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TAKAMATSU KEIRIN

71#

検車場レポート

  • 1/31 Wed.  (前検日)
  • 2/1 Thu.  (1日目)
  • 2/2 Fri.  (2日目)
  • 2/3 Sat.  (3日目)

1R

 不調に喘いでいた戸田康平だが、11月松戸を117着。前回の小松島では優出こそ逃すが、初日に嶋津拓弥らを相手に逃げ切りと、着実に復調の階段をのぼっている。


 「確実に上向いていますね。その実感があります。一時期は、連に絡めないときもありましたからね。小松島が終わって黄檗山にいっていたんですけど、むこうで階段ダッシュとかもやって。帰って来てからは練習をして、やることはやってきました」


 不破将登は前回の名古屋を712着の2連対。上がる調子を追い風にして、グレードレースでも暴れるか。


 「前回は、初日に組み立てを失敗して悔しかったです。でも、2日目はまくり切れたし、最終日は久しぶりに逃げの決まり手を付けられて、だいぶ良くなってきましたね。逃げ粘れると、次にもつながる。ここに来る前の練習でもスピードが出ていたし、感じは良いと思います」


 

2R

 近況は人の後ろを回るレースが増加している佐藤和也。戦法チェンジを図っているだけに、初日は宇佐見裕輝の番手から努力の成果を見せたい。


 「自分でやりたいわけではなくて、自力でやると体がおかしくなってしまう。今回も前がいればいいなと思っていたら、宇佐見君がいてくれて。それだけでありがたいですね。普段から番手の練習はしています。でも、前の人の仕掛けるタイミングも脚質もあるし、難しいですね」


 今期からS級に返り咲いた宇佐見裕輝は、初心に返って積極策を貫いている。今シリーズも強気な組み立てで、別線に真っ向勝負を挑む。


 「(前回の大垣では初日に2着に逃げ粘って)小松崎(大地)さんから良かったと言われました。やってきたことが間違いじゃなかったと思いましたね。周りの人に言われていることもあるし、今はとりあえず、ジャンで前に出てから考えようと心がけています。今後もこれを続けていければ。状態も徐々に良くなっているし、強い人と走って自力を出すのは楽しみです」


 河村雅章はメンバー表を見つめ、一次予選の作戦を練る。


 「宇佐見君も、下岡(優季)君もカマシタイプな感じだし、良い位置を取れれば。ただ、宇佐美君の後ろが佐藤(和也)さんなので、そこに気を付けないと。出し切れるように頑張ります。高松は去年の12月に走って822着でした。イメージは悪いとは思っていないけど、普通ですね」


 

3R

選手の写真です。
島田竜二選手

 島田竜二(写真)は、心筋梗塞を患って約半年間の長欠。しかし、試練を乗り越えてグレードレースの舞台に戻ってきた。


 「ただいまです。運が良くて、選手を続けられました。今後は一生懸命に節制します。復帰してからも、あまり練習ができなくて。まずは走って、集団でゴールできればと思っていたんですけど、(前回の伊東を優出して)戦えるなと。でも、ドキドキしましたね。怪我の復帰とは違うので。今は走れるだけでも幸せを感じています」


 松岡孝高は1月伊東で2勝など良い流れ。しかし、「まだまだ」と求める理想は遠い。


 「それなりに練習をやっているから、もっと出てもいいかなと思うんですけどね。まだ、イメージ通りに走れていない。ここまでも追い込んできたので、前検日に疲れが取れるようにします」


 点数を落としている地元の大西祐は、気持ちを課題に上げて初日を見据える。


 「状態は近況の成績が物語っていますね。前回の高松もボロボロだったし、あまりいい状態でないことはわかっています。そのへんも踏まえて、初日はいく勇気ですよね。せっかく(追加で)チャンスをもらえたので、1日でも爪痕を残したい」


 

4R

 前回の大宮記念では2連対。渡邉豪大は初の記念開催でまずまずの結果を残した。


 「(S級を2場所走って)まだちょっとやりたいことが定まってないというか。自分としては無理に先行争いするよりも、展開に応じてやるのが一番いいのかな。前回は500バンクで巻き返しがきいたけど、400となるとまた展開が違う。次が地元記念なんでいい感じをつかんで帰りたい。状態は変わらず。でも雪が降って外で乗れなかったんで、そこがどうかな」


 八谷誠賢は今年に入って早くも4勝。先輩機動型として渡邉の前に立ちはだかる。


 「調子は普通っす。なぜか1着だけが増えました。変わったことは特にないけど、セッティングかな。前期ぐらいからセッティングがまとまってきました」


 

5R

選手の写真です。
掛水泰範選手

 1月小松島で優出し、前回の大宮記念では準決勝に勝ち上がるなど掛水泰範(写真)の動きがいい。


 「本当にたまたまですね。何か理由があれば自信も持てるけど、何も変わったことはないので。(高松はここ3年で連対率5割だが)重たいんで、イメージはよくない。初日に連係する原君もそうだし、今回は香川勢が多いんでね。地元勢が一人でも多く上のレースを走れるように僕も頑張りたい」


 なかなか調子の上がらない原誠宏だが、地元のここは気持ちで乗り切りたい。


 「練習はしっかりやってるけど、道中流れてくれないですね。体の使い方やセッティングの問題だと思う。なので、ここに向けてセッティングをいじったり、体の使い方を修正してきました。地元なんで頑張ります」


 11月は防府記念、競輪祭と落車が続いた武井大介もその後は精彩を欠いている。


 「練習の感じとかは変わってないけど着が悪いですね。何が悪いのかはわからないけど。練習は元々弱いし、前まではそれでも着が付いて来てたけど、今は練習どおり。まだ展開が悪くても突っ込めるような状態ではないですね」

