KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

させぼ競輪

SASEBO KEIRIN

85#

検車場レポート

  • 7/22 Fri.  (前検日)
  • 7/23 Sat.  (1日目)
  • 7/24 Sun.  (2日目)
  • 7/25 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
志田龍星選手
 3月に特進でS級に上がった志田龍星(写真)は、今シリーズまでS級を9場所消化してまだ決勝進出が一度もない。ポテンシャルからは思いのほか苦戦している印象だが、志田自身はどうか。
 「(S級は)厳しいですね。スピードが(通用しないとか)どうのこうのじゃなくて、焦ってしまう。焦っちゃって変なところで踏んでしまう。A級の時は構えられたけど、みんな強いんで焦ってしまう。もっと自分のペースをつかめればいいんですけど」
 中2週間のゆとりのローテの竹山陵太は、ケアと練習に十分な時間を充ててコンディションは上向きのようだ。
 「5、6月と(配分が)結構、詰まっていた。それで6月は腰が痛かったところもあるんですけど、(今回は)だいぶ良くなった。しっかりと練習もできたんで、(前々回の)久留米よりはいいかなと思います」

2R

選手の写真です。
酒井雄多選手
 直近の3場所で1勝のみ。やや勝ち味に遅い感もある酒井雄多(写真)だが、小さくまとまらない競走内容は高く評価できる。
 「スピードがもっと必要ですね。(自力で)110点以上ある選手とあたると、自分が完ぺきなレースをしたとしても、その上を力で行かれてしまう。もうちょっと接戦にもっていけるようにしたい。この2週間は強度のある練習をしっかりとやってきました」
 最終日だけの補充となった前回のサマーナイトフェスティバルはまくった佐々木豪と愛媛ワンツー。前々回の富山FIではオール3着だった門田凌は、成績面以上の手ごたえを感じている。
 「結果が良くないけど、(感じは)いいです。富山も前々に踏んで(自分の力を)出し切れた。7車立ての力勝負は得意じゃない。9車立てで流れがある方が得意だと信じたい。練習の感じもすごくいいです」

3R

 展開に左右されやすい追い込みながらも近況は3場所で5勝の固め打ちをしている岡田泰地は、一次予選を吉田昌司とのタッグで臨む。
 「ここが追加だったんで、(正規の配分だと)次の岸和田(8月4日から)まで空いてました。練習で追い込んでいたんで疲れもありますけど、明日(初日)になれば大丈夫じゃないかと思います。自分でできることをしっかりとやらないとラインとして信頼されないので、まずはそこをしっかりとって思っています。練習の成果が出て徐々に良くなっている」
 昨年12月の地元記念では4日間すべて最終バックを取る積極的な走りを見せた平尾一晃は、練習でも好感触を得て夏の地元記念を迎える。
 「前回の防府が終わってから、中15日の間にやるだけのことはやってきた。不安材料はないです。練習でも自己ベストの(半周のタイムが)10.5、10.6のタイムを出せたし練習の成果が出てきていると思う。今開催の目標は師匠の(井上)昌己さんと一緒に走れるところまでいくことです」

4R

 前回の京王閣FIが落車の怪我から2カ月ぶりの復帰場所だった蕗澤鴻太郎は、その京王閣から2週間空いた。
 「2場所前の伊東の(落車の)怪我は腰の打撲と擦過傷です。前回の京王閣まで結構練習したのに、体が重くてレース勘もなかったです。京王閣が終わってからは普段通りに練習してきた。佐世保は4回目ですね。走りやすかった印象がある」
 近況は追い込みにシフトチェンジをしている河村雅章は、近況の成績をまとめている。
 「練習は全然変わってないし、自力を出そうと思えば出せるんだけど。練習でも1周もたない。スピードが出るけど、後半がタレてしまう。後輩が出てきているんで、追い込みでやっていこうと思っています」

5R

選手の写真です。
池田勇人選手
 3場所前の川崎FIでは19年以来となる久々の優勝を遂げた坂本貴史は、続く青森FIを122着、前回の弥彦FIを242着とその後も安定した成績を残している。
 「弥彦の準決でダメだったところがわかって、最終日はそこを修正してレースをつくることができた。(そのあと)直前は順調に練習してきた。佐世保は記念の決勝にも乗っているし、走りやすいバンク。力をしっかりと発揮できるようにしたい」
 一時期は調子を落としていた池田勇人(写真)だが、近況は競走得点を上げてまずまずの成績を残している。追い込みもすっかり板についてきた。
 「落車したりウエートトレーニング中にギックリ腰をやったりして、去年のいまごろは良くなかった。付いていくのもヤバいなっていう感じだった。ようやく気持ちに余裕が出てきた。(初日に番手に付く坂本)貴史とは自力で(別線で)戦ってきたし、感慨深いものがあります。(こういう番組で)やっと(追い込みとして)認められてきたのかなっていうのがあります」

6R

選手の写真です。
伊藤信選手
 勝ち星量産のピスト6効果が競輪にも表れている伊藤信(写真)は、前回の函館FIを411着。19年11月以来の優勝を十八番のまくりで飾った。
 「リミッターが切れているというか、出力の出方が違うんで、ピスト6を走って良くなっている。いいことづくめですね。こういう環境を継続してもらいたい。(函館のあとは)上積みを狙って(練習を)やりすぎた感じもあるんで、その疲れだけですかね」
 近藤保は前回のサマーナイトフェスティバルを429着。玉野、佐世保と中3日の強行ローテだが、練習はこなしてきた。
 「(前回は)ナイターからの遠征だし、(玉野、佐世保で)東の人は移動が大変ですね。ただ、自分もこの日程はわかっていたんで、(サマーナイトフェスティバルの次の日の)帰った日から練習をして、そのあとに疲れを取るっていうパターンでやってきました。(前検日に)指定練習をした感じでは疲れもなくて、普通に戦えると思います」

