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せいぶえん競輪

SEIBUEN KEIRIN

26#

検車場レポート

  • 4/14 Wed.  (前検日)
  • 4/15 Thu.  (1日目)
  • 4/16 Fri.  (2日目)
  • 4/17 Sat.  (3日目)

1R

 1月の向日町FI、続く2月の川崎FIで連続落車に見舞われた植原琢也は、これが復帰4場所目。
 「正直、朝一のレースはっていうのはあります。まだ本調子には遠いけど、タツさん(芦澤辰弘)も付いてくれるし、地元なんで積極的にいければいい。この次の開催まで空くんで、ここで頑張って次につながるようにと思ってます」
 13年の当所記念を制した萩原孝之にとっては、西武園は思い出のバンクだ。
 「(西武園記念優勝から)もう8年もたちましたか、早いですね。(前回の決勝は)自分で勝負してカマしみたいにできた。出切れなかったけど、脚の感じはいい。そのあとはいつも通りの調整で来ました」

2R

選手の写真です。
園田匠選手
 2月のGI全日本選抜では特選スタートから決勝にコマを進めた園田匠(写真)は、一次予選に気を引き締める。
 「(中16日あって)空きすぎです。走ってみないとまったくわかりません。(前検日が雨で)乗れないかもしれないんで、ぶっつけ本番になるかもしれない。記念の一次予選は久しぶりですね、しっかりと。松川(高大)君(と一緒)なんで気楽に追走していきたい」
 その松川高大は、前回の高松FIを77欠と精彩を欠いた。
 「前回(成績)が悪かったんで気持ちを入れ直してやってきた。前回もそこまで(感触は)悪くなかった。(初日は)自分としてはやりやすいメンバー構成かと思います」

3R

 直近の3場所で5勝の固め打ち。FIシリーズだが、初日予選は3連勝中の瀬戸栄作が乗れている。
 「(前回の最終日は)S級になって初めての番手戦だった。自力よりも緊張した。でも、1着にこられたんで良かった。そこからも終わってすぐに練習して追い込めたんで、感じもいいです」
 田中誠は前回のウィナーズカップを3726着。初日にタッグを組む瀬戸とは昨年10月の高松FI準決で連係している。
 「(練習は)普通にやってきました。(瀬戸とは)高松の準決で走ったけど失格でした」

4R

選手の写真です。
村上義弘選手
 13年の記念では3連勝で決勝に進出。当所との相性がいい村上義弘(写真)が、久々に西武園のファンの前に登場する。
 「感じ自体は徐々に良くなっている。ケアもできました。(西武園は)数字的にまあまあいいんで頑張りたい」
 村上と同期の成清貴之は、中3週間以上空いて今シリーズを迎える。
 「練習は結構、やれたかなと思ってます。息子の四十九日とかもあったので、バタバタしてたので疲れあるけど。体調自体を崩しているとかはない。(西武園は)あんまり得意じゃない。ここより大宮とかの方が相性いい」

5R

 近況は優勝こそない大槻寛徳だが、FIの準V2回をはじめ、成績をまとめている。
 「(前回は)まずまず良かった。そのあとはダービーに向けてやってました。ただ、(今回は)予選からかなと思ったんで調整はしてきました。(坂本周作とは)何度も連係している」
 中3週間以上空いた久米良は、その期間を練習に充てて脚力アップに励んだ。
 「かなり空いたんで、きっちりと練習期間を設けられた。(最近は)着以上に自分の感触が悪くて、運が良かったんで着が良かった。そこを修正したくて練習をしてきました」

6R

 元砂勇雪は持病の痛風でここが1カ月ぶりの実戦。
 「4月から乗り始めたんで2週間くらいですかね。調子いい時にかぎって出るんですよね。本調子ではないけど、戻ってきている感じはあります」
 弟子の平尾一晃に前を託す井上昌己は、いつも通り淡々としたもの。
 「中5日くらいあったんで新しいセッティングを煮詰めてきた。ハンドル周りとかですかね。ここ(のバンク)は平たいイメージがある。まくりが決まらない感じですかね」

7R

選手の写真です。
野口裕史選手
 野口裕史(写真)は、前回の前橋FIで最終ホーム手前からのまくりで前団を仕留めて優勝を飾った。
 「(初日、2日目と)2日間先行できて、3日目はまくり切れたんで悪くなかった。ここは初めて転んだところだけど、とくに走りにくいとかはない。先行できるように組み立てたい」
 前回の地元シリーズ、伊東FIでは2日目に車体故障に見舞われた岡村潤だが、コンディションに影響はなさそうだ。
 「2日目に車体故障もあったけど、最終日は1着が取れたんで体調とか全然問題ない。大丈夫です。さらに強くなっている野口の後ろなんで楽しみです」

