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よっかいち競輪

YOKKAICHI KEIRIN

48#

検車場レポート

  • 11/9 Wed.  (前検日)
  • 11/10 Thu.  (1日目)
  • 11/11 Fri.  (2日目)
  • 11/12 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
阿部将大選手
 オープニングの1番車を任されたのは阿部将大(写真)。今年は2月高知でGIII初制覇を達成。7月に玉野で行われたサマーナイトフェスティバルでビッグ初出場と飛躍の一年。初登場となる四日市バンクで別線攻略を目指す。
 「サマーナイトフェスティバルが終わってから体調を崩してしまって休んでいたので、レース勘の部分ももう少しかなっていうのはある。けど、それよりも10月の久留米で落車した影響が残っていますね。ただ、同期には負けたくないので頑張りたい。貴志(修己)さんとは初対戦ですけど、レース内容でも結果でも負けないように頑張りたい」
 番手を回るのは前回の防府記念から中2日で追加参戦となる坂本健太郎。大事な競輪祭を前にきっかけをつかみたい。
 「阿部君とは今年の5月に宇都宮で連係しましたね。長い距離を踏めるタイプなんで、恵まれて差せました。でも、今期はここまでまさかの未勝利(苦笑))。周りも強くなっているけどヤバい。勝てそうで勝てていなかったので、追加を受けて競輪祭前になにかつかめればと思ってきました」

2R

 金子幸央は前回の寬仁親王牌で自力と番手戦でシリーズ2勝と復調の兆しを見せている。相性良い四日市バンクで存在感を放つ。 
 「コロナの影響もあって、ここ半年くらいはバンクでみんなと練習するのは避けて、1人で街道で練習するか室内練習が中心だった。けど、またバンクに入って練習をやり出してから良くなってきている感覚がありますね。四日市は前回きた時に完全優勝できているので、イメージはめっちゃいいですね。勝ち上がれるようにしっかりと」
 金子をリードする杉森輝大は、松山GIIIから中23日と計画的に練習して上積みを実感している。
 「松山は自分で動いて決勝に勝ち上がれましたし、感覚的にも良くなってきていますね。このあとに競輪祭もあるので、もう少し上げたいなっていうのがあったので追加も断って練習してきました。今回から新車に乗り換えるんですけど、以前よりも少し硬めにしました。練習の感触は良かったので楽しみですね」

3R

選手の写真です。
山田諒選手
 3場所前の松山でGIII初制覇を達成した福田知也。今年でデビュー20年目、40歳を迎えた肉体との向き合い方を考えて調整してきた様子。
 「前々回の名古屋までは悪くなかったんですけど、前回の小田原は急に疲れが出たというか、体が重くて動かなかったので、前々検日は全休にしました。自分の中では珍しいことで、中2日や中3日でも結構やっちゃうタイプだったんですけど、しっかり休みました。疲れも抜けたし悪い感じも消えたので大丈夫だと思います。同期同級生の桐山(敬太郎)君とは何度も連係しているし、信頼して任せます」
 山田諒(写真)は、前回福井FIで決勝進出こそ逃したものの、オール確定板入りと復調ムード。地元の伊藤裕貴に前を任されて見せ場を作る。 
 「前回の福井は今まで試したことのなかったセッティングに思い切って変えてみました。初日は逃げ切れたし感じは良かったけど、2日目、3日目は仕掛けるタイミングが遅くなって失敗しました。このセッティングは踏んだ感じは良いけど反応が遅れてしまう感じなので、後方にならないように組み立てられれば」

4R

 前回福井FIの最終日にワンツーを決めている四国コンビ。佐々木豪は準決勝で敗れたものの、積極的な仕掛けを心掛けていた。
 「地元(松山)のGIIIで負けて悔しいなっていうのもあったんで。もっと強くなりたいなって。そうなったらもう少し距離も踏めないとなって思って、気持ちだけは強く持っていつもより早めに仕掛けました。成績よりも感じは悪くなかったですね。四日市は今年の4月に来た時に太田(竜馬)君の番手を回って優勝しているのでイメージはいいですね。自力でも結果を出せるように頑張りたい」
 番手を努める久米良は9月松阪、10月函館とFIシリーズで優勝2回と近況は決め脚が冴えている。
 「前回最終日の佐々木君もそうですけど、自分が1着を取れているのは前の選手が頑張ってくれて、展開が向いてくれた時なので。問題はそこじゃなくて、展開が悪い時にどうするか。前回も6着を2回も取ってしまっていますし、6、7着を取りそうになった時にいかに5着、4着、3着にしていくかが今の課題ですね」

5R

 当所初登場となる高橋晋也は追加で参加した前回の防府記念からから中2日での参戦。菊地圭尚を背に航続距離の長さを生かしたダイナミックな仕掛けで一次予選突破を目指す。
 「前回は力負けした部分もありましたけど、レースの組み立てだったり、道中のペース配分だったりも甘かった。細かい部分も修正したい。いまはセッティングの答えが見つかっていなくて、新山(響平)さんにもアドバイスをもらって試しているんですけど、煮詰めていきたい」
 前後の並びに注目が集まった中四国勢は、竹内翼が前回りを志願して小川真太郎が番手でリードすることに。節目の200勝を目前に白星に飢えている。
 「竹内さんとはその時に応じて自分が前も後ろもありますね。竹内さんも良くなっているから前でっていう感じだと思うので、自分は番手でできることを。福井を一本欠場しましたけど、体調は問題ないですし、200勝は今開催中にとは言わずなるべく早く決められるように」

