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TOYOHASHI KEIRIN

45#

検車場レポート

  • 1/27 Wed.  (前検日)
  • 1/28 Thu.  (1日目)
  • 1/29 Fri.  (2日目)
  • 1/30 Sat.  (3日目)

1R

 FI戦では堅実に優出している神田紘輔だが、記念シリーズでは準決勝が壁となっている。
 「前回(岸和田記念in和歌山)のぶんも反省して、練習に取り組んできました。本当は一カ月くらいあっ旋が空く予定だったので、基礎から仕上げている段階だったんですけど、追加が来たので走ろうかなと。走れる状態です。自分は地脚なので冬は得意」
 中島将尊は、前々回の平FIと前回の小田原FIの予選で白星を挙げている。
 「(12月松戸の失格で)来月から3カ月間あっ旋が止まるので気持ちは最悪です…。でも、自転車は進んでいます。走れないぶん出走本数が少なくなるので、S級点を取るために少しでも頑張らないと」

2R

選手の写真です。
高橋和也選手
 2レースには、地元のトップバッターとして高橋和也(写真)が登場する。
 「2日前に吉田(敏洋)さんとかと、ここのバンクに入った時はむちゃくちゃ(風は)穏やかだったんですけど、今日(前検日)は強いですね。練習はできたので、あとはレースを走ってみてです」
 小原太樹は、前回の高知FIが中止となり、1月10日最終日の京王閣FI以来のレースとなる。
 「コロナの影響でバンクが使えないので、いつも通りの練習はできてないです。しょうがないことなので、毎日、自宅で練習してきました」

3R

選手の写真です。
久米康平選手
 久米康平(写真)は、今シリーズから新車を導入する。
 「11月(松山FI)の落車でフレームがダメになって、ずっと嫌な感じで自転車に乗っていたんですけど、ようやく新車ができました。小松島競輪場は改修工事中なのでバンクでは乗れてないんですけど、道場の中とローラーでは乗ってきました。ちょっと楽しみですね」
 昨年の3月向日町FI以降は優出がない池田良だが、徐々にいい感触をつかんでいるようだ。
 「調子は上がってきていると思います。(前回の小倉FIからは)調整はせずに、しっかり練習してきました。風はあまり得意ではないけど、感じは上がってきているので」

4R

 12月大垣FIで優勝した竹内智彦だが、その後は4場所中、1度しか決勝に上がれていない。
 「練習はいつも通りです。雪もあるし、室内練習だけですね。持ち味は殺さず走れるようにしているつもりなんですけど、冬場は毎年あまり良くない。(初日に連係する飯野祐太には)いつも任せているので、好きなように走ってもらえれば」
 その飯野祐太は、11月平FIと12月前橋FIで優勝を飾っている。
 「練習メニューとかセッティングとか、ナショナルチームのを試していたけど合わなかったですね。10月くらいに全部戻して良くなりました。一年半くらい試していたので、ちょっと長すぎましたね…」

5R

選手の写真です。
脇本勇希選手
 昨年、A級で6Vを飾った脇本勇希(写真)は、今回が記念シリーズ初参戦だ。
 「(S級で2場所走って)レースはできているかなとは思いますけど、記念はまた別だと思うしソワソワしています。豊橋は夏に走った時はいい感じだったけど、冬は風が強いので…。今のところはいいイメージがあります」
 4日制の1月静岡FIで決勝進出を果たした岡村潤は、続く小田原FIでも3日間、確定板に乗っている。
 「大叩きはしてないし安定はしているけど、もう一歩上で安定したいですね。小田原まではずっとあっ旋が詰まっていたけど、今回はちょっと空いたので練習できました。コロナでウエイトはできてないですけど、それを補う練習はできました」

6R

 前回の岸和田記念in和歌山で1551着の岡崎智哉は、レースをこう振り返る。
 「自力のレースで失敗したのが引っかかっているので、自力の時にちゃんとした自力を出したいし、自力でも番手でもしっかり走ってみせたいですね。ここまでは結構、時間もあったんで、和歌山で得た情報を元に練習の内容とかを変えてみました。まだ手応えとかはないですけど、どう変化するかですね」
 武田豊樹は12月千葉記念in松戸で決勝にコマを進めるも、前回の大宮記念では無念の途中欠場となっている。
 「松戸とかは良かったんですけど、前回はちょっと悪かったんで、今回はそのぶんも頑張りたいです。(中11日は)体のケアと練習をしっかりやってきたつもりです」

