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TAMANO KEIRIN

61#

検車場レポート

  • 3/7 Wed.  (前検日)
  • 3/8 Thu.  (1日目)
  • 3/9 Fri.  (2日目)
  • 3/10 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
月森亮輔選手

 2場所連続で初日予選を連勝している月森亮輔(写真)だが、前回の名古屋FI最終日に落車のアクシデント。肩鎖関節の脱きゅうで、およそ1カ月ぶりの実戦が地元記念。


 「キツいのはキツいですけど、しっかり練習もできたし。そこまで痛みはなかった。自分としては(怪我前と)変わらないと思う。(朝一のレースも)気にならないんで、先行も含めてなんでもできるように」


 福田知也は、前回の静岡記念7126着から中2週間とゆとりのローテ。昨年12月のレインボーカップからS級にカムバックしての課題をあげる。


 「前回の静岡が終わってから疲れが出たのか、原因もなく体調を崩した。原因もなく体調を崩したのは初めてだし、もう年なんですかね。(静岡の前に)練習をガツガツやって、久しぶりの4日間だったからか…。もう調子はいいんですけど、追い込みの技術というか走り方がまだまだ甘いです」


 

2R

選手の写真です。
野田源一選手

 野田源一(写真)は直近の3場所で5勝の固め打ち。前々回の松山FIでは3連勝で完全Vを飾った。


 「(変えたことは)ハンドルを少し狭めたくらいですね。やってきた練習が、やっとかみ合ってきた。(前回の大垣の決勝は渡邉雄太が)行くんじゃないかと期待したところもあった。そこの反省点も含めて、(初日は)やりたいです」


 前回、地元の京王閣FIを293着の内田英介だが、感触が一息だったようで立て直しを図った。


 「京王閣の前の静岡のエボリューションのあとから感じがおかしい。前回は連に絡んでいるけど、それは展開が良かっただけ。だから、そのぶん中ゼロ日練習をしてきました」


 

3R

 先輩、石丸寛之との地元タッグに工藤文彦が、普段以上のヤル気を見せる。


 「ここ半年間で(石丸とは)よく一緒になりますね。チャンスだけ逃さずっていう感じで、あんまりどうのこうのいう人じゃない。だから、自分も余計に頑張りたい。疲れも取って、練習はしっかりできた。(石丸と)どっちかの着がいいんですけど、今度は2人していい着が取れるように」


 「展開なりの脚ですね」とは、坂上忠克。前回の小倉FIを727着でセッティングを試行錯誤した。


 「小倉は(成績が)イマイチだけど、脚の感じは悪くない。(展開が)悪くても突っ込んで来れるようにと思って、セッティングを出している。今回も当たりが出るようにやってきた」


 

4R

選手の写真です。
山本直選手

 前回の奈良記念1479着からさらなら上積みで地元記念を迎える山本直(写真)が、目を輝かせる。


 「奈良も仕上がっているつもりだったけど、もうちょっと上があった。ここが楽しみですね。奈良が終わってから、やっと3日前くらいですかね。仕上がった感じがあって、間に合いました」


 伊代野貴照は、前回の松山FIを2日目から途中欠場。そこから中2週間空いて立て直してきた。


 「もう大丈夫だと思います。(一次予選は)連係は初めてだけど、藤田(勝也)君を信頼していきます。前回(7着から欠場)で流れが変わってしまったし、そこを自分で取り戻したい。だから、初日からしっかり」


 

5R

 前回の名古屋記念では二次予選敗退の鈴木謙太郎だが、3日目、最終日を連勝。好感触を得たようで、表情も明るい。


 「(中2日で)結構、疲れてますけど、先行してないからって言い聞かせてます(笑)。でも、そのなかで走ってみたいっていう気持ちもあるし、あんまり(中2日での疲労を)気にはしていない。今年に入ってから頭と体がすごく一致している。脚自体が問題ないのもあるし、意識的に後手を踏まないようにもしている」


 山本紳貴も鈴木同様に中2日の過密ローテ。名古屋記念では1勝をマークした。


 「良かったり、悪かったりですけど、動けているような気はしている。自然に反応しているんで、いいと思います。それで勝てないのは脚力がないから。(中2日で)疲れはあるような気はします。でも、感覚的には大丈夫だと思う」


 

6R

 川口聖二は直近の3場所で1勝止まり。大敗も目につくだけに、状態が気がかりだ。


 「練習の感じはいいんですけど、レースになるとパッとしない。(競走得点が)下がってきて僕自身も焦ってきている。いいクスリというか、どこかでいいキッカケをつくりたい」


 一方、川口を目標にする渡邊健は、上昇カーブを描いている。


 「一時の悪い感じがなくなった。あとは展開だけですね。自転車ですね、セッティングからすべてをやり直した。それで感じが良くなってきた」


 

7R

 嶋津拓弥は前回の岐阜FIを66着で最終日を待たずに欠場した。そこからおよそ20日間、じっくり練習と調整を重ねてきた。


 「ちょっと体調不良になって…。そこからだいぶ(日にちが)たったんで、いまは万全。問題ないです。(岐阜までが)連戦だったんで、それもあったんでしょうね。(一次予選は)後ろが(上野真吾で)頼もしいんで、僕も力入れてしっかりやります」


