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YAHIKO KEIRIN

21#

検車場レポート

  • 10/20 Wed.  (前検日)
  • 10/21 Thu.  (1日目)
  • 10/22 Fri.  (2日目)
  • 10/23 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 三谷竜生(写真)は前回の福井FIを完全V。昨年4月の奈良FI以来、久々の優勝を遂げて、状態も悪くはなさそうだ。
 「(前回は)自転車も進んでたし、調子も良かった。(10月14日に)地区プロがあって、ケイリンでもしっかりとモガけた。そのあとの練習でも良かったです」
 今期勝ち星のない菅田壱道だが、8月のオールスター落車後は4場所を消化して徐々に手応えをつかんでいる。
 「前回の平塚記念はだいぶ前のような(いい時の)感覚があった。そのあとは250(PIST6)だったり、地区プロだったりがあって結構、忙しかった。直前は疲れを抜くのをメインでやってきた。調子は上がっていると思います」

2R

選手の写真です。
岩津裕介選手
 8月のオールスターに続いて2度目のGI参戦になる石原颯は、前回の共同通信社杯の落車からの復帰場所なるだけに強気にはなれない。
 「(怪我は左の鎖骨骨折で)まだ万全ではないですね。だから、ブロックをされないように(笑)。1カ月近く休めたし、リフレッシュはできた。ここで戦えたら自信にはなりますね」
 岩津裕介(写真)は前回の福井FIを127着。最終日、決勝のシンガリをこう振り返る。
 「腰痛明けだったんで、(初日、2日目は)1、2(着)でまずまずかなと。ただ、(最終日は)3日間もたない感じだった。そのあとは地区プロもあったりした。腰の状態はだいぶ良くなったかなと」

3R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
 前回の久留米FIを123着だった山田久徳は、落車明けの場所でも上々の手応えをつかんでGIを迎える。
 「久留米は正直、不安のなかで走ったっていうのもあった。でも、思ったより良かった。先行も2回できたし、そのあとの練習の感じも良かった。感触が良かったんで自信をもって走りたい」
 山田とコンビを組む稲垣裕之(写真)は、前回の岐阜FIを436着。落車明けでの状態をこう説明する。
 「新車とか試したいっていうのもあったけど、(体の方は)ちょっとまだかなっていうのがあった。でも、セッティングとかを出せたのは良かった。まだ痛みがあるけど、精密検査とかでは大丈夫でした。ここは、いいイメージがあります」

4R

選手の写真です。
山田庸平選手
 山田庸平(写真)は、前回の防府FIを212着。オール連対の3日間で好感触を得た。
 「(防府は)いつも通り練習の感じを試したくて、それで感じが良かった。そのあとは練習をやって、今回は少し休みを入れた。(初日も)いつも通りしっかりと仕掛けたい」
 前回の平塚記念を1362着。戦績をまとめた小林泰正は、大舞台での勝ち上がりを強く意識する。
 「平塚は納得できる走りだったし、調子もいい感じだった。今回もいい感じでこられていると思います。今年初めに鎖骨を折って、それからもう(状態は)戻ってきている。GIでも準決で結果を残したい」

5R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 前回の熊本記念in久留米では1261着。準決敗退の中川誠一郎(写真)だったが、最終日も気持ちを切らさずにシリーズ2勝目を挙げた。
 「ここは(14年に)GI初優出したバンクです。ただ、本当に走ってないので(バンクの)イメージがない。(前回のあとは)しっかりと調整をして、トレーニングもやりました」
 菊池岳仁はFIシリーズながらも3場所で6勝の固め打ち。前々回の函館では完全Vとようやく“眠れる獅子”が片鱗を見せだした。
 「だんだん良くなってきた。落ち着いて走れるようになってきた。(仕掛けるのも)無理やりじゃなくて、流れに沿ってっていうのができるようになってきた。オールスターが全然だったし、ここは地元なんで勝ち上がりたい。練習もできているんで、自信をもっていきたい」

6R

選手の写真です。
永澤剛選手
 前回の熊本記念in久留米は3勝をマークした取鳥雄吾だが、根田空史にしてやられた二次予選が悔やまれる。
 「自分のデキはずっといいです。(前回の2日目は)根田さんが強すぎました。弥彦(との相性)も悪くないです。逃げていいイメージだし、タイムも出ていた」
 永澤剛(写真)は、前回の函館FIを521着でV奪取。昨年3月の大垣以来となるおよそ1年半ぶりの優勝となった。
 「(前回の決勝は)展開に恵まれました。(あんまり得意じゃない)ダッシュ勝負じゃなくて良かったです。そのあとは地区プロがあったり、天気もあるかったりで、あんまり乗れなかった」

7R

選手の写真です。
長島大介選手
 前回の熊本記念in久留米のあとは決して順調ではなかった坂井洋だが、戦える状態にはありそうだ。
 「久留米からの帰りに航空性中耳炎になって、2、3日ちょっと…。でも治して練習もできたし、ジャンさえ聞こえれば問題ないですよ(笑)。疲労もそこまで残ってなかったです」
 あっ旋のなかった9月の1カ月を練習に充てた長島大介(写真)は、前回の函館FIを615着。
 「(前回は)状態も悪くなかったし、そのあとはここに向けて調整をしてきた。(9月は)まとまった練習ができてたんで、状態は上がっていると思います、体調的にも1度も崩さずにやれました」

