KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

おおみや競輪

OMIYA KEIRIN

25#

検車場レポート

  • 1/17 Wed.  (前検日)
  • 1/18 Thu.  (1日目)
  • 1/19 Fri.  (2日目)
  • 1/20 Sat.  (3日目)

1R

 近況は元気のない松岡篤哉。それでも、試行錯誤を重ねながら復活を模索している。


 「(1月)伊東からフレームを替えたんですけど、良い時があったり、悪い時があったり。体の調子はいいけど、(フレームが)合っていないのかな。でも、このフレームで練習して、感じも良かったので(初日はこのフレームを使用する)。去年の1年間がよくなかったので、今年は、またGIに向けてやっていきたいです」


 根本哲吏は、前回の静岡に引き続いて松岡と対戦する。


 「松岡さんと静岡で走った時は、初日にやっつけた。でも、3日目は逃げ粘られて、自分が3着。お互い楽ではないと思いますよ。今は(冬季移動先の)京王閣で練習をやっています。練習量は減っているけど、それなりにできていると思います。勝ち上がれるように」

2R

 9月伊東で鎖骨を骨折した真船圭一郎は、復帰戦の12月玉野、1月小倉と連続で優出。長期欠場明けの不安を一掃した。


 「昨日、普通に練習をした後に入った追加なので、調整とかはできてないですね。でも、調子はいいと思います。ほぼ毎年フレームを替えていて、今年も今回から新車を持ってきました。500バンクは得意ではないですけど、自力で頑張ります」


 長らく準決勝が壁になっている長尾拳太だが、ほとんどの開催で連対があり調子は悪くなさそう。


 「展開を見ながら早めに動いて、自分でレースを作れるように意識しています。(12月)小松島から使っている新しいフレームが良い感じです。でも、セッティングが出ているわけではないので、出ればもっと良くなりそう。真船さんとは、前回(1月小倉の)準決勝で当たっていて、カマシが強烈でスピードがあるので、気をつけたいです」

3R

選手の写真です。
藤田大輔選手

 片折亮太が地元勢のトップバッターとして登場。近況はリズムに乗れていないが、結果を出して後に控える仲間たちに勢いをつける。


 「地元記念は初めてなんですよ。今まで呼ばれなくて。これが最後になるかもしれないですね(笑)。いつもは街道メインなので、あまり(大宮)バンクには入らないです。(近況はあまり成績がよくないが)状態が悪いとは思っていないし、脚も変わっていないと思う。成績がよくなってきて欲しいと思っているんですけどね。ここまではゆっくりしてきたし、気合いを入れて」


 藤田大輔(写真)はメンバーを見つめ、「1着を取ります」と景気の良い言葉で話し始めた。


 「ここまで久しぶりに間隔が空いて、しっかり練習ができました。感触もよかったですね。大宮はS級で優勝したこともあるし、苦手ではないです。500バンクの方が、戦法的にもチャンスがあると思う。片折君が強いのは知っているので、油断せずに」


 競走得点最上位の存在は小岩大介。しかし、「(中14日だが)インフルエンザにかかってしまって、練習があまりできなかったです。今は治ってから5日たちました。感覚もあまりよくないし、走ってみないことには」と状態面に不安を抱えての検車入りした。


 

4R

 岡崎智哉は、前回の伊東を138着など随所で好走。復調の気配が漂っている。今シリーズは追加での参戦も、問題はなさそうだ。


 「追加の連絡を受けたのは一昨日です。でも、伊東のノリで来れたのでよかった。手応えがあるので、走っておきたかったです。今年はGIを目指してですね。でも、先人達に話を聞くと、出るだけならメンタルがやられるだけ。実際、(補充で)一度走った時(14年寬仁親王牌9、7、8着)はメンタルがやられました(笑)。GIにいったものの、フワッとしたレースで終わると悲しいし、自信を持って走れるようにしたい」


 田中孝彦は、持ち前の攻めるレースで一次予選突破を狙う。


 「戦法のシフトは、いろいろ考えている最中です。目標がいたら、うれしかったですけど。いないなら、前々にいるしかない。引けない流れになれば(番手に飛び付きも考える)。ここまでも、うまく調整できました。500バンクの方がチャンスはあるかな」


 佐藤雅春は、今期からS級に返り咲き。久しぶりの記念開催で存在をアピールするか。


 「S級は3回目だし、まずは定着したいです。A級では何でもやってきたし、あとはそれがS級で出せるか。でも、過去2回のS級よりは脚が付いているし、周りも見られるようになりました。状態的にも上がってきていると思うので、流れの中で勝負できれば。楽しみですね」


 

5R

 不調に喘いでいた小埜正義だが、12月前橋を711着。さらに、前回の松阪でも162着の2連対と、復調に向けて歩みを進めている。


 「良くなってきていると思います。練習もだいぶできるようになってきましたね。腐らずに、一生懸命やっていればいいことがあると思っています。大宮は千葉と同じで好きですね。相手も強力でキツいけど、頑張ります」


 小野俊之は近況一息の成績。ここで流れを変えたいところ。


 「最近はあんまりよくないですね。11月に別府(FI)を走って、12月にまた別府記念を走って。そのあたりから疲れが出て。そのしわ寄せがきています。今回もあまり練習はできなかったですけど、体幹とウエイトはやってきたので。それがうまくかみ合ってくれれば」


 

6R

 桐山敬太郎は12月西武園で優勝を飾るなど完全復活。次の目標に向けて、準備を進める。


 「(5月に地元の平塚で行われるダービーの権利は)西武園の時点で大丈夫です。もう、予選にも慣れてきました。(平塚グランプリシリーズでは準決で和田真久留と連係して6着に終わって)人任せはダメですね。最近はバック数も増えてきました。GIに向けて練習します」


 掛水泰範は前回の小松島で久しぶりの優出。このまま追い風に乗りたいところだが、「腕を痛めてしまった」と状態が気がかり。


 「筋違いみたいな感じですね。状態も前回と比べると悪いと思います。ただ、痛みはあるけど自転車に乗ってしまえば大丈夫。今年は、去年より良くしたいですね。初日も強い人たちが相手なので、(連係する)吉岡(篤志)さんに作戦を聞いて頑張ります」


 

