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せいぶえん競輪

SEIBUEN KEIRIN

26#

検車場レポート

  • 7/31 Wed.  (前検日)
  • 8/1 Thu.  (1日目)
  • 8/2 Fri.  (2日目)
  • 8/3 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
松岡健介選手
 松岡健介(写真)は、6月の大垣を皮切りにFIシリーズを5場所連続で優出中。前回の川崎も412着とまとめた。
 「(前回から中3日で)いつも通り自転車に乗らないで、あとはウエートトレーニングとかやることをやってきた。中間スピードとかトップスピードが上がったわけじゃないけど、その瞬間、瞬間の判断がいいのかもしれないです。いい意味でシビアに走れている」
 その松岡とは5月の平塚記念の一次予選(8着、松岡は1着)でセットになっている中井太祐は、前々回の奈良FIで地元Vを飾っている。
 「(前回の函館FIを343着も)決勝に乗れなかったけど、調子は良かった。(最終)バックも取れているし、(6月からの新ルールは)自分には比較的いいのかなと思っている」

2R

 今期初のS級の染谷幸喜は、川崎931着、宇都宮251着とFIシリーズではクラスの壁を感じることなく勝ち星を挙げている。S級3場所目で初の記念に挑む。
 「追加は4日くらい前にきました。(配分が)1カ月くらい空いていたんで、追加がきて良かったです。(S級でも)しっかり力を出し切るレースをすれば、いい着を取れるなっていうのがある。でも、隙を見せると、ダメですね」
 鹿内翔は、前回の川崎FIを235着。初日予選は飯田裕次に競り込まれたが、藤根俊貴後位を死守してまくりに流れ込んだ。
 「初日はドン競りだったのをしのいでいるし、2日目も根田(空史)君の3番手で根田君が行けないけど3着に入れた。だから脚は悪くない。そこからは(中3日で)ほぼなにもやらないで調整程度です」

4R

選手の写真です。
今野大輔選手
 今野大輔(写真)は、7月があっ旋をしない処置。1カ月超をトレーニング期間に充てて、ここが今期の初場所になる。
 「(あっ旋が)止まったのは初めてですね。長い目で見てと思って、そこを意識した練習をしてました。だから、今回にすぐに(練習した効果が)出るとかじゃないです。レース勘の不安は少しあるけど、もともとそんなに(レースの組み立てが)うまくないので」
 前回の川崎FIを191着から2週間以上空いた宿口陽一は、ゆとりのローテーションもあってか地元記念にリラックスムード。
 「空いたんで、ここに向けて普通に練習をやってきた。気負うような感じもないし、あとはレースになれば自然と気持ちが入ると思います。状態も上がってきている」

5R

 前回の大垣記念を3832着。金子哲大は、6月のルール改正から勝ち星がない。
 「(新ルールで)誘導ペースが速くなってから、最後が残れなくなっている。余力が残ってないですね。ただ、このバンクは早めに(仕掛けて)行かないとダメですからね」
 池田勇人は前回の奈良FIを936着。3日間、すべて吉澤純平との連係で、初日だけが前回りで、積極策に出た。
 「初日は自分が前を回って先行をして、(9着だけど)別線にはまくられなかった。そこからはクーラーのせいなのか、のどが少しやられて不安もある。でも、乗った感じは悪くなかった」

6R

選手の写真です。
高橋和也選手
 高橋和也(写真)は、前回の弥彦記念の一次予選を6着で2日目以降は欠場を余儀なくされた。6月の函館記念でも一次予選6着から3連勝と一次予選が“鬼門”になっている。
 「(6月の)函館もやっちゃったし、前回も失敗した…。(新ルールで)前半から早いペースになってる。それで6着なんで。ただ、構えすぎないようにっていうのもある。同じミスはしないようにしないと」
 前回の奈良FIを971着の佐藤幸治が、金ヶ江勇気とセットだった初日を反省する。
 「金ヶ江君の番手だった初日は情けなかった。ただ、踏んでいる感じは変わらずで、状態はいい。今回もそれを維持できていると思うし、疲れは大丈夫」

7R

選手の写真です。
和田圭選手
 昨年4月の当所で記念初制覇を遂げた和田圭(写真)が、2度目の記念Vに向けて坂本貴史とシリーズのスタートを切る。
 「ここは思い出のバンクですからね。(初日に坂本との連係で)サイコーじゃないですか。雨とかの影響もあってあんまり乗れてないけど、ウエートトレーニングとかも含めてやるべきことはやってきた」
 矢口大樹は1年間のA級暮らしを経て、今期S級にカムバック。FIシリーズの3場所で4勝と力のあるところを見せている。
 「自分の力を出し切れれば、FI戦とかは勝負になるなっていうのがあります。ただ、もっとチャレンジャーとして走れるのかと思ったら、思いのほか警戒されている。そこは甘かった。(ここ2場所)初日大敗が続いているので、初日はしっかり決めたい」

