KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

よっかいち競輪

YOKKAICHI KEIRIN

48#

検車場レポート

  • 11/6 Wed.  (前検日)
  • 11/7 Thu.  (1日目)
  • 11/8 Fri.  (2日目)
  • 11/9 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山田諒選手
 前々回の小田原FIを79欠、続く取手FIを342着と近況いまひとつ波に乗れない山田涼(写真)が、地元地区の記念のオープニングに気持ちを入れる。
 「自分のレースができれば、まあまあいいところまでいけると思う。やることは変わらないので、頑張りますとして言えないですね。(小田原では)先行しても無理して踏んじゃってて、体のバランスが崩れてた。そこから本調子とはいえないけど、しっかり休んで立て直した」
 前回の前橋FIの初日にまくりで今期初白星を挙げた小川賢人のデキが引き続き良さそうだ。
 「(前々回の)青森から(福岡には)帰ってない。(追加は)早い段階からきてたし、前橋でもしっかり動けてた。だいぶ動きが良くなってるんで、今の状態だったら(7月に山田と対戦して逃げ切られた)富山の時と同じような展開だったら(まくり切って)いけるかなっていうのがある」

2R

 戦法の幅を広げている窓場千加頼は、コンスタントに勝ち星を挙げているものの自己ジャッジは厳しい。
 「自分ではあんまり良くないと。どっちつかず。もっと自力に寄せた方がいいのか、しっかりと位置を取って何ごとにも対応できるようにっていうのか…。目標は古性優作さんみたいに、自分が目指すところは。初日は三谷(将太)さんが付いてくれるんで、先行も考えてやってきたい」
 小原太樹は地区プロに向けての練習から、“競輪”仕様に切り替えてトレーニングをこなした。
 「(地区プロのために)長い距離、持久系の練習ばっかりだったけど、地区プロのあとも日にちがあった。すぐは感じが悪かったけど、そのあとはちゃんと仕上げた。そうしないと意味がないですから」

3R

 前回の弥彦FIを217着の山内卓也は感触をつかんで、地元の伊藤稔真とタッグを組む。
 「(伊藤は)あんまり空回りしないように、(伊藤の)地元だから見せ場はつくりたいですね。自分はボチボチ。良かったり悪かったりですけど、だいぶ良くなってきた」
 今シリーズは中9日も近況はタイトなローテーションの海老根恵太が、今年前半の分も取り返したい。
 「今年は怪我をしてあんまり走ってなかった。だから追加を走ったりしてる。とりあえずやれることはやっている。ただ、今のトップクラスとあたったらまだまだっていう感じですね」

4R

 9月平塚FIでの優勝を皮切りに吉本卓仁は、4場所連続でFIを優出している。久々の記念でも期待は膨らむ。
 「徐々に良くなっているし、今はやっていることをしっかり続けていくだけ。もうちょっと欲しいところもありますけどね。ナイターだからいいけど、記念で前の方のレースを走るんで緊張します」
 前回の別府FIを844着の藤田大輔は、セッティング変更で本来の感触を取り戻したい。
 「(前々回)松山の2日目からハンドル周りを変えていて、実戦でも良さそうだったんですよね。もっと煮詰めないとっていうのもあって、今回は元のセッティングに戻します」

5R

 金子幸央は、怪我明けだった前回の広島FIの982着から大きな上積みが見込めそうだ。
 「(落車の怪我は)肩甲骨にヒビが入ったりして、肩が上がらなかった。筋肉の損傷とかもあって。自分にとっては初めての大怪我だったんで、競走で痛かったら嫌だなっていうのがあった。でも、広島は意外と走れたし、最終日あたりはもう大丈夫だと。だから、帰ってから確信をもって練習ができた。楽しみです」
 「うまくまとまっている」と、近況を振り返った渡辺十夢は、前回の京王閣記念が1453着。
 「とくべつにいいっていうわけじゃないけど、悪くもない。ずぬけていいってのがないんで残念ではあるけど、変わらず反応がいい。安定はしていると思います」

