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23#

検車場レポート

  • 6/6 Wed.  (前検日)
  • 6/7 Thu.  (1日目)
  • 6/8 Fri.  (2日目)
  • 6/9 Sat.  (3日目)

1R

 工藤文彦は4場所連続優出中でそのうち準Vが2回と好調だ。今シリーズは初日の1レース1番車で好スタートを狙う。


 「展開に恵まれている感じなんで、なんとも言えないですね。これが自分の力だとは思ってない。今の成績をあと数カ月くらい続けられるようにしたいですね。103点で(S級)1班の点数が際どいので、頑張らないと。朝早いレースが苦手なので、早起きしてしっかり準備します」


 西岡拓朗は差し脚快調。FIながら3場所連続で決勝に乗っている。


 「前の選手がいい着を取っているんで、タマタマですよ。でも、レース中に余裕はあるし、しっかりチャンスはモノにできている。落車のケガの影響がなくなって、状態がよくなってきているのが大きいですね。工藤さんはいつも頑張ってくれるんで、しっかり付いていけるように」


 

2R

 伊藤成紀は前回の5月前橋FIで2カ月ぶりの優出を果たした。タテ攻撃は冴えている。


 「前橋の感触はよかったです。終わってから全プロの競技のケイリンを走りました。いい刺激になったので、そういうのを生かせればいいですね。去年のいい頃と比べたら、点数は落ちている。その時よりもよくなると思って、練習を変えてみたり、いろいろやってます」


 高間悠平は予選クラスでは安定した戦いぶりが光っている。好目標を得たここもしっかり結果を残す。


 「いい頃に比べると、調子はちょっと落ちてるかもしれないですね。来月に地元の福井記念が控えているので、そこに向けてフレームやギア、セッティングをいろいろ試したりしてます。前回の西武園が終わってから支部の記録会でいいタイムも出たし、追い込んだ練習もできました。伊藤さんの番手でしっかり仕事します」


 

3R

 松本貴治は今年1月にA級で9連勝を飾ってS級に特別昇級を果たした。その後は4月川崎ナイター記念で優出するなど、快進撃を続けている。


 「同期の南(潤)の活躍に比べると自分はまだまだだなって感じてます。でも、焦ってはいない。自分のやれることをしっかりやって、上がれるところまでは上がろうと思ってます。前回の広島の感触は悪くなかったんですが、先行態勢に入ってからのペース配分とか難しいですね。その辺がまだまだ甘いです。GIIIは3回目。川崎で決勝に乗れたので、今回もまずは決勝に乗れるように頑張ります」


 山中貴雄は前回の和歌山FIで2勝。鋭い決め脚を披露している。


 「けっこう勝てるようになったし、タテ脚が戻っている感じはします。自力を出す気はないですけどね。松本君との連係は2回目。(3月)別府の初日は自分が1着でワンツーでした。レースを見てても強いですからね。あの時よりさらに強くなっていると思うので、しっかり付いていきます」


 

4R

 才迫開は相変わらず成績の波が激しいが、ツボにはまった時の破壊力は抜群だ。前回静岡FIから中2日の追加参戦でも不安はない。


 「静岡は調子が悪いという感じじゃなかったけど、かみ合わなかったですね。なんか重かったです。追加は静岡の時にもらいました。休んできたんで、今回は大丈夫だと思います」


 蒔田英彦は前回の川崎FIで大敗を喫した。気持ちを切り替えて今シリーズに挑む。


 「前回はちょっとダメでしたね。原因は分かんないです。前々回の京王閣の後に体調を少し崩したのはあるけど、それはいいわけにできないですから。反省して、しっかり練習してきました。相手は強いんですが、自力でしっかり頑張ります」


 

5R

選手の写真です。
マティエスブフリ選手

 このレースから外国選手が登場。先陣を切るのはブフリ(写真)だ。4度目の来日となる今年も順調そのもの。前回宇都宮FIでは完全優勝を飾った。


 「レースごとによくなっています。まだレースごとに調子は変わってくる。前回は初日、2日目と疲れが残っていた。宇都宮が終わってからたくさんのトレーニングをする予定だったけど、いくつかスキップして、やらない時期もありました。先週はトレーニングというよりもリカバリーする感じだった。レースは先行、まくりでいきます」


 小酒大勇はここ2場所で4連対と好調。積極的な走りで外国人に抵抗する構えだ。


 「最近はしっかり練習ができているし、調子も上がってきてます。その流れで外国人と対戦できるので、まだマシですね。たぶん当たるんじゃないかと思ってました。取手は練習させてもらっているバンクなので、みんなよりその点は有利だと思ってます。自力で少しでも抵抗したいですね」


 

6R

選手の写真です。
テオボス選手

 来日7度目のボス(写真)は日本の競輪を熟知している。今年は初戦の4月宇都宮FIの決勝で7着に敗れたが、5月は3場所連続の完全優勝。圧巻のパフォーマンスでファンを魅了している。


 「結果としてはうれしく思います。来る前に長く休んでいたので、最初はうまくいかなかったけど、よくなってきている。高松が終わってからは東京でゆっくり映画を観たり、ジムに行ったりしました。その後は家の近くでロードの練習をしました。先行、まくりでいきます」


 武藤龍生がボスと連係。付いていけるかどうか注目が集まる。


 「外国人選手との連係は過去に3回ある。前回の静岡の最終日はバベクさんの後ろで競って、競り勝って付いていけました。バベクさんよりもボスさんのほうが強いけど、単独なら付いていけそうな気もしています。自分の状態は4月に落車したけど、最近はだいぶ上がってきました。ボスさんに付いていければ自信になるので頑張ります」


 岡本総は変幻自在の立ち回りで好成績を収めている。


 「最近は自在にしっかり自分のレースができています。無理に先行せずに、レースの流れの中でしっかり対応できてます。外国人が相手なので、うまく走りたいですね」


 

