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やひこ競輪

YAHIKO KEIRIN

21#

検車場レポート

  • 7/28 Fri.  (前検日)
  • 7/29 Sat.  (1日目)
  • 7/30 Sun.  (2日目)
  • 7/31 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
清水裕友選手

 前回の向日町FIでは2勝をマークした清水裕友(写真)だったが、初日はまさかのシンガリ惨敗。中1週間での今シリーズの一次予選に気持ちを集中させる。


 「疲れは大丈夫ですよ。ただ、練習をしていても暑いから、あんまり暑い時間にはやらないようにしている。バテちゃいますから。向日町が終わってから次の日から(取鳥)雄吾、渡邉雄太、吉田(拓矢)、堀内(俊介)さん、山岸(佳太)さんとかと集まって、競輪学校で2泊3日で(合宿を)やった。みんな強いんで刺激になりました。僕は全然体力がないっていうのを感じたし、ついていくのが精いっぱいだった。でも、いい緊張感で練習ができた」


 3場所前の地元、久留米記念では白星スタートも二次予選で敗退の西田大志。それからFIを2場所経て、記念の今シリーズにモチベーションを高める。


 「地元の記念はいい経験になった。やっぱり強くなるしかない。課題もいろいろ見つかったし、刺激になりました。(前々回の)函館は決勝に乗れなかったけど、自分のなかでは動けていた。そのぶん、次の平塚は疲れていました。(中4日で)詰まっているけど、やっぱり記念なんで、記念を意識してやってきました」

2R

 今期S級の舞台を初めて踏んだ岸川哲也は、3場所目のここで初めの記念を迎える。


 「自分がいっぱい、いっぱいなんで、まだ(S級が)どうとかわからないですね。振り返ってっていうのはあるけど、競走中はまだそんな感じです。A級だと(仕掛けのポイントを逃しても)取り戻せるけど、S級だと難しいですね。A級の時も最初はそうだったんで、2、3カ月はかかると思うんでしっかりやっていきたい。初めての記念なんで、いい意味で楽しみたい」


 埼京3車で結束。一戸康宏の番手を回る岡光良が、例によって淡々としたもの。


 「(一戸とは)そんなにたくさん連係はないけど、あることはありますよ。前回の最終日は車体故障、後輪が壊れてしまったけど、転ばなかった。それからは空いてたんで、普通に練習ができました」

3R

選手の写真です。
竹内翼選手

 前回の広島FIは692着と一息だった城幸弘は、地元地区の記念だけに上積み必至でこうアピールする。


 「練習はだいぶできたし、(前回よりは)全然いいと思います。計画通り練習ができたというか、(調子が)上向いていくようにやってきたつもりです。あとはノリさん(藤原憲征)とうまく決まるように」


 別線の包囲網に悩まされながらも、竹内翼(写真)が課題と向き合ってステップアップに励んでいる。


 「(前々回の)久留米から自転車を換えて、先行した感じも良かった。セッティングに関してもいい位置に座っているかなっていうのがある。(前回の大宮では)しっかり駆けられているんで、そのイメージでいけたらいいと思う。前に出て先行態勢に入れたら大丈夫かなっていうのはある。(レースでの)駆け引きがあるけど、まずは(先頭に)出てから考えようっていうのがある。(弥彦は)初めてですけど、僕は直線が長い方が好きですね」

4R

 前回のサマーナイトフェスティバルは678着もショックはない河村雅章が、自力での戦いで悪い流れを断ち切りたい。


 「サマーナイトは3日間、人の後ろを回って、後ろに置かれたんでしょうがないですね。成績が悪いけど、(調子は)悪くないと思います。練習の感じも悪くないし、あとは流れですね。そこがギクシャクしてるんで、明日はしっかりと自分で」


 愛敬博之は前回の岐阜FIを222着。上々の成績も番手での課題をあげて、技術向上に余念がない。


 「(番手での立ち回りは)一戦、一戦、勉強ですね。自分のなかでは完ぺきを求めているんで、そう考えるとまだまだです。前回の初日にしても、先行選手を残したいと思って、3番手から食われてしまった。毎回、毎回、反省はありますよ」

5R

 1年半ぶりにS級に返り咲いた荒井春樹は、今期2場所目の地元地区の記念で“自在”の戦いを強調する。


 「もう自在になんでもです。やっぱり先行じゃ勝てない。とにかくS級の点数をしっかりと取れるように。練習はちゃんとやってきたし、自分のなかでは良くなってきたと思います」


 小林信晴はタッグを組む川口聖二に全幅の信頼を寄せる。


 「(川口とは)何回も連係があるし、相性もいいと思います。(川口)聖二の調子がいいんで自分が迷惑を掛けないようにです。いままでは3番手が多かったし、番手を回らせてもらえるようになったのは最近です。明日ですか? 自分が仕事する前にゴールしている気がします(笑)。それだけ聖二は強い。だから、しっかり付いていきたい」

6R

 中井太祐は連続Vで臨んだ前回の地元、奈良のFIシリーズ。勢いを加速させるべく意気込んだが、2日目に落車に見舞われた。


 「前回は打撲と擦過傷ですけど、時間があったんで大丈夫です。(地元で)結果を出したかったんですけど…。怪我を治してから時間もあったんで、練習の感じからは問題ない。ただ、まだいろいろ課題もあるし、良かったり、悪かったりですね」