6R

選手の写真です。
河村雅章選手
 河村雅章(写真)は前回の地元、京王閣記念を1224着。連日動きの良さが光り、決勝での伸びも目を引いた。
 「(京王閣記念の)決勝は気持ちだけでした。決勝に乗れたし、いい刺激になった。そのあとはさすがに疲れもあった。ただ、ここまでは結構時間もあった。初日は兄デシ(岡田征陽)と一緒なんで緊張しますね」
 弟の稔真と初めてシリーズ同配分の伊藤裕貴は、ホームバンクだけに自然と気持ちも乗ってきている。
 「とくべつなことはしてないけど、しっかりここに向けてやってきたつもりです。(最近の)着はそれほどでも。しっかり気持ちを入れて走ります。セッティングとかいろいろやってきて、それもいい方に出ていると思います」

7R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
 白星が遠ざかっている近況だが、稲垣裕之(写真)は納得の状態のようだ。
 「いい状態で練習ができているし、感触も悪くない。セッティングもだんだんとなじんできているし、同じ方向でこうした方がいいっていうのもある。いつでも自力で先行でも勝負できる脚は維持しつつ。人の後ろを回る機会が増えたんで、なんでもできるようにっていうところです」
 前回、地元の青森FIを495着の木村弘は、そこから中2日。
 「(青森は)成績につながらなかったけど、やることはやったんで納得はしています。青森はバンクが重たくて、(スピードが)上りきらなかったところがある。だから、ここ(四日市)の方がいいと思います」

8R

選手の写真です。
伏見俊昭選手
 伏見俊昭(写真)は、前回の京王閣記念を2714着。3日目の勝ち星で通算500勝を記録を達成した。
 「(500勝まであと1勝で)やっぱり1着取らないとっていうプレッシャーもあったんで、(今回は)ちょっと楽に走らせてもらいます(笑)。肩の荷が下りました。初日は(小松崎)大地がいるし、最高ですね。長い道のりですけど、600勝目指してコツコツ頑張ります」
 前々回の寛仁親王牌で決勝に進出した小松崎大地は、前回の青森FIで優勝と好リズム。
 「毎回、調子がいいわけじゃないけど、しっかりレースの流れに乗れたっていうのはある。(初日は)しっかりとレースの流れをつくって、チャンスを逃さないように。そこを意識して走ります」

9R

 前回の松山FIで431着の松本貴治は、地元でS級優勝を遂げて弾みをつけた。
 「(地元優勝は)ホッとしました。そのあとは地区プロとかもあったけど、いつも通りですね。疲れもあるわけじゃない」
 9月函館FI、高知FIで連続落車に見舞われた阿部拓真は、10月を休養に充てておよそ1カ月半ぶりの実戦。
 「高知も無理して走ったところもあった。そこで落車をしたんで、長めに休みました。打撲とかでバランスも崩れていた。あとは徐々に走りながらですね。休みの前半は(怪我を)治すことに集中して、そこから練習はできました」

10R

選手の写真です。
坂口晃輔選手
 坂口晃輔(写真)は、寛仁親王牌から3週間空いてホームバンクの記念を迎える。
 「計画通りにしっかりやれたんで、練習での手応えもある。(今年の)前半は流れが悪かったけど、それでもあるていど点数をキープはできていた。自分はこの地元記念を足がかりにしたい」
 近況は位置取りも含めて、まくり、先行で戦いの幅を広げてる石塚輪太郎が、地元コンビに託された。
 「(初日は)地元の前なんで迷惑を掛けないように。(位置を取ったりもしているが)もちろん先行が一番、勝てる走りだと思ったらそうするし、構えないでタイミングがあったらしっかり仕掛けるようにしている」

11R

選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 2度の記念を含めて初日は5連勝中の嵯峨昇喜郎(写真)は、最終日の決勝を見据える。
 「記念は準決が壁になってますね。1つずつていねいにやっていかないといけないけど。(ここまでは)準決はビビッて出し切れていない。だから、今回は出し切れるように。目標は決勝です」
 西岡拓朗は、前回の地元、広島FIを813着。
 「(8月の落車で)鎖骨骨折をしてからすぐに手術をした。治してから練習したんで大丈夫ですね。今回も変わらずにいいと思います。コケる前が良かったんで、そこに戻せるようにやっています」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
 ホームバンクの四日市では4度の記念Vを誇る浅井康太(写真)は、前検日もリラックスムードで取材陣に答える。
 「(一緒のグループの)若い子たちは刺激しあって、負けず嫌いを出して欲しい。ただ、勝ちたい、勝ちたいでレースが小さくなってもダメですけどね。自分は(10月に)事故点があったりして、そこら辺を気をつけながらでした。11月になってそこをあまり気にしないでいいのは大きい。(柴崎)淳も仕上がってるし、(初日)1着取れるチャンスはあると思う」
 前回の京王閣では自転車を換えて1333着の平原康多が、中2週間で上向きの様子だ。
 「(京王閣は)その前の前橋の時より全然良かった。でも、自転車を戻すのにかなり練習もしたんで、いい部分もあったけど、疲れてたところもあった。今回は試したいこと試せたんで、上積めていると思う。毎年言われるけど、(グランプリ出場の)賞金はそんなに気にしてない。GIを優勝することを目標にやっているんで、開き直ってはいます」

