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とよはし競輪

TOYOHASHI KEIRIN

45#

検車場レポート

  • 10/26 Fri.  (前検日)
  • 10/27 Sat.  (1日目)
  • 10/28 Sun.  (2日目)
  • 10/29 Mon.  (3日目)

1R

 オープニングレースは竹内翼に期待が集まりそう。8月富山ブロックセブンで待望のS級初優勝。その後も好調が続いていたが、前回の10月函館FIは散々な成績に終わった。


 「(6月)小松島で落車したのをきっかけに、練習内容を変えたら、結果が出るようになりました。函館は体調を崩して、体が動かなかったです。もう治っているので大丈夫。気持ちを切り替えて今回はしっかり頑張ります」


 廣田敦士は10月寛仁親王牌でGI初出場。トップクラスとの力の差を痛感した。


 「親王牌は結果を残せなかったし、アピールもできなかった。力もないし、みんなと比べて練習量も足りないと感じました。終わってからは練習量を増やしている。その成果が出ればいいんですけどね。しっかり先行します」

2R

選手の写真です。
岡本総選手

 岡本総(写真)は落車の怪我から立ち直ってきている。地元記念に向けて、できる限りの準備はしてきた。


 「オールスターの落車がけっこうひどくて、なかなか戻らなかったけど、だいぶよくなってきました。前回の別府から期間も空いて、しっかり練習はできました。今回は新車なんですけど、サイズは前と変わらないし、練習の感触はよかったです。地元記念は2回目。去年は準決勝に勝ち上がれたけど、体調を崩して当日欠場してしまった。まずは準決勝にしっかり乗れるように頑張ります」


 渡邊健は10月四日市FIの準決勝で今期2度目の失格を喫した。


 「四日市の失格でちょっと気持ちが切れてしまった。調子は悪くないと思うけど、何とも言えない感じですね。今回は地元なんで頑張りたいと思っている。岡本君は強いし、ダッシュがいいので、離れないようにしっかり付いていきます」

3R

選手の写真です。
藤井栄二選手

 藤井栄二(写真)は徹底先行の競走スタイルで着実にパワーアップしている。3カ月ぶりの記念参戦で存在感をアピールする。


 「自分のやりたいレースはしっかりできています。先行争いにならずに、すんなり逃がしてもらえるレースが多いから結果が出ているんだと思います。警戒された時に、どういう対処ができるかが重要になってくる。脚力ももっと上げていきたいですね。久々の記念なんですけど、いつもどおりのレースをします」


 高間悠平は10月福井FIで2連対。直前は地区プロに出場した。


 「地元は準決勝で競られてダメでした。終わってから地区プロの団体追い抜きに出て、結果は残せなかったんですけど、そこに向けてかなり練習したので、その成果を出せればいいですね。いつも競技に出たあとは成績がいいんですよ。藤井君はめちゃくちゃ強いんで、まずは離れないように付いていきます」


 

4R

選手の写真です。
高橋和也選手

 地元コンビが戦歴でリードしている。高橋和也(写真)は唯一のS級1班。前回久留米のケイリンエボリューションは2着と好走している。


 「エボリューションは2着でいい感触で走れました。終わってから自転車を戻して普通に練習してきました。感じは悪くなかったです。細切れですけど、後ろは島野(浩司)さんでラインは3車ですからね。タイミングを逃さずにしっかり仕掛けます」


 島野浩司は9月当地FIで失格。直前の千葉記念in松戸は初日に落車と流れが悪い。


 「落車で頭と腰を強く打ちました。フレームは修理に出して間に合いました。何日か休んで様子を見ながら練習して、よくはないけど走れる状態には戻りました。高橋君とは久しぶり。信頼して任せます」

5R

 ここ5場所で優出3回と乗れている窓場千加頼だが、「まだまだ、全然」と本人は現状に満足していない。


 「今期のアタマはまだ自信がなかったし、(7月末の)平からちょっとずつですね。探り探り頑張って、ここまで来ました。特に何かを変えたってことはない。僕は気持ちに左右されるタイプなんで、気持ちを大きく持ててるのがいいんでしょうね。気を抜かないようにこのまま上を目指していきたいし、今は開き直って攻められてるのが大きいです」


 対する江連和洋は10月向日町、弥彦とFIの準決勝を連勝している。


 「決勝は乗っただけになっちゃってるけどね。状態は走ってみないとわからないけど、大丈夫だと思う。ここまで2週間空いて、ジャパンカップのイベントとかもあったけど、練習と休みとうまくやって来れた」


 9月広島から4場所連続で初日を突破している菅原裕太も侮れない。


 「一時期よりはよくなってきた。色々セッティングとかも悩んでたけど、それは(8月)富山記念でまとまって、その前から変えてた練習もいい方向にいっている。結果が出て気持ちも楽になりました。初日も相手は強いけど、負けないように頑張りたいです」


 

6R

 ここは岩本俊介が人気を集める。7月サマーナイトフェスティバルの落車で鎖骨を骨折したが、復帰戦となった9月共同通信社杯からその影響を感じさせない走り。前回の10月別府でも決勝に勝ち上がっている。


 「向日町記念は疲れてダメだったけど、別府ではそこそこ上向いてるかなって感じでした。あとは走ってみてですね。直前には地区プロもあったし、スプリントに出ていい刺激が入った。終わってからはゆっくり休みました。豊橋はあまりイメージがないけど、連がらみがないんですか? あんま良くないな(苦笑)。連対できるように頑張ります」


 番手の武田憲祐は9月和歌山で落車しているが、その後もFIを連続優出するなど影響はなさそう。


 「直前は地区プロのエリミネーションに出て調子は良かったし、いい感じでした。落車の影響もないです。岩本君とは何度も連係してるし、(S級で)初優勝させてもらってる。いいと思います。強いので集中だけはしたいですね」