7R

 佐藤博紀は、前回の弥彦FIを611着。初日予選で敗退も連勝でシリーズを締めた。
 「前回の弥彦に関しては初日が良くなかった。やっぱり初日に飛んじゃうとキツいですね。(感触は)悪くないと思うので、しっかりとそれを出せるように。(前回からは)雨もあったりして、そのなかでできることやってきました」
 前々回の奈良415着、前回の富山523着とFIシリーズできっちりと優出している山本伸一は、そこから中11日。
 「(状態が)良くなってきているので楽しみです。ここ何年かは走って課題を見つけて、そこを練習しての繰り返しです。ピタッとはまることは数年に一度くらいしかないんですけど。(富山のあとは)ケアとかをしながら、いい感じでこられている。これで結果が出ると(気持ちの面でも)グンと上がってくると思うんですけど」

8R

 前回の久留米FIを422着の渡部哲男は、その前の取手FIからの修正が功を奏して感触も悪くなさそうだ。
 「(前々回の)取手は調整不足もあった。取手のあとに弱いところを補うような練習をしていた。久留米では状態面としては同じでも良かった。そのあとは軽めにやって、変わらずの感じですかね」
 今期初のS級に昇級した照井拓成は、前回のS級初場所の名古屋FIを425着。初の9車立ての記念に臨む。
 「(S級は)A級とは全然違うなって思いました。(別線が)A級じゃこないようなところで来ますね。ただ、もっとダメかと思ったけど、最初にしてはある程度やれたかなと。A級ではヨコもやってたんで、そこを生かせればと思います。自分はダッシュタイプなんで、そこの持ち味を生かしたい」

9R

選手の写真です。
野口裕史選手
 直近の5場所で9勝。3場所前には優勝もある野口裕史(写真)だが、前回の名古屋FIの271着は一息だった様子。
 「(最終日に連係した)成清(貴之)さんには、走り終わった瞬間、調子悪いなって言われました。(前々回の)立川のあとにギックリ腰をやって、無理やり練習をした。それで疲れが出たのか(名古屋は)良くなかった。名古屋では痛みもあったけど、いまはもうないです」
 一次予選でその野口の番手が巡ってきた大森慶一は、気を引き締める。
 「(野口の番手は)初めてだと思います。(野口の競走スタイルの)イメージが楽ではないですね。そこをしっかりとアタリをつける意味でもやりたい。(前回のあとは)雨で乗れない時が何日かありましたね」

10R

 前回の久留米FIの最終日にフレームを換えた林大悟は、逃げ切りで久々に勝ち星を挙げて今シリーズに弾みをつけた。
 「いろいろやってみたんですが、最終日だけフレームを戻して良さげな感じでした。初日から勝ち上がることを意識していきたい。(成績も)最低限、残しているし、このあとも積み上げていけるように」
 スピード化の潮流に対応すべく地道なトライを続ける望月永悟が、こう口を開く。
 「いろんな人のを見たりして、1年くらい前に多少なりともフォームとかをいじって良くなってきた。この年齢でキャパが上がるわけじゃないし、自分もそうだけどみんな大変だと思いますよ。そのなかで自分のベストにもっていけるように。(番手の)仕事とか求められるところもあるけど、気負わずに、やれることをやってと思っています」

11R

選手の写真です。
森田優弥選手
 森田優弥(写真)は、前回のサマーナイトフェスティバルでビッグ初の決勝進出。単騎でシンガリ惨敗も、得たものも多かった。
 「ラインに助けられて(優出した)。決勝はミスで全部終わっちゃった感じでした。それでもいい雰囲気だったし、勉強させてもらいました。体も気持ちもいい感じだと思います。(サマーナイトフェスティバルが)終わってから、家に帰ってから(追加の連絡が)来ました。ここは相性がいいと思います」
 サマーナイトフェスティバルが2日目からの補充だった黒田淳は、最終日に地元で白星を挙げた。
 「(最終日に)1着を取れたことは良かったけど、レース中の判断とかをミスせずにできたら良かったかなと。難しいところでした。体調は悪くないですね」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 怪我からの復帰場所だった前々回の高松宮記念杯が8784着とらしさが見られなかった新田祐大(写真)だったが、前回のサマーナイトフェスティバルを117着。初日特選は番手で勝機をつかみ、準決では持ち前の爆発的なパワーも戻ってきた。
 「前回は完全に(自分の)実力ではないけど、戦えるっていうところがわかったのは1つ収穫でした。決勝に乗ったことで安どしたところもあったと思うし、決勝でもしっかりと結果につなげられるようにしたい。1日も早く普通(の状態)に戻れるように。(怪我が)まだ気になるし、半年くらいはかかると思います」
 地元記念を3度制している井上昌己は、前回のサマーナイトフェスティバルを672着。キレが感じられなかった前回から中3日での変わり身はどうか。
 「前回は思っていた以上に良くなかった。イマイチどころかイマニぐらいでしたね。今回は地元記念なので、1着が取れるときはモノにしていきたいと思っている。前回が終わってからは普通に休んで練習もした。デビューしてから夏の地元記念は初めてなので違和感はあるけど、いいメンバーがそろいましたね。5月の全プロ記念にも出られなかったから、今回はしっかりと頑張りたいですね」
 サマーナイトフェスティバルでは優出ならずの郡司浩平だが、最終日は逃げ切りで1着。
 「条件は一緒だけど、(中3日で)さすがに疲れがありますね。ナイターで体調管理も思うようにできない。このあと少し時間ができるので、今回が踏ん張りどころだと思います。中3日でとくに変えるようなところもなく、記念も気が抜けないし、これで次につながるように」