1R

選手の写真です。
山田諒選手
 山田諒(写真)にフタをした山岸圭太は、赤板2コーナーから再度踏んで主導権。しかしながら、山田もすかさず反撃に出る。合わせて踏み上げる山岸を山田が最終ホーム過ぎにとらえて、そのまま押し切った。
 「(フタをされて)ああなったらしょうがないですね。(その前に合わせて出て)突っ張りとかも考えたけど、冷静に展開をと思いました。大瀬戸(潤一郎)さんにももってこられたし、終わったなって思った。(ああいうレースを)やったことがないんでたまたまですね。調子に乗らず、でも乗っていきたい」
 神山拓弥は苦渋の選択。最終バック手前で山田ラインに切り替えて2着に追い込んだ。
 「(山岸を)入れようかと思ったけど、小川(賢人)さんが見えた。入れたらそっくり行かれちゃうと思って、申し訳ないけど。最近、自転車もマッチしてきて、感じが良くなった。でも、あれで1着までいけてれば。あと一歩ですね」

2R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 赤板2コーナーで小原太樹が切った上を中近ラインが叩くが、小原は白井一機をさばいて3番手を奪取。今度は吉武信太朗が仕掛けるが、最終ホームで三谷将太が外にけん制する。それでも外にへばりついた吉武だったが、2センターでいっぱい。逃げた窓場千加頼を利した三谷が、追い込んで1着。
 「小原は俺のところも狙いに来ていたから、3番手の位置に飛び付いたのはわかった。内も空けられないし(吉武が)ずっと外にへばり付いていて嫌だったけど、もっていくしかなかった」
 三谷の援護にも助けられた窓場千加頼(写真)は、積極的な走りで2着に粘り込んだ。
 「一番強い小原さんに先に切られてはダメですね。6番(中村弘之輔)が切った上をそのまま叩いて小原さんを後方に置かないと。最後はタレていたし、残してもらった感じです。でも、久々に逃げの決まり手も付けられたし、2日目以降につながりますね」

3R

選手の写真です。
海老根恵太選手
 打鐘で主導権を握った地元の伊藤稔真に、南関勢が襲い掛かる。最終1コーナーでは逃げる伊藤が合わせたかに見えたが、外を粘り強く踏んだ近藤隆司がバックで踏み勝つ。近藤の番手で脚を溜めた海老根恵太(写真)が、ゴール前で追い込んだ。
 「コンリュウ(近藤)はよく行きましたね。(踏み合いになったけど)ああなったらコンリュウは強いですから。あとは自分が飛ばないように。本当に前のおかげですけど、1着なんで(状態は)いいですよ」
 1着の海老根も含めてゴール前は、6車が横一線。近藤隆司が3着に踏ん張った。
 「(3着に)残れたんで良かった。残り1周でもう全開だったし、キツかった。5、6着になるかなって思った。車番が悪かったけど、(周回中に)中団が取れたのも大きかった。(前回から)軟らかめのシューズにして感触は良くないんですけど、自転車(の進み)は悪くないんですよ」

4R

 後ろ攻めの廣田敦士が赤板過ぎに先頭に立つと打鐘では一本棒になる。別線勢に動きはなく、廣田が徐々にペースを上げて最終ホームを通過。中団の藤田大輔が1コーナー先まくりを放つも、7番手まで車を下げた吉本卓仁がその上を豪快にまくって白星スタートを決めた。
 「余裕はなかったですね。行ける所が2カ所ほどあったし、後ろに合志さんと池田(浩士)さんが付いてくれて早めにいかないとダメなのに気持ちが弱くて構えさせてもらった。(藤田が)先に仕掛けてくれたのもよかった。池田さんまで連れ込める力がなかったけど、合志さんとワンツーが決まって良かった」
 合志正臣は吉本と呼吸を合わせて続きワンツーを決めた。
 「バックが追い風で先行屋がカカるからホームぐらいには仕掛けるかなと思った。藤田君が先に仕掛けてくれたのも良かったね。3コーナーあたりは内からこられないように差し気味に走った。余裕はずっとありますね。戦える感じに戻ってきた」