6R

 石原颯は共同通信社杯での落車から流れを崩してしまっているが、2年連続でヤンググランプリの出場権を獲得した機動力の持ち主。当所参戦は今年の2月以来2度目で、逃げ切りを連発で決勝へと勝ち上がっている相性良いバンクで躍動する。
 「寬仁親王牌は相手も強かったですけど、自分の感覚もイマイチでした。寬仁親王牌から松浦(悠士)さんや町田(太我)君たちが今使っているクランクを試したら自分には合わなかったですね。今回から戻します。前に四日市に来た時も直線の長さは気にならなかったし、いつも通りに頑張りたい」
 18年2月に行われた全日本選抜以来、四日市バンクに登場する渡部哲男が番手でリードする。
 「先月の(3場所前の)小倉くらいから腰痛がでてしまって、松山GIIIの直前には治まったんですど落車でまた再発してしまって…。ケアをしながらですけど、前回の福井は思った以上に走れたと思います。脇本(雄太)君が強すぎてなにもできなかったですけど、そこまで悪くなかったんで。石原君はいつも頑張ってくれるんで信頼して任せます」

7R

選手の写真です。
谷口遼平選手
 3年連続で地元記念に参戦する谷口遼平(写真)は、明確な目標を持ってシリーズを戦い抜く。前回京王閣記念の2日目に落車しながらも、3日目、最終日と積極策を披露して2連対といい流れを引き寄せて初戦を迎える。
 「落車の怪我も軽かったので、そのまま帰って地元記念を迎えるよりは、しっかり戦ってここに備えたかったんで。体は問題ないですし、直前もバンクに入ってみんなで練習できたので状態は良いと思います。2年連続で準決勝まで勝ち上がれているけど、その上にはいけていないので。今年こそ決勝に乗りたいですね」
 谷口を番手でリードするのはワンツー実績ある志智俊夫。今年50歳を迎える大ベテランながら、衰えるどころか進化を続けている。
 「今はピスト6も走っているから、こっちの競輪は月2本になってしまう。限られた中で結果を出さないと行けないので、今まで以上に余計、気持ちも入りますね。今回は久々の記念なので頑張りたいですね。ピスト6の影響でいい刺激も入っていますね。去年から今年にかけて7、8か月くらい1着が取れてなくて苦しい時期もあったんですけど、今年の3月に四日市にきた時に自転車に乗るポジションを換えたら良くなった。ここは良くなるきっかけになったバンクですね」

8R

 高橋築は地元記念初参戦となった前回の京王閣で見事に決勝進出。中7日間は調整にゆっくりと時間をかけた。
 「前回は決勝に乗れてうれしかったんですけど、終わってから疲れがどっとでましたね。なかなか疲れが抜けなかったので少し休みました。前回は番手だったり3番手回りで、自力で勝ち上がれたわけじゃないですけど、いい勉強になりました。前回学んだことを自分で動く時に生かしていきたい」
 ホームバンクで行われる次回の競輪祭へ弾みを付けたい小川勇介は、野田源一に前を託して一次予選突破を目指す。
 「前回は二次予選で負けたんですけど、感覚自体はすごく良かったんで。3日目、最終日と目標がいなかったけど確定板に入れている。次は大事な競輪祭があるんで。少しでもいい走りをしてつなげていければって思っています」

9R

選手の写真です。
岡崎智哉選手
 グランプリ王者の古性優作と質の高いトレーニングをこなしてスケールアップしている岡崎智哉(写真)。前回小田原FIを欠場しているが、調整に余念はない。
 「松山の前から練習量を増やしていたので、終わってから腰に痛みが出てしまった。このあとに競輪祭もあるので大事を取って小田原は休みましたけど、ここに向けてしっかりと立て直してきました。直前の感覚も悪くなかったですし、初日はラインもしっかりしているので、2日目以降につながるレースができれば」
 東口善朋は復帰戦の防府記念で3連勝で決勝進出。節目の400勝も達成して勢いそのままに追加参戦を決意。
 「前回の防府はどうかることかと思っていたんですけど、日に日に感覚も良くなっていってまさかの3連勝で決勝にも乗れた。追加自体は2日目が終わってから入ったんですけど、2走してやれるなっていうのがあったので受けました。競輪祭につなげていけるように今シリーズも頑張りたい」

10R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 ナショナルチームを引退して競輪一本に照準を絞った松井宏佑(写真)は、新たなスタイルを模索中。近況は白星こそないももの、課題を持ってレースに取り組んでいる。
 「ナショナルチームを引退したので、これからは走り方も変えていかないといけないっていうのは自分の中でもある。先行主体にっていう部分は変わらずなんですけど、いままでみたいに全部引くんじゃなくて位置にもこだわりたい。併走の怖さはないですし、内でも踏み遅れるっていう感覚はない。あとはさばけるかどうかだと思うので、いろいろと試していきたい」
 松井と相性抜群の小原太樹が、番手で手綱を握る。前回の京王閣記念は準決勝で敗退ながらも、シリーズ3勝と決め脚は冴えている。
 「京王閣が終わって、中2日でピスト6を走ってここまでも中2日だったのでケアを中心にやってきました。でも、調子自体は悪くないんで。準決勝は難しかったですけど、松井君もいろいろと新しいことをやっていこうとしている時期だと思うので。自分も後ろでしっかりとサポートしていけるように頑張りたい」

