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おおがき競輪

OGAKI KEIRIN

44#

検車場レポート

  • 3/20 Wed.  (前検日)
  • 3/21 Thu.  (1日目)
  • 3/22 Fri.  (2日目)
  • 3/23 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
南潤選手

 昨年4月、デビュー最速GIII優勝を飾ってからVが遠ざかっていた南潤(写真)は、前回の宇都宮FIを211着。およそ10カ月ぶりの優勝で弾みをつけて、オープニングに臨む。


 「1レースの1番車っていうのは、あんまり気にしないですね。あとは東口(善朋)さんと畑段(嵐士)さんと3車になるんで、しっかり(ラインで)決めたい。(4日間の最初のレースで)先が長いんで、しっかり勝ち上がりたい。3車で出てしまって、ペースで駆けられたらいいですね。でも、東口さんとやる時は、だいたい東口さんが1着なんですよ(笑)。(前回はギアを)3.92に落としたんですけど、93の方が練習でも重いというより踏みごたえがあるんで、初日は93にしようと思います」


 FIを3連続優勝した松川高大だったが、続く佐世保FIを751着、別府FIを416着。


 「(FIを)3連覇したあとギックリ腰をやってしまった。でも、もう腰も良くなって、いまは(その時と比べても)調子も落ちてはない。(3連続Vの時は)距離に関係なく動けていたんで調子がいい証拠だと思う。南君が強いんで、その辺をしっかり考えていきたい」

2R

選手の写真です。
渡部哲男選手

 09年以来の記念優勝を前回の地元、松山で遂げた渡部哲男(写真)は、中9日での今シリーズ。状態は平行線のようで、それなら十分に勝負になりそうだ。


 「(地元での)気疲れもあったし、疲れを抜いてのここなんで上積みはない。(松山の決勝は)太田(竜馬)があんなにやってくれる気持ちがうれしかった。(時間が)早いレースは意外でした。あとは(佐々木豪が)位置取りもやってくれるし、うまくなんとかしたいですね」


 蒔田英彦は、デビュー11年にしてビッグ初出場。


 「12年目で初ビッグっていうのは、喜びよりも不安の方が…。ただ、(先行で)やってきたことが実を結んだっていう思いもあるし、まだまだ終わるつもりはない。これからも成長していくつもりです」


 

3R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 原田研太朗(写真)は前回の平FIこそ614着で1勝止まりも、前々回の静岡、3場所前の奈良と記念で5勝の固め打ち。


 「(奈良、静岡と)初日は予選でいい意味で緊張感をもって走れている。成績もまとまってきてる。練習もできたし、暖かくなって体も動く。(初日のメンバーで)ほぼ8番手と思われてるんで、少しでも前にいけるように」


 前回の松山記念で投入した新フレームを引き続き大垣に持ち込んできた和田圭は、いつも通りのリラックスムード。


 「フレームは前回の感じで良かったかなっていうのもあったんでね。あとは脚、脚ですよ(笑)。自分なりに練習はやってきたし、体調もいつも通り変わりない。あとはチャンスが来た時に、しっかりと獲れるようにしたい」


 

4R

選手の写真です。
竹内翼選手

 昨年のウィナーズカップからちょうど1年ぶりのビッグ出場になる竹内翼(写真)が好ムード。


 「やっぱり(レースで)周りが見えるようになってきたのが大きいですね。余裕が出てきた。ここもチャンスがあると思うし、(仕掛けどころを)逃さないようにしたい。去年(のウィナーズカップ)も柏野(智典)さんと一緒だった。その時はダメだったんで、今回はしっかり結果を出したい。ここに向けて練習を積み上げてきた。長い距離もスピード練習もやってきて、自信はありますね」


 前回の地元、玉野記念を1122着で準Vだった柏野智典は、そこから2週間以上空いたゆとりのローテ。


 「(玉野記念が終って)ちょっと1回休みました。それから1週間くらい、しっかりやってきました。竹内君は出し惜しみしない頼もしい選手になった。初日でうまいこといけば、(流れに乗って)いけると思います」

5R

選手の写真です。
横山尚則選手

 横山尚則(写真)は、前回の松山記念3641着の成績以上に反応の良さが目を引いた。


 「松山は近況のなかでは動けた方かなっていうのがある。ただ、先行で残っていかないと。そのためにトレーニングをやっている、今回もそういうことをふまえてやってきた。(初日は)このメンバーだと展開が早くなりそうだし、(仕掛けどころを)逃さないように」


 佐藤慎太郎は前回の平FIを3連勝の完全V。地元での責務を果たした。


 「平でも3日間一緒だったんで、これで(小松崎)大地とは4走続けて一緒ですね。相性はバッチリです。(平の)決勝も外を踏んで伸びたんで、状態はいいです」

6R

選手の写真です。
山口富生選手

 02年に高松宮記念杯を制している山口富生(写真)は、49歳を迎えてホームバンクのビッグの舞台に立つ。


 「2、3年前に調子がむちゃくちゃ悪くて、その時はこのまま終わってしまうのかっていうのもあった。そこから練習をし直して、トレーニング内容とかの変化にも対応していこうっていうのがあった。年齢的にも(ホームでのビッグは)これが最後かもしれないんで、集中していきます」


 今期は2月の全日本選抜から始動した菅田壱道は、今シリーズが4場所目。


 「(全日本選抜の)落車のダメージはないし、ここ2場所はそこそこ体が動いている。タイム的にも出ているんで、底上げができてるかなと。今回は新車です。初日は細切れでチャンスがありますね」


 

7R

選手の写真です。
古性優作選手

 今年すでに2V、前々回の静岡記念を制した古性優作(写真)が、前回の高松FIの212着を振り返る。


 「(高松は)ちょっといいレースができなかった。気持ちの問題ですかね…。勝負どころを逃さないように、しっかり仕掛けないと。それが次につながっていくと思うんで」


 島川将貴は、昨年のウィナーズカップ出場に次いで2度目のビッグ。


 「この前のウィナーズカップは3日間で帰ってしまったんで、今回は。緊張感とかもないし、普段と変わらない。あとは思い切って仕掛けられるように」

8R

選手の写真です。
木暮安由選手

 それぞれが前回、完全Vの吉田拓矢と木暮安由(写真)のコンビ。前々回の当所FIでは843着と精彩を欠いた木暮が、当所での巻き返しを誓う。


 「この前の大垣はいろいろやったりしてたのが、かみ合わなかった。それで(大垣のあとに)フレームとかを戻しました。もうそれも落ち着いたんで、なにもいじることはない。調整もバッチリだし、疲れはありません」


 中四国地区の門田凌と別線を選択した工藤文彦は、単騎で一次予選クリアを目論む。


 「そんな勝負できるレベルにもなってないけど、(ビッグ開催は)自分を試せるいいチャンス。なかなかこういう機会はですから。(前回の地元の玉野記念から)1回気持ちのリセットしてからやってきた。ちょっと抜きすぎた感じもあるけど。あとはひとつでも上のレースで戦えるように、ワンチャンスを狙っていきます」