8R

選手の写真です。
村田雅一選手
 村田雅一(写真)は、前回の福井FI初日に落車に見舞われた。そこから2週間空いてのGI参戦で状態はどうか。
 「(落車のあとの状態は)ここに来る前に地区プロでも走ったんで大丈夫です。地区プロの疲れが残った感じもあったので、ケアをしながら(練習を)やった感じですね」
 地元、千葉でのPIST6参戦も含めて、前回の熊本記念in久留米まで強行ローテだった根田空史は、ようやく中9日空いた。
 「(前回が終わって)やっと落ち着けました。でも、連戦の疲れが尾を引いていた感じもあって、なかなかパフォーマンスが上がってこなかった。(前回の)準決ですべて使い果たした感じです。(初日は)ラインの長さを生かしたい。油断しないように」

9R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 3場所前の地元、岐阜での共同通信社杯でビッグ初制覇を遂げた山口拳矢(写真)だったが、前回の青森FIの最終日に落車を喫した。
 「(落車は)擦過傷だけだったんで問題ない。ただ、(落車で)ハンドルがダメだったんで、セッティングを出しつつケアを多めにやってきました。(練習は)追い込むっていうよりは、落車のダメージを少しでも取るっていう方向でやってきた」
 練習仲間で気心の知れた島川将貴とのタッグに小川真太郎は、期待を膨らませる。
 「(初日に)ここで1着にいければリズムに乗れる。(近況は)サゲサゲできてたんで、これ以上悪くなることはない。もうちょっと自分らしくできれば。あとは(島川と)うまく決められるように」

10R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 鈴木庸之(写真)は、前回の平塚記念から約2週間空いたローテで地元の大一番に臨む。
 「前回の平塚が良かったんで、そのまま練習をしてきた。直前に腰痛が出たんで、それがどうかなっていうのがあります。でも、(腰痛が出る)その前に練習はしてるんで、大丈夫かなっていうのはあります。予定外のところもあったけど、(状態は)いつもと変わらないくらいかなと。(吉田拓矢の)番手に付かせてもらいます。相性もいい」
 3場所前の小松島、前々回の別府とFIで優勝を遂げている山田英明は、状態も上向き。初日は単騎で上位進出を目論む。
 「ここに向けて練習してきました。今年は腰を壊してなかなかトレーニングができなかったんですけど、オールスターが終わったあたりからちょっとずつそういうのがなくなってトレーニングができている。去年のベストにはもってこられていないが、ちょっとずつかみ合ってきているかなというのはあります。(初日は)単騎戦。しっかりコースを踏み切って、勝負ができたらいいなと思っています」

11R

選手の写真です。
新山響平選手
 新山響平(写真)は、豊橋、青森とFIを2場所連続Vで6戦5勝と白星を量産。共同通信社杯に続くビッグ連続優出に期待も高まる。
 「(最近の感触は)ラインのおかげで勝てているという印象なので、自分の脚力はそこまでいい感じではないのかなと。(前回からは)地区プロに行って、次の日から練習して中日で1日休みを取って、また昨日練習してきました。やりたい練習はできました」
 前回の防府FIで今年3度目の優勝の稲川翔は、初日に連係する野原雅也の進化を肌で感じている。
 「(前回は)セッティングは毎日違う形で臨んだんですけど、ここのためにやれることはやろうという感じでした。地区プロもあったので、疲れを抜くというよりも、維持しながらでした。あとは刺激を入れながらといった感じです。(初日は)野原君はよく一緒に走っているけど、どんどん強くなってきているというイメージ。刺激を受けています」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 18年の全日本選抜制覇でグランドスラムに王手をかけた新田祐大(写真)にとっては、どうしても手に入れたい寬仁親王牌のタイトル。残された最後のGI奪取に初日から気持ちを込める。
 「(ここまでは)しっかり調整してきました。今回はグランドスラム達成のために調整して、バッチリの状態で来た。あとは結果を残せるように頑張るだけです。今回は意識してグランドスラムを狙っていきたい。まずは自分らしい走りをして勝ち上がっていくことを目的として、最後に決勝で決められるように頑張ります」
 地元、平塚記念を2211着で制した郡司浩平は、全日本選抜に次ぐ今年2度目のGI制覇ができるだけのデキをキープしている。
 「状態は上がってきていると思う。このいい状態を少しでも長くキープできるように。まあ、上げていけるようにしたいなと思います。(この2週間は)しっかり練習もできましたし。やることはやって来た。あとは結果に出てくれればいいなってところです」
 前回の平塚記念では動きの良さが目を引いた清水裕友は、例によって松浦悠士との連係。初日は先頭を務める。
 「(前回の)平塚は良かったです。暑い季節が終わって、体調が整えやすくなったかなと思います。(ここまでの2週間は)ここに向けてしっかり練習して、最後も調整できたと思っています」

1R

選手の写真です。
和田圭選手
 赤板1コーナーで久米康平が先頭に立ち、切り替えた菅田壱道が4番手。前受けから後方まで下げた脇本勇希は、打鐘手前から一気に仕掛ける。近畿ライン3車が出切り、久米が4番手で最終周回。菅田は一本棒の7番手からまくって出る。逃げる脇本後位で車間空けていた三谷竜生が合わせて踏んで、菅田と重なり直線へ、菅田マークから外を伸びた和田圭(写真)が突き抜けた。
 「(最終3コーナーからは)いつものクセで内に入ろうかなと思ったけど、直前の地区プロ(競技大会)で外を踏んで伸びるイメージがあったので、そのイメージで外を踏んだ。持ち出した時にどうかなって思ったけど、カントがキツいのか33バンクっぽいような感じで山降ろしが利いた」
 菅田のまくりに反応が遅れた三谷竜生は、なんとか踏み勝ち最後はハンドルを投げて2着。
 「(作戦は)後ろからだった。ファンの方には申し訳ないが、僕らも勝負がかかっているので作戦通りに走りたいと。(脇本が主導権を取って)残せそうな掛かりだったので車間を切ったけど、菅田さんのスピードが良くて、あたれるところがなかった。それでちょっと遅れてしまいました。車間を詰めて(最終)3コーナーでスピードが合えばと思ったが、前に踏むしかなかったですね。脚の感じは悪くない」