8R

 伊早坂駿一は、前回の大垣記念を9419着。成績が示す通り、本来の動きにはなかった。
 「練習もそうですけど、(調子が)全然良くないですね。年に何回かこういう時があるんですよ。でも、そうなるとまた良くなってくるんで。練習は普通にできている。今回はハンドル幅を狭くして、セッティングを変えてきた。(練習では)良さそうだった」
 大垣記念3日目に落車のアクシデントに見舞われた村田雅一だったが、最終日も欠場はせず、中1週間で今シリーズを迎える。怪我の影響も少なそうだ。
 「落車があったけど、体の方は大丈夫です。オールスターまでは、予備の(フレーム)を使うけど、それも前回とサイズは一緒だから問題はないと思います」

9R

 長島大介は前々回の佐世保FIで優勝を遂げたが、前回の地元、宇都宮FIを529着。
 「佐世保で優勝したあとに、練習をやりすぎてしまった。それで前回は疲れていました。(今回は)疲れも抜けて練習の感じもいい。久々に(コンディションが)いいっていう感覚がある」
 一昨年、A級では当所ミッドナイトでV奪取の原口昌平は、持ち前の機動力を発揮できれば別線が苦戦するシーンも十分だ。
 「練習はいつも通りできたんで、あとはそれがどれだけ出せるかですね。西武園はそんなにバンクのイメージがないんですけど…」

10R

選手の写真です。
武藤龍生選手
 小林泰正は、前回の弥彦記念を2414着。初めての記念ながらもファイナルに進み、地元の諸橋愛の3連覇に大きく貢献した。
 「(弥彦記念の決勝は)なにもできずに終わらなくて良かった。自分が先行するつもりだったけど、やっぱり松井(宏佑)さんが飛んできたし、諸橋さんは(松井の後ろの渡邉雄太を)絶対にさばくっていう感じだった。(松井との)車間をもっと早く詰められれば、自分にもチャンスがあった。力不足です。中2日ですけど、マッサージとか軽めに乗ったりで、初日にはフレッシュな状態で走れると思います」
 前回の和歌山FIを3連勝の完全V。地元の武藤龍生(写真)は、今年3度目の優勝で勢いに乗っている。
 「いろいろな方々のアドバイスを聞いて、乗り方を変えたら、自分の感覚がだいぶ良くなった。それと気持ちの面もあって、その2つがかみ合ってるんでいいんだと思います」

11R

選手の写真です。
森田優弥選手
 前回の大垣記念1541着の森田優弥(写真)は、準決で平原康多と連係。惜しくも決勝進出は逃したが、得たものは大きかった。
 「すごく勉強になりました。そのあとはとくに変わったことはしないで、いつもの感じで調整して来ました。ここ(西武園)は練習でも何回かやっているし、べつに走りづらいとかの違和感はない」
 神山雄一郎は、直近3場所のFIをすべて優出。勝ち星も順調に重ねて、競走得点も110点台に戻してきた。
 「(競輪は)練習をすれば結果が出る世界だと思う。若い選手みたいにすぐには出なくても、時間がたって2、3カ月後にはっていうのを体感している」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 平原康多(写真)は、前回の大垣記念を準V。新鋭、宮本隼輔の優勝をたたえて、自らにも及第点を与える。
 「宮本君が強かった。自分はそこ(宮本の後ろ)まで脚を何度も使っていた。抜ける感じじゃなかったし、あのタイムでよく付いていけた。113期が出てきて、余計にレベルが上がっている。前回はサマーナイトフェスティバル明けでかなり疲れもあった。それに(ナイターからの)時差ボケもあって、日に日に良くなっていった。今回はそういう疲れはないです」
 6月高松宮記念杯の落車で1カ月半以上のブランクがある武田豊樹は、「早く走りたかった」と、胸中を打ち明ける。
 「痛みと相談しながら、(練習を)やってました。治療もしながらでしたし、そろそろ良くなってきた」
 今期一発目の地元、小松島記念を制した太田竜馬だが、続くサマーナイトフェスティバルは581着。
 「脚の方は悪くないんですけど、成績が良くなってくると(別線に警戒されてしまう)。そこはしょうがないですね。(ルール改正は)重注がつかなくなって良かった。(ペースとかは)全然気にならない」

