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決勝戦レポート

和田健太郎(千葉・87期)

デビュー16年目の記念初V

 「初日が(田中)晴基、準決は桐山(敬太郎)君、それで郡司(浩平)君ですから」
 デビュー16年目の遅すぎた記念初優勝。苦労人の和田健太郎が、まずはラインへの感謝を口にする。
 「単騎でやった2日目は、なにもできなかった。ひとりでやれば、ああなるのが目に見えている。ラインの力が大事ですね」
 新山響平と竹内雄作のプライドをかけた激しい先行争いが、赤板で幕を開ける。7番手に置かれはしたが、郡司にとっても悪くない流れ。が、仕掛けた郡司は、浮いた竹内の外を回されるロスが響いて菅田壱道に合わされた。
 「郡司君に全部、任せていた。常日ごろから郡司君は南関の先頭で頑張ってくれている。あの位置は予定外だったかもしれないけど、(最終)ホームでしっかり仕掛けてくれた。溜めていってもいいのに。ああいうのが信頼の厚いところですね」
 最終バック過ぎに和田健は、自力に転じた菅田の後ろにスイッチ。直線半ばで菅田をとらえると、園田匠の追撃を凌いでゴール。
 「シビアだったかもしれないけど、郡司君もあそこまでやってくれた。やっぱり(ラインでの)ワンツーがベストなんで、そういう意味では優勝しても(喜びは)半分です」
 4月にFIを2V。近況、勝ち星を量産している和田の差し脚が、夜の函館バンクでうなりを上げた。
 「自分が獲れるって思ってもなかったんで上デキです。(競輪は)これだけじゃないし、郡司君にもちゃんと返せるように。本当にどのレースも、できるかぎりの仕事をして。目の前のレースを一走、一走、頑張っていくだけです」
 前回の全プロ記念最終日に37歳のバースデーを迎え、9日後に記念初V。充実の和田が、濃密な時を過ごしている。
 
 単騎の園田匠は、最終ホームで最後方もハイペースに巻き込まれることなくじっくり脚力を温存。南関勢に託すように郡司、和田を追走したが、直線で伸びるも優勝には4分の3車身足りなかった。
 「和田君が入ってきて、バックを踏んで怯んでしまった。あれがきれいに付いていけたら、いい展開だったですね。自分としてももっと良くなってくると思う」
 
 赤板で竹内に遅れた南修二にかぶった菅田壱道が、新山との連結を外す。主導権を守り切った新山とのドッキングはかなわず、4番手からまくり気味に進出するも和田、園田に交わされて3着。苦い顔つきで反省する。
 「(新山)響平と(竹内)雄作は先行選手ですから。お互いのプライドをもっている。俺が離れたことでレースをぶち壊してしまった。自力の時と違って、後ろは考えることが多い。(中団に入ったあとも)追い上げなきゃと。郡司君を引き出す形になるかもしれないけど…。(同地区に)若くて強い子が出てくるんで、番手を回る機会が増えてくる。こういうことをやっていると、(番手を)回してもらえなくなるし、次は失敗しないように」
 
 「内にいくか、外にいくか迷った」とは、結果的に最終1センター過ぎに竹内の外をまくった郡司浩平は、不発の5着。
 「竹内さんは(浮いて)やめ気味だった。あれで外を回ったぶん、菅田さんに行かれた。内に行っていれば…」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で和田健太郎がゆっくり出て、郡司浩平を迎え入れる。初手の並びは郡司-和田が前受け、単騎の園田匠が3番手に収まり、新山響平-菅田壱道-齋藤登志信で中団を形成、竹内雄作-南修二-柏野智典が後方待機の順で落ち着く。
 赤板前の4コーナーから竹内が一気に仕掛けると、新山も中団から合わせて踏み上げる。両者で激しい主導権争いとなり、両ラインとも連係は乱れる。竹内に出られた新山はすかさず番手から踏み込んで打鐘で先頭に立つ。今度は新山の後位に収まった竹内が4コーナーから再度踏み込むが、出切れず後退。後方の郡司が最終1コーナーから反撃に出ると、新山との連結を外していた菅田が中団からまくる。菅田の後位に俊敏にスイッチした和田が直線で鋭く追い込み、記念初制覇を果たした。初手から南関コンビを追っていた園田が和田に続く形で2着に入った。
 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 7 和田 健太郎 千葉 87期 S1 11.9 追込み
2 2 園田  福岡 87期 S1 3/4B 11.8 マーク
3 5 菅田 壱道 宮城 91期 S1 1W 12.1 捲残
4 9 柏野 智典 岡山 88期 S1 4B 12.5
5 3 郡司 浩平 神奈川 99期 S1 1B1/2 12.7
6 8 斎藤 登志信 宮城 80期 S1 1B1/2 12.6
7 4  修二 大阪 88期 S1 2B 13.1
8 1 新山 響平 青森 107期 S1 2B 13.4 H B
9 6 竹内 雄作 岐阜 99期 S1 D 14