 新田康仁は4月の高知記念で落車を喫して鎖骨骨折を負った。さらに復帰場所となった5月豊橋FIの初日でも落車のアクシデント。およそ2カ月ぶりの実戦を迎える。


 「高知で鎖骨を折って手術をした。そしたら豊橋の前に感染症になって、豊橋のあともそれが再発した。豊橋の落車はなんともなかったけど、それで長引いた。練習はボチボチ、やれる範囲でやってきました」

7R

選手の写真です。
堀内俊介選手

 サマーナイトフェスティバル785着。単騎の初日で先行策を披露するなど、堀内俊介(写真)は成績以上に手応えを感じている。


 「サマーナイトの初日は自分なりに掛かっている感じがしたし、調子は良かったと思う。それからは21日から23日まで(吉田拓、取鳥雄らと)練習をして、自分のパワー不足を感じた。重いギアでやったりして、どういう風に強化すればいいのかっていうのもわかった。重いギアを踏めれば、(4倍未満のギアの)競走でも余裕が出てくると思うしウエートトレーニングをやるよりもいい感じがした」


 堀内との連係のメンバーに満足そうな川崎健次が、気合を入れる。


 「(前回の岐阜FIの最終日の落車は)擦過傷と打撲ですけど、そこから1週間あったから大丈夫だった。1週間あったんで助かりました。あとは堀内君に頑張って食らいついていけるように。相手も強いんで油断はできないです」

8R

 前々回の富山記念を65着で途中欠場となった戸田康平だが、前回の高松FIで2勝を挙げて回復気配。


 「(富山は)疲れがあったのか、体に力が全然入らなかった。それからしたら、高松は全然違った。良かったですね。練習の感じからもだいぶ戻っていると思うんで大丈夫だと」


 濱口高彰は防府FI、奈良FIと2場所連続での落車も弱音を吐くことなく、いつもの顔で笑みを浮かべる。


 「(落車は)大丈夫ですよ、そんなに酷くなかったんで。万全の人なんていないだろうし、自分も休養しながらやってきました。岡本(総)君とは初めてです」

9R

選手の写真です。
山岸佳太選手

 前回の武雄FIでは2日目から3.92のギアを投入した山岸佳太(写真)は、今シリーズで初日から3.92のギアを使用。思惑をこう明解する。


 「弥彦は夏場で軽いし、師匠(堀政美)と話して、今回は初日から3.92のギアで走ります。前回も内容としては悪くなったけど、課題がいっぱいある。やっぱり(最終回の)2コーナーから2センターにかけての踏み上がりです。準決で新山(響平)君とだったんですけど、芦澤(辰弘)さんが失格するくらいまでもっていってくれてってなってしまった。もっと自分が踏み上がっていればっていうのがあった。調子は悪くないんで強気にいきたいです」


 日野博幸は前回の大宮FIを942着。体調を崩した函館が尾を引いていたようで、今回は体調アップの様子。


 「(前々回の)函館で扁桃腺が腫れて、それを大宮でも引きずっていた。もう体調はバッチリだし、大宮より全然いいのかと思います」

10R

選手の写真です。
成田和也選手

 高地でのトレーニングを取り入れた稲垣裕之が、オールスターを見据えながらも全力投球を約束する。


 「宮杯が終わってからは次のオールスターに向けてのスパンでやってきました。弥彦まではキツめに練習した。支部の合宿で今回初めて高地トレーニングやった。良かったですよ、普段じゃ味わえない刺激が入った。それに若手ともやって、初心に戻ってしんどい練習ができた。まだまだ体は変わっていけると信じてます。今回もしっかり力を出したい」


 前回の高松FIを欠場も、成田和也(写真)は心配はなさそうだ。


 「競走が詰まっていたのもありますね。普段通りに練習はできたし、しっかりやれた。ここもあるし、次(地元のオールスター)もあるんで。明日は(坂本)貴史とですね、のんびりしていたらキツくなりそうなメンバーだからしっかりと」


 今期1班に上がった取鳥雄吾は、記念での特選スタートにも気負うことはない。


 「(調子は)いつも通りだし、特選だからといって、自分はやることは一緒ですから。相手がすごい強いんで精いっぱいですね。みんなとの合宿は楽しかったし、やっぱり刺激になりました」

11R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 悲願の地元記念制覇へ、諸橋愛の熱い夏が始まる。


 「(平原)康多が欠場でいなくなっちゃったから。明日は吉田君とですね、車番もいいし。僕は思い通りに(仕上げて)やってこられました。違うことをやろうかなと思ったら、(ちょうどタイミング良く)雨が降ったりした。それなりに準備できたんで、あとはそれを出すだけ」


 地元の諸橋とのタッグの吉田拓矢(写真)は、昨年の記念で落車に見舞われオールスターを棒に振った。


 「去年はここ落車してオールスターに出られなかった。今回はそんなことないように頑張ります。ケアもしっかりできたし、練習の感じも良かった。オールスターはオリオン賞に選ばれたんで、頑張りたい。ここでいい走りができれば、(オールスターに)自信を持っていけると思う」


 前々回のサマーナイトフェスティバルの初日は、鮮烈な逃げ切りを披露した根田空史。しかしながら、前回の平塚FIは729着といまひとつだった。


 「(サマーナイトフェスティバルの初日は)自分でもビックリするくらいだった。ただ、平塚は疲れが出てたのか、キツかった。それに展開というか流れも良くなかった。練習は休みなくやったし、いまのところ夏バテもない」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 今年まだ優勝のない浅井康太(写真)だが、いつも通りの顔つきで報道陣の問いに答える。


 「練習は軽くやってきました。ここは渡邉君もいるし、松川君は中団を狙ってくるだろうし。どういうレースになるかですね。(竹内)雄作が一気に出切ってくれれば、自分はしっかり仕事をするだけです」