1R

 打鐘過ぎに菅谷隆司にカマされた中井太祐だったが、2コーナーからまくると4コーナーで前団をとらえる。佐藤一伸の飛びつきをしのいで続いた松岡健介がゴール前できっちりととらえた。
 「(佐藤一が)粘ったし、ここ勝負と思ったら(菅谷に)叩かれた。そこは中井君の判断だし、4番手はしっかり取りにいく雰囲気だったので。中井君は(まくるのが)必死な感じはなかったし、中川(貴徳)君が来ても中井君が通り過ぎると思ったので、あとは僕がからまれないように。ワンツーで良かったです」
 まくった中井太祐も2着で二次予選Aに勝ち上がった。
 「空けたときに(佐藤一が)内に入って来てた。でも余裕を持って外に差し込みに行けたし、問題はないと思う。まくりは無理やりって感じでした。でも、あの展開で抜かれるなら何しても松岡さんに抜かれますね。しょうがない。僕の感じはいいです」

2R

選手の写真です。
月森亮輔選手
 打鐘から染谷幸喜がカマすと、中団から内をすくった月森亮輔(写真)が上手く5番手を確保。出切った染谷ライン目がけて1センターからまくると、豪快に前団を飲み込んだ。
 「(スタートで)前を追いかけるのがキツかったけど、中団を取れたのが大きいですね。前回(奈良497着)よりは全然いい。後閑(信一)さんにペダリングとかアドバイスをもらって、それで感じが良かった。染谷さんが強いって聞いてビビってたけど、何とかまくれて良かったです」
 月森マークの西岡拓朗は林雄一にからまれながらもきっちりと2着に続いた。
 「スタートで追いかけるのがキツかったし、付いていけて良かった。ツケマイで行けたのが良かったですね。最後は前を抜けないと思ったし、中を割られるよりは2着キープと思った。感じはいいので2日目も頑張ります」

3R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
 7番手になった近藤夏樹は最終ホーム手前から巻き返すが、これを三谷政史が2コーナーで強烈にブロック。「(近藤に)突っ込みそうだった」と話す山賀雅仁(写真)だったが、バックで冷静に内に下りると、2センターから外を踏んで突き抜けた。
 「もう決まると思ってた。出切れると思ってたから、(三谷の)2回目でうわっとなってしまった。そこを予測しとけば、内じゃなくて外に行けたかもしれない。その辺は三谷君が上手かった。僕も余裕はあったと思う。なければ(内に)入っても伸びてないので」
 前を任せた高木翔がバックで内に切り込んでコースを失うと、山賀の動きに切り替えた渡部幸訓が2着に食い込んだ。
 「ヨコにアグレッシブな人ばかりだったし、一緒になるとと思って1回見た。山賀さんが前にいたから踏んでくれそうだし、そこは冷静に見られました。今回は新車だけど、しっかり伸びてくれてその辺は助けられた」

4R

 赤板の1コーナーで切った吉田茂生を宿口陽一が打鐘前に叩いて出る。前受けから後方に下げた今野大輔もすかさず反撃。ペースを上げた宿口と激しいもがき合いになる。今野が不発と見るや、最終2コーナーから自力に転じた池田憲昭が前団を飲み込んだ。
 「思った以上に今野君の進みが悪くて、自分で踏ませてもらいました。後ろに池田良君も付いてくれていたし、連れ込めたのは良かったですね。まくりが出たのはみんなが脚を使っていたし、たまたまです」
 池田憲を終始、追走した池田良が吉田のまくりを張って2着を確保した。
 「ノリさん(池田憲昭)がいいタイミングで行ってくれました。吉田(茂生)君が見えたので、かぶったら厳しかったですね。抜ける感じはしなかったですけど、調子は問題ないと思います」

5R

 打鐘前に三登誉哲を突っ張った竹山陵太が緩めているところを逃さず、金子哲大が後方の7番手から一気に仕掛ける。最終ホームで竹山をあっさり叩いた金子が主導権。関東ライン3車で出切って別線は万事休す。番手絶好となった池田勇人が余裕を持って追い込んだ。
 「余裕もあったし、自分の状態は何の問題もない。あとは(金子)哲大をどこまで残せるかっていう感じでした。前のレースで(宿口)陽一さんは勝ち上がれなかったけど、気持ちの入ったレースをしてくれて気合も入っていました。とりあえずホッとしましたよ。地元から一人でも多く準決勝に勝ち上がりたいですね」
 地元コンビに続いた山下渡が直線で外を伸びて2着。
 「前2人のおかげですよ。金子君がいいところで行ってくれた。出切ってからはもう誰も来れないなと思ったし、内から来る人もいないし、外を踏んだ。余裕もありましたね。(今年から始まった記念の概定変更)この制度で初の二次予選かもしれない」

