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11#

検車場レポート

  • 6/1 Fri.  (前検日)
  • 6/2 Sat.  (1日目)
  • 6/3 Sun.  (2日目)
  • 6/4 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
佐藤龍二選手

 西村光太は全プロ記念で32着。さらに、その後に行われた競技大会のエリミネイションで王者の小林潤二を破って優勝と、気配良く当所記念を迎えた。


 「(全プロ競技大会のエリミネイションは)2年連続で3着だったので、今回こそはと思っていました。30周くらいしましたかね。でも、いつもあんな感じで練習をしています。競輪は前をひとりも抜いていないのに3、2着。やっぱり競輪は展開ですね。今回もいい流れを継続したいです。最近は、ほとんど(自力で)動いていないし、それが意思表示なので。でも、服部(竜二)さんたちが付いてくれるので、やるしかない」


 ここが怪我明け3場所目となる佐藤龍二(写真)。前回の前橋FIは途中欠場したが、問題なしをアピールした。


 「状態に不安はないです。前橋が終わってから、ここ最近で一番調子がいいかも。練習のタイムも戻っています。(初日に連係する山本)紳貴さんのタイミングで仕掛けてくれたら。そしたら、(別線を)止めることも抜くこともできる」


 山本紳貴は、前回の川崎FIで2勝をマークした。「こざかしいレースになっている」と、組み立てを反省したが、今期の競走得点は100点オーバーしている。


 「着はまとまってきたけど、内容が…。でも、練習もしっかりできているし、悪かった腰が今年に入って落ち着いています。自分はセッティングをいじらないので、体がいいのかな」


 

2R

 櫻井正孝は、怪我から復帰した前回の京王閣記念を6495着。今シリーズは初日から坂本周輝の番手を得たが、不安を隠せない。


 「京王閣の3日目に肩が脱臼して。それを治療しつつ、練習をやってきました。自転車に乗れば痛みはないです。ただ、そこじゃない。(京王閣の前に)休んでいたので、走っていてタイミングのズレがある。いざとなると車が出ない。数をこなして、感覚を戻していくしかないですね。そんな状態なのに番手っていうのは…。(坂本)周輝には世話になっているし、好きに走ってくれたらいいです。自分はできることをやらないと」


 4月宇都宮FIを無傷で優出した坂本周輝だが、その後は波に乗れず。ここで再び風向きを変えたいところ。


 「状態はボチボチです。ここまではとくに変わらず、普通にやってきました。(九州勢が別線になって)面白くなってきましたね。初日は先行を基本に頑張ります。櫻井さんになんとかしてもらって、勝ち上がれるように」


 

3R

 宿口陽一は、4月西武園記念を2391着でまとめると、初GIとなったダービーで白星をゲット。ここまでも中14日空いて準備万端だ。


 「ここまでは、ほぼ休みなしでなにかやっていました。疲れはあるけど、ナイターだし、それまでに取れてくれたら。日に日に良くなっていくと思うので、初日を勝ち上がれたらいいですね。2人(矢口大樹、猪俣康一)とも強いから、前に出てなんでもやらないと勝てない」


 5月京王閣記念は、準決で涙を飲んだ朝倉佳弘。しかし、そこで得た課題を昇華させて今後の糧にする。


 「(京王閣の)準決勝でもらった宿題を重点的にやってきました。内容は加速度ですね。(連係した吉澤)純平に二次予選は付けられたけど限界でした。準決は(吉澤の)3番手でキツくなるから、そこで勝負と思ったけどダメでした。まだまだ足りていないと再確認できて、いい意味で良かったですね。(初日に連係する宿口は)どこからでも届くし強い。まくりが強烈なので、本当に集中しないといけない」


 

4R

選手の写真です。
阿部拓真選手

 同期の隅田洋介と当たる一次予選のメンバーを見た阿部拓真(写真)は、流れのなかで先行策も辞さない構え。笑みを浮かべながら静かに闘志を燃やす。


 「隅田さんとはS級ではやったことがないと思います。(隅田が)緩めていたら、自分が(先行で)いきます。すんなり7番手にはならないように。(追加配分は)3、4日前だけど、疲れはない。インターバル系のトレーニングをガッツリやってきた。競輪を走っててサラ脚でっていうことはない。脚を使っている状態をつくりたくて、そういうトレーニングをやっている」


 隅田ラインの3番手の小島雅章は、前回の名古屋記念3日目にまくりを披露して久々の白星をつかんだ。


 「あれ(まくり)がなくなっちゃったら、自分じゃないっていう感じもありますからね。来期は失格があってA級になっちゃった。今期は(S級の競走得点が)勝負なんで頑張らないと。練習もできるようになってきたんで、だいぶ良くなっている」


 

5R

選手の写真です。
久米康平選手

 久米康平(写真は)全プロ記念競技大会のあと、青森で同期の坂本周輝と練習をともにして直接函館に乗り込んできた。


 「(徳島に)帰らずに八戸に行って、(坂本)周輝に自転車を借りて乗ってきました。33バンクの競技場にも入って、軽く汗を流しました。やりたい練習って言われたらあれですけどやってはきた。(ここ2場所は)セッティング、シューズをいろいろ変えて、今回は全部戻しました。それで(感じが)いいかなと思う」


 直近の3場所は未勝利に終わっている岸澤賢太だが、自身は成績以上に好感触を得ている。


 「(成績は)良かったり、悪かったりだけど。内容的には動けている。前は構えていた。でも、1回動いてからっていう気持ちでやっているのが、良くなってきんだと思う。先行も展開に応じてですね。駆ける時は駆けないと。久米君を意識しながら、あとはいつも通りに」


 

6R

 近況は記念、FI シリーズともに特選スタートだった石塚輪太郎が、一次予選からの初日に気合を入れる。


 「久しぶりの予選ですね。最近は着も大きいししょうがないところもある。しっかり凌いでいきたい。内容的には悪くないんで、あとはそれが着につながってくれれば。ただ、こっちに来て花粉症みたいな感じになって、体調はあんまり…」