7R

 1月奈良FIの決勝で落車した志智俊夫は、一場所欠場して今回が復帰戦となる。
 「ケガは肋骨が痛いくらいで大丈夫です。取手は中3日しかなかったから、欠場させてもらってケアの時間を作りました。(豊橋は風が強いが)いつもギアをかけて練習しているから、逆にスピードが上がらないくらいの方が自分に勝機がありそうかなと思う」
 大坪功一は、連係ある同県の林大悟に付けて白星を目指す。
 「大悟とは何場所か前に(11月高松で)ワンツーでした。前回の別府も悪くはなかったと思うけど、(豊橋の)風は気になりますね。まくりが飛んでくると思うから、そこはしっかり仕事をしたい」

8R

選手の写真です。
河端朋之選手
 河端朋之(写真)は、前々回の当所FIでオール確定板入り。続く別府FIでも連勝で優出を果たした。
 「最近は悪くはないけど、今回は9車立てだし、記念なので難しくなるかなとは思います。(別府の後は)ナショナルチームは沖縄に合宿に行ってたので、僕は伊豆で練習していました。キツめの練習だったけど、そこは気にせずに走りたい」
 その河端を援護する柏野智典は、前回の奈良FIの準決勝で落車。最終日は出走しているが、状態面はどうか。
 「普通に練習も調整もやってきました。順調かは走ってみないと分からないけど、練習は問題なくできました。河端は加速がすごいから、気を引き締めて付いていきます」

9R

 1月平FIで完全Vの和田圭は、前回の岸和田記念in和歌山でも3連対。高いレベルで安定している。
 「(小原佑太との連係は)初めてです。強いですよね。(自分の状態は)ずっと調子は良くて、和歌山は脚的にも問題なかった開催でした。その後は用事があったので10日くらい休んで、4日くらいしか練習はしてないけど、思い切って休んだ割には練習の感触は悪くなかったと思います」
 小原佑太は、前回の京王閣FIから中16日で今シリーズを迎える。
 「ナショナルチームで練習してきました。最近はめちゃくちゃキツいメニューではなかったんですけど、疲れは少し残っています。調整はできてないけど、気持ちは作ってきたつもりです。しっかり前に出切ってしまえば後ろが仕事をしてくれるので、しっかり頑張ります」

10R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
 昨年は落車が続いた吉田敏洋(写真)だが、12月広島記念で優出に成功。地元記念の今回も底力を見せたい。
 「この一週間くらいは、ここに来て練習をしていました。なので風の免疫はあります。明日(28日)からもこんな感じでしょうね。一走、一走、一緒に走るラインの人と力を合わせて。今年は名古屋記念がないから、純粋な地元記念のつもりで頑張ります」
 徐々に調子を上げている竹内雄作だが、前回の岐阜FIを走れなかったことで、今回はやや不安が残っている様子。
 「岐阜で試したかったこともあったけどダメだったので、自転車とかは和歌山のままです。岐阜に向けて調整もしていたし、気持ちも入っていたので、(和歌山から今回までは)時間があったようで、なかった感じでした。大垣のバンクが使えないので岐阜に行って練習しているけど、時間も限られているので思うようにはできてないかなと思います」

11R

選手の写真です。
金子貴志選手
 ホームの金子貴志(写真)は、当所記念で過去3Vの実績を誇る。前回の奈良FIでは決勝で落車しているが、問題はなさそうだ。
 「(山口拳矢とは)前回の最終日は一緒だったけど、ジカでは初めて。地区プロの前にセッティングを合わせに豊橋に来ていたので、強いのは知っています。ケガは左側の擦過傷と打撲だけなので大丈夫です」
 中部の新星・山口拳矢は、12月広島記念を3連勝で優出。前回の奈良FIでも完全優勝を飾っていて、勢いは加速するばかりだ。
 「中10日あったので普通に練習はできました。奈良までは雨とかでバンクはなかなか乗れてなかったので、前回よりは良いかなと思います。今回は内容も意識して走りたいです」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 1月岸和田記念in和歌山を制した松浦悠士(写真)は、前回の松山記念を無傷で決勝にコマを進めた。今回は中2日での参戦だ。
 「和歌山の時より松山の方が感触は良かったけど、レースは恥ずかしいくらいのレースだったので、今回はしっかりレースをしないとなっていう思いで来ました。中2日ですけど、今は走れない選手もいるので、走れる選手が走るべきかなと思って追加を受けました」
 今年から静岡登録となった深谷知広は、南関勢として今シリーズを戦い抜く。
 「ナショナルチームの合宿で沖縄に行って、(佐藤)慎太郎さんとも練習をしてきました。(静岡に)移籍して一発目が豊橋なのはおもしろいですね。いいレースを見せたいし、(中部勢との)対戦も楽しみです」
 諸橋愛は12月京王閣FIでVをゲット。続く広島でも322着のオール連対を果たしている。
 「今年は雪がひどくて、5日に広島が終わってからは、地ベタを乗れたのは一回だけ。日帰りで(前橋の)ドームに行ってきました。練習は嫌になるほどやっているけど、地ベタを乗るのとは気分も違うので、気持ちが参りそうです(笑)」