9R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 全日本選抜は準決で敗退した太田竜馬(写真)。しかしながら、続く3月玉野記念、松山記念を連続優出など、持ち前の機動力がパワーアップしている。


 「去年の夏くらいからウエートトレーニングを(本格的に)始めました。爆発力を意識してやっています。タイムは変わらないけど、スピードとかが前と全然違いますね。でも、まだまだ完成体じゃないので、もっと突き詰めていきたいです。今後はチーム四国でやっていこうと思っています。自発的にこういうことをやらないと気合いが入らない。そういう意味では、先頭で走る責任はある。おこがましいですけど、自分が引っ張っていければ」


 小倉竜二は全日本選抜で、11年の高松宮記念杯以来のGI優出。さらに、続く奈良記念も決勝に進出と乗れている。


 「(奈良記念の決勝で失格して)今後は真っすぐ走ります。クリーンな走りを心掛けて。(GIを優出したが)自分は前次第。でも、付いていけばチャンスはある。今回の初日もしっかり付いていきます」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手

 初のS級S班となった清水裕友(写真)は、今年初場所の立川記念をいきなり制覇。しかし、全日本選抜で落車し、当所が復帰戦となる。


 「落車の怪我は、左鎖骨の骨折です。いつか(鎖骨骨折は)やることですし、やっと競輪選手になれました。10日間入院しましたけど、ここまでに2週間は練習ができました。ただ、左鎖骨の骨折が初めてですし、どこまでレースで成果が出るかは走ってみないと。落車で新車が壊れてしまったので、今回はこれまでに乗っていた自転車を持ってきました。昨年末のグランプリ、今年の立川記念で使ったフレームです」


 その清水と連係するのは松浦悠士。全日本選抜で初のGI優出など、今年は動きが際立っている。


 「とくになにも変えていないです。やってきた成果が出ていますね。(S班の清水との連係は)自分もしっかり上がってこれたのが大きい。去年の1年間は成長できたと自分でも感じますね。前までは、こういう選手になりたいと思ってやっていたけど、いまは目標にされるような選手になろうと思って走っています」


 新山響平は、2月奈良記念で準Vを果たすと、前回の別府FIで今年初V。いい流れで当所を迎えた。


 「別府は9番手からまくって優勝できたけど、展開が向いただけです。でも、ちょっとずつ上がってきましたね。(以前はレース間隔が詰まって練習ができなかったが)いまは練習もしっかりやれています。初日は積極的に。緩んだところがあれば、すかさず行きます」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 GP覇者の三谷竜生は全日本選抜での落車負傷で、当所が約1カ月ぶりの実戦。状態が気になるところ。


 「怪我は左肩鎖関節を脱臼しまして。手術をして、いまにいたります。もう痛みはだいぶないので大丈夫です。練習も思ったよりできましたし、走れるかなっていう感触できました。自転車にしっかり乗り始めたのは10日間くらいですね。レース勘は大丈夫だと思います」


 対する浅井康太(写真)も、全日本選抜、3月松山記念と落車が続く近況。ここで流れを変えたいところ。


 「松山で落車して肺挫傷を2カ所と、左の脛の擦過傷が結構深くて、歩くのが困難でしたね。でも、練習を休んだのは落車した2日後の1日と、休養を取った(当所前検日の)2、3日前くらいなので、練習面に不安はないです。ここに向けて1日でも練習に復帰することが結果につながるので、早く戻れて良かったです。常に次に向けて準備をしていますし、それがグランプリや1、2年後の結果につながる。今回はグランプリを2回獲ったフレームで走ります」


 中川誠一郎は、全日本選抜で2度目となるタイトルを奪取。誰よりも早く年末のグランプリ出場権を手にした。


 「(単騎で仕掛けた)全日本選抜の決勝は最後までもつと思わなかったですね。周りの半分くらいには、吉澤(純平)が勝つと思ったと言われました。(グランプリ出場権を手にしたが)あまり普段とは変わらないと思う。でも、前回の(16年静岡)ダービーを獲った時とは違いますね。あの時は(リオ)オリンピックもあったので」


 

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 脇本雄太(写真)は昨年のGIで2Vを含め、5大会連続で確定板入り。ここが今年初出走だけに、大いに注目を集める。


 「(ナショナルチームは)オフに入りました。ここまでは(ナショナルチームのトラック短距離のヘッドコーチ)ブノワに世界選手権が終わったら自転車に乗るなと言われたので、まったく練習をしていないです。日本にいると自転車に乗ってしまうので、オーストラリアに行っていました。今回は、このあとのダービーに向けてですね。この1本を走らないと、(ダービーが)見えてこない。今回でなにかつかみたいですね」


 村上博幸は、脇本との連係に集中力を研ぎ澄ませる。


 「脇本の後ろは、僕のなかでトレーニングの成果を試せる位置。向こうは世界で戦ってますし、いまのナショナルの強さはみんな感じている。(自分は)当たって砕けろのチャレンジャー精神ですよ」


 郡司浩平は初代ウィナーズカップの覇者。初戦は相性のいい近藤隆司との連係で対抗する。


 「初日は(近藤の)番手で頑張ります。その時、その時のメンバーで前後を変えているし、今後もそういういい関係でいられたら。番手は少しずつ慣れてきましたけど。3番手のことも考えて走らないといけないので、まだまだですね。(一昨年ウィナーズカップの覇者だが)今回は今回でしっかり走って、その名に恥じないように。獲ったのがまぐれと言われないように、獲らないといけない。まずは決勝に勝ち上がることを考えて」

1R

選手の写真です。
南潤選手

 長島大介が5番手の南潤(写真)にフタをして赤板を迎える。外併走の長島が2コーナー手前から再度踏み込むが、前受けの佐藤友和が突っ張り先行策。松川高大にすんなり3番手が転がり込んでタイミングを取る。最終1センター過ぎから松川がまくると、包まれていた南も九州コンビを追って視界が開ける。南がスピードの違いでまくり切って、近畿3車で上位を独占した。


 「(長島は自分のところで)止まるとは思わなかった。あれだったら、ここまで押さえに来なかったら(合わせて出て)行くって決めといたら良かった。同県の先輩付けて、あんなレースをしてたらダメなんで。しっかり先行してゴール勝負をしないと。自分の道が開けたら行くだけだと思ったし、踏み出しも悪くなかった。バンクも重く感じなかったです」


 「まさか、まさかの展開」とは、2着の東口善朋。結果オーライの和歌山ワンツーに汗をぬぐう。


 「(南が)行ってしまうのはわかったんで、そんなに慌てなかった。ただ、組み立てが良くなかった。自分も(南)潤を目標に踏んで、外にも踏み遅れなかったんで(脚は)問題ない。あれで(南を)抜けてたらベストだった」