7R

選手の写真です。
野口裕史選手

 野口裕史(写真)は前回の松戸に続いて2度目の記念参戦。前回はシリーズ2勝を挙げたが、S級に特進してからまだ逃げの決まり手はない。


 「やっぱりA級とは違いますね。相手の仕掛けも早いし、出てフッと(ひと息)したところを行かれてる。早く逃げの決まり手をつけたいし、師匠(武井大介)にも全力で4日間、先行でやって来いって言われたし、お帰りで3日になっても先行したい。(別線に出られた)前回を肝に銘じて走ります」


 堀内昇は前回の10月平塚でシリーズ2勝。8月松戸記念の落車からの復帰戦でまずまずの走りを見せた。


 「ろっ骨骨折したけど、痛みはなくなってきてる。状態は戻ってきてると思います。体力がまだ万全ではないけど、かぎりなくいい時に戻ってる」


 野口、堀内に石口慶多も徹底先行型。やり合えば小川賢人にチャンスだ。


 「そんな感じになりそうだけど、人任せにならないように。1回脚を使っても残ってると思うので、前々に自分で動いて位置を取りたい。9着はあるけど、動きはいいと思うし、今回も戦えると思う」


 

8R

 坂本亮馬は競走得点28番目で予選スタートとなってしまった。


 「(松岡)貴久さんが熊本記念で0.5点上げたんで抜かれました。最近のデキも良くなかったので、しっかり練習しようと一本休んだけど、結局普段どおりに過ごしてしまった。もう1カ月自転車に乗ってないから、どうなるかですね。直前の地区プロで脚は悪くなかったんで、そんなには問題ないと思う」


 今年4月に生まれ故郷の大分へ移籍した牧剛央だが、まだ環境の変化に戸惑っているようだ。


 「移籍で環境が変わってさらなる刺激と思ったけど、変えたダメージのほうがデカかったですね。状態はそんなに良くはない。去年の今ぐらいの感覚がなかなかもどらないのがもどかしいですね。まずはこの変化に慣れるしかない」


 

9R

 予選メーンの中心は佐々木豪。寬仁親王牌の3日目から、ここまで3連勝と状態も良さそうだ。


 「9月小倉で外国人をまねてサドルを上げたのが良かった。前にも上げた時期はあったけど、自転車を換えたタイミングだったし、その自転車がダメで感じが悪かった。それもあってずっと上げないようにしてたんですけどね。GIで2勝できたし、結果が出るとヤル気も出る。気持ちが強くなったと思います。予選のメーンにしてもらったんで、ラインで決まるようにしたい」


 筒井敦史は前回の10月京王閣を欠場しているが体調に問題はなさそうだ。


 「プライベートで脚を痛めて欠場したけど、もう大丈夫。走れなければ来てないです。今期は2班で予選スタートだけど、初日はGIより気合いが入る。セッティングもいい傾向にあるし、それがプラス材料ですね。佐々木君とはオールスター、寬仁親王牌とGIで連係してる。勝てるレースをしてもらって。まくりになったら差せないだろうけど、それでもいいです」


 

10R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 腰を痛めて8月オールスターのあとは1カ月の欠場があった吉田敏洋(写真)だが、前回の函館で決勝に勝ち上がるなど着実に調子を戻している。


 「去年(の豊橋記念決勝)は(深谷知広、金子貴志と連係して)ワンツースリーだよね? まあ去年のことを持ち出してもしょうがないけど。感じはちょっと良くなってきましたね。初日は自分に喝を入れる意味でも自力でしっかり結果を出したい」


 古性優作はここ3場所決勝進出を逃しているが、高い総合力で優勝を争うひとりだ。


 「直前は地区プロのケイリンに出て、普段とは違う刺激をもらった。(準決勝で負けた)久留米記念の分までしっかり走りたい」


 古性をマークするのは稲垣裕之だ。


 「寬仁親王牌は失格でファンのみなさんに迷惑をかけた。その分も練習してきたし、取り返したいと思う。地区プロは勝ち上がりで負けたけど、自分の調子自体は悪くなかった。競技用で多めに練習したので刺激も体に入ってます。古性君はいつも前々に頑張ってくれるので、しっかりついていきたい」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 武田豊樹(写真)は8月松戸記念からオールスター、寬仁親王牌とここへ来て落車続き。勝負の終盤戦へ向けて、ここから流れを変えたい。


 「(落車が)多いっすね。嫌になっちゃう。骨折とかがなくてよかったけど、落車の衝撃で骨盤を折ったところに痛みが出た。ここまでは休んで練習して、ケアしてって感じです。状態? 走れると判断したんで来ました。じゃないと来れないですよ。初日は(鈴木)竜士がいるんで、任せて頑張ります」


 鈴木竜士は8月小田原記念のブロックセブンで勝ってからは抜群の安定感を見せている。


 「最近はFIだけしか走ってないんで、こういう大きい舞台でどれだけできるか。でも風さえ切れれば何とかなるかなって感じはあります。武田さんとの連係は3回か4回くらいあります」


 小川真太郎は調子を上げる同期、鈴木竜士との対戦に気合いを入れる。


 「竜士を倒す! でもこの近況だとボコボコにされるかもしれないですね。状態は自分でも普通だと思うし、悪い感じはしないんですけどね。練習だとちょっと悪いかなってぐらいだし、そんなには悪くないと思う。そろそろ1着が欲しいですね」


 

12R

選手の写真です。
金子貴志選手

 浅井康太は7月サマーナイトフェスティバルから4連続でビッグレースで優出。勝負の後半戦を迎えて、エンジンがかかってきた。


 「(寬仁親王牌からここまで)上積みはちょっとあるかなってところですね。前回も悪くなかったし、終わってからもこれかなって大事なとこを見つけた。ここから競輪祭やグランプリに向けて仕上げていければ。課題を見つけながら練習できたので、そこをレースでしっかり出せればいいですね」