6R

選手の写真です。
高久保雄介選手

 11月防府記念の落車で鎖骨、肋骨を骨折した高久保雄介(写真)だが、復帰直後からその影響を感じさせない走りを見せている。今回が復帰5戦目。落車した防府以来となる記念開催を迎える。


 「初めての骨折だったけど、退院した日からめちゃくちゃ練習してたんで走れてはいますね。自転車に乗った感じも違和感なくいけてる。復帰戦はデビュー戦ぐらい緊張したけど、思いのほか自転車が進んでくれたので。高松はけっこうイメージがいい。初日は藤木(裕)さんに任せてもらえたんで。しっかり迷惑をかけんように走りたい」


 今期からS級に復帰した小酒大勇は前回の小倉でS級初優出を飾った。


 「前回はまさかでしたね。決勝も師匠(鈴木謙太郎)が優勝してくれたら一番よかったけど。前回S級にいたときよりはよくなってますね。レース中の焦りがなくなった。今まではあせって踏まないとっていうのがあったけど、それがなくなった。今回は流れに逆らわずいけてる気がします」

7R

 インフルエンザで1月松山を欠場した佐伯辰哉だが状態の不安はなし。むしろ練習十分で今シリーズを迎えたようだ。


 「立川記念から帰った次の日にインフルエンザになった。前回は間に合わなかったけど、治ってから半月ぐらいはあったし、逆に長く練習ができました。寒いわりには練習の感じもよかった。あとは気持ち次第ですね」


 番手を回る三宅伸は大宮記念の落車明け。


 「体は大丈夫。前回、初日の清水(裕友)君もそうだし、最近は中四国の若手が増えて来たからね。僕もあと15歳若ければ(苦笑)。頑張ってついて行きます」


 中村一将は前回の名古屋で久々の優出と調子を戻している。


 「去年は年始から落車も多かったし、後半は2班に落ちてさらに悪いものが出た感じ。でも、最近はボチボチ踏めだしてきてます」


 

8R

 年末の千葉FIを最後に実戦から離れていた金子哲大は今シリーズが今年の初戦となる。


 「(12月)高松の前ぐらいから体調が悪くて、千葉が終わってから40度ぐらい熱が出た。血液のなかに菌が入ったみたいで、入院してました。体調は元に戻ったけど、脚力はヤバいですね。2週間ぐらいは練習できたけど、だいぶ脚は弱ってる気がします」


 志村太賀も前回の大宮記念の2日目に落車しているが、こちらは全く影響がなさそう。


 「怪我は何もなかったです。次の日から練習してましたから。山賀(雅仁)さんが離れてる感じだったし、抜きに行こうと外に差してたらコケてた。調子が悪かったら、追走一杯で外に差してないからコケてなかったかもしれないけど、しょうがないですね」


 金子が本調子を欠くようなら谷口明正の出番だ。


 「前回(1月名古屋)は腰がよくなかったので欠場しました。一本休んで、だいぶマシになってきたし、ここに向けてやってきました。感じもよかったです。(12月別府記念で落車した)肋骨はもう大丈夫。前期はコケすぎたんで、今期はしっかり全部走っていきたい」


 

9R

選手の写真です。
松本貴治選手

 予選のメーンには注目の松本貴治(写真)が登場する。1月四日市でS級特進を決めると、初戦の1月松山ではいきなりS級初優出。初の記念参戦でも活躍が期待される。


 「追加は松山の最終日に連絡が来ました。記念を走ってみたいなっていうのはあったので。前回は決勝には乗ったけど、決勝がダメダメでした。そこがよくなかったです。デビュー直後はセッティングが出てなくてダメだった。まだ完ぺきには出てないけど、徐々にはよくなってきました。今回も初日からしっかり走って。先行で勝ち上がれたらと思ってます」


 地元の福島武士は松本との初連係に緊張感を隠せない。


 「ごっつ強いらしいですね。しかも粘りに来そうなメンバーだし。(10月小松島FI、1月立川記念と)落車が続いて脚が戻り切ってない。決勝には展開で乗れてるだけです。小松島の前はよかったけど、小松島の落車で前歯が折れたし、左肩を打った影響もある。でもいい位置をもらってるんで、頑張りたいですね」

10R

選手の写真です。
山田久徳選手

 ここからは特選がスタートする。三谷竜生は今年2場所走って、いまだ勝ち星なし。2月は全日本選抜に地元記念と大事なシリーズが続くだけに、ここで浮上のきっかけをつかみたい。


 「ここ2開催よくなくて…。また頑張っていきたいですね。S班になってもレースに対して心境とかの変化はない。大宮(記念)のあとはしっかり練習もできたし大丈夫です」


 三谷の番手を回るのは山田久徳(写真)。12月佐世保で記念初優勝を飾ると、今年もFI戦連続優出と好調を維持している。


 「(年末の)向日町が悪かったけど、今年に入ってからは悪くない。先行しても残ってるし、調子は悪くないですね。今回は間に違反訓練もあったりしたので、まずは走ってみてからですね」


 佐藤慎太郎は追加参戦。今年に入ってから、これが2本目の追加で、とにかく走っている印象だ。


 「走りますよ。(1月までが選考期間だった)ダービーの特選に乗れなかったんで。今年は与えられたレースは全て走ろうと思ってる。このあとが中3日になるけど、この追加がなければ空きすぎるかなと思ってたので。ウエイトでも重量が上がってるし、状態はいいと思います」


 

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 今年初戦の和歌山記念では二次予選敗退に終わった諸橋愛(写真)はここから仕切り直し。今年最初のGI、全日本選抜へ向けて切れ味復活をアピールしたい。


 「前回は精神的に少しおかしかった。落車続きで弱ってたのもあったかな。でも、和歌山のあとに(共同通信社杯の)祝勝会も終わって、気分的に楽になった。やっと集中できると思うし、ようやくここから今年がはじまったかなって感じ。怪我もだんだんよくなって、だいぶ戻ってきた。ここまでにいいケアもできたと思う」