6R

選手の写真です。
松岡貴久選手
 後ろ攻めから切った小林則之を赤板1センターで佐藤幸治が叩くと、高橋和也は7番手のまま動かない。そのまま佐藤が駆けると、小林、その外を踏んだ高橋はともに不発に。佐藤の番手で絶好になった松岡貴久(写真)がゴール前で抜け出した。
 「(佐藤が)強かったですね。(佐藤は)悪くないって言ってたし、調子いいんじゃないですか。上手く駆けてました。僕は見てのとおり余裕がない。あんなに早く行くと思ってなかったし、1センターぐらいからドキドキしてた。体調は問題無いけど、(前回の落車で)自転車を換えた分、初日はおかしかった」
 九州3番手から中を割った中村良二が2着に突っ込んだ。
 「(2センターから)貴久がずっと内を空けてるのでヤバいなと思った。自分も感じは良かったので貴久ゴメンと思いながら入らせてもらった。2着で二次予選Aはデカいですね」

7R

 打鐘で勢いよく誘導を切った長尾拳太が中団取りに動き、そこを矢口大樹が叩いて主導権を取る。矢口がそのままペースを上げ最終ホームは中団に長尾、後方7番手に坂本貴史の一本棒で通過。2コーナーから坂本がまくるも長尾の横までで、矢口の番手で車間を切って援護した齊藤竜也が直線で抜け出す。
 「矢口(大樹)君がいいタイミングで仕掛けてくれた。あれ以上遅く仕掛けると長尾(拳太)君に踏まれちゃうし、絶妙でしたね。3コーナーで坂本(貴史)君が浮いているのが見えたのでライン3人で決まると思ったんですが,和田(圭)君が内を来ているのは分からなかった。内を締めていればまた違ったと思うし、判断が難しかったですね」
 昨年の当所記念覇者、和田圭は2センターで内に切り込み鋭い中割りで2着に強襲した。
 「展開的には厳しかったけど、コースが空いてくれましたね。余裕はあったし、レース自体は見えていた。今回はセッティングを換えて臨んだけど、感触は悪くないですね。最終日までこのセッティングでいくと思います」

8R

選手の写真です。
吉田裕全選手
 赤板の2コーナーで2名が落車。最終3コーナーでも2名が落車する波乱のレースとなった。1位入線の山田久徳、2位入線の村田雅一が失格で、3連単は48万円を超える大穴配当となった。
 レースは前受けの伊早坂駿一が赤板で押さえにきた八谷誠賢を突っ張って主導権。中団を確保した山田がまくり切ったが、赤板2コーナーの斜行により失格。最終2センターで村田の斜行により藤田竜矢が落車。上位入線2名の失格により3位入線の吉田裕全(写真)が繰り上がって1着となった。
 「2着で繰り上がって1着はありますけど、2人失格で1着っていうのは初めてです。しかも今回は予備から繰り上がっての参加でしたので。藤田先輩の落車もあったりして素直には喜べませんね。藤田さんは先行屋の気持ちがわかっているから仕事をするし、自分も内を締めていた。勝ち上がれたからには頑張りたい」
 伊早坂駿一は地元勢を連れて気迫のこもった先行策に出るが、末の粘りを欠いて修正を誓う。
 「後ろに地元勢が付くし、前を取って突っ張るつもりでした。(中団で)もつれてくれればと思いましたけどね。自分の状態もあんまり良くないけど、2周行くのはキツい。踏み過ぎましたね。二次予選ではこの感覚を生かして踏んでいきたい。セッティングも少し調整します」

9R

選手の写真です。
尾崎剛選手
 中団の原口昌平にフタをした清水剛志が叩きに行こうとするが、前受けの長島大介がこれを突っ張って主導権。番手の尾崎剛(写真)が好展開を生かして地元記念の好スタートを切った。
 「長島は力勝負してくれると言ってたけど、これ以上ないレースでしたね。1周半突っ張り先行だから。長島が赤板過ぎから後ろを見てたし、俺も見て離れたらいけないと思って長島の後輪だけ見てた。全てやってもらいました。でも、オジサンなんで許してもらえたらと。長島さまさまです」
 清水後位から打鐘過ぎ4コーナーで関東3番手に入った水谷良和が2着に食い込んだ。
 「(長島は)突っ張って出させてくるのかなと思ったらね。清水は中団入ってからもう1回行ってくれたので。僕は(3番手に入れて)上手くいった。余裕もあって最後も外に行けたのでいいと思う。調子はいいですね」