 2週間以上空いたゆとりのローテの宇佐見裕輝が、初めての地元地区の記念に合わせてきた。


 「空いたんで練習はバッチリです。追加も来たんですけど、(走らないで)ここにと。函館はA級の時に走って準Vもある。ただ、いまはS級なんでなんとも言えない。タイミングを見て(仕掛けて)、出切れればいい」


 

7R

 5月はあっ旋がなかった小川祐司は、コンディション面で不安を残してはいるが頼もしそうに愛機を見やる。


 「前回の広島で自転車を換えて良くなっている。順調とは言えないんで、体がそれに追いついていない。全プロ記念の競技もあったりしたけど、やっぱり本業の競輪をしっかり。1カ月空いたんでレース勘の心配もあるけど、イメージトレーニングもしてきた」


 「ああいう競技は結構、得意なんですよ」とは、根本哲吏。全プロ記念の競技大会ではエリミネイションで見せ場をつくった。


 「(エリミネイションで)ドローが続いて、下がったらダメでした。(優勝を)狙えましたね。競輪より得意なんですよ(笑)。(競技大会から)中3日でも練習はしてきた。ここは前回のナイターGIIIを走っているんで、その時のリベンジをしたい」


 

8R

 ホームバンクの平塚ダービーで2勝をマークした桐山敬太郎は、その後体調を崩して名古屋記念欠場を余儀なくされた。20日以上空いた久々の実戦が気にかかるところだが…。


 「地元のダービーの疲れか、扁桃腺炎になって熱が出た。そのあとは練習ができました。しっかりといい練習が。1着を取れるようにやるだけですね。(来期はS級1班なので)予選は(6月までの)あと1カ月です」


 4月川崎ナイター記念の落車で1カ月以上を棒に振った田村真広は、前回の前橋FIの552着が復帰シリーズだった。


 「(前橋は)思った以上に走れた。左の手を怪我して、(落車から)2週間くらいは本当に良くなかった。ただ、(前橋の)準決は外併走でへばりつけたし、悪いなりやれたと思う」


 

9R

選手の写真です。
清水裕友選手

 前回の京王閣記念では未勝利も2着3回とまずまずまとめた清水裕友(写真)が、函館に初登場。


 「京王閣は初日が良くなくて、2日目以降は立て直せたと思う。体調面ではしり上がりに良くなってきた。今回は大丈夫だと思います。(全プロ記念の競技大会が)終わったあとは、そのままこっちに来た。帰ったら疲れると思ったし、ジムに行ったりして(体を動かして)きました」


 本多哲也は前回の前橋FIを329着。今期初の優出とキッカケをつかんで、今シリーズに挑む。


 「前橋から自転車を換えて、それがいいんですかね。練習でもタイムが出るようになって、ちょっと自信をもてるようになりました。初日は強敵が相手ですけど、気持ち的にはいい感じでここに入れていると思います」


 

10R

選手の写真です。
新山響平選手

 青森で行われた全プロ記念競技大会。新山響平(写真)は、坂本貴史、佐藤博紀とのチームスプリントで2位に入った。


 「今回は(競技で乗った)カーボン製に近いセッティングで試して乗ってみようかと。カーボン製の自転車に乗っていると楽に回せている。カーボン製だから自転車が流れるのかもしれない。でも、そういう感覚で乗れればいいなっていうのがある」


 郡司浩平は、新山の北日本チームにわずかに遅れをとって、チームスプリント3位。このあとに控える高松宮記念杯に照準を合わせる。


 「体も全然悪くないし、このあとのGIに向けてやっていくことになる。宮杯に向けてしっかり準備をしたい。完ぺきなレースっていうのがなかなかできないけど、(ミスを)少しずつ減らしていきたい。そういう対応力を磨いていかないと」


 園田匠は前回の全プロ記念が76着と一息。競技大会から中3日で立て直しに努めてきた。


 「前回みたいに離れることのないようにしたい。(前回は)2日間、修正ができなかった。初日に(柴崎)淳に付いていければ、脚は問題ないと思うんですけど。(前々回の名古屋記念の落車で)バランスとかが悪くなっているんだと…」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 5月はあっ旋がなくダービー不出場の武田豊樹(写真)が、ここから復帰を果たす。


 「ここは思い出のあるバンクです。GI(12年高松宮記念杯)も獲らせてもらったし。全プロ記念(競技大会のケイリンは)全然でした。特殊なルールに対応するのに…。ただ、基本、あのルールで勝てないとダメ。すごく勉強になったというか、課題が残った。(5月は)期間があったんで、体力トレーニング、持久トレーニングをしてきた。そっちに重点をおいてやってきました」


 全プロ記念で上々の動きを見せていた松浦悠士は、こう理由を打ち明ける。


 「練習を変えました。インターバルトレーニングをやるようにした。調子自体もいいし、練習を変えたことも(動けている理由に)あると思う。そのあとは軽めに練習をやってきた。メンバーがいいので、このメンバーを相手にどれだけやれるかですね」


 前回の全プロ記念を89着も動き自体は悪くない竹内雄作が、前向きにこれからを見据える。


 「一時期は考えすぎていたところもあった。なかなかかみ合わない部分もあるけど、変に考えすぎないように。(前回と)違うフレームなんですけど、不安というより楽しみの方が大きい。新車じゃなくて前から持っていたヤツですけど、いろいろやってみたいこともあるんで」


 

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 全プロ記念の最終日に内容の濃い走りで、村上博幸とワンツーだった三谷竜生(写真)。その後も順調にきている様子だ。