 高松118着、大宮212着。近況のFIシリーズを竹内雄作が振り返り、こう口を開く。


 「まだまだですね、成績もそうだし、自分の感覚も。脚の感じは悪くないけど、それがレースにつながってくれないと。(先行できない時の組み立てが)一番難しい、そこなんですけど…。バリエーションが増えてくれれば、勝てるパターンも多くなってくると思う」


 地元の鈴木庸之は、ゆとりのローテで仕上がりも上々。


 「(前回から)3週間以上あったし、仕上がりはいいです。なんとかなると思うし、勝てるように頑張ります。神山君とは1、2回連係があると思う。一緒のレースには結構なるんですけどね」

1R

選手の写真です。
三ツ石康洋選手

 早めに動き出した會澤龍が赤板で先頭に立つがペースは上がらず、その上を押さえた清水裕友が打鐘手前で主導権。野口大誠の巻き返しは中団まで。慌てずにピッチを上げた清水に再度、野口がまくりで襲い掛かるが不発。最後は番手の三ツ石康洋(写真)が半車輪きっちり交わして1着。


 「僕らからしたら長い距離だけど、清水にしたら楽に踏めて力を出させてくれる展開だった。清水がいろいろ考えてくれた。力を出し切れるようにって、それで出し切りましたね。清水は強いわ。普通の(400バンクで直線が)短いところだったら抜けてない、いっぱいです」


 野口、會澤との105期の同期対決を制した清水裕友が、ラインでの上位独占に汗をぬぐい一息つく。


 「會澤さんが早く来たんでフタをされたら嫌だったけど、フタをされなかった。あとは(野口)大誠さんが来るところを出させるのか、出させないのか。そしたら(野口は)そんなに来る感じじゃなかった。楽な展開というか理想の展開でしたね。バックで誰かまくりに来ても、合わせられるんじゃないかっていう感じだった。全体的に流れていると思います」


 

2R

 積極的な岸川哲也と一戸康宏で赤板前から互い警戒し合う。中団の岸川が赤板で先に前を切ると、一戸も打鐘めがけてカマしていき両者で踏み合いに。しかし、一戸が最終ホームを取って主導権を握った。そこへ服部克久のまくりが襲いかかる。服部はホームからスパートすると、中村圭志をちぎってあっという間に前団を飲み込み、後続を大きく引き離してゴールした。


 「ちょっと中途半端になってしまいましたね。引くなら引くで早く態勢を整えないと。たぶん(中村)圭志がバック踏んだときに仕掛ける感じになったんで、離れてしまったと思う。今日はアップ中から軽かったし感じも良かったので。ちょっとずつ点数も戻していかないと」


 佐藤真一と伊代野貴照で2着を分け合った。佐藤は一戸ラインの3番手から、岡光良の内を突いて差し脚を伸ばした。


 「4コーナーからは勝負なので。岡君ももっと車間を空けたりしないとね。自分は最後にスピードが落ちたけど2着なので悪くない」


 伊代野貴照は後方に置かれたが、最終バックで内をスルスルと抜けると、直線で鋭く伸びた。


 「イチかバチか突っ込むしかなかったので。あそこでじっとしていてもね。空いてるところをなんとか突っ込めた。でも、今回は一喜一憂しないように気を引き締めていきます」


 

3R

選手の写真です。
安部貴之選手

 赤板手前から4番手の城幸弘に併せ込んでフタをした竹内翼が、再び2コーナーから踏み込んで先行策。前受けの安部貴之(写真)は、竹内のスピードを見極めて番手で粘る。踏み出し勝負で番手を奪取した安部が、最終2コーナーから敢然と番手まくりで白星をもぎ取った。


 「竹内君ならもうちょっとダンって行くのかなと思った。そしたら中団って考えてたんですけど、あれじゃ城君と併走になるから(番手で)粘った。あとは(阿部)力也のところがからまれてもと思って、早めに行けるなら(番手から)行こうと。どんな形であれ、1着だし。力也と一緒(のワンツー)で言うことない。久々の1着だからよかった」


 「自分にできることがあればと思ったけど、なにもやることがなかった。付いてくだけだった」と、2着の阿部力也は同県の先輩に感謝しきり。


 「(前回の武雄で)腰を痛めたけど、今日は(脚が)軽かったし感じはいい。心配したけど、なんとか戦えるようになった」


 安部のイン粘りが想定外だった竹内翼は、逃げて4着に踏ん張っての二次予選進出も反省しきり。


 「城さんだけフタをしておけば、すんなり駆けられると思った。(安部は)すんなり4番手と思った。そのあとも番手から行かれるにしても、簡単に行かれ過ぎ。(ラインの)後ろの人にも申し訳ないし、二次予選に進めただけで、なにもしていないのと一緒です…」


 

4R

 赤板前からレースが動き、河村雅章、三上佳孝の順番で押さえて誘導の後ろが入れ替わると、打鐘で西村光太が叩いて先頭に躍り出た。すると、河村がすぐに反撃を開始。2センターからカマして最終主導権を握ると、西村は遅れてきた小林潤二を飛ばして3番手を確保した。河村が懸命に逃げるなか、西村は余裕を持って追走すると、2センターからまくり気味に追い込んで勝利した。


 「今日はセオリー通りのレースでした。全員同じような脚質だし、先頭に立ってから誰もこなければ1周くらいは駆ける気持ちでいた。いかに脚を使わずにいい位置を取れるかが大事なので。でも、今日は初日を勝ち上がるための、最低限のレースになってしまった。もう1個上のレベルで戦うためにも、明日はもっといいレースをしたい。(中2日で)脚が重い感じが気になった」