5R

 赤板過ぎに先に切った戸田康平を打鐘で佐藤雅春が押さえるが、戸田は3番手の位置からすかさず叩き返す。しかし、番手の山形一気が離れてレースが乱れる。8番手まで下げた金子幸央に動きはなく、5番手で戦況を見極めていた畑段嵐士が最終2コーナーからシャープにまくって詰め寄る渡辺十夢を振り切った。
 「ホームで緩んだ時に見てしまっていけなかったのがダメですね。でもあんなん(山形が離れる)になるとは思っていなかったので。道中でスピードがちょっと鈍ってしまったのでもう少しスパッと行ければ良かった。前回から中2日でそこまで良くないけど頑張ります」
 4コーナーから早めに踏み込んだ渡辺十夢であったが、差し切れず2着まで。
 「恰好悪いね(苦笑)。本気で抜きにいったけど差せなかった。踏み込んだのに自転車が進まなかった。畑段君が強かったね」

6R

選手の写真です。
岡田征陽選手
 伊藤裕貴に併せ込んでから、河村雅章が勢いよく飛び出して先頭に立つ。伊藤を一本棒の7番手に置いて、河村が駆ける。4番手から空けた車間を詰めながらまくった東矢昇太を阻んだ岡田征陽(写真)が、直線で抜け出した。
 「(弟デシの河村には)いつもプレッシャーをかけちゃってますかね(笑)。あそこから河村君が掛かってっちゃうと思ってたし、自分は余裕があったけどヘタクソでした。もっと車間を空けるなりできたかと。(感じは)悪くないけど、まだやることがあります」
 7番手の伊藤裕貴は、最終3コーナー過ぎから外を踏んで直線での落車のアクシデントを避けて2着に入った。
 「ジャン前のところも危なかったです。そのあとは(打鐘の)4コーナーで仕掛けていれば、あそこ(中団に)入れましたかね」

7R

選手の写真です。
白戸淳太郎選手
 後ろ攻めの中井太祐が赤板過ぎに切った上を、小林則之がさらに切り、そこを叩いた木村弘が打鐘から主導権。すんなり中団を確保した小林は、最終ホームから巻き返しにきた中井に合わせる形で2コーナーからまくり発進。バックで山下渡の牽制を乗り越えると、ゴール前で白戸淳太郎(写真)が差し切った。
 「こんな恵まれ良いのかな。作戦は小林君のお任せでスタートだけ1番車をもらえたので、中団を取ると。自分の中では前受けと後ろ攻めのラインが違って想定外でした。(小林は)よく切りに行ってくれた。あれで中団が取れたし、切りにいくのって結構脚を使うからキツいのにね。やっぱり1着は嬉しいですね。やる気が出てきます」
 小林則之は巧みな組み立てから鋭いまくりを放ち笑顔を見せる。
 「かなりキツかったけど、嬉しい。前回の準決勝で白戸さんに迷惑かけたので、今回こそワンツーと思ってそれが力になりました。ある程度、思った通りに組み立てられた。木村弘君がすぐにこなければ、先行も考えていた。ワンツーが決まって本当に嬉しい」
 稲垣裕之は目標の中井が不発の窮地も、冷静に自力に転じて踏み上げ3着に入った。
 「中井君も警戒される立場で、早めに巻き返さないとって気持ちが不発になったのかなって感じ。あの展開になったら、(中井君は)腹を括っても良かったかもね。その後のリカバリーはもっと巧くしたかったけど、前が強かった。2日目以降はしっかりと修正したい」

8R

 中団取りに動く谷口明正を林大悟が打鐘で叩いて主導権。正攻法から引いた小松崎大地は7番手となるが、態勢を整えて最終2コーナーからまくり発進。合わせて踏み込む谷口ラインの上を軽々と飲み込むと、林の番手で車間を空けて待ち構えていた松尾信太郎もまとめて飲み込んだ。
 「正直、カマそうか迷いましたけど、待ちました。同期の中田(健太)君が3番手を固めてくれていたのでライン3人で決めるならカマすべきでしたね。そのあとは自分の行きたいタイミングで。前も踏んでいて外々になったので余裕はなかったですけど乗り越えられたので。焦って仕掛けるのではなく、力でねじ伏せるレースも時にはしないといけないかなって。でもステージが上がれば通用しないので2日目以降は考えて走りたい」
 小松崎にピタリと続いた伏見俊昭が2着をキープ。
 「あれは抜けない(苦笑)。あと半周踏む距離が長ければ行けたかもですけど。でも自分的には脚も軽かったし悪くない。大地が強かったですね」