2R

選手の写真です。
木暮安由選手
 石原颯が前受けから赤板過ぎに、小森貴大を突っ張る。小森は外に浮いて、雨谷一樹が中団をキープするが、外の松岡健介にかぶって動けない。最終1センター過ぎに堀内俊介がまくりを打つと、わずかに反応が遅れた近藤隆司をさばいて木暮安由(写真)がスイッチ。直線で抜け出した。
 「(雨谷が)内に詰まった形だったんで、どうするのか、そこは不安でした。(堀内のまくりにスイッチしたのは)体が反応しました。だんだんとかみ合ってきたんで、(調子は)いいと思います。戦法が変わっていって、自分の方向性をいろいろ試したりもしていた。そのなかで自転車をいじったりもしたけど、そこは元に戻ってきた感じです」
 最終3コーナー過ぎにようやく外が開けた雨谷一樹は、木暮を追うように外を伸びた。
 「基本的には中団、中団で組み立てて、あとは自分のタイミングで仕掛けられればと思ってました。脚は常にたまってて、どこからでもいける状態だった。でも、松岡さんとずっと併走だった。仕掛けられなかったけど、結果2着で(木暮と)ワンツーだったんで良かった」

3R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
 後続をけん制する中本匠栄を、赤板過ぎに望月一成が強引に叩いて主導権を奪う。中団に中本が入り、山田久徳が7番手に。打鐘2センターから山田が反撃に出るが、ギリギリまで引き付けた渡邉雄太(写真)が2コーナー番手まくりで応戦。車体を併せての踏み合いを制した渡邉は、マーク小原太樹の追撃も振り切って勝利を収めた。
 「(山田が来ているのを)見て、できるだけ振ったけど、止まらなくて、前に踏んだ。とりあえずワンツーで良かった。(最終)2コーナーはギリギリだったけど、最後まで頑張ろうと思って頑張れた」
 渡邉を交わすことはできなかったが、しっかり内を閉めて回った小原太樹がソツなく2着に続く。
 「望月君の頑張りにつきるので、(前に続いて)しっかりとワンツーを決められればと。脚を使っていないぶん、もう1個、上のステージにいくには、あそこは(渡邉を)抜かないと。そこはセッティングとかではなく、脚ですね」

4R

選手の写真です。
荒井崇博選手
 赤板2コーナーで先頭に立って主導権を握った中西大は、そのまま緩めることなく駆ける。が、小林泰正もすかさず反撃に出て踏み合い。後方で脚をためた山田庸平は、最終1コーナーから踏み上げる。小林を阻んだ村上義弘だが、スピードの違う山田には対応できない。前団をとらえた山田をゴール寸前で荒井崇博(写真)が交わして佐賀ワンツー。
 「もう(山田)庸平サマサマ、それ以外ない(笑)。(2日目以降も)自分は、あとは前次第なんでね」
 上昇した赤板過ぎに坂本貴史に突っ張られた山田庸平は、後方から立て直しを余儀なくされる。結果的に中西と小林の主導権争いになり、そこを鮮やかにまくった。
 「中西君が(主導権を取って)いくのがわかってたんで、最低でもその後ろでと。そうすれば4(着)までには、しのげるかなと思って進めたけど。(坂本)貴史君が前を取ったんで、突っ張られて後方になるかなっていうのもありました。小林君(ライン)に付いていけなかったので、その辺の修正点はある。でも、踏み合ってくれた。最初の踏み出しは良くなかったけど、(最終)2コーナー入るあたりから進み始めた」

5R

選手の写真です。
園田匠選手
 菊池岳仁、川口聖二で打鐘前からつばぜり合いとなり、最終的に菊池が先手を奪うが、後続の隊列はややモツれる。最終ホーム手前で中部勢が中団に下がって、柿澤大貴-神山雄一郎が菊池にしっかり付け直すも、2センターから仕掛けた中川が早くも並び掛けてくる。すんなり西の3人が出切って、中団に関東勢、中部勢が後方と隊形が変わって一本棒。スピードに乗った中川の前に別線は反撃できず、ゴール前で園田匠(写真)が差して1着。
 「いつも通りに(中川に)お任せでした。いいタイミングでいってくれました。今日も(中川)誠一郎さんが先行だったし、弥彦は流れがいいですね。ここのバンクはアタリがいい。1着はなによりも気持ちがいいですね。セッティングは少し考えていじろうかなと」
 早めの巻き返しでホームからレースを支配した中川誠一郎が、2着で九州ワンツーが決まった。
 「組み立ての考えはなく、笠松(信幸)が(竹内)雄作を入れようとしていたので、それよりも前のあのタイミングでいかないと。長いと思ったが、(勝ち上がりの)4着までなら大丈夫と思っていった。(前回の)地元記念で(調子を)上げたぶんがあるので、状態は悪くない。バンクは重くないような気がする。走れるなという感じです」