1R

 赤板過ぎに中島将尊が、打鐘前に花田将司が切ったところを中井太祐が叩いて先行態勢に入るが、そこに今岡徹二がカマシで襲いかかる。今岡は最終ホーム過ぎに出切るが、この動きに続こうとした中島を張りながら中井がバックまくり。大崎飛雄馬にからまれながらも続いた神田紘輔がゴール前で逆転した。
 「(大崎と)接触があって、それを耐えたぶん2センターから4コーナーで踏みすぎてしまいました。余裕はあります。去年の松阪記念で決勝に行って、あれから1年が経ったんで久しぶりに決勝に行きたい」
 3番手で立て直してまくった中井太祐が2着に粘った。
  「(今岡徹二は)出させてもいいかなっていう判断で、すぐに中島(将尊)君が追い上げてきたので、位置をしっかり取って出ていきました。風は全然なくて、豊橋じゃないみたいでした」

2R

 赤板過ぎに先頭に立った三好陽一がペースを上げないと見るや、小原太樹が中団から踏み上げて打鐘過ぎ4コーナーで先頭に立つ。これで仕掛けやすくなった高橋和也は7番手から一気のカマシ。続いた原真司が抜け出した。
 「(別線が)後ろから来てる気配もなかったです。カカっていましたね。スピードも上がっていたので付きやすかったし、展開に恵まれました。最近はずっと感触がいい。今年初1着なんで良かったです」
 タイミングを逃さず仕掛けた高橋和也の動きも良かった。
 「(小原が)切りに行って、ちょっと流れたのでカマしに行ける感じになりました。ダメでもホームから行くつもりだったんですけど、いいタイミングで行けました。みんな脚を使っていたので、すぐにまくって来るラインはないだろうと思ってペースに入れて、最後は踏み直したけど差されちゃいました。ラインのみんなが勝ち上がれたのは良かったです」

3R

選手の写真です。
伊代野貴照選手
 各ラインで切り合いになり、打鐘で坂本貴史が前に出たところを小林史也がすかさず叩いて主導権を握る。後方になりそうだった松田大が内をすくって、3番手で坂本と併走に。坂本は外併走から踏み上げるが、合わせてバックから番手まくりに出た伊代野貴照(写真)が押し切った。
 「相手が強かったので作戦は立てにくかったですけど、(小林)史也が頑張ってくれました。(坂本に)真後ろから来られて一回踏んだ時に止まったかなと思ったけど、そこからバック踏むよりはと思ってシビアに行かせてもらいました。アップの時にローラーに乗りながらセッティングを触っていい形になりました」
 坂本マークから中を割った杉山悠也が伊代野に迫った。
 「終始落ち着いていました。(坂本)貴史がどこから行くかなと思っていたら、久米君に合わせて踏んでくれたけど、伊代野さんに合わされてキツそうでしたね。雨は嫌いですけど踏めていたので(感触は)いいと思います」

4R

 中団から合わせて動いてきた工藤文彦を叩いて飯野祐太が打鐘から先頭に立つ。そこを4コーナーから伊藤裕貴がカマして来るが、竹田和幸が離れて裸逃げに。適度な車間を保って追いかけた飯野が直線で伊藤をとらえた。
 「意外な展開でした。自分が切って、工藤さんが来るかと思っていたんですけど。先行は結果できなかったけど、一車だったので飛びつきました。ジャンのところも、最終バックでも詰まったところがあったので、そこで行かないといけなかったですね。これでは二次予選とか特選の人たちを相手には通用しないんで修正します」
 竹内智彦が飯野にピタリと続いてワンツーを決めた。
 「(伊藤を)ホームで止めて飯野の先行でもいいかなと思ったけど、一車だったので(飯野を番手に)はまらせた方がいいなと。でもそのまま追いつきざまにバックから仕掛けて行ってれば良かったですよね。(自分の)感触は今日(初日)は楽でした。まあ踏むところもそんなになかったので」