 

2R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 赤板の2コーナーで出た佐々木豪が、巻き返してきた高橋和也を出させず踏み合いに。この様子を中団で見ていた鈴木謙太郎(写真)は、最終1センターから満を持してスパート。番手に入っていた佐々木が出るも、その抵抗を退けて白星を手にした。


 「(切りに行く時に)初手で蒔田(英彦)さんが前受けだったので、突っ張られるのだけ注意して。あとは中団が取れたので落ち着いてと。ただ、松岡(篤哉)さんに入られてしまったので、次はしっかりとですね。(佐々木を)乗り越えられる感じはありました。調子が上がってきてからはじめてのGII。ある程度は通用するかな。今後も練習して、上で走れるように」


 芦澤辰弘がきっちり続き、2着を確保した。


 「朝早いレースで体がキツい。本当にいっぱい。鈴木さんの踏み出しに遅れないことだけを考えていたので、前が踏み合っていたことなどはよくわからなかった。(2日目の)二次予選は6レース以降なので、大丈夫だと思います」


 

3R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 仕掛ける順番が回ってきた原田研太朗(写真)は、打鐘の2センターで松谷秀幸を押さえて先行策に出る。力強く風を切ると、香川雄介の追撃も許さず堂々の押し切り。


 「後輩たちがいいレースをしているので、自分も少しでもと。(逃げ切りは)展開ですよ。松谷さんも後ろでしんどかったと思いますし。でも、あの距離を駆けて香川さんに抜かれていないので、(状態は)悪くないかな。前回の平より暖かいし、軽く感じました」


 2着の香川雄介は、原田の復調を肌で感じている様子。


 「(原田と)前々回の静岡記念でも一緒に走って強かったし、戻ってきたなと。出切ったら誰も来られないと思いましたね。ただ、1周半の先行なので抜かないと。情けない。(抜けなかったのは)単純に脚力差です」

4R

選手の写真です。
竹内翼選手

 赤板の2コーナーで不破将登が切った上を竹内翼(写真)が豪快にカマして風を切る。車間が空いた3番手の不破は、なかなか詰められない。番手の柏野智典もいっぱいで、竹内が二の足で後続を振り切った。ビッグ初勝利に竹内の顔も自然とほころぶ。


 「デキ過ぎですね。でも、結果を出したかったし、GII以上で1勝できたんで自信になります。練習がめちゃくちゃできたんで、それが出たんだと思う。イエロー(ライン)を全部使って、下りも使えた。残るように駆けました」


 簗田一輝が5番手からまくり追い込む。岡村潤が外に進路を取ると、簗田ライン3番手の勝瀬卓也は、中のコースを踏んで伸びた。


 「僕のところがゴッソリ空いた。オカジュン(岡村)がいかないと、僕は踏めないんでそれで空いただけ。でも、良かったです」

5R

選手の写真です。
松本貴治選手

 前受けから8番手に下げた松本貴治(写真)は、赤板の2コーナーで一気に踏み込む。打鐘の2センターで小松崎大地を押さえると、3番手以下を突き放してゴールを目指す。空いた車間を小松崎が詰めるが、二の足で松本が押し切った。


 「4着権利でもあるし、引いてすぐにカマそうと思っていた。無我夢中で踏んでいたので、後ろの状況はわからなかった。以前に差された池田(憲昭)さんに差されなかったので、(状態は)いいのかも。大学時代に岐阜に住んでいたから懐かしい気持ちはありますね。ハンドルの角度を変えたら楽にスピードが出せるし、(前回の)地元記念よりもいい」


 小松崎の番手から佐藤慎太郎が差し脚を伸ばして2着。


 「(小松崎)大地の内を行くと、ワンテンポ遅れてしまうから無理やり外を踏んだ。中を行けばアタマまであったかもしれない。大地が追いかけていったけど、すんなりの3番手ではなかったからね。あの感じで2着まで届いているので、状態は維持できている」

6R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 打鐘で出た杉森輝大の上を、すかさず川口聖二が押さえて主導権を握る。前受けの菅田壱道(写真)は、8番手で最終ホームを通過する大ピンチ。それでも2コーナーからまくると、別線のブロックも乗り越えてアタマ。


 「あの展開も想定はしていたので焦りはなかったです。慌てずに、しっかりと自分のタイミングで仕掛けようと。でも、組み立ては修正しないといけないですね。自分だけ届く形ではなく、(齋藤)登志信さんも勝ち上がってくれたので。今回から新車だけど、すごくいい感じです」


 川口聖二は、3番手から仕掛けてきた杉森を合わせ切って2着。3着の山口富生と勝ち上がりを決めて、胸をなで下ろした。


 「緊張したけど、(山口)富生さんと勝ち上がれて本当に良かった。やっとゆっくり寝られます(笑)。菅田さんがいつ飛んでくるのかって気持ちもあって。ペース駆けだったけど、ニュートラルに入れて楽に踏めた感じはなかったです」

7R

選手の写真です。
坂本貴史選手

 赤板の2コーナーで出た坂本貴史(写真)は、打鐘過ぎに島川将貴を受けて思惑通りの3番手を確保。5番手の古性優作は最終2コーナーからまくった北日本勢に続き、2センターから内に切り込んで菊地圭尚を張る。この動きで菊地が落車し、山賀雅仁、海老根恵太、堀内昇も巻き込まれるアクシデントが発生。古性は先頭でゴール線を通過するが、押し上げで失格。まくった坂本が繰り上がりで1着となった。


 「まずは、しっかり位置を取ることが大事でした。早くからレースが動いたけど、位置を取れたのは良かったですね。でも、もっとスピードがあれば、(菊地)圭尚さんが絡まれることはなかった。(状態は)全日本選抜まで半信半疑だったんですけど、奈良記念から体が動いて結果がついてきた。前回の高松はダメだったんですけど、しっかり修正して。それなりに自信を持って臨めた事が大きいですね」


 落車を避けた椎木尾拓哉が、直線で追い込んで繰り上がりの2着。


 「(古性)優作が、強引にもっていき過ぎてしまって。自分は連れていってもらっただけ。2人で決めたかったので残念です。(怪我からの復帰戦で)まだまだ足りていない部分がある。反応も良くはないですけど、走る限りは頑張ります」

8R

選手の写真です。
田中晴基選手

 赤板で吉田拓矢を押さえた中西大が、主導権を握る。追い上げた田中晴基(写真)が3番手を確保し、吉田は単騎の門田凌と5番手で併走になる。5番手の取り合いは最終1センターまで続き、絶好位の田中が2コーナー過ぎからまくって前団をとらえた。


 「後手を踏まないようにとは思ってたんですけど、あんなにすんなり、あんなにいい位置とは。あとはもう(先行している)中西、頑張れって(笑)。そこからは合わされてもいいやっていう思いで、自分のタイミングで踏んでいきました。展開に恵まれたけど、乗り方を変えて初の実戦だったんで(結果が出て)良かった」