1R

 原田亮太、吉武信太朗の順番で押さえたところを、志田龍星がちゅうちょせず叩いて打鐘3コーナーで主導権を握る。志田ライン3車が出切り、6番手になった原田が4コーナーから反撃に出る。最終1センターで逃げる志田の番手の小川勇介が、外に振って原田は不発。中団がもつれて、逃げる志田との車間を空けた小川が、きっちりと追い込んだ。
 「周りから志田君は練習ではヤバいぐらい強いと言われていたから、それをレースで出してくれればと。しっかりと動いてくれましたね。ラインで決まってうれしい。原田君が仕掛けて来たのが見えて引きつけてと。行かれることはないなと思った。佐世保記念は相性のいい大会。リズムを崩していたから、ここら辺から戻していきたい」
 ケレン味のない仕掛けでラインを上位独占に導いた志田龍星が、2着に粘り込んで初の記念シリーズで幸先のいいスタートを切った。
 「朝早いので、いつもより多めにアップした。プレッシャーもありましたね。地元地区の選手が付くのが一番緊張した。朝イチのレースだったから良くはないですね。初めて佐世保を走ったけど、先行しやすい。脚の方は問題ないです」

2R

 赤板1センターで先頭に立った酒井雄多が、ペースを握る。2コーナー手前から門田凌が仕掛けるが、酒井が突っ張り主導権を渡さない。久米良が3番手に割り込んで、中川貴徳が続く。浮いた門田が5番手に入り、最終ホームを通過する。7番手に置かれた横関裕樹は前が遠く、5番手の門田も3コーナーから再度踏み上げるが一息。脚をためた久米が3番手から伸びた。
 「(酒井に)突っ張られることも想定していたので、その時は自分が3、4番手をキメて門田君を迎え入れようと思っていた。そしたら門田君が下がってしまって、自分もバックは踏めないし申し訳なかった。(3番手に入って最終)バックで誰も来る気配がなかったんで、外を踏んだ方が確実かなと。道中も(脚を)削られる感じがなかったんでいいかなと思います」
 酒井の積極策を利した東龍之介は、酒井が7着に沈んでは手放しでは喜べない。
 「(酒井は)めちゃくちゃ気合が入っていたし、ジャンのところで結構、いいピッチだった。(門田が)やめてくれたんだ、あとは自分がどうにかと思った。ただ、(久米が後ろに)入ってたのもわかったんで、あんまり振れないなと。体調面は問題ないけど、もうちょっとなにかできたかなっていうのがあります」

3R

 赤板2コーナー過ぎに出た吉田昌司が主導権。不破将登が飛び付いて田中勇二と併走。前受けから7番手になった平尾一晃は、打鐘4コーナーで反撃に出る。平尾、佐方良行で出切り、野村典嗣は続けない。岡田泰地が3番手に切り替えて、追い込み勝負で佐方に踏み勝った。
 「平尾君のダッシュが良かった。外々を回られたから、もっていくにも後ろもごちゃついていたし、いきすぎてシャクられるのも嫌だった。技量不足で平尾君に行かれた。でも、今日(初日)は自分が思っていた以上に伸びた気がする。最近は展開が良いだけで、乗った感覚はしっくりきていない」
 最終2センター辺りから平尾のスピードが鈍りだし、後続が迫ってくる。番手の佐方良行はギリギリまで引きつけて追い込んだ。
 「ダッシュの部分は付いていけたけど、道中で久々のレースだったこともあり、相手の動きをちゃんと把握できなかった。直線での伸びもまったくなかった。2着なのは悔しいですね。感覚が良くなればスピードも上がってくれると思う」

4R

選手の写真です。
川口公太朗選手
 押さえて出た久島尚樹ラインに、伊藤裕貴が続いて4番手。蕗澤鴻太郎は前受けからサッと引いて7番手で反撃のタイミングをうかがう。しかしながら、伊藤が、蕗澤を警戒して前との車間を空ける。打鐘を通過しても蕗澤は動けず、そのまま久島が最終ホーム目がけてペースを上げて先行策。4番手の伊藤が2コーナーまくりで前団をとらえる。危なげなく続いた川口公太朗(写真)が差し脚を伸ばして1着。
 「本当に(伊藤)裕貴がいいレースをしてくれた。それだけですね。(7番手の蕗澤の)気配をみながらでした。裕貴につっかかりそうになって脚がいっぱいでした。自分の体的にはそんなに悪くないけど、新車なのでセッティングをいじらないとヤバいかなと。初めてのレースで踏んだ感じもわかったんで、(自転車を)調整してみます」
 後方に置かれた蕗澤鴻太郎は、まくった伊藤ラインを追いかけて最終3コーナーからまくり追い込んだ。
 「(前受けから)全引きして、ジャンで叩くはずだった。けど、(伊藤に)見られて弱気になりました。(まくりは)どっちにしろあそこで行かないとって。(伊藤ラインの)3番手の人が離れてたんで、そこに入ってスピードをもらいました。脚の感じはいいかなって思うけど、内容がちょっと…」