6R

選手の写真です。
谷口遼平選手
 押さえて出た取鳥雄吾がペースを落とすと、打鐘で7番手の小松崎大地が仕掛ける。ギリギリまで引きつけた取鳥が、ダッシュを利かせて合わせて主導権をキープする。最終ホーム過ぎに永澤剛、大森慶一が内に降りて、谷口遼平(写真)はまくりを打つ。小松崎は柏野智典に弾かれて、その間のコースを谷口が加速する。逃げる取鳥を2センターでとらえた谷口が、4度目のGI出場でビッグ初勝利を飾った。
 「小松崎さんがすごい勢いで行ったんで出切っちゃうのかなと。そしたら(取鳥)雄吾も合わせてたんで強かった。僕は展開が向きました。落ち着いて走れたし、余裕がありました。1、2カ月前から弟子をもつようになって練習量が増えた。それで後方になっても、余裕をもって前が見られる。GI初1着でうれしいです」
 長尾拳太は、浮いた小松崎が内に戻ってコースが狭くなったものの、同期の谷口のしっかりと付け切った。
 「小松崎さんが巻き返してくれたぶん、僕たちにも展開が向きました。(谷口)遼平君が小松崎さんの内を(まくって)抜け出していったんで、自分はそこを見てしまった。でも、(最終)バック線くらいでは、2人で決まるかなと思った」

7R

選手の写真です。
長島大介選手
 赤板で前団を切った原田研太朗をさらに押さえて山本伸一が先手を握るも、7番手に引いた坂井洋が打鐘3コーナーから反撃を始める。これを見た山本もペースを上げて応戦するが、最終ホームでは坂井が出切る。山本も引かず、坂井の番手、3番手あたりがモツれた2コーナーで原田がまくり発進。しかし、番手を守った長島大介(写真)が、迫る原田をけん制して止めると、ゴール前で抜け出した。
 「きれいに出切っていれば違ったけど、山本さんもヤル気だった。坂井君に離れないようにして、出切ってからは余裕もあって1着を取れると思った。あとはラインでどうやって決められるか。(9月にあっせんが止まり)その時に練習がいっぱいできた。前回も感覚は悪くなかったし、今回は前回以上にいい」
 最終2センターで内に降り、長島を追う形になった高原仁志が2着に入る。
 「(原田)研太朗にいい展開にだったけど、もうひと登りでしたね。(最終4コーナーから)内の動きは見ていないが、誰が来るかは、わかっていました。2着までこられているので、いい方ですね」

8R

選手の写真です。
村田雅一選手
 神田龍を叩いた根田空史が打鐘の3コーナーで主導権。新田康仁まで南関3車で出切り、神田が4番手。8番手の松岡貴久は最終ホームで近畿勢の内をすくって村田雅一(写真)を弾く。畑段嵐士との連係が壊れた村田は8番手。神田のまくりを松谷秀幸がブロックして、根田が先頭で直線へ。南関3車での勝負に思われたが、内を進出した村田が根田と松谷の間を伸びて1着。
 「(松岡にすくわれて、さばかれた)そこは反省すべき点ですね。しっかりと飛ばされずに、しのいでの結果だったら良かった。(最後のコースは)たまたま空いただけですけど、脚に余裕があったんでイケて良かった。(2日目以降は)しっかりと隙を見せない走りをしたい」
 南関3番手の新田康仁は、直線で外に進路を取り2着。反省まじりにこう口を開く。
 「まくりに来たのが神田君だったんで、締めることに徹してた。レースは見えていました。(最終)4コーナーから外を踏んじゃったので、村田君のコースをつくっちゃった。3番手の仕事としては反省点があります」

9R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 赤板を前に野口裕史、島川将貴が並ぶようにして上昇するが、野口が2コーナーで先手を奪取。島川は冷静に中団に入り、前受けから引いた山口拳矢(写真)は7番手に。ケレン味なく飛ばしていく野口の前は後続は完全に一本棒の状態となって打鐘、最終ホームを通過。2コーナーで島川が先まくりに行くも、車の出は良くない。モツれる前団をめがけて山口が踏み出したのは3コーナーから。前で落車のアクシデントもあったが、一気の加速で4コーナーでは踏み合う野口、島川の外を乗り越えると、あとは独走状態で、ゴール前では後ろを振り返る余裕すら見せる圧勝だった。
 「(初手は)中団が欲しかったけど、雰囲気を見て、けん制が入るならと前を取った。2人とも先行意欲が強い。(野口と島川の)モガき合いが一番だったけど、一列棒状でしたね。でも、踏み込んだ感じは良かった。打鐘からスピードが速くて、脚を削られたけど、(島川のまくりの)上を行ける感じがあった。(落車後だが)悪くないですね。緊張で堅いくらいで大丈夫」
 島川後位から抜け出して山口を追った小川真太郎が2着。
 「(野口と)モガき合うと、(山口)拳矢に行かれるので、(野口を)出させてもいいと。(最終)ホームで行きたそうにしていたが、落ち着いて仕掛けてくれましたね。(自分は)内、外を見ていたが、拳矢が強かった。前場所、前々場所よりいいですね。ここに向けて、前の自転車に戻して上積みがあった。走りやすかったですね」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 周回中は8番手のポジションになった渡邉一成は、太田竜馬にフタをしてから再度踏み込んで主導権を握る。渡邉ラインに続いた吉田拓矢(写真)は空いた3番手に入り、鈴木庸之が浅井康太をキメて続く。絶好位を手に入れた吉田は、車間を詰める勢いで最終2コーナー過ぎからまくって後続をちぎった。
 「(渡邉)一成さんが押さえていたので、その上を行こうかちょっと悩んだですけど。一成さんも思いのほか踏んでいったでマズいかなと思った。とっさの判断で浅井さんのところ入れたんで良かったと思います。あそこの位置が取れたのが勝因だと思います。今日は(バンクコンディションとしては)重いと思うんですけど、踏んだ感じ的に軽かったんで状態はいいのかなと思います。(初日の感触は)申し分ないかなと」
 鈴木は吉田のまくりに付け切れない。8番手からまくり追い込みの太田竜馬が2着に届いた。
 「(渡邉に)フタをされて意識をされてしまったんで、先行する形にはならなかった。伸びて良かったですね。もうああなってしまったら無理やり行ってもスピードが合うんで。行けるところはしっかり行って、落ち着くところは落ち着いてと。吉田さんは遠かったですね。でも、久しぶりに気持ち良くまくっていけたんで、感じはいいです」

