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85#
決勝戦レポート
山田久徳(京都・93期)
デビュー10年で記念初優勝
村上義弘、山本伸一、窓場千加頼。京都の仲間の手で宙に舞った山田久徳が、照れくさそうに笑った。
「記念優勝はS級に上がってからの目標だったんで、すごくうれしい」
08年のデビューから10年、4度目の記念ファイナルで山田が優勝をつかんだ。
「(レースを)1回動かしてからと思っていた。ただ、あそこで遅れるクセがある。競輪祭からそれが多かったんで、集中してしっかり踏みました」
後方から押し上げた山田は、赤板の2コーナーで外併走から仕掛けた坂本貴史に合わせて踏み込み4番手をキープ。準決では踏み遅れて後方に置かれていただけに、打鐘手前の勝負どころで神経を研ぎ澄ました。
「風も強かったし、しっかり中団を取れたらチャンスがあるかなと。ただ、青森記念とかでも成田(和也)さんにキツいブロックを受けていたんで、注意して(まくって)行った」
山田のまくりが最終バックの直線で成田を越えると、後ろで成田と椎木尾拓哉でからむ。逃げる坂本貴史をとらえた山田に、セーフティーリードが生まれた。
「3コーナーくらいですかね、まくり切ってから後ろの気配がなかった。4コーナーで誰か詰めてきた気配があったんで、もう誰も来ないでくれって(笑)」
強襲する地元の井上昌己を半車身抑えたところがゴールだった。9月の青森記念の落車で鎖骨骨折の大怪我に見舞われてから、復帰3場所目での優勝だった。
「正直、(今シリーズは)優勝できるとは思ってなかった。ただ、しっかり自分のレースをしてたら、もしかしてっていうのはあった。それは練習をしている時にも(村上)博幸さんに言われていた」
デビュー3年目の10年にGI初出場。徹底先行のスタイルで近畿地区に多大な貢献をしてきた山田も、今年で30歳を迎えた。そのスタイルは徐々に変化を見せ、一介の先行選手とは違うオールラウンダーとしての道を歩みだしている。
「古性(優作)とかがポンポン(記念を)獲っていて、同じような戦法になってきた自分も負けられないっていうのがあった。これからはGIの決勝に乗りたいし、GIで活躍できるように」
近畿を支えてきた苦労人がつかんだ記念初V。表彰式から引き揚げて来た山田に、選手の誰もが祝福の声をかける。
「記念優勝はS級に上がってからの目標だったんで、すごくうれしい」
08年のデビューから10年、4度目の記念ファイナルで山田が優勝をつかんだ。
「(レースを)1回動かしてからと思っていた。ただ、あそこで遅れるクセがある。競輪祭からそれが多かったんで、集中してしっかり踏みました」
後方から押し上げた山田は、赤板の2コーナーで外併走から仕掛けた坂本貴史に合わせて踏み込み4番手をキープ。準決では踏み遅れて後方に置かれていただけに、打鐘手前の勝負どころで神経を研ぎ澄ました。
「風も強かったし、しっかり中団を取れたらチャンスがあるかなと。ただ、青森記念とかでも成田(和也)さんにキツいブロックを受けていたんで、注意して(まくって)行った」
山田のまくりが最終バックの直線で成田を越えると、後ろで成田と椎木尾拓哉でからむ。逃げる坂本貴史をとらえた山田に、セーフティーリードが生まれた。
「3コーナーくらいですかね、まくり切ってから後ろの気配がなかった。4コーナーで誰か詰めてきた気配があったんで、もう誰も来ないでくれって(笑)」
強襲する地元の井上昌己を半車身抑えたところがゴールだった。9月の青森記念の落車で鎖骨骨折の大怪我に見舞われてから、復帰3場所目での優勝だった。
「正直、(今シリーズは)優勝できるとは思ってなかった。ただ、しっかり自分のレースをしてたら、もしかしてっていうのはあった。それは練習をしている時にも(村上)博幸さんに言われていた」
デビュー3年目の10年にGI初出場。徹底先行のスタイルで近畿地区に多大な貢献をしてきた山田も、今年で30歳を迎えた。そのスタイルは徐々に変化を見せ、一介の先行選手とは違うオールラウンダーとしての道を歩みだしている。