5R

選手の写真です。
金ヶ江勇気選手
 山本直が切った上を金ヶ江勇気(写真)が押さえて出てペースを落として打鐘を迎える。単騎の小野裕次が、最後方から4番手に切り替える。後方の坂本貴史が仕掛けると、金ヶ江は落ち着いて合わせて踏んで逃げる。いったん中団で止まった坂本は最終1センター過ぎから再度踏み込むが、阪本和也が止める。九州両者のゴール勝負は、8分の1輪差で金ヶ江が押し切った。
 「山田(和巧)さんが3番手に付いてくれたことは大きかった。阪本さんが初めての地元記念なんだよねって言うから、それで気持ちが入った。坂本(貴史)さんが来るのが遅かったので、そのまま駆けた。(ラインの)ワンツースリーで良かった」
 坂本貴のまくりを最終3コーナーでブロックした阪本和也は、わずかに金ヶ江を交わせずの2着。
 「金ヶ江君が行ってくれたから、なんとかしてラインで決めたいなと。金ヶ江君の頑張りのおかげです。脚は余裕があったけど、金ヶ江君が強くて差せなかった。買ってくれていたお客さんには申し訳ないことをしました」

6R

 前受けの三好恵一郎に突っ張られた渡邉雅也は、3番手の伊藤信の外で併走。先頭の三好がペースを緩めたまま、打鐘を通過する。後方の山口敦也も仕掛けず、中団の併走も決着がつかず、三好の主導権で最終周回。2コーナー手前で外の渡邉をさばいた伊藤が、すかさずまくりを打つ。伊藤、村田雅一でまくり切り、3番手以下をちぎって直線。伊藤が村田を振り切った。
 「(1着は)良かったっす。想定していた展開じゃなかったけど、対処できた。三好君もピッチを上げて、(渡邉に)切ってくれみたいな感じだった。けど、(渡邉は)外にいて固執している感じもあった。自分は1車分だけ空けば踏めるなっていうのがあった。村田君とワンツーでとりあえずホッとしています。半周ちょっとしか踏んでない。あとは一切踏んでない。スピード域がわからないけど、結果的に出たからいいかなと」
 外の近藤保を弾いて最終1センター過ぎには単独になっていた村田雅一は、伊藤の仕掛けを待ってきっちり続いた。
 「(伊藤)信さんは意外にヨコもできるんですよ(笑)。(三好が)駆けたところを(渡邉に)当たったんで、落ち着いているなって。自分は締められないように気をつけていました。(伊藤の)踏み出しが良かった。自分もピリッとしました」

7R

 打鐘手前で瀬戸栄作が押さえて先頭に立つが、その上を山本伸一が仕掛ける。中近ライン3車で主導権を握り、瀬戸は4番手に引いて最終ホームを通過する。山本がリズム良く駆けるが、車間を詰める勢いでバック手前から瀬戸がまくる。瀬戸を阻んだ笠松信幸が、直線で抜け出した。
 「瀬戸君が結構、踏んでいたから、(山本)伸一も脚を使わされたんだと思う。自分は流れが悪くて、(前回)落車もあったから、気持ちでなんとか立て直そうと思っていた」
 下野義城マークの蓮井祐輝は、下野が外に膨れると最終2センターから内に進路を取る。直線でコースを探して中を強襲した。
 「手応え悪くないですね。コースを見つけながら入っていった。まさか2着までいけるとは思っていなかった。思ったより伸びましたね」

8R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 照井拓成がすんなり3番手に収まり、踏み合いにはならずに山本勝利が先行策に出る。7番手に置かれた片岡迪之は打鐘の3コーナーで仕掛けるが、山本も踏み上げる。最終ホームを通過して片岡は行き切れず中団まで。合わせるように2コーナー手前から照井がまくる。片岡の仕掛けたタイミングを見極めて、後方で脚をためた渡部哲男(写真)は自力に転じてまくりを打つ。まくり切った照井をスピードの違いでのみ込んだ渡部が1着。
 「(片岡は)一列棒状のところをカマしに行って、前が駆けたところともタイミングが合ってしまった。スピードが合ってたんで、(8番手に)付き直させてもらった。気配的に内が空きそうもない感じだったので、瞬時の判断で(外をまくって)いけるところまで行こうと。(距離が)長かった。とりあえず前まで行き切らないとっていうのがありました。(感じは)悪くないですね」
 今シリーズがS級2場所目の照井拓成は、初の記念。9車立てにも慌てることなく好位を確保して、まくりで二次予選に勝ち上がった。
 「(まくりで)行けたのはいけたけど、(もっと)早く仕掛けるタイミングもあったかと思う。そこは次に生かしたい。緊張もあって、そんなに脚がたまっている感じがなかった。いい位置を取れすぎて、逆にソワソワして脚がためられなかった。脚はすごく重かった」

