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決勝戦レポート

梶田舞(栃木・104期)

梶田舞が真の女王に輝く

 ガールズケイリンのトップ7選手による頂上決戦は梶田舞が抜群のレースセンスとキメ脚を発揮。一昨年の岸和田に続き、2度目のグランプリ制覇で頂点を極めた。
 「今年はグランプリで優勝できたら100点で、優勝以外は0点だったので、1年間100点で終われました。練習してきたことが出たなっていう感じで、直線の伸びはそれを練習してやってきたので、出せてよかったなって思います」
 レースは大方の予想どおり奥井迪が先行。冷静な立ち回りで絶好のポジションを取った後も周り動きはすべて見えていた。
 「(組み立ては)いつもどおり前受けからの展開を考えていたんですけど、思っていた展開と全然違いました。でもそのなかで動けたのが、グランプリでは初めてだったので、びっくりしています。上手く立ち回れたなって思います。ホームあたりから若干車間も空いてっちゃったんですけど、そこからは落ち着いていけました。バックからは誰がまくりにくるか見ていて、児玉(碧衣)さんがちょうど来たので、合わせて踏んで、あとは踏み負けなければ勝てるなと思いました」
 ここ一番の勝負強さが真骨頂。最後の大一番を見事に制し、2度目の賞金女王に輝いた。来年はグランプリ覇者として、ガールズケイリンを引っ張っていく。
 「今、練習の感じがすごくいいので、それを崩さないようにやっていけたら、さらによくなるなって思っています。私は基本をやる感じなので。あんまりみんなみたいに新しいことに手を出すことがあんまりないので。それももうちょっとしたら考えて。今はとりあえず基本をしっかりやって、自分のスタイルも変えずにいきたいなっていう感じです。ガールズ(ケイリン)がもっとプロスポーツとして、磨かれていけるように、先頭に立っていけるようにしっかり頑張りたいです」
 
 奥井迪は有言実行の先行勝負。地元ホームの大声援を後押しに、力の限り最後までペダルを踏み込んだ。
 「出し切りました。ここで逃げ切るつもりだったんですけど、それで結果はこれなんで、力不足ですね。今年の最後なんで、本当に出し切ろうと思っていました。後ろを気にせずに自分のペースで踏んだんですが、バックでもう脚がいっぱいで、きつかったです。最後に踏み直せる脚がないと。甘くはないですね。2着だったんで、来年は優勝したい。まずはグランプリに出ることですね。スタイルは変えずに頑張ります」

 流れに乗れずに後方7番手に置かれた児玉碧衣は懸命に外をまくり上げたが、3着に入るのが精いっぱい。レース後は悔し涙を流した。
 「梶田さんよりも先に出たかったけど、そこまで全然スピードに乗ってなくて。誘導のペースが早かったし、ゴチャついて自分で『どうしようどうしよう』と焦ってしまいました。いつどおり車間を切って、慌てずに行っていれば…。今年1年を振り返って一番、自分らしくないレースで、悔いが残るレースでした。本当にすごい悔しいです。応援してくれたファンに恩返しができなくて…。今の練習では足りないことが分かったので、またグランプリに向けて気合を入れて練習します」

 高木真備も初出場のグランプリで何もできずに終わってしまった。
 「力不足です。(奥井に)付いていけなかった。悔しいですけど、すごくいい経験になりました。この悔しい気持ちは久しぶりなので、もう1年頑張って、来年のグランプリは優勝したいです」

 石井寛子は内枠を生かせず、勝負どころで立ち遅れてしまった。
 「悔いのないように走ろうと。下がって、もう1回、行ければよかったんですけどね」

 奥井の後位で絶好の展開となった尾崎睦は伸びを欠いた。
 「展開はよかったんですけどね。バックで詰まって、後ろから来ると思って気にしていたら、奥井さんが踏み直してました。奥井さんが強かったです。力が足りないと感じたので、もっと力をつけます。来年は平塚でグランプリなので、しっかり出場できるように頑張ります」

 山原さくらは奥井の後位に飛び付けなかった。
 「あの練習しかしてなかった。尾崎さんが来たときに締め気味だったので悩んでしまった。粘りにくかったですね」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 梶田舞も勢いよく飛び出したが、最内の石井寛子がスタート争いを制して正攻法へ。周回は石井、梶田、児玉碧衣、山原さくら、尾崎睦、奥井迪、高木真備の並び。
 赤板ホーム手前から山原、さらに尾崎も車間を切って、奥井の出方をうかがう。打鐘前で誘導員が退避すると、まず山原が上昇を開始。奥井の動きをけん制するように尾崎もアクションを起こす。4コーナーで山原が先頭に立つと、奥井は山おろしをかけて主導権を握り、一気にレースのピッチが上がる。奥井の仕掛けに尾崎、梶田が続き、いい勢いで前との車間を詰めた高木だがハイペースで駆ける奥井の前に4番手外で動けない。代わってバックから児玉が巻き返し、山原は4番手から梶田の内にもぐり込む。奥井の踏み直しに番手の尾崎は徐々に遅れはじめ、奥井が後続を離して押し切るかに見えたが、2センターから踏み上げた梶田が鮮やかに前の2人を逆転。2年ぶり2度目のガールズグランプリを制した。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 6 梶田  栃木 104期 A2 13.5 追込み
2 5 奥井  東京 106期 A2 1B 14 逃残 H B
3 4 児玉 碧衣 福岡 108期 A2 1/2W 13.5 まくり
4 1 石井 寛子 東京 104期 A2 1B1/2 13.5
5 3 尾崎  神奈川 108期 A2 1B1/2 14.1
6 7 高木 真備 東京 106期 A2 1/2W 13.8
7 2 山原 さくら 高知 104期 A2 1W 14