 「(全プロ記念競技大会が終わって)帰って普通にやってきました。いい感じかなと思います。(前回の最終日は)僕も無理やり(仕掛けて)行ったんで、それで行き切れてたのは良かった。調子自体はいいと思う。しっかり流れに乗って力を出し切れるように」


 全プロ記念を連勝の和田健太郎は、その後の競技大会のケイリン種目でも3位表彰台と乗れている。


 「記録会があったりして、全プロ記念より前に疲れていた。記録会でカーボン製の自転車に乗ってたからですかね。そのなかで結果がついてきたんでヨシとします。自分でもそれで(調子が)いいのかわからないんで、みなさんにあんまり歯切れのいいコメントが出せなくて…。とにかくお客さんが買ってくれる以上は、一戦、一戦大事に走りたい」


 強力な近畿コンビを相手に田中晴基の立ち回りが注目される。


 「村上(義弘)さんが番手の時の上を行けたことがない。和田さんとの連係の時は、もう先行か中団ですね。ハナから粘るっていうのもあんまり考えてないし、なるべく自力で戦いたい。競走はなにが起こるかわからないし、作戦もそこまで考えないでやります」


 

1R

選手の写真です。
高木翔選手

 赤板で高木翔(写真)に併せ込んでフタをした山本紳貴が、2コーナー過ぎに出て主導権。高木は7番手に置かれる。中団の西村光太がまくりを打つも1車しか出ない。その上を高木がまくって前団をとらえた。


 「(巻き返して)行けるところが何回かあったけど、見ているうちに(山本)紳貴さんが駆けちゃった。西村さんが行ってくれて、隊列が短くなったんで(助かった)。紳貴さんが(自分を)付いてこさせないように出たんで、隊列が整ってからと思いました。脚の感じはいい。それに(悪いころと比べたら)レースで余裕が出てきた」


 敢然と風を切った山本を利した佐藤龍二は、ゴール前で高木にのみ込まれ2着。


 「もうちょっと(山本を)残せたらっていうのと、大木(雅也)さんもっていうのもあって…。番手を回ることが多くなって、1着が激減してますね。考えすぎもあるのかと。番手を回らせてもらっているっていう責任感があるんで、そこら辺を勉強していかないと」


 

2R

 坂本周輝が打鐘過ぎに菅原晃を押さえると、泉谷元樹が2センターから反撃を開始。最終ホーム過ぎに坂本を叩いた。そのまま力強く駆けて、堂々の押し切った。


 「ホームでいけば、突っ張られないと思って。出切ってからも、回せていたので風の影響はなかったですね。点数があまりないから自分のレースをさせてもらっている。久しぶりに勝ち上がれたので、これがキッカケになれば」


 表原周は坂本のけん制で泉谷と車間が空くが、すぐさま付け直す。最後は抜けずの2着も、「花丸を付けてください」と、勝ち上がりに上機嫌。


 「泉谷さんのおかげ。ホームで凌げたのが大きかったですね。バックでニュートラルに入って。後ろを確認していたら、前と離れていました。慌てて踏んだけど遅かったですね。でも、6番車なのにラッキーしましたよ。いまはどこかに付けられたら付くし、目標がいなければ(競りに)いっている。最近は(競りのことを)ほかの選手にも言われるし、僕としてはうれしいですね」


 

3R

選手の写真です。
土屋裕二選手

 猪俣康一が押さえた上を矢口大樹が出て先行策。南関勢に単騎の中村圭志まで続いて、猪俣は5番手で人気の宿口陽一が7番手。矢口の番手で絶好の展開が訪れた土屋裕二(写真)は、猪俣のまくりをけん制して直線で追い込んだ。


 「(猪俣を)止めようと思ったら、空振りでスカッとなった。あとはしゃくってくるのを締め込んでっていう感じでした。自分に余裕はあった。でも、とにかく矢口が強い。二次予選もああいう形で駆けられればいいんじゃないかと。1、2着が(二次予選)Aだから、自分にとってはデカいですね」


 7番手からの反撃となった宿口陽一は、まくり届かずの2着を反省する。


 「自分だけになっちゃいました。あれで1着にいけてれば、(ラインの)後ろの2人にもチャンスがあったと思う。重かったですね。シューズの部品を換えて、しっくりこなかったところもあるんで戻してみます」


 

4R

 阿部拓真にフタをした隅田洋介が、打鐘で飛び出して主導権。先に動いた不破将登は中団を確保するも、関東勢と大きく車間が空いて最終ホームを通過する。阿部拓は7番手に置かれたが、1センターからスパート。好スピードで前団に迫ると、逃げる隅田を直線入り口でとらえた。


 「少し前を見過ぎてしまったし、苦しい展開でした。不破さんのところまで行って、合わせられなければなんとかなるかなって思って仕掛けました。前団をまくり切れたし、(感じは)悪くないと思います」


 阿部拓に付け切った地元の大森慶一は、4分の3車輪まで詰めたところがゴール。


 「阿部(拓)君が強かったです。最後は踏み込んだけど、あそこまでが精いっぱい。地元記念はだいたい空回りが多いので、勝ち上がれてよかったです。二次予選も厳しくなると思うけど、気持ちで負けないように頑張ります」


 隅田の番手から、中田健太が追い込んで3着に入った。


 「隅田さんがフカすことはわかっているのに、対応しきれなかったです。もう少し体が良くなってくれれば、余裕も出てくるのかな。来月には体に入っているピンが抜けるので、それまでは我慢ですね」


 

5R

 前受けから7番手に引いた久米康平だが、赤板の2コーナーから踏み込んで岸澤賢太を打鐘の2センターで押さえる。番手の三ツ石康洋は、最終2センターからまくってきた岸澤をけん制すると、直線で追い込んだ。


 「前と後ろのおかげ。前が行ってくれたのにブチ抜いて(久米を)6着に沈めてしまいました。車間をもっと空けられたけど、それが呼び水になってしまうと嫌ですし。4コーナーでも内に来たのが7番(山田義彦)だと思ってしまった。心に余裕がないですね」


