赤板前から金子幸央が上昇。合わせて動いた柴崎淳が中団を確保すると車間を切って太田竜馬をけん制する。太田は打鐘の4コーナーから巻き返すが、諸橋愛の執ようなけん制で不発に。太田を止めた諸橋がそのまま前に踏みこむと、周回中から関東ラインを追っていた大槻寛徳(写真)がゴール前で逆転した。
「(周回中が)あの並びだし、ああなる気がした。柴崎が先に切った時点で(金子の)先行だと思ったんで、ほぼ金子の3番手にいようと思ってた。(1着は)たまたまですよ。諸橋さんはさすがですね。自分もすごい余裕があったんで悪くないです」
太田を何度もブロックした諸橋愛は3コーナーからシビアな判断を迫られた。
「太田もコーナーで休みながら来たので止めるのに時間がかかった。外に差さったので、早いけど踏まないとと思った。僕もいい感じで(ブロックに)行ったけど、あそこでやめてたら太田がもう1回来る。緩めるわけにはいかなくなってしまった。3日目にも言ったけど、調子は8割ぐらいじゃないですか」
太田が不発になると見るや内に下りた池田憲昭(写真)は柳詰正宏との争いを制して3着に。地元の意地で決勝戦最後の切符を手に入れた。
「意地ですね。脚以上のが出た感じ。大田はニュートラルに入れててもキツかったのかも。でも、駆け出しはピリッときましたね。よかったホンマに。何とか(決勝に)届いた感じですね。判断は悪くなかった。余裕もあったし、レースは見えてると思う」
まくった太田竜馬は諸橋のけん制にあって9着大敗。「出が悪いっすね。普段なら休んでからでも、もう1回出るのに。去年もだけど、1、2、3月はダメですね」と肩を落とした。
最終日の9レースには、S級ブロックセブンが行われる。稲毛健太は11月防府記念を優出すると、競輪祭でも2931着。昨年の終盤は調子を上げていた。今年は、病み上がりで臨んだ1月名古屋を991着で終わっただけに、ここでうっぷん晴らしといこう。
「(和歌山記念の欠場は)インフルエンザになってしまって。名古屋も体調があまりよくなかったんですけど、練習の感じでいけるかなと。でも、レースになると余計な力が入ってしまいましたね。ここまでは体調も治って練習をしてきましたよ。今は四日市(全日本選抜)に向けてやっています。今回は7車立てなので、どう走るか。普通に駆けたら、みんながすんなり中団になってしまうので。内にだけは詰まらないようにします」
その稲毛の番手を回るのは、得点最上位の北野武史。今年に入って一息の成績が続くだけに、ここを制して弾みを付けたい。
「(前回の名古屋は失格に終わって)競走得点が3点マイナスになるのは痛いですね。状態は年末のよかったころに比べると、ちょっとだけ落ちるけど、手応えは悪くないです。自分のやりたい練習もできています。行けるぞって思いますね」
阿部拓真は11月防府でS級初Vを飾るなど、着実に力を付けている。持ち前の巧みなレース運びで逆転を目論む。
「前回の松阪記念(1459着)はボロボロでしたね。力が入らなかったです。冬場になると調子を落としてしまうので、本番は少しでも暖かければいいですね。今は競輪学校に冬季移動して、新山(響平)君とかと練習をしています。軽いバンクが好きなので、高松は好きですね。本番のイメージはできています」
12月久留米で落車した佐藤悦夫は、約1月半ぶりの実戦。気になる状態は、「怪我が治ったあとに、腰痛になってしまいました。ゆっくりしたんですけど、10日くらいしか練習ができていません。冬場って言うのもあって、なんか今いちですね。スピードも出ないし、ピリッとしない」と不安を吐露した。
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