 1月はあっせんしない処置だった竹内雄作は今回が今年初の実戦となる。


 「一走してみてですかね。けっこうゆっくりできたんだけど、後半は雪が降ったりして思うような練習はできなかった。でも(1月は)いいオフになったかなと思います。なかなかオフがないんで、そこはプラスにとらえていきたい。僕は走りながら感覚をつかんでいくタイプだし、一走ごとにいい点、悪い点を探りながらやっていきたい」


 番手の金子貴志は立川記念で決勝2着、続く小田原FIでも決勝3着と高いレベルで状態を維持している。


 「今は(豊橋)競輪場が使えなくてロード中心になってる。もう使えなくなって1カ月ぐらいたつし、そのパターンをつかめてきた感じです。伊豆(ベロドローム)や名古屋にも行くことはあるけど、そう頻繁には行けないので。来る前もウエイトやロードでもがいた感じは悪くなかったです」


 

12R

選手の写真です。
香川雄介選手

 地元のエースは香川雄介(写真)。昨年後半戦はFI戦3Vと差し脚好調で、今シリーズは悲願の当所記念初優勝へ最大のチャンスだ。


 「地元記念に向けて一生懸命やってきた。前回の(和歌山記念で原田研太朗と連係して感じた)反省を踏まえてやってきたつもりです。今回も原田君がいてくれれば一番だけど、太田君もタイプが違うだけで強いのは変わらない。やるべきことはやってきたけど、あとは走ってみないとわからないですね」


 太田竜馬は体調不良で大宮記念を欠場。その影響があるかどうかが四国勢の成績を大きく左右しそうだ。


 「小松島のあとに胃腸炎になって大宮を欠場しました。治ってからは練習もまあまあ普通にできたし、感じもよかったので。小松島は冬の爆風でダメ。リズムが完全に狂ってました。ここはスピードも出るんで、冬場でもそこまでは影響しないと思う」


 前回、静岡FIで無傷の完全優勝を飾っている大槻寛徳も差し脚好調だ。


 「前回は展開です。でも、前を抜けてるんで悪くない。ここまでに追加も来たけど、練習したかったんで受けなかった。練習はバッチリです」


 

1R

 オープニングレースは濱口高彰が制した。レースは中団の戸田康平にフタをした不破将登が、打鐘で飛び出して主導権。すかさず巻き返して来た戸田に合わせてギアをトップに入れる。番手の濱口は別線の動きを見極めると、ゴール前で差し切った。


 「福島(栄一)君が離れ気味だったし、(戸田の番手に)飛び付かせようか迷ったけど、不破君はいっちゃいましたね。自分は番手で余裕があったし、周りはいっぱいだったと思う。不破君が頑張ってくれて、本当にいい走りをしてくれた」


 不破将登は力強い走りで別線を完封。岐阜ワンツーを決めた。


 「前回(名古屋)の最終日に、(2着に)逃げ粘れたのが大きいですね。今回も行く気にしてくれました。出切ってからも、気持ちに余裕がありましたね。スタートけん制でどうなるかと思ったけど、戸田さんを合わせ切れたのがすべて。記念の強いメンバーを相手に粘れて、前回よりも自信になりました」


 

2R

選手の写真です。
宇佐見裕輝選手

 河村雅章が切ったうえを打鐘で宇佐見裕輝(写真)が叩いて主導権。下岡優季のカマシや河村の巻き返しを不発にすると、末よく押し切り。S級初勝利を飾った。


 「打鐘じゃ河村さんも突っ張らないと思ったんで。あとは6番(下岡)が来たら踏もうと思ってた。駆け方はよかったと思う。逃げきれてるんで(状態は)悪くない。二次予選も自分の力を出し切って頑張ります」


 番手の佐藤和也にとっては絶好の展開だったが逆転はならず。


 「嬉しい強さ。駆け方が絶妙ですね。自分は仕事なんていらなかった。余裕はあると思ったけど、踏み込んだ瞬間アレ?って。寒くて脚が一杯でしたね。チャレンジ以来だから(宇佐見とは)ほぼ初めてみたいな連係だけど、すごく強くなってますね」


 周回中から終始、北日本ラインを追った山口貴嗣だったが、前をとらえることはできず。


 「宇佐見君もペースで駆けてましたね。一人ぐらい食いたかったけど、全然出なかった。(後ろが先輩で)緊張したのかな(苦笑)」


 

3R

 赤板の2コーナーで踏み込んだ大西祐だったが、口が空いていた北日本勢の番手に降りる。しかし、内から追い上げて来た相笠翔太と併走になると、打鐘の2センターから踏み上げて三浦翔大から主導権を奪う。裸逃げになるも、後続を引き離してゴールを目指す。相笠と連結を外した大崎和也は、古城英之を捌いて石丸にスイッチ。まくってきた松岡孝高と相笠が最終2センターで外に膨らむと、大きく開けたコースを踏んで突き抜けた。


 「相笠が内を無理して行って。自分が付いて行ったら失格になる可能性もあるし、カンナ削りみたいになってしまうので(追えなかった)。(切り替えてからは)石丸(寛之)さんがまくるのかなとか、いろいろ考えていましたね。気持ちに余裕があったし、脚も溜まっていたので伸びました」


 大西と呼吸が合わなかった石丸寛之は、そのまま中団を確保。2センターから内を突いて2着に食い込んだ。


 「打鐘のところでバックを踏んで。3番手が取れたから大西君を待っていたんですけど、行ってしまうから。それで付いて行けませんでした。最後は2センターであたらないようにと思って逃げたら、内が空きましたね」