5R

選手の写真です。
菊池竣太朗選手
 合わせて出てくる菊池竣太朗(写真)を脇本勇希が強引に押さえて先頭に立つと、そこを月森亮輔が叩いて打鐘過ぎ2センターから主導権を握る。叩かれた脇本は2コーナーまくりで前団を飲み込むが、そこを目がけてバックから仕掛けた菊池が鮮やかにまくり切った。
 「中団、中団で脇本君が駆けてくれたらラインで決まると思っていたけど、月森さんの先行になりました。それでも早めに脇本君も踏んで行くと思ったので、その上を行こうと。突っ張って先行でもいいと思っていたので気持ち的にも余裕があったし、感触も悪くなかったです。練習でも(岡村)潤さんに差されなかったことがないのでうれしい」
 菊池に鋭く迫った岡村潤だったが逆転はならず。
 「(菊池)竣太朗の脚なら行けると思っていました。ホームで行けるタイミングがあったので、そこでちょっと構えてしまって最後は…。でもそういう意味では反応ができているので。あっせんが空いて練習ができたぶん重たく感じたけど、明日(2日目)からは軽くなると思います」

6R

選手の写真です。
武田豊樹選手
 後ろ攻めから押さえにきた小堺浩二を前受けの眞杉匠が突っ張る。打鐘で追い上げて3番手をキープした岡崎智哉は車間を詰めた勢いで2センターから仕掛けるが、これを張りながら踏み込んだ武田豊樹(写真)が昨年9月取手以来となる勝ち星を挙げた。
 「(眞杉は小堺が)遅かったから突っ張ったって言ってました。(岡崎は)カマシ気味に3番手に入ったから脚に余裕があるんだろうなと思ってました。眞杉君の先行は緩むところがない感じだったし良かったですね。最近は後方からの巻き返しっていうレースばかりだったので、今日(初日)は展開が向きました」
 追い上げて3番手を確保した岡崎智哉は2センターから外に持ち出すも2着まで。
 「ラインがしっかりしていたので、流れに応じて前々に踏んで、相手の出方次第でと思っていました。レースがセオリー通りに行かなかったので、作戦通りにはいかなかったですけど、ジャンでカマして考えようと思ったら、なぜか3番手に入れた。そこからは武田さんに見られて終わってしまいました。そこを乗り越えるのが自分の仕事だけど、それができなかったです」

7R

選手の写真です。
志智俊夫選手
 近藤夏樹の上昇に合わせて先頭に立った柴崎淳は引いてカマしてきた林大悟を出させず主導権を握ると、番手の志智俊夫(写真)が好展開を生かして抜け出した。
 「(渡邊健が離れてライン)2車になったのは確認してなかったです。外して内に入られたらダメなので。(柴崎は)ずっと踏んでいましたね。自分は踏み出しだけ集中していました。(一走した感触は)十分な仕上がり。(前回奈良FIの)落車でフレームもダメになったけど、直してもらって良く進んでいます」
 赤板の1センターで先頭に立った柴崎淳だったが、ほぼ2周風を切って2着に粘った。
 「(林が)もっと早く来ると思ったけど来なかったので覚悟を決めて行きました。場所も場所だったので。ずっとペースに入れてない感じ。(欠場期間に体重が増えて)風がある時は有利かもしれないですね。不安9割だったので気持ちだけでした」

8R

 前受けから7番手に下げた河端朋之は打鐘過ぎから一気のカマシ先行。3番手以下を引き離すと、番手の柏野智典が直線でとらえた。
 「(河端が)タレるのは、僕らにとっては優しいところですよ(笑)。もうワンテンポ早く行くかと思ったけど、どっちにしても僕は付いていけるか、いけないかでした。3コーナーくらいではワンツーだなと思った。やっぱり河端はスピードがすごかったです。僕としてはちょっと重たかったってのが正直なところだけど、付いて行けたのでマルですね」
 柏野に差されたものの河端朋之は自慢のダッシュで見せ場を作った。
 「タイミングを取って行けたので、すんなり一本棒になるかなと思いました。最後、差されているので、その辺は課題ですね。出切ってからは後ろはほぼ気にせず。柏野さんが付いてくれているので、来ても止めてくれるしマイペースで踏んでいました。点数的にも負けられないレースだったのでなんとか良かったです」