7R

選手の写真です。
マシューグレーツァー選手

 グレーツァー(写真)は3月オランダでの世界選手権スプリントで金メダル、1㎞TTで銀メダルなど輝かしい実績を誇る。初来日だが、初戦の4月宇都宮FI、続く福井FIで2場所連続の完全優勝を飾るなど文句なしの成績だ。


 「ここまで4開催、いいレースができて、うれしく思います。来日する前に日本の競輪のビデオを観てきたり、走りながら勉強しています。1レースずつよくなっている。これからもっとよくなると思います。先行、まくりでいきます」


 山本直はここ3場所で優出2回と善戦している。強い外国人が相手でも気持ちは負けていない。


 「前回の前橋は準決で9着してしまったけど、調子自体は上向いてきていると思います。練習内容もスピード系を増やしたりして、その成果が徐々に出てきています。外国人は強いけど、しっかり積極的に仕掛けたいと思います」


 

8R

 4月西武園記念で2勝をマークするなど、今年に入って成績が右肩上がりの堀内昇。今回も、持ち前の積極的な走りで地元開催を盛り上げる。


 「地元のGIIIは初めてですね。気持ち的に少しいつもと違う部分はありますけど、緊張したらのまれてしまうと思うので。普通に過ごしたいです。松永(将)さんとは何度か走っているし、相性も悪くないです。積極的に頑張ります」


 佐藤幸治は5月松戸FIで114着と健闘したが、その後はやや調子を落としている。


 「松戸まではよかったんですけどね…。流れは悪いですけど、攻める気持ちは忘れずに走りたいです。全プロはチームスプリントに出て、その後はしっかり練習はできました。いいところを回ればチャンスはあると思うので、なんとか頑張りたいです」


 

9R

選手の写真です。
山岸佳太選手

 今年に入って少しずつ調子を取り戻していた山岸佳太(写真)だが、5月京王閣記念で落車。続く全プロ記念を欠場し、今回の地元戦を迎える。


 「落車で肩鎖関節を痛めたけど、もう練習はできています。フレームがダメになってしまったので、今回から新車です。街道を乗った感触はよさそうだったけど、レースで走ってみてからですね。地元は悪いイメージはないので、しっかり勝ち上がりたいです」


 その山岸に付けるのが同県の石川裕二だ。落車続きでなかなか流れに乗れてないが、ここは地元の意地を見せたい。


 「状態は悪くないです。山岸とは何度も連係しているし、いつも先行してくれるので。地元で気合いも入るし、S1の点数もかかっているので、しっかりとって帰りたいです」


 

10R

選手の写真です。
野原雅也選手

 4月武雄記念で3連対やダービーで6236着など、バックを取る積極的な競走で存在感を放っている野原雅也(写真)。今回は昨年9月岐阜記念以来のGIII決勝を目指す。


 「(全プロは)競技だけ出ました。そこからは、地元でぼちぼち練習してって感じです。普段通りにやってきました。取手は2回目なので、特にイメージはないですね。積極的に走りたいです」


 西岡正一は、平塚ダービーの2日目に野原をとらえて白星を挙げている。今回も再現を目指そう。


 「前回(全プロ記念)は体調があまりよくなかったんですけど、終ってからは練習できたし、感じもよかったです。雅也とはダービーでワンツーでした。今回もチャンスがある位置なので、しっかり付いていきたいですね。最近は点数が落ち気味なのでここから上げていきたいです」


 近況のFI戦は手堅く優出し、4月川崎記念で3424着と3年ぶりの記念決勝に進出した白戸淳太郎。高いレベルで安定した成績を残している。


 「最近はヤバいくらいいいですね。原因は1個というより、いくつかあります。練習に対する意識とか、乗り方も自分なりにアレンジするようになりました。1番大きいのは、去年の6月に女の子の弟子を取って、一緒に練習するようになりました。男子だと自分もマックスでしんどいけど、女子だと7、8割の感じで一緒に練習できる。その成果が出ていると思います。鈴木(裕)君とは何回か連係があるし、踏み出しがいいので付いていけるようにですね」


 

11R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 鈴木庸之(写真)は、4月函館ナイターGIIIで1923着。決勝は南潤に飛び付いて、山本伸一から番手を奪取する好走を見せた。その後も5月和歌山FIで準Vと健闘している。


 「(和歌山からは)普通に練習して、モガいてきました。最近の調子は中の下くらいなので、頭を使って走っている感じですね。オールスターの権利もかかっていたので。(和歌山の)2日目の朝に地元(弥彦)記念のあっせんが入って、気持ちが入りました。取手のイメージはよくないですね。でも、最近(の調子は)悪くはないので、頑張りたいです」


 前記の函館GIII決勝は、鈴木の番手から2着に入った山下渡。今回も鈴木と再度連係し、地元開催でチャンスをつかみたい。


 「鈴木君とは函館以来ですね。お世話になったので、今回もしっかり着いていきたいです。ダッシュがいいので、しっかり集中して。(練習では)感覚よくモガけたし、宮杯(高松宮記念杯)に出るメンバーとも練習させてもらって刺激をもらいました。決勝を目指して頑張りたい」


 直前の5月和歌山FIで完全Vを飾った小嶋敬二。今回の初日特選は、中井太祐の番手から白星を狙う。


 「最近は練習の時間がしっかり取れていて、調子が上がっている。前回(和歌山)の感じはよかったけど、今回はけっこう疲れがありますね。中井に付けられるので、少しは楽だと思いますけど」


 

12R

選手の写真です。
永井清史選手

 今年はFI戦を3連覇や5月福井FIの準決勝でバベクをまくって1着など、絶好調の永井清史(写真)。今シリーズは日本勢で得点最上位なだけに、外国勢にどこまでやれるか注目したい。