 小川祐司は前回の大垣FI363着を反省し、完全燃焼に意識を高める。


 「前回の大垣はもったいなかった。ちょっと気弱なレースをしてしまいました。最近は消極的なレースが多い。四国に若い子が出てきて、改めてしっかりいい競走をしなきゃっていう思いがある。デキ自体は悪くないんで、気持ちを切り替えていきたい」


 

8R

選手の写真です。
竹内翼選手

 竹内翼(写真)は直近の3場所すべて初日の勝ち上がりに失敗。前回の奈良記念ではその後に2勝あげただけに、悔やまれる。


 「気持ちだけですね、もうそこだけ。奈良が終わってから体調を崩し、まだ心肺機能が戻ってはない。でも、4日間くらいは練習ができたし、自分の感じは悪くなかった」


 1月の大宮記念から2、3、3、3着で4場所続けて初日を勝ち上がっている吉田勇人の成績が安定している。


 「だいぶ余裕が出てきました。それでコースが見えるようになってきた。うまく判断して、コースを見つけられている。山田(義彦)君は(佐世保で)一緒で本調子じゃないみたいですけど、信頼をして付いていきます」


 

9R

 望月永悟はここ3場所で2度の落車の憂き目。弱音を吐かないタフなタイプだが影響はどうか。


 「(落車が続いて)さすがに走ってみないと…。あんまり気にすることなく、まずは自分のやるべきことをしっかりとやって、自分の走りをしたい」


 1月立川記念の一次予選で堀内俊介と対戦をしている森山智徳が、リラックスムードなかで静かに闘志を燃やす。


 「立川の初日に向こう(堀内)が1着(森山は2着)でした。自分も動けているし、あとは(ラインが)7、8、9番手にならないように。(ラインの大坪功一が)1番車だし、うまく進めたいですね。自分は強い子と戦う方がいいタイプですから」


 

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 前回の静岡記念では平原康多と3度連係があった吉田拓矢は、4228着を振り返る。


 「なかなか難しかったですね、でも、ああいうのを経験して少しずつレベルアップしていけるように。そこからはしっかり練習もやってきたし、疲れはないです」


 諸橋愛(写真)は前々回の全日本選抜の準決で落車、前回の奈良記念では準決で失格。ここ2場所は3日目が鬼門になっている。


 「(失格は)判定なんで受け止めるしかない。(S級S班で)少し気張りすぎているかなっていうのがあるんで、いつも通り、いつも通りと思っています。結果を出さなきゃっていうのもあって、無理して突っ込んだりしているのもあるのかもしれない。ただ、前回が不幸中の幸い転んでない。(体の状態も)僕のなかでは大丈夫です」


 井上昌己は前々回の静岡記念を2連対、前回の京王閣FIを219着。まずまずの戦績を残しているが、コメントは歯切れが悪い。


 「どうにかこうにかっていう感じです。なんとか凌いでいる。徐々に良くなっていると思うし、そのうち良くなってくるでしょう。一発出せればいいですね」


 

11R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 一昨年の8月に当所のバンクレコードを叩き出した太田竜馬(写真)が、昨年の記念に次いで3度目の登場。


 「ここはバンクレコードを出しているっていうことは、走りやすいっていうことだと思う。最近は寒いっていっても真冬ほどじゃないし、練習でもずっと暖かかったんで動きが良かった。自分の思うようなレースができればいい。初日は9着ばっかりだし、(初日は)しっかり。脚の感じも良くなってきている」


 全日本選抜のあとにアクシデントに見舞われた岩津裕介は、太田の番手から地元記念で好スタートを切りたい。


 「練習中に転んじゃったけど、たいしたことはない。(全日本選抜では)体が変わってきている感じもあるし、あとは練習の疲れがどのくらい抜けるかですね。徐々に良くなってくればいい」


 武田豊樹は奈良記念を2415着。決勝では果敢に攻める姿勢が目を引いた。


 「前回の奈良は自分なりに動けているけど、いまの力では勝てなかったですね。それでもだいぶ勝とうっていう気持ちが戻ってきている。ちょっと疲れもあるのか、今年から花粉症にもなってしまった」


 

12R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 中四国3車のラインができあがった取鳥雄吾(写真)は、地元記念に気負うことなく無欲を強調する。


 「筒井(敦史)さん、堤(洋)さんとはいっぱい連係しているし、いいように使ってもらいます。その方が僕も活きてくると思う。(地元記念だからといって)それほど変わったこともしないで、練習もほどほどにでした。あとは気持ちだけ上げてきました。(前々回の)静岡は思った以上に体が動いてました」


 「追加が来たのは4、5日前ですね」とは、追加配分の筒井敦史。初日特選は取鳥との地元連係から、強力な別線に立ち向かう。


 「ガツンと追い込んで練習をやって、そのあとは練習不足くらいに緩めた。地元記念は初めてですね。(初日は)3着までに入って、準決、決勝に行きたい。(取鳥との)相性もいいし、すばらしいレースをしてくれる」


 三谷竜生は前回の地元、奈良記念で兄弟ワンツーで優勝。今年2度目の記念Vを遂げて波に乗っている。


 「奈良はうれしかった。そこからはいつも通りですね。ただ、(地元の記念で)いつも以上に緊張して、気合も入った。それが自分のなかでいい刺激になって、いい風に(結果になって)出た。競走のなかでやることは変わってないし、それで結果が出ているのは調子が上がっているんだと思います」