9R

選手の写真です。
和田圭選手
 前受けから下げて7番手になった小原佑太だったが、中団から金子哲大が動いたところをすかさず叩いて最終ホーム手前で先頭に。詰めた勢いで金子も迫るが、車間を切って後続の反撃に備えていた和田圭(写真)が好展開を生かした。
 「(小原は)ペースに入れてるというか、バックで流している感じだった。初めて付いたから分からなかったけど、最後は踏み直していましたね。でももうちょっとスピードを上げておかないと、金子がまくり追い込みみたいな感じで来るかもしれないってことは伝えました。(感触は)今回おもいっきり休んだ割には、思った以上に大丈夫でした。疲れが抜けて良くなったのかもですね」
 カマした小原佑太もしっかりと2着に逃げ粘った。
 「残り1周半で行くつもりだったので、(先に金子が切って)自分としてはいい目標ができました。(和田と)ワンツーが決まって良かったけど、後半はタレてしまったので、もう少しタレないようにしたいです」

10R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
 中団の竹内雄作にフタをして前に出ようとした成松春樹を前受けの市川健太が突っ張ると、流れは中部勢に。竹内が打鐘から仕掛けてライン3車できれいに出切ると、別線には出番なし。最後は番手の吉田敏洋(写真)が鋭く抜け出した。
 「(竹内)雄作だから、ある意味走ってきた歴史が違うし、だからこそ下手なレースはできないから緊張しました。ライン3人でしっかり決まって良かった。今日(初日)は風はないけど、変な天気なのでバンクは重たい感じがする。(竹内は)あれだけ行って粘っているし、調子も上がってきてるんでしょうね」
 逃げた竹内雄作もラインで上位独占の結果に満足げ。
 「先行も考えていたけど、いい展開になりました。(成松を)市川さんが突っ張って、すかさず行けたので状態はいいです。前に出る時も踏み込んで出たっていう感じじゃなくて、ラインで出切れたっていう感じがしたし、出切ってからは自分のペースで踏めました」

11R

 打鐘前2コーナーで先頭に立った吉田昌司を人気の山口拳矢が中団外併走からまくりに行くが、これを杉本正隆が1コーナー、さらに2コーナーでも強烈にブロックする。これで完全に失速した山口はまくり不発。杉本が吉田をかばいながらゴール前で抜け出した。
 「吉田の頑張りが全てです。とりあえず前に出て、そこから考えた方がいいってことでした。感触はいいと思います」
 吉田昌司は杉本の好ガードを味方に2着に逃げ粘った。
 「舐められないように頑張りました。中団の併走が分かったので、自分はわざとゆっくり踏んで上手く駆けられました。杉本さんもすごいやってくれてたので、もっと踏まないとと思って頑張った。なんとか良かったです」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 赤板でハナに立った山田英明を、野原雅也が打鐘で叩いて先制。8番手になった深谷知広は4コーナーから反撃に出ると、最終1センター3番手から合わせてまくった山田の上を乗り越えて3コーナーで野原をとらえる。しかし、最終1センターで深谷ラインの後ろに切り替えていた松浦悠士(写真)が、さらにその外をまくり切って激戦の初日特選を制した。
 「単騎でもしっかりまくりに行こうと思ってました。前で踏み合いになったので、どうなっているかは見えてなかったですけど。深谷さんがトップスピードに入ったところで、さらにスピードを上げて行けました。自分の中ではタイミングも取れた。フレームは同じだけどセッティングを変えて、アップの段階から良かったので明日(2日目)もこのまま行きます。体の感触はいい」
 深谷の番手から伸びた佐藤慎太郎が2着に入った。
 「深谷が強かったです。自分はまだちょっと疲れがありますね。(前回の)大宮記念と同じ感じだから、準決勝くらいから良くなってくると思うし、今日(初日)より明日(2日)の方が良くなると思う」
 大外をまくった深谷知広は3着に粘った。
 「むりやり行ったんですけど、まだ疲れが抜けてないというか、重たいですね。以前、(佐藤)慎太郎さんと連係した時は力を出せなかったけど、今回はやれるだけやりました。しっかり疲れを取りながらですね」