9R

選手の写真です。
野口裕史選手
 野口裕史(写真)が、赤板2コーナー過ぎに押さえて先行態勢を取る。金子哲大が番手で粘り、大森慶一と併走になる。その後ろには宮崎大空が入り、最終ホームを迎える。野口のペース駆けで、番手は2コーナーで外の大森が踏み勝つ。金子は後退して、宮崎も仕掛けられない。野口が二の足で押し切った。
 「スタートは作戦通り後ろからで、金子君も宮崎君の上昇に対して簡単に下げないと思った。そこの動きを見ながら仕掛けようと。でも、宮崎君の予想外の動きにあれって思って考えてしまった。粘らないかなと思ってゆっくりいってしまった。前回の状態よりも良いと思う」
 宮崎を突っ張った金子に粘られた大森慶一だったが、野口の番手を死守して宮崎の追い込みも退けて2着を確保した。
 「半分ぐらいの確率で宮崎君とかが、自分のところにくるのかなと思っていた。野口君に初めて付くから、どういう風に踏み上がるのかわからずドキドキした。けど、ワンツーなのでホッとした。一気に踏み上がらずに独特な踏み上がり方でした」

10R

選手の写真です。
佐藤幸治選手
 強引に押さえて出た真船圭一郎、赤板2コーナーから仕掛けた林大悟に合わせて踏んだ石口慶多の3人で主導権争い。打鐘の2センターで3人が重なるが、最終1コーナーで林が叩き切る。九州3車が出切り、4番手に表原周が切り替える。さらに真船、小林則之がまくりで迫る。が、番手の佐藤幸治(写真)を脅かすまでには至らず。後続をけん制した佐藤が追い込んで1着。
 「結構踏まされたけど、(林)大悟が力で行ってくれた。後ろに(大野悟郎が)いるのを確認して、(別線のまくりを)けん制した。後輩と走る機会があって番手を回れる時はしっかりと立ち回っていかないと。脚の感じは前回よりも全然、踏めています。(佐世保記念は)年に1回の地元の大きな大会なので、勝ち上がっていかないと悔いが残る。(山崎)賢人がいないけど、盛り上げていきたい」
 九州ライン3番手の大野悟郎は、僅差の2着争いを制して佐藤に流れ込んだ。
 「大悟が強かった。合わされそうだったし、待っても良かったけど。そこは大悟の気持ちの強さだと思います。自分は3番手なので内を空けないように。あとは(表原)周か望月(永悟)さんに来られないように。自力のフレームでの追走はかなり脚にくる。でも、もう1枚(ギアを)上げられる余裕もある。調子は悪くない」

11R

選手の写真です。
森田優弥選手
 前受けの晝田宗一郎が西浦仙哉の上昇を阻んで突っ張るが、そのあとに小埜正義が切って出る。打鐘で晝田が3番手に入り、5番手の森田優弥(写真)も動かない。そのまま小埜の先行でレースが流れる。4コーナーで森田が仕掛けて、最終2コーナーで小埜をとらえる。続いた和田圭を振り切った森田が、ロングまくりで1着。
 「初手は前を取らされるか、晝田君が取るだろうと思った。晝田君が前取ってくれれば、その後ろからだった。展開的にラッキーでした。ジャン過ぎにいこうと思ったけど、タイミングが合わずにワンテンポ、ツーテンポ遅れていった。部品を換えて反応が遅れていて、踏んだ感触と進み具合がズレている。元に戻すか考えます」
 森田の踏み出しに一瞬、遅れた和田圭だったが、その後は危なげなく続いた。
 「(最終)ホームはキツかった。(森田が)詰まったところでいった。最後は抜ければ良かったけど、ペースだったし、踏み直しも抜群だった」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 新田祐大、山田庸平の動きを確認した郡司浩平(写真)は、赤板1センター過ぎに俊敏に反応する。切って出た郡司のあとに山田、新田の順番で仕掛けて、打鐘の4コーナーで新田が出切る。山田が3番手に引き切ったところを郡司は見逃さず、最終1コーナーで6番手の郡司が前団に襲い掛かる。山田は合わせられず、バックの直線で守澤太志もブロックできない。逃げる新田をスピードの違いでまくり切った郡司が1着。
 「新田さんが出れば、(周回中の並びは)ああいう風になるかなと。想定しやすい並びだった。新田さんが引き切ったので、(山田)庸平さんに切られる前にと。そのあとは庸平さんの上を新田さんが行った時に、庸平さんがどれくらい先行意欲があるのかを探りながらでした。庸平さんは結構、すんなり出させた感じだったので、自分は苦しい6番手でした。あとは落ち着いて新田さんが掛かり切る前にと。(山田が3番手に入って)態勢が整ったくらいで、僕は行く準備ができていた。そこで反応できたのが良かった。(前回は)調子が上がり切らなかった。調整ミスといえば調整ミス。それで今回の方がいいです」
 郡司の勝負どころでの反応をたたえる和田健太郎が、汗をぬぐい振り返る。
 「(郡司が)1回しっかりと切ってペースをつくっての流れだった。誰が先行してもおかしくなかったし、(展開は)想定の範囲内だった。(郡司と)人気にもなってたし、抜けないのはしょうがないにしても、離れることだけはないようにと。郡司はあそこで行くのはさすがですね。(自分の感触は)それなりだと思います」
 周回中8番手だった杉森輝大は、一度は押さえてレースを動かすも、結局8番手に陥る。南関勢を追いかけての3着を反省する。
 「新田君があんなに早めに来ると思わなくて、難しいレース展開になってしまった。そのあとは(8番手になって)郡司君が仕掛けるのもわかったので、冷静には走れている。でも、組み立てがもうひとつですね。脚の感じは悪くないと思います」

