KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

おおみや競輪

OMIYA KEIRIN

25#

決勝戦レポート

神山拓弥(栃木・91期)

神山拓弥が直線強襲V

 ラインの絆を重んじる神山拓弥は、栃木両者の間に平原康多が入る並びで、ライン3番手を選択した。そして、最後は平原康多を交わしての優勝。関東の主軸として君臨する平原を交わしたということが、神山にとってなによりも価値のある勝利だった。
 「自分は自力選手あっての追い込み選手だと思っています。平原(康多)さんは自力ですごい選手だから、同県だから(番手を主張する)というのは違うと思う。自分はどうあれ3番手を回ろうと思っていた。平原さんを抜けたってことは、特別でも戦えるってこと。ああいうメンバーで1着を取れたし、練習方法も間違っていないってことだと思う」
 矢野昌彦が果敢に風を切るが、挑戦者の野口裕史が襲いかかり、最終2コーナーで海老根恵太まで出切られてしまう。すぐさま千葉勢の後ろにスイッチした平原は、2センターで車を外に持ち出して追い込む。神山は平原のさらに外を踏み込むと、鋭く伸びて15年名古屋以来、通算4度目の記念優勝を手にした。
 「矢野さんも冷静に判断して駆けてくれたし、ラインのおかげです。(バックでは)振りながらだったけど、(内を)空けたつもりはなかった。(橋本は)自分のところに来ると思って構えてたけど、そこから差し込んで行ってしまいましたね。もうあそこからは(外を)踏むしかなかった。最後はすごい伸びたんで、大宮は相性がいい」
 この優勝で自信を付けたが、あくまでも通過点。その先の舞台に向けて、不断の努力を続けていく。
 「安定した成績を残していけば、G1優勝も見えてくると思う。心の中では(戦い方の)方向性は決まっている。目標がない時は、一番強い先行選手の番手に行ったり、メンバーによっては自力を出す場面もあると思う。ブロックとか、ヨコの動きもまだまだ甘い部分がある。そういうところをテーマにして、努力精進していきたい」

 単騎の志智俊夫は、無理に動くことなく冷静に戦況を見極める。最終バックで8番手に置かれるも、直線で外を強襲して2着に入った。
 「レースが早くから動いて、みんな脚力を消耗すると思っていた。だから、脚を使わないようにと。脚を使わずにはいられたけど、後方になっちゃいましたね。(直線で伸びたが)優勝できれば、良かったけど」
 
 3着入線の橋本強は内側追い抜きで失格。平原康多が3着に繰り上がった。
 「野口が強かったですね。バックでまくるような感じじゃなかった。(橋本にすくわれたが)意識してどうにかなる感じじゃない。あれありきの競輪だし、しょうがない。でも、ゴールまで(結果は)わからないものですね」
 
 持ち前の豪脚で矢野を叩き切った野口裕史だったが、直線で力尽きて結果は6着。
 「(矢野を)突っ張ろうと思ったけど、勢いが良くて行かれてしまった。そこからは、サッと引いて。ただ、前があまり踏んでなかったし、黒田が内にいって焦ってしまいました。海老根さんには、もうワンテンポずらしても良いと言われていたんですけど。海老根さんに迷惑をかけてしまいました」
 
 海老根恵太は、橋本に内をすくわれて万事休す。チャンスがあっただけに唇を噛んだ。
 「自分の力不足ですね。橋本も内にきていたし。(橋本は失格になったが)それでも対処しないといけない。甘さがあったと思う」

  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です

レース経過

 野口裕史-海老根恵太が前受けすると、その3番手は黒田淳、橋本強で併走に。橋本に任せた田中誠、単騎の志智俊夫が5、6番手。矢野昌彦-平原康多-神山拓弥の関東勢が後ろ攻めで周回を重ねる。
 赤板1センターから動いた矢野が2コーナーで誘導員を下ろすと、橋本、さらに単騎の2車もこのラインに乗り換える。下げた野口は打鐘過ぎ4コーナーからの巻き返し。矢野を2コーナーで飲み込むと、すかさず平原が3番手に切り替える。番手絶好の海老根だったが、3コーナー過ぎから内に切り込んだ橋本にすくわれ、その外を回していた平原もあおりで伸びを欠く。平原マークから鋭く伸びた神山が2015年3月の名古屋以来、通算4度目の記念優勝。大外を強襲した志智が2着、橋本が内抜きで失格となり3着には平原が繰り上がった。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 9 神山 拓弥 栃木 91期 S1 14.7 追込み
2 7 志智 俊夫 岐阜 70期 S1 1/2W 14.3 追込み
3 1 平原 康多 埼玉 87期 SS 1/2W 14.8 追込み
4 4 田中  福岡 89期 S1 1B 14.6
5 5 黒田  岡山 97期 S1 1/8W 14.3
6 8 野口 裕史 千葉 111期 S2 1B1/2 15.3 B
7 2 海老根 恵太 千葉 86期 S1 3/4B 15.3
8 6 矢野 昌彦 栃木 91期 S2 D 0 H
3 橋本  愛媛 89期 S1 0