6R

選手の写真です。
野原雅也選手
 中団から先に動いて高橋和也を受けた野原雅也(写真)だったが、高橋が吉田昌司に叩かれて7番手になってしまう。それでも2コーナーから高橋が仕掛けて短くなった前団を2センターからのまくりで飲み込んだ。
 「やばいと思いました。風がすごくて、周回中から一生懸命踏まないと離れていく感じだった。態勢を立て直すのに時間がかかったのでホームで仕掛けられなかったし、(最終)2コーナーでも(高橋)和也さんが整っている感じだったので仕掛けられなかったです。最後は詰まったタイミングで、勢いをもらって外を伸びました」
 神田紘輔も野原の仕掛けにしっかりと続いて近畿ワンツーが決まった。
 「また恵まれました。厳しいコンディションだったけど、僕には良かった。みんなが脚を削ってくれた方がいいので。(最終バックで)前がもつれたので、あとは(野原)雅也に付いていけば大丈夫やなと思いました」

7R

選手の写真です。
柏野智典選手
 打鐘でカマした金子哲大に合わせて菊池竣太朗が踏んで前団がモツれると、そこを逃さず最終ホームから山田英明がスパート。1コーナーのあおりを乗り越えてライン3車で出切ると、番手の柏野智典(写真)がゴール前でとらえた。
 「(山田が)あれしかないタイミングで仕掛けるあたりは、さすがというか、すごいなと思いました。流れに沿って仕掛けてくれるのは付いていて楽。そういうタイミングで仕掛けてくれました。風がすごかったので、(山田)英明は本来バックで流したいんでしょうけど、スピードを維持するために仕方なく踏むしかない感じだった。自分の感覚は良かったけど、連日、前に助けられていますね」
 強風を物ともせずに1周仕掛けた山田英明の走りも力強かった。
 「キツかった。パワーマックスで負荷をかけて踏んでいる感じだった。でも、隊列が整う前にと思って、思い切って行きました。後ろに抜かれるのは気にしてないです。しっかりラインで決まるレースがしたいと思っているので、決まって良かった。調子がいいとは言えないけど、走るからには絶対に連にからみたいと思っているので、明日(準決勝)もからめるように頑張ります」

8R

選手の写真です。
村上博幸選手
 打鐘で前に出た坂本貴史をすかさず中井太祐が叩いて打鐘過ぎ4コーナーから主導権を握る。中井マークの村上博幸(写真)が好展開をモノにした。
 「(中井)太祐のおかげ。これだけの風の中で、太祐はここしかないっていうタイミングで仕掛けてくれました。(別線は)みんなまくり脚があるし、太祐もどっちかというとまくりタイプだから、飲み込まれるかっていう判断をしないといけないと思っていた。自分は今回、復帰戦で脚あたりは軽いけど、レース勘だけは走って対応していかないといけないなと思いました」
 3コーナー、6番手からの仕掛けで村上に迫った山口拳矢だったが、届かず2着まで。
 「昨日(予選)よりは動けたかなと思います。(最終)2コーナーで行けたら良かったけど、3コーナーで合わせられるかと思ったし、脚にも来ていたので厳しかった。村上さんが出ていった瞬間はムリかと思ったけど、なんとか。誘導がいる時から風で脚に来ていたので、やばいなと思いました」

9R

選手の写真です。
浅井康太選手
 打鐘で花田将司が先頭に立つ。中団に入った竹内雄作だったが、内を盛り返してきた飯野祐太に1センターで浮かされてしまう。竹内マークの浅井康太(写真)はとっさの判断で2コーナーから自力に転じると、バックから番手まくりの小埜正義を飲み込んだ。
 「(飯野が)粘った時点で勝負だなと思いましたけど、そこは(竹内)雄作のタイミングで行ってくれたらいいと思っていた。外に差して雄作のタイミングを見ていたら、まさかの(飯野は)雄作の内に行ったので、あれで雄作も力が抜けてしまったんでしょうね。(最終2コーナーから)自分で踏んだタイミングで小埜さんが出ていったので、一回休んでから、もう一回踏んでいきました。(感触は)もう少しほしい。昨日(初日)は軽かったしバンクコンディションも良かったけど、今日(2日目)みたいに悪い時にもう少し良くなったら、コンディションがいい時にもっと良くなると思う」
 鼻を利かせて千葉コンビを追っていた山崎充央が番手まくりの小埜を交わして2着に。
 「ラッキーでした。花田君がレース前に気合が入っていたから、これはなんとなくあるぞと思って、あそこ(千葉コンビの後ろ)にいた。風が俺に味方しました。スピード競輪にならないんでね。元々、冬のこのバンクは立川に似ているし、風もあるから得意です」