 河村雅章は西村には屈したものの、粘りを発揮して2着に踏み止まる。


 「(西村が)待っている感じがあったので仕掛けました。久々に長い距離を踏んでキツかったし、出し切りました。今日はメンバー的にも先行した方がいいと思っていたし、すかさず巻き返すことができたので、体の状態は良いと思います」


 須賀和彦は前を交わせず3着。河村の強さに舌を巻く。


 「(河村が)点数を落としていたので、(競走得点が)100点くらいのつもりで付いていったら、105点くらいの脚で強かった」


 

5R

 伊藤勝太が後ろ攻めから押さえて誘導の後ろが入れ替わると、下げた川口聖二と荒井春樹で中団を取り合う展開に。互いに固執する一方で、打鐘で誘導が退避して伊藤が主導権を握った。伊藤がペースを上げていくなか、川口が最終ホームで外の荒井を強引に退かして出ていくと、有坂直樹のブロックを乗り越えひとまくり。


 「切った上をドカンといく作戦だったけど、フタをされてしまったので。もうどかすしかないと思って。ラインで決められなくて申し訳なかったけど、中2日でも疲れは残っていない感じで戦えそうですね」


 小林信晴は吉田勇人に阻まれ川口を追走できず。逃げた伊藤勝太が2着に粘り込む。


 「とりあえず押さえてからと思って。徐々にペースを上げておけば、どうせ来るのは川口君だけだと思っていたので。でも、自分の脚的に(踏む距離が)長すぎました。もういっぱいですよ」


 3着は吉田勇人が入る。ホームで内の小林をキメると川口の番手にスイッチ。結果は追い切れずも、諦めずに踏んで二次予選行き。


 「荒井君は中途半端でしたね。迷わず伊藤君を叩いていれば良かったのに…。飛び付く作戦だったのに失敗ですよね。自分はなんとか切り替えて突っ込めたし、悪くはないと思う」 


 

6R

選手の写真です。
新田康仁選手

 打鐘手前で出た巴直也が、先行態勢を取る。巴がペースを上げていったん中団で小休止の中井太祐は、最終ホームで外併走から再度反撃。新田康仁のブロックで中井が不発になると、自力に転じた伊藤信がまくりで前団をのみ込んだ。


 「(中井が)いっぱいになってた感じの展開だったんで、出切るのは厳しいかなっていうのはあった。それで半分は(不発の時の)用意はしていた。難しいですよね、早すぎてもダメだし。結構、ああいう失敗も多いから。(まくりが)そんなに出た感じはないけど、悪くはないと思います。(中井の)後ろで脚を溜められたんで」


 中井を不発に追いやった新田康仁(写真)は、伊藤のまくりを張りながら自らもまくって出て2着。およそ2カ月ぶりの実戦で、ブランクを感じさせない立ち回りを見せた。


 「(中井をブロックした時)いい感じで(中井の)車輪がバリバリっていったんで、(失格ではなくて)良かったです。久しぶりに走ったけど、競輪は楽しいですね。(レース勘みたいなものは)23年間やっているから、経験値で問題ない。あとは勝ち上がってもっと上(のレース)で、緊張感のあるなかで走りたい」


 

7R

 後ろ攻めの小林史也が中団の堀内俊介を警戒しながら前を押さえると、野田源一は車を下げていく。打鐘が入り、野田が中団に収まると、堀内は無理をせず7番手に構えた。小林がペースを上げて逃げていくなか、掘内も最終ホームから早めに反撃を開始。堀内俊介はグングンと前団に迫ると、神田のブロックをものともせず最終バックを制した。最後も力強く、後続を振り切って1着。


 「小林さんのスピードが上がっていなかったので仕掛けたけど、タイミングが良くないところで行ってしまった。まくりの方が得意だけど、最近はやっていなかったので不安もありました。本当は打鐘前に仕掛けたかったけど出足が重くて…。道中はスピードが出ていたし、しっかりと踏み切れました。調子は尻上がりだし、ゴール前の踏み直しを修正したい」


 神田紘輔が2着。目標の小林がまくられたが、3番手の白岩大助を飛ばすと、ゴール寸前で前の川崎健次を交わした。


 「今日は(堀内を相手に)まくりに構えると無理だと思ってました。(小林が)もっと踏んでいればと思ったけど、堀内君の巻き返しは早かった。自分の仕事がもう少しできれば良かったけど…。自分の状態はそこまで良くはないです」


 川崎健次は神奈川ワンツーを逃し、レース後は反省の弁。


 「堀内君は強かった。あとからドンドン掛かっていくし、スピードも良くてもう誰もこないと思い油断をしてしまった。前回の最終日の落車の影響は少しあるが、走るぶんには大丈夫」


 

8R

選手の写真です。
小菅誠選手

 後ろ攻めの岡本聡が赤板から動いて前を押さえると、戸田康平が打鐘で叩いて主導権を握った。岡本は中団に収まり、藤田大輔は7番手に置かれる。戸田はピッチを上げて逃げていくなか、岡本がバックからスパートし、さらに後方から藤田が迫って各ラインで力勝負に。ゴール前は横一線となったが、大外を踏んだ南関勢に軍配。番手の小菅誠(写真)がわずかに交わして1着を手にした。


 「今回はレース間隔が空いていたので、しっかり練習もできていたので。でも、(1着が)久々過ぎて自分でもびっくりですね。展開は良くなかったけど、藤田君のスピードが良かったので」