9R

選手の写真です。
松本貴治選手
 前受から迷わず7番手まで下げた松本貴治は、一戸康宏がペースを上げないのを見て打鐘の3コーナーから巻き返す。最終ホーム過ぎにスピードの違いで叩き切った松本に、岩津裕介が続く。丹波靖貴は付け切れず、3番手に一戸が飛び付く。番手の岩津は、逃げる松本との車間を空けて後続にプレッシャーをかけゴール前できっちり追い込んだ。
 「松本が強かった。僕はだいぶ踏み込んでやっと抜けた。松本はジャンからいってるし、普通なら(末脚が)甘くなるところですけどね。自分は自力の8番(一戸)と1番(阿部拓真)の動きを見てだった。(感じは)悪くないし、あとは微調整をして」
 力の違いを見せて岩津とワンツーの松本貴治(写真)だが、クールダウンをしながら慎重に言葉を選ぶ。
 「ちょっと重い。軽さはない。でも踏んだら進む感じがありますね。(一戸が)あれで駆けてたら、もうちょっと待ってと思ったんですけど、駆けてなかったから行きました。(最終)バックで止まったし、押さえて駆けてたらどうだったのかと」

10R

 前受けの石塚輪太郎は赤板過ぎに本多哲也を突っ張ってから、九州トリオを受けて中団をキープする。前団を射程圏に入れた石塚が最終2コーナーからのまくりでのみ込むと、地元の坂口晃輔が差し切った。
 「石塚君は突っ張って脚を使って中団を取ってと冷静でしたね。1着が取れたし、抜ける抜けないでは感覚も違ってくる。自分は落ち着いて走れている。この感覚をもって2日目以降も走りたい」
 後方に置かれることなく立ち回った石塚輪太郎は、坂口に交わされるも上々の動きを見せた。
 「7番手にはならないような組み立てを意識して走った。初手の並びからも、あの組み立てがベストだったと思います。金ヶ江(勇気)君が踏み直しているのを見ながら仕掛けた。坂口さんを振り切って押し切れれば良かったけど、差されてしまいましたね」

11R

 いったんは片岡迪之と中団で併走した嵯峨昇喜郎だったが、7番手に下げて打鐘の3コーナーから一気。3番手の須賀和彦は嵯峨のダッシュに遅れるも、番手の大森慶一は嵯峨を追走してゴール前で楽に追い込んだ。
 「踏み出しがすごかったですね。出切って流していたから、余裕もあるんだろうって思った。最後もタレずに踏み直していたけど、自分も余裕はあったので(最終)4コーナーを回って差せると思いました。もっと遅めのカマシか、まくりなら差せなかったかもしれない。本当に強いですよ」
 3番手以下を置き去りにした嵯峨昇喜郎が、2着で二次予選Aに進んだ。
 「(片岡が)ずっと外にいる感じだったので、だったら下げた方がいいと思った。いい感じのダッシュで行けたけど、タイミング的に上る感じになったので後ろの人はキツかったと思う。出切ってからしっかり流して、最後も踏み直した。でも、簡単に(大森に)差されましたね」

12R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 後方から上昇した和田真久留が赤板過ぎに誘導後位に入って、後続の出方をうかがう。村上義弘が内を進出して平原康多は、6番手の外併走から打鐘で仕掛けるが和田がペースを上げて先行策。平原は中団で浅井康太ともつれ、4コーナーから村上が反撃に出る。3番手の柴崎淳は村上に合わせるようにまくりを打つ。平原を阻んだ浅井は、村上と重なるも懸命に柴崎を追いかける。逃げる和田をとらえて押し切り図る柴崎を、浅井がきっちり差し切った。
 「平原さんに入ってこられないようにして、そこからキツかったですけどね。(最終)バックからはゴールまで出し切れるようにと思って踏みました。戦える脚はあるし、(番手で)繊細な動きがちゃんとできたと思います」
 最終2コーナー手前で佐藤慎太郎に振られた柴崎淳(写真)だったが、さすがのスピードで乗り越え浅井とゴール勝負に持ち込んだ。
 「(村上に)かぶる前に行かないとっていうのがあった。(佐藤に)ブロックをもらったけど、フレームの特性が出た。伸びがハンパない。加速していくのが遅いけど、そこからどんどん伸びていった」
 「全然うまくいかなかった。最後まで対処しきれなかった」と、平原康多は思惑と違う展開に4着まで。2日目の二次予選に気持ちをリセットする。