8R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 自転車のセッティング変更で上積みがありそうな宿口陽一(写真)は、地元記念での期待も膨らむ。
 「前回が終わってから、平原(康多)さんにアドバイスをもらってセッティングをガラリと変えた。それで感触が良かったんで楽しみです。やれることは一生懸命やってきました」
 前回の伊東FIを途中欠場の山岸佳太の状態はどうか。
 「(前回は)調子良く(競輪場に)入ったんですけど、前検日からまったく違う自転車に乗っている感じがした。体がおかしくて、それで腰も良くなかった。それから体を戻すのに専念して、腰の方はだいぶ良くなった。バランスもいいと思います」

9R

 弟の慶一郎(119期)が5月にデビュー予定の石塚輪太郎は、前回の地元FIを241着から中4日。
 「同期の清水裕友と渡邉雄太にアドバイスをもらって、練習の意識を変えてみた。それがかみ合って前回の準決は凡走したけど、最終日は逃げ切れた。弟の前でカッコ悪いとこは見せられない。しょうもないレースをしたら、弟も勘違いしますから」
 前々回の立川FIで昨年8月の富山記念以来の優勝を遂げた稲垣裕之は、上り調子で久々の記念に臨む。
 「だんだんと良くなってきています。立川より(前回の)和歌山の方が感触的には良かった。ここは初めてGIの決勝に乗った舞台でもあるんで、好きなバンクのひとつです」

10R

選手の写真です。
町田太我選手
 2月の高松記念を含めて初日は5連勝中の町田太我(写真)は、今シリーズ3度目の記念優出の期待がかかる。
 「(前回の広島FIは準決で)負けたけど、感じは良かった。調子はいいと思う。ここまで(S級では自分で)やりすぎくらいだと思っている。2回も優勝ができたし、戦えている方だと思います。課題はいっぱいあるけど、まずは人のペースに惑わされないこと。自分のペースでって、師匠(吉本哲郎)と松浦(悠士)さんには言われました」
 池田憲昭は町田ラインの3番手を固める。
 「しっかりと練習ができたけど、ちょっと追い込みすぎかなっていうのもある。ただ、直前はスピードも出てたんでいいと思います」

11R

選手の写真です。
黒沢征治選手
 一次予選のトリを務めるのは、地元の黒沢征治(写真)。番手の木暮安由とのタッグは人気を集めそうだ。
 「(前回の和歌山FIでも)9車立てを意識して長い距離をっていう感じでした。(前々回の)ウィナーズカップはあんまりだったけど、終わってからフレームを換えて、そういう意識でやってきた。(西武園には)入らずに大宮で練習をしてきました」
 木暮安由は前回の地元、前橋FIを124着。久しぶりに決勝までコマを進めた。
 「感触は良かったけど、結果的にはこういう成績なので、もう少しかなっていうのがある。(落車の影響が)長引いてタイムも出てなかったけど、最近やっと出始めた。我慢の時ですね」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 今年記念3V。すでに15勝をマークしている平原康多(写真)は、さらなるレベルアップを目指して新車を投入する。
 「セッティングとか乗り方とかは、だいぶいい方向にいっている。それを踏まえて新車で自転車のプラスアルファがあると思うので。ずっとレースを走りっぱなしだったんで、やりすぎず抜きすぎずやってきました」
 北日本3車の先頭を務める高橋晋也は、伊豆で練習をともにする渡邉一成と守澤太志とラインを組む。
 「(前回は)脚の状態はそんなに良くなかったけど、ラインのおかげでいいレースができた。西武園はA級の時に2走(ともに1着)しているだけですけど、結果だけを見るといいのかなと」
 前々回のウィナーズカップで落車に見舞われた和田健太郎は、前回の四日市GIIIを9241着。
 「ウィナーズカップの落車からちょっとずつ良くなっている。練習とケアをうまく両立しながらやってきました。(グランプリ優勝での1番車は)大変ですけど、できるかぎり頑張っていければ」