7R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手

 伊早坂駿一(写真)は12月取手で決勝に駒を進めるなど、予選では機動力抜けた存在。舞台は500バンクだが、臆することなく持ち前の先行で勝負する。


 「今回が今年2走目になるんですけど、前回(小松島)は力をしっかり出し切れたので、それをずっと続けていきたいですね。練習もしっかりできているし、500(バンク)も仕掛けやすくて好きなので頑張りたいです」


 佐藤一伸は約1カ月ぶりの実戦となった1月平で、153着と2度の確定板入りを果たした。


 「(昨年はS級)初優勝もできたし、いい一年でした。(前回の1月)平でも初日に1着が取れているので悪くないです。渡辺(正光)君とは、何度かワンツーが決まっているので、今回も何とか予選突破できるように頑張ります」

8R

選手の写真です。
吉田勇人選手

 ホームの吉田勇人(写真)は、3年ぶりに地元記念に参戦。当所に照準を合わせて、抜かりなく仕上げてきた。


 「ここのあっ旋が出たときは、嬉しかったですね。追い込みになってからは、初めて呼ばれます。ここに向けてやってきました。ここまでは、途中でオーバーワークで腰痛が出た時期もありましたけど、ケアもしっかりしたし。仕上がってきたと思います」


 同じくホームの池田勇人は「毎年呼んでもらっているので、頑張りたい。でも、今の成績ではあまり大きいことは言えないので。一つ一つ頑張りたい」と静かに闘志を燃やす。


 「状態は悪くないと思う。あとは、良い流れになってくれれば。ここまでは普通に練習をしてきました。(10月取手での優勝もあったが)まだまだですね。今は若手も出て来て、(戦法に)迷っている部分もある。それが、今の不調の原因になっているのかもしれないですね」


 

9R

選手の写真です。
清水裕友選手

 清水裕友(写真)は今シリーズが今年の初戦。12月は久留米で優勝、小倉で準優勝といい形で2017年を終えただけに、気持ちも新たにここから好スタートを切りたい。


 「気持ちも乗ってきてる感じですね。今は改修中でバンクが使えないので練習は街道とパワーマックス。直前はバンクに入りに広島に行きました。ちょっと変な感じがあって、そこを修正できたので、バンクで乗ってよかったなと思います。(状態に)不安はないです。初日も3車なので積極的に。人気はあまり気にせず、自分のレースをしたい」


 番手の三宅伸も年末の玉野で決勝2着、今年初戦の1月平で2勝を挙げるなど好調だ。


 「12月前橋で落車して肋骨が痛かったけど、野球や陸上ならともかく自転車なんで乗れた。問題ないですね。平も地元に向けてやったことが出た感じだし、体調も崩してない。清水君とは連係がある。踏み出しがいいんで、しっかり付いて行きたい」


 渡邉豪大はこれがS級2戦目。533着に終わった初戦の1月平をこう振り返る。


 「前回走って感じたのは、A級なら1回合わせたらもう来ないけど、S級はずっと外にいられて踏める距離が違った。自分も(踏める)距離を伸ばしていかないと通用しないなと思いました。2日目、3日目は一般戦だったので、A級とそんなに変わらない気がしましたね」

10R

選手の写真です。
桑原大志選手

 平塚グランプリは落車に終わってしまった桑原大志(写真)だが、ここがS班として迎える新年初戦。検車場に到着するなり、慌ただしく自転車の整備をはじめた。


 「前回の落車で(フレームが)廃車になってしまったので、今回から新車です。サイズとかは基本的に一緒なんですけど。S班になってパンツの色が違ったり、人の見る目が変わるだけで、僕自体は変わらない。変わらず(自分の)競輪をするだけ。S班だから結果が出るってほど甘いものではないと思うので。落車もあったので、ここまではガンガンやるってわけでもなくゆっくり乗ってきました」


 桑原に前を任された松岡貴久は和歌山、平塚とFI戦を連覇して昨年を締めくくるなど、着実に調子を戻している。


 「FIは戦えるぐらいには戻ってきた。最近は落車とかもないんで。練習の感じですか? (中川)誠一郎さんならともかく、瓜生(崇智・109期)に合わされるぐらいなんでね(苦笑)。求めてる進み具合と完全に一致してるわけじゃないけど、感覚は悪くないです」


 村上博幸は追加参戦。11月大垣、12月広島に続く記念3連覇がかかるシリーズだ。


 「小倉に行く前もよかったし、帰ってからもしっかり練習して来ました。小倉の決勝が不完全燃焼だったので、ここから気合い入れて走りたい。体も特に痛いところとかはないです」


 稲垣裕之は今年初戦の立川記念で準決勝敗退。それでも落車が続いた昨年後半からは徐々に戻っていると話す。


 「立川も体の感じは悪くなかった。あとはレースの判断とかをもっとしっかりしたい。落車は広島記念のときとかは影響があったけど、立川ではよくなってたし、直前の感じもよかった。もう怪我の影響はないと思う」


 

11R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 三谷竜生は和歌山記念から中2日での参戦。スケジュールはタイトだが、状態の不安はなさそうだ。


 「和歌山の決勝はもったいなかったですね。(まくりに)行くタイミングが難しかったけど、あの位置(3番手)なら決めないといけなかった。体の調子自体は悪くない。大丈夫です」


 今年初戦の岸和田では人気に応えることができず決勝5着に敗れた古性優作。ここは追加参戦となるが、しっかりと修正をしてシリーズに臨む。


 「追加は一昨日の夕方入りました。岸和田がよくなかったんでね。セッティングとか新しい練習が裏目。失敗というか、失敗ではないんですけどダメだった。でも方向性はわかってきました。そこから修正してきたんで、岸和田よりは全然マシだと思います」


 昨年は落車続きだった吉澤純平(写真)だが、9月共同通信社杯からアクシデントはなし。順調に調子を上げている。


 「落車で色々学ぶことはあったけど、やっぱりしないのが一番。最近は落車がないので、上積みというか練習もしっかりできてます。ペダリングや技術的なことを含めて、自分でもいろんなことをやれてると思う。大宮記念は去年も走ってるし、それ以外でも毎年のように走ってる。イメージはいいと思う」