 寬仁親王牌の二次予選で落車している金子貴志(写真)だが元気に地元記念に登場。2年連続、3回目の地元記念優勝を狙うシリーズを浅井の番手でスタートさせる。


 「(落車で)打撲がひどかったけど、自転車に乗る分には大丈夫。昨日(25日)までバンクに入って練習したし、ギリギリ間に合った感じです。一戦一戦大切に走りたい」


 金子幸央は前回の10月京王閣で751着。準決勝で敗れたが、思わぬ自信を得たようだ。


 「準決勝は地元勢を付けて、しっかり先行しなくちゃなと思ったので。状態はだんだん良くなってきてるし、最終日は負け戦だけど逃げ切りは1年ぶりだったんでうれしかった。普通の1着よりうれしかったし、タイムは出てなかったけど、そこそこ自信になりました」


 

1R

 廣田敦士が主導権を握ると、竹内翼の巻き返しを1センターで松崎貴久が大きくブロック。2センターで柿沼信也にとどめをさされた竹内が不発に終わると、直線で松崎が抜け出し中部3車でワンツースリーが決まった。


 「(竹内の)スピードがよかったので、無理矢理にでも止めようと思ってました。竹内君さえ飛ばせば、柿沼君は中団にいて邪魔になるだろうし、ライン3人で(ワンツースリーが)決まるかなって。4場所前から新車にしたけど、自転車もギアもマッチしていますね。あとは廣田君のおかげです」


 中部3番手を回った後藤彰仁が松崎に続いて2着に入った。


 「前2人のおかげですね。松崎さんがブロックした時は早く戻ってきてくれって思ってました。松崎さんは上から下りを使って踏んでくるし、僕は下から飛び付かないといけないので、そこがキツかったですね。でも脚を使ったわりには最後も伸びたしよかったです。山口富生さんにセッティングを見てもらってからいいですね」


 逃げた廣田敦士は懸命に踏み直して3着に粘る。


 「出切ってからはあんまりかかっていなくて、ヤバいなって思ってました。ずっと重たかったです。松崎さんが仕事をしてくれたので、そのおかげですね。最後は踏み直すことができたし、日に日によくなると思います。浅井(康太)さんと連係することを目標に(2日目以降も)頑張ります」

2R

 打鐘前に切った岡本総を小川祐司が押さえてマイペースで逃げる。すんなり中団に収まった岡本が最終2コーナーからまくると懸命に抵抗する小川を力でねじ伏せて人気に応えた。


 「ホームで流されていたし、あそこで引地(正人)さんに行かれたら包まれて終わっていたかもしれませんね。ペースで駆けられたんで、まくれないかと思いました。アップしている時は調子がいいと感じていたんですけど、感触はよくなかったです。しっかりダウンして調整します」


 好マークの渡邊健が直線で詰め寄って2着。地元ワンツーが決まった。


 「岡本君がうまく組み立ててくれました。いいレースをしてくれたし、さすがですね。何とか決められてよかったです。自分の感じも悪くはないです」


 後方7番手からまくり追い込んだ引地正人が3着まで届いた。


 「ラインで決めるのが理想なんですけどね。力がないから、こういう走りになってしまう。後ろには申しわけなかったです。あおりもなくて、展開もよかったです」

3R

選手の写真です。
高間悠平選手

 前を取らされた藤井栄二だったが、下げると打鐘過ぎ2センターから一気のカマシ先行。踏み出しで口が空いた高間悠平(写真)だったが、何とか追いつくとゴール前で逆転した。


 「自分は下で差しちゃってたし、ああなると思ってた。ちょっと余裕がなかったですね。(バックで台和紀が)自分のとこに来てたら終わってた。初っぱなから千切れてるんで嬉しくない。元々ダッシュが苦手なんで、あそこさえ付いて行ければもっといいんだけど。2日目からは千切れんように頑張ります」


 カマした藤井栄二は2着に粘った。


 「思った以上にピッチが上がったけど、詰まったとこをすぐに行こうと思ってたんで。キツかったですね。前受けから引いてカマシっていうのが久しぶりだったんで、自分が思ったような踏み方と違った。前を取らされた時はああなるので、その時にしっかり自分の踏み方ができるようにしたい」


 3着にはライン3番手を回った吉岡篤志が流れ込んだ。


 「前が離れてくれた分、よかった。出足はまだ戦えそう。最後が伸びんけどね」


 

4R

 前受けから下げた高橋和也は相笠翔太に合わせて2コーナーから動くと、打鐘で相笠を受けて3番手を確保。車間を詰めた勢いで2コーナーから仕掛けると、番手の島野浩司とワンツーを決めた。


 「ジャン前で相笠君が口空いていたので、先に切ったほうがいいかなって。本当は先行してラインで決めるのが理想ですけど。とりあえず3番手をキープしてからって思って走りました。前回から感触がいいし、その感じのまま走れました。緊張したので少し重たく感じたけど、2日目からよくなると思います。この調子で残り3日間頑張りたい」


 ホームの島野浩司は落車明けの一戦だったが、懸命に高橋の仕掛けに食い下がって2着をキープした。


 「後ろから交わされずよかったです。前回の落車の影響があるのか、体が重いですね。高橋君が前々に攻めてくれてよかったです。追走でいっぱいだったし、今の調子はこんな感じですね」


