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決勝戦レポート
村上博幸(京都・86期)
村上博幸が5度目の記念制覇
S班から陥落して約2年。相次ぐ落車や怪我でグレードレースの優勝から遠ざかっていた村上博幸。それでも、ひたむきに努力した成果が、大垣の地で現れた。
「GIの決勝も目標にしていますけど。最近の目標がGIIIの優勝だったので、本当にうれしい。優勝は(12年の)向日町記念以来ですね。SSを落ちてからチャンスがなくて。落車も多いですけど、踏ん張れたのは周りの先輩、後輩のおかげだと思います。4日間納得いく走りができました」
大挙6人が勝ち進んだ近畿勢。決勝は二つのラインに別れて優勝を目指した。信頼できる仲間達の力勝負を嬉しく思いつつ、巡ってきたチャンスをしっかりとつかんだ。
「6人で決勝に乗れたことが、一つ嬉しかったですね。僕的に(三谷)竜生はダービー王ですし、勝てるように走ってくれればと思っていました。稲垣(裕之)さんも、どんな展開になっても対応すると思っていたので、追走だけ心がけて。竜生が格の違いを見せてくれたし、シビレましたね。稲垣(裕之)さんも対応してくれて、チャンスが巡ってきました」
ハイスピード化が進む競輪界。村上も、その流れに取り残されることなく進化し続ける。
「マーク屋ってのは、今の時代ではない。解説の人も言っているくらいですし、タテ脚を磨いて勝負しないと。楽に回っても差せないと優勝できないですからね。まくれる脚とかも付けていきたいですね」
次は、いよいよ今年最後のGI・競輪祭。ムード最高潮で大舞台に臨む。
稲垣裕之は、村上に交わされて準V。しかしながら、村上と同様に、後輩達の熱い走りに満足げ。
「決勝は近畿が2つに分かれて戦って。お互いが力を出し切ったことが、まず幸せです。(石塚)輪太郎と竜生も力勝負をしてくれて、とても嬉しかった。ただ、小松崎(大地)が来ていたし、後ろに村上君も付いていたので。竜生の頑張りを無駄にしないためにも、早めに踏ませてもらいました。村上君が強かったです」
大外をまくり上げた小松崎大地だったが、稲垣のまくりを乗り越えられず3着まで。
「近畿がやり合う流れになって。展開は向いたけど、自分の力不足ですね。稲垣さんに合わされてしまったのも痛かったです」
三谷竜生は持ち前の強気な組み立てで、別線の石塚と真っ向勝負を演じた。
「(近畿が2つに分かれて)やりづらさはなかったです。後ろの2人がワンツーを決めてくれて、最低限の仕事はできましたね。調子も問題ないです」
記念の初決勝に臨んだ石塚輪太郎だったが、結果はシンガリ負け。
「思ったより早くレースが動きましたね。自分が踏み過ぎてしまったところもあります。ただ、自分は先行するしかないですし、完全に脚負けですね。今度は、もっと良い着が取れるように」
成清貴之は、思い描いた展開にならず4着まで。
「石塚君がいくと思っていたので(初手から追走した)。いったところを仕掛けたかったけど、竜生の巻き返しが早かったですね。流石だね。チャンスがなかった。(上をいかれて村上)博幸のところを狙い撃ちできればよかったけど」
レース経過
スタートで佐藤慎太郎がポンと飛び出し、小松崎大地-佐藤が前団に構える。以下は三谷竜生-稲垣裕之-村上博幸、石塚輪太郎-東口善朋-高間悠平に単騎の成清貴之で周回を重ねる。
青板のバックで動き始めた石塚は、合わせて出た三谷を強引に押さえ込んで赤板で主導権を握る。東口-高間に成清まで出切り、三谷は5番手、小松崎が一本棒の8番手で打鐘を迎える。反撃のタイミングをうかがった三谷は3コーナーから巻き返すが、石塚も合わせて両者の叩き合いで最終回。
石塚の抵抗に脚を使った三谷はいっぱい。後方からまくった小松崎が迫ると、稲垣は自力に転じて2コーナーからまくり上げる。稲垣がバックで前団をのみ込んで村上の追走。小松崎のまくりは村上の横までで、京都コンビに切り替えた成清は東口にからまれる。優勝は京都の2人に絞られ直線。押し切り図る稲垣を村上が直線半ばで交わしてV。2着に稲垣、小松崎が3着に入る。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 村上 博幸 | 京都 | 86期 | S1 | 11.5 | 追込み | ||
2 | 5 | 稲垣 裕之 | 京都 | 86期 | SS | 1/2B | 11.7 | 捲残 | B |
3 | 7 | 小松崎 大地 | 福島 | 99期 | S1 | 1/2B | 11.7 | まくり | |
4 | 4 | 成清 貴之 | 千葉 | 73期 | S1 | 3/4B | 11.6 | ||
5 | 3 | 佐藤 慎太郎 | 福島 | 78期 | S1 | 1W | 11.6 | ||
6 | 8 | 高間 悠平 | 福井 | 95期 | S2 | 1B1/2 | 11.7 | ||
7 | 2 | 東口 善朋 | 和歌山 | 85期 | S1 | 1B1/2 | 12 | ||
8 | 9 | 三谷 竜生 | 奈良 | 101期 | S1 | 4B | 12.5 | ||
9 | 6 | 石塚 輪太郎 | 和歌山 | 105期 | S2 | 1B1/2 | 12.7 | H |