1R

 押さえて出た松岡孝高が先頭に立ちペースを握る。6番手の植原琢也は打鐘の4コーナーから反撃に出るが、松岡は早めにペース上げて快調に飛ばす。番手の合志正臣は植原を止められず、松岡が最終3コーナー過ぎに植原を張って阻む。合志がゴール前で松岡を交わした。
 「(最終)ホームで後ろを確認したら(植原は)すごい後ろにいたんですけど、気付いたら横に来ていたのでやってしまったと思いましたね。最近は脚の状態はすごくいいんですけど、落車とか失格でついていない。やっぱり記念開催のほうが自分はいいですね」
 久々の実戦も臆することなく積極策に出た松岡孝高は、内容の濃いレースで二次予選に進んだ。
 「後ろが合志さんだったし信頼していけました。来るのが早ければ距離を考えて(別線を)出すか出さないかでしたけど、来なかったので。熊本の若手が活気がいいので、いい刺激をもらっています。記念は準決までいったことがないですけど、今回は楽しみにきていたし頑張りたいですね」

2R

 3車の関東ラインが主導権。単騎の三浦翔大が関東勢に続くが、松川高大が三浦をさばいて4番手を奪取する。松川が逃げる伊早坂駿一をまくりで仕留めると、松川マークの園田匠が差し脚を伸ばして1着。
 「(松川が)全部やってくれたんで、自分は楽をさせてもらいました。あとはしっかりと周りを見てワンツーと。FIではうまく波に乗れてないけど、グレードレースはしっかりと走れている」
 前回の高松FIでは2日連続のシンガリ負けでの途中欠場。心配された松川高大だったが、まくりで別線を沈めて九州ワンツーをメイクした。
 「(組み立ては)しっかり4番手を取ってっていう感じだった。三浦も(関東ラインに)付いて来たけど、あそこは入れないで(自分が4番手を)取り切ってと。あの1車があったらまくれてなかったかもしれない。伊早坂も掛かってたけど、一次予選は早めの仕掛けをしようと思ってた。ただ、いい時に比べると良くはないですね」

3R

 片折亮太を突っ張って山田涼が先行策。関東勢は空いた中団に収まり、後方になった瀬戸栄作は、最終ホーム手前から踏み込む。好スピードで迫った瀬戸を山口泰生が止める。田中誠は山口の内をすくって、岐阜コンビの中を突き抜けた。
 「(入るのは)もうちょっと待っても良かったですね。判断が難しかった。(山口とは)同期で仲良しなんですけど、勝負なので。西武園は毎年呼んでもらっているので頑張りたいですね」
 逃げて2着に粘り込んだ山田涼は、前回と違う動きの良さをアピールした。
 「片折さんが見えて焦って踏んだんですけど、中団に入ってくれた。前回は落車の影響で練習もできていなかったんですけど、今回はその分、練習してきた。新車は硬めで重いんですけど、最後まで粘れてるし悪くなかった」

4R

選手の写真です。
村上義弘選手
 前受けの嶋田誠也も突っ張り気味に踏むが、小森貴大が強引に叩いて先行策。3番手の肥後尚己は付け切れず、小森、村上義弘(写真)の2車が打鐘過ぎに出切る。最終ホーム手前から簗田一輝が仕掛ける。村上は振ってけん制するが、小森の余力を見極めて番手まくりに出る。追った簗田が迫るが、村上が人気に応えた。
 「自分たちが楽に出られるかなという油断もありました。(嶋田が)思い切り踏んでいたんで、小森も出た時点で苦しそうだった。(簗田の)姿が見えて、後ろがつっかかっているのも見えた。そのタイミングで行かれたら総崩れになってしまうので、小森君には申し訳なかったけど、シビアに踏ませてもらった。この年なんで怪我から上向くのに時間が掛かる。半歩ずつではあるけど、上向いてはいる」
 最終ホーム手前から前団に襲い掛かった簗田一輝だったが、村上のけん制でいったん3番手でストップ。自力に転じた村上に流れ込む形になった。
 「(最終)ホームで詰まったので行きました。でも、村上さんに振られて止まってしまった。それで嶋田さんのところで降りた。そしたらちょうど村上さんが行ってくれた。展開が向きました」

5R

選手の写真です。
佐伯亮輔選手
 赤板で前団を押さえて佐伯亮輔(写真)が先制。すぐさま飯田憲司が叩きに行くが、佐伯は突っ張って出させない。飯田は岡本英之に迎え入れられて3番手に入り、坂本周作は6番手の一本棒で最終ホームを通過。絶妙なペース配分で逃げる佐伯の前に飯田も坂本も不発に終わり、そのまま佐伯が軽快に押し切った。
 「やりすぎたかなと思いますね(笑)。後ろ攻めの方が好きなので自分得意パターンでいけました。誰かきても突っ張ってもつれさせてからペースに入れられました。東北勢は後ろに置きたかったしうまくやれました。道中も良かったと思います。明日(2日目)はもっと濃いメンバーになるので、チャレンジャーの気持ちで頑張ります」
 2着にも内のコースを閉めて久米良が続くかに、最終2センターで坂本を見切って外コースを踏んだ大槻寛徳がゴール前で強襲。
 「飯田が切ったところをすかさずいく作戦だったんですけど、(坂本が)行けなかったですね。内を行こうか考えたんですけど、ごちゃついていたので外になりました。まずまずでしたけど、踏んで引っかかった感じが少ししましたね。明日以降はもっと良くなると思います」