 苦しい展開となった大西祐だが、冷静に駆けて3着に粘った。


 「1レースの藤田(竜矢)さんの仕掛けが決まっていなくて。これは、まくりがきかないなと。あとは、状態もあまりよくないので、後ろのことを考えて先行しようと。打鐘過ぎに内を空けたのが失敗ですね。出切ってからは、後ろを見たら(三浦が)モコモコしていたので、ペースでいきました」


 

4R

 打鐘で先頭に立った渡邉豪大がペースを緩めたところを、山口智弘がすかさず叩いて主導権を奪う。叩かれた渡邉は車間が大きく空いた3番手となり、最終バックを通過。山口マークの竹澤浩司が後続の巻き返しをけん制しながら直線抜け出し、好展開を生かした。


 「山口君がいいスピードでいいタイミングで仕掛けてくれました。自分がもっと車間を空けたり上手く援護できればよかったんですけど。脚の感じは全然いいですね」


 徐々に前との差を詰めた渡邉豪大だったが、竹澤をとらえることはできず。


 「打鐘で踏み過ぎました。打鐘で少し踏んで、4コーナーからホームにかけて踏み上げられたらよかったんですけど。前が流れていたので、追い付くのがキツかったです。でも最低限、ラインで勝ち上がれたのでよかった」


 渡邉マークの加藤圭一が3着に入った。


 「渡邉君は初連係だったけど、ダッシュがいいですね。もっと上手く駆けられるようになればいいね。叩かれたあとは八谷さんの動きだけ気を付けていました」


 

5R

選手の写真です。
武井大介選手

 合わせて出てくる掛水泰範を制して本多哲也が赤板ホームで前に出る。打鐘前に古川尚耶にすくわれた掛水は中団外併走からホームで仕掛けて本多をとらえたが、原誠宏が遅れて番手には本多が。本多が4コーナーから外に持ち出すと、続いた武井大介(写真)が中を鋭く割った。


 「(作戦は)本多が先行態勢に入って、僕もできれば仕事して。叩かれても引くなと言ってあったし、そのとおりに走ってくれました。大木(雅也)さんは残念だったけど、お互いよかったです。僕は4コーナーからコースも見えてるし、脚もついてきてる。落車の影響はないのに結果がついてこなかったので、よかったです」


 古川のバックまくりに乗った関貴之が直線鋭く伸びて2着に突っ込んだ。


 「(打鐘前)一瞬空いたんですよ、あそこ。空いたら(古川は)入っていくんだろうなと思ってました。古川君が仕掛けてくれたんでよかった。僕もコースは見えてたし悪くないですね」


 まくった古川尚耶は3着。打鐘前に内をすくって中団を奪うなど俊敏な動きを見せた。


 「全然空いてました。1回空いたときに入れなかったんで、次空いたら絶対行こうと思ってた。これで(最終日まで)生き残れたのがデカい。いつも(4日目帰郷を逃れるための)サバイバルレースしか走ってないんで」


 

6R

 柿沼信也が、先に出た小酒大勇を打鐘で押さえて先行策。単騎の良永浩一もこの動きに続く。思惑どおりの中団を確保した小酒は、冷静に3コーナーからまくって勝利した。


 「(高久保、柿沼の)どっちも先行力があるし、最低中団と思っていました。高久保さんが誘導を残して引いてくれてラッキーでしたね。あとは内を見て、後ろを競らせるようにすれば柿沼さんは飛んでくるので。持ち味は出せたかな。でも、本当はまくりをギュッと出したかったですね。寒すぎて、うまく脚が回らなかったです」


 松澤敬輔が、小酒の仕掛けにきっちりと続いた。


 「2コーナーでいかないのかと思ったけど、小酒君は落ち着いていましたね。あれなら安心して任せられます。最後は抜きたかったけど、ワンツーが決められてよかった。小酒君も、俺も調子はいいですね」


 後方に下げた高久保雄介は、小酒に波を作られて巻き返しのタイミングを逃す。結局、2コーナーからまくり上げるも、前団に届かず6着に終わった。


 「全然車が進まなかったです。仕掛けるタイミングがズレたのもあったんですけど…。もう少し積極的にいかないとダメですね。初日はシューズを換えたけど、それが合っていないのかな。元に戻して、仕切り直します」


 

7R

 前受けの佐伯辰哉が押さえに来た伊東翔貴を突っ張る。伊東が下げ切らずに中団で併走すると、小林申太が打鐘の2センターから反撃して主導権を握った。叩かれた佐伯は、木村をさばいて番手を奪取。直線で追い込んで1着を手にした。


 「突っ張る作戦はなかったが、押さえに来るのが遅かったのでとっさの判断で突っ張りました。叩かれたけど、番手を捌いてから落ち着いて走れましたね。地元以外の記念の初日は全て1着。脚も良いし、疲れもないです」


 三宅伸が佐伯に続いて2着に入った。


 「バンクがだいぶ重たかったです。前回の落車の影響はないですよ。佐伯君はたいしたもんですね。何回も突っ張っていってしまうんだから凄いですよ」


 援軍を失った小林申太だったが、4着に踏み止まって二次予選に進出した。


 「想定していた展開と違ったが、前が緩んでいたし、距離も短かったので仕掛けて行こうと思いました。思っていたよりもS級で戦えています」


 

8R

選手の写真です。
志村太賀選手

 別線のけん制を受けながらも金子哲大が打鐘過ぎ4コーナーから一気のカマシ。番手の志村太賀(写真)は谷口明正のまくりをけん制すると、有賀高士の中割りもしのいで直線抜け出した。


 「3番手(田村真広)がいないのはわかりました。(谷口を)持って行ったら有賀さんが入ってきたでしょ。何とか1着でよかったです。体の感じは悪くないけど、(欠場明けの)金子君はちょっとキツそうでしたね。いつもの感じじゃなかった。(4着に)残せてよかったです」


