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48#

決勝戦レポート

浅井康太(三重・90期)

圧巻のグレード3連続V

 号砲が鳴っても誰も出ない。ただひとりのS級S班で昨年のグランプリ(GP)チャンプの浅井康太(写真)が、誘導を追いかけざるを得ない。浅井にとって出だしから、楽な流れではなかった。追い打ちをかけるように、単騎の岡村潤が想定外の動きで赤板の1センターで誘導後位に追い上げた。
 「誘導を追うのに脚を使ってキツくなるかと。それに岡村さんの動きが予想外だった。あれがなければ、(番手に)飛び付こうと思ってた」
 吉田拓矢と稲毛健太の両ラインがカマシ気味に来て、岡村も飛び付けない。関東勢が主導権を握ると内藤宣彦が近畿の2人を迎え入れて、浅井は最終ホームであろうことか8番手に陥った。
 「(最終ホームで)絶体絶命だと思った。あとは稲毛君を見て、どっちにいくかでした。ゴールするまでわからなかったけど、バックでは(前団を)とらえられる手応えがあった」
 最終1コーナーから踏み出した浅井は、浮いた稲毛の内をハイスピードですり抜けて、番手まくりの関東勢を射程圏にとらえた。
 「体も一番良かったんでしっかり踏めた。最終日に一番脚が回ったのが大きい」
 直線の入り口では鈴木庸之に並んで、ゴールではスピードの違いで1車身抜け出していた。地元ファンの声援に応えながら手を挙げた浅井が、4度目の四日市記念Vを飾った。
 「競輪祭を獲って、四日市記念を獲って、あとひとつ。グランプリを獲れば来年にもつながる。(GP)2連覇を目指してしっかり準備して、獲り切ります」
 初のナイターGIで6日制に生まれ変わった競輪祭から、中4日の過密ローテ。ドームから風の強い屋外バンク、発走時間の違い。さまざまな環境の変化に一流といえども戸惑う選手は多かった。その過酷なシリーズを浅井が連続優勝。連覇がかかるGPへの期待も、いやが上にも高まっていく。
 
 「あれがなければ僕らは終わっていた」と、内藤に感謝しきりなのは2着の山本伸一。吉田に突っ張られたが、内藤が中団に迎え入れて近畿勢が再度勝負権を得た。稲毛は不発も山本は関東ラインに切り替え、外を踏んで伸びた。
 「(4番手から再度、稲毛が行ったけど)重そうだなっていうのがあったんで、関東ラインの方にいった。あれで2着までいけているし、収穫のあった4日間だった」
 
 逃げた吉田の後ろから番手まくりに出た鈴木庸之だったが、浅井、山本に屈しての3着。
 「自分が(吉田に)なにもしてあげられなかった。展開は良かったんですけど、(吉田は)もう1回流しても良かったのかもしれない。そうすれば浅井さんが、中団で内に詰まるパターンっていうのもあったかもしれない。でも、吉田君は調子がいいんでしょうね、ペースでいってたっていう言うしタレてこなかった」
 
 飛び付きを狙っていた単騎の岡村潤だったが、吉田の強烈なダッシュにはなす術がなかった。最終ホームでは7番手、浅井のまくりには反応したが、園田匠と絡んで万事休す。
 「浅井も中団にこだわるだろうし、そしたら切ったところで粘ろうって思っていた。でも、後ろで(吉田と稲毛が)レースが始まっちゃった。あれを番手に飛び付くには…」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲が鳴り、けん制が入った後に浅井康太が誘導員を追いかける。浅井-園田匠が前受けで、以下は岡村潤、稲毛健太-山本伸一-内藤宣彦、吉田拓矢-鈴木庸之-木暮安由で周回を重ねる。
 青板の2センターから吉田が上昇すると、岡村が赤板手前から動いて誘導後位に入る。吉田は稲毛を押さえて中団に入り、1センター過ぎから仕掛けた稲毛に合わせて踏んで、打鐘を迎える。出切れなかった稲毛は4番手に降りて、最終回へ。隊列を一本棒にして逃げる吉田に、8番手の浅井は1センターから反撃。好回転で前団に迫ると、バックから番手まくりに出た鈴木を4コーナーで捕らえて先頭に立ち、そのまま後続を振り切って地元Vを飾った。最終3コーナーから浅井を追いかけるように踏んだ山本が2着で、鈴木が3着に入った。
車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 浅井 康太 三重 90期 SS 11.4 まくり
2 6 山本 伸一 京都 101期 S1 1B 11.5 追込み
3 8 鈴木 庸之 新潟 92期 S2 1/4W 11.8 捲残
4 3 木暮 安由 群馬 92期 S1 1/4W 11.7
5 4 内藤 宣彦 秋田 67期 S1 1B 11.5
6 7 岡村  静岡 86期 S1 1/4W 11.5
7 9 園田  福岡 87期 S1 1W 11.5
8 2 稲毛 健太 和歌山 97期 S1 8B 12.5
9 5 吉田 拓矢 茨城 107期 S1 2B 12.8 H B