 吉澤の番手を回るのは佐藤慎太郎。そのことを知らされると「粋な番組ですねえ」と笑顔を見せた。


 「けっこう千切れてる人を見るし、千切れないようにしないと。(今年ここまで2本走って)まあまあ。まだ本気は出してないし、ここからですね。ずっと調子自体は悪くないんで、あとは維持するのが。気持ちも含めて、やっぱり波はあるんですよ。今年最初の記念だし、頑張りたいですね」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 地元のエース、平原康多(写真)は最終12Rに登場する。今年は1月立川記念で優勝するなど、幸先のいいスタートを切った。狙うは大会連覇、通算7度目の地元記念優勝だ。


 「(立川記念の決勝は)すげえキツかったです。小川(真太郎)君がフカしたので(車間が)空いたし。浅井(康太)に行かれる前に行かなきゃいけないと思っただけで、優勝できるとは思わなかった。ここまでも日にちがあったのでしっかりやってきた。体調も崩してないです」


 今年4月で50歳を迎える神山雄一郎。輪界のレジェンドと呼ばれることについて「嬉しいんだけど、結果を残して強いと言われたい」と笑って話すが、「だいぶ自転車のセッティングも固まってきた」と新年初戦へ準備は万端。初日は平原マークで健在ぶりをアピールする。


 10月平塚記念を優勝している柴崎淳は昨年後半から復調一途。好メンバーがそろった今シリーズでも存在感を発揮するか。


 「(昨年9月)防府の最終日から感じがよくなってきてた。練習とレースの感覚が違ってたのが、そのあたりから一緒になってきました。それからは1着も増えましたね。そこからさらに上がってきてる感じはします。今年はまずは怪我のないように。それで今より上をキープできればいいと思う」


 11月競輪祭、12月別府記念と落車が続いた橋本強だが、1月岸和田では213着。「落車が続いたけど、1本休んでケアと練習したら脚の感じは戻った。岸和田も踏めてたし」と怪我の影響はない。初日は単騎戦となったが、侮れない1車だ。

1R

 松岡篤哉が、先に斬った稲吉悠大を打鐘の2センターで押さえて先行策。一旦は中団を確保した稲吉だったが、最終ホームからインを進出して3番手に追い上げる。隊列が短くなったところで、根本哲吏が2コーナーからアタック。抜群のスピードで前団に迫ると、坂上樹大のけん制も乗り越えてアタマ。


 「7番手になっても余裕はありました。(最終ホームから)カマシでもいけると思ったけど、後ろもいることなので。出切れているし、1着を取れて良かったです。練習の成果よりも、体のケアの面でバランスが整ったの大きいですね」


 房州輝也は坂上に張られながらも、1車身差の2着をキープした。


 「(根本の踏み出しに)口が空いたところは反省ですね。(坂上のブロックを受けたが)それは見えていました。自力があるので、踏み勝つことはできると。あとは2着に入れるようにと思って。付くタイミングが難しいですね。ちょっとダッシュがいい人だと口が空いてしまう。3番手の人の気持ちもわかって走らないといけないですね。でも、(状態は)よくなってきています」


 稲吉との3番手争いを制した鷲田幸司は、坂上のブロックで空いたインを突いて3着に入る。


 「村上博幸さんに(踏むのが)早かったか聞いたけど、直線に入っていたし、しょうがないと言われました。坂上さんの外も考えたんですけどね…。松岡さんが駆け切っていたら、ラインで決まっていたと思う。松岡さんは、あんなものじゃないので」

2R

選手の写真です。
小橋秀幸選手

 長尾拳太が打鐘の2センターでハナに立つと、前受けから後方に下げた真船圭一郎が、すぐさまカマして最終ホームで主導権。まくってきた佐藤清之を合わせ切ると、最後は小橋秀幸(写真)がチャンスをモノにした。


 「踏み出しで口が空いているし、全部が全部ワンテンポ遅れていますね。ゴール前もやっと抜けた感じです。12月の終わりくらいからこんな感じ。(原因は)よくわからない。走って戻していくしかないですね。でも、付いていって、交わしているのはプラス材料。真船君が素晴らしかった」


 真船圭一郎が粘って2着。勝負所を逃がさず、北日本ワンツーを決めた。


 「初手が後ろなら、押さえてとも思っていました。長尾君が3番手だとキツいと思ったけど、後ろも付いてくれているし(仕掛けた)。(終始追走していた単騎の)6番(栗田貴徳)にお礼を言わないと。追加ですけど、悪い感じはないし、結果も出たので良かった」


 

3R

選手の写真です。
小岩大介選手

 中団から先に切った藤田大輔を片折亮太が打鐘の4コーナーで叩いて前に出る。片折は藤田を警戒しながら一度スローに落として自分のペースに持ち込もうとしたが、そこを山口貴弘が1コーナーから早め巻き返しで飲み込んでしまう。続いた小岩大介(写真)にとっては絶好の展開。モツれる3番手を尻目にゴール前で山口をとらえた。


 「山口さんのおかげですね。(踏み出しは)付いて行けたけど、あれ以上はもう踏めなかった。もっと全開で踏めたらいいけど。前回、落車してフレームは大丈夫だったけど、ハンドルとかがダメになって色々換えてる。(原因はシューズの)サンだと思うのでそこを調整します」


 山口貴弘は1コーナーからのロングまくりで2着に粘った。


 「距離が長かったしキツかった。でもライン3人だったし、あそこでいかないと。出切ってしまえば、あとは藤田君しか来ないから、そこだけ注意すればいいかなって。練習ではあまり良くなかったけど開催の直前からは良くなってきてレースに向けて上向いたかな」


 九州の後ろを固めた近藤修康は安部達也の飛びつきをしのいで3着。ゴール前でも粘る山口を交わすぐらいの勢いだった。


 「(安部に)振られたけど締め込んで、内は気にせず前へ前へと踏んだら付いていけた。最後に伸びたのは自分でもビックリですよ。でも、山口君が構えずにいってくれたからこそ。良かったです」

4R

 佐藤雅春が打鐘で先頭に立つが、すんなり3番手に入った岡崎智哉はすかさず4コーナーから叩いて主導権を握る。まくってきた田中孝彦を完全に合わせ切ると、ゴール直前で番手の伊代野貴照が鋭く追い込み白星スタートを決めた。