 直線で外を伸びた八谷誠賢が3着に食い込んだ。


 「脚の感じがいいですね。シューズの中敷きを換えたら、ペダリングもスムーズに回る。すごい軽かったし、高橋君の3番手まくりにあれだけ迫れたので、自信がつきました」

5R

 赤板の2コーナーで切った久木原洋を菅原裕太が打鐘で叩いて主導権を握る。これで7番手となった窓場千加瀬が最終2コーナーからまくると、これに合わせて久木原も最終バックから踏み上げる。石毛克幸のけん制を乗り越えた久木原が先頭でゴールを駆け抜けた。


 「今期12勝目なんですけど、勝ち上がりの1着は初めて。負け戦と補充でしか勝ててなかったんで本当にうれしいです。いつもは行けるところから仕掛けるっていう感じだけど、こういう中団を取る組み立てもたまには見せていかないと。早く仕掛けても窓場君を引き出すだけだから窓場君が来てから行こうと思ってました。なんとか勝ててよかったです」


 菅原の先行をフルに利した石毛克幸が2着に入った。


 「風が強い中で菅原君がよく頑張ってくれました。強かったです。(久木原を)3コーナーでブロックして止まったと思ったんですけどね。また伸びてきました」


 外々をしぶとくまくり上げた窓場千加瀬は3着に入るのが精いっぱいだった。


 「点数が上がって受けて立つ立場になると厳しいですね。菅原君との相性の悪さもあって、気持ちの弱さが出ました。踏み方も甘くて飛んだと思いました。徐々に上げていけるように調整します」


 

6R

選手の写真です。
服部克久選手

 利根正明にフタをした泉谷元樹が打鐘から踏み込むが、「遅かったですね」と前受けの岩本俊介が突っ張り先行。これで人気の南関ラインで決まったかに思われたが、バック7番手から利根がまくりを決めて続いた服部克久(写真)がゴール寸前わずかにとらえた。


 「けっこう向かい風だったし、泉谷君も利根んとこでフタかと思った。泉谷君も浮いてたし、その上を行く?と思ったけどね。僕はツケマイしながらタテに踏めばいいかなと。仕上がってる利根が。最後は抜いたかなと思ったけど、1コーナーのファンに『抜かんか』って言われました(苦笑)」


 まくった利根正明も思わぬ結果に目を丸くする。


 「あれなら岩本さんも脚を使うし、展開は最高でした。いいスピードだったし、ここ(3番手付近)で止まっても3着はあると思ったら、最後伸びた。(競走得点が)10点違う人をまくってしまった…。今回から換えたシューズがいい。向かい風も苦にならなかったです」


 3着の武田憲祐にとってはまさかの展開だった。


 「岩本君のダッシュが良くてピリッと来た分、仕事ができなかった。一番強い人が駆けているし、誰も来ないだろうと思ってたら音がした。いいスピードだったし、ワンツーは決まらないだろうなと思いました」


 

7R

 中団の堀内昇が先に動いて赤板の2コーナーで前に出ると、その上を野口裕史が叩いて主導権を握る。ホームから一気にピッチを上げると、番手の石井毅が離れて援護を失った野口だが、3番手からその差を詰めてくる堀内らの追撃を振り切った。


 「師匠から4日間先行してこいと言われていたし、ジャンから緩めず行こうと思っていた。堀内君が切って緩めていたので、後ろを引き離すくらいの気持ちで踏んでいきました。ホームが追い風だったのでスピードに乗せたほうが、バックの向かい風を耐えて4着までには残れるかなって。後ろの様子は分かっていなかったです。予選初勝利は嬉しいですね。逃げの決まり手も付けられたし、バンクの重さも感じなかったです」


 2着には2コーナーからまくり上げた堀内昇が食い込んだ。


 「前々に組み立てられたし、最低限の走りはできました。石井さんが離れているのが見えて、仕掛けていきました。追いつくかなって思ったけど、思ったよりも車が伸びていかなかった。でも、及第点の走りはできました」


 堀内に続いた須賀和彦が3着に入った。


 「野口さんが強かったですね。作戦どおりの組み立てだったんですけど。2コーナーから堀内君が仕掛けてくれたし、よかったです。状態は悪くないし、2日目は更によくなると思います」

8R

選手の写真です。
坂本亮馬選手

 後ろ攻めの古川宗行は早めに動いて3番手の下岡優希にしばらくフタをしてから打鐘前に踏み込んで駆ける。すかさず叩きに出た藤田勝也は古川に合わされて不発。内に降りようとした北川紋部を最終ホーム前にさばいて4番手を確保した坂本亮馬(写真)が3コーナーから一気にまくった。


 「特に作戦はなしで、3、4番手に追い上げようと。降りてきたのは北川さんですか。うまく1回で綺麗にさばけたのが大きかったですね。6番(古川)はバックでむっちゃタレてました。いい形でワンツーが決まってよかったです。このレベルだと(状態が)いいか悪いか分からないですね」


 牧剛央は完璧マークで2着に流れ込み、九州ワンツー決着となった。


 「キツかったですね。北川君が降りてきた時に行かれてたら離れていたと思う。最近はずっと展開が悪くてダメだったんでよかったです」


 

9R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 赤板前から上昇した西本直大に合わせて踏んだ佐々木豪(写真)が3番手を確保するが、そこを打鐘から村上直久が叩いて前に出る。これで7番手になった佐々木だったが、4コーナーから早めのスパート。筒井敦史の追撃を振り切り、押し切った。


 「落ち着いて見てたけど、(有坂直樹が)一人浮いてたんで過ぎるのを待つと閉じ込められると思って行った。風が強くて、全然スピードが出なかった。重かったですね。筋トレしてるみたいだったです。サドルカバーはトータル3センチぐらい上げて、今回からハンドルも狭くした。まだ変な感じがしたんで、もうちょい良くできると思う」