11R

選手の写真です。
野原雅也選手
 新山響平が地元の諸橋愛を連れて先行策。3番手に飛び付いた野原雅也(写真)は、阿竹智史との併走になるも外にけん制して単独で好位を確保する。しかしながら、新山の掛かりも良く、野原はなかなか仕掛けられない。最終2センターで外に持ち出した野原が、直線半ばで前の2人をとらえて1着。
 「(周回中は)一番後ろはあんまり取りたくなかったんですけど、流れ的に後ろになった。とりあえず動いてって感じになりました。なんとかいい位置が取れたかなって。目の前に諸橋さんがいたんでドキドキしたし、新山君の掛かりもすごかった。それでなかなかタイミングが取れなくて仕掛けが遅くなったけど、1着が取れたんで良かった。1着を取れると思わなかったです。なんか結構伸びたなっていう感じです。あんまりいい感じはなかったけど、1着が取れているんでいいんだと思います」
 稲川翔が内に進路を取り、坂口晃輔は野原に吸い込まれるように2着に入った。
 「(野原が)いつ仕掛けるかなっていうのがあった。そしたら最後まできてたんで、もう稲川さんが踏んだ逆を行こうかなと。ギリギリまで待った感じです。内が詰まって、外が野原君が伸びていったんで良かったです。すごく恵まれました。初日は感じが良かったし、残りも楽しみです」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 赤板過ぎに新田祐大を押さえて出た深谷知広が先頭に立つ。南関ラインが出切り、単騎の古性優作が4番手に続く。5番手まで下げた新田と清水裕友が併走になり打鐘を迎える。平原康多は最後方。逃げる深谷の掛かりが良く、古性のまくりは郡司浩平(写真)を脅かすためには至らず。郡司が冷静に追い込んだ。
 「あの位置(周回中は後方)からでも深谷さんが攻めた結果が僕の1着かなと。深谷さんが積極的にいってくれたんで、(自分は番手で)あまり考えることはなかった。(初日は)寒くなって動きが重くなるかなと思ったけど、道中もいい意味でリラックスして走れた」
 まくった古性優作は、結果的にいったん和田健太郎のところに降りるような対処から外を踏んだ。
 「初手(の並び)が想定外でした。(南関勢を追走して)自分の後ろはどういう状況かはわからなかった。あとは自分の力を思い切り出し切ろうと。ちょっとコケそうになって危なかった。GIで戦うには物足りないけど、気持ちだけはしっかりと入れていきます」
 郡司とのワンツーならずも、和田健太郎も内をしぶとく踏んで3着に入った。
 「前の2人(深谷、郡司)の力ですね。(自分のデキは)いいとも言えないし、普通ですかね。(ここまでは練習も)それなりにできた」

6R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 4車ラインの山田英明が切った上を、稲垣裕之が押さえて先頭に立つ。山田が4番手に収まり、渡邉一成(写真)が8番手で車間を空けて打鐘を迎える。渡邉は3コーナー過ぎから巻き返すが、稲垣もペースを上げて逃げる。最終1センターで村上義弘に大きく振られた渡邉だったが、2コーナーからの山降ろしで前団をとらえる。永澤剛は付け切れず、渡邉が後続を振り切って1着。
 「初手のあのけん制の感じで、みんな僕のカマシを期待しているような雰囲気だった。それに僕もそれを望んでいた。(踏み出して)余力を残さないと後半タレちゃうんで、村上さんのけん制を余力を残しながらカマしにいきました。(最終)1センターは絶対に(ブロックが)来るところだし、そこを神田(紘輔)君の外で休みながらでした。そのあとは一緒に山を上って戻る勢いでっていう感じでした。毎開催そうですけど、ここで売り切れないように。うまくケアしていきたい」
 稲垣が先行策。再三にわたるけん制も渡邉は止まらず、村上義弘は最終2センターから渡邉を追いかけるように踏んで2着。
 「ヒデ(山田)がスピード良く切って、その流れを見ながら稲垣が思い切って前に出てくれた。ジャン過ぎには稲垣も腹をくくった感じだったので、あとは自分ができることをと。稲垣も年齢を重ねて厳しい戦いのなかで、思い切ってやってくれた。今日(2日目)は自分だけになってしまったけど、また一緒に勝ち上がれるように」