 「意外にカントが甘くて(4コーナーで田中をけん制したときに)膨れました。また来たので僕も仕事しないと、と思って。このメンバーなら岡崎君は何をしても勝てる力を持っているので、僕がやる事はなかったですね」


 レースの主導権を握った岡崎智哉だが、2着の結果には不満げな表情。


 「(2名が当日欠場して)7車立てだったし、みんなが見ているレースなので、あれでいかれたらダサいですからね。身体は勝手に動いているし、悪くないです。ただ、前回(1月伊東)が333(バンク)で、500バンクと違いがあったのでチェーンで対応します。このレースで2着まで落ちてたらキツイですね」


 

5R

 小川祐司に蓋をした藤井栄二が、打鐘の2センターで飛び出して先行策に出た。番手の佐野梅一は、車間を切って別線の反撃に備える。中団からまくり追い込んできた小埜正義に合わせて前に踏み、白星を手にした。


 「藤井君が作戦通りに走ってくれました。ホームは軽かったし、いい感じでカカっていましたね。でも、小埜君が中団にいたし。あそこからまくりに来られたらヤバいと思って、最後は踏ませてもらいました。余裕を持って走れているし、勝てて良かった。今年は400勝を達成できるように頑張りたい」


 合わせて踏まれた小埜正義は、北川紋部に絡まれながらも2着。しかし、ラインから唯一の勝ち上がりとなって、レース後は反省を交えて振り返った。


 「前受けの作戦はなくて。中団か後ろ攻めでと思っていました。残り一周で中団には入れたけど、脚もたまっていなくて。カカっているところを無理やりいった感じなので、車が出なかったですね。こんなに苦しかったのは久々かもしれない。師匠(宮倉勇)にも任されて、3番手も地元の選手(齋藤和伸)だったのに情けないですね」


 小埜を張りながら踏んだ北川紋部が、3着に入線した。


 「内を締めて回るのがきつかったですね。小埜君に当たってゴール前勝負と思ったけど伸びなかった。でも、3着ですけど(小埜に当たりにいったのは)正解だったと思う」


 

6R

 小泉俊也が、突っ張り気味に踏んだ桐山敬太郎を打鐘の2センターで強引に押さえる。すると、掛水泰範が反撃に出て、最終1センターで主導権を奪った。桐山は、すぐさま3番手に追い上げると、2センターからまくり追い込んで1着。


 「掛水君がホームでくるのはわかっていました。(立ち遅れた北日本の)3番手(小松剛之)を入れるか、そのまま踏むか迷いましたね。まあ、500バンクだし、冷静にと。あとは追いついたところでいけるか、いけないか。ちょっと大事にいってしまいましたね。バックでいったら、3人で決まったと思うけど、掛水君がカカっていたので。病み上がりだったけど、1着が取れてホっとしています」


 逃げた掛水泰範は、ゴール寸前で桐山に交わされて2着。


 「前がモガき合って、カマしごろになったので。展開が向いただけです。車の出はよかったけど、桐山さんに負けているので。でも、500バンクだし、粘れてよかったですね。(痛めた右)腕はまだ痛いけど、走れているので支障はないです」


 川口直人は、桐山の仕掛けを追って3着に入る。レース後は同県の後輩を称賛した。


 「桐山君が強いのは知っているので。しっかり付いていかないとと思っていました。桐山君は落ち着いていましたね。すぐにスイッチしたり、追い上げてからも後ろを見たり。ワンツーならよかったですね」


 

7R

選手の写真です。
志村太賀選手

 打鐘で佐藤一伸、さらに大川龍二が斬った上を、伊早坂駿一が叩いて最終ホーム前から先頭に立つ。中団で口が空いた大川は最終4コーナーでようやく追いついたが伸び切れず、佐藤のまくりも西田雅志のけん制で不発に終わる。伊早坂マークの志村太賀(写真)が絶好展開をモノにした。


 「伊早坂君は最終バックの掛かりが凄かったが、3コーナー過ぎにはタレてきていた。それでも4コーナーでも別線は来ていないし、直線勝負みたいな形になると仕事をするのが難しいですね。とりあえずヨコに振ってと思いました。彼が4着に残ってくれてよかった。僕は脚に余裕もあったし、感じはいいですよ。」


 志村に続いて2着の大澤雄大は、地元記念で勝ち上がりを決めて安どの表情。


 「緊張した~。久々にいい展開でしたね。大宮記念は良くないことの方が多くて、勝ち上がれて良かった。前のおかげですね。恵まれて良かったです」


 4着に沈んだ伊早坂駿一は末の粘りを欠いた要因を分析しながら、二次予選に向けて修正を誓う。


 「脚は軽かったし、(あの距離でも)いけると思ったのですが…。やっぱり長かったですね。もうワンテンポ遅らせてもよかったかもしれない。スカスカする感じもするし、2日目はギアを1枚上げるかもしれない」

8R

選手の写真です。
池田勇人選手

 打鐘過ぎに西本直大が先頭に立ち、続いた田中勇二が池田勇人(写真)を締め込んで中団を狙うが、池田は下げるどころか内をそのまま進入して西本の番手へ。最終2コーナーで番手を奪うと、直線鋭く抜け出した。


 「締めて来たのが単騎の選手だと思ってたので譲れないと思ったけど、よく考えたら田中だったんですね。地元の運も使って、結果オーライ。全部よかったです。予選じゃ負けられないし、自分にプレッシャーを与えて緊張させてた。(1月小倉の9欠着は忘れて)とりあえず気持ちよく新年を迎えられました」


 2着に続いた吉田勇人は、苦笑いでレースを振り返る。


 「引くはずだったんですけどね。言ってた展開と違うんで、内に詰まると思ってヒヤヒヤしてました。空いてよかった。道中はどうなるかと思ったけど、結果オーライですね」


 外に浮いた田中勇二の後ろから直線中を割った飯田裕次は、何とか4着に突っ込んで二次予選進出を決めた。


 「しのぎましたね。田中君は(池田が)内にいったとき叩くチャンスはあったけど。僕は問題ない。500(バンク)はやっぱりいい。最後まで勝負できるので」


 

9R

 清水裕友が豪快な一撃で人気に応えた。前受けから7番手に引いた清水は、別線に警戒されながら最終ホームを通過。しかし、先頭の渡邉豪大がペースを上げずにいると、1センターから一気の反撃。あっと言う間に前団を抜き去る。後続を5車身千切って圧勝した。 