11R

選手の写真です。
橋本優己選手
 大舞台で経験を積みながら確実にステップアップしている橋本優己(写真)が一次予選のメインを飾る。今年一番の目標として掲げていたヤンググランプリの出場権を手にしたが、満足した様子は一切なし。さらなる高みを目指して脚力アップに努めている。
 「ヤンググランプリ出場は、今年の初めに目標としていたことなので素直にうれしいです。けど、GIを走らせてもらってきた中で、やっぱりGIで結果を出せるようになりたいって今は思っています。ヤンググランプリはその中で1つの通過点だと思う。今期は14勝できているのでウィナーズカップの権利も気になっているんですけど、小さいレースをしないように。勝てる時にはしっかり勝って、行くべきところではしっかりと動けるようにと思って走っています」
 四日市記念3Vの実績を誇っている地元の柴崎淳が、勢い確かな橋本をリードして結果を求める。
 「前回の青森は寒すぎましたね。2度ですよ(苦笑)。こっちに帰ってきたら夏みたい。前回の決勝は行く場所を決めていて、ジャンのバックで来なかったから駆ける感じになりました。今回は地元が多いので、みんなで勝ち上がれるように。橋本君とは初めてですね」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 初日特選はS級S班4人がひしめく激戦となったが、前年度覇者の坂井洋を目標に運べる*平原康多(写真)が、別線攻略を目指す。
 「前回が終わってからも、ちょいちょいセッティングとかを試してみたんですけど、結果的に前回と同じセッティングに戻りました。競輪祭も同じナイター開催ですけど、中(室内)と外では明るさだったり景色が違うので。競輪祭に向けてまずはここを頑張りたい」
 グランプリユニフォームを身にまとい、プレッシャーを力に変えて戦ってきた古性優作。今年も残すところ2カ月を切ったが、今年最後のGIとグランプリに向けて確かな上積みを感じて今シリーズに参戦する。
 「前回の京王閣は不甲斐なかったですけど、帰ってからしっかりと練習して出力も出せた。今回はその疲れが心配ですけど、感触自体は良かった。地元の浅井(康太)さんが付いてくれるみたいなので。前でしっかり戦いたいですね」
 *守澤太志は、前回の寬仁親王牌の決勝で大外を踏み込みあわやの一撃を披露。初戴冠とはならなかったが、強烈なインパクトを残した。
 「(寬仁親王牌は)正直、自分でも獲ったと思いました。でも、やっぱり甘くなかったですね。前回は2日目まで良くなかったんですけど、3日目から体がバシッと入った感じで良くなりましたね。勝てなかったですけど賞金も大幅に上積みできましたし、次の競輪祭を見据えて今回は新車にします。サイズ感はほぼ一緒なので、練習では1日しか乗っていないですけど悪くなかったです」

1R

 互いに意識し合う同期の阿部将大と貴志修己が赤板で共に上昇開始。阿部が貴志を叩いて一度は先頭にたったが、貴志が打鐘ですかさず叩き返す。3番手に入り態勢を立て直した阿部が最終バックからまくり上げたが、坂本健太郎を掬った小林令が4コーナーから外を踏むと、追走していた稲村好将が直線で中を割って突き抜けた。
 「赤板から一気に別線がくる形になったけど、小林君がぬかりなく5番手の位置を確保してくれた。小林君が狭い所にいったから彼が外踏むまで待とうと見ながら走った感じです。最終ホームから小林君がいついっても大丈夫な状態を作れていた。最後の伸びは自分でもびっくり。9月に復帰に向けて練習した成果が出ていますね。ここは直前が長いし、昔から良いイメージがある」
 小林令は正攻法の構えから赤板過ぎに伊原弘幸、打鐘過ぎに桑原亮を掬って前々に踏み込む。最終3コーナーから坂本健太郎を掬った動きも俊敏で、身上の前々戦で混戦を演出して2着に入線。
 「前からか後ろしかなくて前からでした。最悪、後手を踏めば、内からいけるところまで掬おうと思っていたけど、5番手までの所しかいけなかった。あの位置から先に仕掛けても自分の脚力ではまくるのは厳しいので人任せの形になってしまったけど、コースを見ながらいけた。良くはなっていると思うけど、今日(初日)のレースではなんとも言えないですね」

2R

選手の写真です。
杉森輝大選手
 後ろ攻めを選択した藤井侑吾が鈴木陸来の外でフタをする形から打鐘で叩いて主導権。番手の村田雅一が、追って仕掛けてきた鈴木を張って後退させる。最終3コーナーからサラ脚の金子幸央がまくり上げたがこれも村田が2センターでブロック。大外を踏み込んだ杉森輝大(写真)が直線で鮮やかに突き抜けた。
 「道中も余裕はありましたし、最後も追い込めているので。(今節から新車に乗り換えたが)まだ自力で走っていないのでなんとも言えないところもあるんですけど、伸びだったりはいいと思う。今回は初日が重めに入ってきているので日に日に軽くなってくると思います」
 金子のまくりを止めてそのまま抜け出した村田雅一が2着に突っ込み一次予選を突破した。
 「藤井君と初連係だったんですけど、しっかり出切って駆けてくれたので。ホームでピッチを上げ過ぎていた感じですけどカカっていましたね。2コーナーでは決まったと思ったんですけど金子君が遅めのまくりだったんで。自分の中ではここ最近で一番いいですね。自転車も変えたんですけど、結果的に体だなって感じだったので。練習を戻したら良い頃の感じになりました」

3R

 金ヶ江勇気が後ろ攻めからゆっくりと押さえて先頭に立つ。桐山敬太郎が中団へと追い上げると山田諒は正攻法の構えから7番手まで車を下げる。最終ホーム手前からピッチを上げた金ヶ江がレースを支配すると、番手の松岡貴久が車間を空けてリード。そして、中団からまくり上げてきた桐山を張りながら番手まくりに出てゴール線を駆け抜けた。
 「山田君がくると思っていたけど、来なかったですね。金ヶ江君が早めにいってくれてバックでキツそうで、今考えれば残せるチャンスがあったようにも思ったけど、外に振って戻った時に厳しいかなと判断して踏ませてもらった。中2日だけど、疲れとかはないですね。走りっぱなしでも問題ないので」
 桐山を追走しながら直線で外を踏み込んだ福田知也がゴール寸前にハンドル投げで2着に強襲。
 「想定していたレース展開でした。(桐山君なら)どっちが先行しても中団取るなと。(桐山君が合わされて)あそこで内にいくと桐山君が残らないと思ったし、2レースの杉森君が外のコースを踏んで伸びていたので、外で勝負しようと思った。もうワンテンポ早く踏めば1着まであったかもしれないけど、桐山君と勝ち上がりたかったので、ひとつ遅らせる選択をした。ここは直線が長いし、外を踏めるバンクなのでいいですね」

