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しずおか競輪

SHIZUOKA KEIRIN

38#

検車場レポート

  • 2/16 Fri.  (前検日)
  • 2/17 Sat.  (1日目)
  • 2/18 Sun.  (2日目)
  • 2/19 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
渡邉豪大選手

 直近は大宮、高松の記念で連続して2着で一次予選をクリアしている渡邉豪大(写真)が、迎える初めての地元記念。前回、前々回の記念を振り返りながら、慎重なコメントをする。


 「(連続して一次予選を通過しているけど)先行をしてないんで…。今回は先行をしてクリアできればいいと思っている。前回は付いていただいた千葉の先輩方と話をさせてもらって、やっぱり押さえ先行が基本だって。自分は小細工をして確定板にあがっている。無駄な先行はしないようにだけど、両方(内容と結果を求めたい)ですね」


 前回の小倉FIを471着で感覚を取り戻した山下一輝が、明るい表情で自転車を組み立てる。


 「ちょっと高松、広島(その前の2場所)と良くなかったんですけど。サドルとかを前回から戻して、手応えが良くなった。結果的にそっちの方が良かった。まずまずだと思います」


 

2R

 近況、腰痛の不安から解消されつつある土屋壮登の成績が安定してきた。


 「(前回も)腰痛が出かけたけど、克服の仕方がわかってきた。(腰痛に)なってからストレッチをやったりして、良くなるようになった。ただ、前回(決勝進出は準決未実施のため抽選で)運だけですから(笑)」


 インフルエンザの影響で調子を落としていた水谷好宏だが、減っていた体重も戻りつつあり上昇ムード。


 「(インフルエンザで)体重が3日間で5キロも落ちた。2キロくらい戻って、ちょっとずつですね。自転車の扱いとかはかわらないけど、自転車に対する体重の割合で流れ方が変わってくる。(ここに来る前の)練習でも高久保(雄介)とやって、いつもちぎれるところがちぎれなかった。あとはレースで1回仕掛けることができたら、体の反応も変わってくると思います」


 

3R

 昨年5月以来の優出を前回の別府FIで遂げた丸山啓一は、「決勝に乗れたところまでは運だけ」。準決未実施による抽選での勝ち上がりから、決勝は3着と好走した。


 「決勝は売り出し中の南潤君の3番手で、前が競りだった。それに付いていけたっていうのは、調子的に良かったから。ここでも戦えるっていうこと再認識できた」


 吉本哲郎は前々回の高松のS級ブロックセブン、前回の小倉FI補充をともに3着。


 「(2走とも)バックは取れているんですけど、2場所とも2着に残れそうな感じだったんでショックでした。自分のタイミングで仕掛けてはいるんですよね。僕のイメージでは残れるっていう感じだったんで」


 

4R

 前々回の大宮記念は勝ち星を挙げながら最終日を待たずに欠場となった長尾拳太の状態はどうか。


 「大宮でインフルエンザになって熱が出た。前回の別府ではもう大丈夫だったし、走っていても問題はなかった。ただ、競走得点が100点から102点くらいで壁になっている。しっかり(自力を出して)動いた方が成績がまとまっているし、(今期は)1班を狙いたいですね」


 昨年12月のレインボーカップファイナルを制しS級にカムバックを果たした福田知也は、返り咲きから初の記念。


 「(A級では出していた)自力はほぼなくして、追い込みのスタイルでと思っている。ボチボチやれているし、調子はいいですよ」


 

5R

 畑段嵐士は補充ながら全日本選抜で久々GIを体感。刺激を受けて昨年11月の大垣以来の記念シリーズに臨む。


 「(GIは)やっぱりレベルが違いますね、勉強になります。どうなんですかね、調子はいいと思う。(京都は)雪も大丈夫なんで街道もできるし、ウエートトレーニングもできている。疲れも大丈夫だと思います」


 近況、一息の成績で競走得点を下げている荻原尚人だが、“いつも通り”のスタイルでマイペースを貫く。


 「動きとかレースは変わらないけど、それで凌げない部分が出てきた。(先行をしても)いい勝負ができていたのに、それができてない。気持ちは変わってないんで、脚力が落ちている。(追加配分なので)あとは疲れが抜けてくれれば」

6R

 前回の小倉FI982着を気にする様子もなく坂本健太郎が、いつも通りリラックスムードで検車場にあらわれた。


 「小倉は初日が車体故障、2日目は前がいて共倒れ。成績が悪いけど、自分としては(調子は)変わらずです。あとはこのメンバーですから、長距離砲も準備していかないと」


 前回の別府FIは準決の抽選にコボれるも2連対。巴直也が苦笑い。


 「そこ(未実施による抽選)も実力でしょう(笑)。しょうがない。調子はまずまず良かったし、南潤君とかと勝負をしたかった。状態は変わらずです」


 

7R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 佐々木豪(写真)は直近のFIシリーズで初日予選を3連勝。初めての記念に目を輝かせる。


 「まだガムシャラにやっている感じですけど、(S級を)4回走って3回決勝に乗っているんでいいと思います。練習はひとりでワットバイクでやってます。ここ4カ月ワットバイクでしか練習をしていない。夏場は軽いギアで回転練習をするけど、冬場だと体が動かないんで」