 まくった岸澤賢太が2着に入る。


 「初手は考えていた通りに後ろで。久米君も前を取ったから早めに押さえてからと。久米君の仕掛けがもう少し遅ければ、ジワジワ駆けようかなとも思っていました。久米君が1センターで伸びていって、三上(佳孝)さんが来てなかったので2センター勝負と思いました。うまく走れたかな。状態も悪くない」


 関東3番手を回った根本雄紀が、直線で鋭く伸びて3着に食い込む。


 「前検日も、初日の朝も感じが良かったです。でも、自分が思ったより伸びましたね。二次予選Bですけど、この勝ち上がりはデカい。2走目も食らい付いていきます」


 

6R

選手の写真です。
宇佐見裕輝選手

 合わせて踏んだ一戸康宏を制して石塚輪太郎が主導権を握るが、後方の宇佐見裕輝(写真)が襲い掛かる。打鐘の3コーナーで宇佐見が出て、そのまま逃げる。3番手に入った石塚は最終ホームから巻き返すも、鈴木誠のブロックで不発。軽快なペースで駆けた宇佐見が、二の足で後続をシャットアウトした。


 「あそこで行かないで(打鐘の)2センターで行ったら、合わされてしまうと思った。早めにでも行って、あとは自分の脚を信じてでした。まだ石塚君も気づいてなかったし。先輩(鈴木)のおかげです。逃げきれたってことで、これで周りの見る目も変わってくる。(2日目も)自信をもって、自分の行けるところからですね」


 石塚の余力を確かめながら、酒井耕介がベテランらしい立ち回りを見せた。最終2センターで落ち着いて、鈴木の内をすくって2着に追い込んだ。


 「(石塚は最終)1コーナーの上りで踏んで、最悪のタイミングで行かされた。まだ行きたくはなかったと思うけど。石塚は赤板で4番(一戸)を叩き切るのに脚を使った。そうじゃないと石塚がジャンで叩き返されることはないと思う。自分はだいぶ待ちました。石塚が完全に無理だなって思ったところで、内に行きました」


 外に浮いた一戸が不発で、藤原憲征は直線で内のコースで詰まって踏み切れない。関東3番手から外を踏んだ手島志誠が伸びて3着。


 「ノリ(藤原)が外を踏んだら、そのまま付いていこうと思っていた。ノリ、一戸君のおかげですね。たまたま外を全開で踏めたから」


 

7R

 中団で一度止まった黒川茂高の仕掛けが遅く、小川祐司が前受けから突っ張って主導権。小川ラインに差し込みながら4番手をキープした根本哲吏が、まくりで仕留めた。


 「(打鐘の2センターで)内へ入ったのは失敗。内をしゃくって先行かなって思ったけど、あれをやったことで逆に苦しくなってしまった。ここまで中3日で練習をしたせいか、展開もあるのか、脚は重かった。とりあえず初日をクリアできてよかったです」


 根本に続いた地元の荒澤貴史が2着に流れ込んで、佐々木省司まで北日本勢で上位を独占した。


 「全部が想定外でした。根本君の組み立てがダメでしたね。流れるところがないし、常にバックを踏む感じでした。二次予選のAにいけたのが最低限、良かったです」


 

8R

選手の写真です。
藤井昭吾選手

 桐山敬太郎が白星スタートを切った。レースは、藤井昭吾が赤板の1センターで誘導を降ろして先行策に出る。先に動いた柿澤大貴が中団を確保。前受けから引いた桐山は打鐘の4コーナーで仕掛けるそぶりを見せたが、結局7番手で最終ホームを通過。バックからようやく踏み上げると、ゴール寸前で前団をまくり切った。


 「赤井(学)さんには悪いことをしました。本当だったらホームで行けばよいんですけど、行けなかったです。仕掛けて(藤井に)全開で踏まれたら中団でいいんですけどね。(約1ケ月ぶりのレースだが)思っていたより車は出た気がする。でも、(藤井が)ちょっと点数以上でした。大事に行き過ぎた感もある。(二次予選は)きっちり仕掛けないとって感じです」


 藤井昭吾(写真)が2着に粘る。強敵にも臆せず仕掛けて、二次予選Aに勝ち上がった。


 「練習の成果が出た気がします。(中8日間は)先行の練習しかしていなかったです。桐山さんには前に勝っているし、自分的には点数ほど差はないと思っていました。チャンスはあるかなと。4コーナーまで横に(別線の)気配はなかったし、落ち着いて駆けられました。記念はFIより成績がいい気がしますね」


 

9R

 押さえて出た本多哲也は、中部コンビと単騎の松尾透まで受けて4番手をキープ。前受けから後方に引いた清水裕友が、打鐘の4コーナーから反撃。が、絡んだ本多が外に張って、清水は大きく膨れる。立て直した清水はあきらめることなくそのまま踏んで、ロングまくりで人気に応えた。


 「あれで終わったかと思った。(本多は)前に踏んでくれって思いました。いいところに引っ掛かってしまった。あのまま(前受けから)突っ張っても良かったけど、仕上がりに自信がない。ちょっと重たい。これで脚に刺激が入って良くなってくれればいいかなと」


 清水を遅れながら追いかけた増原正人は、あおりでさらに清水との車間が空いたが吸い込まれるように2着に入った。


 「(初日は約2カ月ぶりの実戦だから)2日目の方が良くなってくると思う。まぁまぁですね、(清水に)付いていってワンツーだし、悪くはないですね」


 桜井雄太の逃げを利した上田国広は、内から松尾に当たられるも踏ん張って3着。


 「3番手がラインじゃなくて単騎の選手(松尾)だったから…。(桜井)雄太が頑張ってくれたけど、僕に余裕がなかった。なんとかですね」


 