 田中の動きを冷静に見極めた齊藤竜也が、2着をキープして南関ワンツー。


 「全部(田中)晴基にお任せだし、レースがうまかった。後ろの状況がわからなかったんで、(吉田が)いつ飛んで来るかなって。(田中の動きを)見たぶん、遅れちゃった。最後も引き離されたんで、あんまり調子が良くないのかもしれない。しり上がりに良くなってくると思います」


 

9R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 前受けから窓場千加頼に押さえられた太田竜馬(写真)だったが、赤板の1センターで空いたインを突いて主導権を奪取。一度は連結を外した小倉竜二が追い上げて付け直すと、太田が別線を完封して人気に応える逃げ切り勝ち。


 「小倉さんの追い上げを待ってから踏んだ。バンクは重かったけど、ずっと踏めていいペースだった。感じ良く踏めました。レースを重ねるごとに良くなっているし、先行するペースをつかめている。いまは行けるタイミングがあったら、どこからでも行きますよ。チーム四国でラインの先頭を走る責任感を感じます」


 打鐘で外を追い上げて太田後位を守った小倉竜二も、さすがの判断力と脚力がなせる業だろう。


 「(太田は)2回、内から行こうとしてて、3回目はないと思ったら、行ったからね。そのあと自分は内をキメながら追い上げていった。脚を使ってから追いついたら、(太田が)踏んだから休むところがなかった。脚を回しながら付いていけたし調子はいい」

10R

選手の写真です。
平原康多選手

 赤板の2コーナーで踏み込んだ小原唯志が主導権を奪うが、片折亮太が付いていけず番手に清水裕友がはまる。平原康多(写真)が切り替えて最終ホームでは8番手、片折は最後方。2コーナーで清水が番手から出るが、その上を新山響平もまくり上げる。内を進出した平原は、清水、新山の両ラインがもつれたところを絶妙なコース取りから抜け出した。


 「(片折は)こういう経験をして、今後にどう生かすかでしょうね。単純な自力だけではね。でも、あのパターンは付いていくのは難しいかも。僕自身は自転車、セッティングなどをいろいろと試行錯誤をした結果、1周して元に戻った感じ。やっぱり自分にはいまの形が合っているのかなと。だけど、ひと通りやってきたからいまの形に落ち着いたんだし、やってきたことは間違いじゃない」


 松浦悠士のけん制を乗り越えた新山響平を今度は清水が自らブロック。まくりのスピードが鈍るも、新山が2着に踏ん張った。


 「前(清水)の仕掛けを見てからまくったので、スピードは出なかったですね。でも、ブロックされたあとも踏めたんで状態はいいと思う。(清水より)先に仕掛けられれば良かった」


 新山後位の福田知也を阻んで3着に入った松浦悠士は、反省の振り返り。


 「(新山を)止められなくて…。ミスというか、自分に原因がある。もうちょっとできることがあったと思います」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 伊早坂駿一が、赤板の1センターで誘導を降ろして先行勝負に出る。番手の吉澤純平は踏み出しで伊早坂と車間が空くが、追い上げてドッキングに成功。単騎の浅井康太は茨城勢に続き、3番手を確保。最終2コーナーから番手まくりを放った吉澤を追いかけると、直線で追い込んだ。


 「伊早坂が行くと思っていたので、その3番手を追走しようと。全体的にレースもしっかり見えていたし、作戦通りです。(吉澤が伊早坂に)離れてしまって、三谷君に粘られるかと思ったけど引いたので。後ろに三谷君が入った時点で、渡邉(雄太)君が来れば合わせて出ようと思っていました。怪我は大丈夫です。1着を取ることが、迷惑を掛けた人へ返すことだと思ってます」


 先に動いた三谷竜生(写真)は、茨城勢、浅井を受けて4番手。しかし、仕掛けが不発となった山崎賢人とかぶって外を踏めない。そのまま浅井を追いかける形で2着に入った。


 「このメンバーの中で積極的に動くのは伊早坂君だし、1回出たら別線を出させないと思ったので(茨城勢の後ろの位置を取ろうと思っていた)。ずっと山崎君が外にいて、外を踏むタイミングがなかったですね。勝ち上がったけど、後ろに迷惑も掛けてますし。勝負できなかったので、納得はしていません。レース勘は問題なかったし、怪我も競走中は気にならなかったです」


 番手から踏んだ吉澤純平だったが、押し切れず3着。


 「後ろに浅井君がいるのを感じて、出てからが勝負だと思いました。番手から出て1着を取らないといけないのに力不足ですね。(番手の)場数を踏んで、もうちょっとうまくやれるように」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 中本匠栄が青板から早めにレースを動かして、鈴木竜士は脇本雄太(写真)を7番手に置いて先行態勢を取る。打鐘の3コーナーで脇本が反撃を開始。鈴木も合わせてペースを上げるが、脇本が次元の違う加速を見せてあっさりとらえる。村上博幸は付け切れず、あとは脇本のひとり旅。30歳のバースデーを白星で自ら祝った。


 「展開が早かったんで、悩んだところもあります。ジャン前で仕掛けようかと迷ったけど、まだまだかなと。フィーリング的にはいい感じですけど、休みすぎたんでレース勘、持久力の部分で不安が残ってる。体も変わってきて、それに伴ってセッティングも変えていく必要がある。(新しい)フレームはようやく競技用に近くなって、乗っている感じもいままでよりもいい。あとはいかに自分の体に合わせていくかですね」


 「強烈でした。ビックリしました。加速が違いすぎて…」とは、踏み出しを凌ぐもそこからの加速で置いていかれた村上博幸。大きく車間が空いて脇本を追いかけた鈴木は詰まらず、近藤隆司のまくりに乗った郡司浩平が2着に入った。


 「(近藤)隆司さんが引かないで、(まくって)行ってくれたからチャンスがあった。基本的には外を踏むつもりだったんですけど、(村上)博幸さんが内から伸びていったのが見えたんで、もう外は間に合わないと。それで(最終2センターからは)ああなりました。全体的に(レースが)見えているし、余裕もあった」


 鈴木を利した武田豊樹は、村上との3着争い僅差で制して「毘沙門天賞」に進んだ。


 「(脇本が)すごいスピードだった。(鈴木)竜士も悪くなかったんですけどね」


 

1R

選手の写真です。
佐伯辰哉選手

 神田龍に併せ込んだ佐伯辰哉(写真)が、赤板2コーナー手前から再度踏み込んで主導権。すかさず巻き返した神田を突っ張って逃げる。堀内昇のまくりも不発に追いやった佐伯が、1周半を押し切った。


 「(先行か中部勢を出させてまくりか)どっちでも良かった。(神田が来るのが)ワンテンポ遅かったんで、あそこからならと。あの距離なら柏野(智典)さんが仕事をしてくれて、ある程度は残ると思ったけど1着になるとは。自信になりますね」