 「(前回の全プロ記念は)初日はレース展開が向かなかったけど、2日目は1着を取れたので。20代前半のころの練習メニューを始めてから、一気に点数が上がりましたね。でも、最近は外国選手とのあっせんが多いので、やられっぱなしです。1人でもキツいのに(今回は)3人ですからね…。前回からは、ほぼ休まずに練習してきました。疲れはそんなにないです」


 永井に付ける森川大輔は3月小倉FI以降、優出がなくやや調子を落とし気味。結果を残して流れを取り戻したいところ。


 「前回(5月岐阜FI)はよくなかったですね。そこからの上積みはないけど、気持ちは切り替えてきました。(永井との連係は)自分が前はありますけど、後ろは初めてです」


 5月全プロ記念は33着とまとめた金子幸央。次走は地元の宇都宮記念を控えているので、ここで勢いをつけたい。


 「グレードレースをいっぱい走って勉強になっていますね。日々、練習もできているし、あとはレースで。全プロはチームスプリントに出て、去年は優勝したけど、今年は4位でした。悔しかったのでしっかり練習もしてきました。取手を走るのは久々です。去年くらいに走って、よかった記憶があります」


 前回5月宇都宮FIで336着の池田勇人は金子の番手から勝機をつかむ。


 「(宇都宮の決勝は外国勢と対戦して)作戦ミスでしたね。修正点もあって、セッティングを換えてきました。けっこう感じはよかったので、レースを走ってどうかですね。金子との相性もいいので頑張りたいです」


 

1R

選手の写真です。
工藤文彦選手

 後ろ攻めから早めに動いた佐藤一伸が打鐘で先行態勢を取ると、別線の動きを警戒しながらペースで駆ける。中団からまくり上げた吉田裕全を渡辺正光がきっちり止めるが、その上を工藤文彦(写真)が鮮やかなスピードで飲み込んだ。


 「車の進みはよかったですね。でも後ろが競りはやっぱりやりづらい。吉田君が切ってくれれば、先行も考えていたけど、併走を続けられて結局、下げてしまった。吉田君が仕掛けて渡辺君が張ったのをめがけていい感じでまくれたと思う」


 番手の仕事をしっかりしてから追い込んだ渡辺正光が佐藤を交わして2着に入った。


 「佐藤君は誘導をうまく使って駆けてくれた。いい感じに踏んでくれたので車間も空けやすく援護もしやすかった。吉田君を不発にしてヨシと思ったけど、工藤さんが強かった。でも佐藤君と2人で確定板に乗れたのはよかったです」


 絶妙のペース配分で長い距離を踏んだ佐藤一伸が3着に粘った。


 「打鐘からしっかりと駆けることができた。それにしても工藤さんが強いですね。悪くない感じで踏んでいたんですけどね。バンクはジメジメしていて重たい感じがします」

2R

 前回岐阜F1で完全Vを達成した片折亮太が勢いそのままに一次予選を制した。スタートでけん制が入り正攻法からの組み立てとなった片折は、打鐘で野田源一を押さえた伊藤成紀をすかさず叩いて先頭に躍り出る。番手の吉田勇人が離れてしまい伊藤が番手にはまるる苦しい展開となったが、軽快に踏み直してそのまま押し切った。


 「後ろ攻めの作戦しかなかったので…。誘導も追ってきつかったですね。すかさず巻き返したんですけど、後ろに迷惑をかけてしまいました。番手に入られたのは分かったので、(車を)横に出したら合わせて踏もうと思っていました。余裕があったというよりもそこは勘ですね。押し切れたので悪くないと思います」


 片折の後位にはまった伊藤成紀だが、2着に流れ込むのが精いっぱいだった。


 「(片折を)突っ張れればよかったけど全開で踏んで突っ張るか内で勝負と思っていました。結果的に番手に入っただけになってしまった。(土屋の)ヨコの動きがきつかったというよりも、後輪が壊れてしまって最後はしっかり踏めなかったです」


 2コーナーから懸命にまくり上げた野田源一は3着まで。


 「もうちょっと立ち遅れなければいけたと思うけど、8(土屋仁)にも入られて9(吉田勇人)にも降りられて。でもまくるタイミングはあったので、行き切れなかったのは力負けですね」


 

3R

選手の写真です。
松本貴治選手

 赤板で山本健也に押さえられた松本貴治(写真)は、すんなり車を下げて2コーナー手前から仕掛ける。打鐘で松本が主導権を握るも、山本が松本の番手に飛び付ついて、山中貴雄と併走したまま最終回へ。それでも松本は冷静に自分のペースで駆けると、そのまま力強く逃げ切って白星スタートを決めた。


 「ああなる(後ろがもつれる)かなっていうのはあったけど、ペースで走るのが大切やと思って。山中さんも強いので、心配はなかったです。ホームとバックで自分の中で踏み上げるタイミングがあって、踏み上げたけどちょっとしんどいなっていうのはありましたね。新車はいいとも感じないし、悪いとも感じない。もう少しスピードに乗ってから踏まんでも回るところがほしいですね」


 山本との外併走をなんとかしのいだ山中貴雄が、松本に食い下がって2着。3番手の福島栄一もしっかり続いてラインで上位を独占した。


 「本当にキツかったです。(自分が)番手を取り切ってから、もうちょっと流してくれって思いました(笑)。(山本と上原龍の)どっちかが(飛び付いて)来る可能性はあるなと思っていた。(松本は)強いので、ヨコで勝負っていうよりは、脚で勝負やと思って。ワンツースリーやし、最高ですね」


 

