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38#

決勝戦レポート

古性優作(大阪・100期)

ラインの力で静岡記念を連覇

 「ホンマ、もうラインのおかげ」
 4車で結束した近畿勢が、3着までを独占。古性優作は何度もこう言って、ラインの力を強調した。ラインに助けられた通算5度目の記念Vだったが、古性自身も初日とは別人のようなデキ。比類なき修正力の賜物(たまもの)だったことには違いない。
 「初日は優勝できる状態じゃなかったし、自分だけじゃ勝てなかった。ホンマやったら同県でラインを組みたかったと思うけど、東口(善朋)さんがあの位置を回してくれた。ワガママを言わせてもらった」
 前回の全日本選抜のあとにかかったインフルエンザの影響からか、3番手をキープした初日特選では「レースに参加できなかった」と、そこからまったく動けずに精彩を欠いた。しかしながら、5着も二次予選Aでは徐々に本来の感覚を取り戻し、準決では通過点のデビュー通算200勝を達成。手応えをつかんだ古性が、ラインの要でもある番手でチャンスを逃さなかった。
 「去年は村上(義弘)さんに助けていただいて、今回もラインに助けてもらった。そこ(渡邉雄太のまくり)も見えていたし、止めにいきたいところもあったけど、(根田空史のまくりにのみ込まれた)2日目のことが脳裏をよぎった。難しいレースだった。あらためてVTRを見ないと、なにが良かったのか…」
 稲毛健太が主導権を握ると近畿4車で出切って態勢は盤石も、別線は浅井康太、渡邉らが控えているだけに気が抜けない。古性は最善の策と思われる番手まくりで、ゴールを真っ先に駆け抜けた。
 「いろんな人のアドバイスを聞いて、修正ができた。しっかり特別(GI)でラインで決められるように、自分がラインの機動力として頑張りたい」
 古性の底力を感じさせた今シリーズ。静岡記念連覇を念願のタイトル制覇の足がかりにしたい。
 
 古性に流れ込んだ南修二は、シリーズの4走すべてが2着。
 「(ラインの)みんなが頑張ってくれたと思う。(直線の伸びも含めて)今回は、ここ最近では良かったかな。また練習してきて頑張ります」
 
 近畿ライン4番手の東口善朋は、直線で外に持ち出し南に迫るも3着。
 「(最終バックから)1番(渡邉)とかぶってたし、内にも気配を感じた。外を踏んでアカンかったら(仕方ない)と思って行きました。ちょっと内を意識しすぎたかな。しゃぁないですね。ラインで独占したんでヨシとします」
 
 単騎の松本貴治の動きに惑わされた浅井康太は、持ち前のスピードを削がれて不発の5着。
 「(松本が)踏んでやめて、踏んでやめてで行くタイミングを逃した。いや行くタイミングがなかったですね。(最終)1コーナーで(松本が渡邉にけん制された)あの外は行けない。今回、4日間しっかり走れたのは大きいし、2日目は違うけど、自力でやり切った。いまの力はこれだと思うんで、5月(ダービー)に向けてしっかり」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 単騎の松本貴治が飛び出して誘導員を追いかける。以下隊列は、浅井康太-吉田敏洋、渡邉雄太-桐山敬太郎、稲毛健太-古性優作-南修二-東口善朋で周回を重ねる。
 稲毛の上昇に合わせて各ラインが動く。渡邉が赤板の1センターで松本を押さえると、稲毛は一気に仕掛けて突っ張り気味に踏んだ渡邉を打鐘の3コーナーで強引に叩いた。松本が2センターから反撃に出るが、中団でいっぱいになって終了。古性は最終1センターから仕掛けてきた渡邉に合わせて番手まくりを敢行する。渡邉を合わせ切って、最後は近畿3車でのゴール勝負。結果は、古性が力強く押し切って静岡記念を連覇した。2着に南、3着にも東口が続いて近畿勢が上位を独占した。後方に置かれた浅井だったが、松本が邪魔になって仕掛けられず。3コーナーから外を踏んだが、届かず5着に終わった。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 9 古性 優作 大阪 100期 S1 11.7 まくり B
2 6  修二 大阪 88期 S1 3/4B 11.7 マーク
3 2 東口 善朋 和歌山 85期 S1 1/4W 11.6 マーク
4 3 吉田 敏洋 愛知 85期 S1 3/4B 11.4
5 7 浅井 康太 三重 90期 SS 1/2B 11.5
6 4 桐山 敬太郎 神奈川 88期 S1 1W 11.7
7 1 渡辺 雄太 静岡 105期 S1 2B 12
8 8 松本 貴治 愛媛 111期 S1 3/4B 11.5
9 5 稲毛 健太 和歌山 97期 S1 D 0 H