 コンスタントに勝ち星を挙げている猪俣康一は、手応えありの顔をする。


 「感じがいいし、徐々に良くなってきている。自分でしっかり意識をしているというか、調子がいいから体が動いて反応しているんだと思います」


 

8R

選手の写真です。
新山将史選手

 小倉831着、和歌山391着と新山将史(写真)は、ここ2場所のいFIは最終日を1着で締めている。


 「出し惜しみをしないで、出し切れた結果の1着なんですよね。後ろの明田(春喜)さんはしっかり止めてくれるし、今回は初日からしっかり仕掛けたい。(勝ち上がりだと)どうしても変に構えちゃったり、位置取りにいったりしちゃう。記念はこれが今年一本目だし頑張りたい」


 前回の伊東FIで2勝をマークしている伊藤信だが、配分過多による疲労の蓄積がありそうだ。


 「ここ最近はレースが詰まりすぎている。12月からのを入れたら7場所連続っていう感じですね。正直、走ってみないとわからないところがある」


 

9R

選手の写真です。
新田康仁選手

 07年、13年と2度に渡り地元の静岡記念を制している新田康仁(写真)が、ここに照準を合わせてきた。


 「年末にじっくり練習ができて、パワーアップができた。あとはフレームの相性ですね。ギアを換えたりしながら、うまくかみ合ってくれれば進んでくれると思います。脚とか体調面に不安はない。あとは(セッティングを試行錯誤しながら)煮込んでいたんで、ここでようやく食べごろかと思います(笑)」


 鷲田幸司は前回の大宮記念を3644着。落車再乗の2日目でろっ骨骨折の怪我を負った。


 「冬場はもともと得意なんで、(成績が)だいぶ良くなってきた。ほかの人たちがタイムが落ちるぶん、僕が落ちないんでいいんでしょうね。寒さにも強いし。体の方はもう大丈夫だし、冬期移動先の久留米で田中誠さんと練習をやらせてもらってオーバーワークが心配です」


 

10R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 1月岸和田FIでの落車失格から取鳥雄吾(写真)が、およそ1カ月ぶりの実戦。S級S班の桑原大志との中国タッグに気合を入れる。


 「フレームがダメになっちゃって、それで1カ月くらい空いた。体はいつも通りだと思います。怪我はなかったし、とくに変わったことはない。前を回してもらうんでしっかり勉強していきたい。(中国地区の追い込み選手に)後ろに付いてろなんて言われないようにしたい」


 昨年のグランプリシリーズの落車から、今年は2場所を消化して未勝利の和田真久留は、中3日でもプラスアルファが見込めそうだ。


 「(前回の)全日本選抜の前に体調を崩して、練習があんまりできなかった。それで前回はあんまりでした。そこからだいぶ体調が戻ったし、前に攻める気持ちでやりたい」


 1勝にとどまった前回の全日本選抜を悔やむ大槻寛徳は、福島コンビの後ろから差し脚を伸ばす。


 「前回はもっとやれると思った。ちょっと消化不良ですね。展開がどうとかそういう問題ではない。それでも切り開いていけるくらい(状態が)良かったんで」

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 吉澤純平とのタッグで全日本選抜連覇にかけた平原康多(写真)だったが、結果は自力に転じて近畿2段駆けをまくり切れず6着に終わった。


 「前回は悔しい終わり方をした。だから、(今回は)結果を残したい。(前回の全日本選抜の決勝はまくりのタイミングを)待ちましたね。自分のタイミングで行ってれば、3コーナーで出切れていたと思う。あの辺の判断がすごく難しい。結局、(吉澤と)共倒れで終わっているんで。瞬時、瞬時の対応がああいうので身についていればいいですね」


 中3日でコンディションを整えてきた原田研太朗は、全日本選抜の決勝に合格点を与える。


 「いままでGI決勝に乗ったなかで、手応えというかそういうのがあった。あの位置で遅れなかったし。そこからはあんまり日にちがなかったですけど、次の日から乗ってやれることはやってきた」


 単騎の高橋陽介が、メンバーをにらんでヤル気になっている。


 「前々回(奈良)は単騎でまくって優勝しているんで悪くないですよ。脚はいいんですけど、(前回は)判断が良くなかった。(人の後ろだと)追走が楽なぶん、余計なことをしてしまう。とりあえず付いていくことだけを考えてですね。(番手を回るより)ひとりで自在にやる方がうまくいく」


 

12R

選手の写真です。
古性優作選手

 松阪記念では準決で1位入線も失格。続く全日本選抜も途中欠場と2場所続けて最終日を待たずに姿を消した浅井康太は、中5日での今シリーズに注目が集まる。


 「この5日間はケアに努めた。いまの自分がやれることをやってベストを尽くします」


 全日本選抜のファイナルでは近畿4車の先頭を務めた古性優作(写真)は、課題を残しながらも収穫もあった。


 「冷静に走れたことは良かったと思います。そこから(中3日は)みんな一緒ですから。あとは(前回から)シューズだけは換えていこうと思います」


 山中秀将は、前回の全日本選抜を1273着。千葉3車で結束した準決は先行策で見せ場をメイクした。


 「(全日本選抜の準決は)風が強くて、3コーナーで減速してしまった。もう少し長く踏めれば…。ただ、行けるところでちゅうちょせずに行けた。1車でも多く(ラインで)決勝に乗りたいと思った結果、あのレースだった」