6R

選手の写真です。
山形一気選手
 赤板で中団から先に切った片岡迪之だったが、関東勢が押さえた上を阿部拓真が出て主導権、結局7番手に陥った。しかしながら、片岡の動きが悪くなく最終ホーム手前からいったん中団まで追い上げて、外併走からのまくりで前団をとらえる。片岡の番手で好展開が巡ってきた山形一気(写真)が、きっちり抜け出した。
 「流れが回ってきて(片岡が)カマす形になった。自分は初日が不甲斐ないというか、悔しくて…。(初日は)変な迷いというか邪念があったんですかね。(2日目は)とりあえず付いていくことに集中した。(最終)ホーム過ぎくらいから余裕はすごくあって、バックでは自分でもまくれるくらいだった」
 「運しかないですね」とは、中四国ライン3番手から2着に入った久米良。準決にコマを進めて、ラインに感謝することしきりだ。
 「(阿部のラインを通過する)そこだけは気をつけていた。でも、片岡さんがスコーンって行ってくれたし、山形君も気を遣ってくれた。自分は付いてるだけだったけど、ここまできたら2着までに入りたいっていうのはありました」

7R

選手の写真です。
河村雅章選手
 北日本勢が切った上を長い金ヶ江勇気ラインが押さえて、単騎の吉原友彦まで出切る。金ヶ江の先行で河村雅章(写真)は、一本棒の8番手に置かれてレースが流れる。5番手から吉原が仕掛けると、同時に河村雅章も踏み込む。吉原は不発も河村は、前団をのみ込み直線で先頭に立ちゴールを駆け抜けた。
 「スタートは誰も出ないだろうなと思ったいたし、その通りになった。前を取ったらああなりますよね。早めに(仕掛けて)行きたかったけど、金ヶ江君も緩めていなかった。吉原さんがいい目標になりました。(まくって)出も良かった。調子は引き続きいいです」
 あおりを受けた山下渡だったが、ソツなく2着に流れ込んだ。
 「河村君のおかげです。どうあれ後方になるだろうと思っていた。前の状況は全然わからなくて、河村君の後輪だけを見ていました。厳しい2着権利の二次予選Bを突破できたし、しっかりと付いていけているので状態はいいと思う」

8R

選手の写真です。
山岸佳太選手
 中部ラインを追った山岸佳太(写真)が、打鐘の4コーナーで主導権を奪う。3番手に飛び付いた篠原忍は大きく車間が空いて、別線を大きく離した山岸がそのまま逃げ切った。
 「篠原さんが出させてくれる感じだったので、自分は早めにペースに入れました。初日が終わってからセッティングをいじって、(2日目の)朝練で乗ってまたいじった。アップのローラーでも少しいじって良くなりました。でも、もう少しですね。末が甘くなってしまった。それでも初日より軽く感じたんで悪くないと思う」
 藤田大輔がまくりで関東勢に迫ると、乗った萩原孝之が外を伸びて2着に届いた。
 「あんなに前と離れていると思わなくて、届かないかと思った。でも、いい感じで伸びましたね。(最終)4コーナーであおりがあって、少しハウスしたけど、そのわりにね」

9R

選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 金子貴志が押さえたところを嵯峨昇喜郎が出て、諸橋愛、岡田征陽まで出切って主導権。早めに巻き返した石塚輪太郎は不発。村上義弘が最終2コーナーからまくりを打つが、諸橋がさすがの仕事ぶりで阻んで嵯峨を差し切った。
 「(嵯峨が)強かった、あれでレースの幅があると敵だったら嫌ですね。(別線をブロックして)仕事をするのは自分はいつものこと、当たり前ですから。それでタイミング悪いと前回みたいに失格するし、自分はいつもの感じだと思います」
 「むちゃくちゃ調子が良かったし、誰にも負けないと思った。諸橋さんは強いですね」と、内容のある2着にも嵯峨昇喜郎(写真)は、満足はしていないが充実した時間を過ごしている様子でこう続ける。
 「先行するには一番いい展開でした。諸橋さんはヨコもすごいし、安心していました。(石塚)輪太郎さんが来たのもわかったんで、そこを合わせて踏んだ。(1着が)欲しいですけど、すごく刺激になって楽しいですね」