 藤田大輔は7番手から力強くまくったが、組み立てを誤り反省しきり。


 「調子が良かったので、本当は先行したかったから前だけは嫌だった。でも、とりあえず岡本君のラインは突っ張らないとダメですよね。失敗しました。結果的に前が先に行ってくれたから届いたけど、内容は良くない」


 岡本聡は4着で二次予選行きも、本線を負かして自信を深める。


 「藤田さんに突っ張られそうになったけど、自分がしたいレースはできたし、展開も良かった。(まくりで)乗り越えられたけど、最後は内に来られそうで怖かった。でも、勝ち上がれてよかったです」


 

9R

 前受けを強いられた人気の山岸佳太だったが、赤板手前で日野博幸を突っ張って臆することなく2周先行。猪俣康一と日野の中団のもつれをしり目にレースを支配して、二の足で後続を振り切る完勝劇を見せた。


 「(普段は)前を取ってるメンバーだったんで、(別線がスタートで)出るっていう予想だった。最悪、前でっていう感じだった。(日野が押さえに来た)あの順番だと…。2周半で来るならすぐに引いて、2周で(巻き返して)行けるところからで良かったけど。(あのタイミングで来たら)ナメられちゃいけないんで、前を取ったらすぐに引くって。掛かりはどうかわからないけど、踏んだ感じは悪くないです」


 「俺が仕事をするまでもなかった」と、振り返った金子真也。最終バックで猪俣のまくりを止めて2着に流れ込んだ。


 「あんなに長くモガかせて、(山岸には)申し訳なかった。それに川村(昭弘)君は俺が結構、蛇行していたからキツかったと思う。だから、4着でも勝ち上がれて良かったですよ。山岸が強かった、そのひと言です」


 4番手奪取の猪俣が最終1センターからまくる。猪俣は不発も加藤慎平が外を踏んで3着に入った。


 「猪俣さんは7番手になるようなところを内に勝負しに行ってくれたし、そのあとも無理やり(まくりに)行ってくれた。年上の自力型なのにありがたい。今日は自分も踏んで伸びる感じがあった」


 

10R

選手の写真です。
木暮安由選手

 赤板過ぎに出た取鳥雄吾を坂本貴史、横山尚則の順で押さえて、関東勢が主導権。先行の腹を固めた横山の番手で木暮安由(写真)は、真後ろからまくって来た坂本を絶妙なけん制で不発にして早めの追い込みで勝ち切った。


 「今日は横山君がいい競走をしてくれたおかげですね。(前検日からオーバーワーク気味で)体は重い感じがするけど、(坂本のまくりに)反応はできているし、張りながら出ていけたので大丈夫だと思います。日に日に軽くなると思いますよ」


 成田和也は坂本のまくりが木暮に弾かれると、木暮後位にスイッチするように追い込んで2着。


 「坂本君がレースを動かしてくれた。(先行している横山の)番手が木暮君なのに、坂本君が頑張ってくれた。2着だから脚の感じは悪くないと思うし、稲垣さんが来たのも見えてました」


 5番手のポジションになった稲垣裕之は、7番手の取鳥のまくりに合わせて外に持ち出して前の2人に迫るも3着まで。


 「思ったよりも横山君の巻き返しが早かった。(最終)1コーナーで仕掛けることをちゅうちょしてしまった。あとは位置を取ってから仕掛けようと思った。合宿の疲れで体に多少だるさが残っているが、車は出ているので日に日に良くなってくれれば」


 

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 根田空史に踏まされながらも打鐘で主導権を奪った山本伸一がペースを落としたところで、吉田拓矢は仕掛けられない。ワンテンポ遅れて吉田が仕掛けると諸橋愛との呼吸が合わず連結が外れたが、吉田がロングまくりで押し切った。


 「立て直すのが遅れて後ろに迷惑を掛けてしまった。(打鐘で)山本さんが一緒に出ていく展開になると、面倒くさいと思ってたけど。結果、山本さんが行くようにレースを動かせたんで。道中は回せたんで良かったけど、出切っていっぱいでした。1着を取れていなかったので、うれしいですね」


 吉田を止められなかった椎木尾拓哉は、山本の余力を計りながら追い込んで2着。


 「山本さんを入れたところまでは落ち着いていたし、余裕もあった。けど、後ろに諸橋さんがいるのがわかったし、突っ込んでくると思ってました。でも山本さんもいたし、判断が難しかったですね」


 吉田に付け切れなかった諸橋愛(写真)だったが、新井秀明をキメて椎木尾後位を奪取。苦肉のリカバーで3着に入った。


 「(吉田が)ジャンで行くと思ってたんで、自分は完全にバックを踏んだ。(最終)ホームでもあれを付いていっても、(吉田が)行き切れないかなと。それで内を見てしまった…、しょうがない」


 

12R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 渡邉雄太(写真)の上昇に竹内雄作は3番手まで引いて、鈴木庸之と併走。中団のもつれを確認しながら、渡邉は打鐘めがけてペースを上げて逃げる。外の鈴木が遅れて竹内が3番手を奪取。竹内が3コーナー過ぎに仕掛けると、浅井康太は鈴木とからんで付いていけない。竹内が叩き切るも番手に渡邉が入る。渡邉は竹内との空いた車間を落ち着いて詰めながら、早めの追い込みで抜け出した。


 「(番手に入ってからは)ゆっくり落ち着いてできた。浅井さんが来てるかどうかだったんで、そのタイミングで行きました。(竹内に)踏み直されたんで、そこは焦りました。(ここに来る前の若手での合宿が)めちゃくちゃキツかったんで、(結果が出て)良かったです」