 1センターで田村をさばき、さらに直線では鋭くコースを突いた成清謙二郎が2着に強襲した。


 「(伊藤)彰規がすごく頑張ってくれた。太賀は止められないと思ったから田村さんのところで。彰規さまさまですね。4着までには入れるなと思ってたし、コースは見えてた。恵まれました」


 4コーナーから中を割った有賀高士だが、ゴール寸前で成清に交わされて3着に。


 「谷口君のおかげですね。田村とからんで休めなかったけど、それでも成清君に抜かれたくなかった。調子はいいと思うんで楽しみです。久しぶりに予選を勝ち上がれたし、これをきっかけに流れがよくなってほしい」


 

9R

選手の写真です。
福島武士選手

 藤田大輔に蓋をされた松本貴治だったが、視界が開けるとすぐさま反撃。最終ホームで藤田を叩いて勝負あり。最後は松本、続いた福島武士(写真)、中村昌弘で直線勝負となったが、福島が差し切って地元記念を白星スタート。


 「(初連係の)松本君がどこまで踏めるかわからなくて、ドキドキして付いていました。粘られないようにいってくれましたね。踏み直しもすると聞いていたんですけど、3人で出切っているのがわかったので抜くことだけに集中しようと。初めての地元記念で勝ててよかったです。抜けたので、状態も悪くない」


 福島に交わされた松本貴治だが、堂々たるレースっぷりでラインを上位独占に導いた。


 「初手は中団と言われていました。いけるなと思ったところから仕掛けられましたね。バックで回して、もう一回いけるなと思ったけど、直線が重たくてやばいなと。原因は寒さもあると思う。できれば決勝までいきたいけど、力を出し切って勝ち上がりたいですね」


 

10R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 杉森輝大が三谷竜生にフタをしながら、打鐘の2センターで松浦悠士を叩くと、番手の佐藤慎太郎(写真)がまくって来た三谷をけん制しながら、きっちり差し切った。


 「杉森君が強かったし、完璧なレースをしてくれた。あれ以上はないですね。付いていただけだったので、余裕がありました。また連係できるといいですね。自分自身は上位で勝ち負けができる状態です」


 ギリギリまで三谷にフタをして逃げた杉森輝大が2着に粘った。


 「理想どおりの組み立てで、三谷君だけを意識して走りました。上手く自分の形に持っていけたし、ペースで走れました」


 佐藤のけん制を耐えて粘り強く外を踏んだ三谷竜生が3着に入り、優秀戦へと駒を進めた。


 「だいぶ杉森さんに警戒されていたので、結果としてサッと車を引いてから巻き返せば良かったかなと思います」


 番手で判断が難しかった山田久徳は4着まで。


 「見て終わりました。脚の感じはよかったけど、(南)修二さんに迷惑をかけてしまった。余裕はあったけど、ドン臭かったですね」


 

11R

選手の写真です。
牛山貴広選手

 新山響平が赤板ホームで先頭に立つ。前受けから引いた竹内雄作は中団アウトの鈴木裕をドカそうとするが、小岩大介と接触して落車。番手の金子貴志も乗り上げてしまう。逃げる新山を車間を切って援護した諸橋愛が直線抜け出すかに、3番手の牛山貴広(写真)が外を突き抜けた。


 「諸橋さんが(新山を)残しにかかってたけど、直線に入ったので踏みました。1着なんで悪くないです。ただ一戦ではね。2日目、3日目と同じように走れたら感覚がつかめると思う。でも、脚は悪くないかもしれないですね」


 諸橋愛は牛山に交わされ2着に。


 「残し気味に行ったら誰だ?と思った。行かれちゃいましたね。食われたのは残念。仕事して追い込んでならあれだけど、楽な展開過ぎて評価しづらい。でも余裕はあったんで、あれだけ車間を切れました。とりあえず上には乗れたんでよかった。こういうのがないと自分の気持ちも上がっていかないので」


 4、5番手の小岩大介、池田憲昭がそれぞれ外にコースを選ぶと、空いたインコースを海老根恵太が鋭く伸びた。


 「最後は内に行っちゃって申し訳ない。でも見てると(鈴木は)外で出てなかったので。外を行ければ一番よかったですけどね。(小岩、池田は)みんな内に行く選手なのにたまたまですね」


 逃げた新山響平は惜しくも4着で二次予選回りとなった。


 「もうちょっとなのか、全然ダメなのかわからないですけどね。竹内さんが転んだのが見えて、落ち着いて駆けられたけど座ったまま駆けた分、かかり切らなかった。回すところがなかったんで、しっかり修正します」


 

12R

選手の写真です。
大槻寛徳選手

 後ろから上昇した金子幸央が、赤板の1センターで誘導を降ろす。押さえられた太田竜馬は内から前に出ようとするが、金子に締められて失敗。すると、この様子を見ていた柴崎淳が、打鐘の2センターから踏み込んで先行策に出た。態勢を整えた金子が3コーナーで太田のまくりに合わせて踏むと、その後ろの大槻寛徳(写真)は金子の内コースを選択。直線で鋭く伸びて白星をさらった。


 「金子君のおかげですよ。金子君は駆けるって言ってくれていたし、しっかり仕掛けてくれました。最後は笠松の内にいきたかったけど、締まっていたので外でいいやと。勝てたのはたまたまですよ。でも、状態は思ったより(良い意味で)普通ですね。期間が空いてからの一走目は、いつもオーバーワーク気味で疲れが溜まっているんですけどね」


 柴崎淳は大槻に交わされて2着。しかしながら、的確な状況判断で優秀に勝ち上がった。


 「ここまでのレースで前残りが多かったから、そこは意識していました。ジャン過ぎの、あのワンチャンスだけでしたね。最近は先行、まくり、捌きとあまり怖いものはないから、ここしかない、行けると思って仕掛けました。良い所で出られて、体と自転車が一緒に付いてくる感じがして楽でしたね。勝負所を逃していないし、まだ流れは終わってない。これを崩さずにいきたい」