4R

 松岡篤哉、佐々木豪の順番で切った所を正攻法に構えていた磯川勝裕が手早く叩きに出て打鐘過ぎから主導権取り。中団で態勢を整えた佐々木が最終バックからじわじわとまくり上げて、磯田旭の外をのみ込んだ。
 「車番的に前か後ろしかないと思っていたんですけど中団が取れたので。ジャンの所で結構、踏んだのでホームに向けて駆け切ったほうがラインで決まったかもしれないんですけど。一回出して落ち着いてからって。(磯川が駆けて)スピードもある程度出ていたので3コーナー過ぎのまくり追い込みでもって思ったんですけど、ラインで決めようと思っていったら出が悪かったですね。セッティングをいじってずっとスピードは出せるようになったんですけど、出脚は悪かったですね。でも長い距離を踏める今日(初日)のセッティングのまま明日(2日目)もいこうと思っています」
 磯川をリードしながら佐々木のまくりを張って外を踏み込んだ磯田旭が2着に入線。
 「磯川君が気持ちを込めて走ってくれたので、もう少し自分が残せれば良かったんですけど力不足です。(自身の状態面に関しては)もうひとこえ欲しい感じですね」

5R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 中団に構えていた菅原大也が後ろ攻めから上昇してきた高橋晋也の動きに合わせて前へと出ようとしたが、正攻法に構えていた竹内翼が突っ張って先頭に躍り出る。一旦7番手の位置まで車を下げた高橋晋がダッシュ良く巻き返してレースを支配。3番手の中村敏之輔は離れてしまったが、ピタリと付け切った番手の菊地圭尚がゴール寸前で4分の1輪交わして白星スタート。
 「高橋晋君の脚力がメンバー的にも上だと思っていたからどこからでもいけばチャンスはあると思っていた。鐘前で別線がかなり緩めてそこで行ってくれた。前回、高橋晋君と連係したときは落車していたから2人でリベンジだなと話していたから決まって良かった。1着を取れているので、この流れで頑張りたい」
 別線を完封した高橋晋也(写真)が2着で一次予選を突破。直線の長い四日市バンクに初登場ながらも、臆することなく攻めて二次予選へ弾みを付けた。
 「ほぼほぼ後ろからの作戦でした。竹内さんが突っ張ったので一回落ち着いて様子を見て仕掛けた。どうあれ打鐘前には仕掛けるつもりでいました。別線が流した瞬間にいけた。最後はタレていますね。踏み直しですね。あとは自転車の扱い方。前検日に守澤さんと体の使い方とかの話を色々してそこを意識して走れたし、良くはなってきている」

6R

 箱田優樹が中団から先に切りに動き、後ろ攻めから上昇してきた石原颯が押さえて赤板過ぎから主導権。中村一将が後方からじわじわとまくり上げてきたが、番手の渡部哲男が車間を空けてリードしながら軽く張って後退させる。大外をまくってきた単騎の上吹越俊一を気配を察知して直線で一気に抜け出した。
 「石原君は頑張ってくれたんですけど、バンクが重く感じましたね。あの辺(打鐘から最終ホームまで)はいつも通りの感じだったんですけどね。もう少し残せたら良かったんですけど、上吹越さんも外をきていたので。ちょっと張れる感じでもなかったですし。腰の方はちょっとはましだったんですけど、アップの時よりも気温も下がって重く感じたので対応したいですね」
 近況は大敗が目立っていた上吹越俊一ではあるが、鋭いまくりで2着に入線して高配当を演出した。 
 「(中村)一将君は絶対に仕掛けると思ったのでとりあえず(近畿ラインに)ついていようと思っていました。ホーム前に仕掛けていってくれたので。ちょっと最後はどうしようかなって思ったんですけどね。(3コーナーの登りが)きつかったんですけど、周りも見えない感じで。でも最後まで踏めたので。練習の感じは良かったので」

7R

選手の写真です。
志智俊夫選手
 スタートでけん制が入り、地元の谷口遼平が受けて立つ形で正攻法に構える。山口翼が後ろ攻めから押さえた所を伊東翔貴が叩いて先行態勢に入る。冷静に引いて態勢を整えた谷口は志村太賀に張られながらも4コーナーの下りを使ってロングスパート。最終4コーナーで山本紳貴と伊東の2人が落車するアクシデントもあったが、余裕を持って谷口をリードしていた志智俊夫(写真)がゴール寸前で交わした。
 「谷口君に任せていたので。谷口君の踏み出したスピードが良かったから志村君とぶつかるような形になってそこでスピードが落ちちゃったね。それでもしっかり出切ってくれた。自分は絶好調。谷口君とは岐阜の初日にもワンツーだし相性良いけど、最初の頃は彼のダッシュに離れていて、それでダッシュの部分を考えるようになりました」
 決勝進出を目標に掲げている谷口遼平は2日目以降を見据えた早めの仕掛けで別線攻略に成功。2着で一次予選を突破した。
 「前を取って下げていけるところからって感じでした。伊東さんの仕掛けに付いていけば楽だったのに見てからいった分キツかった。もっと早くか、溜めて一発でいくかどっちかでしたね。すかさず行くのが一番良かったと思うし、半端でしたね。志村さんのけん制もキツかったし、そこで脚を使ってバックで一杯でした。無理やりでも打鐘でいけたのは良かった」

8R

選手の写真です。
横山尚則選手
 野田源一、高橋築の順番で切った上を谷口友真が叩いて出たが、下井竜が力ずくで巻き返して最終ホーム手前で先頭に躍り出る。高橋が俊敏な動きで中部勢にスイッチする形から1センターからまくり発進。横山尚則(写真)が野田の動きを警戒しながら直線で抜け出した。
 「高橋君は組み立てもしっかりしていましたし、地元勢の後ろからって感じで頼もしかったですね。たぶん前に連係したとき(2年前の小倉で)もワンツーだったと思うんですけど、相性がいいというか、高橋君が強いので。野田さんの一発も気にはなっていたんですけど、それ以上に高橋君が強かったので相手を気にするよりも、口が空かないようにと思っていました。最近は人の後ろが多くなってきて素晴らしい選手に付けさせていただくことが多いので学ぶことが多いですね」
 地元京王閣記念で決勝へと勝ち上がりリズム良く今シリーズを迎えた高橋築。近況は番手回りも増えてきていたが、しっかりと前へ前へと攻める姿勢を披露して別線を一蹴してみせた。
 「しっかり流れを殺さずにいけたのが良かったですね。そこ(谷口の動きは)はちょっと想定していなくて、整っていなかったんですけど、その外を(下井が)行っちゃう感じになったのでそこで行かないとなって。ちょっと走る前は良くないかなって思ったんですけど自分の走りで勝ち上がれたので。(前回の)疲れはやっぱり感じるところがあるので体を休めたい」