 柏野が流れ込んで中国ラインのワンツー。堀内に乗った芦澤大輔が、直線で差し脚を伸ばして3着。


 「最後も(コースを)迷ってバックに入れながらだった。徐々にというか、気配がいいんですけどね。あとはかみ合ってくれれば」


 

2R

選手の写真です。
長島大介選手

 赤板の2コーナーで出た中西大が徐々にペースを上げて、最終ホームは一本棒。前受けから6番手に下げた長島大介(写真)は最終2コーナーからまくると、三谷将太のけん制も乗り越えて前団をのみ込んだ。


 「車の進みは良かったですね。9月(弥彦FIの優勝)以来の1着なのでうれしいです。(前回の)松山記念で自分なりに課題が見つかったので、そこを意識して練習をしてきました。具体的には自分の特性である地脚を生かすような練習ですね。スピード面に関しては普段通りに」


 関東勢の仕掛けを追った工藤文彦が、外のコースを強襲して2着に突っ込んだ。


 「自分だけのレースになってしまいました…。(2着だが)勢いをもらって伸びただけなので。もっと上手に位置を取る選手にならないといけないですね。今回は頑張る気持ちが出せていない。岡山の先輩たちに喝を入れてもらわないといけないですね」

3R

選手の写真です。
佐藤友和選手

 後ろ攻めの廣田敦士が、赤板の1センターで誘導を降ろしてペース駆け。佐藤友和(写真)は、この動きを追って4番手を確保。戦況を落ち着いて見極めて、最終3コーナーからのまくりで勝利した。


 「位置も取れたし、仕掛けられて良かったです。(先行した)初日より、(踏む距離が)1周少なかったですしね(笑)。感じも良かったです。これで(3日目に上位クラスのレースに)上がれるのはデカい」


 北野武史は好展開を生かせず3着。引き揚げて来ると、連係した廣田を称えた。


 「先行の組み立てでうれしかったですね。前に踏まないといけないかなって思っていたけど、掛かっていきました。自分はちょっと車間を空けて、ニラミをきかせて。いい感じだったから、1着が欲しかったです。でも、積み重ねて、ひとつでも上にいけるように」

4R

選手の写真です。
松川高大選手

 前受けの松川高大(写真)は、蒔田英彦、窓場千加頼の上昇に合わせて踏んで絶好の3番手を確保する。人気の関東勢を後方にして、窓場が駆ける。松川は最終2コーナー手前から仕掛けて、楽に前団をとらえた。


 「あそこは1回突っ張らないと、後ろになっちゃうんでね。風が強くてヤバかったけど、(別線の仕掛けを)待たずに3番手が取れても早めに仕掛けていけた」


 3度目のビッグ出場の松尾信太郎は、松川のまくりに食らいついてビッグ初連対を遂げた。


 「僕はなにもしてない、全部、松川が…。ただスタートを取りに行くのに風が強くてキツかった。あれで消耗しました。松川とは相性もいいし、(最終)2コーナーの踏み出しだけ注意はしていた」

5R

選手の写真です。
佐藤幸治選手

 後ろ攻めから動いた佐藤幸治(写真)だったが、結局最終ホームを8番手で通過。それでも1センターから踏み込むと、軽快なスピードで前団に迫る。逃げる高橋和也を2センターでとらえて、ビッグ初白星を手にした。


 「前がごちゃごちゃして、タイミングはバッチリでした。ただ、早めに動けたけど、どこまで行けるかと思っていた。出足は良かったけど、バックが向かい風でちょっとキツかったですね。ビッグで1着を取ったことがなかったのでうれしいです」


 高橋の番手から追い込んだ志智俊夫が、ゴール前で松岡貴久を交わして2着に入る。


 「初日はうまく乗れなかったけど。せっかく(地元の)大垣でやっているし、負け戦でも活躍せんとって思って。気持ちは抜けていない。3日目もまた頑張ります」

6R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 打鐘で出た山崎賢人が、力強い先行でレースを支配。後方から原田研太朗がまくるも、中団でいっぱいに。最後は番手絶好となった中本匠栄が勝機をモノにした。


 「恵まれました。(山崎が)自分のタイミングで仕掛けてくれましたね。最終ホームでのダッシュがすごくて、離れそうでしたよ。最後は中を割られないように、ギリギリまで我慢してから踏みました」


 2着の山崎賢人(写真)は、持ち味を存分に発揮して九州ワンツーを決めた。


 「小原(唯志)さんが切ってくれたので、仕掛けやすくなりました。初日より状態はだいぶいいです。ゴール前でフォームがバラバラになってしまったので、それが固まってくれたらもっと良くなりそうですね。今回から新車なんですけど、それも気持ち的にいいです。今後はビッグレースで準決、決勝をあたりまえに乗れる選手になりたい」

7R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 すくわれて坂本貴史と併走になった近藤隆司が打鐘で巻き返す。しかし、先に出ていた松本貴治も抵抗して踏み合いに。南関勢に続いた中川誠一郎(写真)は併走しながら前団の様子をうかがうと、2コーナーの下りを使って加速。松本に踏み勝った近藤を最終バックでまくり切った。


 「(外併走になったが)そんなにペースが上がっていなかったし、余裕はありました。モガき合いになったのでなんとかなるなと。ただ、初日に久しぶりに走って、すごくキツくて不安しかなかったです。気持ちを切り替えるために、握りとかを換えて気合いを入れ直しました。1日で戻せてよかったです」


 地元の不破将登は、最終2コーナーで狭いところを踏んだ。結果的に中川に上を行かれるも、懸命に追いかけて2着に入った。


 「(最終)1センターで中川さんが見えて、外はいけないなと。福田さんをすくって、うまいこと(中川を)合わせられたらと思ったんですけど。全然(脚力が)違いましたね。でも、あきらめずに踏んでよかったです。まだ、(地元ビッグの準決に勝ち上がった)実感はないですね。なんとか同期のワッキー(脇本雄太)と戦えるところまでは来ました」

8R

選手の写真です。
山田久徳選手

 赤板2コーナー手前で伊早坂駿一が飛び出して先行策。一本棒の8番手になった太田竜馬は、打鐘の3コーナー過ぎから踏み上げる。香川雄介は付け切れず、太田が伊早坂をまくり切ると、片折亮太が離れながら自力に転じて追いかける。抜かりなく好位キープから片折を追った山田久徳(写真)は、最終4コーナーから追い込んで、押し切り図る太田をとらえた。


 「(最終)1か2(コーナー)で(まくって)行こうかと思ったら、片折君が行きそうな感じがあったんで冷静に。もうちょっと早めに行ける感じもあったけど、バックの風がすごくて3コーナーでは行きたくないなっていうのがあった。前も2人((太田、片折)だったし直線勝負をした方がと。遅めに踏んだわりには太田君を抜けた。最近、太田君に負けてばかりだったんで抜けて良かった」