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手
 中団で波を作って合わせて踏み上げてきた岡崎智哉を後ろ攻めの深谷知広が叩いて打鐘からマイペースに持ち込む。久米康平のまくりも3番手まで。粘る深谷を番手の諸橋愛(写真)がきっちりととらえた。
 「(深谷が)強いのひと言。僕は仕事をすることもなく、付いていくだけでした。あまり流すところもなかったし、今回初めて付いたけど、また連係したいなって思いました。(最終バックで)2番(久米)が見えたので、来たら仕事をしようと思っていたけど、2センターで湊(聖二)さんが見えた。(久米は)後ろに入ったんですね。(雪で)地ベタを乗れてない割には、しっかり乗れてますね。冬は冬の練習があるので、それをうまくやれているのかなと思います」
 打鐘から1周半風を切った深谷知広が2着に逃げ粘った。
 「しっかり先行したいと思っていたんですけど、風が強かったですね。(出切ってからは)すごいマイペースで踏めた。最悪、来ても諸橋さんが止めてくれるっていう安心感もありました。日に日に状態は良くなっているので、疲れが取れたらもうちょっと強くなれるのかなと思います」

11R

選手の写真です。
河端朋之選手
 河端朋之(写真)にフタをしてから、打鐘で伊藤裕貴を叩いた小原佑太が主導権。逃げる小原に対して、8番手でジッと脚を溜めた河端は最終バックから一気に仕掛ける。強風をものともせず、豪快に前団を飲み込んで白星をゲットした。
 「この風なので、脚を溜めて。緩んだら行こうとは思っていたけど、小原君もやる気だったし、ああいうレースになりました。コンディションが悪すぎたので、まわりの自力も本来の力じゃなかったと思うし、みんなが離れている感じだったから目標にしながら仕掛けられました」
 逃げた小原の番手からああ佐藤慎太郎が伸びて2着でゴールした。
 「(小原は)落ち着いて駆けてくれました。ただ、バックの風が強すぎて本当の力は出せなかったのかな。伊藤も後ろが(柴崎)淳だから先行もあるかもしれなかったし、とりあえず前に出てから考えないといけないレースだったんだろうと思います。(最後に河端が来たのは)遠いし、スピードも違うし、止められない。前に踏むしかなかったです。感触は昨日(初日)より良かったので、明日(3日目)はもっと良くなると思う」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 赤板でハナに立った脇本勇希がスピードを上げて逃げる。別線は強風でなかなか仕掛けられず、最終2コーナー4番手から単騎の眞杉匠がようやくまくり出す。その眞杉を追いかけるように仕掛けた松浦悠士(写真)は、直線で余裕を持って抜け出して連勝で準決勝へコマを進めた。
 「地元の吉田(敏洋)さんに付いてもらったからホームでカマして行きたかったけど、風が強すぎてそんな状況じゃなかったです。昨日(初日)は感じが良かったけど、今日(2日目)は自分の中では良くない。その原因が風だといいですけど、ちょっと分からないですね」
 松浦より先にまくった眞杉匠が2着に入った。
 「ホームでカマして、向かい風で合わせてなんとか3着に入ろうと思っていたけど、風が強すぎて行けなかったです。ああいう展開はいつもないから、不慣れというか。脚の感じは昨日(初日)よりいいです。初日はずごく重くて、カカり切ってない感じでした」
 松浦の番手で岡村潤と競り合いになった地元の吉田敏洋は、踏み出しで遅れるも直線大外を伸びて3着に滑り込んだ。
 「(最後は)まわりが勝手にタレていっただけ。今日(2日目)の風は暴力的に強かったですよ。松浦でさえ、行こうとしてくれてるのに、なかなか行けなかったですもんね」