10R

選手の写真です。
小林泰正選手
 後ろ攻めから切った金ヶ江勇気をすかさず叩いて打鐘前2コーナーから前に出た戸田康平は小林泰正を出させず主導権を握る。最終バック手前から山形一気が番手まくりに出たが、中団で立て直した小林泰正(写真)がその外を力で飲み込んだ。
 「今日(初日)は先行するつもりでいたので内容的には全然ダメですね。一瞬ペースが緩んだところがあったので仕掛けたかったんですが、車の出が悪くて行けなかった。ホームで武藤(龍生)さんに入れてもらったおかげですね。まくり上げたときは何度かブロックをもらったんですが、それは気にならなかった。2日目以降はしっかり先行できるようにしたいですね」
 小林にまくられた山形一気だったが何とか2着に踏みとどまった。
 「作戦のなかに番手まくりはなかったので、判断が難しかったですね。戸田君はバックでタレていたし、出ないと頑張りが無駄になると思い踏ませてもらった。出は悪くなかったし決まったと思ったんですけどね。感触は問題ないし調子はいいと思う」

11R

 前受けの森田優弥は上がってきた西本直大を出させず赤板ホーム過ぎから踏み上げる。そこを叩きに来た山本直も合わせたが、3番手に入った山本は内をすくって4コーナーから先頭に。山本に出られた森田だったが、後ろで立て直すとバックまくりで人気に応えた。
 「地元記念で1着を取れたことは安心したし、うれしいけど内容がダメ。前を取らされるかなと思ったし、それで前受けからなら突っ張りかなと思っていた。山本さんの後ろが付いてきてたらヤバかったし、レース内容を2日目以降は修正したい」
 神山雄一郎はゴチャつく展開にもしっかりと対応して森田に続いた。
 「(山本に)粘られると思ったし、その後も(森田を)上手く迎え入れることができたけど、ぐちゃぐちゃになったからキツいレースでした。何とか一番人気に応えないとと思って必死についていきましたよ」

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 前受けから下げた太田竜馬(写真)は「引いてすかさず」というシンプルな組み立てで打鐘前2コーナーから一気にカマす。4コーナーからさらに加速して渡邉雄太を叩き切ると、残り1周を力強く逃げ切った。
 「(3コーナーで渡邉と平原康多がからむアクシデント)何もなければまくられてたかもしれないですね。バンクがめちゃくちゃ重くて流れずに、ずっと踏みっぱなしだった。練習の感じは悪くなかったし、(狭くした)ハンドル幅は悪くない。もうちょい煮詰めて体を合わせていけたら。僕は出切るまでが勝負だし、出切れたのでいいと思う」
 3コーナーで渡部哲男と接触した渡邉雄太の落車を避けた内藤秀久が内から渡部を飛ばして2着に突っ込んだ。
 「落車を避けて脚がバキンと来たけど、後ろに和田君もいるし前に踏まないと。少し時間はかかったけど、そこから気持ちを切り替えました。突き抜けたかと思ったけど、そこからは一生懸命踏んでの結果って感じですかね」
 好回転でまくっていた平原康多だったが、渡邉との接触で大きく外に膨らみ7着に。「僕はまっすぐ走ってたけど、残念ですね。行ったと思ったけど」。消化不良のレースを二次予選以降にぶつける。

6R

選手の写真です。
田中誠選手
 中団の長尾拳太にフタをした菅谷隆司が打鐘から先頭に立つが、そこをすかさず長尾が叩いて主導権を握る。前受けから下げた人気の田中誠(写真)は2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。
 「(菅谷は)誘導が上がる前に来るかなと思ったんですけどね。僕はできることを一生懸命やるだけ。無理くり行くと死んじゃう。HPが少ないんで。(2着権利で)前がいるほうがどっちとワンツー決めるか悩むけど、自分でやる分にはね。(弥彦記念から)中2日でいつもの練習をやれてないんで、脚が軽いですね」
 結果は田中ラインでワンツースリー。2着の加倉正義は笑顔でレースを振り返る。
 「誠だけは信頼しきってるから。抜いてワンツーのはずだったけど直線が短いですね。でも無理に交わしに行ったら、西田(雅志)を連れ込んじゃうと思った。この制度になって初日失敗することが多かったので、(記念の)準決勝は久々。セッティングを変えたら変な感じがしたので戻します」