1R

選手の写真です。
渡邉豪大選手

 押さえに来た山下一輝を前受けの藤田竜矢が突っ張って両者で踏み合いも、渡邉豪大(写真)は構えることなく仕掛けて主導権を奪う。中団は藤田が取り切って、山下は一本棒の7番手。番手で車間を空けた川崎健次が別線ににらみを利かせて、援護を受けた渡邉の逃げ切り勝ち。初の地元記念で幸先いいスタートを切った。


 「山下君は1回、自分のところに(フタをして)押さえるのかと思った。そしたら前に行ってくれて、(藤田と)踏み合ってくれた。自分は出切ってから流せて、(最終)バックまで脚を溜めた感じです。逃げて4着までに入れればいいと思っていた。川崎さんに申し訳ないですね」


 逃げた渡邉との差を直線で詰めた川崎健次だったが、半車輪及ばずの2着。


 「宮倉(勇)さんまで(ラインで)勝ち上がれてないんで、完ぺきではないですね。余裕があったんですけど…。(渡邉は)バックでもきれいに回してたんで、これはっていう感じがあった」


 

2R

 後攻めから上げた土屋壮登が、打鐘で先頭に立つが、間髪入れずにカマし返した水谷好宏がホームで先制。土屋のけん制を凌いだ佐野梅一、光岡義洋まで続き、土屋が4番手。そのまま軽快に飛ばした水谷が、詰め寄る佐野を振り切って白星をつかんだ。


 「周回中から3コーナーのところがちょうど追い風だったので、そこで自分のタイミングが来ればと思っていたらそうなって。うまいタイミングで仕掛けることができました。最近は仕掛けられずに負けていたけど、久々に先行できましたね。悪い時は自分でなんとかしようと思ってしまうけど、後ろが佐野さんだったしラインを信じて仕掛けた結果ですね。1回だけなら誰でもできると思うので、これをキッカケにこういうレースを続けていきたい」


 水谷の踏み出しに口が空きかけたところを土屋にブロックされ苦しくなった佐野梅一。なんとか付け直して2着を確保しホッと一息。


 「ええダッシュでしたね。なんとか付け直せて良かった。強かったですね。道中も向かい風がすごくて後ろについているアドバンテージはなかった」


 最終3コーナーからまくり出た土屋壮登だったが、アクシデントもあって伸びず。かろうじて4着で一次予選を突破した。


 「後ろ攻めを想定していなかったので、動揺してしまいましたね。もう少し踏んでおけば佐野さんのところに飛び付けたかもしれないですね。(まくりにいった時の)車の出は良くなかったけど、直線も長いしなんとかなるかなって思ったら落車もあったので」


 

3R

選手の写真です。
大関祐也選手

 吉本哲郎、松山桂輔の順で切った上を大関祐也が飛び出して、迷うことなく逃げる。絶好かに思われた松山だったが、3番手からのまくりは不発。松山に付けた坂上樹大が直線で伸びて突き抜けた。


 「丸山(啓一)さんがうまかったし、(このバンクコンディションだと)先行が残りますね。あれで自分が内に行くとのみ込まれそうだった。それで外に行くしかなかった。届かないかと思ったし、(大関が)強かった」


 丸山啓一がブロックした松山と絡んで、追い風をうまく使って逃げた大関祐也(写真)が2着に粘り込んだ。


 「思い通りのレースでした。最終2センターから風を受けたけど、なんとか頑張れました。(練習グループの)宮倉(勇)さんと初めて一緒の開催なんで、いろいろ話を聞いたりしています。絶好の展開を(勝ち上がれて)モノにできてよかった」


 

4R

 赤板で山本紳貴が切った上を押さえた長尾拳太が主導権を握ると、隊列は一本棒に。長尾の緩急をつけての先行策の前に、最終1センター4番手からの山本のまくりは不発。完全にレースを支配した長尾を、山本を止めるアシストからゴール前でとらえた吉村和之が落車明け初戦を白星で飾った。


 「長尾君が余裕ありましたね。自分で風を把握しながら追い風で流したり向かい風で踏んだりしてレースを作っていた。後ろからも安心して見ていられました。中団にいた山本君が仕掛けてきても振っていく余裕はあったけど、長尾君がうまく合わせて構えさせていた。いい流れでスタートを切れました。体は大丈夫そうで、新車は硬いぶんスピードが乗り切れば進むけど、乗せるのに大変。踏み出しをこらえれば良さそうだし、練習では不安だったけど実戦でつかめました」


 長尾拳太は赤板から2周をペースで駆け、別線を封じて粘り込んだ。


 「山本さんが中団確保から構えている雰囲気だったので、あとは誰もこなそうだったし自分のペースで踏めました。バンクが軽く感じたし、バックも流れていたのでペースでいける自信はありました。踏んだ距離は長かったけど、ペースだったので距離は関係ない。自分がされたら嫌なペースで踏めました」


 脚力の消耗を抑え中団を取った山本紳貴だったがまくりは及ばず。しかし、外併走で粘り強く踏んで3着に入線。


 「せっかくの中団も風が強く感じたし出ないところで仕掛けてしまった。主導権を取りたかったが初手から中団だったので。位置は取っていけたが、そこから行けてないからちょっとカッコ悪いですよね」


 