10R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 赤板の2コーナーで先頭に立った新山響平は、後続を一本棒にして冷静なペース配分。打鐘の3コーナーから巻き返した郡司浩平を突っ張り、柴崎淳のまくりも不発に追いやる。番手の佐藤慎太郎(写真)が、きっちり追い込んだ。


 「俺はなにもやっていないですよ。新山が頑張ってくれた。本当は郡司と体を合わせて止めたかったけど、そうしたら柴崎のまくりごろになるだろうから車輪を見せるけん制になった。疲れは少しある。でも、どんどん状態は上がっていくと思う」


 別線を完封した新山響平は、ラインを上位独占に導く躍動感のある走りで2着に粘り込んだ。


 「ペースで行けたし、最後まで踏み切れた。展開も自分に向きました。駆けているイメージは良かったし、調子はいいかも。ラインで決まったことが自信になりますね。」


 ソツなく3番手で立ち回った齋藤登志信は、例によって淡々と振り返る。


 「前が頑張っている以上、俺は3(着)までに入らないと。3番手で内を締めていたし、郡司も脚がある。だから、そこは気をつけていた」


 

11R

選手の写真です。
木暮安由選手

 赤板の1センターで誘導を降ろした竹内雄作が、別線を警戒しながらペースで駆けていく。中部勢に続いた木暮安由(写真)は中団で併走になるも、菅田壱道をキメて4番手を確保。隊列は一本棒で最終ホームを通過する。仕掛けどころを見極めていた木暮は、後方からまくってきた松浦悠士に合わせて3コーナーから踏み上げる。抵抗する竹内をゴール寸前でとらえた。


 「ジャンのところで中途半端になってしまいました。あのまま叩きに行っても着はないなと。最終2コーナーは余裕があったけど、(竹内)雄作も踏み上がっていったので、3コーナーからになりました。武田(豊樹)さんとワンツーを決めたかったですね。でも、車は結構進んでいます」


 竹内雄作は木暮にこそ屈したが、末良い先行で2着に粘った。


 「(打鐘で木暮が)外に見えたので、見ながらペースに入れました。もう1個スピードを上げたかったけど、いまのなかではこれが限界。あとはラスト半周も課題ですね。そこで踏めていれば、ラインで決まったと思う。でも、残れているし悪くない。だいぶ、力も入るようになってきました」


 木暮に絡まれた菅田壱道は6番手から立て直す。まくりこそ打てなかったが、直線で鋭く伸びて3着に食い込んだ。


 「(打鐘で木暮が)厳しくきたし、もつれ待ちだったのでムキにならずにサッと引きました。(6番手から)まくろうと思ったけど、木暮さんが見ていて内にいくか悩みましたね。でも、最後は前がゴチャついて、武田さんの内も空いていたので。うまく伸びましたね。届いてよかったです」


 

12R

選手の写真です。
和田健太郎選手

 阿竹智史を押さえて赤板の2コーナーで飛び出した田中晴基は、三谷竜生の巻き返しを警戒しペースを上げてそのまま先行策。一度、中団まで進出した三谷は、反撃のタイミングをうかがって再度4コーナーから踏み込む。和田健太郎(写真)が三谷を強烈にブロックするが、三谷にまだ余力が残っている。最終2コーナー過ぎに番手まくりの選択を強いられた和田が、三谷を合わせて白星をつかんだ。


 「(三谷に)いいのが入ったんで、これで(番手まくりをしなくても)大丈夫かなって思ったんですけどね。(田中)晴基が踏んでくれているから、自分も対応できた。晴基の気持ちが強かったし、それがあったからこそ三谷君を合わせられた。ただ、簡単ではなかった。(番手から出て)長かった。(ゴールの)ホーム線が早く来ないかなと。もういっぱい、いっぱいでした。晴基にはどこかで返したいです」


 千葉コンビに付けた小林大介が、別線に割り込まれることなく2着に流れ込んだ。


 「田中君と和田君の後ろで勝負権があるなっていうのは思っていた。いまが旬の和田君ですから。とりあえず離れないようにと。初日のあれじゃ調子はわからないけど、徐々には良くなってくると思います」


 筒井敦史が自力に転じてまくりを打つと、柏野智典は最終バックでいつの間にか最後方。しかしながら、そこから流れるようなコース取りで3着に追い込んだ。


 「村上(義弘)さんがいるし、南(修二)はあのコースに入ってこないなと思いました。筒井さんは(外を行ってたんで)大丈夫だから、あとは阿竹がどこに行くかなと。あんまり早く入ってもと。落ち着いてコースを見ていけば大丈夫だっていうのはあった。(直線は)三谷を引っ掛けないように気をつけてました」


 和田のブロックにも怯まず田中ラインを追い詰めた三谷竜生だったが、最後は和田の番手まくりに屈して7着。2日目は二次予選Bを余儀なくされた。


 「結局は出切れてないんで、そこですよね。(2日目は)頑張りますとしか言えません」


 

6R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 赤板で押さえた坂本周輝がフワッとペースを落とすと、前受けの松浦悠士(写真)が番手で粘り坂本後位が併走。単騎の上田国広は緩んだ流れのなかでいったん前に出るが、坂本が落ち着いて巻き返して主導権。上田のかく乱で坂本後位は鹿内翔が踏み勝つ。松浦は佐々木省司を制して、飛び付いた上田をキメて3番手を確保。ゴール前できっちり青森の2人をとらえた。


 「ほぼ番手で勝負しようと思ってました。(坂本が)ドカンと行けば下げますけどね。あれでまくれたらいいんですけど、あの組み立てじゃ自分だけになってしまった。粘ったのが失敗かなと、あとから思うところもある。自分も初日より軽かった。あとはもうちょっとやりようがあったのかと」