6R

選手の写真です。
伊藤信選手
 赤板1コーナーで北日本勢が先頭に立つと、伊藤信(写真)、杉森輝大ラインもそれぞれ切り替えて、林大悟は7番手まで下げる。林が打鐘手前から仕掛けて、照井拓成も合わせる。伊藤は北日本勢との車間を空けていたものの、林は空いた3番手に入ることなくそのまま叩いて出る。九州勢が出切るが、そこに続いた伊藤がさらに踏み上げる。まくり切った伊藤に杉森が襲い掛かるも、伊藤が振り切った。
 「良かった、最後(杉森に)差されたかと。(仕掛けてきた林は3番手には)入らないと思ってた。僕は空けてたし、余裕をもってた。すかさず(九州勢を)目がけて(まくりに)行けているし、行き切ってるんでね。ただ、昨日(初日)より湿度があって、今日の方が重たかった。自分の思ってる感じよりもいいのかと」
 最終ホームで8番手に陥った杉森輝大だったが、まくった伊藤ラインを追いかけて最終4コーナーから伸びた。
 「林君が全引きしたのが想定外で自分のタイミングが微妙にズレた。踏んだ感じは良かったので、最後は突き抜けられれば良かった。もう一声欲しいですね。日に日に良くなっているんで、引き続き(セッティングを)微調整していきたい」

7R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 前受けの野口裕史が、宮崎大空の上昇を阻んで突っ張り主導権を渡さない。宮崎は今度は番手の和田健太郎(写真)の外で止まり、野口後位が併走になって打鐘を迎える。野口が逃げるが、隊列が短くなり4コーナーから晝田宗一郎が仕掛ける。中四国ラインが最終2コーナーで出切り、野口の余力を見極めた和田が4番手に切り替える。久米良に絶好の展開も、4コーナーで外に持ち出した和田が突き抜けた。
 「宮崎君をもっと早くさばきたかったけど、野口君もペースで駆けていたし、スピードが上がっていないところでさばいてもまた戻ってくる。だから宮崎君がさばきにきた時に一気に仕留めようと。それがあのタイミングだった。もう少し(宮崎が簡単に)来られないような動きもできたと思うし、反省点もある。乗っている感覚は悪くない」
 晝田がカマシ気味にまくって四国勢が続く。別線との間合いを計り追い込んだ久米良だったが、和田との直線勝負は2着。
 「晝田君が抜群のタイミングで仕掛けてくれたから、(ラインで)ワンツースリーまでいけると思ったんですけど。和田さんの脚力が抜けてましたね。晝田君を4着にしてしまったのは想定外。車間を空ける技量もなかった。初日と変わらずリラックスして走れてすごく良いんじゃないかと思う。ただ、レース中の余裕が欲しい、気持ちの余裕ですね」

8R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 赤板1コーナーで押さえて出た志田龍星がペースを握るが、中川誠一郎(写真)との併走から真船圭一郎が打鐘手前で出て主導権を握る。志田ラインから4番手に切り替えた佐藤壮は、最終ホーム手前からさらにインを進出。佐藤が先頭に立つが、そこを志田がまくる。岐阜コンビを追った中川は、最終2コーナーでエンジンに点火して襲い掛かる。別次元の加速力で志田を沈めた中川が、九州ラインでの上位独占をメイク。自身が1月に出したバンクレコードを塗り替える10秒6の上がりタイムを出した。
 「志田君が仕掛けてくれたんで、(タイムが)出る展開ではありましたね。打鐘で(仕掛けて)行こうかと思ったけど、5番(佐藤)が探りながら入っていって一番前までいった。行けたんですけど、そこを見た分ですね。志田君があそこを焦っていってくれたんで(流れが)向きました。志田君とは初対戦でどんだけの力量かわからなくて、それだけが不安でした」
 最終3コーナー付近から中川の加速力に車間が空いた佐方良行だったが、2車身差の2着にホッと一息つく。
 「(中川は)バイク誘導ですね。志田君のところをなめ込んだ時に(中川が)さらに加速していった。(最終)バックからまたガンガン上がっていった。自分は踏み出しも良くて、道中もそこそこ良くなった。(復帰場所なので)もうひと踏ん張りのところは、もうちょっとしてからだと思います」

9R

選手の写真です。
山田庸平選手
 坂本貴史が金ヶ江勇気にフタをするように様子をうかがうと、3番手の内にいた金ヶ江は、赤板の1センター過ぎに坂本を弾くようにしてこじ開けて仕掛ける。しかしながら、後続がもつれて坂本、山田庸平(写真)で続く。山田庸は打鐘2センターで坂本をすくい番手を奪い返す。坂本が3番手に入り、和田圭、田村真広。連結を外した佐藤幸治は6番手で最終ホームを通過する。バック手前から佐藤がまくるが、前までは届かない。逃げる金ヶ江との車間を空けた山田庸が、外の坂本、内を伸びた和田圭との踏み合いを制して1着。
 「(金ヶ江が仕掛けたところで)付いていかなくちゃいけなかったが、挟まれて危なかった。それで追い上げた方がいいと。内、外、見ながら追い上げて取り切ろうと。そのあとは坂本君も脚を使っていたから、まくりには来ないだろうと。(金ヶ江が)ゴール前はタレてきたから踏ませてもらった」
 最終ホーム手前で坂本を3番手に迎え入れた和田圭は、坂本が外を踏むと冷静に中のコースを追い込んだ。
 「(金ヶ江の仕掛けに坂本が反応した時に)自分の対応が遅れて山田(庸)君に入られた。最後はいいコースをいけたけど、山田(庸)君が強かったし、自分が弱かった。自転車をいじって初日より良くなった」