5R

 バック数断トツの佐川翔吾が後攻めから上昇すると、合わせて動いた志村龍己、さらに正攻法に構えていた荻原尚人も前々へと踏み、佐川の番手が3車併走に。アンコになった志村は後退し、畑段嵐士と荻原で佐川の後ろを取り合う形となるが、荻原をキメた畑段が番手を死守。畑段は、後続の状況を確認しながらゴール寸前で佐川をとらえた。


 「(荻原と志村の)どちらかは(番手に)来ると思っていました。志村さんが遅れたのが見えて(荻原に)当たりにいきました。でも、踏み出しで口が空いてしまいました。そのあとは余裕がありましたね。2番(荻原)が後ろにいるのがわかったので、前が食われないように考えて踏みました」


 マイペースに持ち込んだ佐川翔吾が、2着に逃げ粘り近畿ワンツー。 


 「荻原さんは(先行も含めて)なんでもできるタイプなので気をつけていました。あのタイミングで踏めばライン(畑段と)で決まると思いました。自分もしっかり粘れるだけの状態に戻ってきた」


 踏み負けた荻原尚人だが、土岐幹多をさばいて3番手を確保し、そのまま流れ込んだ。


 「後ろよりは前が良かったので。2番車だったし(スタートで)少し強めに踏まないと後ろになってしまうので。志村君が一緒に来なければ粘ろうと思っていましたけど。3車併走は苦にならなかったけど、4コーナーの下りで遅れてしまいましたね」

6R

 赤板の2コーナー手前で巴直也が押さえて先頭に立つと、飯尾主税、伊藤拓人まで出切る。が、打鐘過ぎに増原正人が1車押し上げて、3番手がもつれる。人気の坂本健太郎は後方に下げて、最終2コーナーからまくり上げるが一息。逃げる巴の番手で絶好の飯尾が、藤田昌宏の強襲を退けて昨年の11月以来の白星を地元で飾った。


 「前が行ってくれて、自分のところじゃなくて後ろが絡んだ。自分が3番手だったら、あそこで絡まれていたわけですから。自分としていい流れだった。道中の感じとかも、ここ最近のなかではいい感じですね」


 併走の増原と伊藤の決着がつかず、藤田昌宏は最終3コーナー過ぎから踏み込んで2着に届いた。


 「増原が勝って早く(3番手の)決着がついてくれたらと思っていたんですけど…。どっちにしろ坂本君が来るから、来る前に行っとかないと共倒れになっちゃうんで。そしたら坂本君が見えたから、張りながら(踏んで)行った。(1着争いで)踏み勝てるかと思ったけど、飯尾君も仕上がっているね」

7R

 注目の若手レーサー佐々木豪が、記念デビュー戦を快勝。


 初手で中団を取った佐々木は赤板で佐藤朋也に一度フタをされ、上昇した佐藤ラインを追うように2コーナーから踏み上げるも、佐藤に突っ張られ中団で併走に。だが、打鐘4コーナーの山降ろしを使って再加速すると、1センター過ぎに前団を強引にのみ込む。あとは後続をみるみると引き離し、2着に6車身まで差を広げてゴール線を切った。


 「直前にケアをし過ぎたのか、脚がフワフワしていた。シッティングだと問題ないけど、立ちこぎだと回らなかった。そこは修正していって、(二次予選は)ラインで決められるように。初の記念でお客さんが多くて気持ちが入りました」


 佐々木をマークしていた高市訓但は最終1センター過ぎで離れ、先行していた佐藤が番手に変わるも、佐々木に大きく離されたまま直線では失速。追走していた荒澤貴史が残し気味に交わして2着に。


 「(佐藤)朋也が佐々木をフタしてからかなり踏んでくれた。彼は地脚だから粘り強く踏んでいたし、僕は佐々木に行かれてもその後ろを止めて朋也を落ち着かせることしかなかった。(落車明けの)前回から新車にしてセッティングは出したつもりだったけど、全然ダメ。前回は体の影響かと思ったが、今回ではっきりした、新車がダメだと。何とかしたいけどこれ以上どうすればいいのか…。難しい」


 突っ張って逃げた佐藤朋也は、最後に失速するも4着に残り勝ち上がりは決めた。


 「作戦通りには進めたけど、話ではバックが追い風と聞いていたのにまったく追い風がなくて聞いていた話と違っていたのが…。もつペースでは踏んだつもりなので脚がないだけ」

8R

選手の写真です。
山口富生選手

 赤板で新山将史に併せ込んだ伊藤信が、フタをしままギリギリまで仕掛けを我慢。打鐘で2センターで再び外併走から踏んで先行策に出る。番手の山口富生(写真)がきっちり交わして、昨年10月以来の1着で二次予選に進んだ。


 「12月の後半から初日だけで終わっている感じだったけど、前回は補充だけど最後まで走れた。まだ二次予選があるから油断はできないけど、勝ててよかったです」


 新山を封じ込めた伊藤信が、絶妙な仕掛けで別線を翻ろうした。


 「(新山に)フタをしながらカマすのが理想の展開だったので、それができてよかった。風はキツかったけど、前のレースでも先行が残っていた。なんとかなると思っていました」

9R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 赤板過ぎに窓場千加頼が切った上を簗田一輝が押さえて出て主導権。打鐘目がけて簗田がグングン飛ばす。後続を一本棒にして駆けた簗田の番手で車間を空けた新田康仁が、盤石の態勢で後続との間合いを計って追い込んだ。