 「実質2分戦みたいなものだし、中団で粘ってもしかたないと思って。でも、(押さえられてから)引くまでに時間がかかってしまいましたね。ダッシュがないので、流されるのはあまり好きではないです。タイミングが悪かったと思うけど、駆ける前にいかないといけないと思って。普段はオッズを見ないんですけど、(圧倒的な支持を集めて)緊張しました。去年の暮れからずっと体調が良いし、年が明けても大丈夫そうです」


 清水の仕掛けに口が空いた三宅伸は懸命に前を追うも、渡邉豪大を乗り越えられず。さらに、高木隆弘と接触し、2センターで落車するアクシデントが発生。結局、逃げた渡邉が2着に残った。


 「2車だし、ヨコが怖くないなら番手勝負してもいいかなと、後ろの高木さんと話をしていました。先行にこだわっているわけではないし、何でもできるようになりたいので。でも、流しすぎましたね。清水君のスピードが良すぎたし、甘すぎました。もっと脚力を付けないとですね」


 

10R

選手の写真です。
村上博幸選手

 打鐘で前に出た菅田壱道を、稲垣裕之が押さえる。別線からの巻き返しはなく、徐々にピッチを上げて先行態勢へ。4番手に菅田、7番手に松岡貴久で最終ホーム、バックと一本棒。番手絶好となった村上博幸(写真)は、落ち着いて別線の動きを確認すると、直線で追い込んだ。


 「どういう展開になっても、稲垣さんを信頼しているので。だいぶ落ち着いてタイミングを待っていました。ただ、あそこまで待つのは勇気がいりますね。あれで食われても、仕方がない。脚がなかったと言うしかないですね。でも、その中で踏み勝てたし、直線を踏んだ感じもいい。状態はいいです」


 中団を確保して2センターから踏んだ菅田壱道が、2着に突っ込んだ。


 「稲垣さんが掛かっていましたね。でも、(山口)冨生さんが内を締めていたし、(村上)博幸さんも残すだろうから、伸びると思いました。最後は後ろも連れ込めるタイミングでいったんですけど。(4着の)高橋(陽介)さんは、ちょっと足りなかったですね。1人交わしての2着じゃなくて、2人交わせているので、状態はいいです」


 風を切った稲垣裕之が粘って3着。2日目の優秀に駒を進めた。


 「(最近は逃げの決まり手が付かずに)先行しているんですけどね。ペース配分を考えて。2人(菅田と松岡)とも、出足がいい選手なので、警戒もしていて。その分、脚も緊張していました。援護してくれていたし、なんとか2着までに残りたかったですね。身体と自転車のマッチングを、さらに良くしていきたいです」

11R

選手の写真です。
古性優作選手

 三谷竜生が切った上を渡邉雄太が叩いて主導権。前受けから引いて巻き返しを狙った吉澤純平だったが、近畿3番手の南修二のけん制でタイミングを狂わされると、中団狙いに切り替える。三谷が内から盛り返してくると、吉澤は1センターから再度踏み上げるが、東龍之介にブロックされて伸びを欠く。それでも何とか渡邉を飲み込もうとした吉澤だったが、2センターで東と接触して失速。これで東が落車し、さらには山賀雅仁も乗り上げる。落車を避けながら南が中割りに行ったが、あおりを耐えて外を回した古性優作(写真)が、直線鋭く突き抜けた。


 「三谷さんが外を踏んでいたから最後まで待ってと思って。難しいレースでしたね。道中ずっとどうしたらいいか分からなくて、どうしたら三谷さんが楽になるかって考えながらでした。とにかくラインで決まってよかった。セッティングを元に戻してマシになったので、あとは体の問題だと思う」


 アクシデントはあったが、終わってみれば近畿で上位独占。落車を避けて内に進路を選んだ南修二が2着に入線した。


 「落車を避ける感じで古性君よりも先に内へ入る形になってしまった。それはあまりしたくなかったので…。修正して明日また頑張ります」


 3着の三谷竜生は、反省点を挙げながらレースを振り返る。


 「後ろ攻めになったので、1回斬ってと思ったけど、4番手で踏み遅れてしまって…。(最終3コーナーで吉澤が)外で止まったので、そこを目掛けて仕掛けようと思ったけど落車もあったので。とりあえず、ラインで決まってよかった。(中2日だが)疲れとかもないし、体は大丈夫です」


 別線と真っ向から力勝負に出た吉澤純平だったが、東と接触したこともあり5着に敗れた。


 「南さんのあおりを食っていけないなと思って(中団に)。東君が車間を空けて詰まったのでいきました。(東との接触)あれがなくても同じ状況だと思う。何発ももらったし、力は出し切ったけどキツかったです」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 打鐘で先に斬って中井太祐を受けた平原康多(写真)だったが、橋本強に追い上げられたところを柴崎淳にカマされ、さらにそこを時間差で小川勇介に追い上げられる。1センターでようやく単独になった平原はバックまくり。一気にトップスピードに上げて前団を飲み込むと、ラインで上位独占を決めた。


 「柴崎が絶好のカマシ。ヤバいかなと思ったけど、自分を信じて思い切り踏んだら力以上のものが出た。感覚が戻ってる感じがする。イメージが半年間合ってなかったけど、(自分は)ペダリング、回転で乗るタイプだなと改めて感じた。追い上げで何回もバック踏んで、そのなかであれだけ自転車が出てくれたんで。苦しいながらもいけてよかった」


 神山雄一郎は、口が空くこともなく平原のまくりに続いた。


 「車券に貢献できたかな。平原が強烈なまくりを打ってくれたし、付いていけたんでよかった。今日の感じじゃ問題ない。ここまでにやってきた成果が出てると思う。抜くとなるとキツいけどね。まずは一歩一歩です」


 3番手で食い下がった河野通孝は平原の強さを褒めちぎった。


 「ヤバいっすね。(平原が)ホームで内に差し込んでから(外に)出したからキツかった。平原なんで僕も気持ちに余裕はなかったです。平原は強いですね。何とか付け切れてよかったし、この3着は大きいです」