4R

 前受けの才迫開は打鐘で長尾拳太を突っ張る素振りを見せてから車を下げる。長尾が少し緩めたところを間髪入れずに蒔田英彦が叩いて最終ホームで主導権を握る。鈴木誠が離れて長尾が番手にはまるが、5番手となった才迫が2コーナーから好回転でまくり切った。


 「展開が向きましたね。長尾君を突っ張る感じで出させたら蒔田さんがすぐに叩きにいったのでヨシヨシと思った。落ち着いて仕掛けられたし、長尾君より先に仕掛けられているので悪くないですね」


 蒔田の後位にはまった長尾拳太は才迫のまくりに対応できず2着に敗れた。


 「組み立ては良かったと思う。打鐘で出切って蒔田さんが叩きにきた時に合わせるか1車か2車を出させるかの判断もできていた。でも脚が重かったのと才迫さんはまくり追い込みでくると思って油断していたら思った以上に早めにきたので対応しきれなかった。早めに出れていればラインで決まっていたと思う」


 直線で力尽きた蒔田英彦は5着。後ろが離れたのが痛かった。


 「ガス欠ですね。打鐘の4コーナーぐらいで後ろがいない気配を感じた。それでも悪くない感じで踏めていて最後の直線に入るときは4着までに残れるかなと思ったけど甘かったですね。でも脚に刺激は入って開催中に良くなっていきそうな感じがする。初日と前回の分を取り返すためにも頑張りたい」

5R

 断然の一番人気を背負ったブフリが圧巻のスピードで快勝した。正攻法に構えたブフリは別線の動きを見ながら7番手まで下げると打鐘過ぎから一気の巻き返しに出る。番手の西村行貴は離れて、残り一周から一人旅。そのまま後続を大きく引き離して、ゴールを駆け抜けた。


 「記録(タイム)を出すのにいい天候でした。5番(小酒大勇)がスピードを上げたのでいいタイミングで仕掛けられました。ラインで決めたい気持ちは持っているけど、離れてしまっていたので、そのまま踏みました。あそこで待ってしまうと5(小酒)のラインにブロックされてしまうからスーパーダッシュでいきました」


 後方に立ち遅れながらもまくり上げた八谷誠賢が2着に入線した。


 「本当はセオリー通りに5番(小酒)を叩いて逃げたかったけど、思いのほか踏まれてしまって。ああなった(西村にからまれる展開)わりには車は出ているし、悪くないと思います」


 八谷に続いた同県の松尾信太郎が3着で一次予選を突破した。


 「八谷さんが野木(義規)さんに持ってこられて止まったと思ったから、どうしようかと思ったらそのあと伸びていったので。危なくハメられるところでした(苦笑)。次はしっかり気をつけます」


 

6R

選手の写真です。
岡本総選手

 赤板過ぎに曾澤龍に押さえられたボスはスッと7番手まで下げて、打鐘から一気に巻き返す。マークの武藤龍生が離れるほどのスピードでホーム過ぎに先頭に立つと、あとは一人旅。他を寄せ付けずに完勝した。


 「ちょっとうまくいかなかったところもあるけど、なんとか仕掛けたいところで仕掛けることができました。調子はいいですね。上がりタイムはあんまり気にせずに、勝つことを心がけてます。GIIIは賞金が高くて、緊張する部分もありますが、今までどおり普通に走ればいいレースができると思います」


 打鐘の3コーナーから踏み上げた岡本総(写真)がボスを懸命に追いかけて2着に入った。


 「やるべきことはやれました。2着に入れてよかったです。ちょっと疲れが残っている感じはするけど、動けているので。(外国勢は)強すぎるので、なるべくならやりたくないですね。勝てないです」

7R

 前受けのグレーツァーは打鐘前で8番手まで下げると、すかさず反撃を開始して最終1センターで出切る。グングンとスピードを上げて悠々と逃げ切った。


 「今までと同じようなレースができたと思います。長い間スプリントできるのでそれを生かすためにも先行がいいと判断した。先行するかまくりか決めてもその通りにいかないことはある」


 山本直は最終2コーナーからまくって最後はグレーツァーに迫った。


 「レース前のイメージでは差す気持ちでいたし、最後は差せるかもってところまでいけた。車の出もよくスピードが出ていた。練習の成果がしっかりと実戦でいかせていますね」


 大石崇晴の先行を利した佐野梅一が3着をキープした。


 「ほぼほぼ作戦どおり。打鐘で先頭に立ってグレーツァーが1人で仕掛けてくるだろうから後は大石君に頑張ってもらおうと。でも真後ろに山本君がいるとは。自分では止めることができなかった。最後も伸びているので自分自身は悪くないかな」

8R

選手の写真です。
樫山恭柄選手

 後ろ攻めにこだわった菅原裕太が地元勢にフタをする形から打鐘で叩いて先行態勢に入ったが、堀内昇が力ずくで巻き返して残り一周。堀内に叩かれた菅原が3番手の山口貴弘の内で粘り隊列が短くなると、最終1センターから佐藤幸治が豪快にまくって前団を飲み込み、同期の樫山恭柄(写真)がゴール寸前で捕らえて九州決着。


 「出脚のところはキツかったけど、最後は余裕も出てきて。もう誰も来れないだろうと思ったけど後ろを確認して踏みました。自分も動いて点数を上げてこれているので」


 樫山にこそ差された佐藤幸治だが、近況の悪い流れを払拭する好スパートを披露した。


 「ここっていうところで仕掛けられたので。樫山君も脚力あるし、差されるのはしょうがないですよ。自分のやることはしっかりやれているので悪くないと思います」


 地元記念初登場の堀内昇は4着でギリギリの勝ち上がり。


 「叩いたスピードがよかったから出切ってからペースに入れたんですけどね。思った以上に佐藤さんが早く来てしまって。スピードも違いましたね。でも体は動いてくれているし、悪くないと思うので、ひとつでも上に勝ち上がれるように頑張りたい」


