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HIRATSUKA KEIRIN

35#

決勝戦レポート

児玉碧衣(福岡・108期)

グランプリの歴史に残る3連覇

 昨年ガールズグランプリとしては初の連覇を遂げた児玉碧衣が、歴史ある男子のグランプリでも成しえなかった史上初の3連覇。ゴール寸前で左の拳を上げる余裕すら見せる圧倒的な走りだった。
「本当にうれしかったですね。1千万円、レクサスって感じでした(笑)」
 勝負の大一番で優勝賞金と副賞の高級国産車レクサスを手に入れて、逆転での賞金女王の座にも輝いた。
 レースは、それぞれの思惑が交錯して隊列が落ち着いたのは赤板手前。5番手で打鐘を通過した児玉が、4コーナーから踏み込むと2番手にいた高木真備も合わせて出る。児玉は冷静に高木を追いかける。その外からカマした佐藤水菜が先頭に立ち、高木は2番手に入るが、児玉がその上をまくる。スピードの違いで前団を仕留めると、そのまま後続に1車身半の差をつけてた。
「(鈴木)美教さんが前検日の時から私の後ろを取りたいというふうに言っていたので、後方に置かれるより美教さんが入れてくれればありがたいと。誰も動かなかったら1周駆けるつもりでいた。カマそうかなって思ったら(高木)真備さんが自分と合わせる感じで出てきた。真備さんも結構踏むような感じだったので、いったん真備さんの後ろに収まった。それでそのまままくりに行くような感じでした。(優勝を確信したのは)バック線を越えたぐらいですかね。スピードも良くて軽く感じました。なんとか3コーナーくらいまで我慢すれば、あとは伸びるかなって思っていた」
 3連覇のプレッシャーもどこ吹く風。圧巻のパフォーマンスを引き出すモチベーションの源は“欲”だ。
「やっぱり欲ですかね。勝ちたい欲はもちろんなんですけど。やっぱり1千万獲りたいとかレクサス獲りたいっていう欲が、他の6人と比べて前面に出ていたのかなって思います。(4連覇がかかる21年の目標は)3連覇してちょっとひと安心している気持ちのほうが大きいので、来年の目標はって聞かれた時にまだはっきりは言えない。今年中はちょっとゆっくりして、また来年、考えたいなって思います」
 新たな“欲”をモチベーションに変えて、児玉が21年のスタートを切る。今日を入れて今年もあと4日、まずは3連覇の喜びに浸りたい。

 外の児玉にかぶった梅川風子は、最終2コーナーで外に出して児玉を追ったが脅かすまでには至らなかった。
「いい位置は取れたかなって。後ろを気にして脚を使うよりも、前の石井さんと高木さんに任せて自分はフリーでいようという判断は悪くなかったと思う。でも、児玉さんが外に持ち出すのが思っているよりも早くて、内に包まれてしまいましたね。そこがミス。児玉さんが予想以上に強かったです」

 佐藤のカマシに飛び付いた高木真備だったが、児玉のまくりに反応しきれず3連覇を許した。
「前の方からと思っていました。あそこから仕掛けようと思っていたんですが、(佐藤が)すかさず来たので追いかけた。本当は先まくりが良かったんですけど、児玉さんのスピードが良くて出られてしまいました。番手にハマってからすぐに行ければもう少し違ったのかなって思いますけど、今の力では及ばない感じでした」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で石井寛子が飛び出して正攻法の位置を確保。高木真備、梅川風子が続くが、その後位は児玉碧衣を軸に目まぐるしく並びが入れ替わる。4番手以下が石井貴子、児玉、鈴木美教、佐藤水菜で落ち着いたのは赤板手前だった。
 そのまま打鐘を迎えて誘導は退避。依然として隊列は変わらず、4コーナーに入ったところで児玉から動き出す。最終ホーム手前で合わせて高木が外に車を持ち出すと、児玉はまずはその後位へ。そこを最後方からの佐藤のカマシが襲う。1センターで出切った佐藤を、高木、児玉が追い、内から飛び付きを狙った石井寛は力尽きて後退。2コーナーで3番手の児玉が梅川を連れてまくる。2番手の高木もまくりで応戦し、踏み合いとなるが、2センターでは児玉がねじ伏せて先頭に。直線に入り、追いすがる梅川、高木を突き放して児玉がガールズグランプリ3連覇を決めた。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 児玉 碧衣 福岡 108期 L1 11.7 まくり
2 5 梅川 風子 東京 112期 L1 1B1/2 11.7 マーク
3 3 高木 真備 東京 106期 L1 3/4B 11.9 捲残
4 4 石井 貴子 千葉 106期 L1 1/2W 11.8
5 7 鈴木 美教 静岡 112期 L1 3/4B 11.7
6 2 佐藤 水菜 神奈川 114期 L1 1/2B 12.2 B
7 6 石井 寛子 東京 104期 L1 2B 12.1 H