7R

選手の写真です。
菅田壱道選手
 赤板を前にして、中団に位置した島川将貴、後方待機の根田空史が互いに意識し合って車体を併せて上がってくる。先に前団を押さえて島川が先頭に立つが、根田も再度踏み上げて島川を襲う。打鐘前から踏み合った末、2センターで根田を振り切った島川が主導権を守って駆けていく。後方に下がった千葉勢は総崩れとなるも、中団確保の菅田壱道(写真)が最終2コーナーからスパート。小倉竜二のけん制を乗り越えた菅田は2センターでまくり切って先頭に。伏見俊昭、大森慶一も懸命に続いて北日本でワンツースリーが決まった。
 「スタートは誰も出ないと思ったので前で。想定通りの展開でしたね。島川君のやる気がすごくて展開が向いた。島川君が中団から出る場合は、(根田を)突っ張りだと決め打ちしていた。1周半の全力もがきだったので、みんな脚を使っていたけど、4番手を取った以上はしっかり3車のラインで決めたくて仕掛けた。(自分にとって)今年最後のGIでここに向けてやってきたので、準決勝に乗れて良かった。この気持ちを切らさずに2日間頑張る」
 菅田を止められなかった小倉の厳しいブロックで菅田と口が空いた伏見俊昭だったが、踏み直して直線勝負へ。内でモツれる小倉や鈴木裕らに踏み勝って2着を死守した。
 「けん制のあおりを2回もらった時に口が空いたけど、内が混戦で踏み勝って良かった。無我夢中でしたね。脚の感じは悪くないので、何とかの2着。昨日(初日)よりは、今日の方が良かった。上のレースを走るのは本当に久々なので平常心で走れれば」

8R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 新山響平が誘導を残したまま下げて、先頭に立った原田研太朗(写真)は赤板1コーナーから押さえに来た堀内俊介を突っ張る。7番手でタイミングを取った新山は2コーナー過ぎから一気に踏み込む。新山がカマシで出切るが、鈴木庸之は付き切れない。原田が番手に飛び付いて、内を進出した松谷秀幸が阿竹智史をさばいて3番手。原田は逃げる新山との車間を最終3コーナー過ぎから詰めて、新山を交わした。
 「堀内さんのところ(を突っ張って)脚を使って苦しかったけど、ジャンのところでは新山君が来てた。出切られて構えようと思ったら、(新山が)単騎だったんで必死でした。(最終)2コーナーくらいからは車間を空けて、自分の届く位置からと。体調不良もあったけど、徐々に戻ってきている」
 鈴木が離れて地元勢との連係が崩れた新山響平は、援護を失うも2着に逃げ残り準決に進んだ。
 「ワンテンポ見ちゃいました。そんなに遅くはないけど、もうワンテンポ早く行けたところがあったので、そこは気をつけたい。後ろに(鈴木が)いない最悪の場合、原田さんもいることも考えて踏んだ。けど、直線が長かった。昨日(初日)の方が乗ってる感じが良かった。セッティングですかね、サドルまわりが気になるので、そこをいじろうかと思います」

9R

選手の写真です。
清水裕友選手
 4分戦で、前受けから突っ張り気味に踏み上げた清水裕友(写真)を、渡邉雄太、三谷竜生、長島大介の順で叩いていって、長島が打鐘過ぎから先行態勢に入る。7番手に下がった清水は最終ホームで巻き返しに行きかけて止めてしまい、バックを踏めなかった小川真太郎が突っかけて外に浮く絶体絶命の態勢に。それでも3コーナーから踏み出していくと、直線では大外を強襲し、アタマまで届いた。
 「(スタートが)前は7番手になるっていうのがあったけど、けん制を付けてまでっていうのがあるので出たとこ勝負でした。長島さんが相当やる気だったし、緩んでいないところでいったので、7番手になってしまいましたけど。GIで7番手からロングまくりは無理でしたね。緩まなかったです。初日に負けたあとの二次予選は鬼門だと思っていたのでこれで流れが変われば」
 後続の反撃をギリギリまで引き付けた諸橋愛は、長島の余力を見極めて直線入り口からタテに踏んでいく。清水にはいかれたが、内をすくってきた大槻寛徳らには踏み負けることなく、しっかり2着を確保して準決進出を決めた。
 「昨日(初日)も緊張したが、(レース後に)覚悟が足りないと思い返していた。昨日は気持ちが浮いていましたね。今日は死ぬ気で挑もうと思っていた。長島が頑張ってくれたが、清水が強かった。打鐘前の2コーナーからフルスロットルでいってバックでタレ始めていたので、そこからスピードを上げるのは大変だった。あんなにいくとは思っていなかったですね。明日が勝負。決勝に乗るためにきているので」

10R

選手の写真です。
東口善朋選手
 打鐘で岩本俊介を叩いた山口拳矢は、そのままペースを落とすことなく風を切る。松浦悠士は、車間が空いた8番手に置かれて最終周回。6番手の雨谷一樹が最終2コーナーからまくる。逃げる山口後位の東口善朋(写真)は、雨谷をけん制しながら追い込んだ。
 「(山口は)まさか先行するとは思ってなかった。でも、切ってからのピッチが速かったんで、もう先行するんだなと。ジャンの3コーナーくらいはあんなに行くと思わなくて、口が空いてしまった。そのあとは岩本君、松浦君に対応しようと思ってたんですけど、もうちょっとうまくできたんじゃないかと」
 雨谷のまくりに乗って外を追い込んだ木暮安由が2着。
 「松浦君とからんでたのもあって、(打鐘は雨谷の)ダッシュにちょっと離れました。ただ、リカバリーができて車も伸びているんで、2着に入れました。最近は軽いんで、今回はおもしろいかなと思います。かみ合ってきました」