 「(簗田が)吹かしちゃってたし、これ大丈夫っていうのがあった。まくりが来るから車間を空けてたけど、来なかったですね。ゴール勝負して(ラインで)ワンツースリーが決まったからよかったです。展開が向いたのもあるけど、重たかったり引きずる感じがなかったからいいですね」


 「吹かしすぎちゃった」と、簗田一輝(写真)も、自分のペース配分を振り返りこう続ける。


 「いつもそんなに行ってないから、ちょうどいいくらいですね。風が(前半のレースと)逆だった。ホームで踏まないと掛からないと思って、そしたら(ペースが上がってしまった)。久しぶりに先行の決まり手がついたんでよかったです」


 

10R

選手の写真です。
和田真久留選手

 赤板の1センターから巻き返した野原雅也に合わせて、取鳥雄吾も出る。打鐘で強引に主導権を握った取鳥の後ろに野原が入るが、小松崎大地もインから盛り返す。さらには連結を外した桑原大志も追い上げる。前団の激しい踏み合いを冷静に見極めた和田真久留がまくりで前団を仕留め、萩原孝之が差し切って南関ワンツー。


 「まだ今開催はまくりが決まっていなかったから、早めに行った方がいいと思っていた。(和田は)さくっと出てくれたね。行くと思っていたので、踏み出しには集中していた。普段は初日は重めになるように調整しているけど、今回は軽めにして良かった」


 展開に恵まれたものの、和田真久留(写真)は仕掛けどころを逃さずまくりを放った。


 「地元の萩原さんを連れていかなきゃという思いが強かったから、(最終)バックは取ろうと思っていた。そういうスピードと仕掛けでいこうと。迷惑をかけなくてよかった。前回は体調が悪かっただけで、今回は問題なさそうですね」


 いったんは野原との連結を外した村上義弘が、最後は南関コンビを追いかけて3着。


 「自分のミスです。修正して一戦一戦を精いっぱい頑張ります」

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 地元コンビの主導権。松岡貴久が追い上げて、3番手が吉田拓矢と併走になる。渡邉雄太がペースを緩めると、打鐘の2センターから原田研太朗がカマす。判断を迫られた平原康多(写真)は、最終1センターから自力を発動してまくりで勝ち切った。


 「力を出せないようにされるのは、強くなる選手の宿命だと思う。自分は前回の失敗もあるし、あれ以上は待てないと思って踏みました。新田(祐大)みたいでした? いやいや到底及ばないですよ」


 同県の後輩、原田のカマシを利した堤洋が、2着に追い込んだ。


 「ちぎれたらヤバいと思って、もう必死でしたよ。(原田)研太朗もめちゃくちゃ踏み直していたし、(自分の状態が)悪かったらハコ5(着)くらいしていると思うし、抜けたので悪くないでしょう。(2日目優秀「ちゃっきり賞」に乗れたのは)大きいね」


 積極策を披露した原田研太朗は、平原のまくりに屈したものの3着に踏ん張った。


 「吉田君の先行はないかなと。地元の渡邉君が駆けるだろうと。なので自分が前を取って引いたら松岡さんも追い上げて、あの形になると思っていました。いい感じでカマせたけど、風が強くていっぱいでした。勝ち上がりを考えてもやっぱり自分だけの仕掛けだと準決や決勝で単騎にもなったりキツくなるので、行ける時はしっかり長い距離を踏みたい」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 打鐘の3コーナー過ぎに出て先行態勢を取った山中秀将を古性優作が内から盛り返して両者の踏み合い。思惑通りの流れになった鈴木庸之が、最終ホーム手前から仕掛けて主導権を握る。後方の浅井康太(写真)は最終1コーナーからまくり上げると、神山拓弥のけん制を乗り越えて1着。前回の全日本選抜を途中欠場した悪い流れを自力で断ち切った。


 「レーサーパンツを換えたんですよ。換えるのに不安があったけど、それで補えている。調子は悪くないんで、(2日目も)しっかり。次のGI、ダービーに向けて仕上げられるようにしたい」


 神山拓弥は、古性の飛び付きを凌いで鈴木の番手をキープ。浅井のまくりを止め切れずも、直線で差し脚を伸ばして2着に入った。


 「(古性の)そこだけをと思ってました。古性はすごいですね、先行しながら、ああやってできるんだから。自分はノブさん(鈴木)のおかげです。(浅井のまくりが)見えて、そこからは冷静にできた。3番手の外併走で(浅井が)休んでいる感じだったから、引きつけて引きつけて踏んだ」


 園田匠の突っ込みを制して3着キープの金子貴志は、息を整えながら苦しそうに振り返る。


 「古性も踏むんじゃないかと思ったし、(浅井は)結果的に引いて良かったんじゃないですか。あそこで踏み合いになるよりは。自分はキツかったけど、(3着で)よかった」


 「完全に狙い通り」と、絶妙なタイミグで仕掛けて軽快に風を切った鈴木庸之だったが、直線で踏ん張り切れず5着。


 「前も併走しているし、いいタイミングで行けたんですけど…。あとは脚ですね」


 