7R

選手の写真です。
三谷政史選手
 後ろ攻めの山本直が赤板過ぎに上昇し中団の伊早坂駿一にフタをする。伊早坂は車を下げて打鐘で強引に巻き返すと番手の稲村成浩は口が空き、前受けから突っ張り気味に踏んだ岡本総が番手にはまる。粘る伊早坂を岡本が4コーナーで交わしにかかると、三谷政史(写真)が中割り鋭く突き抜けた。
 「別線が押さえて来るのが遅くて岡本君がほったらかしにされていたし、岡本君が先行含みで踏んでくれたのが良かった。自分は初日失敗していたので、今日(2日目)は余裕もあったし中のコースを踏もうと。結果的に2人で勝ち上がれたし準決勝に進めるのは大きいですね」
 三谷に中を割られて2着の岡本総だが、腹をくくって踏んだことが勝機を導いた。
 「なかなか仕掛けてこなかったので踏むしかなかったですね。山本(直)君とかぶったら厳しい展開になるしそこは出させずにと思って。番手にはまってからは後ろも来ていなかったし、自分のタイミングで踏んだ。準決勝に乗れるし、今日(2日目)は満足ですね」

8R

選手の写真です。
吉田茂生選手
 矢口大樹の上昇に合わせて踏んで中団を確保した吉田茂生(写真)だったが、打鐘過ぎに高木翔に追い上げられてかぶってしまう。しかし鈴木龍之介が離れはじめて高木が3番手に追い上げると、ようやく単独に。2コーナーから仕掛けると鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「他地区の人に付いてもらって緊張しました。小松島記念でも(二次予選Bで)朝倉(佳弘)さんに付いてもらって1着で、今回も1着なんてね。脚を使っていなかったし、踏み出した瞬間に行けると思いました。初日は競走間隔が空いてからの走りだったけど、セッティングを微調整したら良くなった」
 差せなかった湊聖二だが、吉田の強さを素直に称えた。
 「吉田さまさまですよ。展開が向いたのもあるけど、それも吉田君が作ってくれましたからね。踏んだ瞬間に抜けないなと思いました。でも、これで悪い流れが良くなれば」

9R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 前受けの森田優弥は中井太祐を突っ張って赤板過ぎから先行態勢に入るが、ペースを緩めたところを打鐘過ぎ4コーナーから渡部幸訓にすくわれ番手に入られてしまう。最終3コーナーから追い上げてきた長島大介をけん制した佐藤慎太郎(写真)は渡部後位から外を鋭く突き抜けた。
 「(渡部幸が)番手まで行くとは思わなかったからビックリした。俺がつくことによっていつも以上の力が出るってことですよね。それがどんどんかみ合ってくれれば。俺は脚を1回も使ってなかったからね。西武園で外から抜けてるから悪くない」
 2着の渡部幸訓はライン3車で準決勝に勝ち上がれたことに胸をなでおろす。
 「落車があったのが…。(長島らの落車に直接関係ないとはいえ)自分が行った結果なんでね。行くつもりはなかったけど、空いたところで差し込んじゃって、そのあと長島君も空けたから行っちゃえと。あれが自分の精いっぱいなんで。(ライン3人で準決勝)それが良かった。2人の前を走れることは光栄だけど疲れました(苦笑)」
 3着で準決勝に勝ち上がった森田優弥だが、後ろを回った長島、神山雄一郎が落車したことで表情は硬い。
 「(突っ張ると決めてたとか)そういうアレじゃなかったけど、たまたま。流したところを空けちゃって、悪いクセが出ました。キツくて、重かったけど、番手に入られてからも落ち着いて踏めたかなと思う」

10R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 中団の和田健太郎が赤板手前から後方の金子哲大をけん制し、金子が仕掛けをちゅうちょすると前受けの月森亮輔が打鐘前から踏み上げる。金子が強引に叩き返すが月森も抵抗し両者で踏み合いに。最終ホームから単騎の松岡健介がまくり上げると和田健太郎(写真)がバックで上手く切り替えて鋭く抜け出した。
 「初手で中団が取れたので周りの動きを見て行けるところからと思っていた。月森君が突っ張って金子君と踏み合う形になったので、ホームからタイミングを見ていたら松岡さんが山下(渡)君の外を来ていたので上手くスイッチできた。後ろに齊藤(竜也)さんがいるのは分かっていたので早めに踏んでワンツーできて良かった」
 和田健太郎に続いた齊藤竜也が2着で2車単、1番人気に応えた。
 「金子(哲大)の仕掛けが遅かったので、あれなら月森君も突っ張るでしょう。和田(健太郎)君のおかげですね。松岡(健介)君にきれいにスイッチしてくれて。恵まれました」

