骨折と肩の脱臼だったんですけど、今はもう普通の練習に戻っている。大丈夫だと思います。前夜祭(22日)のあとに練習をやったんですが、落車する前と変化がないくらいのタイムが出せているので問題はないかなと思っています。なんとか戦える状態にはもてこれたかなと」
 2月の全日本選抜で初戴冠。真っ先にグランプリの出場権を手に入れた清水裕友だが、6月の高松宮記念杯からはGIの優出がない。今回は松浦悠士の番手からV争いに加わる。
 「初めてグランプリに出た時は単騎だったっていうのもあって、怖いものなしで走れた。けど、去年は前検日からこう焦っていたというか、入れ込み過ぎて失敗しましたね。今年は3回目なので、ゆっくりゆっくり過ごしながらです。やることはしっかりとやってきたので、今のところは順調だと思います」
 連覇がかかる佐藤慎太郎は、今年も同県の後輩、新田祐大をマーク。さらに守澤太志がラインを固めて一大ラインができあがった。
 「今年は安定した成績は残せたので、(グランプリチャンピオンジャージの1番車の)責任は果たせたと思っています。GIが欲しいとかも言ってましたけど、グランプリには最低でも出たいと思っていたので良かったです。もちろん連覇を目指してここまでトレーニングをしてきました。トレーニングの段階ではそういう風に強く思っていましたが、ここに入った時点では楽しむぐらいの感じでいければいいかなと」

6R

選手の写真です。
加倉正義選手
 赤板過ぎに引地正人を突っ張った菅原大也を林大悟が押さえて打鐘を迎える。林のペースかに思われたが、4番手から菅原が反撃に出て先行争い。最終1コーナーの入り口では菅原に出られた林だったが、コーナーで盛り返して合わせ切り主導権は渡さない。番手の加倉正義(写真)が、ゴール寸前で林を交わして1着。
 「ジャン前に叩き切ったんで、(林)大悟も少し油断していたところがあったのかもしれない。でも、全部、任せてたんで。勢い的には(菅原に)出られそうな感じだった。3番手をどかして入れてやらないとって思ってたら突っ張り切った。出切った時に大悟の息づかいが聞こえて、どうやって残すかって思ってたけど。大悟はしっかりと踏み直してましたね」
 菅原を合わせて福岡ワンツーをメイクした林大悟だが、一瞬、菅原に出られてヒヤリとするシーンもあった。
 「(菅原が叩きに来て)ちょっと慌てました。自分のペースと思ってたんで。出脚がかみ合ったんで良かった。ただ、自分もゴールまで踏めてるなかで、きっちりと1着の加倉さんは強いですね」

7R

選手の写真です。
才迫開選手
 後ろ攻めから押さえて出た近藤隆司が打鐘で叩きにきた才迫開(写真)を突っ張って逃げる。正攻法の荻原尚人は南関ラインの3番手に飛び付いて柴田功一郎をさばく。7番手に下げて態勢を立て直した才迫が、最終2コーナーから抜群のスピードでまくって快勝した。
 「踏み合いになる感じになったので、すぐに切り替えて下げてまくりと思って。状態はいいと思う。2分戦みたいなレースは苦手ですけど形は作れたかな」
 近藤の番手で車間を空けていた福田知也だが、才迫にのみ込まれて2着。
 「内に来られるかもしれないから締めっ切りでキツかったですね。セッティングが昨日(初日)、今日(2日目)といじりながらですけど、まだ出ていない感じです。できれば1着を取りたかった」

8R

選手の写真です。
稲毛健太選手
 正攻法に構えていた川口聖二が、赤板で上昇してきた鈴木庸之を突っ張る。3番手の位置を中西大と鈴木で取り合う。併走を嫌った稲毛健太(写真)は中西との連結を外して後方に車を下げる。川口がそのままピッチを上げて主導権。番手の柴崎淳が車間を空けて間合いを取っていたが、稲毛が最終1センターからまくって前団をのみ込んだ。
 「中西が内へ行ってしまったのでどうしようって…。鈴木さんは引かないだろうし難しかった。本当は付いていかないといけないけど、慣れていないので下げました」
 腰椎骨折の大怪我に苦しんでいた柴崎淳は、今シリーズが復帰戦。川口を目標に決勝進出を決めた。
 「(川口が)突っ張るとは思っていなかったですね。後ろからの仕掛けには気づかず張りながらでした。自分の感覚としては車が出てないです。変に力んでしまっているし、踏んだ感じは以前とはまったく別物ですね」