 2車でも積極策を取った渡邉が結果的に恵まれて、流れ込んだ中村浩士はこう振り返る。


 「(渡邉は)チャレンジャーなので、早めに押さえて(別線を)出させないように。そういことが自分たちのラインの役目だと。(渡邉が番手にはまる展開は)予想外だったけど、ああいうレースをすることによってあの形が生まれたんだと思う。(浅井が)追い上げて来るかと思ったんですけど、竹内君が掛かっていた」


 鈴木との位置取り争いを制した竹内雄作は、たまたまを強調するも淡泊な負けパターンからの脱却へまたひとつ階段を上った。


 「たまたまうまくノブさん(鈴木)に引っかかった。たまたまですけど、ああやって実戦でやっていくしかない。(3番手を取って)踏んだ時に一気に詰まったんで、バックを踏んで相手のペースに酔わされるよりはと思って。それで自分のタイミングで行かせてもらった。後ろには迷惑を掛けましたね。あれなら残らないといけないけど、末脚がなかった。とりあえず必死だったし、後ろがどうなっているかは…」


 

6R

選手の写真です。
根田空史選手

 前受けの根田空史が、赤板で一戸康宏を突っ張ってそのまま先行態勢。4番手にいた清水裕友は、打鐘の3コーナーから反撃に出る。根田が合わせてペースを上げると、外に振った内藤秀久が踏み遅れて清水が番手に入る。ひと呼吸入れた清水が最終2コーナー手前から番手まくりを打って、根田との踏み合いを制し区切りの通算100勝を達成した。


 「中団の4番手だったけど、根田さんが駆けてまくれるかなっていうのがあった。それだったら1回動いた方が、あのまま中団にいるより悔いはないと思った。(100勝は)うれしいですね。直線が長いバンクは好きなんで、(弥彦は)気持ち良く走れてます。動けているんで、(準決に向けて)しっかりケアします」


 清水のまくりには屈したものの根田空史(写真)は、前受け組み立てを突っ張りで凌いで二次予選をクリアした。


 「(清水は)もっと早く来るのかと思ったけど…。あれで番手に入られてなかったら、前(自分のライン)で決まってたと思う。あとは内容にこだわっている場合じゃないんで。ただ、踏み出した感じは良かったです」


 最終ホームで清水に割り込まれた内藤秀久だったが、香川雄介をさばいて3番手を確保しての流れ込み。反省の振り返りで汗をぬぐう。


 「やっちゃいました…。(清水は)ちょっとイメージと違いました。バック本数があるから、ああいうことをしてこないかなと。(清水を)張ってからは3番(香川)に意識がいってしまった。失敗はしてしまったけど、今日の方が気持ちに余裕はあった」

7R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 赤板手前から合わせて動いた松川高大、堀内俊介のけん制をかいくぐって、竹内翼が主導権を握って逃げる。地元の鈴木庸之(写真)は、中四国コンビを受けて3番手。空けた車間を詰める勢いで、最終2コーナー手前からまくって1着。関東ラインを上位独占に導いた。


 「前を取るつもりはなかったんですけど…。そこからは松川君もけん制していたんで、俺も上がろうと。(そしたら竹内が来て)ちょっと踏み気味で、あそこに入れた。2コーナー目がけてまくって行った。全然軽いんで、いい感じかなと。(地元記念は)これでやっと振り出しに戻った感じ。そこ(決勝)にいきたいんで、気は抜けないです」


 懸命に食らいついた金子真也が、1車身差のまま2着でゴールした。


 「鈴木君が強かったです。直前に一緒に練習した感じでは大丈夫だったのに、今日は付いていてキツかった」


 鈴木ライン3番手の深井高志は、外から金子を追い詰めて4分の1輪差まで詰めて3着。


 「残り1周で脚にきていなかったし、余裕もあった。弥彦はふるさとダービー(05年)で決勝に乗っているし、相性がいいんですよ」

8R

選手の写真です。
朝倉佳弘選手

 山本伸一を警戒しながら、山岸佳太が赤板の2コーナーから踏み込んで先行策。後続を一本棒にして山岸が軽快に飛ばす。番手すんなりの朝倉佳弘(写真)が願ってもない展開をモノにした。


 「本当に山岸君が強かったですね。ひと皮むけたなって感じです。自分も余裕はあったけど吉田(勇人)さんのコースを作ろうと思って、内を空けたら阿部(力也)君が入ってきてしまった。確認してから空けないとダメですね。その辺の細かい部分の修正をしないと」


 内容の濃い走りで2着に粘った山岸佳太が、6月の久留米に次いで連続で記念の準決進出を果たした。


 「初手の位置も最高でしたね。切って、切っての上を叩こうと思っていたけど、あんまり早すぎてもダメだと思って山本さんをけん制してから仕掛けました。昨日よりも今日は軽かったので。2コーナーから踏みあがる感じも良かったと思います」


 伊藤勝太の仕掛けに乗った阿部力也が、直線で内を鋭く伸びて3着に入線。


 「全部、伊藤君がやってくれましたね。でも、余裕はありました。ワンテンポ早く入っていれば、たぶんですけど突き抜けていましたよ(笑)」

9R

選手の写真です。
合志正臣選手

 赤板で西村光太に併せ込まれた取鳥雄吾は、引かずに中団で併走。前にいた藤田大輔が、2コーナー過ぎに誘導を降ろしてペースを上げる。併走から西村が踏み上げると藤田は突っ張り、西村が中団に入る。結局、一本棒の7番手になった取鳥だが、最終ホームから踏み出して圧巻のロングまくり前団を仕留めた。