 直線失速もロングまくりの太田竜馬が、目の覚めるようなスピードを披露した。


 「伊早坂さんが全開で駆けているし、本気以上でまくっていった。バックの風がむちゃくちゃ強かったんで止まった。最後はタレたけど、勝ち上がることが大事。(調子は)全然、問題ない。良くもなく普通だけど、いつものパターンなら(最終日に向けて)良くなってくる」

9R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 川口聖二に押さえられた小松崎大地だったが、打鐘の2センターでインから盛り返して先頭へ。ペースが緩んだところで、清水裕友が2センターからカマして主導権。番手の小倉竜二はまくって来た鈴木竜士を張ると、直線で抜け出した。


 「(鈴木が)止まったと思った。清水を残したくてワンテンポ待ったけど、今の清水の状態がわかったような気がする。本当は向かい風でもゴリゴリ踏めるから」


 清水ラインを目標にしてまくった鈴木竜士(写真)は、小倉のブロックで勢いが止まるも堪えて2着。


 「あれだけ緩んだら、(清水が)絶対に行くと思った。反応できて(最終)ホームで踏んでいけたし、動きは悪くない。踏み出しは良かったけど、風が強かったですね。小倉さんのブロックがくることもわかっていたし、そこは堪えながらですね。サマーナイトは(3日制の)特選スタートだったので、(予選から勝ち上がって)GIIの準決は初めてのようなもの。自信を持って走れています」

10R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手

 吉田拓矢が別線を警戒しながら、赤板の2コーナーで抜かりなく主導権を握る。巻き返した松坂洋平が3番手の内に切り込むと、村上博幸と内藤秀久が接触して落車。畑段嵐士も巻き込まれる。吉田が3番手以下を引き離してゴールを目指す。最後は番手の芦澤辰弘(写真)が、後ろから迫る村上博幸を4分の1輪差で退けた。


 「落車があったけど、吉田君が駆ける気満々だったので追走に集中した。だいぶ(後続が)離れていたのがわかった。内だけ締めておけば大丈夫と思ったら、最後は村上さんがすごい勢いで突っ込んできましたね。(吉田と)2人で勝ち上がることが1番大事だと思っていたので良かったです」


 村上博幸は、落車事故のあとに松坂後位へスイッチ。最終2コーナー過ぎから自力を発動すると、空いた車間を徐々に縮めて2着に食い込んだ。


 「(内藤が)降りてくる感じがしたので、受け身をしっかりしようと。(落車があって)稲毛(健太)君が下がってきたから、切り替える形になりました。どうしようもなかったですね。まくったあとは芦澤の動きを見ながら踏んでいました。まさか、追いつくとは思わなかったです。初日は脇本(雄太)に離れたけど、自分的に調子はいいと思っていました」

11R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 南潤が合わせて踏んだ島川将貴を押さえ、赤板で主導権を奪取。渡邉雄太(写真)が5番手で、鈴木謙太郎が8番手。そのまま動きなく、打鐘、最終ホームと一本棒で通過する。ピッチを上げた南に対し、渡邉は2コーナーからアタック。3番手の島川に合わせる様に踏まれたが、力でねじ伏せて前団を一蹴した。


 「スローペースから南君のダッシュが良くて。いい感じに車間が空いたので、詰める勢いで仕掛けました。ちょっと島川君と合ってしまったと思ったけど、その外を行けた。なんも変えていないけど、調子がいいですね。(ここまでに)腰痛で1週間休めたのが大きい」


 中村浩士は、渡邉と車間が空きながらも2着を確保した。


 「南君も落ち着いて駆けているし、島川君も行くところで仕掛けている。渡邉君はその上を加速しているので、強いですね。渡邉君のまくりにピッタリ付いていったら島川君を転ばせてしまうので。遠回りしたぶん、離れてしまいました。状態はいいんですけど、レース展開に対応する脚が足りてないですね。もうちょっと上げないと、目指すところにいけない」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 脇本雄太を警戒しながら、関東勢が上昇して主導権を握る。郡司浩平、新山響平、浅井康太と単騎の3車が中団を占めて形ができあがったかに思われたが、4人目の単騎、松浦悠士が2コーナー手前で切り替えて、脇本がタイミングを狂わされる。吉澤純平がグングンと加速して風を切る。車間が空いた脇本は、前を遠くに見る8番手。しかしながら、最終2コーナー手前から踏み出すとエンジンの違いは明らか。逃げる吉澤の番手からまくって出た平原康多を楽にのみ込んで連勝のゴール。


 「(松浦に)一番キツいタイミングで追い上げられた。自分が踏もうと思ったところで(松浦に切り替えて)行かれた。こういうことが起こるってことがわかれば、また柔軟に対応できるんで、(いい)経験になりました。(新しいフレームは)これ以上(セッティングの修正とかを)やることはない。あとは自分のコンディションをつくるだけ」


 三谷竜生は脇本に付け切れず、最終バックで力尽きる。関東ラインの後ろにポジションを取った郡司浩平(写真)が、4コーナーで外に持ち出して2着に追い込んだ。


 「先行(したライン)の後ろが取れたんで、本当は仕掛けられたら良かったんですけど。余裕はあった。でも、どこで行こうか悩んでる時点で遅れた。そしたら新山も見えたし、平原さんも(番手から)出ていったんで付いててと」


 「しゃくられたのは誤算でした」とは、最終ホーム手前で松浦に内をすくわれて、7番手立て直しを余儀なくされた浅井康太。最終3コーナーから内よりのコースを選んで3着に入った。


 「その時の判断になって、取った位置から仕掛けようと思ってた。松浦君は脇本君ラインに付いるのかと思ったし、来ても2コーナー過ぎかと。(準決は)まずはしっかり(不破将登に)ちぎれないように。2人で勝ち上がれるように、番手の仕事をしてと思ってる」

1R

選手の写真です。
阿部拓真選手

 蒔田英彦にフタをしてから踏んだ中西大が打鐘で主導権を握って、前受けの阿部拓真(写真)は4番手に入る。阿部は落ち着いて最終2コーナー手前からのまくりで前団を仕留めた。


 「あの1車は大きいし、(中西ラインに)久木原(洋)さんが付いてきても、入れないつもりでした。結構、余裕はなかったけど、蒔田さんが来たのも見えたんで、行けるところまでと思って行った。(まくり切れなくても)へばりついてとかは得意なんで。疲れはあるけど、日に日に良くなっている」


 半車身詰めたところがゴールだった永澤剛が、2着を振り返る。


 「抜けなかったのはショックです。中西が掛かってたのか、アベタク(阿部)もそんなに出ている感じはなかった。でも、(2着なので)ダメですね」

2R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 廣田敦士が赤板の1センターから力強く風を切る。単騎の佐々木豪(写真)は南関勢をすくって6番手。最終1センターから踏み込むと、目の覚めるスピードで快勝した。


