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決勝戦レポート

村上博幸(京都・86期)

村上博幸が今年2V目を奪取

 三谷竜生が欠場し、地元のエースを欠いた近畿勢。さらに、参戦した地元勢も初日から続々と姿を消した。それでも、唯一のS班、そして近畿の主軸として奮闘を続けた村上博幸。最後まで主役の座を全うし、記念連続Vを果たした。
 「(三谷)竜生がいなかったけど、なにがなんでも優勝するって気持ちではなかったです。まずは決勝に乗ってと。でも、(白星を挙げた)初日も自力を出さなあかん展開だったし、結果に満足しています」
決勝は優勝した1月松阪記念、白星を挙げた今シリーズの初日と同様に、自ら動くことを選択。4車の強力布陣を敷く北日本勢や、仕上がり良い原田研太朗に対し、キャリアの差で対抗した。
 「ここに2年くらいは次のことを考えてやってきました。今回の決勝も流れの中で走ろうと。それこそ松阪記念の決勝も後方に置かれているし、目標を絞ってしまうと不完全燃焼で終わることもあると思って。組み立ても、やりあったところをまくるとか、流れで追い上げるとか、いろいろ考えていました」
 初手で中団の村上は新山の動きに合わせて踏むと、今度は分断策を敢行。山崎芳仁から好位を奪い、懸命に逃げる新山響平をゴール前で差し切った。
「(番手を取り切ったが)新山君が掛かっていて。ハラケン(原田研太朗)が飛んできていたら、何もできないなと思っていました。バック、3コーナーまでは脚が溜まらなかったですね。でも、これを逃すと優勝できないと思って、無我夢中で踏みました」
 4年ぶりにSS班に返り咲いた今年は、2戦目の1月松阪記念を1111着。そして奈良記念も制覇し、すでに2Vと赤いパンツに相応しい成績を上げている。今後も一層自身を高めて、存在感を示していく。
 「日頃の新しい練習がかみ合っているのが大きいですね。今の練習をして、もっと上を目指して。去年はS級1班で記念のあっ旋が少なかったけど、今年は記念で結果を出していきたい」

 新山響平は、村上とのマッチレースに敗れて準V。
 「粘ることもあるのかと思ったけど、あんなにきわどいところに入ってくるとは思わなかったです。粘るなら1度切ってから飛び付くと思っていて、その形になったらスピードを上げて主導権を取りにいく予定でした。調子が良くて最後まで踏めていたので、あの展開なら押し切らないとダメ。まだ力が足りないことがわかったし、もっと練習して力をつけないと」

 原田研太朗は最終1センターから反撃を開始するが、3着までが精いっぱい。
 「新山君が掛かっていましたね。雨で全く前が見えてなかったです。1コーナーぐらいで踏んだけど、前は全然遠かったですね。今後はもっと状態を戻していきたいです」

 単騎の長島大介は願った展開とはならず、見せ場なく終わった。
 「ハラケンがカマしてくれないかと思っていました。そうしたら、付いていって勝負権があるかなと。でも、前が遠くてダメでしたね。でも、今シリーズは自力で決勝に乗ったし、次につながるかな」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で小倉竜二が飛び出して、原田研太朗を迎え入れる。村上博幸-村田雅一の近畿コンビが3、4番手で、単騎の長島大介が5番手、新山響平-山崎芳仁-佐藤慎太郎-竹内智彦の北日本勢は後ろ攻めで周回を重ねる。
 青板ホームから北日本勢が動き始めると、村上も合わせるように踏み上げて新山の後位で粘る。前受けの原田は3コーナーで車を下げて、村上と山崎が併走状態で赤板を通過する。新山は後方を確認すると、1センターから一気にスパート。しかし、山崎が遅れてしまい、村上が単独で番手を確保して打鐘を迎える。グングン加速していく新山を山崎は3番手で追いかけるが、車間は大きく空いたまま最終回へ。その後も車間は詰まることなく、絶好の展開で4コーナーを回った村上が、直線できっちり新山を交わしてゴール。1月松阪記念に続く、今年2V目を飾った。先行策に出た新山が2着に粘り、最終1センター7番手から仕掛けた原田は、山崎をまくり切るも、前の2人は遠く3着まで。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 村上 博幸 京都 86期 SS 10.1 追込み
2 3 新山 響平 青森 107期 S1 1/2B 10.2 逃残 H B
3 4 原田 研太朗 徳島 98期 S1 3B 9.6 まくり
4 6 長島 大介 栃木 96期 S1 3B 9.7
5 8 竹内 智彦 宮城 84期 S1 3/4B 10
6 7 村田 雅一 兵庫 90期 S2 5B 10.5
7 9 佐藤 慎太郎 福島 78期 S1 1/2W 10.7
8 5 山崎 芳仁 福島 88期 S1 3B 11
2 小倉 竜二 徳島 77期 S1 0