 近藤龍徳が柴崎に続いて3着に入る。前を抜けなかっただけに、レース後は厳しく自己ジャッジ。


 「ハコサンですね。早めに行ったつもりでも、抜けない。ここまでにレースが詰まっていて、あまり状態はよくないですね。でも、2日目は今より悪くなることはない。宿舎で休養します。それにしても、(柴崎)淳さんは乗っていますね。あそこ(打鐘の2センター)で行けるんだし、後ろから来る気配もなかったです」


 車を下げた太田竜馬は、7番手で最終ホームを通過。2コーナーからまくるも、前が遠かった。


 「包まれるくらいなら内からいこうと。うまい具合に運べなかったですね。もうちょっと(打鐘で)反応が早ければ…。走った感じは違和感がなかったけど」


 

6R

選手の写真です。
金子幸央選手

 赤板ホーム過ぎに宇佐見裕輝が先頭に立つと、前受けの金子幸央(写真)は中団4番手にこだわる。加藤圭一と併走しているところを、最終ホームから松浦悠士に追い上げられたが、1センターから空いたインコースに切り込むとバックでは小酒大勇の内もすくって粘る宇佐見を飲み込んだ。


 「志村さんがうまいこと作戦を立ててくれた。引かずに空くなら行けるところで行こうと。内に詰まって一瞬ヤバいと思った。加藤さんを飛ばして外を行くしかないと思ったら内が空いたので行っちゃえと。そしたら小酒君の内まで空いてラッキーでした。展開にも恵まれた感じですね」


 志村太賀もしっかりと金子に続いて準決勝へ勝ち上がった。


 「引かないって作戦でした。作戦どおりになったんで、結果うまくはまった感じ。最後、金子の出が悪い感じがしたんで、外を踏んだら割られると思った。内ですごく重たかったですね」


 3着の松浦悠士だが、最終ホームでの判断を悔やんだ。


 「あのままカマせばよかったな。行きたかったけど志村さんに引っかかって、併走だから外が有利かなと思った。(中団外で)止まったけど、止まった瞬間に行けばよかったなと思った。レースミスですね。ためて一発でよかったです」

7R

選手の写真です。
古閑良介選手

 大西祐が打鐘の3コーナーで竹澤浩司の内をすくって前に出る。最終ホームから鈴木裕が巻き返してくるも、3コーナーで三宅伸のけん制を受けて失速。大西ラインを追った小岩大介が三宅の内を突いて抜け出したかに思われたが、道中で小岩と連係を外していた古閑良介(写真)が最終バック9番手からコースを縫って突き抜けた。


 「練習はずっとしていたので、気持ち的には楽でした。1着で気持ち良かったし、久しぶりにお客さんのところに行けました。久しぶりの準決なので楽しみたいです」


 小岩大介が2着に入って準決勝進出を決めた。


 「大西君がカマすかなって思って、そこのラインの後ろかなって思いました。恵まれましたね。最後はピンク色がすごい勢いで来て、古閑さんだって思いました(笑)。現地集合しましたね」


 三宅との伸び比べを制した濱口高彰が3着に食い込んだ。


 「竹澤君はすくわれたけど、脚はあるので仕掛けてくれるかなと。最後は古閑君の後ろに入る形になって恵まれました」

8R

選手の写真です。
安部貴之選手

 渡邉豪大が新山響平に蓋をすると、先に出た佐伯辰哉が踏み上げて打鐘で誘導を下ろす。しかし、すぐさま渡邉も反撃してモガき合いに発展。絶好の展開となった新山は、1センターからまくり上げて前団をひと飲み。最後は続いた安部貴之(写真)が、ゴール前で差し切った。


 「粘られると思っていたので気を付けていました。そこをしのげば、あとは抜けるか抜けないか。余裕はありましたね。でも、新山の力に尽きます。何もやることはなかったですし。後ろが俺だから、新山は緊張しないで走れたと思いますよ(笑)」


 新山響平は安部に交わされて白星ならず。レース後は、浮かない表情で記者の質問に答えた。


 「展開に恵まれましたね。前が止まったと思って、しっかり仕掛けられました。踏みごたえはあったけど、普通に抜かれたのでショックですね。あの距離で押し切らないと話にならない。(新車の感触は)感じが悪くないし、踏めていたと思います。もう少しセッティングを出せたら、先行でも伸びるかな」


 北日本コンビに付けた柳詰正宏は、3着を確保して準決勝に進出した。


 「新山君は強いですね。大外を仕掛けていったから、付いていくのは無理だと思って。内を見ていましたよ。でも、そこを付いていかないとチャンスがないので。あおりもあってキツかったです」

9R

選手の写真です。
池田憲昭選手

 後ろ攻めから動いた小林申太が打鐘前2コーナーで先頭に立つ。小林の動きに乗らず7番手の松本貴治は打鐘過ぎから一気の巻き返し。ライン3車で関東ラインを飲み込むと、続いた池田憲昭(写真)がゴール前で松本をとらえた。


 「松本君が強かった。二次予選ぐらいだったら力で行ってしまいますね。最後も勝手に残ってくれた。僕は練習みたいな感じでした。僕も感じがいいですね。今日は単調なレースだったけど、楽には付いて行けたので」


 二次予選も2着の松本貴治だが、連日力強い走りで存在感をアピールしている。


 「見すぎたら(小林に)駆けられるんで。ちょっと遅かったけど、行き切れる感じはありました。(池田に)言われたとおりにできてよかった。濱田(浩司)さんにセッティングを見てもらったら、二次予選は回せるところで回せました。準決勝も仕掛けるところで仕掛けて結果が出せれば」