 

9R

 後ろ攻めの三浦翔大は中団の山岸佳太にフタをしてから打鐘前に先頭に立つ。すかさず反撃に出た山岸が三浦を叩いて主導権を取る。ペースで駆ける山岸に対し、俊敏に4番手を取った藤田勝也はバック前からまくって出る。強烈に踏み直した山岸が逃げ切り、地元で白星スタートを飾った。


 「(地元が)誰も1着を取ってなかったので、ちょっと緊張しました。あの展開なら1周半、しっかり駆けようと思いました。石川(裕二)さんが仕事をしてくれていたし、もう少し踏み上がればよかったんですけどね。フレームの不安はあったんですが、流れました」


 地元コンビを追走した星野辰也が粘る山岸に際どく詰め寄った。


 「山岸君がいいレースをしてくれました。石川さんが仕事をしていたけど、なかなか戻ってこなくて…。待ってからゆっくり(内に)入っていきました」


 藤田のまくりに乗った布居寛幸が外を伸びて3着に食い込んだ。


 「前もペースで駆けてましたからね。それでも勝也が番手の近くまで行ってくれたので。外から抜ければチャンスがあるかなって。ギリギリでした。キツかったです」

10R

選手の写真です。
西岡正一選手

 打鐘で前受けの坂本貴史が突っ張る素振りを見せるも鈴木裕が強引に切る。すかさず野原雅也が叩いて主導権。軽快に駆けて最終バックを通過すると別線のまくりをけん制した西岡正一(写真)が直線で抜け出し、白星スタートを決めた。


 「野原君もよくかかっていて残せるかなと思ったけど、坂本君をもっていき過ぎてすくわれるのが嫌で止め切れなかった。1着を取れているので状態はいい。流れも変えたかったし、気分的にもこのままズルズルといきそうだったので、勝てて良かったです」


 6番手からまくり上げた坂本貴史はけん制を耐えながら踏み続けて2着に入った。


 「自分からレースを動かしてタテで勝負しての2着なので悪くないけど、最後のもうひと踏み、ふた踏みが足りない。そこは修正しないといけないですね」


 復帰戦の安部貴之は坂本を追って3着に食い込んだ。


 「久々のレースのわりには動けたけど、かなり緊張しましたね。貴史がうまいレースをしてくれた。直線入るときにスライスしていたりと微妙な修正が必要ですね。体のほうは問題ないですね」

11R

選手の写真です。
守澤太志選手

 打鐘で中井太祐が先行態勢に入ると、総力戦を示唆していた守澤太志(写真)が番手に追い上げる形に。小嶋敬二を最終ホーム手前でさばくと、後方から巻き返しを狙った鈴木庸之をブロック。懸命に踏み直す中井を直線で交わして久々の白星を手にした。


 「タテ基本の組み立てでしたけど、あの展開になったので行けるところまでと思って踏みました。久々のレースだったわりには思ったように動けたし、余裕もありました。練習の成果を出せたと思います」 


 援軍を失う苦しい展開となった中井太祐は懸命に逃げ粘り、優秀戦へと駒を進めた。


 「ラインで決めることはできなかったですけど、自分のレースはできたので。誰かが(番手を狙いに)来るかなと思っていたので山田(庸平)さんを叩く時も内を気にしながらでした。(守澤が)来たのが見えて踏んだけど追い上げでしたね。自分的には粘れているし、調子は悪くないと思います」


 守澤との連係から3着に入線した岡部芳幸はホッと一息。


 「タテ基本にって守澤が言っていたけど、展開次第で何でもするって感じでした。何度も連係しているし、自分が思っていたとおりに走ってくれた。でもキツかったですね。山田君が後ろにいたし、内も空けられなくていっぱいでした」

12R

選手の写真です。
金子幸央選手

 後ろ攻めから上昇した村上直久が赤板過ぎに先頭に立つ。合わせて動いてすんなり4番手に収まった永井清史だが、打鐘の2センターからスパート。村上をあっさり叩いて主導権を握る。前受けから8番手まで下げていた金子幸央はロングまくりですかさず反撃に出る。ジワジワと前団に迫って直線に入ると、スピードをもらった池田勇人がその外を鋭く伸び切った。


 「金子がググっと行ったから、踏み出しで少し口が空いてしまいました。反応のところは人との呼吸もあるし、そこは技術不足ですね。少しオーバーワークの部分はあったけど、1走したし、2日目以降はリカバリーできると思います。(金子は)タイムも相当出ていたし、あそこから行っても届く力があるから心強いですね」


 森川大輔や、永井のけん制を乗り越えてまくり切った金子幸央(写真)が2着。ラインでワンツーを決めた。


 「(仕掛けるタイミングは)あそこしかなかったというか、とりあえず思いっきり行きました。森川さんの斜行もけっこう来て、止まっちゃうかと思ったし、永井さんも(自分で)持ってくるとは思わなかったです。永井さんを捕らえられたのは、デカいですね。めっちゃキツかったですけど、なんとかです」


 永井ラインの仕掛けに続いた単騎の稲村成浩は最終2センターから外を踏んで3着に入った。


 「復帰戦だったので流れに対応してと思って、いろいろ考えて走りました。永井がカマす形になったし、先手ラインからって思っていたので。森川のけん制で(金子は)止まるのかなって思ったけど止まらなかったので、その(金子と池田)間を踏みました。ケガ前と変わらない感じだけど、永井を交わせているのでそこはちょっと違うかな」

6R

選手の写真です。
山中貴雄選手

 ここからが二次予選。赤板過ぎに切った野原雅也を八谷誠賢が押さえる。ゆっくり追い上げた山形一気が3番手に収まる。ペースを緩めていた八谷は後続の動きを確認して、ホーム前からペースを上げる。5番手となった野原が2コーナーからまくると、山形はこれを張りながら踏み上げる。最後は山形マークから外を伸びた山中貴雄(写真)が野原と1着を分け合った。