6R

選手の写真です。
井上昌己選手
 後藤悠を赤板2コーナー過ぎに平尾一晃が押さえて先頭に立つ。長崎コンビに単騎の梅原大治が続き、4番手を後藤と元砂勇雪が取り合う。番手絶好の井上昌己(写真)は、外併走から仕掛けた元砂をけん制して、直線で余裕をもって追い込んだ。
 「(平尾は)あの展開だったら、元砂君は出させないっていう感じだった。その通りになって、自分は余裕があった。ただ、もうちょっと(平尾を)残さないと。自分の感じは悪くないですね」
 元砂が不発になると川口公太朗が、最終2センターからコースを探して直線でシャープに伸びた。
 「(元砂が)強気だったんでありがたかった。結果としては、平尾君がそこまで(早めに)駆けなかったんで、叩けば良かったかもしれませんね。そのあとは梅原さんが先に(内に)入っていったんで、僕も入っていかないと苦しいかなと。自分としては楽な感じがありました」

7R

 野口裕史が圧巻のまくり勝ち。前受けとなった野口は、赤板で押さえにきた奥出を内から踏み返して突っ張る。一旦ペースが緩んだ打鐘で久米康平がカマしてくるが、久米マークだった小川圭二は離れていて野口はすんなり番手にハマる格好に。絶好の態勢となった野口は最終2コーナーからまくると、最後は番手の岡村潤をも引き離してパワーの違いを見せ付けた。
 「後ろからの作戦だったが、前だったら全ツッパでいこうと思っていた。赤板で(誘導員)早期追い抜きがよぎって一瞬踏み止めたが、突っ張ってからは落ち着いていけた。久米(康平)が来る想定だったしそこも冷静に対応できた。バンクが軽かったので明日(2日目)以降は踏み方を考えないといけないですね」
 野口の仕掛けに4番手以下は瞬時に置いていかれ、逃げる久米と南関コンビの3人以外は勝負圏外に。岡村潤も、久米をまくり切った野口に離されていくが2着を確保。
 「バンクが重く感じました。初手は中団か後ろが良かったんですけど、取らされたのでその時は突っ張る作戦でした。(野口は)落ち着いていってくれました。久米の煽りがキツくて野口が無理くりいったので口が空いてしまった。久し振りにキツいレースでした」

8R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 滝本泰行との中団併走から山岸佳太が仕掛けるが、先行態勢を取っていた佐山寛明が突っ張る。山岸は最終ホームで岩本和也をキメて番手を奪取。2コーナー過ぎからまくりを打つ。山岸マークから宿口陽一(写真)が、きっちりと抜け出した。
 「彼(山岸佳太)の仕掛けやすいような組み立てでと思ってました。キツそうだったんですけど、さすがですね。(変えた)セッティングの感じもいい。スピードに乗ってからすごく楽ですね」
 対応力が光った山岸佳太は、こう振り返る。
 「ちょっと中途半端な感じになってしまった。(佐山は)点数以上の選手だって同期とかからも聞いてたんで、甘くみてたわけじゃないけど強かった。今日は展開をうまくつくれなかったけど、そんなに悪くなかった」

9R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
 吉武信太朗、山本紳貴と潤に押さえた上を叩いて石塚輪太郎が打鐘3コーナーから先行態勢に入る。後続を一本棒にして逃げる石塚をピッタリ追走の稲垣裕之(写真)は、ゴール前で中割りにくる武藤篤弘に合わせて踏み出して勝利を手にした。
 「(石塚が)すかさず仕掛けてくれて心強かったですね。中4日でしたけど疲れも感じず問題なかったです。人気になっていたし気合も入りました。もう少し残したかったですけど、中を割ってこられたので踏むしかなかった。西武園は思い入れのあるバンクだし明日(2日目)以降も一戦一戦頑張ります」
 後方からジワジワまくり上げてきた吉武の伸びも良かったが、初手から近畿勢の後位に付いていた武藤篤弘が展開有利に2着に入る。
 「大宮も含めて初の地元記念だったし、強い気持ちで走りたかったので単騎で走りました。今回はトップの選手がいるのでいい経験ができると思うし一つでも勝ち上がれるように。今年から新車に換えて練習の取り組みも変わっていい調子を維持できています」