 ここしかないタイミングでカマシを打った柴崎淳だったが、平原のまくりに屈した。


 「(平原が)かぶってるところをいかないと。そこは判断できたと思う。それでも来るんでビックリした。ほんと強いなと思った。尊敬します」

6R

選手の写真です。
真船圭一郎選手

 後ろ攻めの長尾拳太が、合わせて踏んだ渡邉豪大を打鐘で押さえて先制。しかし、一旦中団に収まった渡邉が、2センターから踏み上げてモガき合いに発展する。これで展開が向いた真船圭一郎は、1センターから仕掛けて前団をひとまくり。最後は小野大介がゴール前で差し切った。


 「真船君を信頼していたし、出切ったら自分の仕事になると。真船君は踏むのが早くてキツイと思って、遅めに抜きにいきました。仮に抜けなくても、真船君が準決勝にいってくれれば、成長にもつながるので。(状態は)問題なしです。準決勝で3着以内に入って、ダービーの権利を決められれば」


 真船圭一郎(写真)は、巡ってきたチャンスをしっかりとつかみ、準決勝に進出した。


 「本当はホームで自分がいくところなんですけど。長尾君が踏みっぱなしだから、詰まってこなくて。やばい、と思ったら渡邉君がいってくれました。棚ぼたですね。(近況の好成績の要因は怪我から)焦って復帰しなかったのがよかったですね。あとは、周りから体が大きくなったと言われます。ウエイトはずっとやっているし、冬場は外で自転車に乗れないから、室内でウエイトをやる機会が多いので」


 栗田貴徳まで続き、ラインで上位独占となった。引き揚げて来た栗田は、真船に感謝しきり。


 「付いていっただけです。近藤(龍徳)君の飛び付きが来るのはわかっていたけど。凌げたのは僕の技術じゃなくて、真船のタテ脚で通過していっただけ。真船のダッシュはえぐいですね。4コーナーを回って、これは準決に乗れるぞ、って思いました。真船君に足向けて寝られないですね(笑)」

7R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 後ろ攻めから打鐘過ぎで先頭に立った渡邉雄太(写真)を小川祐司、さらに根本哲吏が叩いて、渡邉は最終ホーム6番手に。それでも2コーナーから仕掛けると、渡辺正光のけん制を乗り越えて今年初勝利を挙げた。


 「初手は取れた位置から組み立てようと思っていた。(6番手になったが)根本さんも流していたので、いけるなと思った。初日も着以上に良かったし、2日目も1着を取れたので脚の感覚を良いですね」


 初日に落車した山賀雅仁だったが、しっかりと続いてラインワンツーを決めた。


 「雄太のおかげです。本当に強かったし、あおりがなくても、体調が万全でも抜けないと思う。(初日に落車した影響は)体は痛いけど、迷惑をかけるわけにはいかないし、ひどくならないようにできることをしたい」


 落車を避けて鋭く伸びた内田英介が、3着で準決勝に駒を進めた。


 「(落車を)避けることしか考えていなかった。とっさの対応ができましたね。何回も落車をしているので、危ないなと思いました」

8R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 前受けから下げて8番手になった掛水泰範が打鐘過ぎ4コーナーからカマすが、番手の橋本強が離れて裸逃げに。人気の柴崎淳(写真)は2コーナー、7番手からまくると、粘る掛水を好回転でとらえた。


 「(掛水が8番手の)あの並びが一番嫌だった。でも、なったもんはしゃーないんで。(掛水が一人で出切った)あそこで行きたかったけど、橋本さんも追い上げて来てたし、あそこで行ったら危なかったかも。状態は大丈夫です。準決勝も自分のレースをしたいだけ。それができれば(決勝に)乗れるし、できなければ乗れない。そこだけですね」


 2位入線の山口富生だったが、飛びついて来た橋本強を締め込んだときに小埜正義らを落車させてしまったことで失格に。逃げた掛水泰範が2着に繰り上がった。


 「途中で後ろ見たら9番(橋本)じゃなかったんで、橋本さんがいないのはわかった。でも、もう一杯です。落車がなければ飲み込まれてる」


 掛水に離れた橋本強は追い上げ外併走から柴崎の仕掛けに飛びつき、繰り上がりで準決勝進出を決めた。


 「(打鐘過ぎ)2センターで変な緩み方をしたんで、そこで内に差しちゃった。あそこは外に差さないかんのにミスったっす。でも、そこからはリカバリーしたでしょ。(平原康多の番手に飛び付きを狙った)初日のが生きた。しかし、ヘボいですね」

9R

選手の写真です。
松岡貴久選手

 打鐘で岡崎智哉に押さえられた前受けの伊早坂駿一。しかし、後方に下げて態勢を整えると、打鐘の4コーナーからスパートして主導権を奪い返した。近畿勢に続いた松岡貴久(写真)は、2コーナーから4番手に追い上げて外併走。最終バックからまくってきた高橋陽介に合わせて、まくり追い込んだ。


 「休み、休み考えながら走っていました。小岩(大介)君が好きに走れと言ってくれたのでね。併走になってからは、(仕掛けるのが)早いと思ったけど、高橋さんが来たので出ないといけないと思って。2日目みたいな(位置を取り合う相手がいない)メンバーだとやりやすいですね。調子は上積みがあるわけじゃないけど、悪くもない」


 小岩大介が、松岡にピタリと続いて2着を確保する。


 「恵まれました。貴久に付いていけば、2着はあると思っていたので。初日からシューズを修正しようとしたがダメだったので、予備のモノにしました。初日よりは、道中が楽になりましたね」


 吉田勇人が後続の動きを確認し、2センターから前に踏む。すると、その惰性をもらった安部達也が、直線で伸びて3着に入った。


 「(巻き返した)伊早坂君は絡まれないスピードでしたけど、僕が踏み遅れてしまった。それでも付け直してからは、風がないところを回れたし、(吉田)勇人が踏んでくれた惰性で(伸びた)。練習していてよかったです。これでお腹一杯にならずに、準決勝もどん欲にいきます」

10R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 中井太祐が佐藤雅春を打鐘の2センターで押さえて出ると、中団から巻き返してきた吉澤純平(写真)に合わせてギアをトップに。出切れないと判断した吉澤は3番手の佐藤をキメにいくが、併走状態から1センターで再スパート。池田勇人が離れて裸逃げとなったが、そのまま力で押し切った。


