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決勝戦レポート

平原康多(埼玉・87期)

アクシデントにも動じず平原康多が地元V

 「運がない時は乗り上げちゃうんで。チャンスがあるうちは、あきらめないでと思いました」
 予期せぬアクシデントが平原康多(写真)を襲った。赤板を待たずに前を託していた小林泰正が、和田健太郎との接触で落車。素早い動きで落車を避けると、そこから地元、西武園での3度目の記念Vを逆算して瞬時にはじき出した。
 「(小林)泰正も焦って横に動く形になったけど、そういう気持ちは伝わってきた。(小林が落車して)ペースが全然上がってなかったんで、自分が引いて山賀(雅仁)さんが番手じゃ勝負権がないなと。その時の(とっさの)判断でした」
 和田健が先行態勢を取ると平原は同期の山賀との併走。インでじっと勝負どころまで我慢した。和田健が最終ホームを目がけてようやくペースを上げる。平原は2角手前で山賀を弾いて番手を奪取した。
 「早く(山賀を)キメて、(仕掛けて)行かないとって。それでバック線で行く形になった。(ラインの)4番手を回ってくれる人の気持ちも考えて、行かないとっていうのがありました」
 番手まくりで和田健をとらえると、佐藤慎太郎に影をも踏ませぬ加速力でゴールを駆け抜けた。
 「日に日に新車もなじんできて、今日(決勝)が一番良かった。どういう風に体を使ったらいいかなっていうのが、だいぶ(新車と体が)マッチしてきた」
 今シリーズから投入した新車に確かな手応えを感じた平原は、9年ぶり3度目の西武園記念を制した。
 「地元で期待されながら、決勝に乗れないこともあった。(昔は地元で)ひとりで負けられないってプレッシャーを感じることもあったけど、若い選手が出てきて自分だけじゃないっていうのがある。(年末のグランプリ出場も)前半はまったく見えなかったけど、中盤くらいから結果が出てきて、イケそうかなっていうのがある。(獲得)賞金とかじゃなくて、自分の動きがそうなってきた」
 14日に幕を開ける名古屋オールスターへ大きな収穫となった地元V。平原の猛チャージがここから始まる。
 
 流れ込んで2着キープの佐藤慎太郎は、地元の平原をたたえる。
 「平原が冷静だった。(小林の落車があって)あれで下げるのか、下げないのか微妙なところだった。でも、山賀のデキもいいし、和田健太郎が駆けての番手まくりじゃ(平原は)キツいと思ったんでしょうね。自分は前回の決勝で失格してるんで(2着で)良かったです」
 
 内藤秀久との併走をしのいだ和田圭が続いて、3連単まで人気の決着。
 「(前の小林が)いなくなっても、平原さんだからね。自分は内藤さんにキメられそうだったし、そこを構えてました」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で佐藤慎太郎、平原康多が前に出て、小林泰正-平原-佐藤-和田圭が前受け。単騎の渡部哲男が中団で和田健太郎-山賀雅仁-内藤秀久-水谷良和が後ろ攻めでレースが進む。
 青板ホームから和田健が上昇を始めるが、小林もかぶらないよう1センターから外に持ち出して誘導員の外に差し込む。4コーナーで和田が押し込むと小林が落車(この行為で和田健は失格に)。和田健が正攻法に入り、目標を失った平原は下げられずに山賀の内で粘る。和田健が誘導との車間を切った状態で打鐘。山賀は飛ばされないように和田健の外に差し込み続けると、和田健は4コーナーからペースを上げる。平原は1センターで山賀を飛ばして単独に。3コーナーから仕掛けると一気に加速し、9年ぶり3度目の西武園記念を制覇した。2着は佐藤、3着に和田圭が続いて2車単、3連単ともに1番人気で決着した。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 平原 康多 埼玉 87期 SS 11 まくり
2 3 佐藤 慎太郎 福島 78期 S1 1B1/2 11 マーク
3 5 和田  宮城 92期 S1 2B 11.1 マーク
4 2 渡部 哲男 愛媛 84期 S1 3/4B 11.1
5 9 内藤 秀久 神奈川 89期 S1 3/4B 11.2
6 6 水谷 良和 愛知 70期 S2 1/2W 10.9
7 4 山賀 雅仁 千葉 87期 S1 D 12.7
8 8 小林 泰正 群馬 113期 S2 0
7 和田 健太郎 千葉 87期 S1 0 H B