10R

選手の写真です。
町田太我選手
 5番手で態勢を整えた町田太我(写真)が、打鐘から踏み上げる。星島太は付け切れず、町田が最終ホームで藤井昭吾を叩いて逃げる。後続を離した町田は、セーフティーリードを保って余裕の押し切り。
 「(周回中は)理想の並びになった。それで市川(健太)さんが切るだろうと思ったけど、藤井さんが突っ張ったので慌ててしまった。そのあとはしっかりと仕掛けられたので良かった。ただ、(打鐘3コーナーの)上りで行ってしまったんで、ラインで買ってくれた人には迷惑を掛けてしまった。感触はすごく良くて、バンクも軽かった。いままでで一番いいかもしれない」
 ラインの水谷良和とともに勝ち上がった藤井昭吾の健闘も目を引いた。
 「町田君に前を取らせてしまったら、全部突っ張りもあるんじゃないかと。それが一番チャンスがない。だから、自分が前を取りました。レースをつくれたというか、形にはなったかなと。先行はできなかったけど、勝ち上がれたのは最低限ですね」

11R

 赤板で押さえた佐藤佑一をさらに押さえて佐伯辰哉が先頭に立つが、黒沢征治の巻き返しも打鐘と同時と早かった。佐伯も抵抗して踏み合いとなるも、ホーム手前で黒沢が叩き切って主導権を奪取。佐伯は3番手飛び付きにいくが駄目で4番手に入っていっぱい。佐藤の後方まくりも不発に終わる。粘る黒沢をゴール寸前で木暮安由が交わして1番人気で決着した。
 「作戦は中団からだったし、黒沢君が先行と決めていたので信頼して任せていました。先行すると強いしラインで決まりましたね。今回から新車なんですけど、自転車も流れていたし良かったと思います。今回は1点でも多く点数を上げたいし、最終日まで集中して頑張ります」
 期待に応えてライン3車での上位独占に導いた黒沢征治はホッと一息。
 「ジャンでは行こうと決めていたし、ラインで決まる仕掛けを強く意識していた。佐伯君もダッシュがあるので抵抗されて、ああいう所をすんなりキレイに出切ればもっと良かったですね。地元でめちゃくちゃ緊張しましたけど自分のレースはできたと思います」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 打鐘で高橋晋也が叩くと、取鳥雄吾が番手に飛び付いて前団がもつれる。後方に置かれた森田優弥だったが、2センターから巻き返して高橋をとらえる。続いた平原康多(写真)が、和田真久留のまくりをけん制すると、和田健太郎は中を突く。平原は和田健の中割りをしのいで1着。
 「森田はレースのセンスがあるし、自分と(仕掛けて)行くポイントとか感性が似ているところがある。上位で戦っていくうちに森田も覚えてきたのかと。(ラインの)全員にチャンスのある責任もった走りができる。自分は1着が取れたけど、(新車は)人の後ろで使う自転車じゃないのかなと。すごいいい感じの1着じゃなかった。(2日目は)前回のヤツ(自転車)に戻します」
 和田真が不発になると和田健太郎は、平原のインから鋭く追い込んだ。
 「(初日は)ここ2場所のなかでは一番良かった。でも、まだ足りない。いい方には向かっているので、次はGI(ダービー)もあるんで、もうちょっとつめていきたい。(コンディションは)相変わらず良かったり、悪かったりなんで、アップで乗り方を変えてみたり、セッティングを変えてみたりはしている」
 後続の強襲で5着に沈んだ森田優弥だが、動き自体は悪くない。
 「立ち遅れた部分があったけど、出切れたんで良かった。すごいメンバーで緊張した。あとはできることを精いっぱいやろうと。コンディションも良かったけど、それよりもモチベショーンが優先的に良くて、それに体がついてきた感じです」