 「周回中は重かったんですが、レースが始まったら流れてくれました。最後は内外を気にしながらどっちでもいけるようにしてました。ハンドル投げはバッチリだったので、どうかなって。届いていたんでよかったです。感じはいいので、あとは展開とコースの見極めですね」


 野原雅也は落ち着いたレース運びで中団まくりを決めた。


 「八谷さんは先行なんで、中団だけはしっかり取って、早めにまくろうと思ってました。(八谷に)早く駆けてほしいなって。ちょっとキツいところでまくりに行ったので、前まで遠く感じました。なんとか1着に届いてよかったです。そんなに感じは悪くないので、あとは仕掛けのタイミングですね」


 3番手から八谷をまくった山形一気が3着に踏ん張った。


 「打鐘で追い上げて野原と3番手で併走するつもりだったけど、すんなり引いてくれたんでよかったです。野原より先に仕掛ける気持ちはあったんですが、あんまり早く行きすぎてもダメなので、引きつけてから行きました。あそこから行って3着に残れているので。でも、まだちょっと見てしまっている感じですね。もうワンテンポ早く行ってもよかったかな」

7R

選手の写真です。
伊藤成紀選手

 打鐘で先行態勢に入った永井清史に対し、前受けから8番手まで下げた松本貴治がすかさず襲いかかる。両者の激しいもがき合いは松本に軍配が上がるが、脚をためていた伊藤成紀(写真)が最終2コーナーから好回転でまくる。豪快に前団を飲み込んで、準決勝進出を決めた。


 「展開が向きました。結果がよかっただけで、松本君や永井さんみたいな競走は自分にはできない。力勝負をしたいと思っても気持ちが弱気になっている。スピードが出ていたのではなくて、前の踏み合いのスピードをもらっているだけで、感じがいいわけではない」


 永井マークの林巨人は2コーナー過ぎに四国コンビの後位にスイッチ。2センターで佐々木則幸をすくって2着に入ったが、レース後は反省しきり。


 「永井ちゃんをもう1回入れないといけなかった。初日はシビアに切り替えるべきで永井ちゃんは自分より点数もあるし、強い自力屋。自分が受け入れてもう1度チャンスを渡すべきだった。体は動いているけど、気持ちと一致していない」


 松本貴治は永井との力勝負を制して3着に踏ん張った。


 「永井さんが踏んでいないように感じてこれなら叩けると思って全力で踏んだら永井さんも全力で踏んでいて出切るのにかなり脚を使わされた。バックではタレていて必死に踏んだ。もう少し脚があればタレることなく佐々木さんも付けやすかったと思う。ただ、2日間、行くべきところで仕掛けることができている」


 松本に出切られた永井清史は力のなさを嘆く。


 「松本君が強かった。現状は好調とは言えない状態ですね。暖かくなってきてみんながタイム出てきている中で自分のタイムが上がっていない。もう1度しっかりと力をつけたい」

8R

選手の写真です。
マシューグレーツァー選手

 後ろ攻めを選択した長尾拳太がグレーツァー(写真)を警戒しながら打鐘で飛び出す。3番手の位置入った片折亮太が空けた車間を詰める勢いで最終バックからまくり上げるも、後方8番手から猛スピードで巻き返したグレーツァーがまとめて飲み込んだ。


 「来日して初めて誘導員の後ろ以外の場所からのレースになりました。(打鐘からスピードが一気にあがったが)タイミングを見極めて100パーセントの力で仕掛けました。これまでに戦った相手の中で一番強い相手でしたね。グッドチャレンジだったし、勝ててよかった」


 2着には3コーナーでグレーツァーに切り替え気味に外を踏んだ山田庸平が入線。


 「反省点の多いレースだったけど片折さんのところを乗り越えられてよかった。レースを作れていないし、ミスも多かったけど脚的には悪くないと思う」


 山田を追走した荒井崇博がしぶとく3着に入り、準決勝進出を果たした。


 「正直に言えば3コーナーで(山田を)捨てたかった。でもあそこまで頑張ってくれたから待ちました。でもそこでバックを踏んだからキツかった。修正点はあるけど山田も頑張ったし、合格点じゃないですか。ギリギリですけどね」

9R

選手の写真です。
マティエスブフリ選手

 単騎でもブフリの力は違った。打鐘前に大石崇晴を押さえた佐藤幸治を、堀内昇が叩いて主導権を握る。このラインを追っていたブフリ(写真)はホームからスパート。瞬く間に先頭に立つと、そのまま後続を引き離して圧勝した。


 「誘導が出た後に、いろんな動きがあった。単騎だったので、自分のペースで走れるのはいい。後ろからしっかりまくって勝とうという気持ちだった。リラックスして、いい走りができたと思います。基本的に調子はすごくいいです。準決勝はタフなレースになると思うけど、しっかりトライします」


 堀内昇の先行に乗った鈴木庸之が2着に入った。


 「堀内君は強いですね。地元であれだけ行ってくれたんで、なんとか残したかった。1センターで後ろを見たら、すぐ後ろにもうブフリがいました。どうやって来たんだろうって。堀内君を残せなかったのは自分の技術不足です」


 ベテランの西川親幸は目標の佐藤が不発の展開からしぶとく3着に突っ込んだ。


 「前があれだけ頑張ってくれたから。鈴木ノブが前を残そうとしていたから付いていけた。前に踏まれたら、立ち遅れていた」

10R

選手の写真です。
テオボス選手

 前受けのボス(写真)は赤板過ぎに山本直に押さえられ、車を7番手ま下げる。打鐘から一気の反撃に出たボスがあっさり山本を叩いて主導権。グングンとスピードを上げると軽快な踏み直しで押し切った。