10R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 最終ホーム手前で伊藤裕貴が主導権を奪って、柴崎淳(写真)の追走。小松崎大地が襲い掛かると、柴崎が大きく外にけん制して佐藤慎太郎はインを突く。外に浮いた柴崎だったが、最終2コーナーから自力でまくり上げて勝ち切った。
 「(畑段嵐士が)振ってきたところは焦りました。(吉村和之が離れて)2車になっていたのはわかっていなくて、(小松崎をけん制して)内にこられた。そのあとはとっさの判断で(まくって)出ました。なんとかですね、キツかった」
 畑段が佐藤と絡んで、三谷将太は柴崎のまくりにスイッチして流れ込んだ。
 「(畑段が)頑張ってくれた、番手にもいったし。スタートで中部の後ろを取れなくて、畑段君がどうするのかなと思ったけどうまく組み立ててくれた。疲れましたね。ナイターはやっぱり得意じゃない」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
 打鐘過ぎに3車の近畿勢が主導権を握って、4番手は近藤隆司と平原康多(写真)で併走。前団の隊列が詰まったところを松本貴治が巻き返す。スピードの違いで出切った松本に園田匠。窓場千加頼はいっぱいで、車間が空いた稲垣裕之が前の2人を追いかける。近藤を制した平原は5番手から強襲。目の覚めるような脚で突き抜けた。
 「残り2周からずっと苦しかった。前を取らされた時点で余計厳しくなりましたね。なんとかしのいだ感じです。(最終ホームで)併走している時に(松本に)行かれたんでスイッチできなかった。稲垣さんも追い掛けていく感じでスピードも上がっていたから、下手なタイミングでいったら外に浮くと思った。タイミングを見計らってですね。あそこまでいけると思わなかったです」
 抜群のタイミングでカマした松本貴治は、園田を振り切って2着に残った。
 「初日より2日目の方がいい感じで仕掛けられた。展開も向いて(最終)ホームでベストのタイミングで(仕掛けて)行けました。でも、あの位置にいた平原さんに抜かれた。逃げ切らないとですね」

12R

選手の写真です。
坂口晃輔選手
 赤板の2コーナーで先頭に立った山田諒が、落ち着いてペースを握る。4番手に阿竹智史が入り、7番手の和田真久留も仕掛けられずに最終ホームを通過する。2コーナー過ぎから仕掛けた和田は不発。山田との車間を空けた浅井康太は、まくり追い込む阿竹との間合いを計って抜け出した。
 「(山田は)落ち着いて駆けてくれましたね。一瞬、(阿竹が)粘るかと思ったけど、もし粘られても自分がしのげばいいだけなんで。(山田が)いいペースだったし、頑張ってくれたおかげです」
 浅井マークの坂口晃輔(写真)は、最終4コーナー手前で外の阿竹を張って2着。「抜ける感じはなかったです。ゴール過ぎくらいがピークスピードだった」と、振り返って、こう続ける。
 「山田君も落ち着いて駆けていた。自分も後ろだけは気にしていた。浅井さんもラインで(勝ち上がって)決まるようにでしたね」

10R

選手の写真です。
柴崎淳選手
選手の写真です。
岩津裕介選手
 合わせて動いた稲垣裕之を制して、先頭に立った山田諒が主導権は渡さない。稲垣は4番手に下げて、8番手の山岸佳太が打鐘の3コーナー過ぎから巻き返す。山岸は村上義弘の横まで。最終1センターからまくった稲垣に反応した柴崎淳(写真)が番手まくりを打つ。柴崎マークの岩津裕介が稲垣をさばいて、柴崎がぬかりなく勝ち切った。
 「(最終)ホームで山岸君が来ているのが見えて、次は稲垣さんが見えた。勝ち上がることに意味があるから大事にいきました。フレームを換えてこっちの方が踏み出しは軽い。スッと出る。でも、自分で動いてみてどうか。決勝では、どっちを使うかは少し考えます」
 稲垣に締め込まれながらも、岩津裕介(写真)が落ち着いたさばきで2着をキープした。
 「柴崎君はさばくタイプではないので、かぶらないギリギリのところで仕掛けたね。風が強くて余裕はなかったけど、なんとか付け切れて良かった」
 稲垣の余力をギリギリまで確かめてから最終2センターで内に進路を取った村上義弘が3着。
 「稲垣君がまくりというよりも追い上げみたいになったから内へいった。コース取りは仕方なくですね。決勝に乗れているので悪くないし、毎レース全力で頑張るだけです」