10R

選手の写真です。
岡村潤選手
選手の写真です。
深谷知広選手
 新鋭・山口拳矢らを相手に深谷知広の貫禄が光った。赤板の2コーナーから眞杉匠が先行策に出るが、深谷はすぐさま追い上げて口の空いた中団に入る。最終バックからまくった深谷が前団を飲み込むと、マークの岡村潤(写真)がゴール寸前で逆転した。
 「共同(通信社杯)の時に深谷から離れているので、そればかりよぎったけど、付き切れて良かったです。この風の中であのスピードはやっぱり違うけど、この風のおかげで抜けたのかなとも思います。今回は練習もしっかりできたし、深谷との連係もあるかなと思って、ダッシュ練習とかスピード練習を多めにやってきたのが良かったのかなと思います」
 勝負どころを逃さない動きからの中団まくりで、深谷知広(写真)は移籍初戦を無事に優出。自力型泣かせの強風の中、元ホームバンクの記念でまずは最低限のノルマを果たした。
 「滅多にない展開でしたね。一年に一回あるか、ないかの中団だった。これで今年の中団は使っちゃいました(笑)。眞杉君のカカリが良かったので、感じはあまり良くなかったけど、(岡村と)一緒に勝ち上がれたのは良かった」
 逃げた眞杉の後ろから踏んだ諸橋愛は、3着で決勝へコマを進めた。
 「一番強い深谷が中団なのは痛かった。あれは仕事をしても、(眞杉を)残すのは難しいですね。対応できなかったけど、3人(小埜正義まで)行かれなくて良かった」

11R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
選手の写真です。
浅井康太選手
 地元代表の吉田敏洋(写真)が1着で準決勝を突破した。赤板の1センターから岡崎智哉が先制するが、浅井康太はしっかり4番手をキープ。7番手の山田英明に睨みを利かせて最終バックからまくり出すと、最後は吉田が鋭く抜け出した。
 「結果論だけど、昨日(二次予選)の苦しいレースを乗り越えたから、今日(準決勝)は楽に走れたのかなと。精神的にですけどね。浅井はえらい落ち着いていたけど、俺と宮越(孝治)は(山田に)すくわれるんじゃないかと思って、少し内に降りていたから、ジャン過ぎでヒデにカマされていたら、俺は浅井から離れていたかもしれない。(浅井が)あそこまで行ったら、なんとか抜けますね」
 浅井康太(写真)は2着ながら、らしい走りでソツなく決勝に進出。
 「後ろ(吉田)が重かったです(笑)。とりあえず決まって良かった。(佐藤)慎太郎さんが付いた時の自力は行く人が多いから、(山田は)早めに来るかと思ってました。(山田は)昨日(二次予選で)逃げていたから、その感触でホームくらいで来るかなと。(自分は)一周くらいは駆ける気でいました」
 目標にした山田が不発の展開にも、佐藤慎太郎は的確なコース取りから鋭脚を発揮。決勝に勝ち上がってS班の底力を示した。
 「厳しいレースになったけど突っ込めている。イチかバチかのコースになってしまったけど、コースを見つけて入って行けました。疲れが今日(3日目)になって抜けてきた感じがします」

12R

選手の写真です。
村上博幸選手
選手の写真です。
野原雅也選手
 近畿勢の作戦がズバリ。赤板で押さえた松浦悠士が先行するが、前受けから7番手まで引いた野原雅也が打鐘2センターからのカマシで襲い掛かる。ホームで松浦を叩いてライン3車で出切ると、絶好の展開が向いた村上博幸(写真)がきっちり差し切った。
 「バンクコンディションが悪いのでスタート合戦になるやろなと思って、スタートから緊張しました。自分らは車番が良かったし、松浦が相手なんで自分らの得意パターンにはめたいなと。(今節が復帰戦で)あとはレース勘だけやと思って来たけど、踏み出しの間合いが悪くて車間が空いてしまったので、そこは反省です。前の選手のおかげで決勝に乗れたけど、抜けているので悪くないと思う」
 2着の野原雅也(写真)もS班の松浦らを一蹴する走りは見事だった。
 「前がカカっていたら、まくりでもいいかなと思っていました。状況を見ながらのレースで、自分が行きたいタイミングで行けたので良かった。決勝に上がれているので感じはいいと思うけど、後ろの援護があってのことなので」
 松浦悠士は写真判定の末、辛くも3着を確保。叩かれ4番手と苦しい展開にも決勝進出を決めた。
 「(野原)雅也が見えてなくてペースで駆けていたら、すごいスピードで行かれてしまった。ちょっと反応できなかったし、飛びついてからもサドルに座る位置が悪くてフォームが固まらなかったです。最後は届かなかったというか、余力がなかったですね」