 佐々木に続いた筒井敦史だったが逆転はならず。


 「抜きに行ったら豪ちゃんが振ったから後輪に当たりそうになってよろけた。アレがなければ抜けてたかな。でも、みんながさばきに来るのをう回してだからキツかったです」


 離れながらも佐々木ラインを追った村上マークの三上佳孝が3着に食い込んだ。


 「よかった。もうちょっと食えるかと思ったけど、うれしいですね。村上さんもまだ踏めてたんで入れたけど、佐々木君が強いですね。スピードが違った」


 

10R

選手の写真です。
古性優作選手

 小松崎大地が打鐘前から先頭に立つと、渡邉雄太がすかさず仕掛けて3コーナーで小松崎を叩く。8番手になった吉田敏洋が4コーナーから仕掛けて前団を飲み込んだが、番手の近藤龍徳は口が空いてしまう。中部勢の仕掛けを追うようにホームから外に持ち出していた古性優作(写真)が吉田との距離を徐々に詰めると、直線で鮮やかに逆転した。


 「初手の位置だけしっかり考えて、自分の動けるところで仕掛けていこうと思っていました。吉田さんのカマシは強烈で、自分の対応はギリギリでしたね。余裕は全くないです、しんどかった。自転車とかセッティングは前橋のときと同じだけど、室内と屋外で環境が違うので。稲垣さんとワンツーが決まってよかったです」


 古性マークの稲垣裕之がしっかり続いて2着を確保。近畿ワンツーで人気に応えた。


 「松谷(秀幸)君の動きが気になったので、最後もしっかり内を締めておこうと。古性君も頑張っているし、中を割る展開ではなかったですから。道中は余裕もあったし、よかったです。古性君が強かったし、上手かったですよ」


 口が空いて、2センターでは松谷秀幸に割り込まれた三宅達也だったが、外から松谷を差し返して3着に。


 「前の2人が頑張ってくれました。千切れたけど、3着まで入れてよかったですよ。最後は外からよく交わせましたね。でも連れていってもらっただけなので。また頑張ります」


 

11R

選手の写真です。
橋本強選手

 3連単44万円台の大穴配当が飛び出した。レースは鈴木竜士が打鐘から主導権を取る。中団はもつれて、山賀雅仁を強引に内に押し込んだ松岡貴久がそのまま空いた内を進出。武田豊樹をどかしてホーム前に鈴木の番手を取り切る。8番手となった小川真太郎がすかさず反撃。好スピードで前団に迫ると、松岡が3コーナーから番手まくりを放つ。小川はこれで苦しくなったが、その後ろから橋本強(写真)が鋭く伸び切った。


 「(小川の)踏み出しに集中していたけど、ちょっと口が空いてしまいました。なんとか付いていけて勢いもよかったんで、決まると思ったんですけどね。止まってしまって一緒にバックを踏んだ。その外はいけないと思って、内を行かせてもらいました。反応が悪かったんで、そこは修正したいと思います」


 大森慶一が最終バック9番手の展開から2着に突っ込んだ。


 「展開が悪くてもうダメだと思っていたら伸びましたね。本当に出ましたね。前にいるよりも後ろのほうがいいのかな。こういう展開のほうが自分に合っている。状態はいいと思います」


 鈴木の番手を奪った松岡貴久は3着。思うように車が進まなかった。


 「とりあえず前に踏んで気付いたらハコにいた感じです。(番手を)取り切ってから余裕はあったんですけどね。後ろから(小川が)来たんで踏んだけど出なかった。直前に地区プロがあって疲れもあるし、カーボンフレームのイメージで踏んだら出なかったです。結果オーライですね」

12R

選手の写真です。
金子貴志選手

 中団の早坂秀悟にフタをした金子幸央が打鐘前から主導権を握ると、前受けの浅井康太は絶好の5番手を確保。車間を切ってけん制する長島大介の動きも構わず1センターから仕掛けると、ライン3車できれいに出切る。最後は続いた金子貴志(写真)が逆転して、地元記念の白星スタートを決めた。


 「浅井が強かったですね。早めに行ってくれたんで。僕の状態もいいと思います。(前回、落車の違和感も)思ったより(ない)。前が車間を空けてたんで、遠かったと思うけどよく行ってくれました。スピードもよかったですね」


 差されたとはいえ浅井康太もしっかりと自力を出して脚の感触を確かめた。


 「金子(幸央)君がもうちょっと中途半端に来たらジャンで突っ張ってもよかったけどね。すんなり中団が取れたし、早めでも仕掛けようと思ってた。バックを取るつもりだったけど、前も車間を空けてて意外に遠かったです。しっかり踏み切れたし、踏み直しも落ち着いて、余裕を持ってできた。抜かれたけど、そこは意識できたと思う。また課題も見つかったので、2日目以降そこがかみ合えば」


 8番手から仕掛けて前団に迫った早坂のスピードが鈍ると、そのスピードをもらった山崎芳仁が直線外を伸びて3着に食い込んだ。


 「秀悟がもう少し伸びると思ったんで、1車輪ぐらい空けてたけど、詰まってきたんで外を踏んだ。脚は悪くないと思う」


 浅井の仕掛けに3番手でしっかりと続いた北野武史だったが、山崎に食われて4着に敗れた。


 「長島君が気になった。復活されたらと思って、締め込んだら金子(貴志)の内に入ってしまった。感じは悪くなかっただけに、もったいない」


 

6R

選手の写真です。
早坂秀悟選手

 赤板前から動いた利根正明が誘導後位に入ると、そこを打鐘から藤井栄二が叩いて主導権を握る。利根、さらには6番手の吉岡篤志と中団以降の車間が空いて、大きく離れた8番手になってしまった早坂秀悟(写真)だったが、2コーナーから外に持ち出すと鮮やかに前団を飲み込んだ。