 「(打鐘の)3コーナーか4コーナーから仕掛けるプランを立てていた。しっかりと(番手の鈴木裕)付いてきたのでハイスピードで踏んだ。うまく意思疎通ができたと思う。調子もいいですね」


 鈴木裕はボスと息の合った連係プレーで2着に流れ込んだ。


 「行ってほしいところで仕掛けてくれるので付けやすい。フィーリングが合いますね。(最終)バックで詰まったのでこれは(差せるかな)と思ったが、ニュートラルに入れていただけで、しっかり直線で踏み直された(笑)。強さの次元が違いますね」


 岡本総はボスに合わせて踏み上げると石毛克幸をさばいて3番手を確保。直線は鈴木に際どく詰め寄った。


 「本当は番手までいきたかったけど、ボスが仕掛けてくるのが早くていけなかった。でも体は切れているし、反応もいい。外国人との対戦するときは前々に踏めば何かが起こる。うまく組み立てられたと思うし、外国人との対戦で二次予選を突破できたのは大きいですね」

11R

選手の写真です。
山下渡選手

 工藤文彦、村上直久の順で切って前に出ると、打鐘から山岸佳太が一気に仕掛けけて主導権を取る。6番手の位置を確保した工藤は野田源一にすくわれてしまい後退。山岸をリードした番手の山下渡(写真)は後続の状況を確認しながら直線で差し脚を伸ばし、白星をゲットした。


 「山岸君が頑張ってくれて。もう本当に最高の展開になりました。先行と言うよりまくりみたいなかかりで本当に強かった。でも自分も余裕をもって抜けているので、悪くないと思います」


 別線完封の逃走劇を披露した山岸佳太はしてやったりの表情。


 「自分が考えていた中でも最高の形になって。工藤さんもあの位置なら野田さんにすくわれるだろうと思っていたし、その通りに。最後抜かれてしまったのは仕方ないけど、セッティングを修正して初日よりも回せる感じでよかった」


 内を締めて地元勢に続いた星野辰也が3着で二次予選を突破した。


 「正直なところ自分でも付いていけるか不安があったけど、意外と楽でした(笑)。最後もそこまで辛くなかったし、よかったです。S級点もかかっているから準決に乗れるのは大きいですね」

12R

選手の写真です。
守澤太志選手

 8番手から動いた金子幸央が青板バックで坂本貴史の横まで上昇。坂本は3番手に車を下げる。金子ラインに続いた中井太祐は、坂本にフタをした後に、打鐘前に金子を押さえて先頭に立つ。そこを坂本が一気に仕掛けて主導権を握る。隊列を一本棒にして逃げる坂本を番手の守澤太志(写真)は徐々に車間を空けて援護。最後は絶好の展開からきっちり抜け出し、復帰戦で連勝を飾った。


 「何回も貴史とは連係しているし、分かっているから走りやすかったですね。たいがいの復帰戦はダメなので少し不安はありましたけど。付いていて余裕もありました。レースを走って余裕があるのが一番ですからね。復帰戦のわりにはレース勘も悪くないです。最後はちょっと早めに(坂本を)抜きすぎたかな…。でも後ろには2人いるし、その辺も考えながらでした」


 北日本ラインの3番手を固めた安部貴之が、守澤に続いて2着に入った。


 「(ライン4番手の)岡部(芳幸)さんまで決まればよかったけど…。でも、貴史が思いっきり行ってくれたんでね。自分も(前との車間を)切って仕事ができました。(感触は)悪くないかな。むしろいい。貴史が連日、頑張ってくれているお陰なんですけど」


 最終ホームで6番手まで下げた中井太祐は、3コーナーから踏み込むも3着まで。


 「感じはいいんですけど、組み立てが…。ちょっと中途半端でしたね。先行するペースでは踏んでいたけど、先行するにはまだ早かったので。(準決勝は外国人選手がいるが)相手は意識せずに、いつもどおり走りたいです」


 後方8番手に置かれた金子幸央は見せ場なく大敗を喫した。


 「(最終)ホーム線のところで行ってれば面白かったけど、けっこう(前が)踏んでいたし、苦しかったです。(中井が)飛び付くのかなとかいろいろ考えていたら遅れました。もうちょっとうまく走りたかったですね」

10R

選手の写真です。
テオボス選手
選手の写真です。
鈴木裕選手

 ボス(写真)が後ろ攻めからスタートする流れ。赤板を過ぎても誰も動かず、2コーナーからボスが一気に踏み込んで主導権を握る。ライン3車できっちり出切って、別線は大きく立ち遅れる。最終バックでは完全に前3人で上位独占の態勢。悠々と踏み直したボスが逃げ切り、3連勝で決勝一番乗りを果たした。


 「2人に付いていただけたので、付けやすいように踏み出しの部分に気を付けながら仕掛けた。出切ってからは100パーセントの力で踏みました。すごくいいタイミングで出れていいレースができたと思う」


 二次予選に続いてボスと連係した鈴木裕(写真)は再びワンツーを決めた。


 「二次予選より強い。カマすと言っていたので前受けかなと思ったら後ろ攻めで。これで1班の点数も取れそう。抜ける感じは一切ないし、余裕もなかったですね」


 悩んだ末にボスラインの3番手を選択した山中貴雄は3着に流れ込み、うれしいGIII初優出。


 「悩んで付いてよかった。本当は西でまとまってだけど、GIIIの決勝に乗ったことがなかったし、付いていけばチャンスだと思った。2コーナーでもう尻を上げてパクパクで思いっ切り踏み直されたらヤバかった。初めてのGIII決勝はうれしいですね」