9R

選手の写真です。
東口善朋選手
 川口雄太が後ろ攻めから押さえてピッチを上げたが、岡崎智太哉が機動型で並ぶ千葉勢の外で一瞬フタをしながら打鐘で叩きレースを支配。番手を回っていた東口善朋(写真)は1センターから車間を空けはじめ、波を作りながら後続をけん制。中団からまくり追い込みを狙った川口を張りながら直線で抜け出して人気に応えた。
 「中団からでけん制が入ったら前からって感じでした。2コーナー、鐘辺りで川口君が踏んでピッチが上がったから岡崎君もキツかったと思う。車間を空けていたけど、まくり追い込みでこられてきつかった。岡崎君を残せるかと思ったけど、直線も長かったし難しかったですね。前回から引き続き良い状態ですね」
 逃げた岡崎が直線で沈み、2着に突っ込んだのは大屋健司。まくり追い込みを狙った川口ラインの3番手回りであったが、直線で鋭い伸びを披露した。
 「川口君が前々に踏んでくれて中団取ってくれましたね。今日は前団で決まるイメージで児玉(慎一郎)さんがいかない方をいこうと。おそらく児玉さんは内だろうから外の準備をしていた。点数的にも頑張らないといけないし、少しずつ戻ってきている。ライン全員で勝ち上がれたのが良かった」

10R

選手の写真です。
小原太樹選手
 松井宏佑がスピードの違いを見せつけた。木村幸希が押さえた上を小原丈一郎がさらに押さえたが、松井が打鐘から一気に巻き返してレースを支配。相性良い同県の小原太樹(写真)が最終2コーナーから車間を空けて別線をにらみ、空けていた車間を詰める勢いでゴール寸前で交わして白星スタート。
 「松井君を信頼していたので。先行でもまくりでもって感じで。ここ最近は連係することが多かったので巧く対応できたと思います。自分の状態もいいみたいで余裕もありましたし、ワンツースリーが決まったので。(2日目以降に向けての修正するところは)特にないですね」
 近況の松井宏佑は組み立ての幅を広げようと位置取りにもこだわるレースも増えていたが、一次予選ともなればシンプルに力の違いを示して圧倒した。
 「前が取れればとは思っていましたけど、どこの位置からでもって感じで考えていました。すかさず巻き返せたので。小原君が駆け切る前に行けたので。最終バックまで良かったんですけど、そのあとは自分の悪いクセで踏み過ぎてしまっているのでもう少し冷静に踏めれば。自分は北海道出身でスケートもやっていたので寒いのは気にならない。みんなは寒いのが苦手だと思うんですけど、そこは自分のアドバンテージがあると思います」

11R

 清水剛志が残り2周手前から上昇してくる、正攻法に構えていた橋本優己は誘導員を残して中団まで車を下げる。片折亮太が外併走の形から叩きに動いたが清水が合わせて踏み込み突っ張り切る。前団がもつれる展開になると、冷静に戦況を見極めていた橋本がダッシュ良く反撃開始。地元の柴崎淳が後ろの状況を確認しながら余裕を持って踏み出しに付け切ると、直線できっちり交わした。
 「(橋本は最後まで)タレる感じはなかったですね。(橋本は)初速を強化すればもっと上にいけるんじゃないかと。自分の苦手な地脚タイプだったけど、志田(龍星)とか、(山口)拳矢とは違うタイプ。余裕は終始ありましたね。修正点はないですね。あとは気持ちだけです」
 当所初登場の橋本優己はしっかりと長い距離を踏み切って2日目以降につなげる走りで2着に入線して、ラインでの上位独占に成功した。
 「片折さんとは前回戦っていて、フタをしてくるだろうと思っていました。いってくれたら上を叩くし、清水さんが踏んでくれればそれを見ながらって感じで。想定通りのレースでした。いくときは全開で踏みました。地脚なので後ろは付けやすかったかもですね。バンクは選手になって初めて走ったけど、相性良く感じますね」

12R

選手の写真です。
北津留翼選手
 後ろ攻めから古性優作が押さえたところを小松崎大地が叩いて出ると、坂井洋のカマシに合わせて踏み込み両者で主導権争いに。最後方で脚をためていた単騎の北津留翼(写真)が最終1センター付近からスピードの違いを示して鮮やかな一撃を決めた。
 「(道中は)もうとにかく遅れないようについて行こうと思ったんですけど、踏み出しでやっぱり遅れちゃいました。ホームで前に追いついたんですけどきつかったので一回休んでから仕掛けました。前団がまくりにいっていなかったんであれって思ったんですけど。自分としては状態はいつも通りかなっていう感じです。競輪祭もあるのでなにか試せたらと思っているんですけど、なにか思いついたらやってみます」
 小松崎をリードしていた守澤太志は北津留のまくりを止めることはできなかったが、2センターから車を外に持ち出すと真後ろから迫る古性を振り切って2着に入線。
 「小松崎さんが強かったですね。坂井君を出させるかなって思ったんですけどスイッチが入ったみたいで突っ張ってくれたので。ちょっと自分は坂井君に降りられてしまうなって思っていました。古性君が仕掛けてきたら止めないなって思っていたんですけど、北津留君がその外を行ってしまったんで。古性君に抜かれていないのは良かったですけど、セッティングがダメだったので修正します」
 北日本ライン2車を受けて3番手の位置をソツなく確保していたように見えた古性優作であったが、仕掛けのタイミングをつかめず最終2センターを踏むも3着まで。
 「初手は中団でもいいかなって思っていたんですけど、後ろから押さえて組み立てようと思ったので。坂井君が仕掛けていくまでは想定通りだったんですけど、守澤さんのところに降りたときに内を踏まされてバックを踏んでしまったので。判断もそうですし対応も難しかったですね。小松崎さんと坂井君も脚を使っていていましたし、北津留さんの展開にしてしまった感じですね。ダイジェストを見て修正する部分を判断したい」