 踏み出しで坂本後位を守った鹿内翔は、松浦に微差、交わされての2着。


 「(松浦が番手で粘るのは)半分は考えていた。そうなったら(坂本)周輝が残るように駆けてくれればよかった。4番(上田)は想定外でした。ただ、そのおかげで俺も付いていけた。後ろは確認したつもりだったけど、松浦君なのか(佐々木)省司さんなのかわからなかった。脚は悪くないし、(記念の)準決に初めて乗れた」


 「追い上げのつもりだった」とは、打鐘の4コーナーでいったん先頭に立った上田国広。そこから3番手に飛び付くも松浦と絡んで8着。


 「松浦君が粘った時点で行こうとは思ってた。その方がちょっとでも可能性があるかと…。ただ、周輝が冷静でした」


 

7R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 じわりと先頭に立った郡司浩平(写真)は、打鐘手前から襲い掛かる櫻井正孝を突っ張って逃げる。田中晴基が土岐幹多を制して郡司に続く。3番手には永澤剛のアシストで櫻井が収まる。絶妙なペースで郡司が駆けて、3番手の櫻井は不発。後続の強襲を凌いだ郡司が二の足で押し切った。


 「勝ち上がりが2着権利だったので、難しかった。できればラインで勝ち上がりたかった。2分戦だったんで、櫻井さんを合わせ切ってからはペースで踏めました。田中さんもあれだけ仕事をしてくれるので心強いですね。自転車の悩みもないし、感じもいいです」


 櫻井マークから中割りでシャープに伸びた永澤剛が2着。


 「流れが向きましたね。(最終ホームのところは)櫻井君を入れないと、自分ではなにもできないのでダメになると思って。最後は内しかないなって思いました。調子自体は変わらず普通ですね」


 

8R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 三谷竜生(写真)が格の違いを見せつけて人気に応えた。レースは後ろから動いた矢口大樹が、叩きに来た横山尚則を突っ張って先行策に出る。前受けから引いた三谷は降りようとした横山をけん制して4番手をがっちりキープ。最終1センターからまくって圧勝した。


 「だいたい、ああいう展開になると思っていました。それか、横山が切ってモガき合いかなと。1着なので良かったですけど、ラインで決められなかったのが残念です。もうちょっと、(仕掛ける)いいタイミングがあったと思う。調子自体は大丈夫です」


 三谷に上を行かれた山田幸司は、すぐさま切り替えて前に踏んで2着に入る。 2着までの厳しい勝ち上がりクリアして準決に進出した。


 「前のおかげですよ。矢口君がしっかりやってくれた。(三谷は)見えていたけど止められないから、うまく飛び付けたらと思っていました。(三谷と車間が開いて)ゴールまで長かったから、マイペースでいきました」


 先行勝負に出た矢口大樹だが、結果はシンガリ負け。それでも、力を出し切って納得の表情。


 「(三谷、横山の)どっちが来てもジャンで少し突っ張ろうと。2人とも格上だし、すんなり中団が取れてもまくれないので。もうちょっとゴチャついてくれたら面白かったですね。でも、やりたいことはできました。あとは力ですね」


 

9R

選手の写真です。
阿部拓真選手

 阿竹智史が押さえて出た上を高木翔が迷いなく仕掛けて主導権。3番手の荒澤貴史まで出切って、4番手に単騎の増原正人が切り替える。高木は緩めることなく駆けて、阿部拓真(写真)は最終3コーナーから番手発進。地元の荒澤を連れ込んでワンツーを飾った。


 「せっかく(高木)翔があんだけ行ってくれてるんで、応えなきゃいけないと思った。荒澤さんまで確認する余裕はなかったけど、もうタテに踏ませてもらった。(別線の)まくりが来たら踏もうって感じだった。でも、翔も(最終)バック過ぎにタレだしたんで、自分が渋るより行った方がいいと思って踏んだ。相手が相手だし、地元の荒澤さんがいて、自分は責任重大なポジションだった」


 5番手からまくった阿竹をけん制しながら、阿部に流れ込んだ荒澤貴史が2着。


 「高木君の掛かりがすごかった。僕はマークしていただけですよ。(函館の)4月のGIIIナイターの時も準決に乗ってるし、よかったです。(阿部を)抜きたかったけど、踏み直された」


 最終バックからまくりを放った阿竹智史は、阿部に合わせて出られるもしぶとく踏んで二次予選をクリアした。


 「(中団に入ってからは前の)増原君の車間の空き具合とあとはアッちゃん(柴崎淳)の感じでしたね。絶対に(阿部が番手から)出ていくのもわかっていたけど、増原君も行く気配がなかった。それで自分で行ったけど、完全に(阿部の番手まくりと)一緒になってしまった」


 

10R

選手の写真です。
中村浩士選手

 赤板の2コーナーから出た泉谷元樹が主導権を握るが、根本哲吏も叩きに出る。根本が不発も打鐘の4コーナーから今度は宿口陽一が反撃。宿口のスピードが鈍ったように見えた最終2コーナーで、武田豊樹は自力に転じる。その武田を追った桐山敬太郎が、直線半ばで武田をとらえてゴール。


 「緩んだら仕掛けようと思っていて、打鐘のとこで車間を切り気味にしたら少し遅れてしまった。でも、宿口君も武田さんが付いているので早めに仕掛けるだろうし、そんなに悪い位置ではないですよ。4番手が取れていればもっと楽だったんだろうと思うけどね。期待に応えられてよかったです」


 桐山を信頼して追走した中村浩士(写真)の2着で南関ワンツー。


 「とにかく桐山君が落ち着いていたし、安心して任せられた。展開を読み切っての走りだった。彼(桐山)は無駄がないね。自分は付いていけてよかったです。状態は日に日に上がっている」


 宿口との連係からまくりを打った武田豊樹の状態はどうか。


 「宿口君のスピードは結構ありましたよ。去年は人に任せて失敗しているレースが多かったし、宿口君が力尽きたのを見て踏みました。実戦を2走して自力みたいな形も出せたんで問題はないです」