「古性(優作)とかがポンポン(記念を)獲っていて、同じような戦法になってきた自分も負けられないっていうのがあった。これからはGIの決勝に乗りたいし、GIで活躍できるように」
近畿を支えてきた苦労人がつかんだ記念初V。表彰式から引き揚げて来た山田に、選手の誰もが祝福の声をかける。
単騎の吉田敏洋が最後方に置かれて、北津留翼は6番手。が、最終ホームを通過しても、北津留は動けず吉田がインから進出する。地元の井上昌己は切り替えを我慢。北津留の仕掛けを待ってから最終3コーナーで踏み込むも、時すでに遅く2着強襲がいっぱい。
「(吉田)敏洋の後ろがあればアタマまであったかも…。でも、(切り替えないで北津留が)1回仕掛けるまで待った。直線が短かったです」
「(吉田)敏洋の後ろがあればアタマまであったかも…。でも、(切り替えないで北津留が)1回仕掛けるまで待った。直線が短かったです」
「さすがに(単騎の自分の)1車プラスしておけば、(北津留)翼も行くだろうって思った。俺が甘かった…」とは、吉田敏洋。九州勢の仕掛けに期待したものの、北津留が動かず思惑が外れ苦笑い。最終ホームから内を追い上げて、そのまま近畿勢の上をまくったがあおりを受けて3着。
「もうあんなところにいてもしょうがないから。すくってそのタイミングでと思った。そしたら成田さんのブロックが…。怯んだわけじゃないんだけど」
「もうあんなところにいてもしょうがないから。すくってそのタイミングでと思った。そしたら成田さんのブロックが…。怯んだわけじゃないんだけど」
逃げる坂本を利した成田和也だったが、山田を止められず言葉少なに振り返る。
「(展開的に)悪くなかったんですけど。俺の力不足です。もっと技術があれば…」
「(展開的に)悪くなかったんですけど。俺の力不足です。もっと技術があれば…」
最終3コーナーで成田にけん制された椎木尾拓哉は、コースを塞がれズルズル後退して7着。
「ちょっと北津留君の動きがわからなかった。(山田がまくって)自分にもチャンスだったんだけど、成田さんにからまれてしまった」
「ちょっと北津留君の動きがわからなかった。(山田がまくって)自分にもチャンスだったんだけど、成田さんにからまれてしまった」
レース経過
号砲で井上昌己が出て、北津留翼-井上‐園田匠の九州勢が前受け。以下は、坂本貴史-成田和也-和田圭、山田久徳-椎木尾拓哉、吉田敏洋で周回。
青板3角で山田が上昇。赤板で並ばれた北津留は下げ、正攻法の位置に山田となった上を2角で坂本が叩く。打鐘で坂本が先手を奪う一方、山田もすんなり中団を確保し、北津留は6番手。反撃のないのを確認した坂本は最終ホーム手前からスパート。同時に、最後方にいた吉田が内を掬って近畿勢後位に切り替える。2角に入り、山田がまくる。山田は3角で坂本をとらえるが、椎木尾は成田に阻まれて続けず。後続はモツれ、山田がセーフティーリードを保ってゴールした。不発の北津留後位から2センターで内に降りて伸びた井上だったが2着確保がやっと。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 山田 久徳 | 京都 | 93期 | S1 | 12.1 | まくり | ||
2 | 1 | 井上 昌己 | 長崎 | 86期 | S1 | 1/2B | 11.5 | 追込み | |
3 | 5 | 吉田 敏洋 | 愛知 | 85期 | S1 | 1/2W | 11.9 | 捲残 | |
4 | 7 | 園田 匠 | 福岡 | 87期 | S1 | 3/4B | 11.5 | ||
5 | 8 | 北津留 翼 | 福岡 | 90期 | S1 | 1/4W | 11.7 | ||
6 | 2 | 成田 和也 | 福島 | 88期 | S1 | 1B | 12.2 | ||
7 | 9 | 椎木尾 拓哉 | 和歌山 | 93期 | S1 | 1/2B | 12.2 | ||
8 | 4 | 和田 圭 | 宮城 | 92期 | S1 | 3/4B | 12.3 | ||
9 | 6 | 坂本 貴史 | 青森 | 94期 | S1 | 3/4B | 12.6 | H B |