 

1R

選手の写真です。
村田雅一選手

 赤板で加賀山淳に併せ込んだ石口慶多が、2コーナーから再度踏み込んで主導権を握る。単騎の佐野梅一は飛び付けず、兵庫コンビの後ろが大きく車間が空く。巻き返した加賀山が最終ホームで3番手に入るが、逃げる石口の掛かりがいい。加賀山のまくりをけん制した村田雅一(写真)が、追い込んでS級にカムバックして初めて白星をつかんだ。


 「緩む感じがなかったんで、余裕がなかった。(石口が)ホームでうまく(スピードに)乗せていってくれた。3コーナーで合うくらいで(加賀山が)来てくれたら引っかけられたんだけど。自分は練習を変えて、それがいい方向に出ている」


 最終3コーナーで3番手から詰めた加賀山淳は、ワンテンポ遅らせて外を踏んで2着。


 「ホームが追い風になっているから、(石口が)掛かっちゃいましたね。その前に月森(亮輔)君と佐野さんに振られて。そのあとも詰まったのが(最終)3コーナーだったから、あれで行ったら(村田のブロックが)来るから(タイミングを)ズラして行った。(前々回の)エボリューションからちょっと感覚がおかしくて、前回よりはまだいいかもしれない」

2R

 打鐘で堀僚介が飛び出すと、内で残していた前受けの北村信明が野田源一をすくって3番手をキープする。北村は最終2コーナーからまくって前団をのみ込んだが、7番手から大外を踏んだ宿口陽一が鮮やかに突き抜けた。


 「やってはいけない展開でした。打鐘のところで少し見すぎてしまいました。落ち着きすぎてしまいました。後ろに申し訳なかったです。レース内容は1点ですね。ラインで決まるのがうれしいので…」


 北村のまくりに乗った三ツ石康洋が2着で、二次予選にコマを進めた。


 「車間を空けて待っていられなかったです。北村君のおかげだし、北村君が4着に残ってくれてよかった。脚の状態は変わらないです」


 最終3コーナーから踏み込んだ野田源一が、3着に食い込んだ。


 「打鐘のところがダメでした。自分のスピードの勢いを落とさないように仕掛けたけど、(車が)出ないところで行ってしまった。組み立てを修正しないと」

3R

選手の写真です。
山田敦也選手

 箱田優樹が押さえたところを竹澤浩司が出て主導権。箱田は3番手に収まり、4車のラインが形成された工藤文彦だったが一本棒の6番手に置かれる。最終1コーナーで工藤が仕掛けると、箱田も車間を詰めるが一息。北日本ライン3番手の山田敦也(写真)は、2センターから中のコースに入って直線で突き抜けた。


 「箱田はいい位置を取りすぎた感じですね。(最終)ホームではやったと思ったけど、あれ(箱田が)出ないって…。中がスパッと空いたんで、自分には向きました。久々に出ましたね、道中も余裕があったんでよかった」


 竹澤の先行を利した坂上忠克は、山田に屈するも2着は確保した。


 「(竹澤は)2車でも気持ち良く行ってくれた。箱田が押さえたところを行くのが理想だったし、そうなりましたね。竹澤も(二次予選進出の4着に)残ってくれて、自分は恵まれました。あとはもうちょっと引っ掛かりが欲しい」


 箱田の動きをギリギリまで見極めた大森慶一は、直線で盛り返して3着。


 「箱田も完全に終わっている感じじゃなかったんで、(箱田が)内に行ったのを見てからになりました。(コースを)迷った部分があったけど、余裕はありました」

4R

 中団の山本直にフタをした藤田勝也は打鐘から先頭に立ってペースに持ち込む。中団から先に仕掛けた古川尚耶を伊代野貴照がブロックすると、古川後位から伊代野の内に切り込んだ石川雅望が直線鋭く抜け出した。


 「古川さんが苦しいところで無理矢理仕掛けてくれた。そのまま乗り越えるかなと思ったけど、伊代野さんのところで止まったので、内に行かせてもらった。直線に入ったところで突風みたいな感じで、急に風が吹いたのでキツかったですね。脚は楽に回せている。1月から本格的に練習できている成果が出始めた」


 7番手、3コーナー過ぎから仕掛けた山本直は、外に膨らんだ古川を大きくう回しながらもなんとか2着に届いた。


 「ホーム手前で仕掛けたかったけど、行けなくて後ろに迷惑かけてしまった。状態は悪くないけど、行くべきタイミングで仕掛けられなかったのは反省しないといけない」


 石川にすくわれ、直線では手島志誠にからまれた伊代野貴照だったが、外で耐えて3着に踏みとどまった。


 「別線がすごいスピードで仕掛けてくれば、合わせて出ないといけないかなと思ったけど、そこまでスピードがある感じではなかったので止めようと思った。止めたところで石川君が入ってきて戻るに戻れなくなった。ちゃんと戻らないといけないですね。余裕があっただけにもったいなかったです」

5R

 前受けから7番手に下げた鈴木謙太郎は打鐘過ぎ4コーナーから仕掛けると、口が空いた篠原忍を締め込んで中団を確保。ひと呼吸置いて最終2コーナーから巻き返して前団をのみ込んだ。