 

11R

選手の写真です。
清水裕友選手

 後ろ攻めの藤井昭吾が赤板前からハナに立つ。この動きに続いた単騎の岸澤賢太と清水裕友(写真)が4番手で併走になり、スローペースで打鐘が鳴る。別線の様子をうかがっていた藤井は、2センターから踏み上げた岸澤に合わせてギアをトップに。これで視界が開けた清水は最終1センターから一気に踏み上げると、番手まくりで応戦した村上義弘を乗り越えて連勝を果たした。


 「行けるか行けないか。とりあえず、力勝負をしようと。(岸澤を入れなかったのは)あの1車で変わってくるので。1コーナーで仕掛けられたし、タイミングも良かったと思います。(村上に)合わされた感じがあったけど、なんとか乗り越えられましたね。自分では半信半疑で仕掛けたんですけど、スピードも出ていたと思います。初日で(脚に)刺激が入って、初日と軽さが違いましたね。自分でもびっくりしているし、勝ててうれしいです」


 村上義弘は清水をけん制するも、止まらないと判断して番手まくりを敢行。清水との差が空きながらも2着に入った。


 「岸澤君を目標に(清水が)来たみたいですね。スピードが違っていて、自分はそれに対応できなかったです。(藤井)昭吾が頑張ってくれたし、任せてよかったです」


 遅れ気味のところを最終3コーナーで村上に張られた園田匠は、あきらめずに踏んで3着を確保。


 「前が村上さんと南(修二)なので、横に来るのはわかっていました。最低限ですけど、勝ち上がりの権利が取れてよかったです。いまの状態では、あまり欲は言えないので。でも、(セッティングは)徐々に良くなってきました。前回なら、離れたままで終わっている。もう少しいじったら上積みがあると思います」


 

12R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 4車の長いラインができあがった北日本勢が、前団に構える。新山響平の突っ張りを警戒して、青板のバック前から早めに動き出した竹内雄作が勢いよく出る。いったん竹内ラインを受けて3番手に入った新山は、赤板の1センター過ぎから踏み込む。新山が合わせる竹内をスピードでねじ伏せて主導権を奪取。齋藤登志信は離れるも、菅田壱道(写真)、佐藤慎太郎までが続く。4番手で車間を詰める竹内、後方からまくる木暮安由が迫る前に、菅田が番手からまくってチャンスをモノにした。


 「新山が絶対に主導権を取るっていう強い気持ちがあった。自分は新山を残したいっていうのと、ラインで決めなきゃってのがあって…。新山もキツかっただろうし、木暮さんが来てたんで前に踏ませてもらった」


 「(新山)響平のダッシュを甘くみてました」とは、巻き返した新山、菅田の後ろでわずかに遅れた佐藤慎太郎。しかしながら、さすがの対応力で危なげなく菅田に流れ込んだ。


 「自分はキツかったし、余裕もなかった。響平は何回もダッシュしてた。それに気持ちも入ってた。(3番手に入ってからも)あれで見てたら木暮の追い上げが来るだろうし、そういうところをわかってて行ってくれた。これからが楽しみですよ」


 木暮安由は一本棒の7番手からまくるが、北日本勢の2段駆けに3着が精いっぱい。


 「もうちょっと(新山と竹内で)踏み合いになるかと思った。(竹内が中団に入ったあとは)追い上げにも行けなかった…。それでもある程度は対応もできたし、悪くないです」


 初日に続いて積極策でレースを支配した新山響平は、メンタル面でのプラスアルファを強調する。


 「最低限のことはやれたかなと。脚の状態はあんまりいいって感じではないけど、気持ちを前々に押し出せている。フレッシュな気持ちで(競走に)臨めているし、準決も初心に戻って先行です」


 

10R

選手の写真です。
園田匠選手
選手の写真です。
新山響平選手

 前受けから新山響平も合わせて踏むが、桐山敬太郎が制して赤板で出る。7番手まで下げた新山は、2コーナーから巻き返して主導権を奪う。桐山が3番手に飛び付き、最終2コーナーからまくった松浦悠士も3番手まで。番手で絶好の佐藤慎太郎だったが、阿竹智史と接触して車体故障。中四国勢を追って外を伸びた単騎の園田匠(写真)が久々の白星を挙げた。


 「持ち味を出して、どこまでいけるかなと思っていた。(1着でも)自分のなかでは全然進んでないですね。最後は後ろから差されそうになったし、伸びていない。いい時はもっと伸びると思う。まだ上積みがあるし、セッティングを調整します」


 初日特選、2日目優秀に続いて3日連続の先行策となった新山響平(写真)は、横一線のゴール勝負を2着に踏ん張った。


 「桐山さんが先行するつもりだと思ったので、早めに巻き返そうと思ってました。後ろが粘られないように行こうと思っていたけど、粘られてしまったのでもう少し踏まないとダメでしたね。内容は悪くないので、あとは細かいところを修正したい」


 3番手奪取も桐山は最終バックでいっぱい。脚を溜めていた和田健太郎は、落車のアクシデントを避けて鋭く追い込んで3着。


 「桐山君のおかげです。全部、任せていました。桐山君は先行する気だったんですってね。自分が考える以上のレースをしてくれる。3番手を取り切ったので、松浦君が来られないくらい新山君が掛かっていたら面白かったかな。状態としては、前回ほどの重さとか変な感じはしないので、日に日に自信をもって戦えている」


 最終4コーナーまでは優出安泰に思われた佐藤慎太郎だったが、落車した阿竹と接触して後輪を破損。まさかの5着に悔やむことしきり。


 「もう確実に1着だと思いました。自分でもどうすれば良かったのかっていう反省点が見つかりません…。お客さんに申し訳ない」


 