 「中井君が出させないと思って、(3番手の口が)空いていたので降りました。その後は、緩んだので仕掛けました。ゴールまで持つように駆けたし余裕はあったけど、後ろに迷惑をかけてしまいましたね。負けられないってことが頭にあって、守りに入ってしまいました。今回から新車なんですけど。初日が消耗戦になって感触がわからなくて、その怖さもありましたね。ローラーに乗った感じはよくなったけど、レースとは違うので。悪くはないけど、以前に使っていたフレームより感じはよくないです」


 番手にハマった中井太祐は開いた車間を徐々に縮めていくが、吉澤を交わすまでには至らず。 


 「前々に踏んでいこうと思っていました。車番も悪いから、なるべく吉澤さんを後ろにおこうと。吉澤さんがカマシに来ているのが見えて踏んだんですけど、その後に見えなくなったので中団に入ったと思って緩めて。(叩かれてからは吉澤が)どんどん掛かっていく感じだったので、抜ける感じはなかったですね。でも、ラインで勝ち上がれてよかった」


 中井マークの澤田義和が、続いて3着に入った。


 「吉澤君より前にいようと。そうしないと、勝負にならないですからね。中井君がうまく駆けてくれました。最悪、吉澤君に出られても1車で来るかもしれないし、ズルズル引かずに。初日の反省を生かしてくれましたね。自分は脚が軽いので、あとはセッティングを微調整します」

11R

選手の写真です。
三槻智清選手

 正攻法に構えていた清水裕友は後ろ攻めから上昇してきた桐山敬太郎を打鐘から突っ張る。斬らせてもらえなかった桐山は、番手の桑原大志と勝負。ホームで桑原をキメて番手を奪う。取り切った桐山が直線で外に持ち出すと、小川勇介のアシストで3番手にいた桑原が内をすくう。絡んだ2人が外に膨らむと、その外を踏んでいた小川も大きくあおりを受ける。これで大きくコースが開けた三槻智清(写真)が、5番手から一気に突き抜けた。


 「清水君があんなにもやる気だったとは。(小川)勇介も余裕があれば外を踏むだろうし、内を締めて回って。チャンスがあればと思ったけど、コースが空いたね。まさかですよ。(1着なのは)自分が一番びっくりしています」


 2着で2次予選を突破した小川勇介は、冷静にレースを振り返る。


 「(押さえにくるのが)遅ければ突っ張るって作戦だったので。でも、1周半でしたからね。(桑原が桐山に番手を奪われたが)まだ残り1周だったので、入れてもチャンスはあると思ってました。あれ(直線で桑原と桐山が絡んだあおり)がなければ突き抜けていましたよ。それだけ余裕はありました」


 桐山と連係を外しながらも、しぶとく突っ込んだ齋藤登志信が3着に入線した。


 「付けるといった以上は、しっかり付いていかないとダメですよね。でも500バンクだし、中団を確保しないとって思ってしまった。見てのとおりよくないレース」

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 各ラインの自力型が激しくぶつかり合った優秀の「昇竜賞」は地元の平原康多(写真)が連勝。打鐘で古性優作に突っ張られ、7番手に置かれる苦しい展開となったが、2センターから外に持ち出すとモツれる前団を一気に飲み込んだ。


 「厳しかったですね。正直かなり。終始、キツかった。押さえに行って突っ張られての7番手なんで。最後は自分の力以上のものが出たんじゃないですか。そんな感じ。いじめられました(苦笑)」


 初日に続き、ここでも神山雄一郎がきっちりと平原の仕掛けに続いた。


 「(近畿勢の力勝負を)平原が粉砕したね。スピードがすごいもん。余裕はまあまああったけど、でもみんな強い。平原がもっと楽に飲み込めるかと思ったけど、みんな強かったね」


 関東3番手で3着の河野通孝は「(このメンバーで)僕が脚は一番ないんで。何とか必死に頑張りました」と笑顔を見せた。


 別線勝負だった近畿勢もガチンコの力勝負を演じた。逃げる三谷竜生の番手から古性に合わせて前に踏んだ稲垣裕之は惜しくも4着。


 「お互いが力を出し切ったレース。近畿の選手もプライドを持って走ったし、結果平原君の展開になってしまった。僕の感じは悪くない」


 やり合う近畿勢の外をバックからまくった菅田壱道だったが、前を飲み込むことはできず。


 「古性と同じ踏み出しで行って、(古性が)ブロックもらってる隙に行けるかなと思った。あそこまでは行けてるんで、今の自分の力はわかりました」

10R

選手の写真です。
吉澤純平選手
選手の写真です。
稲垣裕之選手

 後ろ攻めの中井太祐が、合わせて踏んだ吉澤純平を打鐘で押さえる。別線の動きを確認しながら、徐々にペースを上げて先行態勢へ。すると、後方となった掛水泰範が、最終1センターからスパート。これに対し、稲垣裕之は番手まくりを敢行してゴールを目指す。中団を確保した吉澤純平(写真)だったが、掛水に被って仕掛けるタイミングを逃す。さらに、橋本強に絡まれる苦しい展開に。それでも、態勢を整えて2センターから踏み込むと、直線で中のコースを鋭く伸びて白星をさらった。


 「稲垣さんが前にいるので、間合いを取らないといけないと思っていて。そしたら掛水さんが思い切り来てしまって(仕掛けるのが)難しくなってしまいました。先に仕掛けられればよかったけど。(新車の感触は)良いと思うけど、連日ラインで決まっていないので。初日も、2日目も自分だけ。今後は、結果も内容も求めていきたいです」


 稲垣裕之(写真)は、ゴール寸前で吉澤に交わされて2着。しかしながら、的確な状況判断で決勝に勝ち上がった。


 「(中井)太祐が頑張ってくれました。後ろに僕たちがいて、プレッシャーも感じたと思う。掛水君が良い勢いで来ていたので、出ていかないといけなくなりました。最後は吉澤君に力負けです。(自分の)車の出が良かったら、南(修二)君と決まっていたと思うけど。でも、判断はできていると思います。状態も悪くないですし、新しい自転車のセッティングも出てきています」