 前受けの池田勇人は何もできず5着。ボスの強さに脱帽する。


 「無理ですね。飛び付く考えで走ったけど、下りを使われて100パーセントの力で踏まれてしまってはどうすることもできない。お手上げです」


 

11R

選手の写真です。
マシューグレーツァー選手
選手の写真です。
鈴木庸之選手

 後ろ攻めから上昇して先頭に立った松本貴治がグレーツァー(写真)を警戒しながら徐々に踏み上げるが、4番手の位置を確保していた鈴木庸之が打鐘の3コーナーから内を突いて奇襲の先行策。それでもグレーツァーが後方から一気に巻き返すと守澤太志が離れてしまう。最終バックで追い上げ気味にまくった岡本総は鈴木と接触して失速。グレーツァーがそのまま押し切った。


 「ほかのラインが仕掛けてから仕掛けようと思っていたけど、動かなかったのでロングスパートになりました。100パーセントの力で踏むと最後がキツくなるから95パーセントの力で踏みました。前の2日間よりもハードなレースになったけど勝ててよかった」


 グレーツァーにまくれらた鈴木庸之(写真)はその後位で態勢を立て直すと、直線は前に迫った。2着でも内容は濃かった。


 「狙いどおりに行きました。松本君はグレーツァーを見ながら飛び付き気味に踏むだろうから、内が空けば逃げようと思ってました。最後も詰め寄れたし、悪くないですね。今回からシューズを換えたのがよかったのかも」


 林巨人は岡本が不発の展開から切り替えて3着に食い込んだ。


 「総が頑張ってくれましたね。いい感じて仕掛けたけど、止まってしまった時にヨコに並んでしまったから切り替える形になってしまった。状態が悪ければしのげてないと思うし、よかったです」


 グレーツァーの踏み出しに離れた守澤太志は力不足を痛感する。


 「本当に強いです。もう駆ける前から離れていた感じ。ちょっと力が違いますね。離れたわりには最後まで頑張れたけど、キツかったです」


 

12R

選手の写真です。
マティエスブフリ選手
選手の写真です。
中井太祐選手

 赤板でブフリ(写真)を押さえた山田庸平に、近畿コンビと金子幸央も続き、ブフリは8番手まで車を下げる。金子はブフリを警戒しながらバンクの上の方に上がり、2コーナーから一気に踏み込む。金子のラインに続いたブフリは打鐘の4コーナーから反撃開始。1センターで金子をあっさり捕らえて先頭に出ると、そのまま後続を突き放し、無傷で決勝進出を果たした。


 「準決勝は緊張しました。1(金子)8(山岸佳太)5(山下渡)のラインをしっかり見ながらの展開になりました。そのラインが、ちょっと遅めの仕掛けになったので、うまく追走して仕掛けた感じでした。調子はいいですね」


 最終ホームの8番手からまくった中井太祐(写真)は、3コーナーでスピードよく金子を飲み込んだが、ブフリとの車間は縮まらず2着でゴール。


 「僕が前を叩きに行くには早かったし、キツい展開になりましたね。でも、(決勝に)上がれてよかったです。後ろ(伊藤成紀)が付いてこれない仕掛けになったので、そこはよくなかった。脚はいい感じです」


 ブフリと中井にまくられながらも、逃げた金子幸央が3着に粘った。


 「山岸さんと山下さんの気迫を感じたので、やることはしっかりやろうと思って。踏み出したあとは、無我夢中でした。打鐘から1回も緩めなかったし、(ブフリが)上の方を踏むからキツかった。できればラインで決めたかったですね」


 初めての番手戦で準決突破をもくろんだ山岸佳太だったが、ブフリから離れた安部貴之とかぶって、踏み場を失い大敗を喫した。


 「いい経験になりました。(金子が)かかっていく最中だったから、整うまでは行けなかった。最後はコースミスですね」


 


 


最終日9R


ガールズケイリン2018インターナショナル


 最終日の9レースに、日本と海外のトップ選手が一発勝負で火花を散らす「ガールズケイリン2018インターナショナル」が行われる。人気の中心はやはり外国人選手になるだろう。昨年に続き今年が来日2度目のモートンはここまで3場所中、完全V2回と準V1回。今シーズンも圧倒的な走りを披露している。


 「(ガールズケイリンを走って)とてもいい経験になっています。去年の経験を生かして走れている。今回のコンディションはとてもいいけど、メンバーがすごいし、エキサイティングなレースを見せられると思います。トラックも長いのでスピードだけでなく、タイミングも重要になってくると思います」


 今年が初来日のデグレンデルは、トラック世界選手権2018の女子ケイリンを制した世界チャンピオンだ。5月いわき平F1の決勝は微差で2着に敗れたが、それ以外はすべて勝っている。


 「ここまでに優勝2回と準優勝1回を取れているので、いいレースができていると思います。(5月小倉F1からは)ハードトレーニングができて、海沿いも乗ってきました。今回のメンバーは全員が強いので、みんなを警戒したいです。ハードレースになると思うし、簡単には勝てないと思うけど頑張りたい」


 今シーズンはここまで優勝がないファンリーセンだが、確定板は外していない。一発レースで今年初優勝を狙う。


 「去年と比べて成績がよくないので、振り返って直したいところはあります。(5月久留米F1からは)2日間帰国して、8日に日本に帰ってきました。睡眠も取れているので、コンディションに問題はない。全員強くて難しいレースになると思うけど頑張りたいです。今までと違って一発レースなので楽しみです」


 日本選手からは、モスクワグランプリ2018の女子ケイリンで金メダルを獲得した小林優香に期待したい。今度はガールズケイリンでファンを魅了する。


 「(優勝したので)今回も自信を持って臨めると思います。モスクワから帰国して中4日だったけど、しっかり自転車に乗って来ました。取手は初めてですね。でも、走ったことのないところばかりなので、あまり気にしないです」