6R

選手の写真です。
和田真久留選手
 平尾一晃が主導権を握るが、ペースが上がらない。一本棒の7番手に置かれた和田真久留(写真)は、打鐘の3コーナー過ぎからカマす。山本健也は付け切れず、和田、岡村潤で出切って、3番手以下を離す。平尾目標から強襲した園田匠は届かず、和田が押し切った。
 「あの流れだと7番手になっちゃうし、ラインも3人なんで(最終)ホームくらいで出切れればと(仕掛けは)早めの気持ちでした。叩き切って余裕はあったけど、西武園の特徴もあってコーナーでうまく(自転車を)寝かせられなかった。それで岡村さんが付きづらかったかもしれません。フレームを今回から(新車に)換えて、ギアのパーツも換えた。(5月のダービーに)向けての気持ちが大きい」
 平尾の余力を確かめて最終4コーナーから踏んだ園田匠は3着。
 「(和田が)早くきたら出させて、あとは平尾が追いつくかなと。それでギリギリまで待った。自分は9車の競輪が向いているし、(前回から)空いている時に自転車をいじってかなり良くなった。方向性もわかって、上積みしかない」

7R

選手の写真です。
池田憲昭選手
 前受けの渡邉一成が、赤板過ぎに簗田一輝を突っ張り主導権をキープする。今度は2コーナーから仕掛けた取鳥雄吾も出させずに渡邉が逃げる。外に浮いた取鳥は、大槻寛徳のブロックで落車。目標を失った池田憲昭(写真)は、3番手に降りて脚をためる。最終4コーナーで外に持ち出した池田が、北日本の2人をとらえた。
 「セオリーなら簗田(一輝)が切って、そこを叩いて(渡邉を)後方に置く流れなんですけど。(渡邉が)突っ張った。佐藤(真一)さんのところが空いていたので、降りて(取鳥を)迎え入れようと思ったら落車してしまった。自分は今日(2日目)の朝セッティングを微調整して、いい方向に出てくれました。脚も軽いし状態はいいですね」
 別線をすべて突っ張った渡邉一成が2着に逃げ残った。
 「突っ張れたら突っ張ろうと思っていた。すかさず取鳥も来たのでキツかったですね。後ろでガシャンと音が聞こえて、取鳥がハマってると思って、いつ来ても合わせられるように踏み続けてました。そこは冷静に後ろを確認すれば良かったです」

8R

選手の写真です。
森田優弥選手
 川口公太朗の欠場で8車立て。中四国ラインの主導権で一本棒の6番手になった森田優弥(写真)は、打鐘の4コーナーで仕掛けた前の山田涼を追いかける。出切った山田の上をまくった地元の森田が1着。
 「2人(松岡孝高、山田)がどんな感じなのかなって見てたら、判断が遅れた。自分で行くタイミングを迷って中途半端になった。(山田は)動かないと思ってたんで、それで反応が遅れた。脚の感じもあんまり良くない」
 川口の欠場で単騎になった山田涼だが、思い切った仕掛けが功を奏した。
 「(川口の当日欠場で)突然の単騎だったけど、先輩にアドバイスをもらってでした。(後ろに)森田の姿が見えて、森田の力だったら行っちゃうと思った。そうなると最後尾になるんで、それならと(仕掛けて)行っちゃいました。(初日は)自分の走りで残れたんで、まずまずと思ってた。そしたらこんなにいいのかと」

9R

選手の写真です。
野口裕史選手
 藤井昭吾もペースを上げるが、野口裕史(写真)が赤板2コーナーから襲い掛かる。藤井との踏み合いを制した野口に和田健太郎が続くが、渡邉豪大は稲垣裕之にさばかれ、最終ホームで藤井が3番手に飛び付く。後続を警戒しながら和田が直線で迫るが、野口が押し切った。
 「(藤井は)ワンテンポ仕掛けが遅いかなっと思ったんですけど、結構踏んでいたので焦りました。それで脚にきていたんですけど、SSパンツがどうにかしてくれるだろうと。後ろの気配がなかったのでだいぶ空けてくれているのかなと。和田さんのことを信用しているので、出し切れました」
 和田健太郎は4分の3車輪差の2着。
 「いつもよりは野口の仕掛けは遅かったですけど、落ち着いて相手が緩めたところを行ってくれました。掛かりは良かったですね。自分も徐々に感覚は戻りつつある」

10R

選手の写真です。
町田太我選手
 7番手で車間を空けていた町田太我(写真)は、打鐘の2センターから反撃に出る。再三にわたる村上義弘のけん制を乗り越えた町田が、中近ラインをのみ込んだ。
 「石塚さんは村上(義)さんが付いているんで目いっぱい行くだろうと。(自分は)落ち着いていきました。そこ(村上義のけん制)を考えて外を回るようにした、それでも、(村上義が)来たんですごいですね。出切ってからは、自分のペースに入れられた」
 橋本強が町田との連結を外す。風を切った石塚後位の村上義弘は、町田を追うように自力に転じた。
 「「1、2回目で町田君が止まったかと思ったけど、3、4回目と脚を使う感じだった。(町田が)見えているんですけど、対応が難しかった。自分は一時期のようなお手上げ状態ではないと思う」