6R

選手の写真です。
松岡貴久選手

 九州3車が出切って後続は一本棒。小川賢人が別線に反撃の隙を与えず、ペースを上げて逃げる。松岡貴久(写真)は最終2コーナーから番手まくり。そのまま押し切って、園田匠とのワンツーで断然の人気に応えた。


 「(小川が)どんだけ余裕があって、どんだけ伸びていくのかわからなかった。もうラインのおかげですね。自分も悪くないと思います。特選も初日にしては珍しく動いたし、自力でもどうにかなるっていう感じがある」


 園田匠はまくりで迫る簗田一輝、中団をキープした畑段嵐士の動きを確認して、抜かりなく松岡に続いた。


 「抜かないといけないけど、抜けなかったのは(松岡)貴久が強かったっていうこと。簗田も来ていたし、畑段もいたんで、なんでもやってくるから。(内を)締めて、ギリギリまで待った」


 8番手に置かれた簗田一輝は、最終1センターからまくり上げて水谷好宏との3着争いを制した。


 「6番(小川)が掛かってました。脚の感じはいいんですけど、組み立てが良くないですね。(地元の記念なので)最低でも準決と思っていた。こうなったらもうひとつ上にいきたい」


 

7R

選手の写真です。
大槻寛徳選手

 打鐘手前で佐川翔吾が押さえて出て、近畿コンビに大槻寛徳(写真)が続いて3番手を確保する。山中秀将は7番手に置かれ、5番手から井上昌己がまくりを打つと、大槻も合わせて発進。大槻は逃げる佐川をとらえて、井上の追撃を楽に振り切った。


 「(井上のまくりに)合わせたというより、たまたま同じタイミングで仕掛けた感じになった。ここはやっぱり相性がいいですね。後ろに(井上に)はまられたのはわかったけど、落ち着いていけた」


 大槻の踏み出しに荻原尚人が遅れて、まくった井上昌己は大槻を追うように2着入線。


 「早めに仕掛けようとしてたし、いいタイミングでいけた。でも、大槻君には合わされた。山中君に行かれるのが嫌だったので、(最終)ホームでは警戒していました」


 井上に割り込まれた荻原尚人が山中との3着争いを制して、宮城勢がそろって準決に進んだ。


 「(大槻に)離れたけど食い下がれた。大槻さんが強かった。もう大槻さんを信じて、付いていくだけでしたね。自分は付いていくだけでいっぱいだった」


 

8R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 取鳥雄吾が早めに先頭に立って、野原雅也は4番手に収まる。打鐘を通過して取鳥がペース駆けに持ち込もうとするが、野原は最終ホーム手前から反撃に出る。逃げる取鳥が懸命に野原を合わせて、野原は出切れず力尽きる。外併走からまくりに転じた古性優作が、押し切りを図る取鳥をわずかにとらえた。


 「すべて(野原)雅也に任せていた。前が残るような風が吹いてきていたから、雅也もキツかったと思います。自分も外だったので風がしんどかった。前回に比べて乗り方が良くないですね。そこだけはしっかりと修正したい」


 先行策から野原を合わせた取鳥雄吾(写真)は、古性とのハンドル投げに持ち込むも微差の2着。


 「(野原を)早めに叩いた方が楽だと思った。逃げて残れたし、体も動いてくれていますね。(前回の)落車の影響もない」


 近畿コンビを追いかけながら外併走を凌いだ土屋壮登が、準決進出も苦笑いで汗をぬぐう。


 「付いていっただけなので、内容もないです。でも、勝ち上がれたのは良かった。久々に二次予選を突破できたし、そこは素直にうれしいですね」


 

9R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 赤板の1センターで岐阜コンビが飛び出す。先行態勢を取った長尾拳太がペースを落とすと、後方から小松崎大地がカマシ気味に仕掛ける。反応良く福島コンビを追った佐々木豪が、その上をまくって出る。佐々木に付けた桑原大志が、追い込んでS級S班になって初めての勝ち星を飾った。


 「(1着は)本当にうれしい。うっすらとですけど、ちょっと先が見えました。佐々木君はどんなレースをするのかわからなかった。でも、しっかり未来のあるレースをしなさいと。冷静に立ち回ってくれた。小松崎君より先に仕掛けられたら良かったけど、力が違って行かれてしまった。でも、すぐにスイッチしてくれた」


 初の記念シリーズにも佐々木豪(写真)は、臆することなく落ち着いた立ち回りを披露。まくりを放って、桑原とゴール勝負を演じた。


 「一瞬、焦りそうになった。でも、落ち着いてできました。外々を(まくって)行ったのに、(成田和也のブロックが)飛んできたのはビックリしました。重たかったけど、準決にいけたんでよかった」


 佐々木のまくりを止め切れなかった成田和也は、山本紳貴をさばいての3着が精いっぱい。


 「難しかったですね、(小松崎)大地も回している感じだったし。もうあそこ(山本のところ)に行くしかなかった。自分は初日よりいいかもしれないですね」


 

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 中団争いで隊列が短くなっても、吉田拓矢は後方でじっくりと構える。吉本哲郎の先行でもつれた中団がほどけて、吉田は一本棒の7番手。打鐘の4コーナーから巻き返した吉田のロングまくりを岡村潤が8分の1輪、追い込んで1着。


 「(吉田)拓矢には行きたいところ、詰まったところで行けばと任せていた。拓矢のタイミングで行った方がいいと思ったんで。(付いていくのは)キツかったですね。踏み出しよりも中間からの伸びが山中(秀将)や和田(真久留)とも違う感じがある。ホームで1回離れそうになったので修正します」


