赤板の1コーナーで空いた3番手に和田真久留(写真)が追い上げて入ると、取鳥雄吾が打鐘で出て主導権を握る。和田に割り込まれた浅井康太は8番手からの出直しを余儀なくされ、最終ホーム手前から反撃に出る。和田が合わせてまくって、渡邉晴智に張られた浅井は不発。和田は堤洋のけん制を懸命にこらえて、今年初勝利を挙げた。
「今回は脚の方もそうですけど、気持ち的に勝負になるっていうのがある。ただ、キツかったですよ。1回、脚を使って、浅井さんにしゃくられないようにしたし。浅井さんも(最終)1コーナーから来ていた。土屋(壮登)さんも合わせて出て行ってたんで、自分もやめないようしないと後ろに迷惑を掛けてしまうから」
打鐘で飛び出した取鳥雄吾は、堤との2車のラインも臆することなく積極策。二の足で踏ん張って2着に逃げ残った。
「初日に変なレースをしたぶん頑張ろうと思った。キツかったですけど、なんとか残れたんで自信になった。(最終)バックで(まくりが)来てたんで、目いっぱい踏んだ。あとは堤さんに(決勝に)乗ってもらえればくらいの気持ちでした」
土屋が3番手の好位を確保。しかしながら、土屋のまくりは一息で神山拓弥(写真)は、堤の内をすくってしぶとく3着に入った。
「取鳥君が踏み勝ってくれれば、俺にも(チャンスが)あると思った。(和田)真久留のことを合わせられなかったし、外にはいっぱいいたんで無理だと思った。それで内に入りました。いままでダメな時も腐らず練習をやってきたんで、成果が出てよかった。このメンバー構成で自分に余裕が出てきた。それに初日は鈴木庸之さん、(準決は)土屋君、関東のみんなのおかげですね」
≪最終日6R「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」≫
メンバー中、競走得点トップの岩本和也が、絶好枠の1番車。カーボン製のフレームでの自転車にも対応できそうで、期待は膨らむ。
「エボリューションは初めてですね、いい枠なんで、いい位置を取りたいです。去年(10月)の地区プロのケイリンで初めてカーボンの自転車でやった。その前にも練習では乗ってたし、地区プロのあとも練習で使ったりして多用している。(競輪での自転車よりも)力が伝わりやすい。練習はいつも通りやってきた。体調自体は変わらないです」
全プロ大会での1キロタイムトライアルで実績を残している加賀山淳だが、冬場でのカーボン製のフレームでのレースには不安がありそうだ。
「全プロにしても、地区プロにしても寒い時にはやらないですからね。カーボンの自転車は体に負担がかかるから、冬場は基本的に乗らないんですよ。今回は(前回から)日にちもあったし乗りました。俺は1000メートルだから独走ですからね、ハンドルも違う。チームスプリントに出ている戸田(康平)君の方が(エボリューションは)いいのかもしれない」
大外枠のハンディはあるもののスピードタイプの戸田康平が、どんな走りを見せるか興味深い。
「仕掛けどころですね、うまいこと仕掛けたい。後方におってもどうにもならんし、どっかで前に行かないと。(練習では)ちょっとカーボンの自転車に乗りました。セッティングがイマイチ、バシッときていない」
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