11R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
 後ろ攻めの小林泰正が赤板前の4コーナーから上昇して主導権を狙うが、前受けの太田竜馬が突っ張って出させない。予想外の突っ張りに口が空いた池田憲昭が何とかドッキングすると、3番手に入った小林は車間が空いて前との距離が縮まらない。そのまま太田が逃げ切るかと思われたが、3コーナーから踏み込んだ山賀雅仁(写真)が直線で外を強襲した。
 「みんなが踏み込んでいるなかで3コーナーで外を踏んで、(池田勇人が膨れて)コースが空いたからそこを踏んだだけ。あれでは毎回勝つことはできないし、そもそもラインで決められていないですから。調子どうこうよりも組み立てがダメ。先頭を任されているときはそれなりの競走をしないと」
 太田竜馬は小林泰正を突っ張って自力型として経験値の差を見せつけた。
 「レースの流れで突っ張っただけですよ。相手がどうこうとかそういうのはないです。全てはタイミング次第なんでね。2周の突っ張り先行は久々だったし、メチャメチャ長かった。体の状態は(小松島記念の頃と)変わらない。セッティングは今の体に合っている。ビシッと決まっていた」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 廣田敦士の上昇に合わせて赤板ホームから動いた平原康多(写真)は廣田を受けて狙いどおりの中団を確保。佐藤幸治の巻き返しに合わせて最終ホームからまくる。番手の武藤龍生が坂口晃輔にさばかれラインで決めることはできなかったが、バックからは大きく後続を引き離して押し切った。
 「休む場所がどこにもなくてキツかった。(残り1周で)早かったけど、あそこで仕掛けないとラインで決まらないと思ったので。仕掛けさえすればあとは武藤に何とかしてもらおうと思ったけど、坂口がすごかった。準決勝は森田(優弥)に頑張ってもらいます。前回(大垣記念の準決勝)、一緒に(決勝に)乗れなかったので、一緒に乗れるように頑張りたい」
 平原を止められなかった坂口晃輔は1センターですかさず番手の武藤をブロック。再度上がってきた武藤をもう一度けん制すると、ゴール寸前で廣田を交わした。
 「引きつけて平原さんを全力で止めるつもりが空振りした。でも、その後ろを見て空いてるなと思ったので、武藤君を止めました。廣田が持ち味を出してくれたし、誰かに来られたら俺を信頼してくれと言ってたので。平原さん(の強さ)は論外だけど、ラインとしては良かった。廣田とは初だったけど頑張ってくれたし、水谷(良和)さんと3人でいいラインでした」
 

10R

選手の写真です。
小林泰正選手
選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 小林泰正(写真)にフタをした松岡健介が再度踏んで打鐘過ぎに出ると、前受けの松岡貴久は番手に飛び付いて前団の隊列が短くなる。小林は最終ホーム手前から反撃を開始。最終バック手前で逃げる松岡健をとらえて、佐藤慎太郎との直線勝負をも制した。
 「松岡(健)さんに押さえられた時に単騎の2人が追っていっても、松岡(貴)さんが粘る感じも出ていたので落ち着いていこうと思った。もつれていたので、(松岡健が)見えないタイミングで一気に仕掛けました。最後は佐藤(慎太郎)さんに差されなかったし自信になりました。今日(準決)はどこからでも行ける感じがしていた。2日間重く感じていたけど、準決は軽かった」
 小林の二の足に佐藤慎太郎(写真)は、1輪差の2着。
 「小林君は落ち着いていましたね。タレる感じもなかったし、自分が差せていないんだから強い。スピードに乗せたらどこまでも踏めるタイプだし、あと半周くらいは全然いけると思う」
 3番手の和田圭も危なげなく続いて、小林ラインの3人が上位を独占した。
 「(小林が)すぐ行くと思って、自分が焦って踏んでしまいドリフトしてしまった。佐藤さんが抜けていないんだし、(小林は)やっぱり強いんでしょう。(西武園記念)連覇は意識していないです」