 「ちょっと変なレースになっちゃいましたね。西村さんがもっと早く切ってくれればと。どうせ自分は先行するんで。そしたらあのままでヤバいなって感じだった。脚の感じは良かったけど、もうちょっと(修正が)できたんじゃないかと。(弥彦は)すごい走りやすいし、明日も力を出せるように頑張ります」


 取鳥にピタリと続いた合志正臣(写真)だったが、直線では思いのほか差が詰まらず4分の3車身差でゴール。


 「(取鳥が)強かった。こんなんしてると藤田君も突っ張るだろうし、大丈夫かなと思った。でも、(取鳥の)力が全然違った。脚は問題ないけど、自分は換えたシューズがダメです。3週間、いろいろやって、これなら使えると思ったんですけど。競走だと違いますね。シューズを戻せばもっと良くなると思う。練習はみっちりやってきたんで、それだけに2日間が歯がゆい」


 4番手を確保した西村光太は、合わせるようにまくって出たが取鳥にスピードの違いでのみ込まれ3着が精いっぱい。


 「少しでも(取鳥に)脚を使わせるなりしないとっていうのはあった。(中団併走は)あそこは引くかなと思った」


 

10R

選手の写真です。
神山拓弥選手

打鐘の3コーナーで接触してスピードが鈍った横山尚則が、強引に伊藤信を叩いて主導権。伊藤が飛び付いて隊列が短くなったところに佐藤友和がまくりで襲い掛かったが、二の足で横山が逃げ切った。


 「打鐘で叩きに行った時はキツかったですね。でも後ろの神山(拓弥)さんとは何度も連係しているし、(出切れれば)なんとかなると思ったので。1センターでは(伊藤にからまれていた)神山さんの気合が伝わってきたので、僕も絶対まくらせないと思っていた」


 番手キープの神山拓弥(写真)は、佐藤のまくりを止めて2着に流れ込んだ。


 「横山君のことはなかなか抜けませんね。僕は(伊藤にからまれても)凌げたし最後に(まくってきた)ブロックもできたので、上デキですよ。今日は普通なら(打鐘の)3コーナーで終わる展開だったけど、横山君が頑張ってくれた」


 3着に突っ込んだ濱口高彰が目を細める。


 「(別線に)出られてしまって、どこを踏もうかなとコースを見極めていました。最後にいい伸びをすることができましたね」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 打鐘で主導権を握った川口聖二が浅井康太(写真)、近藤龍徳を連れて迷いなく逃げる。坂本貴史のまくりをけん制した浅井が直線でシャープに抜け出して人気に応えた。


 「川口君が頑張ってくれましたね。でも、打鐘前に河村(雅章)さんと坂本君で踏み合う感じの時にもう少し(川口が)落ち着いていれば、もっと楽に出切れたと思う。出切ってからは、あまり車間を空け過ぎないように外に張りながら出ていく感じなら(近藤と)決まると思った」


 坂本の仕掛けに乗って内を突いた安部貴之が、中のコースを伸びて2着。


 「外は来てたし、もうあそこしかないって感じて入っていった。でも、浅井君に見られながらでもしっかり勇気を持って仕掛けてくれた(坂本)貴史のおかげ。最近は成績が良くなかったし、それを考えれば今回はいいと思う」


 近藤龍徳はきわどい3着争いを制して二次予選をクリアした。


 「内を締めていても良かったけど、浅井さんに前へ踏まれたら置いて行かれるだろうし、一緒に上がるしかなかった。めっちゃ必死にハンドルを投げました」

12R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 じわりと押さえて先頭に立った竹内雄作(写真)が予想していたように、渡邉雄太が襲い掛かるも竹内は突っ張る。打鐘の3コーナー過ぎに竹内が合わせ切って主導権を死守。今度は吉田拓矢が最終ホームから反撃に出る。吉田がスピードに乗せてグングンと前団に迫るが、竹内は吉田も不発に追いやって敢然と風を切る。最後は稲垣裕之の追い込みを振り切って、別線をすべてシャットアウト。圧巻の逃走劇を見せた。


 「(周回中の順番で渡邉が来るのが)わかったんで、それを見て、見てでしたね。もう出させるつもりはなかった。(渡邉に)行かれると思ったけど、内に逃げながらなんとかでした。それから吉田君が来て、自分も終わったと思ったけど、3コーナーに入ったんでどうにか(合わせられたんで)よかった。(1着に)残ったんで、ヨシとします。前回、成田(和也)さんに付いてもらった時は気持ちで負けていたんで、今日は気持ちで負けないようにと。その面は修正できたかなと思います。体はずっと悪くないし、調整自体も悪くない」


 好位をキープしていた稲垣裕之だったが、外がかぶってなかなか仕掛けられない。直線の入り口で、ようやくわずかに外に持ち出して強襲。竹内をとらえ切れずも2着に伸びた。


 「最終バックも諸橋(愛)の追い上げも気持ちが入っていたし、自分はそれでタイミングが狂ってしまった。しっかりと位置を取って、行けるタイミングでと思っていた。でも、周りの動きもあるんで…。それでゴール勝負できたのはよかった。セッティングとかを工夫して、まだ若干、(コンディションの)微調整が必要かなと思います」


 「迷惑を掛けないで、付けたんでよかった」と、口を開くのは成田和也。竹内との即席ラインでワンツーはならなかったが、連結を外すことなく冷静な立ち回りを見せた。


 「(竹内は渡邉を)出すのかな、どうするのかなと。そこからまた吉田君が来て、(竹内は)さらに踏み直した。強かったですね。自分の調子も悪くないです」


 