 「やりました。(最終日の出走権利がなくて)ハードケースに荷物をまとめるのは嫌だった(笑)。レースの流れも見えていたと思う。ハンドルを換えたら車の進みも良かったですね」


 神田龍が、廣田敦士の番手から追い込んで2着。


 「車間を空けて後ろの仕掛けに対処したかったけど。(廣田が)タレてきたし、(佐々木の)スピードが違っていた」

3R

選手の写真です。
鷲田佳史選手

 関東勢の上昇を追って3番手に降りた高橋和也だったが、窓場千加頼にすくわれる。そのまま打鐘の3コーナーで巻き返して主導権。番手の小嶋敬二が最終2センターで窓場を大きく張ると、近畿3番手の鷲田佳史(写真)が前に踏んで1着をさらった。


 「小嶋さんが出そうだったけど、番手に戻ったので。自分も再度、(窓場)千加頼(ライン)に付け直しました。そのあとは、(コースが空いて)いいのかなと思って入っていきました。せっかく(3日目からの補充で)来たし、24時間いられないのはね」


 逃げた高橋和也は、後続のもつれもあって3着に粘った。


 「変なタイミングで仕掛けて付きづらかったと思うし、掛かり切らなかったですね。小嶋さんがすごい仕事をしてくれました。珍しく3日間バックを取れているけど、初日、2日目は取っているだけになっている。3日目も3着ですけど、掛かりが良くないし。でも、最終日に選抜までいけたので、しっかり主導権を取るつもりで」


 

4R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 伊早坂駿一にフタをした松本貴治が赤板2コーナーで踏み込むと、簗田一輝(写真)も合わせて出て中団をキープする。松本が主導権を握って、巻き返した伊早坂は行き切れない。自力に転じた木暮安由のまくりは、松岡貴久がブロック。木暮に締め込まれた簗田だったが、立て直して追い込んで1着。


 「(最終)2コーナーで踏んだら木暮さんと合っちゃった。もっと早く判断をして、先まくりを行ければ田中(晴基)さんと決まってた。最後まで踏めてるんで、(感じは)いいのかなと思うんですけど」


 松本の先行を利した松岡貴久は、番手で別線を阻むも最後は簗田に交わされた。


 「(松本が)思ったよりタレた。距離的にはそんなに(長くはない)と思ったんですけどね。自分も余裕がなかった」

5R

選手の写真です。
福田知也選手

 小松崎大地が赤板の2コーナーで先頭に立つと、別線の巻き返しはなし。打鐘の4コーナーから先行態勢に入った。番手の福田知也(写真)は、4番手から仕掛けてきた島川将貴をブロック。直線で抜け出して久々のビッグ勝利。


 「細切れ戦で(自分たちだけ)3車の有利はあったけど、(小松崎が)強かった。掛かりも良かったし、まくりがきても止められると思った。この1勝で最終日につながるし、このあとの地元(川崎)記念やダービーに続きますね」


 島川を目標にまくった松岡篤哉が2着。


 「島川君が行く(先行)かなと思っていたけど、想定外の展開でしたね。番手戦が続いていたけど伸びは良かったし、脚に問題はない。地元戦だけど、点数をもっていないので緊張せずに走っています」


 

6R

選手の写真です。
南潤選手

 赤板の1センターで出た南潤(写真)が、別線を警戒しながらペース駆け。7番手に置かれた近藤隆司が、打鐘の2センターから巻き返すが叩けず中団に。そのまま南が軽快に駆けて、今シリーズ2勝目を奪取。


 「先行しても、風がキツかった2日目のように沈むことはないだろうと。でも、バンクコンディションを確認した2レースのころより少し風があったので、大丈夫かなと思いましたね。想定通りの展開になりました。(最終)ホームで近藤さんが仕掛けてきたので強く踏んで、その後はニュートラルに入れてペース駆けに。椎木尾(拓哉)さんに差されなかったし、最後まで踏み切れたと思う」


 椎木尾拓哉は、南を交わせず2着。


 「ワンツーは良かったけど。差せるかどうかは見ての通りです。全然(差せない)ですよ」


 

7R

選手の写真です。
志智俊夫選手

 佐伯辰哉が別線を警戒しながら前に出る。稲毛健太はすかさず巻き返し、打鐘の3コーナーで叩いて主導権を奪取。番手の志智俊夫(写真)は車間を空けて反撃に備えると、直線で追い込んで抜け出した。


 「みんな軽いと言っていたけど、すごく重かったです。でも、稲毛君がすごかったですね。(3番手に山口富生が付いていたので)もうちょっと早く踏み込めば良かった。モタモタしてラインで決められなかったです」


 前受けから6番手に引いた菅田壱道は、最終バックの手前から踏み上げる。ジワジワと迫ったが、中団のあおりもあって2着まで。


 「前を取ろうと思っていたし、ああいう展開になるかなと。佐伯君は中団を取ったのに俺を見ていたから仕掛けないと思って、無理やり行きました。初日と同様、佐伯君にブロックされましたね。でも、悪条件で外を張られて2着だし、新車がいい。このあとのダービーとかで向いてくると思う」

8R

選手の写真です。
松川高大選手

 打鐘過ぎに清水裕友を押さえた松坂洋平が、先行態勢を取る。しかしながら、8番手の松川高大が、2センターから反撃に出る。松川は3番手の清水を乗り越えて、最終2コーナー手前で逃げる松坂をとらえる。佐藤幸治が続き、3番手に清水が追い上げる。清水をけん制しながら、佐藤が追い込んで1着。


 「まさかあそこで早めに(松川が)行ってくれるとは。清水が俺の後ろにいたのがわかったんで意識はしました。(清水の仕掛けを)ズラすような感じでと。流れが良かったんでラッキーでした」


 「あそこしかなかった」と、一瞬の勝負どころを逃さずに仕掛けた松川高大(写真)の動きがいい。ロングまくりで九州ワンツーをメイクして汗をぬぐう。


 「前を取ってジャンで後方になったらカマそうと思ってた。そんなに緩んでもなかった。あそこで行けてるのは調子がいい証拠ですね」


 

9R

選手の写真です。
齋藤登志信選手

 小原唯志は中四国勢を警戒しながら、赤板の2コーナーで踏み込んで先行策。茨城勢を追った村上義弘は、佐藤友和をキメて3番手を奪取。すぐさま、最終2コーナーからまくって先頭へ。齋藤登志信(写真)は村上に切り替えると、直線で追い込んだ。


 「村上君が(降りてくるのは)俺のところだと思ったけど前だった。それで、藤木(裕)君に入られないようにしようと。(佐藤)友和を入れようとはしたんですけどね。村上君はほかの自力選手と違って、止まることなく踏んで行った。俺もここまでくれば1着を取ろうと」