 掛水に離れた橋本強は、3コーナーから内に斬り込む。南を掬い、稲垣に切り替えて3着に入った。


 「掛水さんの脚が違くて(離れてしまった)。稲垣さんの後ろに入ってからは、南さんが中を割ってきてしまうので、踏むのをギリギリまで待って。脚はないけど、冷静さはあります。状態は(連日連係した)掛水さんがすごすぎて、よくわからない」


 軽快なスピードで前団に迫った掛水泰範だったが、稲垣に合わされて8着敗戦。しかし、初めて臨んだ記念の準決勝で、見せ場はメイクした。


 「出切れたら自信になったけど、出切れていないので。もうちょっと、へばり付いていければ。やっぱり強い人は違いますね。でも、いい経験になりました」


 

11R

選手の写真です。
村上博幸選手
選手の写真です。
柴崎淳選手

 打鐘を8番手で通過した渡邉雄太が、2センターから一気に巻き返して、三谷竜生から主導権を奪い返す。すると、この仕掛けを追った柴崎淳が、車間を空けていた山賀雅仁を乗り越えて、渡邉の番手に追い上げる。中団で態勢を整えた三谷は、最終2センターから踏み込むも車が進まない。しかし、その後ろの村上博幸(写真)が、直線で中のコースを伸びて鮮やかに突き抜けた。


 「小岩君が(柴崎に)離れていたので、(後ろから)内、外どっちからくるかなって。内を締めながらで、(三谷の後輪に)差し込んだりもしていたんですけどね。思った以上に伸びました。今の競輪は中々あの勝ち方ができないですから。コース取りはできますけど、前がタレないから、あそこまで踏み込めないんですけど。自分でも、ホっとしたというか、ここまで戻ってくるとは(笑)。一番いい頃はこんな感じだったなって」


 後方で脚を溜めていた菅田壱道が、3コーナーから踏み込んで2着に入った。


 「やっぱり大宮は相性が良いですね。前受けは決めていなかったですけど、柴崎君だったら突っ張って、三谷君なら出させようと。三谷君は絶対に仕掛けるので、それを見てからと思っていました。3コーナーから踏んだら、伸びましたね。2日目の仕掛けが準決に生きていますね。悪いなりにも成績がついてきているので」


 好位を奪取した柴崎淳(写真)だったが、直線で伸びを欠いて3着。


 「渡邉君の仕掛けを遅らせたのもうまくいったし、そこから平面ダッシュで切り替えられたし。体の反応はバッチリですね。離れているのか(車間を)空けているのかわからなかったけど、山賀さんの所が空いていたので冷静に入りました。番手にハマって3着ですけど、あのままいっていたら、もっと沈んでいたと思う。でも、そこまでに脚を使っていたので仕方ないですね。調子は悪くないでしょう」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
古性優作選手

 前受けの平原康多(写真)を後ろ攻めの古性優作が赤板ホームから蓋をする。打鐘で古性が誘導員を下ろすと、今度は松岡貴久が平原の外に追い上げる。別線の包囲網に苦しめられた平原だったが、1センターから古性がペースを上げると小川勇介を飛ばして仕掛けるスペースを作り、バックまくりでシリーズ3連勝を飾った。


 「(松岡が)叩いてくれればよかったけど、ああなったらどこかこじ開けて行くしかなかった。(河野通孝を)連れて行けなかった、そこだけですね。(古性が)駆けずにすごい詰まってたんで、ああいうとこが難しいですね。内も考えたけど、内いってるところで外にいかれたら終わりなんで冷静に判断していけた。(上がり13秒8)この季節にしてはタイム的には納得です」


 2着には逃げた古性優作(写真)が粘った。


 「思ったようなレース展開ではなかったけど、今後につながるレースはできたかな。(松岡が動いて)もう1回転するかなと思ったけど、あれはあれで僕が全部レースを作ってるし。(最後は平原が)遠すぎて目標にもならなかった」


 古性後位で澤田義和、松岡に河野と3車が絡むと、その後ろで冷静にコースが空くのを待った小野大介が、直線で鋭く伸びて決勝進出を決めた。


 「バックからは自分の楽な位置で回しながらコースを見て。2センターでいけるなと思ったけど、誰かに当たると押しちゃうんで。当たんないようにだけして思い切り踏んだ。3着に入れたんでよかったです。決勝に乗らないとダービー(の賞金)がキツいんで集中してました」


 うまく平原を内に封じ込んだかに見えた松岡貴久だったが、真後ろから平原にまくられ、2センターでは河野、澤田とアンコになって8着に敗れた。


 「勇介が飛ばされるのはある程度計算には入れてたけど、僕の反応がちょっと遅れた。面白い形になったけどね。前で澤田さんがけっこう動いてたし、サッと(平原の)ハコに切り替えられなかったのがダメ」


 


<最終日・9R S級ブロックセブン>


 


 最終日の9レースは、各地区から選ばれた7選手によるブロックセブンが行われる。競走得点トップは11月競輪祭で決勝進出など、持ち前の鋭脚を発揮し上位で活躍している渡邉晴智だ。


 「(前回1月立川記念からは)普通に過ごしてきました。練習も普通にやってきましたね。立川を走って、着以上の調子でしたし、今回も頑張るだけです。(前を任せる)坂本(貴史)君には、好きにやってもらえれば」


 渡邉の前を走る坂本貴史は、今回の追加あっせんも問題はない。


 「今年に入って大きい着もありますけど、仕掛けないといけないところでしっかり仕掛けられているし、やることはやっているので気にはしてないですね。(練習は)いつも通りやってきました。渡邉さんとは、何度か連係しているので、今回も頑張ります」


 11月競輪祭はギックリ腰で途中欠場となった坂本亮馬だが、徐々に本来の調子を取り戻しつつある。


 「今年に入ってから、しっかり練習できるようになってきました。(腰は)良くはなっているので、負荷をかけてやっていますね。(大宮は)走りやすいし、嫌いなイメージはないです」


 中近で結束し水谷好宏に前を任せる有賀高士は、前回1月和歌山記念で3646着。


 「ここ4場所で(競走得点が)2、3点落ちていて。いろいろ迷いがあったんですけど、前回の和歌山は手ごたえというか、前向きな気持ちになれた開催でした。最近ペダリングを変えたのがダメだったのか、自分の長所を忘れていた感じだったので。今回は何度も連係している水谷君に任せて頑張ります」