赤板で合わせて動いた山本伸一を押さえて竹内雄作が主導権。竹内は和田真久留を後方に置いて、そのまま早めにペースを上げ後続を一本棒にして駆ける。別線は動けず、ようやく和田が最終2コーナーからまくるが4番手まで。番手で別線の反撃に備えていた浅井康太(写真)は、4コーナーで外に振ってから直線で鋭く追い込んで1着。シリーズ2勝目を挙げて優出した。
「(竹内)雄作が(積極的に)行くっていうのはわかってた。あとはいかに残してラインで決められるかと思っていた。結構、早いかなっていうのがあったけど、(竹内は)もう行っちゃってましたね。自分は(最終)2センターまで我慢していた。踏んだっていうよりは詰まってきたんで、(竹内が)タレてきているなって感じた。ラインのおかげです。(決勝は)自分の力で優勝を勝ち取りたい。いまのところ(今シリーズは)3走して2勝。4走して3勝(で優勝)して、(2月の当所の)全日本選抜で迷惑を掛けたぶんもしっかり返したい」
和田のまくりに乗った内藤宣彦は、中のコースを伸びて2着。ベテランらしく落ち着いた口調でこう振り返る。
「(竹内に)いつものペースで駆けられたらまずいと思ったけど、オーバーペース気味になるんじゃないかとひそかに思っていた。(竹内が)フカせば直線でタレてくるんで、自分にもと。(和田)真久留が中団まで行ってくれて、そのスピードをうまいこともらえた」
4番手をキープした山本伸一(写真)は、最終3コーナー過ぎに和田のまくりを張りながら外を追い込んだ。
「あのペースで(最終)2コーナーからまくって行くのは厳しいなと。浅井君も(車間を)切ってたんで、嫌な感じがあった。競輪祭で勝ち上がれなくて、その悔しさをここでと思っていた。セッティングはハンドルまわりをやって、(準決で)ギアを3.93にしたのも良かった。ただ、あれで(最終)2コーナーから勝負できる脚をつけないと」
≪最終日6レース「レインボーカップチャレンジファイナル」≫
3着までの選手がA級2班に特班できる一発勝負。今シリーズは、オール113期による同期の争いだ。嵯峨昇喜郎は、静岡、小倉ミッドナイトと直近の2場所を完全優勝。次回に3場所連続完全Vで特班のチャンスは残しているものの、ここで決めたいというのが偽らざる気持ちだろう。
「やっぱり決められる時に決めたいんで、今回(特班したい)ですね。結構、気温が低くてなかなか負荷をかける練習はできなかった。ただ、(疲れは)大丈夫です。あとは(レースで)最後方にならないように、なったらなにもできないんで。厳しい戦いになると思うけど、同期より先に動く気持ちでやりたい」
嵯峨と同じく2場所連続の完全Vでここを迎えるのは森田優弥。
「調整もバッチリだし、力を出し切って勝ちにいきます。一発勝負っていうのは、好きなんでいいと思います。(普段から)ラインを意識して走ってはいるんですけど、結果的にあんまり…。自分はダッシュには自信がある」
前々回、武雄の決勝でも中嶋宣成との連係で番手を回った小林泰正は、ここも上信タッグを組む。
「中嶋さんとは大学の先輩、後輩。地区プロでも一緒だったし、武雄もそうでした。だから、脚質はわかってます。(誰かの)番手を回るのは、これ4回目。自信ですか? しっかり調整もできているんで、自分の力を出せばっていうのはあります。(師匠の小林潤二とは同じ開催が)初めてだし早くS級に上がりたい。まずはここでとにかく3着以内」
特班に2度もリーチをかけながら失敗に終わっている中嶋宣成も、静かに闘志を燃やす。
「8連勝までいって負けてるんで、自分としては納得してない。(普段のチャレンジでは)基本的には先行したいんですけど、相手もなかなかさせてくれない。ここは後手を踏まないように、あとは展開次第ですね」
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