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手
選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 小林則之が押さえて出て、3番手が平原康多と山形一気で併走。前団の様子を冷静に見極めた嵯峨昇喜郎は、3番手取り合いの決着がついても仕掛けず、打鐘の4コーナーで7番手からスパートする。合志正臣は付け切れず、嵯峨、佐藤慎太郎に小林から切り替えた萩原孝之が続く。その後ろの平原だが仕掛けられない。番手の佐藤が追い込んで、諸橋愛の強襲をしのいだ。
 「山形君が切ればその上を叩いていたと思うけど、(嵯峨は)落ち着いてましたね。ダッシュも良かったし、平原君がいるなかであのレースができるならグレードレースでも通用しますよね。頼もしい。最後は諸橋君に詰められたけど、やっぱり平原君を見ながらだったし、後ろに萩原君も切り替えていたので内より外が気になっていた」
 平原マークの諸橋愛(写真)は、最終2センターから平原、萩原の内を進んで直線でシャープに伸びた。
 「いつもの(平原)康多ならホームで3番手にスイッチして、そこから間髪入れずまくっていると思うんですけどね。なかなか仕掛けないから。自分はもうあの外は行けないし(佐藤)慎太郎さんの内か外かって考えていました。状態は普通だと思う」
 番手の佐藤、諸橋に交わされたものの、嵯峨昇喜郎(写真)が3着に踏ん張って初の記念ファイナルをつかんだ。
 「(記念)3回目にしてやっと目標を達成した(笑)。カマシ、まくりでも決勝に乗れるんだってところを見せられました。どこからカマして行こうか考えていて残り1周手前にはいかないといけないと思った。出切ってからは流したけど、スーって流れた。調子がいいのかもしれない」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
選手の写真です。
大森慶一選手
 赤板過ぎに押さえて出た小松崎大地が、関東3車を受けて好位置をキープ。浮いた浅井康太(写真)は、6番手に入り立て直す。最終1センターで踏み出した浅井だったが、4番手の小松崎がまくって出ると、小松崎、大森慶一に付け直して続く。直線勝負で浅井が3連勝を飾った。
 「(最終)1センターくらいで踏んだんですけど、小松崎さんと(踏み出しが)合ったからやめた。それでもう一度踏んだ。最終的に1着が取れたけど、課題はありますね。直線の伸びはいいんですけど」
 「展開が良すぎて、いいのって…」とは、大森慶一(写真)。まくった小松崎に続いて、直線で差し脚を伸ばして2着。15年当所以来の記念優出に笑みがこぼれる。
 「やっと(記念の決勝に)乗れた。(小松崎が)かぶる前に行ってくれた。付いてただけだけど、感触も悪くないし余裕もありますね」
 4番手から先まくりの小松崎大地は、僅差の3着も内容には納得する。
 「(仕掛けられる)タイミングが整った瞬間に行こうと思ってた。(浅井より)先に仕掛けられたのが良かった。前はのみ込めると思ったけど、後ろにいるのが浅井君なり松本君ですからね(安心はできなかった)」


≪最終日6R「S級ブロックセブン」≫
 松岡篤哉は前回の前橋FIの準決で2位入線も、内側追い抜きで失格の憂き目。近況、上昇ムードだっただけに悔やまれる。
 「調子が良かったんで、(失格は)もったいなかった。(以前も)練習の感じは良かったし、そこは変わってない。ただ、競走を落ち着いてできるようになった。それですかね、いいのは。林(慶次郎)君が強いんで、そこは気をつけていかないと」
 兄の大悟がシリーズに参戦している林慶次郎は、前々回の取手FIで逃げ切りの初優勝。前回の別府FIでも233着とまとめてはいるが、おごることなく慎重に口を開く。
 「結果は出てますけど、素直によっしゃーっていう感じじゃないですよね。(流れに)救われているところが否めない。(優勝した)取手も落車があったんで。ただ、いまのところS級1班の点数が取れているし、そこは狙っていきたい。(体調は)全然大丈夫だし、あとは自分のレースができれば」