6R

選手の写真です。
福田知也選手
 スタートでけん制が入り、松井宏佑が正攻法に構える。阿部拓真が南関勢を警戒しながら、打鐘で伊藤裕貴を叩いて先行態勢に入る。が、松井が一気のカマシで主導権を奪い返す。松井ライン3番手がもつれて、最終1センターで小松崎大地が落車するアクシデント。冷静に松井を追走した福田知也(写真)が楽に交わして1着。
 「もう先行1車みたいな感じだと思っていた。やり合ってくるのは阿部君くらいかなって思っていましたし、飛び付きにも警戒しながらでした。後ろを確認したら阿部君がいたので、車間を空けて割られないように。野田(源一)さんが後ろだったとしても同じことでしたね。今回はケアを中心にやってきていい感じですね。(ナイターの松山GIIIを優勝しているので)ナイターの方が自分にはいいのかなって思っています」
 松井宏佑は、自慢のスピードを生かしたロングスパート。1着こそ取れていないが手応えは悪くなく、修正ポイントを見つけて初日よりも良化している。
 「小松崎さんが前を取るかなって思った。前からは考えていなくて、スタートでめっちゃ脚を使わされました。気づいたら残り3周だったので少しでも回復するように。阿部さんの動きを見ながら、すかさず行けたので悪くないですね。昨日(初日)よりはしっかりフォームを固めて走れたと思います」

7R

選手の写真です。
北津留翼選手
 川口雄太、金子幸央の順番で切った上を、地元の谷口遼平が打鐘過ぎから仕掛けて出る。谷口が主導権を握る。最終2コーナー手前から車間を空けて待ち構えていた柴崎淳であったが、北津留翼(写真)が後方8番手から目の覚めるまくりで前団をのみ込む。後続を3車身ちぎってゴール線を駆け抜けた。
 「スタートは前中団が欲しかった。けん制が入ったら前かなって思ったけど、小川さんがかなり我慢してくれた。それでも前からになってしまいましたけど。誘導を追うのがキツくて、少し休んでから(最終)1センター目掛けて仕掛けました。初日よりも早いレースで気温も下がっていなくて軽かったですね。前回からの新車は、前回はいじったけど、今開催中はいじっていない。修正するところは見当たらない」
 北津留と同県で同期の小川勇介は、強烈な踏み出しで口が空いてしまい苦しくなった。それでも柴崎との直線の踏み比べに勝ってなんとか2着をキープ。
 「柴崎君がヨコなのかタテへ踏むのか見ながらでした。それと北津留君が後伸びのフレームにしたこともあって離れてしまった。ただ、レースが見えているってことだし、その辺の対応だったりを修正したい」

8R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 後ろ攻めを選択した岡崎智哉が、関東ラインを警戒してフタをする。そこから赤板過ぎにダッシュ良く叩いて果敢に攻める。前受けから中団まで下げた箱田優樹が車間を空けながら先まくりを狙ったが、最終2コーナー手前で7番手から坂井洋がスピード良くまくり上げる。宿口陽一(写真)は坂井の踏み出しに口が空きながらも、懸命に追い掛けてゴール寸前で差し切った。
 「坂井君とは久々だったので緊張しました。やっぱり坂井君が本線なのでああいう形にはなると思ったんですけど、強かったですね。バイク誘導みたいでした。でも、坂井君の(最終)2コーナーまくりを差せているので悪くないと思う。あとは仕掛けるところの反応だったりが、もう少し良くなればっていう感じですね。だんだんレースの中で余裕もできていましたし、一つ一つ、自分の仕事をこなせるように」
 前団のあおりを受けながらも別線をまとめてのみ込んだ坂井洋は二次予選を突破も、新車とマッチしていない様子で振り返る。
 「フタをされるのはわかっていたので、岡崎さんが切ってもすかさず巻き返さずワンテンポ待っていけるタイミングで行こうと思いました。体とか感触自体はいいんですけど、自転車とのマッチングがイマイチ。今回から新車なんですけど、初日は感触をつかめないままだったので今日(2日目)も使ったんですけど、準決は前回まで使っていたフレームに戻す予定です」

9R

選手の写真です。
守澤太志選手
 桐山敬太郎が赤板手前から上昇していくと、正攻法に構えていた高橋晋也は誘導との車間を空けるように車を下げる。阿部将大が2コーナー過ぎに誘導を交わして先頭に立った。しかし、バンクの上を走りながら流していると、桐山が番手へと切り込み前団がもつれる。冷静に戦況を見極めていた高橋が抜群のタイミングでカマシを放つ。車間を空けながらリードした番手の守澤太志(写真)が、半車輪、高橋を交わしたところがゴール。
 「(高橋)晋也君は登りでいくのが好きなんでね。あそこで仕掛けたからいけるなと。庄子(信弘)さんまで付いて来ているのがわかったし、あの展開なら(ラインで)ワンツースリーが決まるなと。セッティングを変えてみたけどしっくりこないので修正します。具体的にはハンドルを変えるし、全体的にですね。新車なのでセッティングはいじっている」
 今シリーズが当所初めての高橋晋也は、2日連続のロングスパート。確かな手応えをつかんで、準決への勝ち上がりを決めた。
 「前受けから下げていけるところからでした。遅かったら突っ張りも考えていた。早めにきたので下げて態勢を立て直していこうとしたところで、桐山さんが動いて(自分の仕掛けが)ズレてしまった。前半ふかし過ぎたわりには後半粘れている。多少の修正点はありますね。乗り方だったりペース配分だったり。ただ、どんどん良くなってきていますね」