 「利根君が仕掛けるのはわかってるんで、動いてからでもいいかなと思った。でも吉岡さんが離れてるのはわからなかったですね。二次予選は1、2着を取るのが最低条件だと思ってるし、登志信さんに抜かれても藤井君や利根君には先着しなきゃダメなんで。踏み出しはあまりよくないけど、後半伸びてますね」


 齋藤登志信が内の松崎貴久をタイヤ差とらえて早坂とワンツーを決めた。


 「かなり前が遠かったですね。(3コーナー過ぎに)引地(正人)が浮いてたんで内に行こうかと思ったけど、付いてって正解。秀悟は自分のレースをさせたほうが強いですね。内で5番(松崎)も伸びてたし、3、4着かなと思ったけど、2着だったし、何とかしのげた感じ」


 逃げた藤井ライン3番手から直線伸びた松崎貴久が3着で準決勝進出を決めた。


 「余裕はありました。タツ(近藤龍徳)が(藤井)栄二をかばいたいのはわかるけど、(早坂が)見えてたので踏んでしまった。自分だけになってしまったし、難しいですね」

7R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 八谷誠賢が動いたうえを、高橋和也が打鐘から叩いて主導権を握る。うまく中団を確保したかに見えた八谷だが、高橋のペースの前に4コーナー手前から外に持ち出すのがやっと。番手絶好の吉田敏洋(写真)がきっちりと抜け出した。


 「高橋が強いのは知っているのでね。しっかり組み立ててくれたし、自分で何とかしなきゃという考えはなくて、高橋にトップスピードで勝負しろってレース前に言っていた。なんとか(渡邊)健さんまで連れ込めればよかったんだけどね。人の後ろとはいえ、落ち着いて走れるようになったし、自分自身のスピードも戻ってきたかな。準決勝が勝負ですね」


 逃げた高橋和也が2着に粘り込んで、吉田と初めてワンツーを決めた。


 「後ろ(吉田)のプレッシャーにやられましたね(笑)。久々にあれだけ逃げたのでキツかったです。でも、けっこう踏み直せたし、かかりはよかったと思う。前回から感触はよかったので。初めてワンツーが決まったのでよかったです」


 八谷マークの園田匠が直線鋭く伸びて3着に食い込んだ。


 「八谷さんが中団を取ってくれたおかげ。八谷さんが外からそのまま飲み込んでしまうかと思って、少し待った分伸び切れなかったですね。でもとりあえず準決に乗れるのでよかった。あの位置が取れたのが大きいです。早めに踏み込めば、もっと行けそうな感じがあります」


 

8R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 中団から早めに動いた岩本俊介(写真)が誘導員の後位に収まる。小川真太郎は、前受けから3番手に下げた小松崎大地にしばらくフタをしてから打鐘で先頭に立つ。すかさず反撃に出た小松崎はホームで強引に小川を叩いて主導権を取るが、前団がもつれを岩本が豪快にまくり切った。


 「本当は前受けがよかったんですが、毎回、車番がいいわけじゃないですからね。早めに動いて前受けの形にして、力勝負しようと思ってました。出脚は前回よりもいいですね。初日がいつもと違う突っ張り先行だったので、脚に疲れがあった。しっかりケアして、朝、起きたらよくなってました。勝ててホッとしてます」


 三上佳孝が懸命に続いて2着に入り、千葉コンビで連を独占した。


 「(岩本の)踏み出しが半端ないですね。少し離れたけど、なんとか追いつけました。バイクみたいでした。苦しかったけど、2人で決まって本当にうれしいです」


 最終ホームで叩かれた小川真太郎は池田良のアシストもあって小松崎の後位に収まる。岩本のまくりに反応できなかったが、3着で準決勝にコマを進めた。


 「前に出て、いつものスタイルでやりたいことが久しぶりにできました。あれでもう1回、バックから出て行ければ100点でしたけどね。脚がなくてまだまだだけど、あの形には持っていけてるので。ようしのげたと思います」

9R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 赤板ホームから動いた野口裕史が打鐘で前に出る。3番手は内に岡本総、外に鈴木竜士(写真)で併走になったが、野口のペースが上がる前に4コーナーから鈴木が仕掛ける。1コーナーで出切ると、そのまま力強く押し切った。


 「(外併走になって)駆けられたら遅れると思ったんで行きました。でも中途半端だったですね。ジャンで行けたんじゃないかと思うし、思い切りがなかった。3番手に(坂本)亮馬さんまでいたし、行ってたらすんなり出切れてたと思う。(状態は問題ないが)内容ですね」


 4コーナーで松谷秀幸と接触したことも影響した長島大介は逆転ならず。


 「強いですね。点数、近況どおりの。竜士は行っちゃうと思ったんで、松谷さんにからまれないようにと思ってた。松谷さんと接触したのも影響したけど、なくても差せなかったと思う。僕は直前に体調を崩したけど、普通ですね。連日、人の後ろだけど付いてて余裕はある」


 松谷に続く形から2センターで外に持ち出した岡本総が3着に食い込んだ。


 「(接触した松谷が外にはれてきて)コケるかと思いました。野口さんががあんなに簡単に出られると思わなくて、もう少しやり合うかなと思ったんですけどね。鈴木君がスッと出ちゃったのが予想外だったけど3着に入れたんで。準決勝も全力を出し切っていきたい」


 

10R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 中団の廣田敦士にフタをして久木原洋が打鐘から前に出るが、そこを廣田が4コーナーで叩いて主導権を握る。中団となった久木原が車間を切り、前団とは大きく離れた7番手に置かれた渡邉雄太(写真)だが、バックから外に持ち出すと上がり11秒0の一番時計で前団をとらえた。


 「(赤板で上昇した)久木原さんが中団で止まるとは思わず、突っ張ろうかと思ったけど、ちょっと早すぎたので。届かないかなって思ったし、ヤバかったけど届いてよかった。バンクが重すぎて脚の感じはちょっとよく分からないですね。準決も3着までに入れるように頑張ります」