 「動きは悪くなかったですね。カマシを狙おうかと思ったけど、(山本)紳貴も踏んだし、中団が空いていたので中団に追い上げました。(初日は他のレースでも)中団が空いていたので、そこも頭に入っていました。落ち着いて仕掛けられました。ハンドルの手(重心)を置く位置などはもうバッチリです。あとは練習するだけですね」


 鈴木には行かれてしまったが番手の須賀和彦をさばいた土屋裕二が粘る山本を直線でとらえて2着。


 「山本君が駆けてくれたので、どかせるとこはどかしてと思ってました」


 3着には逃げた山本紳貴が粘り込んだ。


 「やれることはやれたし、土屋さんが仕事をしてくれて。バックが重たくて全然掛かっていかなかったです。鈴木君が早めに来るなら、中団って思っていたんですけどね。自分クラスの選手じゃとりあえず勝ち上がればオッケーかなって」

6R

選手の写真です。
川口聖二選手

 川口聖二(写真)にフタをしてから、高木翔が打鐘で出て先行策。川口も反応して、すかさず反撃に出る。空いていた中団で休むことなく川口が、ロングまくりで高木をとらえて押し切った。


 「出だしがちょっとモタついたけど、前回よりはすごい感じがいいっすね。ただ、(完調には)もうちょっとです。初日1着は本当に久々ですよ。中団が空いてたのはわかった。でも、イケるかなっていうのがあったんで、そのまま行きました」


 「強いですね、まったく抜けなかった」とは、流れ込み2着の渡邊健。川口に脱帽して、こう続ける。


 「(中団に)入りそうになったけど、(最終)ホームですぐに行ってくれた。自分はなんとか付いていけてよかった」


 古城英之が付いていけず、中部コンビを追った柿沢大貴が3着に入った。


 「(川口ラインの)3番手がいないのを確認してからでした。ただ、その前に高木君があんな吹かしていくと思わなくて空いちゃった。空いたところに入られなくてよかった」

7R

 赤板で切って會澤龍を受けた小川祐司は嶋津拓弥を警戒して打鐘で前との車間を大きくあけると、その車間を詰めた勢いで最終ホームから主導権を握る。3番手の吉岡篤志がからまれると、嶋津は1センターからすかさず巻き返し。伊藤大彦のけん制も乗り越えて粘る小川をとらえた。


 「打鐘の緩んでいたところで叩きにいかないといけなかった。小川さんにすごく警戒されていて、仕掛けにいったところで合わされると思っていけなかった。まくり出たところであおりを受けてバックを踏まされたけど、そのあとも踏み切れている。スピードも出ていて、ブロックにも対応できた。脚の状態は引き続きいいですね」


 嶋津を止め切れなかった伊藤大彦だが、ゴール前で小川を交わして2着に入った。


 「ちゃんと止めたかったけど嶋津君が強かった。ここ2場所含めてなんとかしのげている状態ですね」


 最終ホームで會澤を叩いて先制した小川祐司は伊藤の援護を受けて3着に逃げ粘った。


 「嶋津君が前受けだったので、みんな脚を使わせようと思っていた。嶋津君が早めに仕掛けるなら出させるつもりだったけど、遅かったので中団から先に自分から仕掛けた。3コーナーが向かい風で4コーナーが追い風だったので、風の勢いをもらって踏み直そうとしたら思った以上にスカスカしてしまって。もう少しリラックスして踏めばよかった」

8R

 赤板の2コーナーで中団から横関裕樹が動くと、岐阜コンビに乗った竹内翼がその上を叩いて先行。番手の星島太は直線でいっぱいも、竹内が後続を振り切って1着。


 「気持ちで走れたと思います。脚はいいけど、奈良記念のあとにインフルエンザで4日間休んだ影響か、心肺機能の方がキツかったです。でも、気持ちが乗れば自分のレースはできるので、競輪はやっぱり気持ちですね」


 今藤康裕のアシストで3番手をキープした横関裕樹が直線で伸びて2着。


 「バックで仕掛けたかったけど、脚も使っていて…。今藤さんが仕事をしてくれて、それで入れたんで良かった。本当に今藤さんのおかげです」

9R

選手の写真です。
堀内俊介選手

 飯尾主税の当日欠場で8車立て。2車のラインになった堀内俊介(写真)だったが、押さえて出た森山智徳が緩めると臆することなく打鐘から踏み込む。カマシ気味にスピードに乗せた堀内は、別線をちぎって逃げる。3番手に入った森山も車間を詰めていっぱい。二の足で堀内が押し切った。


 「森山さんが出て緩めたし、あそこで行かないと後方になっちゃうんで。行けるところで行って、そこから考えればいいかなと。それでとりあえず踏みました。ペースを落とすよりは、森山さんを追いかけさせる方がいいと思った。風もあったし、最後はバタバタしちゃった。もうあんまり調子が良くないとか言ってられないですからね」


 望月永悟が、大坪功一の追い込みを微差凌いで南関ワンツー。


 「(堀内は)カマシくらいでいいのかなって思ってた。そしたらあれじゃジャン先行ですよね。堀内は気持ちが入っていた。自分は展開。体もキツかったんで、短い期間でやり直してみます」