9R

選手の写真です。
桑原大志選手
 押さえて先頭に立った島川将貴がペースを握り、7番手まで下げた寺崎浩平は打鐘の3コーナー過ぎから踏み込む。椎木尾拓哉は寺崎の加速に付け切れない。全開の島川を寺崎が叩き切って、番手に島川が飛び付く。直線でスピードが鈍った寺崎に島川が並ぶと、桑原大志(写真)が中のコースを鋭く突き抜けた。
 「(最終)ホーム線くらいで(寺崎を)止められたら良かったんですけど、そこが僕の未熟なところでした。1センターでは(寺崎が)1人ってわかったんで、(島川が)あそこまで頑張ってくれてるんでもう1回チャンスがあればと。自分は前回の高松よりもマシですね」
 寺崎に出られた島川将貴だったが、番手から差を詰めて直線で寺崎を沈めた。
 「(寺崎よりも)着は良かったけど、力勝負で負けた感じですね。突っ張るつもりでいたんですけど、(寺崎が)思ったより来るのが早かった。あとは雰囲気で(寺崎が)1車ってわかった。今日(準決)は進みが悪かったです」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)、小川真太郎、不破将登の順で動いた上を大石剣士が最終ホーム前に叩いて主導権を握る。大石の後位に飛び付いた不破は嶋津拓弥をさばいて番手を奪取。すかさず後方から巻き返した吉田は1センターであおりを受けたが、再び加速して番手まくりの不破を力でねじ伏せた。
 「最悪の並びになってしまって、組み立ても良くなかったですね。1センターで危なかったけど、なんとか乗り越えられました。3コーナーも乗り越えられたし、いつもならダメな展開で1着を取れているので、調子はいいと思います」
 吉田に懸命に続いた宿口陽一が、2着で決勝進出。
 「スタートで自分が前を取れずに…。危ないところも何度かあったけど離れず付いていけたのは良かったですね。節目の(通算)300勝は決勝で」

11R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 打鐘の2センターを過ぎて小原佑太が最終的に主導権を握る。坂井洋が3番手をキープして、別線の関東勢が中団でゴチャつくなか、地元の松井宏佑(写真)は後方に下げて反撃のタイミングをうかがう。坂井は北日本勢との車間が大きく空いてなかなか詰まらない。前が遠い松井だったが、最終2コーナーから踏み出すと抜群の加速力。北日本勢を射程圏に入れると直線で並ぶ間もなく交わして優勝。昨年3着の悔しさをホームバンクで晴らした。
 「どうなるかわからなかったんで、とりあえずもう自分が一番得意なパターンと思ってる前を取って、引いて行けるところから行こうと。めちゃくちゃ冷静でした。もう優勝する気でしかなかったので、有言実行できて良かったですね。ヤンググランプリは今年までだったんで、次はグランプリに出たいです。(GI決勝も)前回(の競輪祭)だけじゃなくて、常連になって日本の競輪界のトップレーサーとして走りたい」
 松井に付けた宮本隼輔は、直線で外に持ち出して迫ったが半車輪及ばず。
 「今日は選んだ位置が良かった。作戦勝ちですね。最後は自分が届くかなって思ったけど、松井さんの気持ちの方が強かったです」
 同県の黒沢征治に委ねた森田優弥は、最終ホーム手前で連結を外して河合佑弥とからむ厳しい流れ。しかしながら、松井、宮本を追いかけて3着に入った。
 「(黒沢の番手で)自力とは違って気持ち的には楽でしたね。(最終)バックで自分から行こうと思ったんですけど、3コーナーで止まってしまうかもって思って行けなかった。でも、松井さんは行ってしまったので。自分の力不足ですね。番手回りはいつもと見える景色が違いました。いい経験になりました」


≪最終日11レース「KEIRINグランプリ2020(GP)」≫
 昨年に続いて2度目のグランプリを地元で迎える郡司浩平。今年最後のGI、競輪祭で初戴冠を遂げて、充実のシーズン、最後の大一番に臨む。
 「去年は競輪祭で落車したんで、去年とは違って状態もいい。グランプリに向けて上がっていると思います。(平塚バンクにも)2、3回入って練習をさせてもらった。自分の状態に関しては申し分ない」
 北日本地区がきっちりとまとまって一番長い3車のラインができあがった新田祐大は、6年連続のグランプリだけに落ち着いたもの。グランプリ初制覇で代表が内定している21年の東京五輪に弾みをつけたい。
 「(前検日から2日目のここまで)変わらず、モチベーションは持ち続けている感じですね。暖かいので。身体が動いて非常にいい感じですね。ここに向けてしっかり準備はしてきたので、あとはレースでしっかり練習の成果を出したいと思います」
 今年の獲得賞金トップをひた走る松浦悠士は、昨年に続き清水裕友と連係。しかしながら、今年は自分が前で脇本雄太をはじめとした別線に立ち向かう。
 「去年よりは体調はいいです。昨日(初日)の夕方の指定練習でどうかなってちょっと思ったんですけど、(2日目の公開練習後に)乗った感じはすごい良かったです。(本番に向けて)すごく順調なので、しっかり力を出し切れるように精いっぱい頑張ります」