 廣田マークの北野武史が好展開を生かして2着に入った。


 「廣田君が強かったですね。思い切って仕掛けてくれたし、かかっていた。残るパターンかなって思ったけど、もうちょっと車間を空けたかったですね。脚は悪くないし、いい状態はキープできていると思う。やっと状態が戻ってきました」


 渡邉の仕掛けに懸命に食らい付いた山賀雅仁が3着に。


 「雄太の仕掛けに離れていった…。自力を辞めようかなって思いますよ。俺じゃああいう仕掛けはできない。雄太なら、踏める距離も長いので一回(久木原を)突っ張っても面白かったかなって。追走で苦しかったけど、よく3着まで届きました」

11R

選手の写真です。
高間悠平選手

 二次予選のラストは波乱の決着となった。打鐘前に切った佐々木豪を金子幸央が押さえて前に出るが、6番手となった窓場千加瀬がすかさず襲いかかる。ホームで金子を叩いた窓場が最終主導権。番手絶好となった高間悠平(写真)が直線で鋭く追い込み、シリーズ連勝を飾った。


 「窓場君は詰まったところで行ってくれれると思っていたし、ここだっていうところで行ってくれました。強かったです。誰も外に外してなかったですからね。奇跡ですよ」


 3番手で態勢を立て直した金子幸央は直線勝負で2着に入った。


 「武田(豊樹)さんの前で焦ってました。打鐘から早すぎて、ちょっとオーバーペースでしたね。3番手に入ったけど、そこまでに脚を使っていて、すぐに行ける感じじゃなかった。最後は気合で踏んだだけです。連日、動けてはいるけど、もう少し落ち着いてうまく走りたいですね」


 窓場千加瀬は強力な同型を相手に先行策で3着に粘った。


 「このメンバーで早めに動かないと飲み込まれると思ってました。しっかり対応して仕掛けることができました。出切ってからはいっぱいでした。地区プロの団体追い抜きに出て疲れがあったんですが、よくなっています。松戸記念で久しぶりに準決勝を走ってまた乗りたいと思っていたけど、こんなに早くできるとは思わなかったです」


 

12R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 優秀の「まくる君カップ」は前受けから下げた浅井康太が打鐘から先頭に立ってペースに持ち込んだが、3番手を確保した古性優作が2コーナーから強引にまくって前団を飲み込む。続いた稲垣裕之(写真)がゴール前で古性をとらえた。


 「古性が強い走りをしてくれたので。彼はどんな展開になっても前々に攻めてくれるし、安心して任せられる。浅井も強かったし、古性が無理やり行ってくれた感じでしたね。ラインで初日も2日目も決まってる。そこは古性のすごさだと思う。僕も勝つことが一番大事だと思うし、そこに向けてできることをしっかりとやりたい」


 2着にはなったが浅井の逃げを強引にまくった古性優作の走りも力強かった。


 「あそこ(初手で前から2番目)の位置だったんで、自分が先行できるなと思ったけどね。浅井さんが来たときに突っ張るかどうか迷いました。ホームでも行けそうな感じはあったし、セッティングは初日より段違いにいい。自分とリズムが合ってるし、このままいきたいなと思います」


 近畿勢を追走した三宅達也がしっかりと続いて、この日もラインでワンツースリーが決まった。


 「前2人のおかげ。何も言うことはないです。僕の力なんて微塵もない(笑)。どこもビリッとするとこはなかったし、しっかり付いていけました」


 古性にまくられ9着大敗した浅井康太だが、レース後は早くも勝負の準決勝に気持ちを切り替えた。


 「ゴールぐらいまで持つようにペースを守って走った。3番手に古性がいるのはわかってたし、3コーナーで合わせ切れるようにペースに入れて余力を持って走ってた。その前に行かれたのは残念だけど。先行は久しぶりなわりには走り終わって楽だったし、無駄な先行ではなかった」

10R

選手の写真です。
高橋和也選手
選手の写真です。
稲垣裕之選手

 窓場千加頼にフタをされた高橋和也(写真)だったが、打鐘前から小川真太郎と併走しながら窓場の仕掛けに続くと、うまく3番手を確保。早坂秀悟の巻き返しに合わせて1センターからまくると、決勝進出一番乗りを決めた。


 「今日は先行を考えていたが、あそこまでフタをされるとは…。あの位置では引けなくなりました。記念の決勝は今年3回目。豊橋は記念で初めて決勝に乗ったところで、それ以来10年ぶり。うれしいですね。体の反応はすごくよくできているし、調子もすごくいい。決勝は与えられた位置で頑張ります」


 小川と併走になった金子貴志が高橋の仕掛けに遅れると、窓場後位から高橋にスイッチした稲垣裕之(写真)が2着に食い込んだ。


 「うれしいですね。窓場君が強くて、成長してくれて。窓場君のピッチからして、3番手には誰かが単独でいるなって思ってました。高橋君のスピードを見てから慌てて踏んだ感じです。自分もそれなりに動けているが、乗り方とか脚のタメ方とかは修正が必要です」


 高橋の仕掛けに離れながらも稲垣の後ろで立て直した金子貴志が3位入線。からんだ小川が1センターで落車して審議対象になったが、セーフのアナウンスにホッと胸をなでおろす。


 「内にいたときに(高橋)和也が仕掛けていったので、重たかった。和也の加速がすごかったですね。早坂が来たのが見えたけど、(小川を)持っていったあとは戻るしかなかった。和也が頑張ってくれたし、松崎(貴久)さんも3番手にいたので大きかったです」