10R

選手の写真です。
森田優弥選手
 山本伸一が中団をキープして、地元の平尾一晃が主導権。一本棒の7番手から赤板2コーナーで仕掛けたかに見えた森田優弥(写真)だったが、結局そのままレースは流れる。最終ホームでもタイミングを逸した森田は、先まくりの山本を目がけて2コーナーから踏み込んで1着。
 「(仕掛けを)すごい迷っちゃって…。遠く感じて、前の動きにビビっちゃった。(内容が)良くないですね。山本さんが先に行ったところを自分が目がけて行った感じです。人任せになってしまった。脚の感じはいいです。だけど、自分の気持ちが弱かった」
 森田ラインの守澤太志、望月永悟にとっては厳しい流れ。森田のまくりに車間が空いた守澤は、直線で差を詰めるも半車輪及ばす。
 「僕が知っている森田君じゃなかったですね。中途半端に踏んでやめて、ふんでやめてっていう感じだった。あれだと(3番手に付いてくれた)望月さんがかわいそうだった。自分もまったく対応できず、(森田が)まくりに行く前に脚が売り切れてました。あおりもあって、(最終3コーナーで)危なかったんで遠回りをした。その分、届かなかった。自分から売れてたんで申し訳ないですね。きっちり差さないと」

11R

選手の写真です。
瀬戸栄作選手
 愛媛コンビが主導権を握り、地元の瀬戸栄作(写真)が3番手をキープする。内で包まれていた新田祐大だったが、佐藤龍二が1車下げて5番手で打鐘を通過する。連結が外れていた武藤龍生が外を追い上げて、新田後位は佐藤と武藤で併走。先行態勢の門田凌が、最終ホーム手前からペースを上げて風を切る。3番手の瀬戸は車間を詰める勢いで2コーナー手前からまくって、渡部哲男のけん制を乗り越える。その上をまくった新田は行き切れず、瀬戸が白星をつかみ取った。
 「初手の位置は想定外で、どうしようかと思った。順番通りなら後手を踏むから、1回切ってそれで後手踏むようなら仕方ないと。でも、それが結果的に良かった。ジャンで3番手の位置になった時に新田さんが後ろにいるのはわかった。それでジャンで仕掛けようと思ったけど、やめて落ち着いた。まさか1着でクリアできると思っていなかった。ここに向けてしっかりと練習できたんで、あとは気持ちだけだと。その気持ちもしっかりといけている」
 瀬戸のまくりを止め切れなかった渡部哲男だが、スイッチして外の新田を弾いて2着を確保した。
 「門田君の掛かりが良くて(最終)バックを乗り切れば、なんとかなると。けど、(瀬戸に)真後ろから来られて対処しきれなかった。すぐに切り替えてさばいたりもできたんで良かったと思う。いろいろとやったのが、いい方向に向いてくれたのかな」

12R

選手の写真です。
井上昌己選手
 押さえに来た不破将登を先行態勢の蕗澤鴻太郎が突っ張り、赤板2コーナーから両者の踏み合い。6番手の郡司浩平は冷静にタイミングをうかがい、不破が3番手に引いて隊列が整った打鐘2センターから反撃に出る。スピードの違いであっさり前団をとらえた郡司に井上昌己(写真)、小川勇介まで出切るが、4番手で岡田泰地と黒田淳の併走。地元の井上が好展開をモノにして、郡司を交わした。
 「郡司サマサマです。(11レースで同県の瀬戸栄作が)大金星を挙げていたので、自分も気合が入りました。郡司君はもうちょっとためたかっただろうけど、無理やり(仕掛けて)行ってくれた。(出切ってからは)もう決まったなと。あとは自分が抜くか、抜けないかだと。今日(2日目)は抜けたっす。郡司君を抜けているんで、(自分の調子が)悪いっていったら怒られそう。(脚は)いいです。あとは(セッティングを)もうちょっと微調整します」
 4車のラインができあがった郡司浩平は、ライン重視の力勝負で井上とワンツー。
 「(ラインが)4車ですし、前から立て直して行けばと。そしたら思ったより流れが向いた。いいところで仕掛けられたと思います。前が駆け出す前にいけたかなと。あとはトップスピードに乗せての勝負だと。踏み出した感じは良かった。出切ってからフカしすぎて、最後は余裕がなかった。でも、差されたのは(井上)昌己さんですし、脚がありますからね」

