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決勝戦レポート

三谷竜生(奈良・101期)

三谷竜生が記念初優勝

 2日目、優秀戦での今年初勝利から三谷竜生の気配は一変した。準決勝でも上がり11秒2の好ラップで突破すると、決勝戦でも地元勢の気迫を力でねじ伏せた。昨年5月京王閣ダービーでのGI優勝はあったが、記念はこれが初優勝。決勝戦12度目の挑戦でようやくつかんだ勝利だ。
 「レースはああいう展開にもなるかなと思ってた。自分は行けるところから行こうと。ただまくり追い込み的な仕掛けになったので、もう少し早めに行ければよかったかな。(S班として結果を出せて)そこはよかったと思う」
 ダービー優勝のあとは7月福井記念の落車でろっ骨を骨折。復帰後もなかなか成績は上がらなかったが、「ずっと練習はしてた。練習の調子自体は悪くなかったので」。我慢して練習だけは続けていた。
 「どこかかみ合わない部分があったけど、今回はかみ合ってくれてよかった。(大宮記念のあとに行った)石垣島合宿でいい感じに練習はできてた。街道合宿だったんで、初日は感覚の違いがあったけど調子自体は悪くなかったので」
 ようやく歯車がかみ合った。「次も結果を出せるように。しっかり頑張ります」。中3日で迎える今年最初のGI、全日本選抜を前に三谷が最高の弾みをつけた。
 
 近畿ライン3番手からスピードを殺さず4コーナーで内に切り込んだ南修二が中割り鋭く2着に食い込んだ。
 「もう勝負どころだったんで。誰かが(内に)入って来るかもしれないし、シビアかもしれないけどスピードを殺さず行きました。最後は脚力ですね。脚がないんで、また練習します」
 
 松浦の頑張りに応えてバックから自力に転じた香川雄介だったが結果は3着。悲願の地元記念初優勝はならなかった。
 「松浦は先行すると言ってたけど、三谷も仕上がってるからいつもどおりのレースをしてほしかったけどね。あれだけ行ってくれたから次は俺の出番。三谷が見えたから思い切り行ったけど…。悔しいですね。こん身のまくりは放ったつもり。一瞬、夢見ましたけど残念です」
 
 諸橋愛はホームで佐藤慎太郎にすくわれたのが痛かった。立て直して近畿勢を追う形から鋭く伸びたが4着まで。
 「俺も競ろうと思ってたけど、慎太郎さんが行ったので頭を切り替えて。松浦が駆けたら1車でも行くだけ行ってみようと思ってた。車間を切ってまくる体勢を取ったらしゃくられて…。そういう展開にならず残念です」
 
 三谷追走の山田久徳にもチャンスのある展開だった。
 「経験不足ですね。めっちゃ強かった。(2センターでは)内もいっぱいいたし、外からでもあれを抜かないと。竜生が優勝してよかったです」
 
 初手は三谷後位でジカ競り。松浦の動きに乗り換えると、番手まくりの香川に内からスイッチした佐藤慎太郎だったが直線で最内を伸び切れず。
 「(競ったのは)竜生が突っ張ったら、もう出番がなくなるので。(諸橋)愛ちゃんとからんでてもしかたないから、行けるところまでって感じで行きました。しゃーないですね」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲と同時に三谷竜生が勢いよく飛び出して正攻法に構える。山田久徳-南修二が続いて近畿勢が前受けとなるが、初手から佐藤慎太郎-大槻寛徳が三谷の後位で外併走。単騎の諸橋愛がその後ろで、松浦悠士-香川雄介-池田憲昭の中四国勢が後攻めの形で周回を重ねる。
 赤板前の4コーナーから松浦が上昇すると、誘導員を残して車を下げる。単騎の諸橋がに続き、佐藤も切り替える。7番手となった三谷を警戒しながら松浦が打鐘から徐々に踏み込んで主導権。佐藤はホーム前に内をすくって諸橋から4番手を奪うと、さらに1車上げて3番手を取る。三谷は2コーナーからまくり上げる。これに合わせて香川が番手まくりを打つが、スピードで上回る三谷が力でねじ伏せて優勝を飾った。2センターで山田の内に進路を取った南がゴール寸前で香川を交わして2着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 三谷 竜生 奈良 101期 SS 11.5 まくり
2 7  修二 大阪 88期 S1 3/4W 11.3 追込み
3 2 香川 雄介 香川 76期 S1 1/4W 11.7 捲残 B
4 3 諸橋  新潟 79期 SS 1/2W 11.4
5 4 山田 久徳 京都 93期 S1 3/4W 11.5
6 5 大槻 寛徳 宮城 85期 S1 3/4B 11.6
7 6 池田 憲昭 香川 90期 S1 1/2B 11.6
8 9 佐藤 慎太郎 福島 78期 S1 1/4W 11.7
9 8 松浦 悠士 広島 98期 S1 D 13 H