11R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 佐伯亮輔が先行態勢を取り、打鐘の3コーナーからペースを上げて駆ける。6番手の高橋晋也(写真)は、最終ホーム手前から発進。抜群の加速力で前団をとらえて2着以下をちぎった。
 「(佐伯亮が)普通に押さえてきたら突っ張ろうと思ったけど、勢いよくきたので出させてからと。(中四国ラインは)2段駆けっぽかったので行くところは、あそこしかなかったですね。踏んだ感覚は良かったです」
 先行した佐伯亮の番手の佐伯辰哉は、高橋は止められずもS班の守澤太志を阻んで2着に入った。
 「高橋さんを止められれば100点でしたけど、守澤さんとバッティングしたのでそこで勝負しました。記念の準決は4着止まりなので、決勝を目指して頑張ります」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 中部勢を受けて3番手で山本紳貴と併走になった黒沢征治は、水谷良和をすくって外に弾くとそのまま主導権を奪取。黒沢の動きに抜かりなく対応した平原康多(写真)が、黒沢を差し切った。
 「もう任せていたんで、(黒沢が)どうするかでした。自分は踏み遅れないようにするだけと。昨日(初日)乗っていた自転車だったら付いていけてなかったかもしれない。換えて正解でした」
 トリッキーな立ち回りにはなったものの、人気の地元3車での上位独占に黒沢征治が笑みを浮かべる。
 「(包まれてゴチャついてからは)あんまり覚えてないけど、(ラインの)3人で決められて良かった。それが一番ですね、ホッとしました。勝ち上がりで平原さんの前で走れるのはうれしいことですし、勉強になる。明日(準決)は違うけど、決勝ではまた(平原の)前を回りたい」

10R

選手の写真です。
高橋晋也選手
選手の写真です。
宿口陽一選手
 赤板過ぎでハナに立った山田諒は、1センターから仕掛けてきた黒沢征治に合わせて踏み上げて、打鐘前から両者で踏み合いになる。黒沢が2センターで山田を叩いて主導権を奪取するが、最終2コーナー6番手から和田真久留がスパート。さらに、その外をバック8番から高橋晋也(写真)も仕掛ける。大外をまくった高橋は豪快に前団を飲み込むと、そのまま後続を振り切って決勝一番乗りを果たした。
 「(初手は)できれば中団が良かったけど、誰も出なかったので前から力勝負だなと思いました。赤板で飛び付くのに脚を使ったので、ジャンで行けるところはあったけどパワーも溜まってなかったので、そこは我慢しました。園田(匠)さんに付いていただいたので、最低限、前に出切らないとって思って気持ちだけでした。(仕掛けた感触は)悪くはないけど、良くはないかな。通常より少し疲れはあるけど、1着は取れているので」
 高橋マークの園田匠が2着に続いてワンツーが決まった。
 「(高橋はまくった和田の)上を行ってるのでたいしたもんですね。(自分は)余裕を持って走れているし、感触は完ぺきに元に戻ったと思います。セッティングは今年で一番良いです」
 宿口陽一(写真)は、最終3コーナーから番手まくりを放ち、3着で地元記念の決勝へコマを進めた。
 「黒沢君の感性に任せていました。(赤板の1センターから)山田君も結構、踏んでいたし、黒沢君も脚を使ったけど頑張ってくれた。(まくってきた)和田真久留が止まったのは分かったんですけど、あそこで(番手まくりに)行ってなかったら後ろからゴッソリ行かれていたと思うし、黒沢君が前でしっかり走ってくれたおかげで3着に入れました」