11R

選手の写真です。
金子幸央選手
選手の写真です。
古性優作選手

 鈴木竜士が打鐘前に飛び出して先行態勢を取る。中団外併走を嫌った岡本総がジワジワと上昇して叩きに行くが、これに合わせて鈴木がホーム前からペースを上げる。金子幸央(写真)に弾かれた岡本は後退。2コーナーで3番手から古性優作がまくると、金子がこれをブロックしながら早めに追い込んだ。


 「(鈴木)竜士君のおかげです。6番(岡本)を飛ばして、次に来るラインもしっかり仕事をして止めようと思っていたんですけどね。3コーナーでもう1度、ブロックできれば(鈴木を)残せたかもしれない。焦って踏んじゃいました。僕の技術不足ですね」


 後方7番手からまくった単騎の岩本俊介は不発。このスピードをもらった山崎芳仁が2着に突っ込んだ。


 「1コーナーをめがけて行こうと思ったんですが、岩本が行ってくれたんで付いていきました。岩本が止まったんで、内を狙いました。古性が出てきたんで、スイッチする感じでいけました。伸びているから脚は悪くないですね」


 古性優作(写真)は車体故障のアクシデントがあったが、懸命に踏み続けて3着に入った。


 「まくりに行って、1着を取ろうと最後までとにかく諦めずに踏みました。乗っている感じじゃなくて、滑っている感じでした」


 岩本俊介は単騎でも自力で見せ場は作った。


 「単独になるのがちょっと遅くて、自分のタイミングじゃなくて、無理やり仕掛けた感じになりました。残念ですけど、最終日もしっかり頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
選手の写真です。
浅井康太選手

 中団から先に動いた松岡貴久が打鐘前から誘導員を下ろすと、そこを長島大介が切って渡邉雄太を受ける。7番手になった浅井康太は1センターから仕掛けると、グングンと前団に迫る。山賀雅仁のけん制を乗り越えると、続いた吉田敏洋(写真)がゴール寸前で逆転した。


 「何かしらが起こっても対処できるようにと思ってた。焦って遅れないように外差し込みにいくと、(山賀のあおりで)ガッシャンだったね。抜けないのはしょうがないし、2、3着でも勝ち上がれればと思ってた。結果、抜けたけどね。前回、前々回に比べて(状態も)上がってる。初日は半信半疑の部分があったし、自転車の部品を元に戻したら、久しぶりに体と自転車がしっくり来た。これで初日のレースなら逃げきれてたかも」


 浅井康太(写真)も3日間、自力のレースできっちりと決勝戦に勝ち上がってきた。


 「(渡邉)雄太君もかかってたけど、それ以上に自分のタイミングがよかった。脚自体もいいと思う。今回は愛知勢に迷惑をかけてないので。(地元勢を)引き立てられるように脚作りをして来たし、年末に向けてのコンディショニングを考えたら(3日間、自力のレースは)一石二鳥かな」


 3着争いは逃げる渡邉雄太と番手で追い込む山賀雅仁とで横一線に。渡邉が山賀の追撃を8分の1輪差でしのいで決勝戦最後の切符を手に入れた。


 「先行一車みたいな感じだったので。5番(長島)が出たので突っ張りはないなと思ったし、落ち着けた。浅井さんは見えてなかったので、山賀さんのおかげですね。最後は山賀さんに抜かれたと思ってました。2日目と違って、そんなに重い感じはしなかったです」


 山賀雅仁はわずかに渡邉をとらえられず。


 「見たら(浅井が)すごい勢いで来てたんで、雄太には記念を獲らせてもらってるから、何とかできないかなと思ってやってみたけどね。結果、雄太が残れたからよかったけど、あれじゃみんなパンクしちゃう。3コーナーからは僕の技術不足です」


 


<最終日・6R S級ブロックセブン>


 最終日6RにはS級ブロックセブンが行われる。中心は宇佐見裕輝を先頭に3車で結束する東日本ライン。番手の芦澤大輔は慣れない7車立てに戸惑いながら、こう口を開く。


 「7車は前橋のミッドナイトであるけど、想像がつかないですね。(最近の成績は)たまたま恵まれて。でも状態はいいですね。おかげさまで腰も大丈夫です。宇佐見君が勝てるようにやってもらえれば。(ライン3車で)そういう面ではしっかりしてる。僕は自分のポジションで頑張りたい」


 8月は京王閣、久留米と立て続けに優出した宇佐見裕輝だが、自転車が届かず9月高知が欠場になってしまってから完全に流れを失ってしまっている。


 「前回(10月千葉記念in松戸、6欠着)は落車を避けたときに腰をひねってしまったので。でももう腰は大丈夫なので。6月川崎からフレームを換えて、徐々によくなってきてたけど、あれで流れが途切れたのもありますね。ここから自分でどういい流れに持って行くか。7車の経験は多いけど、上のクラスはまた違うと思うので油断せずに。積極的に仕掛けていきたいですね」


 岡崎智哉は10月千葉記念in松戸の落車から今回が復帰戦となる。


 「もう落車は影響ないと思う。練習でモガいた感じも全然モガけてたので。ここまで空いてたのでケアしてからガッツリ練習した。走ってみないとわからないけど、セッティングも古性(優作)君にアドバイスをもらったら練習の感じはいいので。7車の経験はチャレンジを走ってた頃のしかないけど、あまり気にしなくてもいいのかな。戦法的にもやりやすい。意外に逃げてもいいのかな。その辺も含めて走りたい」


 点数最上位の柏野智典は追加参戦。ブロックセブンは9月青森記念で走ったばかりだ。


 「またなんでビックリした。豊橋から電話があったので、記念の追加が来たと思ったら、ブロックセブンでした。青森でも九州の小川(賢人)君に任せたし、ここも久島(尚樹)君に任せます。そのなかでやれることをうまくしたいな。調子は問題ないし、チャンスは十分あると思う」