10R

選手の写真です。
浅井康太選手
 浅井康太(写真)が号砲とともに飛び出し、中部勢が前団に構える。赤板手前から4番手の位置にいた磯川勝裕が車間を空け始め、2コーナーで叩いて先頭に躍り出る。単騎勢の切り替えはなく、4番手に収まった橋本優己が打鐘4コーナーから反撃を開始。必死に抵抗する磯川を力ずくでまくり切ると、浅井が坂本健太郎のまくりを張りながらゴール寸前で橋本をしっかりととらえた。
 「2分戦の形だったので前を取って、あとは(橋本に)タイミングは任せて、先行でもカマシでもまくりでもって感じでした。ラッキーだったのは単騎勢が切り替えなかったことですね。4番手に入れたんで。橋本君はしっかりと仕掛ける選手なので、稲村(好将)さんにもってこられないように、外に(前輪を)外しながら。(坂本が仕掛けてきた時は)張りながらもっていったら止まった。しっかり橋本君を残したかったんで、戻って差しにいった感じですね。上田(国広)さんが3着に入れるようにもう少しうまく走れれば良かったですけど、悪くはないのかなって思います」
 地脚タイプの橋本優己は出切るまでに時間が掛かってしまったが、航続距離の長さを生かしてゴールまで力強く踏み続け2着に粘った。
 「(2分戦は)やりづらい部分はあったんですけど、シンプルに引いて勝負しようと思った。(関東ライン3車を受けて)中団が取れたので、地元勢を背負っていましたし、かぶる前に仕掛けようと思いました。スピードをもらえず仕掛ける感じになったので出切るのは苦しかった。けど、ゴール前までしっかりと踏めた」

11R

選手の写真です。
東口善朋選手
 佐々木豪が押さえた上を高橋築が出てペースを落とす。7番手まで下げた古性優作の気配を察知した佐々木が、中団から慌てて巻き返しに出る。渡部哲男が離れ気味になる。高橋と佐々木で踏み合う流れの中で仕掛けた古性はあおりを受けながらも力ずくで前団をまくり切る。踏み出しに集中して付け切った東口善朋(写真)が差し切った。
 「古性君の後ろはすごく緊張感があるし、彼の背中が大きかった。後方でもいつでも行く準備はしていたし、古性君が構えることはないだろうと。彼にすべて任せるスタイルだけど、力勝負をしてくれましたね。踏み遅れることなく構えていた。差せると思っていなかったし、古性君を差せたのは自信になる。感覚も脚も良くなってきているので気持ちも乗っている」
 古性優作は外を鋭く伸びた杉森輝大をタイヤ差で振り切って2着。冷静に修正ポイントを見極めて準決に備える。
 「早めに巻き返そうと思っていた。ジャンの間合いの取り方が良くなくて、車間を空けられなかった。車間を切ってワンテンポ早めにいけば良かった。佐々木君が行くと思っていなくて、タイミングが合ってしまった。出切るのがキツかったけど、フォームを決めてきれいに回そうと。感触は悪くないから疲労を抜きたい」

12R

選手の写真です。
久米良選手
 中団に構えていた小川真太郎が先に動いて切って、北日本ラインを受ける。正攻法の構えから手早く引いて態勢を整えていた平原康多は、打鐘手前から早くも車を外に持ち出して反撃開始。平原が小原丈一郎との踏み合いを制して、最終ホーム過ぎに主導権。平原とは今回が初連係となる地元の坂口晃輔が、小川のまくり追い込みを懸命に張る。が、小川の仕掛けに乗った久米良(写真)が直線で中を突き抜けた。
 「小川君の気持ちというか落ち着きがすごかったですね。焦っている感じがまったくなくて、バックで休んでから行った。普通は休んだら出ないと思うんですけど強かったです。1着が取れたのはたまたまですけど、同期の守澤(太志)さんにアドバイスをもらって、乗り方だったりセッティングを修正できた。昨日(初日)の違和感がなくなって今日の方が良かったですね」
 地元で2着の坂口晃輔は前で奮闘した平原や、後ろを固めた竹田和幸とともに勝ち上がれず複雑な心境を口にした。
 「ああいう風に仕掛けてくれるのが、平原さんとか超一流の選手のスタイルなんだなって。安心感がありましたね。長い距離での勝負になったのですけど、小川君がクレバーだったというか、強引にくれば止められたと思うんですけどね…。(最終)バックで1回休んでからのまくり追い込みだったので、当たれるところがなかったですね。車間を空けると竹田さんを殺すことになりますし、後ろの仕掛けを誘うことにもなるので難しかったですね。ラインで勝ち上がりたかったんですけど、難しかったですね。感触自体はいいんですけど」

10R

選手の写真です。
坂口晃輔選手
選手の写真です。
橋本優己選手
 後ろ攻めとなった小川真太郎が赤板過ぎに誘導員を降ろして先頭に立つと、S班の宿口陽一が切ってペースを落とす。ライン3車の橋本優己が打鐘過ぎに叩いて先頭に立ったが、慌てることなくペースをコントロール。8番手まで下げた北津留翼の動向を窺いながら最終ホームから一気にペースを上げる。最終1センターから小川が反撃にでたが、2車身近く車間を空けて待ち構えていた坂口晃輔(写真)が冷静に対応。直線に入っても坂口は焦ることなく後ろを確認しながら抜け出した。
 「北津留さんの後ろだったので進めやすい感じになりましたね。もうトン、トンで行っての理想的な展開になりましたね。もう先行しかなかったんで。ラインが一丸となって戦えたと思います。カカっていったんで車間も空けやすかったですね。バックからさらに上がっていったんで。まくりも鋭くなかったですし、後ろは村田さんなんで内を気にする心配もなかったですね。(地元記念の決勝は)最低ラインだと思っていたので良かったです」
 中部勢の後ろを固めていた村田雅一が直線で坂口と橋本の間を踏んで2着に入線。今シリーズは前検日から好調宣言が飛び出していたが、今年3月の大垣記念以来となるGIII決勝の舞台にたどりついた。
 「凄く展開も良くてカカっていましたね。橋本君が強かったですね。ホームでカカっていったんですけど、これでも北津留さんは来るんだろうなってそわそわしてました。坂口君も余裕がありそうだったので信頼して自分のコースを踏みました。3日間とも前の選手が頑張ってくれて。調子もいいんですけど、しっかりと展開をものにできていると思います」
 強敵撃破に成功した橋本優己(写真)は初めて記念決勝の切符を手に。ゴール前は末を欠いて3着ながらも、別線を完封して納得の表情を浮かべていた。
 「先行する選手が少なかったので動かしてからって思っていました。北津留さんを後方に置いて落ち着いて駆けられました。カマしづらいベースでいけたと思います。準決勝のこのメンバーで先行で3着に残れているので、力がついてきたんだと思います。(3日間長い距離を踏み切っているが)GIの方がダメージが大きいんですけど、今日(3日目)は結構、疲れたのでしっかりケアをしたい」