11R

選手の写真です。
山田庸平選手
 全開で踏み上げる谷口遼平を、深谷知広がねじ伏せて打鐘の2センターで主導権を奪う。しかしながら、中川誠一郎の反応も良く、最終1コーナーから反撃。深谷をスピードに違いでとらえて、山田庸平(写真)が続く。九州両者のゴール勝負は、番手の山田が中川を交わした。
 「(中川の)踏み出しが良かったんで、(出切れるところまで)行ってくれるんじゃないかと。あとは自分が付いていくだけでした。(出切ってからは)しっかりと前だけ見てました。今日(2日目)の方が気温も上がっていたので、バンクも体も軽く感じました」
 深谷が別線の抵抗で消耗したにしても、あっさりとのみ込んだ中川誠一郎の仕上がりが悪いはずはない。
 「谷口君が(深谷に抵抗して)頑張ってくれたおかげで、なんとかいけました。(佐藤)慎太郎さんは越えられるけど、深谷君が踏み直したら(出切れるか)どうかなっていう感じだった。なんとか2着に耐えました。悪くはないけど、ちょっと末が甘い感じがあります」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 前受けから郡司浩平を突っ張るように踏んだ吉田拓矢が、中近勢を出させて4番手をキープする。郡司は6番手で立て直し、単騎の新田祐大(写真)、太田竜馬が8、9番手でレースは流れる。野原雅也は打鐘の2センターからペースアップ。吉田が最終2コーナー手前からまくると古性優作も合わせて出る。後方に置かれていた新田は3コーナーからのまくり追い込みで豪快に前団をのみ込んだ。
 「しっかりと踏み込むことができた。外々を踏んでゴール前なんとか届いた。展開もあったけど、自分の力を感じることができた。これで準決に自信をもって臨むことができる」
 太田竜馬は終始、新田後位。ターゲットを絞り込んでワンチャンスにかけての2着。
 「新田さんの後ろにいるのが一番いいかなと。(新田の)踏み出しがすごくて、一瞬、口が空いた。レースのスピードが(最終)ホームで上がってキツくて、そこでも脚を使った。脚は回ってるんで悪くはない」
 吉田のまくりが古性に合わされて最終3コーナーに突入する。外併走から吉田の余力を計った平原康多が追い込むも、新田、太田に行かれて3着まで。
 「(吉田は)難しかったと思う。(古性が)番手から出るところでちょうど合ってしまった。(吉田)拓矢が止まったんで、あとはどこから仕掛けるかだった。自分は前が抜けているんで悪くないんじゃないかと」

1R

選手の写真です。
脇本勇希選手
 打鐘で神田龍を押さえた蕗澤鴻太郎が主導権。神田にフタをされていた脇本勇希(写真)は、立ち遅れて一本棒の7番手に置かれる。脇本は最終2コーナー手前からまくりを打つ。合わせてまくった神田は不発。逃げる蕗澤をとらえた脇本が、直線で抜け出して1着。2度目のGI出場で初勝利を遂げた。
 「(GIで1着を)取れると思わなかったですね。初日、2日目と、競輪の流れでレースができていなかったので、落ち着いてセオリー通りにいこうと。仕掛けが遅い気がしましたし、まくりはまだまだです。今日(3日目)は1着で良かったけど、満足せずにやっていきたい」
 最終バックから内に切り込んだ村上博幸は、萩原孝之と接触して4位入線も失格。神田が不発も、志智俊夫が追い込んで2着に入った。
 「(神田は)車間も空いていたので、踏み出しがキツそうでしたね。後ろの気配を感じて、かぶらないようにとは思っていたけど。脇本君が思った以上のスピードできていた。もっといい走りだったら、とか思うけど、周りが強い」

7R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 押さえて出た岩本俊介を、長島大介が打鐘の2センターで叩いて駆ける。後方の小川真太郎は、最終ホーム手前から巻き返すが早々に不発。小倉竜二は渡邉雄太をすくって進出する。岩本は4番手から車間を詰めていっぱい。番手の佐藤慎太郎(写真)が、直線で余裕をもって抜け出した。
 「(長島が仕掛けた)あそこは(岩本が)踏んでいるところだったけど、行ってくれていい先行でしたね。バックが向かい風で長島君は脚力ロスもあったと思う。(前回落車の影響は)知らないところで、多少あるのかもしれない」
 直線で小倉にからまれながらも、永澤剛が流れ込んで2着をキープした。
 「打鐘のところはキツかった。離れそうになりました。昨日(2日目)も離れていますからね。状態とかよりも、自分の脚力不足だと思います」

8R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 赤板1センター過ぎに先頭に立った三谷竜生は、7番手から巻き返した深谷知広に合わせてペースを上げる。しかしながら、深谷のスピードが断然。南関3車で出切り、三谷が中団で立て直して最終ホームを迎える。まくり返した三谷は、小原太樹の横まで。番手で脚をためた鈴木裕(写真)が、チャンスをモノにした。
 「(深谷が)気をつかって駆けてくれて、全部やってくれた。いいスピードだったし、飛び付かれたとしても1回、先に降りればと思ってた。自分には全然仕事をさせてくれなかった(笑)。ただ、距離が長かったぶん、(深谷は最終)4コーナーから踏み上がっていかなかった。もうちょっと遅めでも良かったけど、駆けてるのが深谷君なんでそんな余裕はなかったです」
 南関ライン3番手の小原太樹は、まくった三谷との併走をこらえて2着に伸びた。
 「(深谷は)ラインで仲間ですけど、力の違いを感じました。(深谷が仕掛けて)自分が敵だったら、あそこ(自分のところ)狙うのでしっかりと思ってた。自分のせいでラインに迷惑を掛けないようにと。日に日に良くなっている感覚はあります」