 「追いついて脚がいっぱい。あれでそのまま行ってたら、やられてたと思う」とは、森山智徳。最終2コーナーで南関コンビに追いつくも直線勝負で4着。

10R

選手の写真です。
川村晃司選手

 吉田拓矢を警戒しながら打鐘手前で中井俊亮が主導権を握って、川村晃司(写真)、椎木尾拓哉まで出切る。すかさず反撃に出た吉田はいったん中団の外併走でひと呼吸置いて再度仕掛けるも、川村の番手まくりで不発。最終バック手前から番手発進の川村が1着。


 「(中井)俊亮が掛かっていたので、(別線は)来られないだろうと思った。でも、すごい勢いできたので、出るのが少し遅かった。ラインのおかげで勝てました。脚の状態は悪くないと思っている。近畿は厚みがあるので、頑張っていればチャンスがある。グレードレースでもっと活躍できるようにならないと」


 ソツなく続いた椎木尾拓哉が2着で近畿勢で連を独占した。


 「少し疲れがある感じがするので、日に日に抜けてくれればいいですね。(中井は)別線を出させない気持ちが伝わってきた。(川村)晃司さんも(番手から)出たくはなかったなかったと思う。加速していったので付いていてキツかった」


 吉田が不発も諸橋愛は、冷静に内の井上昌己をキメて3着入線を果たした。


 「(内から)誰か来たなと思って、体をぶつけたぶんだけ抜かれなかった。展開的にはキツかった。(吉田と思っていた)一番悪い展開になってしまった」

11R

選手の写真です。
岩津裕介選手

 武田豊樹を連れた長島大介も懸命に合わせるが、太田竜馬がねじ伏せて最終ホームで叩く。好タイミングでまくった柴崎淳を止め切れなかった岩津裕介(写真)だったが、切り替えてシャープな伸びで勝ち切った。


 「もうみんなバタバタでした。結構、キツいレースでした。柴崎君も、(まくって来られたら)キツいなってところで仕掛けてきましたね。自分の調子は悪い方ではないです。(調子が)良くなってきたら、もっと車も伸びると思う」


 「あそこしかなかった」との柴崎淳が、ロングまくりで前団を仕留めて2着。


 「寒さで脚がいっぱいでした。仕掛けどころは、もうあそこしかなかったと思います。(2日目も)寒いならその対策をしないといけないですね。自分のなかではワンテンポ早く仕掛けることができれば良かったなと」


 太田、岩津との呼吸が合わず連結を外した柏野智典だったが、武田後位から3着に強襲した。


 「連結を外したのはダメだったなって。(前が踏み合っていたし)迎え入れようかなって思っていて…。自分の悪いところが出ました。着は悪くなかったけど、レース内容は悪かったです」

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 近藤隆司、飯野祐太の順番で切って、その上を出た取鳥雄吾が主導権。別線の仕掛けに俊敏に対応した三谷竜生(写真)は、さすがの動きで抜かりなく4番手を奪う。逃げる取鳥を射程圏に入れて、最終2コーナー過ぎのまくりで三谷が人気に応えた。


 「思ってたよりも(筒井のブロックに)やられてしまった。もって来られる前に、(前団を)越えられたら良かった。思ったよりも(まくりが)出なかったし、取鳥君の駆け方がうまかった」


 最終3コーナー過ぎに三谷が筒井にブロックされると、あおりを受けた村上博幸は冷静な対処で内に降りて流れ込んだ。


 「あれがノーブロックだったら、また違ってましたね。筒井さんがもってきて、(別線に)内に入られたらアカンっていうのがあった。あれで抜きにいくタイミングが取れなかった。危なかったけど、(周りを見る)余裕はありました。脚は軽かったんで、あとは疲れが抜けてくれれば」


 6番手から近畿ラインを追った飯野が外に膨れ、内を突いた和田圭が3着に届いた。


 「やった方ですね、たまたまです。先に内に入ろうかと思ったけど、(村上)博幸さんは余裕がありそうだったし伸びるんだろうと。最後は吸い込まれた感じです」


 番手の筒井が和田に踏み負けて僅差の4着で共倒れ。主導権は握ったものの、取鳥雄吾が力の差を痛感する。


 「筒井さんにあんだけやってもらったのに、(三谷に)あっさり行かれてる。情けないですし、迷惑を掛けました。ジャンのところは隙があるから、三谷さんに(4番手に)入られてしまった」

6R

選手の写真です。
志智俊夫選手

 近藤隆司を連れた山本紳貴が、赤板で飛び出して後続は一本棒。7番手に置かれた川口聖二は最終ホームから反撃に出る。番手まくりで応戦した近藤に並んだ川口だったが、近藤を押し込めて内圏線の踏み切りで失格。川口と近藤の余力を見極めた志智俊夫(写真)が、直線で追い込んで1着。


 「(坂本亮馬のパンクで発走時間が遅れて)待ち時間があったんで、(誘導を追いかけるのは)ちょうどいいアップになるかなって。キツかったけど、ポジティブに考えた。前も脚を使っていたし、近藤君が内から出た感じがあったんで、もう前に踏みました。初日がちょっとピリッとしなかったんで、残りをしっかり気合入れていきたい。(失格した川口)聖二の分も頑張ります」