 まくった村上義弘は、直線で失速して4着。しかしながら、好位を奪って仕掛けるなど存在感を大いに示した。


 「前々に踏んで、しっかり気合を入れて走った。苦しかったですけどね。いつも近畿の若い選手が頑張ってくれている。自分が前で走った時は、どういうレースをするか見せたい。それでお互い感じあって、成長していければ」


 

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 前受けから後方に下げた太田竜馬だったが、赤板の2コーナーから反撃を開始。新山響平を叩き、初手の隊列に戻って最終ホームを一本棒で通過する。5番手の三谷竜生が2コーナーから仕掛けるが、車が進まない。最後は、車間を切っていた松浦悠士(写真)が差し切った。


 「1番人気になっていたし、太田君を(2着に)残したかった。車間を空けたけど大きく振ると誰かが入ってくるので、その動きも小さく。ゴール前は(佐藤)慎太郎さんが(中を割って)来ると思ったので、ギリギリまで待って。締めながらだったけど、やっぱり(佐藤は)うまいですね」


 佐藤慎太郎が、太田と松浦の間を踏んで2着に食い込んだ。


 「キツいね。脚が痛いよ。閉まるリスクもあるけど、コース取りはあそこしかなかったでしょう。空いてはいなかったけど、突っ込みました」


 太田竜馬は微差で佐藤に敗れて3着も、積極的な組み立てで優出を果たした。


 「考えていた作戦とは違う展開だったけど、勇気一本でカマしました。先行争いになるとか考えても仕方がないから、あまり考えずに思い切って行こうと。松浦さんは自力があるので、仮に僕が失敗しても自分でなんとかできるので、余計なことを考えずに仕掛けられる。(松浦と)2人で決勝に乗れれば上デキです」


 

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 中本匠栄が打鐘で先頭に立つと、先に出た鈴木竜士が飛び付いて番手を奪取。浅井康太は不破将登の仕掛けを追わずに、最終ホームを後方で通過する。しかし、2コーナーからインを進むと、最終2センターで抜け出した。


 「不破君はジャン過ぎで脚を使っているし、あの上はいけないと思いました。ホームからは自分の競輪をやろうと。鈴木君がまくりに行くときに膨れると思ったし、あとは郡司(浩平)君が行くタイミングだけ気にして走りました。自分だけ無風だったし、最短距離を行ったので伸びましたね」


 前受けの郡司浩平(写真)は、最終ホーム過ぎに位置を確保。2コーナーから外を踏むと、番手から踏んだ鈴木の上をいく。インから抜け出した浅井こそまくり切れなかったが、2着で決勝にコマを進めた。


 「誰が先手を取るのかわからなかったけど、隙があれば仕掛ける準備をしておこうと。(鈴木)竜士があの位置を取って、自分も脚を使わないであそこ(4番手)が取れた。行こうと思ったところで行けたし、竜士の上を行けて、かなり手応えがありました。浅井さんは、あれだけショートカットされると厳しいですね。ここまですべて2着なので、1着は決勝にとっておきます」


 中村浩士は郡司に続き3着。


 「どうやって郡司君をアシストするか考えていました。浅井君が見えて、その後ろがいなかったので。郡司君が追いかければ大丈夫かなと。ゴール前に平原君がきていたけど、風のおかげで助かりました」


 

12R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 茨城3車の先頭を担う吉田拓矢が、赤板の2コーナー手前で飛び出す。合わせて動いた渡邉雄太は4番手を確保して、脇本雄太は前との車間を空けた8番手で打鐘を通過する。脇本が最終ホーム手前から反撃を開始。渡邉が外に振ると、空いたインを山崎賢人(写真)が覚悟を決めて踏み込む。外の脇本、内の山崎でまくり合戦。逃げる吉田の内まで空いて山崎が先頭に立つと、脇本が外から襲い掛かる。脇本が直線で詰め寄るも、“経済コース”を通った山崎が4分の1輪、振り切った。


 「(脇本を相手に)1個なにか変わったことをしたいなっていうのがあった。それが出た。吉田君のところも空いてくれと思ったら、空いたんでラッキーでした。ずっと1着を取られるのも悔しいんで(勝てて)良かったです。ただ、まだまだですね。力勝負じゃないんで、素直には喜べない。もっと力をつけていかないと」


 別線のあおりもあって大外を回った脇本雄太は、脚力の違いを見せたものの2着に敗れた。


 「(最終)1センターのところで誰か(山崎)が、渡邉君と松谷(秀幸)さんの内をすごいスピードですり抜けてた。でも、自分が対応できるわけじゃないんで難しい。(外に張られて)もってこられると思ってたんで、その対応はできた。(決勝は)とりあえず最低条件だったんで、クリアできてホッとした」


 脇本をけん制しながら最終2コーナー手前からまくった渡邉雄太が、3着でビッグ初優出。


 「内から(山崎が)来てなければ、面白かったかもしれない。しょうがないですね。自分のできるだけはやりました」


 


 


≪最終日9R「ガールズケイリンコレクション2019大垣ステージ(FII)」≫


 小林優香が、約8ケ月ぶりとなるガールズケイリンに参戦。現在、メインとなっているナショナルチームでの活動は、12月ワールドカップのケイリンで銅メダルを獲得と世界の強豪と互角に渡り合っている。


 「(競技の18-19年は)いいシーズンだったとは言えないですね。世界選手権で結果が出ていないので。メダルを取れたことは良かったけど、まだまだ上にいかないといけない。スプリントでも、しっかり結果を残せるように。(ガールズケイリンは競技のケイリンと)ルールも違いますし、フレームも硬さから違います。最初は軽すぎて違和感がありました。でも、ここまでに乗り込んできて、(感触を)取り戻せましたね。(レースでは)ここと思ったところから仕掛けて、優勝を狙います」


 対するは、昨年のガールズグランプリを制した児玉碧衣。今年も白星を重ねて、女王の名にふさわしい成績を残している。


 「今年の目標は、タイトルを全部取ることを掲げています。ここまではしっかり走れているし、内容もいいと思う。前回の別府は決勝で2着でしたけど、ガールズコレクションにつながるように1周先行すると決めていました。今回は、(小林)優香さんがいますし、チャレンジャーとして。優香さんは姉弟子ですし、ナショナルチームで活躍もしている。でも、(自分も)賞金女王になったので、意地をみせたい」


 石井寛子が2月小倉では、ガールズで2人目となる通算300勝を達成。さらに、今年の出走はすべて1着と乗れている。


 「デビューしてから、一番いいと思います。今の18連勝も自己ベスト。(好調の)一番の要因は、両手首の痛みがなくなったことですね。前まではレース中に痛みはなかったけど、無意識にかばうところがあったと思う。あとは、ここから(小林)優香ちゃん、(児玉)碧衣ちゃんにどうしたら勝てるか考えながら練習をするか。強くはなっているけど、相手も強くなっているので」