11R

選手の写真です。
坂井洋選手
選手の写真です。
守澤太志選手
 スタートけん制の後、正攻法の位置に入った坂井洋(写真)が残り2周手前から誘導員との車間を空け始める。後ろ攻めから上昇してきた松井宏佑は中団から合わせて踏み込もうとする柴崎淳の上を一気に叩いて打鐘から主導権。守澤太志が南関ライン3番手の望月永悟を捌き、3番手の位置に坂井が収まる。松井をリードしていた小原太樹が大きく車間を空けて援護しながら直線で抜け出しを狙ったが、坂井が4分の1輪差で交わしたところがゴール線。
 「松井さんの上を叩くのは厳しいから前受けは嫌でした。鐘過ぎまで構えてくれればそのまま先行しようと。松井さんが出切って流して詰まったけど、車間を空けられず。すぐに行きたかったけど、上りで合わされるかもって。バック、2コーナーでいければよかったが、小原さんが車間を空けていて、(8月)名古屋でやられたイメージが残っていていけなかった。自転車を戻してセッティングもいつも通りで進んでいた。アップでローラーから良かった。これで99勝ですね。記念を獲って100勝ならサイコーです」
 2着で決勝への切符をつかみ取った小原太樹は、嬉しさよりも松井を残せなかった悔しさが口を突いて出た。
 「スタートは前より後ろでって感じでした。うまくペースで駆けてくれればサポートしようと思っていた。良いペースで駆けてくれたからもう少し(車間を)切っていれば良かったかも…。最終ホームで後ろが坂井君になっているのは気が付いていた。車間を切ったほうが坂井君も仕掛けづらいと思ったし、きたら張る準備はしていた。できれば(松井を)3着までに残したかった。残そうとした分、坂井君にいかれてしまった。ラインに助けられているし、展開にも恵まれている。調子は良いですけどね」
 坂井を追走していた守澤太志(写真)は内を突いた東口善朋との伸び比べに勝って3着に入線。判断ミスもあってヒヤヒヤの決勝進出となったが、3日間の中で自転車とのマッチングは一番良かった様子。
 「スタートは東口さんが真横にいて前を取りたいのか中団なのかわからずまっていたら誘導との位置が遠くなった。坂井君もやめて踏んで、突っ張ったり脚を使っていたから1車でも前の方が良いと思って捌いた。後ろに東口さんが見えて、柴崎君はどこ行った?って思ったらまくってきた。坂井君が持ち出して内を締めながらと思ったら坂井君が戻ってきて…。あそこは判断ミスですね。最後も東口さんに伸び負けたと思った。今日(3日目)が一番良かった。セッティングを変えました。主にハンドルとペダルですね。(ここからは)微調整する程度で良さそうです」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
選手の写真です。
古性優作選手
 S班の古性優作が正攻法に構え、中団に小林令を先頭に3車でまとまった関東勢が陣取る。後ろ攻めの高橋晋也が押さえにいくと、古性は中団まで下げる。小林は慌てて追い上げて古性と併走の後、最終ホーム手前で高橋の番手まで追い上げる。冷静に前団の様子を窺っていた古性は踏み遅れて前に降りようとした志村太賀を軽く張り、最終2コーナー付近からまくり発動。最終3コーナーで体で当たりにきた阿部拓真のブロックを巧く受け流して高橋をのみ込むと、追走していた浅井康太(写真)が直線で突き抜けた。
 「(古性が)併走になったときに内に差し込んでしまっていたし、それで脚を使っていたと思う。小林君が追い上げ含みにカマシにいったので展開が向いたかなって。自分は(古性のまくりにいくコースが小林の)外か内かしっかり判断してついて行くだけでした。自分は古性君と連係するときはいつも自由に走ってもらおうと思っているんですけど、今日は『もしロングになったらお願いします』って感じだったので、気持ちも入りましたし仕事で応えないとなって思っていたので。上田さんまで一緒に決められれば良かったですけどワンツーを決められたので」
 巧くレースの流れに対応しながら別線を攻略したように見えた古性優作(写真)であったが、感触は物足りない様子。残された時間の中で最善を尽くして決勝戦に臨む。
 「高橋君が流したんで内に差し込んでしまって。引くに引けなくて苦しかったですね。GIじゃあ、そこまでスローになることがないんで難しかったですね。(最終2コーナーで)外をいこうと思ったんですど、下がってきたんで普通にまっすぐいった感じですね。1着なら一番良かったですけど、ワンツーが決まったので。やっぱり練習で出力を出し過ぎたんで、今回は疲れもあって力が自転車に巧く伝わっていないというか、進みが悪いですね。しっかりと疲労を抜きたいですね」
 北日本ラインの後ろを回っていた福田知也が最終2センターで中近ライン3番手の上田国広を張りながら外を踏み込み3着に強襲した。
 「前があの2人ならチャンスはあるだろうなって思っていましたし落ち着けましたね。かんな削りにだけはならないように気を付けて。(中団が)ごちゃつけば古性君の仕掛けも遅れるかなって思ったんですけど、強かったですね。阿部君も波を作ってくれたんですけど。阿部君がもう一回もっていくと思って、そうなったら内かなって思って差し込んでしまったんですけどなんとか届いて良かったです」