茨城3車の先頭を担う吉田拓矢が、赤板の2コーナー手前で飛び出す。合わせて動いた渡邉雄太は4番手を確保して、脇本雄太は前との車間を空けた8番手で打鐘を通過する。脇本が最終ホーム手前から反撃を開始。渡邉が外に振ると、空いたインを山崎賢人(写真)が覚悟を決めて踏み込む。外の脇本、内の山崎でまくり合戦。逃げる吉田の内まで空いて山崎が先頭に立つと、脇本が外から襲い掛かる。脇本が直線で詰め寄るも、“経済コース”を通った山崎が4分の1輪、振り切った。
「(脇本を相手に)1個なにか変わったことをしたいなっていうのがあった。それが出た。吉田君のところも空いてくれと思ったら、空いたんでラッキーでした。ずっと1着を取られるのも悔しいんで(勝てて)良かったです。ただ、まだまだですね。力勝負じゃないんで、素直には喜べない。もっと力をつけていかないと」
別線のあおりもあって大外を回った脇本雄太は、脚力の違いを見せたものの2着に敗れた。
「(最終)1センターのところで誰か(山崎)が、渡邉君と松谷(秀幸)さんの内をすごいスピードですり抜けてた。でも、自分が対応できるわけじゃないんで難しい。(外に張られて)もってこられると思ってたんで、その対応はできた。(決勝は)とりあえず最低条件だったんで、クリアできてホッとした」
脇本をけん制しながら最終2コーナー手前からまくった渡邉雄太が、3着でビッグ初優出。
「内から(山崎が)来てなければ、面白かったかもしれない。しょうがないですね。自分のできるだけはやりました」
≪最終日9R「ガールズケイリンコレクション2019大垣ステージ(FII)」≫
小林優香が、約8ケ月ぶりとなるガールズケイリンに参戦。現在、メインとなっているナショナルチームでの活動は、12月ワールドカップのケイリンで銅メダルを獲得と世界の強豪と互角に渡り合っている。
「(競技の18-19年は)いいシーズンだったとは言えないですね。世界選手権で結果が出ていないので。メダルを取れたことは良かったけど、まだまだ上にいかないといけない。スプリントでも、しっかり結果を残せるように。(ガールズケイリンは競技のケイリンと)ルールも違いますし、フレームも硬さから違います。最初は軽すぎて違和感がありました。でも、ここまでに乗り込んできて、(感触を)取り戻せましたね。(レースでは)ここと思ったところから仕掛けて、優勝を狙います」
対するは、昨年のガールズグランプリを制した児玉碧衣。今年も白星を重ねて、女王の名にふさわしい成績を残している。
「今年の目標は、タイトルを全部取ることを掲げています。ここまではしっかり走れているし、内容もいいと思う。前回の別府は決勝で2着でしたけど、ガールズコレクションにつながるように1周先行すると決めていました。今回は、(小林)優香さんがいますし、チャレンジャーとして。優香さんは姉弟子ですし、ナショナルチームで活躍もしている。でも、(自分も)賞金女王になったので、意地をみせたい」
石井寛子が2月小倉では、ガールズで2人目となる通算300勝を達成。さらに、今年の出走はすべて1着と乗れている。
「デビューしてから、一番いいと思います。今の18連勝も自己ベスト。(好調の)一番の要因は、両手首の痛みがなくなったことですね。前まではレース中に痛みはなかったけど、無意識にかばうところがあったと思う。あとは、ここから(小林)優香ちゃん、(児玉)碧衣ちゃんにどうしたら勝てるか考えながら練習をするか。強くはなっているけど、相手も強くなっているので」
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