 東日本勢の後ろで内に包まれていた野田源一は、直線で中を縫い坂上忠克を弾いて2着に伸びた。


 「外を踏めるんなら、踏みたかったですね。内をすくっていこうかと思ったけど、まだ山本君もいたんで…。チャンスがどこにあるかなって思ったら、ちょうど(コースが)空いた」


 最終4コーナーで外から追い込んだ坂本亮馬は、3着にホッと一息つく。


 「風が強いからバックから自分で行くっていう感じじゃなかった。(近藤が)番手から出ると思っていたのもあったんで」

7R

選手の写真です。
中井俊亮選手

 嶋津拓弥の上昇に合わせて赤板から動いた中井俊亮(写真)が、あっさりと3番手をキープ。笠松信幸、八日市屋浩之まで続いて、6番手で長島大介と小川祐司が重なる。中井にとっては願ってもない流れで、逃げる嶋津を射程圏に入れて最終2コーナーまくりで快勝した。


 「赤板で別線の仕掛けが遅くて先に切ったけど、嶋津さんの勢いが良かったのでああなりました。落ち着いて走れたと思う。小川さんが仕掛けてきて最終的に5番手になるかなと思ったけど、そのままいい位置を取ることができた。脚の状態は上向いていますね」


 踏み出しに集中の笠松信幸は、中井に付け切ったもののいっこうにその差が詰まらず流れ込み。


 「風が強くてキツかった。あとは中井君の踏み出しは離れないように気をつけました」


 「嶋津君のおかげですよ」とは、福田知也。八日市屋が離れた中井ラインの3番手にスイッチして、長島の強襲を凌いで3着。


 「作戦は前からだったので取りたかったけど、車番的にも取れなくて…。(嶋津が)落ち着いて先行してくれたけど、中井君が強すぎた。八日市屋さんが離れていたので、3番手に切り替えることができたけど、付いてきていたらどかせていなかったと思う。(長島が)きている気配があったので、笠松を追いかけた。タテの練習成果が出ているのかな」

8R

選手の写真です。
東龍之介選手

 赤板の2コーナーから山降ろしで巻き返した竹内翼に横関裕樹が抵抗する。最終ホーム手前で竹内が叩き切るが、隊列が短くなったところを山中秀将が見逃さない。ロングまくりで前団をのみ込み、番手の東龍之介と同着の1着で二次予選をクリアした。


 「同着でうれしい。竹内君がしっかり押さえに来たら、先に切って脚を使ってと思っていた。車番が良くて初手から真ん中にいたのがよかったです。僕に展開が向きました。(感触に関しては)バンクコンディションが重くて、すごく苦しかったです。まくり切ったのにほかのラインに抜き返されるのではないかっていうくらいタレていました」


 最後のハンドル投げできっちり山中の車輪が重なった東龍之介(写真)は、これが今年の初勝利。


 「山中さんがうまく脚を使わないで、中団をキープして落ち着いていて流石だなって。竹内君が叩き切った、あとすかさず仕掛けましたしね。自分自身は最近のなかじゃいいかな」


 竹内から切り替えた井上昌己は、直線で外を伸びるも3着まで。


 「アタマまで抜け切れれば良かったけど…。竹内君はモガき合っていたし、南関がいいスピードできてしまいました」

9R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 竹澤浩司が押さえて出てペースを落とすと、南関ラインにかぶって内に詰まっていた取鳥雄吾(写真)はインを突いて打鐘手前で主導権を奪取。冷静な対処から徐々にペースを上げて、二の足で逃げ切った。


 「いい判断だった。パッと見たら誘導がいなかったんで、ヨシと思った。あれで(別線が)強引に来たらイヤだったけど。前回(地元のG3)は二次予選でもれたんで、なんとかですね。作戦にはなかったけど、落ち着いてできました」


 インを狙った取鳥の動きに連結を外すことなく付け切った筒井敦史が、2着に入って地元ワンツー。


 「作戦通りにはいかなかった。でも、(取鳥が)うまかったですね。いい判断だった。俺も踏みごたえがあったけど、それ以上に(取鳥)雄吾の踏み直しがすごかった。普通だったら抜けてたと思う。それに(取鳥が踏んだ距離が)初日よりも短かった」


 前回の奈良記念でも6757着。近況は勝ち上がりに失敗することの多かった三ツ石康洋が、地元コンビに食らいついて3着で準決に進んだ。


 「玉野自体が好きっていうのもあるんで、追加だけど自分の気持ちが乗ってくる。それに(二次予選は)恵まれましたね」

10R

選手の写真です。
堀内俊介選手

 打鐘で襲い掛かる鈴木謙太郎を石口慶多が突っ張って両者で先行争い。スピードの違いで鈴木が出るも、ラインの石川雅望がは付け切れず、武田豊樹の後ろが伊代野貴照と単騎の園田匠でもつれる。じっくりと脚を溜めた堀内俊介(写真)が最終2コーナーから鮮やかなまくりで抜け出した。


 「作戦とは違った形になって緩んだところで仕掛けようと考えていた。だけど、思ったより早く石口さんと鈴木さんがモガき合ってくれて。踏み出しは良かったと思う。練習してきたぶん、負けたくない気持ちが強かった」