 仕掛けるタイミングがありながら反応できずのロングまくりに吉田拓矢(写真)は反省の弁。


 「ジャンの前で見てしまったのが…。ホームで出切るイメージではいたのでそうなるように仕掛けた。(伊藤に)合わされそうになったけど、そこは大丈夫でした。(準決は)フレームを換えようかと思っています」


 吉田ラインの3車で3番手から合わせてまくった伊藤信らを乗り越える。川崎健次もソツなく流れ込んで二次予選をクリアした。


 「とりあえずよかった。もう付き切ってからは大丈夫でした。あとは後から来られるのが怖かったけど、冷静に考えたら(吉田なら)来ないですよね」


 

11R

選手の写真です。
渡邉晴智選手

 赤板から上昇を開始した渡邉雄太は、中団の鈴木庸之を警戒しながら2コーナーで先頭に立つ。猪俣康一が4番手に入って、渡邉雄が後ろの渡邉晴智(写真)、飯尾主税を信頼してペース上げて逃げる。渡邉晴のけん制で鈴木は不発。地元の師弟コンビのゴール勝負は、師匠の渡邉晴がわずかに交わして1着。


 「ラインのおかげですね。(渡邉)雄太も強かったし、飯尾君が後ろで安心感もあった。初日に一走して走れるって確信した。準決もしっかりと頑張ります」


 地元ラインでの上位独占をメイクした渡邉雄太が、内容の濃い走りで2着に残った。


 「猪俣さんが(誘導との)車間を空けていたのがわかった。空けてなかったら、もっと早めに押さえようと思っていました。あとは鈴木さんがカマして来るのが見えて、そこだけ合わせ切ればなんとかなると思いました。初日は風が強かったけど、(2日目は)そこまで重く感じませんでした」


 きっちり内を締めて地元ラインの3番手の仕事をこなした飯尾主税は、直線で外を踏んでの流れ込み。


 「自分だけ離れるわけにはいかないので内だけ締めてました。ホームで雄太が上がったから、ずっと締めっぱなしでキツかったです。記念の準決なんていつ以来か覚えてませんよ。本当に良かった」

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 先行態勢を取った和田真久留が打鐘の3コーナーで内を空けると、3番手にいた平原康多(写真)がすくって先頭に立つ。そこをすかさず原田研太朗がカマして堤洋の追走。3番手を取った平原は焦ることなく最終3コーナーで浅井康太のまくりを張って、追い込みで原田をとらえた。


 「ジャンのところで和田がスピードを落としながら、待っている感じだった。誘っている感じもあったし、自分は駆けるつもりだったから前に出るのは苦にならなかった。そこからは死にもの狂いだったし、なんにも余裕がなかった。変に構えることなく、前々に攻めるレースはできていますね」


 初日特選に続く先行策の原田研太朗の反応がいい。「押し出されるような感じだった」と、振り返ったものの、打鐘の3コーナーから仕掛けての2着なら、悪いはずがない。


 「デキすぎですね。キツかったけど、出し切れている。初日は風が強かったのもあった。でも、2日目の方が(踏んだ感触も)良かったと思います」


 後方からまくった浅井康太は、平原に張られながらも再び直線で踏み込んで3着に入った。


 「(まくりの)スピードも良かったと思うし、あれが平原さんじゃなかったら行き切れてたと思う。しっかりとケアに専念したんで、それがいい方向に出ている。急には良くならないので、少しずつ戻していけるようにしたい」


 平原マークから最終1コーナーで村上義弘をブロックした神山拓弥は、直線で狭いコースを踏んでの5着。


 「(原田がカマして、遅れて来た)堤さんのところをどかしたかった。それでもやるべきことはできているし、余裕をもってできた。このクラスで余裕が出てきたっていうのは大きいと思います」


 

10R

選手の写真です。
成田和也選手
選手の写真です。
古性優作選手

 赤板の2コーナー手前で渡邉雄太が飛び出して、南関ラインを受けた古性優作が4番手をキープする。成田和也(写真)が近畿を追走。打鐘を通過して8番手から原田研太朗が反撃に出る。桑原大志は連結を外して、ひとりで前団をのみ込んだ原田を古性が追う。村上義弘と岡村潤が絡んで、コースが生まれた成田が近畿勢の後ろから伸びて1着。


 「作戦通りに進められました。渡邉君の仕掛けは早いから、(そこを追って)早めの前々よりも流れを見てと。古性君の仕掛けが遅いようなら、自分で行こうと思ってたところで行ってくれた。(最終)バックあたりで仕掛けたかった。でも、見てしまった。いい時の感覚には遠いけど、だいぶいい感じにはなってきました」


 最終ホームで原田を追った古性優作(写真)は、岡村のけん制を受けながらも原田に取りついて追い込んだ。


 「原田さんの上を行けると思ったところで、岡村さんにいいブロックをもらってしまった。あの一発でかなり止まった。それで後ろに迷惑を掛けてしまいました。組み立てはある程度思った通りだった。あとは成田さんの動きだけでした」


 原田に遅れた桑原をさばいた村上義弘は、苦しい展開ながらも最後は岡村をキメて3着で決勝進出。


 「(古性)優作の判断が良かった。その優作の動きにしっかり付いていってと。流れに乗って優作がレースを支配していたし、自分はなんとか(決勝進出で)よかった」


 

