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決勝戦レポート

野口裕史(千葉・111期)

別線を完封した野口裕史が記念初Vを達成

 34歳のオールドルーキーとしてデビューしてから4年と9カ月。ハンマー投げで日本一の実績を持つ野口裕史が、競輪でも一番強い勝ち方“先行”で記念決勝を制した。
 「こんな日が来るんですね。千葉の先輩に優勝だって言われてドッキリかと思いました(笑)。未だに信じられない」
 赤板の2コーナー手前で主導権を握ると、フカし過ぎた準決勝の反省を生かした絶妙なペース配分でレースを支配。その後も別線の反撃を許さず、最後まで力強く踏み切った。
 「(決勝は最終)ホームくらいがマックススピードになるように踏んでいきました。今回はとりあえず4日間バックを取るっていう目標で来ていたので、それだけはやろうと。ロングディスタンス勝負の方が僕も後ろ(岡村潤)も力を出し切れると思ったので」
 適性出身で自転車経験が浅い野口にとっては、先輩からの助言もこの結果に大きくつながった。
 「今回は流行りの大きいフレームも持ってきていたけど、前検日の指定練習で成清(貴之)さんにすぐ戻せって言われて、前回の(前橋FIで優勝した)フレームに戻しました。強い人のマネも大事ですけど、自分が気持ちよく乗れるのが一番ですね」
 次走は初参戦となるダービーだ。
 「今回の走りで自信も付いたし、体調を整えて迎えたいですね。今後も自分のスタイルでどこまで点数を上げられるか、通用するかやっていきたい。歳を取ったらこういうレースもできなくなるので、自分が今できる一番のパフォーマンスをして、内容を意識して走っていきたいです」
 年下の若手機動型相手にも、まだまだ持ち味のパワー溢れる先行勝負で立ち向かっていく。

 番手の岡村潤は、最終2センターで村上義弘をけん制し、直線で野口に詰め寄るも2着でゴールした。
 「詰めの甘いところが出てしまいました。でも今の調子ならやったほうですね。今日(決勝)も準決勝と同じような展開になったけど、野口が少し遅らせて踏んでいったのでカカリも良かったです。連日、前の先行選手に助けられました。今回は練習をやり過ぎていたので、ダービーはしっかり調整していきます」

 最終2コーナー4番手から村上がまくった上をバックから高橋晋也も仕掛けるが、なかなか車は進まない。守澤太志は2センターから高橋の内のコースを踏んで3着に入った。
 「展開は考えていた通りになったんですけどね。(高橋は)行けるかなって思ったけど、村上さんの動きでタイミングが狂った感じになった。内も見たんですけど厳しかったです」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 再発走となったレースは、やや見合ってから園田匠、町田太我が誘導員を追い、町田-園田が前受け。以下は村上義弘-高橋晋也-守澤太志-宿口陽一-野口裕史-岡村潤-萩原孝之の並び。
 赤板前から野口が上昇の気配を見せるが、これを制して中団から踏んだ高橋がホーム過ぎで誘導員を下ろす。先頭に立った高橋がペースを落とすと、野口は打鐘前2コーナーからすんなり先頭に。単騎の村上は南関ラインに乗り換える。8番手になった町田は3コーナーから叩きに行くが守澤のけん制で大きく外に膨らみ不発に。2コーナーからは村上が先まくり。タイミングがかぶった高橋は村上に続く形からバックで持ち出すが、野口のかかりの前に2人とも伸び切れない。最後は岡村の追撃も振り切った野口が無傷の4連勝で記念初制覇。まくり不発の高橋マークから守澤が3着に強襲した。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 4 野口 裕史 千葉 111期 S1 11.9 逃切り H B
2 9 岡村  静岡 86期 S1 1/4W 11.8 マーク
3 5 守沢 太志 秋田 96期 SS 1/2W 11.5
4 6 萩原 孝之 静岡 80期 S1 1/2B 11.8
5 1 宿口 陽一 埼玉 91期 S1 3/4W 11.4
6 7 村上 義弘 京都 73期 S1 1/2B 11.9
7 2 園田  福岡 87期 S1 S 11.4
8 3 高橋 晋也 福島 115期 S1 3/4B 11.8
9 8 町田 太我 広島 117期 S2 1B 11.3