11R

選手の写真です。
竹内雄作選手
選手の写真です。
郡司浩平選手

 竹内雄作(写真)が圧巻の逃走劇を完遂した。レースは先に動いた郡司浩平を阿部拓真が打鐘の1センターで押さえる。すかさず竹内が踏み上げて、打鐘からレースを支配。そのまま最終ホームを一本棒にして駆けると、最後まで後続の追撃を許さず押し切った。


 「阿部君がどういうスタイルかわからなくて。モガき合おうとも思っていたけど、すんなり出られました。ペース配分もいい感じだったし、脚もうまく回せましたね。ラインで決められてよかったです。連日、1個1個、課題をクリアできています」


 南修二が続いて2着を確保。レース後は目標の竹内を絶賛した。


 「竹内君が強かったですね。自分は追走いっぱい。あれが限界です。だいぶ(竹内との)脚力差を感じましたね。決勝も、竹内君に任せて頑張ります」


 6番手の郡司浩平(写真)は、まくってきた木暮安由に合わせて最終3コーナーから踏み上げる。直線で伸びて3着に入るも、組み立てを反省した。


 「(最終)2コーナーで(阿部が仕掛けるか)見てしまって。それで仕掛けが遅れてしまいました。(竹内)雄作さんが掛かっていたし、阿部君もキツかったと思う。雄作さんが復活していますね。3着に入れたのは、たまたまです。もっと(別線が)膨らんでいたら、入れていないですね。ちょっと疲れが出てきているので、立て直したい」


 阿部拓真は絶好の3番手を確保。最終2センターから外を回すも、車は伸びず5着に終わった。


 「ホームでいこうと思ったけど、竹内さんが踏み上がっていって仕掛けられなかったです。出切れる手応えは感じなかったですね。最後も外を踏めばラインの誰かが確定板に乗れるかなと思ったけどダメでした」


 

12R

選手の写真です。
菅田壱道選手
選手の写真です。
柏野智典選手

 赤板で切って出た菅田壱道(写真)を清水裕友が押さえるが、その上を三谷竜生が叩いて打鐘過ぎに主導権を握る。清水が飛び付いて村上義弘と番手で併走。村上は清水をキメて番手を守るが、最終1コーナーから菅田がロングまくり。逃げる三谷を菅田が好スピードでとらえて、齋藤登志信が追走。大森慶一は清水に弾かれて、激しい3着争いをしり目に宮城コンビのゴール勝負。菅田がきっちり押し切った。


 「あれで清水に中団に引かれたら、俺は終わりだったけど。多少なりともやり合うだろうと。自分は終始、余裕があった。2日目にあんだけ長い距離を踏んで、最後はしっかりまくって1着だった。あれがあったからだいぶ楽でした。体調も初日、2日目に比べて良かった。オーバーワークじゃないけど、珍しくしり上がりに良くなっている」


 菅田の踏み出しに付け切った齋藤登志信は、久々の記念ファイナルにコマを進めた。


 「(菅田)壱道がちゃんと位置を取って組み立てるから、ああなるんだと思う。そういう威圧感を壱道が出せているんじゃないかと。自分は決勝に乗ることが目標だった。年上の人がどんどん辞めていくなかで、この記念だけはっていう思いがあった。それで結果を出せたのは大きいですね」


 競り負けた清水だったが、北野武史をさばいて3番手を確保。柏野智典(写真)は清水の動きを見極めて、直線で三谷と村上の間を伸びた。


 「(清水は)突っ張れたら、突っ張りだっただろうし、あれで引いて菅田と勝負してもしょうがない。出し惜しみをしないで、1回全開で踏めばっていう感じだった。自分は北野さんと絡まなかったのが大きいし、そのあと(清水)裕友には当たりたくなかった。自分で言うのもなんだけど、上手に入れた。今回から新車なんですけど、2日目はいじりすぎて、3日目が一番良かった」


 三谷に叩かれた清水裕友だったが、前々に踏む強気の攻めで存在感を見せた。


 「腹をくくって出たところ勝負でした。あれで(村上に)勝てれば良かったけど、結局負けてしまっている。でも、ああやってやらないとわからないですから」


 


 


≪レインボーカップA級ファイナル≫


 A級屈指の戦績を残している9人のなかでも、小原唯志はただひとり競走得点を98点台にのせてメンバートップ。ここも勝利にまい進して、一日でも早くS級に返り咲きたい。


 「練習もできたし、脚の方はいいと思う。優勝して早く(S級に)上がりたい。(出身は)帯広で実家はここからかなり遠いですよ。札幌、函館が修学旅行の定番だったんで、函館は修学旅行で来るくらいでした(笑)」


 同地区不在の高橋雅之は、小原の番手を表明して気を引き締める。


 「南関はひとりなんで、小原君にいきます。付いていけるかどうかですね。今期、自分が付いたなかでは、神奈川の志佐(明)君が一番強いと思った。それより小原君の方が点数がある。自分は(持病の影響で)3日間よりは(一発勝負の)一日だけの方がいいと思います」


 徹底先行で鳴らす橋本智昭は、特進のかかった舞台でも自分のスタイルを通すことに迷いはない。


 「(来期がA級なので)もちろん3着以内に入りたいけど。まずはやることをやってですね。それで展開が向くなら狙いたい。いつも通りにやった方が結果もついてくるだろうし、それでダメならダメでまた頑張ればいい」


 前回の地元、松山で優勝を飾っている日野博幸は、勢いに乗って勝負駆けとなる一発勝負に臨む。


 「(ラインを組む大竹慎吾と)2人とも来期(S級が)決まってないんで、イチかバチか緩んだところで仕掛けたい。松山の前はすごく調子が悪かったんですけど、もう体の方はいい。調子は維持できていると思うし、これで3着までに入れなかったらしょうがないっていうくらい練習をしてきた。外を踏んだら、どうにかなるかなっていう感じはある」