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手
選手の写真です。
渡邉雄太選手

 渡邉雄太が打鐘目がけて勢い良く出るが、同期の清水裕友がその上を強引に叩く。濱口高彰は離れて、渡邉は落ち着いて清水を出させて番手に入る。浮いた濱口が横山尚則とからんだところを坂本貴史が反撃。脚力をロスしてなかなか出られない横山から、諸橋愛(写真)が切り替える。諸橋は最終3コーナーからインを進出すると、清水が振ってできた最内のコースを抜け出してピンチを脱出。白星で地元記念の決勝に進んだ。


 「横山君に付いていてもよかったのかな…。濱口さんが邪魔になっているって思った。横山君が身動きが取れない感じだったんで、自分がなにかしないとあのままになってしまうと。坂本君のラインにスイッチして、そこから考えようって。意外と冷静ではあった。(コースが)空いたから良かったけど、空かなかったらこじ開けなきゃいけなかった。練習はしているんだけど、連日、(ファンに)申し訳なかった。これで弾みがついたんで、この勢いで決勝も頑張りたい」


 援護を失って単騎で逃げた清水との車間を大きく空けた渡邉雄太(写真)は、詰めながらの追い込み勝負。清水に振られながらも2着に伸びた。


 「清水君が来なくても踏んでいたけど、それ以上に踏んでいたので(番手に入った)。最後は(清水が)振ってくるのはわかっていたし、そうなると落車があるんじゃないかっていうのもあった。(あの展開なら)1着を取りたかったけど、脚がないですね」


 最終3コーナーまでは諸橋を追った朝倉佳弘は、そこからコースを巧みに突いて成田和也との3着争いを微差で制した。


 「メグさん(諸橋)の行くところまで付いて行って、(最後は)メグさんが行かないコースをと思ってました。自分も余裕があったし(落車の)危ない感じがしたので、そこは待ちました。(成田との勝負は)いつもあれで横に振って返されて4着になってたんですよ。今日は前に踏みました。日本で1、2のマーク選手に競り勝てたのは大きいです」


 

11R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
選手の写真です。
西村光太選手

 4車の関東勢をけん制しながら取鳥雄吾が、赤板の1コーナーでハナに立つ。2コーナーで踏んだ吉田拓矢が襲い掛かり、107期の壮絶な主導権争いが打鐘前からヒートアップ。軍配は取鳥に上がったが、抜かりなく3番手の好位を確保していた稲垣裕之(写真)がまくりでカタをつけた。


 「取鳥君の気迫がすごく伝わってきて、2車でも吉田君を突っ張るんだと。そこからはしっかりと判断して走りました。神山(拓弥)君も金子(真也)さんも、いつでも降りられる準備をしていたから踏み遅れないように。合志(正臣)君のブロックも思った以上にキツくて、取鳥君も踏み直していたので。目いっぱい踏み込みました」


 「付いていただけですよ」と、例によって控えめなのは椎木尾拓哉。稲垣にソツなく続き、タイヤ差まで迫るゴール勝負を演じた。


 「早いレースになるかもしれないっていうのはありました。それで僕らの展開になりました。でも、キツかったです。稲垣さんが脚を使ってでも(まくりに)行ってくれたんで、ゴール勝負ができたんだと思います。(調子は)大丈夫です」


 単騎の西村光太(写真)は、近畿勢の後ろからの組み立てがズバリ。切り替えた合志を乗り越えて、近畿コンビには離されながらも3着でゴールした。


 「(吉田と取鳥で)力勝負すると思っていたので、とりあえずあの位置かなって。後手を踏めば切り替えるつもりでいました。単騎の時に何回もあれで(降りてきた選手に)入られてるから、その失敗はしないようにと思っていた。ただ、要所、要所で遅れちゃいましたね。最後は外でへばりつければなんとか勝てるかなって思っていたし、よかったです。記念の決勝は初めてですね」


 

12R

選手の写真です。
木暮安由選手
選手の写真です。
浅井康太選手

 竹内雄作の上昇に合わせて動いた山岸佳太が、赤板過ぎに誘導を交わして飛び出す。いったん3番手に入った竹内だったが、構えることなくすぐに主導権を奪い逃げる。中部3車が出切り、山岸は4番手。最終2コーナーからから山岸がまくって行くが、近藤龍徳の外までで不発。木暮安由(写真)は近藤の後ろから早めの追い込みで、中部3車をとらえて突き抜けた。


 「(山岸と)ラインで決めたかった。あれで浅井君を乗り越えられれば、面白かった。自分は近藤君が内に行って、浅井君が振ったから行きやすかった。踏んだ感じも悪くないです。次のオールスターに向けて体調良く行きたいし、(決勝は自力で)いい競走がしたい」


 山岸のまくりをけん制した浅井康太(写真)が、直線で竹内の余力を計りながら追い込むも2着。決勝は西村光太とのタッグ。次のオールスターを見据えて、こう口を開く。


 「前回(サマーナイトフェスティバル)は深谷(知広)の番手だったし、今回は(竹内)雄作と(川口)聖二の番手。次のGIもあるんで、自力の感覚を戻していきたい。だから、僕が前でやります。それで自分のレースをさせてもらいます」


 最終バックでは9番手の最後方にいた阿部力也は、リスク承知でインを進出。直線で木暮の外に持ち出して、3着で初めての記念優出を遂げた。


 「コースが空きましたね。前が掛かっていたんで外は無理だと思った。どこまでも内、それで行けるところまでと思った。もうああなったら内しか見てなかったけど、流れでうまくできた。記念の決勝は初めてですよ」