11R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
大槻寛徳選手

 中団の吉田拓矢に赤板で併せ込んだ佐々木豪が、再び踏み込んで赤板の2コーナー過ぎに出るがペースはそれほど上がらない。打鐘の3コーナーからすかさず踏み上げた吉田が、力の違いであっさりと前団をとらえる。平原康多(写真)、大槻寛徳まですんなり出切ったところで勝負あり。番手の平原が別線の間合いを計り、余裕をもって抜け出した。


 「(佐々木にフタをされたところで)引くか引かないか迷っていた感じもあったけど、あそこで勝負した方がいいと。そこから行く力が(吉田には)あるんで。佐々木君が流していたんで、(吉田)拓矢も楽に出切れたと思う。あとはどれだけ残せるかだったけど、全然タレてなくて勝手に残った感じです。自分は(初日のレースに)対応できたけど、拓矢は課題が残ったと思う。そのぶんも(準決は)しっかり力を出し切ってくれた。ラインでああやってできたことがうれしいですね」


 109期の佐々木、同期の簗田一輝とのヤング対決を制して、ラインを上位独占に導いた吉田拓矢は、内容の濃い走りで格上の力をアピールした。


 「(仕掛けたのは)もうそこしかなかった。乗り方とかを修正したのもあったし、(3日目からフレーム換えて)違っていいですね。久しぶりに決勝に乗れたのはうれしい。決勝でもう1回、力を出し切れるように」


 関東の3番手選択で正解を出した大槻寛徳(写真)は、平原の立ち回りを絶賛する。


 「ああいう展開になると思っていましたし、すかさず叩きに行けばホームで(佐々木ラインの)2段駆けもつぶせると思っていた。とにかく平原君がすごかったですね。(平原は)余裕しかなかったでしょ。自分は内だけしっかりと締めていた」


 

12R

選手の写真です。
和田真久留選手
選手の写真です。
神山拓弥選手

 赤板の1コーナーで空いた3番手に和田真久留(写真)が追い上げて入ると、取鳥雄吾が打鐘で出て主導権を握る。和田に割り込まれた浅井康太は8番手からの出直しを余儀なくされ、最終ホーム手前から反撃に出る。和田が合わせてまくって、渡邉晴智に張られた浅井は不発。和田は堤洋のけん制を懸命にこらえて、今年初勝利を挙げた。


 「今回は脚の方もそうですけど、気持ち的に勝負になるっていうのがある。ただ、キツかったですよ。1回、脚を使って、浅井さんにしゃくられないようにしたし。浅井さんも(最終)1コーナーから来ていた。土屋(壮登)さんも合わせて出て行ってたんで、自分もやめないようしないと後ろに迷惑を掛けてしまうから」


 打鐘で飛び出した取鳥雄吾は、堤との2車のラインも臆することなく積極策。二の足で踏ん張って2着に逃げ残った。


 「初日に変なレースをしたぶん頑張ろうと思った。キツかったですけど、なんとか残れたんで自信になった。(最終)バックで(まくりが)来てたんで、目いっぱい踏んだ。あとは堤さんに(決勝に)乗ってもらえればくらいの気持ちでした」


 土屋が3番手の好位を確保。しかしながら、土屋のまくりは一息で神山拓弥(写真)は、堤の内をすくってしぶとく3着に入った。


 「取鳥君が踏み勝ってくれれば、俺にも(チャンスが)あると思った。(和田)真久留のことを合わせられなかったし、外にはいっぱいいたんで無理だと思った。それで内に入りました。いままでダメな時も腐らず練習をやってきたんで、成果が出てよかった。このメンバー構成で自分に余裕が出てきた。それに初日は鈴木庸之さん、(準決は)土屋君、関東のみんなのおかげですね」


 


 


≪最終日6R「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」≫


 メンバー中、競走得点トップの岩本和也が、絶好枠の1番車。カーボン製のフレームでの自転車にも対応できそうで、期待は膨らむ。


 「エボリューションは初めてですね、いい枠なんで、いい位置を取りたいです。去年(10月)の地区プロのケイリンで初めてカーボンの自転車でやった。その前にも練習では乗ってたし、地区プロのあとも練習で使ったりして多用している。(競輪での自転車よりも)力が伝わりやすい。練習はいつも通りやってきた。体調自体は変わらないです」


 全プロ大会での1キロタイムトライアルで実績を残している加賀山淳だが、冬場でのカーボン製のフレームでのレースには不安がありそうだ。


 「全プロにしても、地区プロにしても寒い時にはやらないですからね。カーボンの自転車は体に負担がかかるから、冬場は基本的に乗らないんですよ。今回は(前回から)日にちもあったし乗りました。俺は1000メートルだから独走ですからね、ハンドルも違う。チームスプリントに出ている戸田(康平)君の方が(エボリューションは)いいのかもしれない」


 大外枠のハンディはあるもののスピードタイプの戸田康平が、どんな走りを見せるか興味深い。


 「仕掛けどころですね、うまいこと仕掛けたい。後方におってもどうにもならんし、どっかで前に行かないと。(練習では)ちょっとカーボンの自転車に乗りました。セッティングがイマイチ、バシッときていない」