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決勝戦レポート

新田祐大(福島・90期)

新田祐大が近畿勢を粉砕

 4車で結束する近畿勢を単騎の小原太樹が分断に行く。「粘るっていうのは予想してなかった」と振り返るが、「それが逆にいい意味での予想外」。新田祐大にとっては大きく勝負の明暗を分ける要因となった。
 「あれで全体のタイミングが狂った部分があったと思う。でも僕にとってはタイミングができた」
 大竹の押さえてくるスピードも早く「ちょっと踏み遅れた」と話すが、真後ろから来られた浅井康太も対応できず新田は6番手に。そして最終ホームから目いっぱい踏み込んだ。
 「すごいスピード感あるレースで、勝手にあの位置になった。浅井を見る余裕もなくて、ここしかないってとこで行ったら、たまたま優勝できた」
 直前までナショナルチームの練習をこなした疲労もあり今シリーズは万全の状態とはいえなかった。それでも「北日本勢が頑張ってる姿を見てたし、(菊地)圭尚さんも決勝に乗れなかった。その悔しさを何としても僕たちで」と背負うものは大きかった。今年初優勝の喜びよりも、安ど感のほうが強いだろう。
 「次の全プロは2日間のレースだけど、思い切り気持ちのいいレースをして。そのあとのG1でしっかり活躍できる状態を続けていけるように頑張りたい」
 まずは体調を万全に戻して、全プロ記念競輪、高松宮記念杯へと向かう。

 1センターから番手まくりに出た脇本雄太だったが、新田のスピードに屈した。
 「(番手の)経験不足ですね。あれだけ(大竹が)頑張ってくれたのに結果を出さないといけなかった。ラインを生かしきれなかった。(新田が)見えたのを確認してから踏んだのが間違い。自分が新田さんの立場で仕掛けるようなタイミングでは踏んでないといけなかった。勉強ですね」

 青板バックからから先に動いた小原大樹の作戦は近畿分断。脇本後位に飛びつくと、再度追い上げてきた松岡の動きも制して3着に食い込んだ。
 「あんまり考えてなかったんですけど、勝負権のある位置はあそこしかないですからね。申しわけないですけど上位に食い込むにはあれしかなかった。飛び付くのですごいきつくて脚がいっぱいでした。いい着が取れてよかったです」

 ホームで浅井とからんだ守澤太志は新田の踏み出しに口が空いてしまう。立て直して懸命に追ったが、番手まくりの上を乗り越えることはできなかった。
 「浅井さんが来たので行くと思ったけど、それどころじゃないです。(浅井が)いなくても離れてましたね。強すぎて付いて行けない。また練習します」

 8番手になった浅井康太はホームからアクションを起こした。
 「阿竹(智史)さんと作戦で1周行くとは言ってたし、行き切ればどこ先行屋の上も行けるかなと思った。今開催で(自力の)勇気もつきました。走ってる感があったし、いい経験になった。次につながりますね」

 小原にさばかれた松岡健介は「後ろ攻めの時点で、僕か村上(義弘)さんのとこが狙われる。そこをしのげてないんで…」と唇をかんだ。

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で各車見合った後、守澤太志が誘導員を追う。新田祐大-守澤の北日本勢が前受け。以下隊列は、浅井康太-阿竹智史、大竹歩-脇本雄太-松岡健介-村上義弘、単騎の小原太樹の並び。
 大竹が青板の2センターで踏み上げる。先に動いた小原を赤板で叩いて先行策に出た。小原はそのままインで粘ると、松岡をさばいて3番手を奪取。しかし、4番手に下げた松岡は打鐘の2センターから追い上げて小原ともつれる。後方に置かれた浅井も4コーナーから反撃に出たが、新田に合わされて外に浮き不発。新田は持ち前のスピードで大外を一気に進む。番手まくりで応戦した脇本を最終2コーナーでねじ伏せて勝負あり。勢いそのままに押し切った。新田マークの守澤は、踏み出しで浅井に絡まれて連結を外す。懸命に新田を追った脇本が2着。3番手を取り切った小原が3着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 5 新田 祐大 福島 90期 SS 11.6 まくり B
2 9 脇本 雄太 福井 94期 S1 1B 11.5 捲残
3 7 小原 太樹 神奈川 95期 S1 1/2B 11.5 マーク
4 2 守沢 太志 秋田 96期 S1 3/4B 11.6
5 1 村上 義弘 京都 73期 SS 1/8W 11.5
6 3 浅井 康太 三重 90期 SS 1B1/2 11.4
7 8 阿竹 智史 徳島 90期 S1 2B 11.8
8 4 松岡 健介 兵庫 87期 S1 D 12.8
9 6 大竹  大阪 101期 S2 D 15 H