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決勝戦レポート

平原康多(埼玉・87期)

8度目の大宮記念優勝

 「過去、何回獲ったか覚えてない。いまを一生懸命やっているんで」
 西武園の3回を加えると、これが11回目の地元記念V。偉業を更新し続ける平原康多に地元への愛着はあっても、ファンの期待に応える走りはどこの競輪場でも変わらない。
 「本当に毎年、一戦、一戦手を抜いてない。そうやって勝負をして、その結果、年末の大舞台(グランプリ)に立てていれば」
 立川に続いて早くもこれが今年2度目の記念優勝。立川の決勝では連係した鈴木庸之が車体故障で自力に転じてV。今シリーズの決勝は地元の後輩、森田優弥とのタッグだった。
 「森田はレースがうまい方だし、ヨコの動きも上手。“競輪”をしてくれる選手だから、全面的に信頼して付いている」
 その森田が打鐘の2センターからダッシュを利かせて踏み込んで主導権。後位を固めた佐藤慎太郎まで出切って、平原にとっては絶好の流れになった。が、清水裕友がさすがの加速力で襲い掛かってきた。
 「森田はそんなに簡単にいかれるスピードじゃなかった。でも、やっぱり清水は違いましたね。さばいてるヒマがなかった。そこの判断をちょっとでもちゅうちょすると両極端(の結果)になる。それが今回はいい方に出た」
 最終バック過ぎに番手まくりの選択をとった平原が、清水を合わせ切って直線に入る。佐藤が迫ったものの、着差以上に危なげない勝利だった。
 「年末(のグランプリ)でワッキー(脇本雄太)と(ラインを組んで)走って、すごく考えさせられるところがあった。それがいい方に出ているんだと思います。まずは(2月に)全日本選抜があるんで、そこに向けて仕上げていきたい」
 9年連続12回目のグランプリ出場に、これ以上ない21年のスタートを切った平原。その存在感は、衰えるどころか増すばかりだ。

 「今日が一番、感じが良かった」と、振り返った佐藤慎太郎が、平原に続いて2着。半車輪まで詰めたものの優勝は遠かった。
 「平原は(清水)裕友を合わせてからも、だいぶ余裕がある感じだった。俺が抜きにいったのも合わせている感じだったので、あれを抜くっていうのは…」

 森田の仕掛けに俊敏な反応で4番手に追い上げた鈴木庸之は、最終2センターで合志正臣とからんで3着まで。
 「(4番手に)入ってからも余裕もあった。清水が行っちゃうかなと思った。行ってくれればスイッチしてと。前回(立川の決勝)は車体故障で踏み切れなかったんで、(この決勝で)SSの人たちと戦えるのもわかったんで良かった」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で平原康多が誘導員を追うと、佐藤慎太郎、清水裕友が続いて内枠3車が車番通りのスタート。周回は森田優弥-平原-佐藤-清水-合志正臣-岩本俊介-東龍之介-鈴木庸之-河野通孝の並び。
 隊列に動きのないまま残り2周の赤板ホームを通過すると、2コーナーから鈴木が上昇をはじめる。鈴木が打鐘過ぎ3コーナーで先頭に立つと、そこを岩本が叩いて先頭に。清水もこの動きに切り替えようとするが、その動きを制して踏み上げた森田が最終ホームからスパートする。俊敏に切り替えた鈴木が4番手。清水も2コーナーから好回転で前団に迫るが、気づいた平原はこれを張りながら3コーナーから番手まくり。佐藤の追撃を振り切って大会連覇、地元記念8度目の優勝を飾った。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 平原 康多 埼玉 87期 SS 14.4 まくり
2 2 佐藤 慎太郎 福島 78期 SS 1/2W 14.3 マーク
3 7 鈴木 庸之 新潟 92期 S2 1B 14.3 マーク
4 8 河野 通孝 茨城 88期 S2 1/2B 14.2
5 6 合志 正臣 熊本 81期 S2 1/2B 14.4
6 9 岩本 俊介 千葉 94期 S1 1/2B 14.1
7 5  龍之介 神奈川 96期 S1 1B 14.1
8 3 清水 裕友 山口 105期 SS 3/4B 14.8
9 4 森田 優弥 埼玉 113期 S1 D 16.6 H B