10R

選手の写真です。
菅田壱道選手
 赤板の2コーナーで清水裕友を押さえた吉田拓矢が先行態勢を取る。前受けの新田祐大は、8番手まで下げて一本棒で打鐘。吉田がペースを落とすと、反撃のタイミングをうかがっていた新田が4コーナーからフルアクセル。スピードに乗せた新田が、外めを踏んで最終バック手前で出切る。まくり切った新田に菅田壱道(写真)が続き、直線は北日本両者の勝負。菅田が新田を差し切って1着。
 「ジャン過ぎのあたりで新田先輩が(仕掛けて)行きそうな雰囲気があった。自分は離れないようにと。あおりもあったけど、なんとか追走ができて良かった。出切ってからは(新田と)ワンツーができると思った。でも、新田先輩だけでもなんとかっていう思いもあったんで、仕事はしようと。昨日(2日目)は仕掛けて、今日は番手でしっかりとできたんで気持ちも乗っている。自分には競輪祭(の出場権)がないので、(今年)最後のGIで気持ちをつくってきた」
 吉田のスピードが上がらないと見るや、新田祐大は打鐘の4コーナーからちゅうちょすることなく仕掛ける。強烈なダッシュで前団をのみ込んだ。
 「レースの通りでした。あとは清水君、木暮(安由)さんのけん制が重なって予想以上の動きにはなったけど、基本的には予想通りの感じでした。今回はグランドスラムを獲りにきているので、その目標を達成できるように。僕自身、王手をかけられて良かった」
 ペースを握った吉田拓矢は、新田のカマシ、まくりを計算に入れながら踏み上げる。結果的には北日本コンビに行かれたものの、3着に粘り込んだ。
 「僕が先行態勢に入って、あとは新田さんが来るかどうかでした。だから、ガムシャラに踏まないで力まずにできた結果かなと。(新田に)行かれても最後まで踏むことができた。余力もあるんで状態はいいと思います。決勝に乗れたんで、優勝を目指して頑張ります」

11R

選手の写真です。
新山響平選手
 赤板過ぎに郡司浩平が切って出ると、新山響平(写真)はいったん5番手に入り後方の中川誠一郎を警戒しながら打鐘から踏み上げる。北日本勢の主導権。続いた単騎の雨谷一樹が追い上げるが、番手は大槻寛徳がキープする。打鐘の4コーナーから仕掛けていた中川は、ペースアップした新山に合わされて力尽きる。最終3コーナーからまくり追い込んだ古性優作だが一息。軽快に逃げる新山が二の足で後続を振り切った。
 「(最終)バックで横に車輪が見えたので、死ぬ気で踏みました。自分でも落ち着いて走れたのがわかる。この落ち着きで明日(決勝)も走りたい。体も気持ちも前々に動けているので問題ないです。今回は(決勝を)目標にしてきたのでひとつクリアです」
 流れ込んだ大槻寛徳が2着に入り、15年以来、2度目のGI決勝のキップを手に入れた。
 「俺らの後ろには郡司君か、古性君が必ずいるので、長い距離を踏まないようにと。理想の展開になりましたね。郡司君か古性君が後ろにいたらしゃくられちゃうけど、新山が掛かっていたので、自分は仕事の必要もなかった。勝ち上がっているからじゃないけど、日に日に良くなっていますね」
 不発の中川が後退すると山田庸平が、雨谷との併走から外を踏んで3着。
 「(中川に)しっかりと付いていくことだけを考えていた。深く考えずに、体が動くままにでした。早めに仕掛けてもらって、内も空けてもらってコースができた。あとは中川さんの気持ちと、頑張りをムダにしないようにと。自分が力不足で前を走れない悔しさもあります。日に日に体は軽くなってきました」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 3車の近畿勢が先頭に出て、平原康多(写真)は4番手。赤板2コーナーから加速した渡邉一成に伏見俊昭は付いていけない。主導権を奪った渡邉後位には合わせて踏んだ平原が入り、諸橋愛が野原雅也をキメて続く。最終ホームから反撃に出た太田竜馬のスピードもいいが、平原が番手から出る。3コーナー過ぎに平原は太田を外に振って、太田は後退。平原が押し切った。
 「(渡邉の仕掛けは)想定外でしたけど、自分が踏むべきところで思い切って踏んだら、あの位置(渡邉の番手)になった。番手だったけど、(自分が仕掛けて)行くって決めてた。行ったら太田君がもう横にいた感じだった。諸橋さんを後ろに付けて、メインの番組ですごく緊張感がありました。自分はだいぶ体調も戻ってきて、自分の本来の動きができてきてる」
 平原の動きにきっちりと対応した諸橋愛は、地元の舞台で14回目となるGIファイナルに進んだ。
 「(平原は)最後はいい位置を取って、まくってくれたんで言うことはない。臨機応変に動けるのが(平原)康多の強み。どんな展開でも勝ちにいける王者の走りだったかなと。(地元のGIで決勝に勝ち上がり)報われた瞬間かなと思いました。やっと地元の責任(を果たして)とこれでやっとスタート台に上がれたかなと」
 諸橋にキメられた野原雅也は、村上義弘のアシストで最終ホームで4番手で立て直す。平原のけん制で太田、松浦悠士が大きく外に膨れて、懸命に踏んだ野原が3着。初めてGIファイナル進出を決めた。
 「(GIの決勝に)初めて乗れたのはすごくうれしい。ただ、組み立てとか終始の動きとかは、そんなに良くなかった。村上さんにも何回も迎え入れてもらって、後ろには申し訳ないレースだった。内容としては反省点が多かった。決勝に乗れているのはいいけど、感覚的にはそんなに良くないですかね」