 鈴木の番手から武田豊樹が、堀内に合わせて自力に転じるも離れた2着。


 「花粉症は1日2日で治るものじゃないので、コンディション的には初日と変わらない。ごちゃごちゃした展開で前任せだったので、まくりに出るのも難しかった。一戦一戦、頑張るだけですよ」


 伊代野とからみながらも最後は力を見せて踏み上げた園田匠が、なんとか3着に入った。


 「ごちゃごちゃした展開で地脚勝負でした。自分は脚を使うレースの方が得意なので。前もいないので、自分の好きなように走ることができた。武田さんもかなりキツそうでしたね。自分の脚の状態も悪くないと思う」

11R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 太田竜馬を7番手に置いて、中団の飯野祐太が打鐘から踏み込む。太田がその上を襲い掛かると、堤洋が続くが伊藤大彦は離れる。3番手に入った飯野が車間を詰める勢いで迫るが、太田の番手の堤が追い込んで1着。しかしながら、同県の後輩が4着に沈んでいるだけに手放しでは喜べない。


 「いつもなら太田君に離れていると思う。今回の自分は調子がいいと思います。いつもの太田君なら残っていると思うけど、風と寒さがあってキツかったんじゃないですかね。飯野君が来たので踏んだけど、太田君を残せなかったのは自分の技術不足です」


 3番手から詰めた飯野祐太(写真)だったが、8分の1輪及ばずの2着。


 「バックでまくりに行けたけど、大事にいこうと思ってああなりました。思っている以上に、自分の調子がいいのかもしれませんね。今は持久力系の練習と街道練習しかしていないので、3番手に入ってからもすぐに脚が溜まりました」


 離れた伊藤とからんだ宿口陽一だったが、外を強襲して粘り込む最内の太田をとらえた。


 「(最終)1センターから仕掛けたかったけど、前に強い選手がたくさんいるので…。脚は溜まっていたし、自分の状態は良くなっていますね。詰まったところがあったので仕掛ければ良かった」

12R

選手の写真です。
和田圭選手

 赤板手前からじわりと上昇した柴崎淳を確認して、前受けの三谷竜生が突っ張りそのまま先行態勢を取る。後ろの競りで死角になったところを、柴崎は外併走から再度踏み上げて主導権を奪う。しかしながら、岩津裕介が付け切れず、三谷が番手に入って最終回。ゴチャついた前団から離れた8番手で脚を溜めた川村晃司は、2コーナーから豪快にまくって区切りの400勝を飾った。


 「3場所前にフレームを換えたんですけど。前回は自力を出す機会が初日しかなくて、(本当はまくりではなく)先行でどんだけ通用するかやってみたかった。自分の脚の方は問題ない。400勝は通過点と思って、(準決も)自力で勝てるようにしたい」


 三谷後位で椎木尾拓哉と競った和田圭(写真)は、柴崎が仕掛けた打鐘の3コーナーで競り勝って番手を奪取。最終2コーナー手前からまくって出た三谷をゴール寸前で交わして2着。高配当をメイクした。


 「(競り勝ったあとも岩津が降りてきて)キメられるところだった。あれでいっぱいでした。それでも三谷君を抜けそうな感じはあった。でも、抜きにいくと中を割られそうで…。中を割られてたら、自分がいっぱいで終わってました」


 「突っ張りたかったけど、(柴崎が)見えなかった。調子は悪くない」とは、3着の三谷竜生。後ろが競りでもケレン味のない仕掛けは、超一流の証だろう。


 川村のまくりに続いた村上博幸だったが、最終4コーナーで内よりに進路を取って伸びを欠いた。


 「感じも良かったし、余裕があったんですけど。あそこは自分の判断ミスですね」

10R

選手の写真です。
園田匠選手
選手の写真です。
井上昌己選手

 単騎の堀内俊介が切ったところを近畿勢が出るが、その上を柴崎淳がカマシ気味に叩いで先行。中井俊亮が3番手に入り、一本棒の8番手に置かれた井上昌己がまくり上げる。井上に乗った園田匠(写真)が、中のコースを鮮やかに突き抜けてらしさを見せた。


 「(井上)昌己さんはスピードを乗せてくれるタイプなので、チャンスがあると思っていた。それで自分の仕事に専念できた。今回からいい時のフレームに戻して、セッティングもアタリの兆しが見えている。これでキッカケになるといい」


 逃げる柴崎の番手の志智俊夫が、絶妙なけん制で真後ろからまくって来た中井を阻む。直線で村上博幸の中割りに警戒しながら追い込んだ志智は2着。


 「あっちゃん(柴崎)のおかげ。初日みたいなレースだったので、同じ失敗をしないように注意した。中井君が止まって、そのまま突っ込みそうになったけど我慢をした。初日のこともあったんで、気持ちが入りました」


 後方で万事休すかに思われた井上昌己(写真)だったが、大外を強襲した。


 「早めにレースを動かそうと思っていたけど、まさか8番手になるとは…。中井君がもうちょっと柴崎君と踏み合うかなと思っていた。前が内に行ってくれたので、自分はスピードを乗せる感じで伸びてくれた。最悪の展開から3着に入ったので、脚の感じは悪くない」