10R

選手の写真です。
守澤太志選手
選手の写真です。
中川誠一郎選手
 伊藤信が切った上を坂本貴史が押さえて出て先行を態勢をとる。しかしながら、中川誠一郎の巻き返しも早く、打鐘手前から踏み込んで加速する。合わせる坂本を最終1コーナーで中川が叩き切る。守澤太志(写真)がけん制するが九州3車が出切り、続いた伊藤信は2コーナーでまくり上げる。伊藤が好スピードで中川に迫り、近畿勢に切り替えた守澤が外に持ち出して直線を迎える。守澤が計ったように前団をまとめて交わした。
 「(九州勢は)みんな自力があるラインなんで、すんなり(出させる)とっていうのがあった。なんとかと思ったけど、僕の技量不足。1車でもと思ったけど、さばけなくて申し訳なかった。(坂本)貴史が踏んだ分、中川さんもスピードが落ちただろうし。自分はうまくまくったラインに。あそこをいかないと、3着までには入れないと思ったので気合だけでした。自分が思ってたよりも伸びました」
 九州ラインを追うように反応した伊藤信は、そこをさらにまくり上げて2着で通算3度目のGIII決勝に進んだ。
 「予想していた展開ではなかったけど、結果的に僕の展開になったんで良かった。(最終)ホームくらいで仕掛けなきゃって思ってたんですけど、(坂本と中川で)モガき合ってた分、いいところでタイミングが来た。横に並んだところで(中川)誠一郎さんの踏み直しがすごかった。けど、最後の下りで勝てました。(19年の川崎以来のGIII優出で)その時よりもいまの方が脚が上がっている。結果がついてきたんでうれしい」
 積極策の腹づもりだった中川誠一郎(写真)は、坂本を力でねじ伏せて3着に粘り込んだ。3日目にバンクレコードを塗り替えた脚力をここでも見せたが、ラインから1人だけの優出に複雑な面持ちで振り返る。
 「地元のサトコウ(佐藤幸治)の前を自分で回ったので、形だけはつくりたかった。ただ、貴史があんなに抵抗するとは思わなかった。あそこなら出させてくれるかと。(伊藤)信が来るのもわかったんで、そこだけ合わせればサトコウも(決勝に)乗れるかなと。結果、僕だけ乗ってしまって、サトコウが気をつかってくれたのもあると思うし申し訳ない。(守澤には)サラ脚で回られたら厳しい。自分(の感じ)はそんなに悪くない」

11R

選手の写真です。
山田庸平選手
選手の写真です。
井上昌己選手
 赤板1センターから踏み込んで主導権を取りにいく志田龍星に合わせて、山田庸平(写真)が俊敏に反応して動く。中部コンビを受けた山田が打鐘で3番手を確保してレースが流れる。6番手の杉森輝大、8番手の晝田宗一郎は動けず、志田の先行で最終周回。タイミングを取った山田が2コーナーまくり楽に前団をとらえて押し切った。
 「後方まで下げて力で先行するとか、迷うところはあった。けど、一瞬の隙をついて3番手を取れた。わりと自転車の進みが良かった。バンクの特性で(直線が)短いから押し切れた。アップの時は良くなかったけど、顔見せとレースが始まると軽く感じた。疲れが少しずつ取れてきたのかなと思う」
 危なげなく山田に続いた井上昌己(写真)だが、交わせずの2着。地元で決勝進出を果たしたものの、トーンは上がらない。
 「ためがない感じですね、(山田を)抜けなかったっす。スタートの並びは想定外だったが、相手のラインにも隙があった。そこをうまいところで(山田が)動いてくれた。山田君は最後、うまい感じで踏み直していた。彼の脚が上がっているのか、俺が弱っているのか。昨日(2日目)が一番感じ良かった。今日は力んでいました」
 九州勢のまくりを追いかけた杉森輝大は、直線で山田と井上の間を伸びた。
 「山田君より先にと思っていたけど、ジャン前の彼の動きがすかさず過ぎて対応できなかった。車間を空けて思い切り詰めていこうと思っていたけど、掛かりも良かった。内が空きそうだったから、あそこを踏んだ」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
和田健太郎選手
 周回中の並びで4番手を手に入れた郡司浩平(写真)は、赤板過ぎに先に切って出て森田優弥ラインを受ける。後方になった九州勢の動きはなく、先行態勢の森田が腹を固めてペースを上げて最終ホームを迎える。4番手すんなりの郡司は、2コーナー手前で踏み出して楽に前団を仕留める。ラインでの上位独占をメイクした郡司が完勝。
 「(スタートで)九州勢が前に出たんで、それだったら中団からと。そのあともまずは中団を確保して、あとは(後方になった九州勢が)カマしてくるのかどうかの判断でした。(まくりは)自分のタイミングで行ったので乗り越えられた。(武藤龍生のブロックが)来るのはわかってたし、直線だったので外を行ってしっかり乗り越えられるようにと。現状だとこれがマックスですね。ここにきて疲れが出ちゃってるけど、あと1走(決勝)なんで頑張ります」
 郡司マークから直線で猛追の和田健太郎(写真)は、郡司への揺るぎない信頼でこう振り返る。
 「自分は離れないようにと思ってました。あれは郡司の真骨頂ですし、どこまでいっても抜けない。(先行している)森田には悪いけど、あの展開(4番手すんなり)で郡司がまくれないっていうのはないなと。それくらいの力差がある。(郡司の上がりタイムが10.9で)僕の持ちタイムは超えてますね。(ゴール前は郡司に並んで)形にはなったけど、抜ける気はしなかった」
 南関勢の3番手に付けた和田圭は、武藤龍生のけん制にあうもスピード差は歴然。ソツなく流れ込んで決勝につなげた。
 「郡司が力勝負っていう感じだったので、ある程度、想定できるレースだった。それで自分も対応できました。武藤のところを乗り越えてホッとした。最後も余裕があったんで、外を踏もうかとも思った。けど、誰か来たら嫌だから、内を締めながらでした。疲れてはいるけど、ここにきているメンバーはみんな同じような日程ですからね」