 不破将登の仕掛けに乗った笠松信幸は4コーナーから内をこじ開けると、直線鋭く伸びて3着に食い込んだ。


 「もう意地です。不破君が(松本が)行ったところで踏んで行ってくれたんで。最後は内にコースを探してと思った。伸びた? 最後は気持ちだけです」

10R

選手の写真です。
南修二選手

 山田久徳が打鐘で切った上を金子哲大がすかさず叩く。成清謙二郎が離れて、3番手には山田が入って最終ホームを通過する。2コーナーから仕掛けた山田が逃げる金子をまくり切ると、続いた南修二(写真)がきっちり差し切った。


 「今日は山田に全部任せていました。山田が強かったです。追走に集中していたので、最後抜くとこは精一杯でしたよ。2日間とおして調子はまずまずですね。ラインで決まって良かったです」


 山田久徳が2着に入って近畿ワンツー。


 「自分の思ったとおりのレースができたので、内容も結果も満足してます。脚を使って3番手を取ってからだったので、最後抜かれたのは仕方ないですね。体の調子や切れは良いし、余裕はありました」


 金子マークの藤田竜矢が3着に食い込んだ。


 「高松は相性が良いですね。打鐘の4コーナーで締め込むのに結構脚を使いました。金子君が頑張ってくれましたよ。脚はだいぶ良い感じです」

11R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 後ろから上昇した本多哲也が、赤板の2コーナーで誘導を下ろして先行策。前受けの太田竜馬(写真)は、4番手で古川尚耶にフタをされたまま最終ホームを通過。しかし、古川をドカして2コーナーからまくり上げると、松坂英司のけん制も乗り越えて前団をひと飲み。最後は続いた香川雄介の追撃も振り切った。


 「作戦は、前からシンプルにいこうと。(古川と併走になって)引いてもよかったけど、リスクがあるので。内に詰まっていたけど、冷静でしたね。もうちょっと、うまくさばけたらいいんですけど。練習では怖くてさばきの練習はしていません。道中も楽だったし、余裕もありました。初日は参考外ですけど、2日目は流れているし、脚も軽かったです。冬場のレースにしては良い方ですね」


 香川雄介は太田と並んでゴールする。写真判定の結果は、微差及ばず2着。


 「全部、太田に任せていました。(内に包まれて)危なかったですね。でも、太田は何でもできるし、やっぱり強い。4コーナーで行ったら、(太田が踏み直してきて)踏んでなかったなと。太田と俺は遺伝子が違う。よく詰めた方ですね」


 太田に上を行かれた松坂英司は3コーナーから前に踏むと、離れ気味だった福島武士をはばんで3着に入る。


 「本多君のおかげです。太田君の勢いが良すぎて、止められなくて。それで前に踏んだんですけど、4コーナーから、さらに離されました。最後はいっぱいでしたけど、負けたくない気持ちが強くて」

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 優秀の「チータカカップ」は逃げる杉森輝大を打鐘過ぎ2センターから仕掛けた三谷竜生(写真)が飲み込んで快勝。諸橋愛の猛追を微差しのいで今年初勝利を飾った。


 「しっかり仕掛けられたので、そこはよかった。最後は抜かれたと思ったんですけどね。今年初めての1着で弾みになったと思う。力を出し切れたのでよかったです」


 マークした諸橋愛はゴール前で三谷に鋭く詰め寄ったが惜しくも逆転はならず。


 「残念。(僅かに届かない)この辺から見ても、まだ本調子ではないね。抜きに行ってる感じで抜けてないんで。仕掛けも強引でしたね。このタイミングで行けんの?と思ったけど、単純に三谷が強い」


 2コーナー、7番手から仕掛けた柴崎淳だったが、前をとらえることはできず3着まで。


 「(佐藤慎太郎より先に三谷ラインに)切り替えてもきれいにまくれてないんじゃないですか。バンクの特性を考えたら難しい。本当に力がないとまくれない感じのバンクですね。まくり切れなかったけど、3着ならやったほうですね」


 ホームで三谷ラインにスイッチした佐藤慎太郎が4着。


 「普段自力を出してれば三谷が出切ったところで仕掛けたんだろうけどね。その気持ちがあれば…。ダメだなあ」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手
選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 赤板過ぎに新山響平が飛び出すと、中団に三谷竜生、杉森輝大は8番手の一列棒状で打鐘を迎える。先行態勢に入った新山は4コーナーからペースを上げるが、車間を詰めた勢いで三谷竜生(写真)がバックまくり。佐藤慎太郎のけん制を乗り越えて、決勝進出一番乗りを決めた。


 「ホームで思ったより口が空いて焦ったけど、なんとか上手くいきました。感覚はいいので最終日もしっかり頑張る。(石垣島に)支部合宿に行ったことがいい刺激になったんだと思います」


 三谷のまくりに置いていかれそうになった南修二だったが、けん制する佐藤の内に切り込むと何とか近畿ワンツーを決めた。


 「自分が弱かったです。脚がないのを実感した。(三谷に)付いて行かないといけないって話なんですけどね」


 内から南に不意打ちを食らった佐藤慎太郎(写真)だったが立て直して3着に入った。


 「三谷は大宮記念とは別人ですね。三谷の後ろに(南が)いなかったから、内に来てると思った。危なかったですね。心の中で全日本選抜まで中3日だぞって叫びましたよ。最後は余裕がなかったし、苦しかった。三谷を止めたかったけど、力量不足です」