11R

選手の写真です。
柏野智典選手
選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 赤板の2コーナーで押さえて出た取鳥雄吾は、打鐘から襲い掛かる川村晃司を突っ張る。外に浮いた川村は、最終ホーム過ぎに後退。2センターでは諸橋愛、野田源一が落車して、直線は中四国3車の勝負。逃げる取鳥を柏野智典(写真)が追い込んで1着。


 「取鳥君は末がもう少し欲しいなってとこですけどね。あれだけ堂々と仕掛けてくれたら頼もしいですね。(3走してみて)どんな展開になっても不安はないですね。3着までには入れるなって感じがある」


 切り替えた村上博幸の中割りをこらえた堤洋が、2着に流れ込んだ。


 「(取鳥)雄吾のおかげですね。僕は付いていっただけですから。3番手の仕事をきっちりしてと思っていました。でも、雄吾が全部ひとりでやってましたね。川村君も宿口(陽一)君も全部合わせた。最後、中割りを凌げたってことは自分の調子もいいと思う」


 積極策で別線をシャットアウトした取鳥雄吾(写真)は、地元記念での決勝進出に快汗をぬぐう。


 「先輩のおかげです。なんとか踏ん張ることができました。初手の位置も良かったですね。先輩に勝ってもらうくらいの気持ちで走った方が、自分の力を引き出せるんでいいですね」

12R

選手の写真です。
山中秀将選手
選手の写真です。
福田知也選手

 赤板の2コーナーから踏み込む三谷竜生を先行態勢の飯野祐太が突っ張って打鐘を迎える。飯野は3コーナーで内から盛り返して主導権をキープ。三谷が立て直すと、その隙を逃さず山中秀将(写真)が踏んで空いた4番手に入る。山中はそのまま中団で構えずに、スピードに乗せて一気のまくりで前団を仕留めた。


 「(三谷が)浮いてましたからね。結構、外に上がってたし、内に行くか迷った。でも、(三谷は)絶対に降りて来ると思ったんで外を行った。あれで内に行ってたら、ハメられてました。三谷君もまだ踏んでなかったんで反応できなかったと思う。前3車を追いかけて、(まくって)行きました。今回から新フレームだけど、寸法もなにも変わってない。セッティングも変わってないし、カラーリングだけですね変わったのは」


 まくられた飯野後位から和田圭が山中ラインの3番手に切り替える。和田との併走になった福田知也(写真)が、最終4コーナーから外を踏んで2着に入った。久しぶりの記念優出も、福田は反省の弁。


 「見ばえが悪かったですね。ただ、記念の準決なんでそんなに乗れることもないし、決勝目指して踏んだ。(東)龍之介には悪いことをした。セッティングをいじったかいがありました。2日目よりも全然いい。脚の感じも大丈夫です」


 立て直して南関勢のまくりを追った三谷竜生は、東との3着争いをタイヤ差で制して薄氷を踏む思いで決勝に進んだ。


 「(突っ張られたのも)全部、僕の失敗なんで。切るところをしっかり切らないと。(飯野が)引いているように見えた…。(付いてくれた地元勢に)申し訳ない。調子自体は悪くないので、ひとつひとつ失敗をなくしていかないと」


 「絶好の展開だったのに脚がない」と、僅差の4着で優出を逃した東龍之介がこう続ける。


 「(最終4コーナーで)山中さんが上がった。2日目もそうだったんで、それが自分の頭にあれば…。バックを踏んで引っこ抜いてからになってしまった。もうちょっと余裕をもてればよかったけど」


 


 


        ≪最終日9R「第111回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」≫


 メンバーでただひとりS級優勝を経験している南潤は、1月地元の和歌山記念で決勝に進出。卒業記念のチャンプが順調に出世街道を突き進んでいる。


 「(展開を)いろいろ考えてみたんですけど、考えてもわからない。愛媛は3車だし、単騎のなかでは山崎(賢人)さん(に注意したい)ですね。あとは師匠(池田智毅)にセンスに任せろって言われた。練習は村上(博幸)さんとかともやってきたし楽しみです」


 1月に3場所連続完全VでS級に特進を果たした山崎賢人は、その後3場所を消化して2勝、2、3着がそれぞれ2回とまとめている。


 「(ラインのある普段のメンバーより)ちょっとやりづらいけど、仕掛けるタイミングがあれば迷わず行こうかと。(気になるのは)やっぱり南ですかね、(2着の卒業記念は)思い出します。今回はひとつギアを上げようかと思っています。最近、いまひとつなんで変化をつけたい。いつものスタイルで自分のレースをしたい」


 山崎と同地区の金ヶ江勇気だが、単騎を選択。これからを見据えてこう言う。


 「仮に山崎さんに付いて勝ったとしても、自分としては得るものがない。このメンバーで自分でどうやるのかを考えてやりたい。でも、(S級の4人は)パンツの色が違うし、やっぱり格上だと思っている。ここまでは自分ができる精いっぱいのことをやってきた」


 3車の愛媛は門田凌、松本貴治、今野大輔で結束。番手の重責を担う松本が静かに口を開く。


 「(番手は)初めてなんで、走ってみないとわからない部分もある。バンクでは3人で一緒にモガいたりもしてきました。愛媛3人で並ぶんで、やれることをしっかりやっていきたい。(番手は)優勝に近い位置だと思うんで、チャンスを逃さないようにしたい」