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決勝戦レポート
渡辺雄太(静岡・105期)
渡邉雄太が強襲劇
「一か八かの賭け」が見事奏功した。昨年は強引に主導権を取って早々と馬群に飲まれた渡邉雄太だったが、今年は「(渡邉)晴智さんに『先行しないんだったら獲りにいけ』と言われてたので。まくりたかったけど、我慢して2センターからと決めてたので」と、反射的に内に進路変更。そこからは吸い込まれるようにVロードを駆け抜けた。
「めっちゃ伸びましたね。初手で新山(響平)さんの後ろを取りたかったけど取れなくて。中団取りにミスったけど、ちょうど吉田(拓矢)君の後ろになったのでついて行こうと。たまたまコースが空きましたね」
今年は地元の静岡ダービーでG1デビューを果たすと、親王牌でG1初勝利をゲット。そして今回、今年で最後になる挑戦で、見事若手の頂点へ。順調にステップアップを遂げる若武者の、来年の活躍が今から楽しみだ。
「F1でまだ1回しか優勝してないし、記念の決勝にもまだ乗ってないので、まずはそこから頑張りたいと思います。応援してくれた人たちのおかげで勝てたので、これからも応援お願いします」
下馬評は低かった小笹隼人だが、巧みな位置取りからあわやの準V。
「どんな展開になっても前にいようと思ってました。結果的に番手より、3番手を取ってよかったですね。畑段君が後ろにいたので内をすくわれないように。落ち着いて走れたし、感覚でいきました。最後も良い感じで伸びたと思います」
対照的に、絶好のハコ回りだった鈴木竜士は悔しさを隠せない。
「誰が先行するかだったけど、こういうときは取鳥(雄吾)君が頑張るから、それに賭けてました。もうちょっと引き付けてから行けばよかった。畑段さんが来てたし、吉田君もきてたし力んでしまいました。脚力不足ですね。2着ならまだしも、あれで3着では。獲ったら来年(ヤンググランプリを)休もうと思ってたけど、また来ます」
吉田拓矢は力を出し切れず、悔いが残る結果に。
「(落車の)あおりのところで見てしまい、何もできなかった。弱気だったですね。もっと冷静になればよかったけど、焦ってしまいました」
野口大誠は連覇ならず。落車のアクシデントも影響し、見せ場なく終わる。
「1回振られたときに新山君はひるんだ感じに。立て直そうとしたときにちょうど畑段君に食らって落車してしまって。1回前を斬ってくれたら僕にもチャンスがあったのかと思う。でも人任せではね。最後も渡邉は良いコースを行ったね。僕があそこだったですね。内が重たくて。残念です。今日は今年の中でベストコンディションだった。また来年、良い年にしたいですね」
取鳥雄吾は作戦を変更して積極策に出たが、直線で力尽きた。
「誰かが来て、退かして番手と思ってました。新山さんが勢い良く来ればハコを回れると思ってたけど、引いたので。(鈴木)竜士さんがついてたし、それだったら先行してもいいかなと。先行になることも考えてたけど、打鐘カマシで行きたかってですね。距離が長過ぎました」
神田龍は「(初手で)9番手になってしまい、どのタイミングで行けばいいか迷ってしまって…」と後方のまま終わり、「結局、どこでもいけなかった。浅井(康太)さんに『余裕があったら内をいけ』と言われてたけど、渡邉君に行かれてしまいました」と肩を落とす。
レース経過
周回は小笹隼人―畑段嵐士―取鳥雄吾―鈴木竜士―新山響平―野口大誠―吉田拓矢―渡邉雄太―神田龍の並び。
赤板前から取鳥が車間を切って後続の出方をうかがう。1センターから新山が動きを見せたが、合わせて取鳥が動いて打鐘から先行態勢に。周回中から取鳥の後ろにいた鈴木がこの動きに続き、3番手には前受けから小笹が入る。4番手外併走だった新山は畑段に当たられ打鐘過ぎ4コーナーで落車。レースは8名での争いとなってしまう。2コーナーから畑段がまくり上げるが、小笹の外で一杯に。鈴木がバック過ぎから番手まくりに出ると、畑段を飛ばして小笹が続く。畑段の外を踏んでいた吉田は浮いた畑段のあおりを受けて届かず。その後ろにいた渡邉は4コーナーから内に進路を選ぶ。ゴール目がけて懸命にモガく鈴木の外を小笹が迫り、スピードよく切り込んだ渡邉は最後も内から鈴木をとらえてヤンググランプリを制覇。鈴木を交わした小笹が2着に食い込んだ。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 渡辺 雄太 | 静岡 | 105期 | S1 | 11.6 | 追込み | ||
2 | 6 | 小笹 隼人 | 京都 | 105期 | S2 | 1B | 11.9 | 追込み | |
3 | 7 | 鈴木 竜士 | 茨城 | 107期 | S2 | 1/2W | 12 | 捲残 | |
4 | 1 | 吉田 拓矢 | 茨城 | 107期 | S2 | 1/8W | 11.8 | ||
5 | 5 | 野口 大誠 | 熊本 | 105期 | S1 | 1B1/2 | 11.6 | ||
6 | 4 | 神田 龍 | 三重 | 105期 | S2 | 1/2W | 11.7 | ||
7 | 8 | 取鳥 雄吾 | 岡山 | 107期 | S2 | 4B | 12.7 | H B | |
落 | 9 | 新山 響平 | 青森 | 107期 | S2 | 0 | |||
失 | 3 | 畑段 嵐士 | 京都 | 105期 | S2 | 0 |