11R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
選手の写真です。
渡部哲男選手
 じわりと押さえに出た廣田敦士を前受けの太田竜馬が突っ張る。それでも廣田が出切ると、外を張りながら再度、太田が踏んで主導権を渡さない。池田憲昭は付け切れず、太田の3番手には山賀雅仁(写真)が入る。タイミングを取った山賀は、最終2コーナー過ぎからまくりを打つ。太田に合わされたが、直線の入り口でとらえた山賀が1着。
 「展開が向きましたよ。池田君が口が空いたところを追い上げて追っていけたのが良かった。(まくれたのは)あの位置を取れたからです。もうワンテンポ早く行けば、(内藤秀久と)ワンツーが決まったかもしれないけど、現状ではできなかった。同級生の内藤君には2日目に迷惑を掛けてたから(一緒に)勝ち上がれたのは良かった。FIで3連勝もなかなかないのに、記念でできたから、オールスターに向けても自信になる」
 「前と後ろに申し訳ない」とは、2着の渡部哲男(写真)。逃げた太田が4着惜敗だけに、優出も手放しでは喜べない。
 「(山賀を)止めに行ったけど、出られていたし、避けられてしまった。(太田は2日目に)突っ張っていたから、今日(3日目)はないなと思ったけど、とっさの判断だったんだと」
 内藤秀久は山賀のまくりを追わず、直線で外に持ち出し追い込んだ。
 「山賀が内を空けたりしていたから、(自分が)締めていた時に(山賀が)行って、あとで追いつこうと。あそこは付いていかないといけないですよね。(山賀とは二次予選でも連係し)2日目の分を取り返してくれました。伸びはいいと思う」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
水谷良和選手
 山降ろしで赤板目がけて踏んだ森田優弥が、先頭に立ちレースを支配する。番手の平原康多(写真)まで出切るが、合わせて動いた和田健太郎は3番手に飛び付いて湊聖二と併走。打鐘の3コーナー過ぎから森田がペースを上げて逃げる。和田が3番手を取り切って、後方の吉田茂生は最終2コーナー手前から仕掛ける。森田との車間を空けた平原が、吉田をけん制して4コーナーから踏み込んで勝ち切った。
 「森田君も和田さんに相当踏まされた。あれでオーバーペースになっちゃったんだと思う。自分が吉田君を張った時にかなり(森田が)タレてきてた。自分もあれで大垣(記念の準決)の時は内をしゃくられたんで、油断はしてなかった。今回は新しい自転車にして、それも日に日になじんできた。(準決も)余裕があった」
 森田ライン分断の和田健太郎は、平原後位奪取からの流れ込み。
 「難しかったですね…、たまたま合ったところが湊さんのところだった。(最終)バックで平原君が吉田君をけん制した時に内に行ければ良かったけど、行っても平原君にはらわれたかなっていうのがある」
 中部ライン3番手の水谷良和(写真)は、吉田が不発も最終2センターから内に降りて齊藤竜也をキメて3着に入った。
 「9番手になったけど、自分では余裕もあった。あとはチャレンジャーだし、もうああなったら内しかないと思った。(決勝に勝ち上がって)これで感じが悪いって言ったらね(笑)」


≪最終日6R「S級ブロックセブン」≫
 特進で5月からS級の舞台に立った地元の黒沢征治が中心だ。前回の宇都宮FIでは早くもS級2V目をゲット。新人らしい積極的な走りで白星を重ねている。
 「西武園は練習では来たことがあるんですけど、レースは初めてです。直前は師匠の細沼健治さんとか、今回走っている森田(優弥)とかと練習して来ました。バンクの好き嫌いはとくにないので、しっかりホームとバックを取る競走をしてラインで決めたいですね。インパクトのあるレースができるように頑張ります」
 前期のA級では常にV争いをリードしていた伊藤稔真は、今期からS級初挑戦。前回の大垣記念では3日目にS級初勝利を挙げた。
 「(S級では)トップスピードも踏める距離も、まだまだ足りないなと思います。全然、通用しないけどA級より楽しいですね。一日、一日しっかり練習して、早く上で走りたいです。黒沢さんより僕の方が弱いのはわかっているんで、しっかり力勝負がしたいです」
 片岡迪之は、6月岸和田と前回の平塚のFI戦を小松島記念を挟んで連続優出。調子は上向きだ。
 「岸和田からセッティングを変えたのがいいのかもしれないですね。踏んだ感じが良くなっています。前回までレースが詰まっていたんですけど、今回は結構(15日間)あいたので、しっかりトレーニングができました。(若手機動型が相手だが)うまく組み立てて走りたいと思います」