 逃げた新山響平は4着で決勝進出を逃した。


 「全部出して負けたんで…。どうにもできなかった。脚力的な問題がありますね。でも気持ち的にはしっかり乗ってたし、今開催では一番力が入ってたとは思う」

11R

選手の写真です。
松浦悠士選手
選手の写真です。
香川雄介選手

 山田久徳との併走を嫌った中団の松本貴治は、車を一旦後方へ。7番手まで下げると、一気に踏み上げて打鐘の2センターから主導権を握った。前受けの海老根恵太は、松本に合わせて踏んで来た山田を出させず4番手を確保。山田は下げて6番手。最終ホーム、バックを一本棒で通過する。中四国3番手を回った松浦悠士(写真)は、車間を切ってラインを援護。最後は、直線で鮮やかに突き抜けた。


 「車間を切ることはできました。外に山田さんが来ていたけど、中も来ているから張れなかったですね。広島記念のゴール前で落車もしたし。できれば、松本君を残したかったです。すかさず行ってくれたし、ダッシュもよかったですね。でも、2日目よりも風が強かったし、きつかったと思います」


 松本の番手を回った香川雄介(写真)が2着。白星こそならずも、地元記念で決勝に進出した。


 「松本君が強い。カカっていましたね。できれば残してやりたかったけど。松浦君が車間を切っているのが見えて。松浦君も良い選手だから、ラインでワンツースリーを決めたかったです。自分はニュートラルに入れられなくて。松本君のダッシュで脚を削られました」


 山田久徳は3コーナーから仕掛けると、ジワジワと前団に迫って3着に入った。


 「海老根さんが前を取ったし、2分戦気味になったので、打鐘では(松本が)来るだろうなと。(松本に合わせて踏んだが)打鐘の3コーナーで前に出たかったですね。(海老根に突っ張られて)あれ以上踏んでも、合わせられる感じがしたので下げました。最後は自分が何着かわからなかったですね。地脚でよかった。脚自体はいいけど、判断が悪い」


 積極的に攻めた松本貴治だが、最後は山田に8分の1輪交わされての4着。


 「後ろに強い人が付いてくれているし、安心感しかなかったです。最後は残れると思ったけど、みんな伸びていますね。やっぱりこのレベルは…。あとちょっとですね。でも、ギアを上げたらすごく良かったです。勝手に流れていったんで。顔見せから楽でした」

12R

選手の写真です。
大槻寛徳選手
選手の写真です。
池田憲昭選手

 赤板前から金子幸央が上昇。合わせて動いた柴崎淳が中団を確保すると車間を切って太田竜馬をけん制する。太田は打鐘の4コーナーから巻き返すが、諸橋愛の執ようなけん制で不発に。太田を止めた諸橋がそのまま前に踏みこむと、周回中から関東ラインを追っていた大槻寛徳(写真)がゴール前で逆転した。


 「(周回中が)あの並びだし、ああなる気がした。柴崎が先に切った時点で(金子の)先行だと思ったんで、ほぼ金子の3番手にいようと思ってた。(1着は)たまたまですよ。諸橋さんはさすがですね。自分もすごい余裕があったんで悪くないです」


 太田を何度もブロックした諸橋愛は3コーナーからシビアな判断を迫られた。


 「太田もコーナーで休みながら来たので止めるのに時間がかかった。外に差さったので、早いけど踏まないとと思った。僕もいい感じで(ブロックに)行ったけど、あそこでやめてたら太田がもう1回来る。緩めるわけにはいかなくなってしまった。3日目にも言ったけど、調子は8割ぐらいじゃないですか」


 太田が不発になると見るや内に下りた池田憲昭(写真)は柳詰正宏との争いを制して3着に。地元の意地で決勝戦最後の切符を手に入れた。


 「意地ですね。脚以上のが出た感じ。大田はニュートラルに入れててもキツかったのかも。でも、駆け出しはピリッときましたね。よかったホンマに。何とか(決勝に)届いた感じですね。判断は悪くなかった。余裕もあったし、レースは見えてると思う」


 まくった太田竜馬は諸橋のけん制にあって9着大敗。「出が悪いっすね。普段なら休んでからでも、もう1回出るのに。去年もだけど、1、2、3月はダメですね」と肩を落とした。


 


 


 


 最終日の9レースには、S級ブロックセブンが行われる。稲毛健太は11月防府記念を優出すると、競輪祭でも2931着。昨年の終盤は調子を上げていた。今年は、病み上がりで臨んだ1月名古屋を991着で終わっただけに、ここでうっぷん晴らしといこう。


 「(和歌山記念の欠場は)インフルエンザになってしまって。名古屋も体調があまりよくなかったんですけど、練習の感じでいけるかなと。でも、レースになると余計な力が入ってしまいましたね。ここまでは体調も治って練習をしてきましたよ。今は四日市(全日本選抜)に向けてやっています。今回は7車立てなので、どう走るか。普通に駆けたら、みんながすんなり中団になってしまうので。内にだけは詰まらないようにします」


 その稲毛の番手を回るのは、得点最上位の北野武史。今年に入って一息の成績が続くだけに、ここを制して弾みを付けたい。


 「(前回の名古屋は失格に終わって)競走得点が3点マイナスになるのは痛いですね。状態は年末のよかったころに比べると、ちょっとだけ落ちるけど、手応えは悪くないです。自分のやりたい練習もできています。行けるぞって思いますね」


 阿部拓真は11月防府でS級初Vを飾るなど、着実に力を付けている。持ち前の巧みなレース運びで逆転を目論む。


 「前回の松阪記念(1459着)はボロボロでしたね。力が入らなかったです。冬場になると調子を落としてしまうので、本番は少しでも暖かければいいですね。今は競輪学校に冬季移動して、新山(響平)君とかと練習をしています。軽いバンクが好きなので、高松は好きですね。本番のイメージはできています」


 12月久留米で落車した佐藤悦夫は、約1月半ぶりの実戦。気になる状態は、「怪我が治ったあとに、腰痛になってしまいました。ゆっくりしたんですけど、10日くらいしか練習ができていません。冬場って言うのもあって、なんか今いちですね。スピードも出ないし、ピリッとしない」と不安を吐露した。