11R

選手の写真です。
守澤太志選手
選手の写真です。
町田太我選手
 後ろ攻めから動いた町田太我は赤板過ぎで渡邉一成に突っ張られるも、打鐘手前から再び仕掛けて最終ホームで渡邉を叩く。しかし、後ろが離れて単騎逃げになってしまい、番手にはまった渡邉はまくってくる稲垣裕之に合わせてバックから仕掛ける。内で町田が必死に抵抗して両者併走で4コーナーを回ると、渡邉の後ろから守澤太志(写真)が直線鋭く追い込んで白星を挙げた。
「(渡邉)一成さんがしっかり組み立ててくれて、全部やってくれました。まくり切ったと思ったので外を踏みましたけど早かったですね。あそこは判断を間違えました。2日目が悔しい思いをしたので、準決、決勝と巻き返したかった。調子は全く問題ないし好調だと思います」
 町田太我(写真)は援軍を失いながらも2着に逃げ粘った。
 「後ろから押さえてペースで駆けようと思っていたんですけど、(渡邉が)踏んだので上からいつも通りカマす展開になった。後ろが競りでしたけど、後ろを意識して駆けられるような経験もないので、いつも通り走ることを心掛けました。西武園は今回が初めてですけど軽くて走りやすいし好きなバンクですね。過去2回、記念の決勝に乗れているけどまぐれだったと思うし、今回は自分の力を証明できました」
 稲垣に勢いをもらった村上義弘は、直線で町田と渡邉の間のコースを踏んで3着に入った。
 「稲垣が後方にならない走りをしてくれました。町田君が一人で行ってヤバい展開になったんですけど、仕掛けてくれると信じて付いていました。日に日に道中の判断と体が噛み合ってきてくれています」

12R

選手の写真です。
野口裕史選手
選手の写真です。
岡村潤選手
 赤板の1コーナーで松川高大が森田優弥を押さえたところを、野口裕史(写真)が2コーナー手前で一気に叩いて先制。後方になった森田は反撃のタイミングが狂ってしまい、徐々に前団に迫るも最終2センターの岡村潤のけん制で力尽きて後退する。平原康多も外々を回される苦しい展開となり、快調にハイペースで駆けた野口がそのまま逃げ切って無傷で決勝進出を決めた。
 「(初手は)こうなってほしいっていう並びになりました。森田君も赤板で結構、踏んでいたし、みんな脚を使っていたので一番良い流れになりましたね。ジャンのところで踏み過ぎた感じはあったけど、(最終)3コーナーまで持てば良いかっていうくらいの気持ちでした。昨日(2日目)よりも寒さがあって重たい感じはあったんですけど、逆にアタリがあって踏み切れました。記念の準決勝でラインでワンツースリーが決まるとは思ってなかったのでうれしいです」
 番手の岡村潤(写真)が2着に続いた。
 「(野口は)ペースが独特で後ろで脚が溜まらないのでキツかったです。ずっと加速していく感じで、最初はオーバーペースかと思ったけど、最後まで持つのでたいしたもんですね。(自分は)バックでやっと脚が溜まって、一瞬、余裕が出たくらいでした。今回は毎日、セッティングとかを変えているけど、悪い方には行ってないので、もう少しいじってみようと思います」
 ライン3番手の萩原孝之が3着。南関勢で確定板を独占した。
 「(野口は)最初の掛かりのそのままのスピードでゴールまで行った感じでした。(打鐘前に)あんなに踏むと思ってなかったから、ちょっと口が空いてしまってキツかった。追いついてからは踏まないように回していたけど、全然タレてこなかったです。埼玉県は相性が良いですね。日に日に踏めている感じはあります」


【 ガールズ フレッシュクイーン 】
 最終日の6レースでは、デビュー2年未満の選手で争われるガールズフレッシュクイーンが実施される。人気の中心になりそうなのは、点数最上位の尾方真生(写真)。前々回の広島FIIと続く小倉MNで完全Vを飾り、現在6連勝中だ。
 「(前回の小倉からは)しっかり練習はできたし調子は良いと思うので、思いっきり走れたら良いなと思います。(昨年の)競輪祭を走って、まくりじゃ勝てないなって思ったのと、逃げて強い選手に勝っていけたら大きい舞台でも戦えるなと思って、最近は力を出し切るレースを心掛けています。(西武園は)良いイメージはないんですけど、ここでそのイメージを変えられたらなと思います」
 攻め幅広い西島叶子は、前回の武雄MNで自身2度目の優勝をつかんだ。
 「優勝できるっていう自信はなかったけど、初日と2日目に先行して良い感触はありました。武雄のあとは1日休んで疲労を取って、今回に向けてしっかり練習して調整もしてきました。自力を出した方が持ち味を出せると思うので、そういう展開に持っていけるようにしたいです」
 永禮美瑠は、前回の4日制四日市FIIで優出に成功。決勝でも3着で確定板入りを果たした。
 「4日制も自分の中ではしっかり対応できたと思うので、今回は単発レースですけど問題はないと思います。最近は何でもやろうと思って走っているので、自分のパターンではなかった時も落ち着いて走れているのかなと思います。流れを見て、しっかり行けるところから行きたいです」